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平成23年度長崎県委託事業

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Academic year: 2021

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平成 23 年度長崎県委託事業

しまの産業活性化チャレンジ支援事業報告書

島の体験型観光事業・スギ花粉避粉地体験セラピーツアー

スギ花粉の捕集(ダーラム式花粉捕集器) 平戸市役所大島支所屋上(神浦)

平成 24 年 3 月

特定非営利活動法人文化財匠塾平戸支部

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は じ め に

平成 17 年、「大島に泊ると鼻の調子がよくなる気がする」「泊った翌朝、花粉症の薬を飲まなくてよ かった(中学生)」、「大島に U ターンしてから症状が出なくなった」そんな声をヒントに、スギ花粉避粉 地への模索が始まりました。少子高齢化、過疎化の中で交流人口の増加による地域活性化や神浦の歴史 的町並みの再生・活用等も大きな課題でした。当時、神浦地区の伝統的建造物群保存地区保存調査が行 われており、調査に関わっていた NPO 法人のサポートを受け 18 年 2 月のスギ花粉シーズンからスギ 花粉の観測を継続しました。専門機関での分析と他地区との比較により大島はスギ花粉がかなり少ない ことが判明し、20 年 2 月から毎年スギ花粉避粉地体験モニターツアーを実施しています。個人差はあ りますが、大島滞在中のツアー参加者には症状の改善傾向が認められました。同年から長崎大学医学部 耳鼻咽喉科の先生から協力の申し出があり、早速、花粉症講座や全住民を対象とした「花粉症住民調査」 が実施され、花粉症有病率が 2.65%と沖縄(6%)より少ないことなどが明らかになりました。このような 実績をもとに 21 年度 22 年度は平戸市商工会のプロジェクトに位置付けていただき実証を重ねました。 今回、23 年度長崎県委託事業「しまの産業活性化チャレンジ支援事業」の採択を受け、初めて東京 方面からの参加を実現することができ、メディアにも取り上げられて全国にもアピールすることができ ました。陸地からの飛粉の影響を受けにくい離島ならではの試みが県内の類似の離島においても展開さ れ、避粉地として認められて地域活性化につながることを願って取り組みました。花粉を発生するスギ 林の環境改善や受け入れ体制など大きな課題もありますが、官民協働の課題解決により近い将来に類似 の島と連携し、花粉症に悩んでいる方の随時受け入れについて全国へ向け、「避粉地宣言」ができるよ う努力していきたいと思います。事業推進に当たりご指導とご支援をいただきました長崎県をはじめ平 戸市、平戸市商工会並びに平戸観光協会など関係者の皆様に心から感謝申し上げます。 平成 24 年 3 月 特定非営利活動法人文化財匠塾平戸支部

目 次 Ⅰ 事業の概要 ………..2P 1 事業名 2 事業の目的 3 事業の内容 Ⅱ 事業の経過 ………..…...4P 1 事業の実施体制 2 経 過 ……….……5P 3 スギ花粉捕集観測調査の実施……….……6P (1)調査対象と内容 6P (2)調査結果のまとめ 13P 4 スギ花粉避粉地体験セラピーツアーの実施 ………...14P (1)情報発信 15P (2)セラピーツアー15P (3)セラピーツアーのまとめ 24P 6 今後のスギ花粉避粉地づくりへの考察 ………..……25P 資 料 (参加者アンケート 新聞記事等) …………...27P

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Ⅰ 事業の概要

1 事業名

平成 23 年度しまの産業活性化チャレンジ支援事業 島の体験型観光事業・スギ花粉避粉地体験セラピーツアー

2 事業の目的

地域の過疎化、少子化、高齢化が進む中で、交流人口の拡大等による地域の活性化が必要となってい る。地域の課題に取り組むため、スギ花粉症患者の避粉地体験セラピーツアーや花粉症の少ない島づく りをめざしてスギ花粉の観測、島内のスギ林の概要調査等を通して避粉地としての実証を行い、島の景 観や歴史的町並み、食、おもてなしの心など島の魅力と合あせて、スギ花粉症避粉地と歴史的町並みを 活かした体験型・滞在型観光の定着を図ることを目的とする。

3 事業の内容

スギ花粉が少ない島の環境を活かして近い将来の「スギ花粉避粉地宣言」をめざして実証を行うとと もに、長崎県内離島のスギ花粉避粉地パイロット事業として試行する。実証については、スギ花粉捕集 観測と分析及び島内に点在するスギ林に関して「花粉の少ない島づくり」のための概要調査と花粉症患 者のセラピーツアーによる寛解度(自然治癒度)の点検等を行う。あわせて島ならではの景観、食、素朴 なもてなしなど体験型観光をアピールする。具体的には以下のとおりとする。 (1) スギ花粉捕集観測調査の実施 スギ花粉シーズンの花粉飛散状況を把握するため、スギ花粉捕集と分析を行う。島内のスギ林の夏季 状況の観測及び花粉シーズンにスギ花粉の捕集・分析(12 月から翌年 3 月)を行うとともに花粉の少ない 島づくりを目指してスギ林の改善(間伐、植替え等)方策を探る。 ①調査対象 島内スギ林及びスギ花粉の飛散状況 ②調査内容 夏季のスギの花の確認及び花粉シーズンの花粉捕集と分析。スギ植替え事業の試算。 ③調査場所 島内全域及び神浦地区内 (花粉捕集) ④調査結果のまとめ 平戸市大島におけるスギ花粉調査結果一覧の作成 内容:島内のスギ林面積とスギ花粉観測結果 避粉地としての環境向上のため、島内のスギ伐採と他の樹木への植替えについての試算と考察 (2) 「スギ花粉避粉地体験セラピーツアー」の実施 ・東京都内等から応募者を募り、2 泊 3 日の「スギ花粉避粉地体験セラピーツアー」を実施し、大島滞 在中の寛解度(自然治癒度)を点検し、避粉地としての効果を把握する。 ・参加者を対象として「花粉症シンポジュウム」を行い、花粉症への対応、避粉地としての先進地の取 組み等について情報交換及びアンケート調査を行う。 ・東京方面の参加者は長崎空港までの交通費、福岡方面からの参加者は平戸桟橋までの交通費について 自己負担とする。大島行フェリー代、大島内での滞在費については主催者が負担する。 ・主都圏の旅行社(1 社)を招いて、今後の花粉症患者等の中長期滞在ツアー企画の課題の検討を行う。 ①実施対象 ・都内のスギ花粉症患者 10 名及び福岡方面若干名と希望する同行者を含め最大 20 名とする。 ②開催場所及び回数 ・スギ花粉避粉地体験セラピーツアー1 回 実施場所:大島島内一円 2

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・花粉症シンポジュウム&講話 1 回 対 象:セラピーツアー参加者 開催場所:平戸市大島村離島開発総合センター ③実施内容等 ・スギ花粉避粉地体験セラピーツアー 実施場所:大島島内一円 2 月 24 日(金) 15:00 平戸港ターミナル集合 東京方面→長崎空港 貸切バスで待機→平戸へ 15:25 「第 2 フェリー大島」平戸薄香港発 16:10 大島的山港着 バスで会場へ 16:30 開会行事 日程説明 17:00 宿舎へ移動 2 月 25 日(土) 9:00 島めぐり・・ 棚田、玄界灘の眺望、風力発電風車、歴史的町並みなど 12:20 昼 食 菜の花弁当 郷土資料館自由見学 13:40 花粉症シンポジュウム&講話 15:30 自由時間 希望者お土産つくり(イカの塩辛)、釣り 20:00 講師との情報交換会 (希望者) 2 月 26 日(日) 8:30 寛解度チェック表、アンケート回収、的山桟橋案内所でお土産購入 9:20 「第 2 フェリー大島」大島的山港発 10:05 平戸港着 東京方面→貸切バスで長崎空港へ ・スギ花粉症シンポジュウム&講話 開催場所 平戸市大島村離島開発総合センター 日 時 2 月 25 日(土)午後 参加対象 セラピーツアー参加者 登 壇 者 シンポジュウム 沖縄・避粉地講師 1 名 東京・花粉対策専門調査員 1 名 福岡・花粉症の方 1 名 司会者 1 名 講 話 松浦・耳鼻咽喉科医師 1 名 ▼希望者は専門医の相談を受けることができる。但し、診察等の医療行為は行わない。

