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(1)

住宅の年金化

立命館大学教授 金融・法・税務研究センター長

有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構代表理事

(2)

これからの日本では住宅が、「すむところ」から「資産」に変わる

„ 住生活基本法の成立(2006.2)

¾ 「住宅」の充実から「住生活」の充実へ

„ 200 年住宅構想(福田首相)

¾ 数を満たす時代から、質を高める時代に

¾ 環境問題

¾ 耐震問題

高齢化の進行によりシニア期は「余生」から「第二の人生」へ

„ 長生きするとますます長生きする

平均寿命 78.5(男) 85.5(女) (H17) 50 歳 80.6(男) 86.8(女) 60 歳 82.1(男) 87.6(女)

„ 人は絶対寿命ではなく認知寿命で人生を考える

¾ 人は自分自身で寿命を測ることはできない。周りを見て認知する。

¾ 高齢化率が急速に高まったのはここ数年の現象。

65歳における平均余命の年次推移

10 12 14 16 18 20 22 24 19 60 62 64 66 68 19 70 72 74 76 78 19 80 82 84 86 88 19 90 92 94 96 98 20 00 男性 女性

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„ ひとつの住宅をすべてのライフステージに合わせるという発

想から、適切な「すみか」をライフステージ毎に選ぶという

発想へ

¾ 住生活(ハウジングライフ)における2つの多様化が進む

老健施設 駅近アパート シニア向けマンショ ン 実家 田舎暮らし 地域移住 都心住みかえ 街中居住 子供と 同居 古民家 Uタ ーン Jタ ーン I タ ーン リゾート、 海外

多様な移住・ 住みかえの文脈

„ 住宅を循環させる時代の到来

¾ 65 歳以上世帯の全資産のうち、6 割以上は住宅

安全資産 (預金、 公社債、 生命保険) リスク 資産 金融商品( 株式、 投信等) 不動産( 住宅等) 三分法 安全資産 預金 その他金融商品 不動産( 住宅等) リスク資産 実物資産 日本 の 高 齢 者

¾ 住宅は住んだままでは資産とは言えない。

¾ 高齢化社会を迎えて、移住・住みかえが一般的になれば、住宅が資

産に変わる。

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住宅を「資産化」するには3つの方法がある。

„ 担保(リバースモーゲージ)は最も非効率

¾ そもそも金融商品としては欠陥商品(誰も地価リスクをとれない)

¾ 厚労省・総務省の制度は社会保障費削減策にすぎない

¾ 民間リバースモーゲージはプチ富裕層とりこみのツール

„ 中古市場は 20 年以上経った住宅の価値がゼロに

¾ 建築基準法が 30 年住宅を想定している以上、当然の結果。

„ 賃貸すればよいところは多い。しかし、実例は非常に少ない。

¾ 「自宅」を貸すことへの抵抗、オーナー業はめんどう。

¾ 普通借家は「軒を貸して母屋を取られる」定期貸屋は戻れない

ご自宅について計算してみてください。 売却 リバースモーゲージ 貸す 住宅: ゼロ? 土地代×掛目(80%) ÷平均余命÷12月 土地は売らず: 円 土地: 万円× 坪 月家賃×12月×残耐用年数 65歳以上世帯の保有資産(平成16年) 36% 64% 耐久消費財資産額 2% ゴルフ会員権等の 資産 0.39% 住宅・宅地 62% その他金融資産0.11% 有価証券 5% 生命保険など 7% 預金 24% 総務省統計局全国消費実態調査より 金融資産 実物資産

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日本の大部分の地域では、住宅の収益還元価値が売却価値を上回

る。

賃料格差は 非常に少ない 地価 の 格 差 は き わ め て 大 き い が 、 本当 に 高 い 地 域 は 限 ら れ て い る 東京都心 郊外・ 地方都市 郊外 その他地方 賃料の収益還元価値 公示地価と民間家賃の地域差(平成18年) 0 100 200 300 400 500 600 700 800 地域(北→南) 指 数 (中 間 値 =100) 公示地価(平均) 民間家賃

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JTI は、「普通の土地」に「普通のマイホーム」を持つ「普通の庶

