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3.授業期間・授業時間・担当など 3.1. 授業期間

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2010 年度春学期全学日本語プログラム 中上級総合日本語(501)授業報告

井江ミサ子・花薗悟・福岡理恵子・宮島敦子

【キーワード】 実践報告 タスク・シラバス 中級日本語 

1.はじめに

 本センターの全学日本語プログラムでは初級(100)から超級(800)まで 8 段階の レベルが設定されており、日本語がゼロの学生から超上級者まで対応できる体制が 整備されている。筆者たちは 2010 年度春学期、中上級総合クラス(501)を担当した。

井江・福岡は 2004 年からこの授業を担当しており、花薗・宮島は初めての担当で ある。全体のコーディネートは専任教員である花薗が行った。本稿では 2010 年春 学期の 501 の授業内容や進め方、問題点などについて報告する。

2.これまでの経緯

 全学日本語プログラムが始まったのは 2004 年度だが、その秋学期から 500 ~ 700 レベルで『国境を越えて』(後述)をテキストに使った授業が始まり、現在は 500 と 600 の総合クラスで同テキストを使用している(2005 年度までについては福田惠子 ほか 2006 を参照)。

 このレベル(500)の学習者は、上級~超級ほど日本語の理解力・運用力があるわ けでもなく、また初級の時のように着々と実力がついていくことを実感できるわけ でもないなど、さまざまな意味で学習・教育が難しい時期である。運用面の活動に に力を置くか、まだ不十分な文型や語彙学習に力を置くかで毎回悩む。前者に集中 しすぎると語彙や文法の力がつかないまま終わってしまう危険があるし、逆に後者 に時間を取られると学生が授業に興味を失う結果になってしまう。このクラスでは 基本的に両者をバランスよくという意図から、運用についてはスピーチ(プレゼン テーション)やディスカッションなどのタスクを課し、文型に関しては、これまで の担当者によって手分けをして「文型シート」を、また本文のまとめについては「理 解シート」を作り改訂を続けていた一方、語彙に関しては担当者各自が授業のやり 方を工夫するに終わっていた。またタスクの評価など、さまざまな懸案事項もあっ

東京外国語大学

留学生日本語教育センター論集 37:159~170,2011

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た。

3.授業期間・授業時間・担当など 3.1. 授業期間

 授業期間は全学プログラムが始まった4月12日からであり、7月26日に期末試験、

翌日に試験返却を行ってすべての授業を終了した。

3.2. 授業時間と担当

 以下のように授業を担当した。

月 1.a:井江 火 1. b:井江 水 1.a:花薗 木 1.b:宮島 金 1.a:福岡 月 2.b:井江 火 2. a:井江 水 2.b:花薗 木 2.a:宮島 金 2.b:福岡

3.3. 学生

 2010 年春学期に登録した 40 名のうち、2009 年の秋学期からの継続の学生〈401 からの持ち上がりの学生〉が通常にくらべてかなり多かった(一般的に継続生と新1 規生では学習へのモティベーションにかなりの差がある)。学生は a クラスか b ク ラスを選択し月曜日から金曜日まで毎日 1 コマの授業に出席する(a、b クラスは  基本的に同じ授業内容)。500 のレベルでは学生が学部の授業を聴講する場合など があり、a、b の別をこちらで指定できないため、能力別ではなく学生の希望に応 じて a、b を分けた。

4.開始前の打ち合わせ

 授業開始前の 3 月 10 日に全学日本語プログラム全体の打ち合わせがあり、全体 会議の後で 501 担当の教員で打ち合わせを行い、井江と福岡から学生の傾向や、ス ケジュール、授業のやり方などに対する説明があった。その後、3 月 25 日に 2 度 目の打ち合わせを行ない、語彙シート(5.2.2 参照)の構成などについて話し合った。

初めて担当する花薗と宮島が全体の流れについて把握できたこととともに、担当者 全員で授業に対するイメージを事前にかなり共有できたという点でも非常に有意義 であった。