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Ⅱ 事業の経過

1 事業の実施体制

(1) 主従事者 丸田圭介 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部長、あづち大島たからもんの会長) 井元伸治 (神浦町並み保存会長、平戸市商工会理事、大島村地域協議会委員) ・業務全体の統括及び管理 ・スギ花粉捕集観測調査統括 ・スギ花粉避粉地セラピーツアー及び花粉症シンポジュウム統括 ・他の関係団体との連携・協力形成 (2) その他従事者 米村伍則 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部副支部長、神浦町並み保存会事務局長、あづち大島たからもんの会) ・企画、事務局及びシンポジュウム渉外、スギ花粉捕集データー担当 平松康則 (神浦町並み保存会副会長、NPO 法人文化財匠塾平戸支部、あづち大島たからもんの会) ・企画、セラピーツアー担当 大浦和生 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部、神浦町並み保存会、あづち大島たからもんの会) 大浦孝志 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部、神浦町並み保存会、あづち大島たからもんの会) 永田邦彦 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部、神浦町並み保存会、あづち大島たからもんの会) 藤本 学 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部、あづち大島たからもんの会) ・セラピーツアー滞在者受け入れ、体験活動担当 丸田季枝 (NPO 法人文化財匠塾平戸支部) ・スギ花粉捕集観測担当、事務局補助及び会計担当 (3) 協力者・助言者 平戸市 平戸市商工会 平戸観光協会 (株)的山風力発電大島発電所 医療法人陽迎堂武部病院医師:高﨑賢治 (前長崎大学医学部耳鼻咽喉科医師) 医療法人長崎病理長崎病理診断科:穴見正信 (捕集花粉分析) NPO 法人文化財匠塾事務局長:小西龍三郎 会議の状況

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2 経 過

23 年 06 月 12 日(日) 第 1 回会議 平戸市企画課担当者来島、事業概要説明 06 月 20 日(月) 市企画課にて協議 06 月 22 日(水) 県北振興局にて協議 市企画課担当者同行 06 月 28 日(火) 市企画課にて協議 07 月 01 日(金) 県北振興局へ関係書類提出 07 月 10 日(日) 第 2 回会議 実施計画及び予算等 08 月 06 日(土) 第 3 回会議 実施計画及び予算等 08 月 11 日(木) 県地域振興課にて協議 市企画課担当者同行 一部内容修正 09 月 07 日(水) 県委託事業契約 09 月 10 日(土) 島内スギ花状況の巡視 09 月 12 日(月) 第 4 回会議 関係機関、報道、講師等の協力依頼について 09 月 24 日(土) JTB 福岡訪問、スギ花粉避粉地体験セラピーツアーの旅行事業化について(不調) 10 月 11 日(火) 第 5 回会議 実施要項等について 10 月 17 日(月) 関係機関等へ協力依頼文書発送・・市、市商工会、観光協会、市役所大島支所ほか 11 月 07 日(月) 朝日新聞長崎総局訪問・・東京版への記事掲載依頼 12 月 01 日(木) 募集開始 市記者懇談会にて報道各社に事業紹介 (市企画課) 12 月 03 日(土) 第 6 回会議 (参加募集、東京方面報道等) 市 HP 毎日新聞九州版記事掲載 12 月 05 日(日) 朝日新聞東京本社報道部社会部東京版に記事掲載再依頼、資料送付 12 月 20 日(火) 朝日新聞東京総局(社会部東京版)参加者募集記事掲載、混雑防止のため抽選に変更 12 月 21 日(水) 第 7 回会議 参加申込み状況及び調整等 12 月 25 日(日) 第 8 回会議 参加申込み締切り、参加者決定 申込・問合せ総勢 80 名 12 月 26 日(月) 参加決定者に確認書送付、20 名 12/27 参加決定漏れ者に結果通知 24 年 01 月 11 日(水) 第 9 回会議 状況確認、役割分担等 01 月 13 日(金) 読売新聞記事掲載、Yahoo 掲載確認・・花粉症の「避粉地」的山大島 県東京事務所紹介の旅行社、TV 朝日放送から問合せ、岩手放送ラジオ取材 01 月 20 日(金) 県委託費前払い金請求書提出 01 月 29 日(日) 第 10 回会議 送迎、宿舎・食事等手配、日程・役割分担等確認 02 月 08 日(水) NHKTV”おはよう日本”で紹介 02 月 10 日(金) 第 11 回会議 打合せ フジ TV から取材問合せ 02 月 17 日(土) 第 12 回会議 全体最終確認 02 月 18 日(土) スギ林調査∼19 日 02 月 24 日(金) スギ花粉避粉地体験セラピーツアー 参加者 19 名 講師 6 名 報道 4 社 02 月 25 日(土) 2 日目 島内・歴史的町並み見学、シンポジュウム&講話、自由参加体験活動 02 月 26 日(日) 3 日目 寛解度表・参加者アンケート回収、お土産購入、見送り・・日程終了 02 月 28 日(火) 第 13 回会議 スギ林改善試算等及び委託事業のまとめについて 03 月 12 日(月) 県地域振興課訪問 委託事業の報告について 03 月 17 日(土) 第 14 回会議 委託事業の報告について 03 月 22 日(木) 第 15 回会議 委託事業の報告について 03 月 23 日(金) 委託事業報告書提出 5

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3 スギ花粉捕集観測調査の実施

(1) 調査対象と内容 島内のスギ林及びスギ花粉の飛散状況について調査した。内容は夏季のスギ花の確認、花粉シーズ ンの飛散花粉の捕集と分析及び花粉を減らすためのスギ林の改善について専門家の現地調査を踏ま えて間伐・植替等の事業費の概算試算をした。 ① 9 月 10 日(土)、前年より花粉は少ないとの予測を念頭にスギ林を巡視し、スギ花を確認した。 ② 12 月 1 日(木)から神浦地区 2 カ所でスギ花粉の捕集をした。分析は長崎市内の医療法人長崎病理長 崎病理診断科の穴見正彦氏に依頼した。また、長崎県医師会による県内各地点の観測データーの提供 を受けて花粉飛散の比較をした。(データー 10.11P) ③ 2 月 18 日(土)19 日(日)、スギ林の現地調査をした。内容は、スギ林の面積(市森林簿等)、箇所数、 平坦地、斜面地、植生密度、木によって異なる花粉のつき方の多少等を調査した。 9 月 10 日 スギ花の状況 前平 スギ花粉捕集 神浦地区 大島支所屋上 9 月 10 日 スギ花の状況 西宇戸 スギ花粉捕集 神浦地区 丸田家裏庭 2/18.19 スギ林の現地調査 右同 6

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④ 専門家によるスギ林の現地調査 2 月 24 日(金)∼26 日(日)のスギ花粉避粉地体験セラピーツアーに合わせて、東京から花粉対策専門 調査員を招き、スギ林の現地調査をお願いした。所見については、25 日午後のシンポジュウムで述べ ていただいた。概要は、建築用材としてのスギを守り、山を守り、災害時に人家を守るためにも皆伐は すべきでなく、段階的な間伐と他の樹木への植替えや元の自然林へ戻すことが可能であること、人家の 近くや沿道のスギは花粉症患者にとって心理的な影響もあるので、速やかな伐採・植替えが望ましいと のことであった。山根氏の調査報告書は次のとおりである。

調 査 報 告 書

(的山大島スギ花粉発生源対策) 平成24年 2月25日 特定非営利活動法人文化財匠塾 平戸支部長 丸田 圭介 殿 住 所 東京都武蔵野市緑町2−3−A2-505 氏 名 合同会社多摩の山守代表社員 山根 慎次 下記のとおり調査を実施したので、報告します。 月 日 実施場所 主 な 内 容 備 考 2月25日 (土) 的山大島内 1)事業名 「しまの産業活性化チャレンジ支援事業」 スギ花粉避粉地体験セラピーツアー講師 2)目 的 スギ花粉避粉地として、島内にあるスギ林 、ヒノキ林をどのように管理(伐採など) していくのがいいか、現況をふまえて専門 的知見の助言を行う。 3)調査方法 ・島内のスギ・ヒノキの植生状況を確認 ・島内の植生図をもとに分布状況等を把握 4)所見など 別紙のとおり 7

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(別紙)

(1) スギ・ヒノキの分布状況について

・的山大島の面積約 1,550ha のうちスギは 26 ha(1.7%)、ヒノキは 17 ha(1.1%)