民」のために、「住宅の資産化」を賃貸を通じて実現する公的機関

として設立された

移住・住みかえ 支援機構 制度利用者 空き家 保証 内部準備金 準備金 積立 高齢者財団の基金 万が一の 場合の債務保証 3年の定期 借家契約 終 身 借家契約 再契約 ・公的制度に基づく 一生涯の家賃収入 ・3年毎に解約の自由 ・物件・土地は子供に 相続 ・良質な借家の循環 ・敷金なし。壁紙等 自ら一定の改修可。 ・3年毎に優先して 再契約 マイホーム借上げ事業 マイホーム循環型賃貸事業 維持費 機構諸経費

„ 日本に住宅を持つ 50 歳以上の人なら誰でも住宅を年金化

¾ 60 歳以上世帯の持ち家比率は 8 割以上

¾ 2007 年 10 月から全国取り扱い開始

¾ 1300 名を超える登録者、内 139 人が契約申込。

„ 積極的に住みかえる人の住みかえ先購入資金をマイホームか

ら創り出すことが可能に-住みかえ型リバースモーゲージ

¾ スルガ銀行の提携ローン(新居購入、大型リフォーム、既存ローン

借換に対応)

¾ アプラス社の無担保リフォームローン

¾ 08 年4月(予定)より、住宅金融支援機構がJTIと提携した新しい

住みかえ支援型ローンを提供

低利耐震改修リフォームローンについてJTI利用の場合は継続居住要件を撤廃(予定) JTIからの借上げ家賃をフラット35借入審査における年収に組み入れ JTIからの借上げ家賃の範囲内で返済するフラット35については、借入時年齢と返済時 年齢の制限を撤廃(予定)

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„ やむなく高齢者施設に住みかえた後は、マイホームが生活資

金をフォロー

公的借り上げ制度の存在は住宅の長寿命化を推進する

„ 借り上げにあたっては建物診断を実施

¾ 耐震基準以前の住宅については全件耐震診断実施を義務づけ

¾ その他要回収部分がある場合は借上げ前に対応を義務づけ

„ 終身借り上げといっても住宅の寿命が上限

¾ 移住・住みかえは既存住宅改修の絶好の機会になる。

¾ 回収資金は賃料から返済可能(一定の税メリット)

借上げ型住宅年金の可能性

(単位:万円) 男 女 男 女 夫婦 60 21.44 26.85 1,286 1,611 2,897 2,255 61 20.64 25.95 1,238 1,557 2,795 2,180 62 19.84 25.06 1,190 1,504 2,694 2,105 63 19.06 24.17 1,144 1,450 2,594 2,030 64 18.29 23.29 1,097 1,397 2,495 1,956 65 17.54 22.42 1,052 1,345 2,398 1,883 66 16.79 21.56 1,007 1,294 2,301 1,811 67 16.07 20.70 964 1,242 2,206 1,739 68 15.35 19.86 921 1,192 2,113 1,668 69 14.65 19.02 879 1,141 2,020 1,598 70 13.97 18.19 838 1,091 1,930 1,528 71 13.30 17.36 798 1,042 1,840 1,458 72 12.64 16.55 758 993 1,751 1,390 73 12.00 15.75 720 945 1,665 1,323 74 11.37 14.96 682 898 1,580 1,257 75 10.75 14.19 645 851 1,496 1,192 76 10.16 13.43 610 806 1,415 1,128 77 9.58 12.69 575 761 1,336 1,066 78 9.02 11.97 541 718 1,259 1,005 79 8.47 11.28 508 677 1,185 948 80 7.96 10.60 478 636 1,114 890 ※1 公的年金+αをひとり5万円とした場合の必要額合計 ※2 JTIの借上げ手取り家賃を7万円した場合の家賃合計 住宅年金 ※2 年齢 平均余命 公的年金+α※1

