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3. 10 耐災害 I CT研究センター

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Academic year: 2021

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3. 10. 2 耐災害 I CT研究センター ワイヤレスメッシュネットワーク研究室

室長  浜口 清 ほか 2名

大規模災害にあっても途切れにくい通信を実現 -災害に強いワイヤレスネットワークの研究開発-

【概 要】

東日本大震災の被災地域等を中心とした官民の関連研究機関が集積し形成する研究開発イノベーション拠点 として、ワイヤレス関連技術の研究開発を通じて、被災地域の復興、再生や新たな産業の創生に貢献すること を目標とする。

ワイヤレスメッシュネットワーク研究室では、メッシュ(網目)状に配置した無線基地局を相互に接続して、そ れぞれの基地局がコア・ネットワークに接続されていなくても協調動作して非常時の通信及び情報処理を確保 するためのワイヤレスネットワーク技術を研究開発する。さらに、通信衛星や自動車・航空機といった移動体 上の無線局による通信回線をメッシュネットワークに組み込むことで、より広範な地域で通信の断絶が起きに くく、臨時の回線接続によるネットワーク復旧にも向く ICTシステムを実現する。

より具体的には、東北大学等に実験施設(テストベッド設備)を構築し、通信技術の基本的な実証や検証を行 うとともに、センサー情報等も利用した非常時と平時の両方において有益かつ多様な地域向けアプリケーショ ン及びプラットフォーム技術の研究開発を行い、非常時における地域の情報通信の確保及び平時における快適 な生活の支援を可能とする地域ワイヤレスネットワーク(これからの街づくりやスマートシティに向けた基盤 ICT)の実現に貢献する。また、内外機関との連携により、地上・航空・衛星を含む異種・複数のネットワーク を連携させ、災害時での通信途絶の回避を目指す。

平成 25年度は、基盤的技術の研究としてメッシュネットワークのスケーラビリティ評価実験、フィールドで の実証として被災自治体に実証用メッシュネットワークを設置した実験、災害救援等の車列間でデータ共有を 図るための車両間通信技術の研究開発を実施した。

【平成 25年度の成果】

1 メッシュネットワークのスケーラビリティ評価実験 テストベッド設備とシミュレー

タ・エミュレータを用いたシステ ム評価を実施している(図 1)。今 年度は、装置及びプロトコルの基 本的な動作検証及び特性を測定し た。具体的には、基地局ノードが 新たに追加されてから、ネット ワーク全体に設定情報が拡散して 相互につながる状態になるまでの 時間の計測や、複数の基地局に接 続 さ れ た 複 数 端 末 が 擬 似 ト ラ フィックを発生させた場合のネッ トワーク容量と通信特性の検証等 を行った。エミュレーションによ る評価では、仮想マシン(VM)上 で基地局装置を複数台動作させ、

VM 間の無線リンクを実時間で動作する無線通信シミュレーションで仮想的に再現させるといったエミュレー ションアーキテクチャの基本的な機能検証を行った。これにより、基地局 4台、端末 4台の環境において、電 波による干渉の影響も考慮した無線通信のエミュレーションが行えることを確認した。また、VM 上の基地局 装置とテストベッド設備(実機)とを接続し、連携して動作することも確認できた。今後は VM 上の基地局装置 をさらに増やし、多数の基地局で構成したメッシュネットワーク環境下のメッシュプロトコルの運用試験、検 証、評価を行う。

3. 10 耐災害 I CT研究センター

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図 1 スケーラビリティ評価実験の概念図

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3. 10 耐災害 I CT研究センター

2 被災自治体での実証用メッシュネットワーク実験

平成 24年度に整備した耐災害ワイヤレスメッシュネットワークの技術実証テストベッド設備による技術を ベースに、被災自治体の 1つである宮城県女川町と情報通信分野における研究協力に関する覚書を締結し、実 フィールドにおける実証試験等を開始した。今年度は、ユーザの意見を反映して、利用者が多いと想定される 女川町役場仮設庁舎、地域医療センター、つながる図書館、冷凍冷蔵施設(4拠点)の間を無線ネットワークで 結び、高台にある地域医療センター(海抜 16m)のカメラで女川湾や国道、復興工事現場の映像を取得して、女 川役場仮設庁舎等で常時確認できるモニタリングシステムを構築した(図 2、3)。これまで、海から離れた丘陵 地にある女川町役場仮設庁舎からは、女川湾の状況や降雨時の国道の冠水状況等を直接確認することができず、

監視者を派遣する必要があったものを、今回の無線ネットワークシステムの設置により、町役場仮設庁舎から の状況把握が可能となった。

今後は、ユーザの視点で、システム利用時の課題や提供が望まれるアプリケーションなどについて意見を集 約することで、今後の研究開発に反映させ、ICTによる災害に強いまちづくりと地域復興のモデルケースの構 築を目指す。

3 車両間通信技術の研究開発

車列間でデータ共有を図るための車両間通信技術

(地上系メッシュネットワークの動的トポロジー対応 技術)の経路制御ソフトウェアと通信プロトコルを開 発した。通信プロトコルを複数の車両で動作させ、追 い抜きにより車両間の接続関係が変化した場合におい ても、通信プロトコルが期待した通りに動作すること をシミュレーション環境下で確認し、さらに基本的な 通信性能の評価を行った(図 4)。

4 標準化活動

将来の技術の社会実装を目指した活動として、ITU-T の災害対応フォーカスグループ(FG)にワイヤレス メッシュネットワークに関するユースケース(改訂版)

の寄与文書を入力した結果、出力文書に採用された。

5 技術の周知活動

「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2013」、「ICT推進フェア 2013 in東北」、「東京国際消防防災展 2013」、「ITU Telecom World 2013」等に出展した。特にバンコク市で開催された「ITU Telecom World 2013」は、海外初の NICTメッシュネットワークシステムの動態出展であり、数多くの見学者等の興味を引いた。

各種訓練は、実地での研究課題の抽出に役立つものとして積極的に参加した。平成 25年度は香川県防災訓練、

九都県市合同防災訓練、東京消防庁震災対策訓練等に NICTで開発したシステムを持ち込み訓練で試用した。

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⏬ീ©2014 Cnes/Spot Image, DigitalGlobe, Landsat, ᆅᅗ䝕䞊䝍©2014 Google, ZENRIN

図 2 システムの設置場所 図 3 地域医療センターのシステム(点線内)

図 4 車両間通信システムのシミュレーションによる検証画面

(灰色□はビル等の障害物、黄□は車両。車両 4台のうち、

進行方向に対して後方車両からのパスロスを色表示した もの。8の字の道路上を車両が隊列走行し、経路制御プ ロトコルを動作させて車両の追い越し/追い抜き、車両 間隔の拡大、コーナーで前方車両との見通しが取れなく なった際の切替り等を検証したスナップショットを示し ている)

図 2 システムの設置場所 図 3 地域医療センターのシステム(点線内) 図 4 車両間通信システムのシミュレーションによる検証画面 (灰色□はビル等の障害物、黄□は車両。車両 4台のうち、 進行方向に対して後方車両からのパスロスを色表示した もの。8の字の道路上を車両が隊列走行し、経路制御プ ロトコルを動作させて車両の追い越し/追い抜き、車両 間隔の拡大、コーナーで前方車両との見通しが取れなく なった際の切替り等を検証したスナップショットを示し ている)

参照

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