・現況及び分布図を確認したところ、比較的小規模に分散して分布していることが確認された。 ・大別すると、①かつて耕作地だったところや人家付近の平坦部に植栽された箇所 ②松枯れの伐採後に植栽した箇所 ③過去の台風などの被害による崩壊地復旧に植栽された箇所な どに分けられる。 ・島内は全体としてスダジイやタブノキの自然林となっておりスギ・ヒノキの影響は少ないと思われ るものの、スギはいずれも雄花の着花が観測されている。 (2) 伐採などの対応について ・人家周辺や道路沿いにあるスギ・ヒノキは、来訪者(スギ花粉症患者など)が花粉を吸い込む可能 性が高い。また、視覚的(心的)な影響もある。もし伐採を行う場合、これらのスギ・ヒノキを優 先的に伐採することが望ましい。 ・人家周辺などの平坦な伐採後地であれば、島の特産品や花粉症対策の食材(免疫力向上食品など) となりうる果樹や有用広葉樹の植栽を行うのが有効。 ・一定規模以上(例えば1ha 以上)の皆伐は、大雨による土砂流出や伐採木の流出の恐れがある。 また、地力が低下して森林の保続性や多面的機能の低下をもたらすため、行わない方がよい。 ・とくに過去に被災し、その後植栽した箇所は、今後も大雨などで山腹崩壊が発生するおそれがあ るため、皆伐は行うべきではない(過去に 140mm/h の強雨あり)。 ・もし上記のスギ・ヒノキ林を伐採するのであれば、間伐(伐採率 30∼40%程度)を数年かけて 行い、周辺の自然植生と同じように自然林に誘導していくのが望ましい。 ・間伐する場合、その森林内にある高木性樹種(シイやタブノキなど)を伐採しないで残せば(保 残木という)自然林への誘導が早期に期待できる。 ・スギやヒノキを伐採した場合、伐採木はできる限り現場外に搬出し、木材や薪として利用するなど、 林内に残置しないことが災害防止上望ましい。 ・林内に残置する場合は、等高線沿いに立木や木杭にかけて横伏せする。短く伐採して放置すると、 大雨時に下流部へ流出し、災害を誘発するおそれあり。 ・実際に伐採する場合、森林所有者にどのように協力してもらうか(同意、承諾、補償など)、対 応のルール化が必要で、市の担当者なども交えて話しを進め、合意形成していくことが不可欠。 ・予算と労力に限りがあるので、優先度の高いところや森林所有者の協力が得やすい箇所などを整 理し、伐採計画を作成し、計画的に実施していくのが望ましい。 (3) 森林管理に関するその他の所見 ・竹の侵食が農地や森林に拡がっている。伐採後の植生管理が不十分だと植生や生物多様性の荒廃 につながることも懸念されるため、スギ・ヒノキの伐採後の管理方法なども事前に計画しておく ことが望まれる。 ・松枯れが確認されており、薬剤の空中散布が行われていると聞いた。しかし、植生分布上、松枯れ が島内にもたらす影響は少ないと思われる(別途調査が必要)。 米など農作物の生産が行われていることやスギ花粉症患者を来訪者として受け入れることを考 8

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慮すると、健康や安全性、イメージアップなどに配慮し、松枯れ対策は、伐倒処理を中心にできる 限り薬剤散布を行わないほうがいいと思われる。 (4)地域活性化について (自由意見) ・今後は、お客さんのターゲットをより明確にするといいと感じました。 具体的には ①1∼2 泊程度の宿泊客 ②スギ花粉飛散時期の中長期滞在客 ③移住を前提とした受 入れなど、それに応じて受入れ側のサービスも情報提供の方法などあらゆる対応が異なってきます。 ・「スギ避粉」でサービスを提供する場合、お客さんがどのようなサービスを望んでいるのか理解 している花粉症患者でもある人材をサービスの提供(受け入れ)側に加えることが重要です。 島内の人材にこだわらず、セラピーツアー参加者などに協力を求めるのも効果的です。 ・花粉症患者はスギだけでなく、ヒノキやその他のアレルゲンにも反応する場合が多いので、アレ ルギー患者への対応について研修など行う必要があると思います。 小麦や甲殻類など食事、宿のハウスダストなどもアレルゲンになります。 参考 HP http://www.1shibafu.net/arerugi/2006/05/post_28.html 髙﨑先生にご協力いただきながら、食事や宿などもトータルで気を配ることが大切であり、成功 のポイントになると思います。 ・的山大島は、美しい自然景観(大賀断崖、棚田など)や伝統的建造物、風力発電、新鮮な海産物、 明るく温和で熱心な人々など、立派な地域資源があります。 「スギ避粉地」としてだけではなく、全体としての魅力がもっとアピールできるはずです。『古 さ』と『新しさ』が交錯し、食もエネルギーも自給できる楽園的な印象を受けました。この魅力 を大切に、皆様の活動が今後ますます発展されますことを楽しみにしています。 合同会社多摩の山守代表社員 山根 慎次氏(右・花粉対策専門調査員) 9

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12月 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 12/10 12/11 12/12 12/13 12/14 12/15 12/16 12/17 12/18 12/19 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30 12/31 計 丸田裏庭 2.5 4.3 0 0 0 0 0 1.6 0 0 0 0 0 0 0.9 0 0 0 0 1 0 0 0 1.2 0 0 0 0 0 0.6 0 12.1 市役所大島支所 0.9 0.6 0 0 0 0.9 0 0 0.3 0 0 0 0 0 0.3 0 0 0 0 0 3.0 1月 1/1 1/2 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10 1/11 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26 1/27 1/28 1/29 1/301/31 計 丸田裏庭 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.3 0 0 0 0 0 0 0.3 0.3 0 0 0 0.9 市役所大島支所 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.6 0.3 0.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0.3 0.3 1.8 2月 2/1 2/2 2/3 2/4 2/5 2/6 2/7 2/8 2/9 2/10 2/11 2/12 2/13 2/14 2/15 2/16 2/17 2/18 2/19 2/20 2/21 2/22 2/23 2/24 2/25 2/26 2/27 2/28 2/29 計 丸田 0.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.2 0 0 0 3.7 9.9 13 0 0.9 0 6.5 1.2 190 147 37 67 0 8.6 70 556.3 市役所大島支所 0 0 0 0 0.3 0.6 0 0 0 0 0 2.5 2.2 0.9 2.5 4.6 0 120 59 12 4.6 32 13 33 土日無 287.2 医療機関名 2/1 2/2 2/3 2/4 2/5 ∼2/6 2/7 2/8 2/9 2/10 2/11 2/12 ∼2/132/14 2/15 2/16 2/17 2/18 2/19 ∼2/202/21 2/22 2/23 2/24 2/25 2/26 2/27 2/28 2/29 計 長崎大学病院 病理部 0.9 0.6 0.3 0 0 0.3 0 0 0 0 0 1.6 6.4 3.8 0.9 2.2 0 227 3.5 272 34 161 34 748.5 佐世保共済病院 中央臨床検査部 0 0.3 0.3 0 0 0.3 0 0 0 0 0 0 7.1 2.2 0.3 0.3 0.3 175 0.3 125 4 56 4 375.4 健康保険諫早総合 病院検査部 0 0.3 0 0 0 1.2 1.5 0 0.3 0 0 0 3.9 1.5 0 0.3 0 85 0.6 31 4.2 39 4.2 173.0 長崎県対馬いづは ら病院検査科 0.3 0 0 0.6 0 0.6 0.6 0 0 0 0 3 1.2 0 0 1.8 0.3 25 19 33 30 53 30 198.4 長崎県島原病院 検査科 0 0 0.3 0 0 0.3 0 0 0.6 0 0 0.3 1.2 1.5 0.3 0 0 15 0 21 0 41 0 81.5 北松中央病院 検査室 0.9 0.3 0.3 0.3 0.3 1.5 0.6 0.3 1.9 0 0.3 14 21 8 0.6 7.7 2.5 545 1.2 373 72 221 72 1344.7 長崎県五島中央 病院検査部 0.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 22 12 0.3 0 0 0 83 3.3 89 5 36 5 255.9 市立大村市民病院 臨床検査科 0 0 0.3 0 0 0.3 0 0 0 0 0 0 4 0.3 0.3 0.9 0 90 0.9 145 80 78 8 408.0 ↓ スギ花粉・空中花粉調査データ (長崎県医師会 スギ・ヒノキ科調査  週末は月曜日朝確認)

        平戸市大島におけるスギ花粉調査結果一覧 (23年12月∼24年3月)  

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3月 3/1 3/2 3/3 3/4 3/5 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 3/11 3/12 3/13 3/14 3/15 3/16 3/17 3/18 3/19 3/20 3/21 3/22 3/23 3/24 3/25 3/26 3/27 3/28 3/29 3/303/31 計 丸田家裏庭 0 108 279 1.9 25 8.4 16 54 0 6.2 2.5 1.5 0 21 109 11 0.3 2.8 8 654.6 市役所大島支所 0 160 60 2.8 17 3.1 15 15 11 1.9 0.3 1.5 47 95 13 0.3 8.3 451.2 医療機関名 3/1 3/2 3/3 3/4 3/5 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 3/11 3/12 3/13 3/14 3/15 3/16 3/17 3/18 3/19 3/20 3/21 3/22 3/23 3/24 3/25 3/26 3/27 3/28 3/29 3/303/31 計 長崎大学病院 病理部 272 3.5 2269 6.7 167 286 487 1460 13 4.1 7.3 85 46 5106.6 佐世保共済病院中 央臨床検査部 125 0.3 675 3.1 158 700 448 445 12 2.8 0.6 58 35 2662.8 健康保険諫早総合 病院検査部 31 0.6 452 0.9 141 251 272 734 24 4.2 4.2 51 12 1977.9 長崎県対馬いづは ら病院検査科 33 19 44 3.6 278 23 38 217 7.8 6.0 21.0 16 50 756.4 長崎県島原病院 検査科 21 0 759 1.8 114 128 393 865 13 5.2 9.9 121 8.9 2439.8 北松中央病院 検査室 373 1.2 940 12 206 324 599 618 7.7 3.7 9.9 61 33 3188.5 長崎県五島中央病 院検査部 89 3.3 193 12 46 11 21 52 0.3 1.0 2.0 20 3.0 453.6 市立大村市民病院 臨床検査科 145 0.9 1306 3.4 70 36 599 903 12 1.9 4.3 85 48 3214.5 ↓スギ花粉・空中花粉調査データ表(長崎県医師会 スギ・ヒノキ科調査  週末は月曜日朝に確認)

