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環境調和型液体燃料製造のための新規ナノ構造触媒の開発

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Academic year: 2021

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環境調和型液体燃料製造のための新規ナノ構造触媒の開発

研究代表者 理工学研究部(工学) 椿 範立

1

プロジェクトの背景・目的

エタノーノレは有用な化学製品であり, 溶剤, 有機合成原料などとして広く使われている。

現在, エタノーノレは石油を原料とするエチレンの水和反応で、大量に作られており, 近年では バイオエタノーノレとして サトウキビやとうもろこし等の食料の発酵によっても作られてい る。 廃木材などの非食料を原料とするバイオマス資源を原料とするブドウ糖を経るエタノー ノレ合成フ。ロセスも研究されているが, 実用化にはほど遠い現状である。 非食料ノくイオマスは 熱分解等の分解反応により, 合成ガスに転換することができる。 合成ガスは一酸化炭素と水 素の混合ガスであり, これを原料として適当な触媒を選ぶことにより, 直鎖炭化水素, 分枝 炭化水素, メタノーノレ, ジメチルエーテル(DME)を合成することができ, 今までの研究報告 ですでにその一部を報告している。

本年度の研究では, この合成ガスを原料として直接エタノール合成で、きるプロセスと触媒 開発を行った。 この触媒反応の反応式を式(1)と(2)に示す。 原料として合成ガスにDMEを混 合したガスを用い, まず(1)式に示すような反応でDME のカノレボニル化反応が起こり, 酢酸 メチルが生成するO この反応の触媒には貴金属を担持させたゼオライトを用いる。 次に(2)式 に示すような酢酸メチルの触媒水素化により, エタノーノレとメタノールが生成する。 この反 応の触媒には Cu/ZnO触媒を用いる。 この反応の全体の反応式として(3)式に示す。 DMEと水 素一酸化炭素の反応により, エタノールとメタノーノレが生成するo この(1), (2)の反応式で示 す触媒反応を連続して行うため,図1に示すような反応器を用いてエタノーノレ合成を行った。

リアクターの内部にはまずDMEのカルボニル化して酢酸エチルを合成するため,触媒として 貴金属を担持したゼオライトを詰め, 次に酢酸メチルの水素化触媒として Cu/ZnO 触媒を充 填して反応を行った。

D恥伍のカノレボニル化 酢酸メチノレの水素化 反応全体の反応式

CO/DME/Ar + H2

CH30CH3 + CO→CH3COOCH3

CH3COOCH3 + 2H2→CH30H +C2HsOH CH30CH3 + CO + 2H2→CH30H +C2HsOH

Glass wool

(1) (2) (3) Reactor

Acidic-Zeolites (H-MOR) Hydrogenation Catalysts

図1 エタノール合成用反応器

17

(2)

研究成果

本研究において最も 重要な 反応は DME のカノレボニル化による酢酸メチルの 合成 反応で、あ るため, まずこの 反応に活性の高い触媒開発を行った。 触媒は含浸法でゼオライト, H に貴金属PtとPdをlwt%となるように担持し調製したO DMEのカルボニル化反応のDME

転化率を図2に示す。貴金属を担持していない H-MORではDME転化率は最高でも50%と低 いが,Pt,Pdを担持するとDME転化率は大幅に増加した。特に Ptを担持すると DME転化率 は非常に高く転化率は100%となり, DMEのカルボニル化にはPt担持 H-MORが最も高い活 性を持つことが分かつた。

2

100 90

30 80

70 60 50 40

(渓)冊以南世20

20

0.75 1.25 1.5 1.75 2

反応時間(h)

DMEのカルボニノレ化 反応に及ぼす貴金属の 添加効果

1.5恥1Pa, 493K, 40ml/min (FoMFJAr/CO=FH2=20ml/min)

DME 1.02%, Ar 1.53%, H2 50%, CO Balance

図2

反応条件:

45.0

30.0

時25.0

矧20.0

15.0 10.0 40.0 35.0

5.0 0.0

Pd-H-MOR

エタノール選択率に及ぼす貴金属触媒の 転化効果

1.5乱1Pa, 493K, 40ml/min (FoMFJArtco=FH2=20ml/min)

D恥1E

1.02%,

Ar

1.53%, H2 50%,

CO

Balance Pt-H-MOR

触媒名 H-MOR

図3 反応条件:

反応時間:

2h

18

(3)

図1に示す反応器でエタノーノレ合成反応を行った結果を図3に示す。 水素化触媒には共沈 法で調製した Cu/ZnO(l:1)触媒を用いた。(2)式に示すような酢酸メチルの反応が主に起こるな らばメタノールとエタノーノレの選択率は同じになるはずであるが, メタノーノレの選択率の方 が高かった。 これは反応中に多量に存在するcoと H2から Cu/ZnOを触媒としてメタノール が生成したため メタノールの選択率が高くなったと考えられた。DMEのカルボニノレ化に最 も活性の高かったPt- H-MORが最もエタノーノレ選択率が高いと考えられたが, 貴金属を担持 していなし\ H-MOR が最も高いエタノーノレ選択率を示した。 これらの結果からゼオライトを 用いたカノレボ、ニル化触媒と Cu/ZnO系水素化触媒を組み合わせて用いることにより, エタノ ーノレを合成で、きることが分かつた。

3

プロジェクト成果

以上のように, DMEのカルボ、ニル化触媒と水素化触媒を組み合わせて用いる触媒、ンステム により, 合成ガスから一段階で、エ夕ノ一ルの合成に成功したO DME合成触媒の活性はPt担 持 H

夕ノ一ル選択率が高く すく守れた触媒で、あることが分かつたO

この触媒システムにより, エタノールが合成で、きることが分かつたため, 反応に用いる水 素化触媒と反応条件の最適化を行い, 実用化に向けて研究を予定である。

4

プロジェクト成果の応用・効果・構想

今回開発した合成ガスから一段階でエタノーノレの合成システムにおいて, エタノールの 合

成に成功した。 現在, 非食料バイオマスからのエタノール製造が注目されている。 これには 主にバイオマスを硫酸等の加水分解により糖を生成させた後, 発酵法によるアルコール製造 が考えられているが, システムの効率が悪く発酵にも時間がかかるため, 実用にはほど遠い。

しかし, バイオマスをガス化して合成ガスにしてから, 今回開発した触媒反応システムによ りエタノール合成がで、きれば, 効率よく速やかにエタノール合成がで、きる。 これらの触媒シ ステムをさらに良いものにするためにはまだ時間がかかると思われるが, 原油価格が高騰し たままの現在, 石油代替効果が高く炭酸ガスを排出しないとされているバイオマスから, 合 成ガスを経由してエタノーノレを直接合成することは, ビ ジネス的にも大変有意義である。 環 境とエネルギー両方とも大きな市場がある。

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参照

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