 主に話し合われたことは以下のようなことである。

4.1. 授業全体について

 大筋としては前学期までを踏襲することになった。ただし、3 月 10 日の打ち合

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1

ちなみに 2010 年秋学期 501 は持ち上がりの学生はゼロである。

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わせで語彙の導入の際に文型シート同様に語彙でもシートを準備してはどうかとい うことが話し合われ、25 日に試案を検討、その後も検討を重ねてどのような形に するかを話し合った。

4.2. タスク

 タスク・シート配布からタスク発表までの流れについて確認した。

4.3. 学生

 501 の学生は 400 レベルで B 以上の成績を三つ以上取得して進級してきた学 生、もしくはプレイスメント・テストで 500 レベルに配置された学生のうち、501 履修を希望した学生である。学生の資格としては国費研究留学生、私費留学生、

ISEPTUFS、教員研修生、特別聴講生など多岐にわたる。総じて文型や読解の授業

(文型・語彙の導入の後に本文読みに入るというオーソドックスな授業のパターン、

インプット型の学習)では学生はモチベーションが高くなく、学生が中心に発表す るタスク(ディスカッションやタスク、アウトプット型の学習)などは一所懸命や る傾向がある、とはいえ基礎となる文型や語彙を授業で扱わないわけにはいかない、

ということなどが教師間で確認された。

5.授業の実際 5.1. 使用教材

 前学期までと同様、山本富美子著『国境を越えて[本文編]』『同・[語彙・文型編]』

(新曜社、2007 年改訂版)から第 1 課、第 2 課、第 6 課、第 8 課を扱った。このテキ ストは初版(2001 年)では文型導入の後に読解に入るというオーソドックスなスタ イルにも対応できる構成だったのだが、改訂版(2007 年)では(おそらく“タスク・

シラバス”の明確化2ということから)文型の導入が教科書にはなくなり、文型につ いては『語彙・文型編』で語彙と同様に英訳を示す程度の扱いに変わった3

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ただし、初版も「オーソドックスなスタイル」を推奨しているわけではなく、学習者の日本 語能力に合わせて『文型・表現練習』を使うというスタンス(初版のはしがきによる)である。

すなわち、初めからタスク・シラバスを意識していたが、実際にはオーソドックスな使い 方がなされたようなので、意図をより明確にするために改訂版では本の構成を変えた、と いうことではないかと思われる。

3

日本語能力試験 N2 の力を持つ学生なら、あるいはそうでなくても非常にモチベーション

の高い学生なら『語彙・文型編』のテキストの文型と語彙の英訳のみを参照して本文を読ん

でくることも可能かもしれない。しかし、このコースの学生は成績が進学などに直接関係

することはないためか、学習への動機づけは(たとえば本センター 1 年コースの学生にくら

べれば)常に非常に高いとはいえないと思う(今学期の学生は全学日本語プログラムが要求

する出席率 80 %は守るが、予習や宿題を毎回きちんとしてくる学生は全体の半数程度かそ

れ以下であった)。

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 そのため、教科書改訂後は文型・語彙については文型シート、また本文の理解に ついてもテキスト(本文編)の「内容理解のためのポイント」はこの授業ではやや使 いにくいということから理解シートを作成し、使用している。また 4.1 で述べたよ うに語彙シートを今回、新たに作成した(5.2.2 で詳述)。教科書の使い方については

(特に文型・語彙シートを用いるということなど)原著者の意図とは全く異なるのか もしれないが、受講する学生のレベルやモチベーション、また教員側の状況4を考 慮すると本授業では上記のようなやり方が適切であると判断してのことである。

5.2. 授業の実際

 上に述べたように、授業の流れとしては「文法シート」→「語彙シート」→「本文読 解」→「理解シート」(宿題)→タスクという手順で進んだ。全体の進度は巻末の表を 参照されたい。