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2008 年からは、良質住宅について年齢制限が撤廃。

年齢にかかわらず良質な住宅の収益還元価値を保障

「年金になる住宅」

„ 移住・住みかえ支援適合住宅制度の導入

¾ 優良長寿命住宅を建築し、定期診断を実施する等の要件を満たした

企業の住宅について、購入時に借り上げ保証を実施

¾ 移住・住みかえ支援適合住宅であることを前提にした、新しい金融

サービス、付加価値サービスを協賛金融機関や企業と提携して提供

¾ 200 年住宅構想を補完

„ 住宅の年金化(収益還元価値の保障)は新しい住宅金融を可能

にする

„ 年齢制限の撤廃によって、JTIの家賃保証能力を活用した

新しい金融商品の開発が可能に

¾ 再起支援型借上げ制度

¾ 残価設定型住宅ローン

JTI は公益でも私益でもない共益型ビジネスモデルの先駆的事例に

„ 共益型ビジネスモデル

¾ 公益目的の事業を行うことから利益を受ける企業の協賛により、運

営に必要な固定費を賄い、家賃保証から生ずるリスクは日本全国を

対象とすることでリスク分散した上で、薄く広く利用者に負担求め

ることにより、公的負担を最小限に抑えるビジネスモデル。

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考えられる協賛企業のビジネス展開

子育て層 アッパーミドル (40~50代) アクティブシニア アッパーシニア 利用 者 ニー ズ 賃借 安心DIY住宅 コミュニティー型 住宅(賃貸・購入 ) 高齢者向け賃貸住 宅の賃料の確保 賃貸人の借り上げ ニーズ 老健施設入居費 や利用費の確保 購入 長寿命住宅(移住 ・住みかえ支援適 合住宅) シニア期に備えた 2地点居住 マンションから戸 建てに売らずに住 みかえ 移住・住みかえ先 の建築 バリアフリーリフォーム 保有住宅のメンテナンス 運用 一時的住みかえニーズ 未利用相続資産の有効活用 マイホームの有効活用 定期借地住宅の 安定供給 保有遊休土地の借り上げ(定期借地)による安定運用+転 貸による定期借地住宅の提供 政策ニーズ 長寿命住宅の建築促進 高齢者の居住安定確保 ●広い家族賃貸 住宅の提供(子育 て支援) 2地点居住 ●移住・住みかえ支援 ●古民家再生 地域活性化、中心市街地活性化 アフォーダビリ ティーの向上(残 価 含み損住宅からの 解放 ●既存住宅の価値最大化 設定型住宅ローン) 代替的中古市場(売るのではなく貸す市場)の構築支援とマーケットメイキン グ(Price Quoter of Last Resort)

メーカー 工務店 長寿命住宅の提 供とアフォーダ ビリティーの両 立 建替・住みかえ営 業の推進 オーナー顧客支援 によるブランド構 築と子世代への間 接訴求 シニアハウジン グへの取り組み 内装リフォーム 耐震リフォーム ・その他リフォーム 仲介業者 不動産仲介・管理が国の必須インフラに→住宅循環産業に 不動産運用の裾野が「地主」から、「庶民」に拡大 連帯保証 新規顧客の創出、関連ビジネスの拡大 金融機関 残価設定型住宅ローン 移住・住みかえ型リバースモーゲージ 入 居金への対応 内装リフォーム リフォームローン 耐震リフォームローン 住宅の金融資産化

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参考①:JTI 利用者、利用希望者の属性

2008 年 3 月 14 日現在の利用者の属性は以下の通りである。 図表 1 年齢別にみると 50 代、60 代が多いが、70 代の利用もそれなりにある。さらに、40 歳代や 40 歳未満の層からの問い合わせも増えており、住宅を資産化することに対す る意識が高まっていることを伺わせる。 40 歳代や 40 歳未満からの制度利用申込があるのは、相続等の理由で高齢者の保有 していた住宅を取得したものから制度利用希望のあったもので、制度趣旨に合致する ものについて特に理事会の承認を得て借り上げているものである。また、80 代の利 用者のニーズは自分の死後に配偶者に安定した収入を残してやりたいというもので あった。

性別・年齢別件数データ

性別 年齢帯 情報会員登録者数 制度利用申込者 男性 男性計 968 88 40歳未満 13 1 40代 50 2 50代 374 29 60代 367 37 70代 141 17 80歳以上 23 2 女性 女性計 236 30 40歳未満 6 0 40代 18 0 50代 94 16 60代 78 8 70代 38 6 80歳以上 2 0 不明 69 13 年齢別 合計 40歳未満計 19 1 40代計 68 2 50代計 468 45 60代計 445 45 70代計 179 23 80歳以上計 25 2 総計 1,273 131

(12)

図表 2 c

地域別件数データ

地域 情報会員登録者数 制度利用申込者 北海道 11 0 東北 22 0 首都圏(1都3県) 883 102 首都圏(上記以外) 58 7 北陸 8 1 中部・東海 67 5 近畿 154 9 中四国 22 3 九州・沖縄 48 6 その他 0 0 合計 1,273 133

