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Inhibitory effects of (-)-epigallocatechin gallate on spontaneous hepatoma in C3H/HeNCrj mice and human hepatoma-derived PLC/PRF/5 cells

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Academic year: 2021

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Title

Inhibitory effects of (-)-epigallocatechin gallate on spontaneous

hepatoma in C3H/HeNCrj mice and human hepatoma-derived

PLC/PRF/5 cells( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

西田, 浩

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第924号

Issue Date

1994-10-19

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15345

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 西 田

浩(滋賀県)

士(医学)

乙第 924.号 平成 6 年10 月19 日 学位規則第4条第2項該当

Inhibitory effects of(-)-ePigaJ[ocatechin galJate on spontaneous

hepatomain C3H/HeNCrj mice and human hepatoma-derived

PLC/PRF/5ceHs 審 査 委 員 (主査)教授 武

(副査)教授

教授 森 敏之

泰弘

秀 樹 論 文 内 容 の 要 旨 近年,日常の飲食物の中にヒトの発癌を抑制するある種の有効成分があると推測され,活発な研究が進められ ている。たとえば,静岡県中西部の緑茶生産地を中心とする地域において,全癒および胃癌などの消化器癌によ る模準化死亡率は,全国のそれに比して著しく低率であるという報告や,緑茶を多く摂取することが胃癌や膀胱 癌の発生率を低下させるという報告があり,緑茶中の発癌抑制物質が注目されている。(-)-epigallocatechin gallate(EGCG)は,緑茶に含まれるタンニンの主成分でポリフェノール化合物である。EGCGはマウス皮膚二 段階発癌実験においてテレオシジンとオカダ酸による発癌プロモーションを抑制することが見い出され,さらに N-ethyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(ENNG)で誘発されるマウス十二指腸癌を有意に抑制することが報告さ れている。 そこで,申請者はヒト肝癌の一次予防を試みる立場から,EGCGが肝癌の発生と進展を抑制するか否かを検討 するため,1)自然発症マウス肝癌に対する抑制効果と,2)ヒト由来肝癌株細胞の増殖抑制効果に関する検討を 行なった。 方 法 EGCGは日本産緑茶より分離したものを用いた。その分画は85%がEGCG,10%が(-)-epigallocatechin,5% が(-)-epicatechingallateである。 自然発症マウス肝癌に対する抑制効果の検討:動物は8週齢の雄性自然発症肝癌マウス(C3H/HeNCrj)を 使用した。先ず6週間飼育した後,3群(対照群20匹,0.05%EGCG群26匹,0.1%EGCG群26匹)に分け実験に 供した。0.05%EGCG群には0.05%EGCG含有水を,0.1%EGCG群には0.1%EGCG含有水を,対照群は水をそれ ぞれ実験終了まで自由摂取させた。食餌は3群ともマウス・ラット・ハムスター用固形飼料MFを自由摂取させ た。実験期間中の体重,食餌摂取量を週1回測定した。週齢72週に全マウスをエーテル麻酔下に脱血により屠殺 し,剖検を行なった。検討項目は,1)剖検時の肝腫瘍発生率,マウスー匹あたりの平均腫瘍個数及び腫瘍径, 2)生存率,3)実験期間中の体亀食餌摂取量の経時的変軌 4)屠殺時採取した血液についての血液生化学 検査(albumin,tOtalbilirubin,gultamicpyruvictransaminase,r-glut.amictranspeptidase,tOtalcholest-eol),5)肝腫瘍の組織学的検討などとした。 ヒト由来肝癌株細胞の増殖抑制効果‥ヒト由来肝癌株細胞(PLC/PRF/5)2×1d5個を10%FCS加Eagle,s minimum essentialmediumで培養した。培養条件は,37Oc,5%CO2に設定し,EGCGを0,0.1,0.5,1,5,10, 20,40,80,100〝Mの濃度となるよう培養液中に添加した。7日間培養し,細胞数算定,培養液中に分泌される a-fetoprotein(AFP)の測定を行なった。 結 果 1.自然発症マウス肝癌に対する抑制効果の検討 l)肝腫瘍発生率は対照群83.3%に対し,0.05%EGCG群56.0%,0.1%EGCG群は52.2%であり,EGCG投与群は 対照群に比べて推計的に有意に低率であった(P<0.05)。マウス一匹あたりの平均腫瘍個数は,対照群1.83±2.28 (M±SD)に対し,0.05%EGCG群0.72±0.74,0.1%瓦GCG群0.91±1.08であり,特に0.05%EGCG群では:推計 65

(3)