5.2.1. 文型 授業では文型シートを用いて例文で扱われている語彙を確認しつつ

(未習語の場合も多い)、既習の文型に関連付けたり、状況を設定したりして文型の 内容を理解させた後、練習問題に答えるという形式で進めた。練習問題は選択式と 記述式とがあり、選択式のものは学生に解かせてから答え合わせをしたが、記述式 では学生を指名して文を作らせどこがおかしいかを指摘し、それを皆に書き取らせ るという方法で行った(全員に文を作らせると時間的に修正ができないため)。なお、

学習した文型を定着させるため宿題を課したが、新たに文を考えて作らせるように すると、やはり書いてきた文を修正するのに膨大な時間がかかること、またどこが おかしいかを十分にフィードバックできないという理由から、宿題として授業中に シートに正解として記入したものを書いてくるようにさせた(巻末に文型シートの 例をあげた)。

5.2.2. 語彙 たとえば、

『国境を越えて [ 語彙・文型編 ]』の第 1 課トピック 1 だけを 見ても訳語が載っている新出語が **(最重要)である語彙が 100 以上あり、*(重要)

が 26 個、その他印なしが 19 個と約 150 語にものぼる5。学生はかなりの語が未習 である場合も考えられ、そうであれば本文を読むのも極めて困難となる。前学期ま

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授業全体をタスク・シラバスで通す場合(かなりモチベーションの高い学生に対して)1 人 か 2 人の担当者が内容や進行を緻密に打ち合わせて集中してやる必要があるように思われ る。しかし、このコースでは 5 回の授業を 4 ~ 5 人で担当してきていることや、現在の教 授方法を全面的にタスク・シバラスに変えることのメリットが現時点では未知数であるた め、タスク・シラバスへの完全な移行には躊躇がある。

5

ただし、 「半年」のような初級語彙や固有名詞も含まれている。

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では各教員が担当の箇所をそれぞれのやり方で工夫して教えていたが、上に述べた ように教員が共通で使用する語彙シートを作成することにし、何度か試作した後、

最終的に巻末に上げたような形になった。すべての語彙をとりあげることはできな いため、まず接辞などを扱った後、関連性のある言葉をまとめたもの、本文を読む のに必要なキーワードとなり得るもの、ひらがなの動詞を中心に、などできるだけ 関連をもつ語をグループとして提示できるように語彙シートを作成した。授業では その場で意味を調べさせた後、練習問題を解かせて答えあわせをした6。もちろん この方法では本文を読む際に知らない語彙がゼロにはならないが、その数が少なけ れば本文を読む困難さは減るはずである7

5.2.3. 本文 各課はトピック 1,2,3 に分かれ、本文は基本的にそれぞれ 1 が書

き言葉の読解、2 が講演やディスカッションなど話し言葉の読解、3 が聴解である。

本文の流れを把握し、漢字の読みを確認させるとの判断から読解であるタスク 1、

タスク 2 でもまず MD で音声を聞かせた。

 文脈における語の意味や指示語の確認、段落ごとのまとめを行なうことはもちろ んだが、各課で扱われるテーマについて読む前にブレインストーミングをして、問 題の所在を明らかにし、各トピックを読んだり聞いたりした後、そこで紹介されて いる論や筆者の意見について、自分自身で考察を加え、批判や提案ができるように 留意しながら読む(聴く)ようにした8。的確な批判をするためには本文の論を的確 につかむことが重要であるが、500 レベルだとそれはなかなか難しく、また人数が 多くレベル差も大きいため、発言量にもどうしても差が出る傾向があり、各学生が きちんと理解しているか授業中に確認することは難しい。宿題として理解シート(学 生が取り違えやすい点や、つかみにくい箇所に留意して作成)を課したのは、きち んと論を追えているか、学習者自身と教師が確認できるようにとの配慮からである。

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関連語彙を導入することもあり、学生たちも比較的熱心にノートをとっていたようである。

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なお、501 で使用した部屋(214 教室)はホワイトボードに実物投影機でプリントが投影でき るようになっていたので、関連する語などを補って書くには便利な環境であった。