        平戸市大島におけるスギ花粉調査結果一覧 (23年12月∼24年3月)  

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大島地区森林計画図及び森林簿参照

平成 24 年 2 月 15 日現在

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(2) 調査結果のまとめ

① スギ花粉飛散状況の観測 (23 年 12 月∼24 年 3 月 データー10.11P) 12 月 1 日から神浦地区内の 2 カ所にダーラム式花粉捕集器を設置し、3 月 20 日まで捕集と分析をし た。分析は医療法人長崎病理長崎病理診断科の方にお願いした。今回、特にお願いして長崎県医師会に よる県内 8 ヵ所の観測データーをいただいて大島との比較を試みた。その結果、2 月 23 日 24 日の 2 日間の数値が大島としてはこれまでになく高いという意外な数値が判明した。同じ閏年の平成 20 年 2 月の月間数値が福岡、江迎の 426~938 に対して大島は 67.5~98.5 と少なく、今回のデーターについて 検討した結果、昭和 57 の長崎大水害や 62 年の台風 12 号の災害後に植林された杉が成熟期を迎え、23 日からの強風と晴れ間が出たことによって一気に飛散したものと思われた。3 月は前年より少し多い程 度の数値であった。スギが花粉(雄花)を飛ばすのは樹齢 15 年ほどからで樹齢 30 年を超えてから最も花 粉を多くつけるといわれている。中には小さくても花粉を多くつける木があり、集落近くや沿道のスギ 花粉が樹齢的にも最盛期を迎えていると思われ、該当箇所の速やかなスギ林の改善が必要である。 ② 花粉の少ない島づくり事業調査 (スギ林面積 26.3ha) 大島のスギ林は林業として植林されたものはなく、自家用材、島内消費程度のもので製材も久しく行 われていない。戦後、食糧増産のため山地を開墾した畑地跡に植林されたもの、昭和 57 年の長崎大水 害、昭和 62 年の台風 12 号の災害復旧のために植林されたものがあるが、スギ林のほとんどは手入れ はなされていない状況である。全島 1,550ha のうちスギ林は 26.3ha で 228 箇所に点在している。 このうち、昭和 57 年、62 年の災害後に植林されたものが花粉を飛ばす最盛期を迎えており、昨年 9 月に巡視しスギ花を確認した。 ■2 月 18,19 日、東京から花粉対策専門調査員を招聘する前にスギ林の植林密度、平坦地、傾斜地、谷 間等の立地条件、花粉状況等の現地調査を行った。花粉は樹齢 15∼30 年前後のものが目についた。 ■2 月 25 日、合同会社多摩の山守代表社員・山根氏(花粉対策専門調査員)によるスギの山林調査をした。 所見の概要は次のとおりであった。(山根氏の調査報告書 7~9P) a 山を守り人を守り建築用材としての杉を守るため、一か所を一度に皆伐することはしない。 B スギ林を数年かかけて間伐しながら、他の樹木に植え替えて、スギ花粉の発生源を減らす。 C スギ林を年数かけて間伐し、元の自然林に戻す。 d ゲリラ豪雨のことや平地、斜面、谷間などスギ林の立地条件を考慮した事業の進め方をすること。 f 伐採したスギは、所有権を踏まえ十分な安全策を講じて現地に集積すること。 g 沿道や人家近くのスギは来訪者が花粉を吸い込むので速やかな伐採が望ましい。 h 伐採に関する森林所有者への対応、行政を含む合意形成、限られた予算と労力による伐採計画を作成 し、計画的に実施するのが望ましいこと。 ③

事業費の概算試算

2 月 18,19 日の現地調査及び 2 月 25 日の山根氏の調査報告をもとに事業年数 を最低でも 10 年と仮定し、スギ林の間伐・植替え等に関する事業費の概算試算をした。 作業面積 1a 当たり 1/2 間伐・整理本数 15 本・・作業員 2 名(20,000 円重機オペレーター兼)、 小型重機 1 台(15,000)、チェンソー2 台(5,000 円)、苗木 15 本(15,000 円) 小計 1a 当り 55,000 円を基本として、26.3ha で事業費総額 1 億 4 千 465 万円となった。 13

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4 スギ花粉避粉地体験セラピーツアーの実施

平成 23 年度長崎県委託「しまの産業活性化チャレンジ支援事業」 島の体験型観光事業・スギ花粉避粉地体験セラピーツアー実施要項 スギ花粉がほとんどない長崎県平戸市大島村で、「スギ花粉避粉地体験セラピーツアー」を実施しま す。時間がゆっくりと流れ静かで空気のきれいな島で、玄界灘に面した景観や冬の島の味覚などを楽し み、花粉症のリフレッシュを実感してください。 期 日 平成 24 年 2 月 24 日(金) 25 日(土) 26 日(日) 滞在地 長崎県平戸市大島村内 費 用 東京からの参加者負担→長崎空港までの往復交通費(空港から送迎バスあり) 福岡からの参加者負担→平戸桟橋までの往復交通費 *フェリー運賃、大島二泊三日の宿泊費・食費、島内交通費等は主催者が負担します。 募 集 花粉症患者計 20 名 東京方面 10 名 (同行者計 5 名まで可) 福岡方面 5 名 主 催 NPO 法人文化財匠塾平戸支部 あづち大島たからもんの会 神浦町並み保存会 主 管 NPO 法人文化財匠塾平戸支部 (事務局/平戸市大島村神浦 52) 日 程 2 月 24 日(金) 15:00 平戸港ターミナル集合 (係が待機しています。) 東京方面→長崎空港で係が貸切バスで 12:00 から 13:00 まで待機します。 15:25 「第 2 フェリー大島」平戸港発 16:10 大島的山港着 バスで会場へ 16:30 開会行事 日程説明 17:00 宿舎へ案内 2 月 25 日(土) 9:00 島めぐり・・ 棚田、玄界灘の眺望、風力発電風車、歴史的町並みなど 12:20 昼 食 13:40 花粉症シンポジュウム&講話 15:30 自由時間 希望者お土産つくり(イカの塩辛)、釣り 2 月 26 日(日) 8:30 寛解度チェック表、アンケート回収、的山桟橋案内所でお土産購入 9:20 「第 2 フェリー大島」大島的山港発 10:05 平戸港着 東京方面の方→貸切バスで長崎空港へ ご希望の方は自由行動 13 時頃空港着 ▼スギ花粉の観察 12 月から 3 月まで、神浦のスギ花粉捕集及び分析を行います。 ▼花粉症の症状や寛解度について、体験ツアーに同行する医師に相談することができます。 問合せ・申込先 ■平戸市役所大島支所産業建設課 電話 0950-55-2511 FAX 0950-55-2520 E メール [email protected] (NPO 法人文化財匠塾平戸支部) 〒859-5801 平戸市大島村神浦 52 NPO 法人文化財匠塾平戸支部 (米村気付) ■申込期間 12 月 1 日(木)から 12 月 25(日) 原則として先着順で受付けます。 住所、氏名、年齢、電話番号、花粉症の有無を明記のうえ、FAX か郵便またはメールでお申し込みく ださい。受付後、参加申し込み確認書を送付します。 14