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利用者の現住所を地域別にみると首都圏が圧倒的に多いが、地方も順調に増加して いる。首都圏郊外では千葉・埼玉が多いが、最近茨城の利用が増えている。 図表 3

県別件数データ

都道府県 情報会員 登録者数 制度利用 申込者 1 北海道 11 0 2 青森県 2 0 3 岩手県 0 0 4 宮城県 9 0 5 秋田県 0 0 6 山形県 5 0 7 福島県 6 0 8 茨城県 34 4 9 栃木県 12 1 10 群馬県 4 1 11 埼玉県 149 19 12 千葉県 176 16 13 東京都 320 43 14 神奈川県 238 24 15 山梨県 8 1 16 新潟県 3 0 17 富山県 1 0 18 石川県 4 1 19 福井県 0 0 20 長野県 8 0 21 岐阜県 10 2 22 静岡県 16 1 23 愛知県 33 2 24 三重県 6 0 25 滋賀県 6 1 26 京都府 11 1 27 大阪府 66 3 28 兵庫県 56 4 29 奈良県 4 0 30 和歌山県 5 0 31 鳥取県 1 0 32 島根県 1 0 33 岡山県 3 1 34 広島県 9 0 35 山口県 3 1 36 徳島県 1 0 37 香川県 2 0 38 愛媛県 2 1 39 高知県 0 0 40 福岡県 24 4 41 佐賀県 3 0 42 長崎県 1 0 43 熊本県 4 0 44 大分県 3 0 45 宮崎県 2 1 46 鹿児島県 5 0 47 沖縄県 6 1 その他 0 0 合計 1,273 133

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図表 4

県別件数データ

情報会員登録者 住所 物件住所 情報会員 登録数 制度利用 申込者 北海道 (計) 11 0 岩手県 1 0 新潟県 1 0 東京都 1 0 北海道 8 0 青森県 (計) 2 0 青森県 1 0 千葉県 1 0 宮城県 (計) 9 0 山形県 (計) 5 0 福島県 (計) 6 0 茨城県 (計) 34 4 栃木県 (計) 12 1 群馬県 (計) 4 1 埼玉県 (計) 149 19 千葉県 (計) 176 16 東京都 (計) 320 43 神奈川県 (計) 238 24 山梨県 (計) 8 1 新潟県 (計) 3 0 富山県 (計) 1 0 石川県 (計) 4 1 長野県 (計) 8 0 岐阜県 (計) 10 2 静岡県 (計) 16 1 愛知県 (計) 33 2 三重県 (計) 6 0 滋賀県 (計) 6 1 京都府 (計) 11 1 大阪府 (計) 66 3 兵庫県 (計) 56 4 奈良県 (計) 4 0 和歌山県 (計) 5 0 鳥取県 (計) 1 0 島根県 (計) 1 0 岡山県 (計) 3 1 広島県 (計) 9 0 山口県 (計) 3 1 徳島県 (計) 1 0 香川県 (計) 2 0 愛媛県 (計) 2 1 福岡県 (計) 24 4 佐賀県 (計) 3 0 長崎県 (計) 1 0 熊本県 (計) 4 0 大分県 (計) 3 0 宮崎県 (計) 2 1 鹿児島県 (計) 5 0 沖縄県 (計) 6 1 総計 1273 131

(16)

これをみると、情報登録者数については現住所と物件所在地の分布がそれほど異な らないが、制度利用申込者については、物件が首都圏が首都圏だが現住所が首都圏外 の者が多い。これは、すでに首都圏から移住・住みかえを行った者が首都圏にある住 宅について制度利用をしていることを伺わせる。 ただし、全体としては首都圏内部での移動がもっとも多い。これは比較的近距離の 住みかえ(一戸建てから駅近アパート等)が多い可能性を示唆している。これに対し、 ある程度の距離の移動委については、ここまでのところは、郊外から都心へというイ ンワード(inward)型よりは首都圏から首都圏外へというアウトワード(outward) 型が多いということであろう。

(17)