8

文型や語彙の段階でも、 「本文」のトピックについての準備となる「背景知識」も同時に確認

する方向で進めた。

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6.タスク 6.1. タスクの内容

 タスクとして課した内容は以下の通りである。

  ・タスク第 1 回(L1):「『自国の文化』紹介」 :全体での発表形式  ・タスク第 2 回(L2):「自国の人口問題について」:座談会形式  ・タスク第 3 回(L6):「環境問題について」:座談会形式 

6.2. タスク・シートとフィードバック

 スケジュールにも示したようにタスクの準備は L1 なら課のテーマが把握できた 頃合を見はからって(トピック 2 に入ったあたりから)はじめた。タスクの趣旨を 説明した後、タスク・シート(アウトラインを作成するためのシート)を配布し、

提出してきたタスク・シートに教員からのコメントを書いて返却した(L2 と L6 は 授業終了後にごく短い時間であったが簡単に口頭でもコメントを伝えた)。その後 にスクリプトを作成させ添削の後に学生に返し、場合によっては(ポイントが大き く外れているものなど)再提出させた。

 なお、全学生が必ずしも一度に出すとは限らないため、それぞれの教員がタスク シートに対するコメントをつけて返却したが、教員によってタスクシートに対する コメントの基準が必ずしも一定で無いことが第一回(L1)のタスクシート返却の際 に問題になった。今期は井江の授業のある月曜日に福岡と花薗もセンターに来てい ることから、第二回以降のタスク・シートのコメントについては学生が出してきた ものを 3 人で見て話し合い、基準のすり合わせを行った。

6.3. スクリプト添削

 タスク・シートをもとに学生にスクリプトを書かせ、出されたものを添削の上、

返却した。

6.4. タスク練習と本番

 発表の仕方やディスカッションの司会などについてそれぞれのタスク前に簡単に 解説した。また授業の半コマ~一コマ程度の「タスク準備」の時間を取り、学生同 士で原稿を読みあわせを行い、耳で聞いてわかるかどうかをチェックさせた。これ は学生がスクリプト作成の際、電子辞書などで言葉を調べるため、発表者以外には 未習語が多く含まれている場合があるからである。学生は自分の用意してきたもの が他の学生に理解できない語彙をたくさん含んでいることにショックを受け、既習 の語彙でいいかえる、語彙リストを作るなどの作業を週末に行っていたようである

(寮などで友だちを相手に自主的に練習をしていた学生もいたと聞く)。なお、第 2

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回、3 回のタスク本番(座談会形式)には日本人学生にも参加してもらい、ネイティ ブの視点からのフィードバックを得ることも出来、学生たちには好評であった。

 また 3 回目のタスク・シート配布の際、タスクの採点について質問が学生から あった。それまでは教員間で問題となっていたこともあり、フィードバックを含め て 3 回目のタスクには教員が各グループに入り、タスクの採点をした(成績の一部 とした)。次回からは 1,2 回目のタスクにおいても何らかの形で教師側からの明確 なフィードバックを行うことを予定している。

7.試験と評価

 試験としては各課が終了した後に行った漢字クイズ(第一回の前に出題形式につ いてのプリントを配布した)と 6 月に中間試験、7 月の学期末に期末試験を行った。

各試験とも先学期までに使用されていたものを使ったが、中間・期末試験の文法項 目については担当した教員によって扱いに軽重(試験で大きく扱われているものを 授業では簡単に扱ったりした場合など)があったため、試験前に見直して多少の手 直しをした。

 評価については、シラバスの記載どおり中間・期末試験 60 %、漢字テスト 20 %、出席 10 %、宿題などの提出率 10 %とした。不合格者はおらず、ほぼ全員が A か B の成績で修了することが出来た。 