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(1) 情報発信 東京方面への参加者募集の周知が最大の課題であった。広告は 1 件約 50 万円と高価で予算に計上で きなかったため、新聞社に記事掲載をお願いすることとし、10 月半ばに朝日新聞東京総局と他の在京 1 社に記事の掲載依頼を送付した。朝日新聞長崎総局からの記事発信も依頼したが、結局、朝日新聞東 京総局扱いで 12 月 20 日に記事が掲載され、25 日の締切りまでに 59 名の応募のほか 9 名の問合せが あった。福岡方面の参加者募集 5 名については前回の参加者に個別によびかける予定であったが、12 月 1 日の平戸市記者懇談会を経て 12 月 3 日の毎日新聞に掲載され、5 日までに予定の人数を超えお断 りできないような応募があった。最終的な応募・問合せは子供 4 名を含む計 80 名であった。 ■市の HP、長崎県東京事務所広報等でも取り上げてもらったが、参加者募集締め切り後も各方面で紹 介された。1 月 13 日の読売新聞をはじめ Yahoo 掲載、岩手放送(ラジオ)、さらに 2 月 8 日の NHKTV” おはよう日本”で紹介された。読売新聞大阪本社からはツアー終了直後にも電話取材を受け、今後に向 けて発信していきたいという話をいただいた。静岡放送(ラジオ)からも電話取材があった。他に TV 朝 日放送(東京)、NHK 佐世保放送局、フジ TV から取材の問合せがあり、花粉症への関心の高さが感じ られた。4 月 3 日(火)は静岡放送ラジオ番組に電話出演の予定である。 ■当日取材は、朝日新聞東京総局、同佐世保支局、毎日新聞佐世保支局、共同通信の 4 社であった。 (2) セラピーツアー 1 日目 長崎空港にて 2 日目 島の高部・平の辻農村公園 2 日目 風力発電風車見学 2 日目 大賀の断崖 展望台 15

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1 日目 7:05 発のフェリーで空港送迎班が出発。13:00 前長崎空港発、平戸へ向かう。あいにくの時 化でフェリー航路が薄香港へ変更。福岡方面からの参加者は市役所企画課の応援車で急遽移送していた だいた。15:25 発のフェリーで大島へ、16:10 的山港着、手配のバスで神浦の会場へ、開会行事の後、 各宿舎に分散。一日目を終了。当日欠席者 1 名が判明し参加者は 19 名となったが、福岡から親子で参 加の方をパネラーに依頼していたため参加者との同行とアンケート等もお願いした。 2 日目 8:30 宿舎発。花粉症について「鼻が通った」「薬を飲まなくていい」などの声が聞かれるも マスクは中々外せない様子。バスに乗り合わせて島内巡りへ。北風が吹く中を島西部の風力発電の風車 見学、真下から見上げる 100m 余の高さと巨大さ、内部見学に一行は感嘆の声。折しも平戸市は経済産 業省が認定する「次世代エネルギーパーク」に県内 2 例目として認定されたばかりである。窓外の玄界 灘はかすんでいたが大海原や岩場に打ち寄せる白波、早春の棚田などを眺めながら、大島の地勢、人口、 世帯数、産業、歴史など車中案内を聴き、島最高部の平の辻展望台に到着。五島、生月、平戸、壱岐、 対馬方面への雄大な海の彼方を望む。道端のヤブ椿、水仙、農作業を垣間見ながら東部の観光百選の地・ 大賀断崖の展望台へ。玄界灘の水平線、屹立する断崖、壱岐から元寇の島・鷹島、伊万里湾方面を望む。 神浦に戻り国選定重要伝統的建造物群保存地区を見学。1600 年頃に成立した漁村が江戸期の捕鯨業の 創業・廃業を経て近世的な港町へと発展した姿を留める歴史的な町並みに感嘆しきり。昼食は島の伝統 食を活かした和風弁当に温かいつみれ汁を味わう。昼休みは隣接の「大島村郷土資料館」見学し、島の 歴史にふれた。半日の島巡りで英気を養いマスクを外した笑顔も見えた。 2 日目 町並み見学 2 日目 昼食(菜の花弁当) 2 日目 イカの塩辛つくり 2 日目 魚釣り 16

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13:40 から「花粉症シンポジュウム&講話」。パネラーは東京から花粉を避けて沖縄に移住し、起業し ている田崎さん、東京多摩の山守・山根さん、今回のツアーに 3 名のお子さんと参加した福岡の今田さ ん。司会は大島のスギ花粉避粉地の提案者で福岡の NPO 法人文化財匠塾小西事務局長。それぞれの活 動、花粉症への思い、セラピーツアーや大島についてのアドバイスが語られた。司会者と講師はいずれ も花粉症経験者であった。休憩時間を挟んで長崎大学医学部医師時代の 20 年度から大島のスギ花粉避 粉地について調査やツアーの同行医師として指導・協力いただいている高崎先生の講話。花粉症のメカ ニズムと対処療法等についての講話に聴き入る。大賀キャンプ場にテントを張って避粉滞在中の方の飛 び入りの体験談も興味深かった。15:30 終了後、希望者による魚釣り、イカの塩辛つくりの体験活動で は元気な笑い声が聞かれ、花粉症の改善が感じられた。 夕食後は希望者による講師を囲んでの情報交換会。思い思いの話や熱心な質問等で時間が過ぎた。 ●この日、避粉地先進地、多摩の山守・花粉対策専門調査員、旅行社の講師に大島を見ていただき、 それぞれ貴重な意見や助言をいただいた。(レポートは 7P、22P、23P) 3 日目 2 月からのフェリー時刻変更で朝の時間がとれなくなったため、宿舎から桟橋へ直行。 寛解度表、アンケート表の回収、じげもんのお土産購入後、五色のテープで笑顔で出航した。 10:05 平戸着、飛行機の搭乗時間に合わせて長崎空港へ。無事到着を確認し日程を終了した。 寛解度アンケート 大島滞在中の花粉症の寛解度(自然治癒)についてアンケートを実施した。 東京方面ではまだ花粉の飛散は少ない中での参加者であるが、花粉症の改善傾向が伺える結果であった。 寛解度の結果については、講師の高崎先生に報告した。(寛解度集計 18P) 水鼻、くしゃみ、鼻詰り、鼻の痒み、眼の痒み、涙目についての数値(複数回答) 2/23 まで 無し 34、軽い 59、やや重い 14、重い 6、非常に重い 1 2/26 朝 無し 87、軽い 30、やや重い 4、重い 0、非常に重い 0 17

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寛解度アンケート 集計結果 ▼セラピーツアー参加前日(2/23)・・・最近 1∼2 週間のあなたの鼻と目の症状の程度 1)水鼻 0 なし 5 1 軽い 10 2 やや重い 3 3 重い 1 4 非常に重い 1 2)くしゃみ 0 なし 5 1 軽い 13 2 やや重い 1 3 重い 4 非常に重い 3)鼻つまり 0 なし 4 1 軽い 10 2 やや重い 2 3 重い 1 4 非常に重い 4)鼻のかゆみ 0 なし 7 1 軽い 9 2 やや重い 1 3 重い 1 4 非常に重い 5)目のかゆみ 0 なし 5 1 軽い 10 2 やや重い 3 3 重い 2 4 非常に重い 6)涙目 0 なし 8 1 軽い 7 2 やや重い 4 3 重い 1 4 非常に重い A 計 0 なし 34 1 軽い 59 2 やや重い 14 3 重い 6 4 非常に重い 1 ▼上記の症状による日常生活への影響 1)勉強、仕事、家事 0 なし 3 1 軽い 10 2 やや重い 5 3 重い 1 4 非常に重い 2)精神集中不良 0 なし 1 1 軽い 9 2 やや重い 6 3 重い 1 4 非常に重い 3)思考力の低下 0 なし 2 1 軽い 9 2 やや重い 5 3 重い 1 4 非常に重い 4)新聞や読書 0 なし 3 1 軽い 10 2 やや重い 3 3 重い 1 4 非常に重い 5)記憶力の低下 0 なし 5 1 軽い 12 2 やや重い 2 3 重い 4 非常に重い 6)スポーツなど野外活動 0 なし 3 1 軽い 11 2 やや重い 3 3 重い 2 4 非常に重い 7)外出を控えがち 0 なし 3 1 軽い 6 2 やや重い 1 3 重い 3 4 非常に重い 8)人付き合いを控えがち 0 なし 10 1 軽い 4 2 やや重い 3 重い 1 4 非常に重い 9)人との会話や電話 0 なし 9 1 軽い 6 2 やや重い 1 3 重い 4 非常に重い 10)回りの人が気になる 0 なし 12 1 軽い 3 2 やや重い 1 3 重い 4 非常に重い 11)睡眠がよくない 0 なし 6 1 軽い 8 2 やや重い 4 3 重い 4 非常に重い 1 12)身体がだるい 0 なし 4 1 軽い 12 2 やや重い 2 3 重い 1 4 非常に重い 13)疲れやすい 0 なし 5 1 軽い 12 2 やや重い 2 3 重い 4 非常に重い 14)気分が晴れない 0 なし 3 1 軽い 10 2 やや重い 5 3 重い 1 4 非常に重い 15)イライラしやすい 0 なし 6 1 軽い 9 2 やや重い 4 3 重い 4 非常に重い 16)ゆううつ 0 なし 5 1 軽い 12 2 やや重い 2 3 重い 4 非常に重い 17)生活に不満足 0 なし 3 1 軽い 10 2 やや重い 1 3 重い 1 4 非常に重い 計 0 なし 83 1 軽い 153 2 やや重い 47 3 重い 13 4 非常に重い 1 B 最近 1∼2 週間の症状、気分 0 晴れ晴れ=1 1=10 2=8 3=1 4 泣きたい=0 ■最終日(2/26)朝・・・現在のあなたの鼻と目の症状について 1)水鼻 0 なし 11 1 軽い 10 2 やや重い 3 重い 4 非常に重い 2)くしゃみ 0 なし 15 1 軽い 5 2 やや重い 3 重い 4 非常に重い 3)鼻つまり 0 なし 16 1 軽い 4 2 やや重い 3 重い 4 非常に重い 4)鼻のかゆみ 0 なし 18 1 軽い 1 2 やや重い 1 3 重い 4 非常に重い 5)目のかゆみ 0 なし 14 1 軽い 5 2 やや重い 1 3 重い 4 非常に重い 6)涙目 0 なし 13 1 軽い 5 2 やや重い 2 3 重い 4 非常に重い a 計 0 なし 87 1 軽い 30 2 やや重い 4 3 重い 0 4 非常に重い 0 b 最終日(2/26)朝の症状、気分 0 晴れ晴れ=8 1=11 2=1 3=0 4 泣きたい=0 *A.a と B.b の数値の比較により、症状の改善傾向を伺うことができる。 ◎男性=30 代/1 名 40/2 50/1 60/3 70/2 女性=30 代/3 名 50/1 60/4 70/2 10 才/1 18

