Unity3Dを用いた学習支援システムの開発と高校物理の授業実践への検討

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Unity3Dを用いた学習支援システムの開発と高校物理の授業実蟻への検討 教科@領域教育専攻 生活@健康系コ←ス(技術@工業@情報) 陳 峰 1.はじめに 教材などを用いてより多彩な情報環境を整 備し、物理学習の効果を向上させるという動 きが活発である。ほとんどの学校に

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教室が あり、教室にスクリーンと教師用のパソコン が備わっている今の時代だからこそ、高度情 報化された教室を活かし、物理授業の教育効 果をさらに向上できると考えられる。 しかし、物理模型、メディア教材のような学 習方法は一般的に

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を見るにすぎず、物 理実験の一部は器材の不足、設備の不十分に より、中学校・高等学校でほとんど行われてい ないのが現状である。また、一部の物理の学習 内容は抽象的な理論の講義にとどまり、実際 に実験するのは非常に難しいため、その結果、 学生たちは知識に対する理解が不十分だと考 えられる。 以上から、本稿では、理科教育での教材の充 実に向けて、 CAI (computer assisted (aided) instruction)による物理の学習教材を開発し たことであり、 CAI用のソフトウェアとして Unity3Dを活用して、物理での抽象的な物理現 象「万有引力jを一つの例として視覚化できる 教材を試作した。 2.CAI (コンピュータ支援教材)の考察 CAI (コンビュータ支援教育)とは、コン ヒ。ュータを用いて行う教育のことである。主 に iCAIJ と表記されることが多く、おおむ ね学校教育な

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においてコンビュータを最大 限に活用しようとすることを意味することが 多い。教師はCAIを指導の道具として利用可 能であり、個々の学習者は、それぞれの進度 で自学自習を行うことが可能などという利点 があるから、学習支援システムを開発する 指 導 教 員 宮 本 賢 治 と、学校側は別の設備を用意する必要がない し、普及しやすいと考えられる。 3. 3次元CG開発方法 3次元CGの特徴から、抽象的な概念を映像 化することができるし、空想上の世界観や物 体を実際に映像化することができるから、そ の技術を利用して、普段あまり見えない物理 現象を可視化できると考えられる。特に、今日 の学校にパソコンは多く用意されているから、 その技術を利用して、物理現象を可視化する。 4. Unity3Dを用いた学習支援システムの開発 Uni ty 3 Dとは、 Windows上で動作する統合 型開発環境である。 iOS、Android、Windowsな ど様々なプラットフォームへ向けた高度3Dア プリケーションを制作することができる。図 1はUnity3Dの主画面になる。 図1 rUnity3Dの主画面J 今回、開発した教材は、高校物理の学習内容で ある「万有引力」や「向心力」を題材にした。 まず、万有引力を模擬する画面については、 図 2に示すように、距離と質量の値を自分で 入力して、公転運動の周期を出力することが できる。算出した周期に従って、地球の周りを 月が公転する。 ワ S 4 ム n d

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図2 万有引力を模擬する画面 また、第一宇宙速度、第二宇宙速度に関する 衛星の動きを模擬できるようにした。すなわ ち、衛星の速度を入力速度とし、これが第一宇 宙速度よりも小さい場合は、地球へ落下する (図3(a))。一方、衛星の速度が第一宇宙速度 に等しい場合は、地球の周りを回り続ける(図 3 (b))。もし入力される衛星の速度が第二宇 宙速度に等しい場合、衛星は地球の重力を振 り切ることができる(図4)。 (a)入力速度が第一宇宙速度より小さい場合 (b)入力速度が第一宇宙速度と同じ場合 図3 第一宇宙速度に関する衛星の軌道

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入力速度が第二宇宙速度と同じ場合 図4 第二宇宙速度に関する衛星の軌道 さらに向心力については、なぜ力の向きが 運動の中心方向なのか、や加速度が rω2 (r: 半径、 ω:角速度)と表されるかを視覚的に説 明できるようにした。(図5)

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図5 向心力に関する学習支援システムの一部分 5.高校物理の授業での活用例 ケプラーの第三法則によると周期の 2乗が 距離の 3乗に比例する。この学習システム支 援では、半径を大きくすると月の回転速度は 小さくなり、周期が大きくなる。このようにケ プラーの第三法則を視覚的に理解することが できる。 6.まとめと今後の予定 本研究では Unity3D というソフトウェアを 利用して、高校物理の学習内容である「万有引 力Jや「向心力」を視覚的に学習できる教材を 開発した。万有引力や向心力による運動を視 覚化することで、より効;果的に学習すること が期待できる。今後、実際に物理授業へ導入し て、この教材を活用した学習効果を検証する 予定である。 -

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