8.反省と展望

1. 学生のアンケートで「もっと討論会的なものを」などの意見があった。ただし、

中級後半ということもあり、文型や語彙で身につけさせておきたいものも多く、

また、学生もプレゼンテーションなどの学生主体の授業形態を好む傾向があると はいえ、タスク・シートの提出が大幅に遅れたり、最後までスクリプトをきちん とした形で提出せずに(「ぶっつけ本番的に」)発表をする学生もいたため、タス ク的なものを多く取り入れることが学習効果をあげることと直結するともいいが たい。文型/語彙導入、本文読解/聴解などの日本語そのものの学習とタスク的 なものとの折り合いをどのようにつけるかは今後も課題となるだろう。本文読解 の前にテーマを予想させて話し合う、読解後にそこに出てきた事項についてディ スカッションさせるなど、理解するための読解でなく、テーマについて考えタス クにつなげていけるようなものにする努力を続けていきたいと思う。

2. 反省会(授業終了後の夏休みに行った)で文型シートの整理をしていて気がつい

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たことだが、文型シートの教授意図をとりちがえていたことがあったことがわ かった。他の教科書を使用している場合でも、一般に指導書などが完備されてい ない場合、文型によっては(その項目のポイントがどこにあるのか)作成者の意 図が伝わらない、あるいはとりちがえることがある。ただ、このような授業の文 型シートで教師用指導書的なものまでは作成するのは難しいため、不明なところ は作成者あるいはこれまでに授業で担当した教員に前もって確認しておくことな ども必要である。

3. テキストの内容について 501 で扱う内容は、風土、人口、地球環境といった問題 であるため、特に欧米系の学生から、せっかく日本に来たのだから、日本文化に 関するテキストやタスクをしたいという意見もよく聞く(日本語・日本文化が専 門の学生が多いこととも関係があるかもしれない)。学生たちがテキストの「論調」

を気に入らないとしても、意図的にそう作ってある面もあるので、教師側はそれ を「批判的」に読ませようとする。しかし、それもあまり続くと退屈に感じるよ うである。また、こういった「社会的な問題について考えさせる」こと自体を「お しつけがましい」と感じる学生もいる。以上のような理由から、いかに学生の興 味の持つテーマをとりあげるようにするかが今後の課題であろう。

4. タスクについては上述したように全員が無事(あるものはなんとか)終えること が出来た。しかし、学生のほとんどが発表にパワーポイントを使用しており、目 を見張るようなすばらしいものを作ってくる学生もいたが、別の視点から見れば 画像や動画に頼りすぎているのではないかと思われる場合もあった。コンピュー タの授業ではなく日本語の授業であるので、全部の回でとはいわないが、パワー ポイントを使わずに発表させることも必要なのではないか。

5. 2(これまでの経緯)で記したことと重なるが、今回初めて担当した教員の一人は この 501 クラスというのは文型・語彙という要素的なものとタスクを中心とする 技能的なものをどのようにバランスよく教えたらいいかという、中級レベルの教 授の根本的なジレンマが具現化されているクラスではないか、そういった意味で はこのクラスの運営方針は、テキストの運用重視への傾きを(どれほどうまくいっ ているかはわからないにせよ)カバーしたものになっているのではないかと感じ た。もちろん、各学期ごとに学生は入れ替わりクラスの雰囲気も大きく異なるた め、それらにあわせて要素と技能的なものをどうくみあわせて対処していくかは 今後課題であり続けるのであろうが。

6. 教員側としては打ち合わせの段階から期末試験終了まで全員が一致協力して非

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常によい雰囲気でチームティーチングを進めることが出来た(特にコーディネー ターはそれを強く感じた)。

 文型シート、理解シートなどの作成をはじめ、501 の授業を作ってこられたこ の授業のこれまでのご担当の先生方と、いつも素早く正確な仕事でプリントの印 刷などをしてくださった全学日本語プログラム教務補佐の徳永奈美さんに感謝し つつこの稿を終えることとしたい。

参考文献

福田惠子・井江ミサ子・福岡理恵子・高野愛子・中村則子・上村佳子・坂本惠 2006「『国 境を越えて』を用いた中上級、上級授業の試み」『東京外国語大学留学生日本語 教育センター論集 32』東京外国語大学