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花粉症シンポジュウム&花粉症講座

24.2/25(土)13:40~15:30 登壇者 山根 慎次さん 合同会社多摩の山守 代表社員 (東京都武蔵野市) 公益財団法人東京都農林水産振興財団委嘱・花粉対策専門調査員 田崎 聡さん (有)楽園計画代表・沖縄移住促進協議会 (沖縄県那覇市) 沖縄・奄美スローフード協会長、NPO 法人食の風理事長 農水省 6 次産業化統括プランナー、経産省食農連携コーディネーター 今田加奈子さん 花粉症体験者 (福岡県福岡市) 司会者 小西龍三郎さん 特定非営利活動法人文化財匠塾事務局長 (福岡県福岡市) (1) それぞれの活動と感じていることなどについて (田崎) 池袋出身で東京に住んでいたが、ひどい花粉症で目も開けられないくらいだった。沖縄に行っ たら鼻水が止まった。26 年前に雑誌をつくり沖縄の有機農業(在来野采)の紹介等をしている。 10 年前に花粉症ツアーを企画した。海水が環境にも良いように思う。アトピーにもよい。 (山根) 私も花粉症、都庁に勤めて森林管理の仕事をしていた。人工林を広葉樹に植替え、花粉のない 杉に植替えるなどスギ・ヒノキをどうしたらよいかなど花粉の発生源対策のアドバイザーをしている。 仕事柄スギ、ヒノキ、ススキ、カリン草に接するので花粉症の症状がでると外出を控える。 深夜業務、過度労働などのストレスは花粉症になりやすい。倦怠感、眠気、ひどい時だけ漢方薬を使 う、身体を酸性化させないように玄米食にしている。 (今田) 母子 4 人で参加、私と長女が花粉症がひどくて大変。大島に来て長女は鼻水が出なくなってす ごいなと思った。二女はマスクをしたくないので鼻につけるクリームを使っていたが、大島に来て花 粉を避ける方法もあることを発見できた。(学校を休ませても大島に避粉に来たかったとのこと) (2) 花粉症に関して思っていること、今後についての考えなど (田崎) 車の排気ガスと花粉が混じってアスファルト道路で舞いあがる。ディーゼルエンジンを無く したい。福岡に 3 年住んで花粉症の症状が出た。都会がひどい。練馬区は光化学スモッグ。都会から 田舎へ・・体質改善を兼ねた食生活を。米の種類によってもミネラルなどが違う。身体の内外のこと を同時に改善する。戦前は粗食でも長寿、戦後はメタボ。アレルギー、食の添加物、コンビニ弁当、 あらゆる原因が重なって発症する。大島に長命草といわれるボタンボウフウが自生しているが、沖縄 のものより大島のものが柔らかくておいしい。 (山根) 花粉症の発生源である杉を資源、建築用材としてどう守っていくか。東京では花粉は 100km くらい遠くから飛んでくる。大島は北の方に杉林が無く相対的に少ない、まわりは海の環境、花粉症 の軽減でアピールを。食生活もいい。受け入れる側が受け皿としての環境を整える。 (司会者) 今日のお昼の菜の花弁当は地元の材料で、長命草といわれる野草のボタンボウフウが入っ ていておいしかった。 (3) 大島について感じたこと、今後へのアドバイスや要望など (田崎) 沖縄は気温が高く波がすごい。出漁のため船を出している人も少ない。肥満者が多い。島々 の保存食はソーメンと缶詰。大島は棚田の風景、風力発電の風車、コンビニは無い、自給率が高い、 牛糞はミネラルが多い、野草が元気、身体が元気、自給率は沖縄 27%、東京 1%、大阪 2%、福岡 3% 19

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大島は歩いてまわることができる豊かな環境だと思う。半農半漁の宝の山ではないか。よそは埋め立 てなどで大変な所もあるが、大島は棚田など日本の原風景が残っている。沖縄に勝っている (山根) 大島に来た人が杉に触れないようにできれば。長く居ることで花粉症を回避できることを考 えるべきではないか・・中長期的な取り組みを。散策ができるような杉の伐採を。山の杉林は災害回 復も兼ねての植林もあり急激な伐採はしない方がよい。住む人の安全確保が大事。人家のそばの杉は 切っても山の植生はゲリラ豪雨のこともあり、皆採はしないで住む人の安全を守りながら進める。 棚田の風景、風力発電風車、日本の原風景、自然エネルギー、棚田と避粉地で自立できる村、安心と 安全を提供できるのではないか。農業、海産物、地元の人が気づいてツアー参加者の声を拾うこと。 (司会者) 大島には神浦の歴史的町並みの伝統的建造物群保存地区があり、ここの空き家の活用や避 粉地を活かしたまちづくりをということもあって避粉地体験モニターツアーが始まった。 (4) 参加者の意見・質問 (司会者) 参加者の皆さんからご意見や質問はありませんか。 (参加者) 子供の頃から花粉症。薬を飲まないで対応しようと・・鍼灸、マッサージ、ヨガ、気功、 温泉、小麦は食べないなど、かなりよくなってきている。避粉地として中長期滞在の場合、これらを 提供してはどうか。複合的な提案が必要ではないか。花粉症の改善に関して血圧の薬は心臓機能の低 下、痛風の薬は免疫力を下げる、肝機能が低下したら薬以外で治す・・。 (参加者) 大島は花粉症が 2.65%、沖縄は 6%と聞いているが。大島には杉は 1 本もないのか。 A 大島にも杉はあるが少ない。 (田崎) 沖縄には杉はないのでスギ花粉症はないが、ヤシの木がある。今は放射能が恐いということ で 1,500 人移住して来ている。片道航空券と家賃の補助をしている。海洋セラピーというのがあるが、 海水が空気に混じっているのがよいのではないか、ミネラルを含んだ潮が飛んで咽喉の痛みがとれる。 島はカビ微生物の宝庫。スギを伐採して蜜蜂を飼って養蜂を、マンゴーなども受粉しないと果実がで きない。循環を考えた取り組みを。 (司会者) 国交省が蜜蜂作戦をしており、山を間伐した後に養蜂を。おばあちゃんの仕事でできる。 (参加者) 2 週間とか 1 カ月とか滞在の場合、移動用の車が必要。大島にレンタカーはあるか。 A レンタカーは今はないが、電動自転車ならある。 (山根) 電気自動車はできないか。大島で脱化石燃料・・ここしかない、ここに滞在したくなるよう なものを・・情報源として参加者の皆さんの意見を聴くなどしたらどうか。 (司会者) アンケートを用意していますので是非ご意見をお願いします。これでシンポジュウムを終 わります。皆さまありがとうございました。 20

