九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Calpain inhibitor calpeptin suppresses
pancreatic cancer by disrupting cancer–stromal interactions in a mouse xenograft model
吉田, 真樹
https://doi.org/10.15017/4059945
出版情報:九州大学, 2019, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:(C) 2016 The Authors.Cancer Science published by John Wiley & Sons Australia, Ltd on behalf of Japanese Cancer Association. This is an open access article under the terms of the Creative Commons Attribution-NonCommercial License, which permits use, distribution and reproduction in any medium, provided the original work is properly cited and is not used for commercial purposes.
(別紙様式2)
氏 名 吉田 真樹
論 文 名 Calpain inhibitor calpeptin suppresses pancreatic cancer by disrupting cancer–stromal interactions in a mouse xenograft model
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 田口 智章 副 査 九州大学 教授 岩城 徹 副 査 九州大学 教授 江藤 正俊
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
癌間質増生は膵癌の進行に寄与することが知られている。しかし、近年の、膵癌に対す る複数の抗線維薬を用いた臨床試験ではその明確な有効性を示せていない。そのため、癌 間質増生を標的とした別の作用機序による抗線維薬のさらなる検討が必要である。カルパ イン阻害薬であるカルペプチンは線維芽細胞の機能を抑制し、線維化を阻害する。本研究 では膵癌に対するカルペプチンの抗癌作用を検討するために、マウス異種移殖モデルを用 いてカルペプチンが腫瘍進行を抑制するかを解析した。また、定量的RT-PCRを用いて 膵癌細胞、膵星細胞でのcalpain-1およびcalpain-2のmRNA発現を評価した。また、
我々はカルペプチンの膵癌細胞、膵星細胞に対する抑制効果を検討するために、細胞増 殖、細胞遊走、細胞浸潤を含む機能解析を行った。定量的RT-PCRによって膵癌細胞と 膵星細胞がカルパイン2 mRNAを発現していることが示された。カルペプチンは ヌード マウス異種移植モデルで腫瘍容量と腫瘍重量、間質増生反応を有意に抑制した。また、カ ルペプチンは生体外試験で膵癌細胞と膵星細胞の細胞増殖、細胞遊走、細胞浸潤を含む生 物学的機能を有意に抑制した。さらにカルペプチンは癌間質相互作用を阻害することによ って膵癌細胞と膵星細胞の細胞遊走を有意に抑制した。本研究成果は、カルペプチンが膵 癌細胞と膵星細胞を抑制することのみならず癌間質相互作用を阻害することで膵癌に対す る抗腫瘍薬として期待できることを示唆する。
以上の成績は膵癌の研究に知見を加えた意義あるものと考えられる。本論文につ いての試験はまず研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、各調査委員に より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項につき種々の質問を行った が、いずれについても適切な回答を得た。なお、本論文は共著者13名であるが、予備 調査の結果、本人が主導的役割を果たしていることを確認した。
よって、調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。