学的に有意差が認められた(P<0.05)。発生腫瘍個数を3つのカテゴリー(0個,1∼2個,3個以上)に分け,発 生腫瘍個数別のマウスの分布について検討した。対照群(0個16.7%,1∼2個66.7%,3個以上16.7%),0.05% EGCG群(0個44%,1∼2個40%,3個以上16%),0.1%EGCG群(0個47.8%,1∼2個39.1%,3個以上13%)であ り,対照群に比して2つのEGCG投与群は有意に発生腫瘍個数が少ない方に分布した(P<0.05)。平均腫瘍径は 対照群4.7±4.9mm,0.05%EGCG群4.6±3.1mm,0.1%EGCG群5.6±4.1mmで3群間で有意差は認められなかった。 2)生存率は,対照群90%,0.05%EGCG群96.2%,0.1%EGCG群8&9%で3群間に有意差は認められなかった。 3)実験期間中の体重,食餌摂取量は3群間に有意差は認められなかった。 4)血液生化学検査では3群間に有意差は認められなかった。

5)組織学的検討では腫瘍をhepatocellular adenomaとhepatocellular carcinomaに分類した。対照群では

hepatocellular adenoma81.8%,hepatocellular carcinoma18.2%,0.05%EGCG群ではそれぞれ83.3%,16.7 %,0.1%EGCG群では85.7%,14.3%であり3群間に有意差は認められなかった。 2.ヒト由来肝癌株細胞の増殖抑制効果について ヒト由来肝癌株細胞(PLC/PRF/5)はEGCG非添加時は細胞数23×105個まで増殖したが,EGCGは濃度依存 性に増殖を抑制し,50%増殖抑制濃度は100JLMであった。この際,細胞のviabilityはいずれもEGCG濃度にお いても95%以上であった。AFP産生はEGCG非添加時には5.2ng/105cellsであったが,0.5〟MEGCG添加時に3.O ng/105cellsと最低値を示し,さらにEGCG濃度を上げていくとAFPの産生は逆に増加した。 考 察 EGCGは自然発症マウス肝癌の発生率とマウスー匹あたりの平均腫瘍個数を有意に抑制し,かつ副作用は認め られなかった。EGCGの発癌抑制の機序は十分明らかにされていないが,抗酸化作用,抗変異原性作用,抗発癌 プロモーション作用等が考えられている。自然発症肝癌マウスではc-Ha-raS遺伝子が変異する割合が高いと報告 されている。EGCGの抗変異原性作用により自然発症肝癌マウス染色体のc-Ha-raS遺伝子の変異が抑制され,そ の結果発癌が抑制された可能性も推測される。 さらにEGCGはテレオシジンとオカグ酸の2つの発癌プロモーターによるプロモーション活性を抑制すること が知られており,その作用機序はEGCGが発癌プロモーターとそのレセプターの結合を抑制することによると報 告されている。直接の証明は今後の検討に待たねばならないが,EGCGはC3H/HeNCrjマウスの肝癌発生の発 癌プロモーション段階において,発癌を抑制するものと推測された。 EGCGはヒト由来肝癌株細胞(PLC/PRF/5)のviabilityを低下させることなく,濃度依存性に増殖を抑制 した○一方,5×10細胞あたりのAFP分泌は,0・5〟MEGCG添加時に最も強く抑制され,EGCGによるAFP分泌 抑制作用には至適濃度が存在することが強く示唆された。肝癌細胞における細胞の増殖抑制とAFP分泌抑制と の間には一元的な関係はなく,AFP分泌抑制はむしろ細胞の分化誘導に関連しているとも見なされている。従っ て,EGCGは0・5FLMを至適濃度として,ヒト由来肝癌株細胞(PLC/PRF/5)の分化を誘導した可能性もある と考えられた。 今回の検討でEGCGは毒性を示すことなく,自然発症マウス肝癌の発生を有意に抑制し,さらに,ヒト由来肝 癌株細胞(PLC/PRF/5)の増殖を抑制した。以上の結果より,EGCGはヒト肝癌の新しい発癌抑制化合物と して近い将来肝癌のハイリスク患者に臨床応用が可能であることが示唆された。

論文審査の結果甲要旨

申請者西田浩は,緑茶中の発癌抑制物質である(-)-epigallocatechingallateは,自然発症マウス肝癌の発生を 有意に抑制し,さらにヒト由来肝癌株細胞(PLC/PRF/5)の増殖を用量依存的に抑制することを見い出した。 また,毒性がきわめて低いことから,将来肝癌のハイリスク群への臨床応用の可能性が示唆される。これらの新 知見は肝臓病学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] Inhibitoryeffectsof(-)-ePigallocatechingallateonspontaneoushepatomain C3H/HeNCrj mice and human hepatoma-derived PLC/PRF/5cells

JapaneseJournalof Cancer Research85:221∼225,March,1994

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