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花粉症講座

15:00∼15:30 講 師 高﨑賢治先生 医療法人陽迎堂武部病院(松浦市) (前長崎大学医学部医師) (1) 大島の避難粉地体験ツアーへの関わり 20 年 3 月、テレビで大島のスギ花粉避粉地体験モニターツアーを見てお手伝いができればと思った。 21 年度、全島民を対象にアンケート調査を実施した。二次調査は花粉症と思われる方への聴き取り 調査、その中の協力者を対象とした三次調査は花粉シーズンの 2 カ月間、花粉症日記をお願いした。 結果 調査期間 一次調査 平成 21 年 7 月 7 日から 8 月 31 日 二次調査 平成 21 年 9 月 22.23 日に個別訪問 三次調査 平成 22 年 2 月 1 日∼3 月末 平戸市大島村総人口 1,438 人 (平成 21 年 7 月 1 日) 1,057 名から回答、回収率は 73.5% スギ花粉症 男性 10 名(13∼51 歳) 女性 17 名(7∼66 歳)の 27 名 スギ花粉症ではない 990 名 スギ花粉症か否か不明 40 名 スギ花粉症有病率 2.65%(27/990)と推定 (2) 花粉症(アレルギー性鼻炎)について ・全国の有病率 1998 年 16.2% 2008 年 26.5% 東京 22% 山梨 44.5% 福岡 18.2% 長崎 15.2% 沖縄 6.8% 大島 2.6% ・30 代から 40 代の女性が多い。 ・花粉測定・・環境省がリアルタイムの自動観測システムをもっている。花粉の飛散は昼間が多い。 ・治 療・・生活改善 薬物療法 感減治療 抗ヒスタミン剤 点鼻薬 (3) 質問・意見等 Q アレルギーの無い人は薬を飲んだ方がよいか。 A 薬を飲んだから症状が出ないとは限らない。花粉を避けることが大切。 ●避粉のため大島に来て.キャンプしている 63 歳の方 25 年くらい花粉症、10 年間は投薬で治療、 免疫療法、50 歳になって沖縄や台湾、ハワイへ避粉している。インターネットと新聞で大島のこと を知って来た。今テント生活でしばらく滞在して台湾に行って、また大島で 2 カ月くらい滞在したい と思う。散歩して魚を安く買ったり、牛の出産に出会ったり感動があり、いいところ。迷惑をかけな いように滞在したい。一人 1 部屋でよいので、グループホーム的なこともできたらとう。 *ツアー前から避粉のため大島に来てキャンプしていた方にシンポジュウムの案内をし、体験者談を話 していただいた。(その後、民家に移られたが避粉のため再来島するとのことである。) 21

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講師のレポート

●有限会社楽園計画代表 田崎 聡 大島と避粉地について・・大島のポテンシャルは高い・・その理由として 1 花粉症の発症率が沖縄より低い 2 国選定の伝統的建造物群保存地区の歴史的町並みがある 3 棚田による景観遺産が現存している 4 風力発電による電力自給率が 100%以上達成されている 5 薬草の宝庫(長命草、ヨモギ、オオバコ、セリ、アザミ等々) 6 魚、牛、山羊など半農半漁の自給自足的生活のモデルがある ▼以上のことから花粉症セラピーによる短期、中期、長期の滞在が可能で、島民もオープンな気質であ り、受け入れる潜在的要素はすでに保有していると言っていいだろう。電力も充分賄っているので、エ コカーによる循環バスなどを利用できるようにすれば、循環型低炭素の町づくりが形成されていくだろ う。今後は長命草の栽培を強化し、産学官による花粉症対策健康レシピの開発などを行っていけば、よ り臨床的なエビデンス(*)が裏付けとされていくことになる。再春館製薬などとの共同研究開発によっ て売り先の確保を行うことも大切である。また、島民の食生活を調査することで、花粉症との因果関係 が明らかにされ、島民の特に長命草や野草を食べる習慣が実証されれば、その食事のセット自体が都市 部の花粉症患者に売れる可能性がある。経済危機のキューバのようにトラクターから牛耕に戻すように すれば、それだけで観光資源として成り立つ。そうなれば自給自足、半農半漁、持続可能な開発やエネ ルギー、有機農業、自然農、パーマカルチャー(*)など都市部の意識の高いエコな人々のあこがれの島 を醸成することが可能となるに違いない。 ▼今後の課題としては、町並み景観を小布施や高山のようなカフェ、工芸を中心としたギャラリー的要 素を取り入れて行く必要がある。例えば陶芸家の誘致、染色家の誘致などIターン、Uターンなどの利 用も必要である。滞在型農園付き宿泊施設なども必要である。こうした整備を農水省や環境省、経産省 などの補助事業を用いてコーディネートしていく必要がある。 (*) エビデンス 医療関係で治療に有効だった、あるいは有効と考えられる根拠、検証結果のこと。 (*) パーマカルチャー 環境に配慮した生活をするだけでなく、持続可能な無農薬、有機農業を基本 とし、水、土、植物、畜産、建造物、人々、経済、都市と農村、これらを全て考慮し組み合わせて地域 全体を設計するところに特色がある。 大賀の断崖 22

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●ユニソウトラベルネット(株式会社草創) 柴田 和幸 的山大島・花粉症セラピーツアー 的山大島へ到着しフェリーを降りた瞬間から鼻がスースーする実感を味わいました。 例年より花粉の飛散が遅いとはいえ、少なからずの反応があり、的山大島へ入る前の佐世保や平戸ではかな り鼻がつまった状態でしたが、何年かぶりに快適な状態でいられることができました。 今回は旅行会社の立場で参加しましたが、良い点と課題を下記の通りご報告させて頂きます。 (良い点) 地元の方々の受け入れ体制が一生懸命で顧客にとって最大限のおもてなしであったと思います。旅行する 者にとっては、初めて訪れる土地で一番頼りになるのは地元の方々が声をかけてくれることと思います。 皆様のお心遣いは、今まで何度も的山大島に来て、また帰ってきたという感覚になったのが一番の印象です。 古い町並みを散策している途中で、そこにお住まいの方が「どこから来たの?」、「神奈川です。」「よくこん な田舎に来てくれたね。」などと気軽に声をかけてくれたことがとてもうれしかった。 (課題点) 関東や大阪など遠方から飛行機を利用する際の交通手段はかなり大変でした。 私の場合、長崎空港で降り佐世保バスセンターまでバスを利用したのですが、一般道を走る路線バスに近い もので約1時間半、佐世保から平戸桟橋まで同様に1時間半かかりました。飛行機の時間を加えると約5時 間の移動時間となります。お客様には福岡空港を利用した「YOKARO 号」などを推奨することになると思 います。 島内では、電動自転車が用意されていましたが、アップダウンが激しいので、自転車だけで観光するには 厳しいと思います。本土からレンタカーを借り、そのまま島内へ持ち込んだとしても費用がかさみます。島 内で車をかりられるような手段は必要かと思います。 ▼全国に花粉症患者はたくさんおります。その方々に認知して頂くには、私たち旅行会社の紹介活動と平戸 市及び長崎県の行政の方々が一緒になって活動していかないと認知度は上がりません。また、今回取材で同 行した新聞社の方々の協力も必要となってきます。 ユニソウトラベルネットでは今回の実体験に基づき、更なる紹介活動ができると考えております。 是非とも引き続き情報交換を密にし、たくさんのお客様が訪れる的山大島にするよう努力して参ります。 皆様には温かく迎えて頂きましたことを感謝申し上げます。 ユニソウトラベルネット(株式会社草創)〒210-0007 神奈川県川崎市川崎区駅前本町 19-17 2 日目 平ノ辻農村公園にて 23