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(11)

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(12)

2010 年度 501 春学期     月 井江

(a 1 限 /b 2 限) 火 井江

(a 2 限 /b 1 限) 水 花薗

(a 1 限 /b 2 限) 木 宮島

(a 2 限 /b 1 限) 金 福岡

(a 1 限 /b 2 限)

第 1 週

内 容

4/12 L1 教科書・授業の仕 方などの説明、

T1 文型 1.2

4/13 L1

T1 文型 3-5 4/14 L1 文型 6,7 語彙①

4/15 L1

語彙② 4/16 T1

語彙終了本文

第 2 週

内 容

4/19 L1

T1 本文つづき 4/20 L1T1 終了 T2 文型 1 タスク配布・説明

4/21 L1

T2 文型 2 ~ 6 4/22 L1

T2 文型終了 4/23 タスクアウ トラインについて の話し合い

第 3

週 内 容

4/26 L1T2 語彙 4/27 L1 T2 語彙終了 タスクシート返却

4/28 L1T2 本文 4/29 昭和の日 4/30 L1 T2 本文 タスク構 成について

第 4

週 内 容

5/3 憲法記念日 5/4 みどりの日 5/5 こどもの日 5/6 L1

T2 本文終了 5/7 L1 T3 文型・語彙 タスクスクリプト提出

第 5

週 内 容

5/10 L1T3 語彙終了 テキスト p9(聴く前に)

漢字クイズのサン プル説明

5/11 L1T3 終了 5/12 L2T1 文型

L1 漢字クイズ 5/13 L2T1 文型 5/14 L2 T1 文型終了 L1 タスク準備

第 6

内 容

5/17 L1タスク発表 5/18 L1タスク発表 5/19 L2T1 語彙 5/20 L2

T1 語彙終了 5/21 L2T1 本文

第 7

週 内 容

5/24 L2

T1 本文終了 5/25 L2 T1 本文内容確認 L2T2 文型

5/26 L2

T2 文型(6 まで) 5/27 L2 T2 文型終了 語彙

5/28 L2 T2 語彙終了

(a 本文)

第 8 週 内

5/31 L2T2 本文 6/1 L2 T2 本文終了

(a は T3 文型 1)

6/2 ボート大会 6/3 L2

T3 文型(5 まで) 6/4 L2T3 文型終了

第 9

週 内 容

6/7 L2T3 語彙 6/8 L2T3 語彙 6/9 L2T3 聴解 6/10 L2 漢字クイズ L6T1 文型

6/11 L6 T1 文型終了

第 10

週 内 容

6/14中間試験 L1 + 2 6/15 試験返却

L6T1 語彙 6/16 L6T1 語彙 6/17 L6 T1 語彙修了 L2 タスク準備

6/18 L2 タスク発表

第 11 週

内 容

6/21 L6T1 本文 6/22 L6T1 本文 6/23 L6 T1 本文修了

(L6T2 文型 a のみ)

タスク配布

6/24 L6T2 文型 6/25 L6T2 文型

第 12 週

内 容

6/28 L6T2 文型終了 6/29 L6T2 語彙 6/30 L6

T2 語彙終了 本文 7/1 L6

T2 本文終了 7/2 L6 T3 文型・語彙

第 13

内 容

7/5 L6T3 語彙終了 7/6 L6T3 聴解 7/7 L8T1 語彙 7/8 L8T1 文型 7/9 L6 タスク準備

第 14

週 内 容

7/12 L6

タスク発表 7/13 L8T1 語彙 7/14 L8 T1 本文 L6 漢字テスト

7/15 L8 T1 本文 L8T2 文型

7/16 L8T2 文型

第 15 週 内

7/19 L8T2 文型・語彙 7/20 L8T2 語彙 7/21 L8T2 本文 7/22 L8

T2 本文終了 7/23 質問日

第 16

週  

7/26 期末試験 L6+L8 7/27 試験返却    

参照

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