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(3)スギ花粉避粉地体験セラピーツアーのまとめ

① 参加者募集 今回初めて東京方面からの参加が実現したが、宣伝・周知が最大の課題であった。 宣伝費はなかったが、一般募集にこだわり新聞記事掲載を依頼した。福岡は 1 社の掲載で 2 日間で予 定の人数を超す 11 名の応募があった。東京は 12 月 20 日に東京新聞に掲載され、締切までの 5 日間に 花粉症の切実な声とともに 69 名(うち 9 名は問合せ、資料請求)という多数の反響があった。 ▼募集結果は、福岡と東京あわせて 80 名の応募・問合せとなった。中には 1 歳の幼児同伴、学校を休 ませてでも参加させたいという花粉症の親子 4 人があった。親子 4 人は花粉症体験のパネラーとし、参 加者としては福岡 7 名、東京 13 名(当日 1 名不参加)を決定した。 ② 情報発信 全国的な報道を含め今後に向けて効果的であった。市の HP や長崎県東京事務所の協力 をいただいた。12 月 1 日の平戸市記者懇談会での発表後、12 月 3 日・毎日新聞、12 月 20 日・朝日新 聞東京版に募集記事が掲載された。募集締め切り後も 1 月 13 日・読売新聞掲載、読売新聞大阪本社か らはツアー前後に電話取材を受けたが今後も継続して取り上げて行きたいとのことであった。朝日新聞 佐世保支局からは 3 月 4 日に全国版への記事掲載があった。テレビは 2 月 8 日の NHK”おはよう日本で” 放映された。NHK 佐世保局、TV 朝日、フジ TV からも事前問合があった。他に岩手放送ラジオの取材を 受け、3 月 14 日は KBC ラジオ番組へ電話出演、4 月 3 日(火)には静岡放送ラジオへ電話出演予定である。 ▼当日取材は、朝日新聞東京総局、同佐世保局、毎日新聞、共同通信社の 4 社であった。 ▼課題 数年前と比較すると避粉地への関心が高まっているが、講師のレポートにもあるように今後は 認知度を上げるために官民協働による活動とメディア及び旅行社を含む取り組みが必要である。 ③ セラピーツアー 第 1 日目・24 日に海上時化による航路変更があった他は、順調な運営ができた が、東京方面からの参加者にはあと半日あればもう少しゆっくりできる感じであった。 参加者の感想、シンポジュウム、講師のアドバイスは有意義であった。主な課題は次のとおりである。 ・東京からの乗り継ぎの少ない詳しい交通案内が必要であること。滞在時の島内レンタカーの必要。 ・宿のもてなしや食事は好評であった。一部施設の改善について要望あり。(トイレ、風呂) ・セラピーツアーと称したことで、参加者が花粉症に関するセラピーメニューを求めており、参加者の 意見を含めたメニューの開発と提供が望まれること。耳鼻咽喉科専門医の花粉症に関する講話は好評。 ・島巡り景観は好評であり、体験活動、島の住民との交流による癒しを求めていること。 ・ツアーの他、個人滞在のための民家や安価なグループホーム的な施設の要望があった。 ▼専門の講師 3 名には別途、調査報告(7P)及びレポート(22.23P)を依頼した。 ④ 花粉症の寛解度 ツアー参加前日までと参加最終日の症状について比較し、花粉症の寛解度(自然 治癒)を点検した。設問は専門機関で使用されているもので、集計後に専門医に報告し、症状の改善 傾向が見られるとの所見をいただいた。避粉地としての有効性が実証できたように思う。 ▼参加者の感想 ・フェリーで港に着いたら鼻がとおった。 ・咽喉の腫れが引き、ツバを飲み込むことができ、帽子、ゴーグル、マスクなく過ごせた。 ・鼻がとおって朝から薬を飲まなくてよかった。 ・朝からティッシュを一度も使っていない。 ・空気がおいしいので安心して過ごせそう。 24

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6 今後のスギ花粉避難地づくりへの考察

(1) 花粉観測 避粉地づくりの検証として今後も継続が必要である。今後は長崎県の観測地点の一つに加入し、県内、 九州各県の情報を入手と合わせ、さらにきめ細かなデーター解析や「避粉地」として各地へ観測データ ーを発信する取り組みが必要である。今回、長崎県医師会のご厚意により県内各地の観測データーとの 比較をした。2 月の大島のデーターがこれまでになく数値が高いことが判明し、検討の結果、島内の沿 道や集落近くのスギが樹齢的に花粉の最盛期を迎えており、速やかな対策が求められる状況であること がわかった。3 月は前年より少し多い程度の数値であった。 (2) スギ花粉発生源のスギ林の改善調査 花粉症の発生源である花粉の発生を減らすため、スギ林の改善について、多摩の山守・花粉対策専門 調査員の方に現地調査を依頼した。スギを減少させることは可能であるが、所有権の問題や伐採後の土 砂災害の予防などを熟考しなければならないこと。所有者、行政を含む地域全体の合意形成と並行して 市有地など着手しやすい所から間伐、植替えなど効果を示しつつ慎重に取り組む必要がある。また、集 落近くでは、来訪者が花粉を吸い込むので速やかな対策が望まれる。大島全体のスギの植栽面積は 26.3ha と少ないが 228 箇所に点在している。 スギには罪はないが、花粉症患者は全国で増え続け、重症の場合は不眠や鬱になる例もある。花粉症 は環境問題であるとして訴訟の例もあり、毎年の苦しみを軽減するためスギ林の改善が求められている。 ▼現地調査をもとにスギ林の改善業費の概算試算を試みた。 スギ林面積 1a 当たり 1/2 間伐・整理本数 15 本を目安とした。 作業員 2 名(20,000 円重機オペレーター兼)、小型重機 1 台(15,000 円)、チェンソー2 台(5,000 円)、 苗木 15 本(15,000 円) 1a 当り 55,000 円とし、26.3ha の事業費総額 1 億 4 千 465 万円と試算した。 (3) モニターツアーからセラピーツアーへ 前回までのモニターツアーから今回初めて「セラピーツアー」としたが、慎重を期し専門家にも意見 を求め、「これからはそれでいいと思う」との助言があった。結果はセラピーとしたことで参加者にこ れまでとは違う意識が感じられ、視点がはっきりしてきたことは予想以上であった。 ・今後は、短期、中期、長期滞在や移住を前提とした受け入れなどそれぞれに応じた対応が求められる。 ・島の特性を活かした身体内外のセラピーメニューを提案し、自由散策や体験活動など住民との交流に よる癒し、大島の食など効果的な花粉症のリフレッシュをより実感できるような工夫が必要である。 (4) 食・宿泊施設 参加者アンケートに見られるように、新鮮な魚介類をベースとした地元食も野草を入れた菜の花弁当 も好評であった。また、宿泊先の素朴なもてなしも喜ばれている。快適性向上のための宿泊施設の一部 の改修を望む意見もあった。おもてなしの第一は「人」であることを地域全体で再認識する必要がある。 ・個人の症状等にあわせた随時、個別の滞在施設の確保等が必要である。 ・食や宿泊施設に限らず花粉症患者がどのようなサーピスを望んでいるのか理解するとともに、アレル ギー患者への対応について関係者の研修を行う必要がある。 25

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(5) 交 通 東京方面からの交通が課題である。通常は福岡空港や長崎空港から佐世保で平戸行バスへの乗り継ぎ であるが、詳細な案内が求められている。乗り継ぎのない利便性を考慮し博多から平戸直行のバス利 用も推奨すべきである。福岡方面からの参加者には桟橋近くのわかりやすい駐車場の確保が望まれる。 また、島内交通手段として滞在者が利用できる島内レンタカーについて要望があった。 (6) 参加者 参加者 20 名の計画に対し、子供を含む 80 名(うち 9 名は問合せ)の応募・問合せがあった。福岡は新 聞記事掲載後 2 日で定員超過の 7 名となった。東京は締切 5 日前の新聞掲載であったが、先着順を抽 選に切り替えて 13 名を決定した。学校を休ませて子供を参加させたいという福岡の母子 4 名があり、 定員外の花粉症体験パネラーとし、NPO 活動交流館に無償の体験宿泊として最大限の受け入れをした。 即、子供の鼻詰まりがよくなったと喜ばれて安堵した。今後は子供の花粉症への対応も大きな課題であ る。参加申込み時に花粉症歴を質問したが、症状からの解放や軽減を望む切実な声ばかりであった。 (7) 今後の情報発信 花粉症患者は増加しており、申込者のほぼ全員から切実な声が届いている。今後は年間をとおして花 粉症の方が随時避粉地に滞在できるような情報発信と受け入れが望まれる。受け入れについての課題解 決と並行して、官民協働の情報発信体制や窓口づくりなどが必要である。さらに県内の類似離島による” 避粉地ネットワーク”をつくり情報発信できれば効果は大きいと思われる。 (8) セラピーツアーの旅行事業化 今後のツアーのトラベル事業化は大きな課題である。長崎県東京事務所の紹介で神奈川県川崎市内の 旅行社からツアーを企画したいとの連絡があり、事前の体験同行を依頼しレポートをお願いした。 花粉症の改善を身を以って体験され、別途、平戸を含む小規模のツアーを企画したいとのことであった。 今後の事業化について避粉地としての認知度を上げるため旅行社、行政が一緒に活動し、メディアの協 力も必要なことなどが指摘されている。(レポート 23P) 今回同行の旅行社は早速ツアーを企画し、20 ∼30 件の問合せがあっているが、時間的な遠さ等に一部難色ありとのことである。(3 月 23 日現在) (9) 大島の魅力の開発と発信 参加者や講師からは大島の魅力をもっと発信すべきとの指摘があった。 ・美しい自然景観、歴史的町並み、風力発電、新鮮な海産物、人を全体的な魅力としてアピールを。 ・古さと新しさが交差し、食もエネルギーも自給できる楽園的な印象を受けた。 ・花粉症セラピーによる短期、中長期滞在が可能で、島民も受け入れる潜在的要素を保有している。 ・電力エコカーの循環バスの利用など循環型低炭素の町づくりの可能性がある。 ・和食をベースとした地元の食事セットが都市部の花粉症患者に売れる可能性がある。 ・農水省、環境省、経産省などの補助事業を用いてコーディネートする必要がある。 (10) 官民協働 講師のレポートにもあるように、避粉地の認知度アップ、受け皿つくりや避粉地と してのスギ林の環境整備の合意形成等について、地域の資産を活かした経済活動・活性化チャレンジの として官民協働が不可欠である。また、専門家による”避粉地ドクター”の存在も重要である。 26

参照

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