図表 5

建物種類・建築時期別 件数データ

建物種別 築年 情報会員登録数 制度利用申込者 一戸建 一戸建計 684 74 100年以上 1 0 50年-100年 1 0 40年-50年 14 0 30年-40年 131 13 20年-30年 242 36 10年-20年 246 22 5年-10年 33 2 5年未満 16 1 マンション マンション計 74 2 100年以上 0 0 50年-100年 0 0 40年-50年 0 0 30年-40年 17 1 20年-30年 28 1 10年-20年 23 0 5年-10年 5 0 5年未満 1 0 その他 その他計 14 1 ※ 100年以上 0 0 50年-100年 0 0 40年-50年 0 0 30年-40年 6 1 20年-30年 6 0 10年-20年 2 0 5年-10年 0 0 5年未満 0 0 不明 501 54 合計 100年以上 1 0 50年-100年 1 0 40年-50年 14 0 30年-40年 154 15 20年-30年 276 37 10年-20年 271 22 5年-10年 38 2 5年未満 17 1 総計 1,273 131 ※ その他 ・・・ アパート併用、テラスハウス、タウンハウス、2世帯住宅、など

(18)

次に築年数的にみると、10 年から 30 年までが圧倒的に多く、30 年~40 年がこれに 続く。調査時点における旧耐震物件の築後年数は 26.8 年であるから、旧耐震物件に 関する登録は全体の約 14%、制度利用申込は約 11%ということになる。今後も築後 10 年から 30 年、つまり、退職期前後までに利用を検討する者が主体になるものと考 えられる。

(19)

ただし、ここまでのところ事業者の協賛が得られないこともあり*1、これまで老健 施設への入居者等、後期シニア層には積極的なマーケティングを行っていない。この ことが築後年数の経った住宅が少ない一因である可能性もある。今後、制度周知が進 んでこうした層の利用希望が増えると、耐震診断の問題があらためて重要になる可能 性は残る。 1 当初ベネッセ社が協賛に興味を示していたことからあらためて打診をしたが、その後は社内事情もあ

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移住・住みかえの状況 図表 6 移住理由 移住先住宅の種類 移住先、購入・賃貸 職業 千葉県 茂原市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 千葉県 山武市 千葉県 成東市 田舎暮らし希望・畑仕事をするため 戸建 新規購入 正社員(正職員) 東京都 東大和市 埼玉県 狭山市 マンションへ転居希望等 マンション 新規購入 正社員(正職員) 東京都 八王子市 岐阜県 中津川市 岐阜に移住 戸建 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 東京都 多摩市 神奈川県 相模原市 子供と同居 住みかえせず・空家の利用 - -東京都 八王子市 東京都 八王子市 マンションへ転居希望等 マンション 新規購入 正社員(正職員) 神奈川県 横浜市西区 - - 住みかえせず・空家の利用 - -千葉県 市原市 愛媛県 西条市 マンションへ転居希望等 マンション 新規購入 正社員(正職員) 茨城県 守谷市 - - 近隣に転居済み 住みかえせず・空家の利用 - - 専業主婦(夫) 神奈川県 相模原市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 埼玉県 春日部市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 千葉県 松戸市 千葉県 船橋市 利便の為 マンション 新規購入 正社員(正職員) 宮崎県 宮崎市 宮崎県 宮崎市 宮崎へ移住 戸建 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 埼玉県 川口市 - - 同一敷地内に転居済み ご両親の為、バリアフリー住宅を新 戸建 新規購入 正社員(正職員) 埼玉県 鶴ヶ島市 沖縄県 中頭郡中城村 沖縄へ移住 アパート 賃貸 専業主婦(夫) 福島県 いわき市 神奈川県 横浜市南区 退職の為 マンション 新規購入 神奈川県 川崎市高津区 - - 住みかえせず・空家の利用 - - フリーランス 神奈川県 横浜市金沢区 東京都 新宿区 利便の為 マンション 新規購入 アルバイト・パート 神奈川県 川崎市麻生区 東京都 品川区 利便の為 マンション 新規購入 神奈川県 座間市 神奈川県 座間市 住みかえせず・空家の利用 - - .その他 東京都 多摩市 東京都 多摩市 利便の為 マンション 新規購入 自営業 埼玉県 狭山市 栃木県 那須塩原市 別荘所有、2重生活の為 別荘 所有済 無職(専業主婦(夫)以外) 福岡県 筑紫野市 福岡県 太宰府市 娘夫婦との同居 戸建 新規購入 自営業 福岡県 行橋市 福岡県 行橋市 駅近を希望・利便の為 マンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 東京都 八王子市 東京都 八王子市 利便の為 戸建 新規購入 千葉県 夷隅郡御宿町 千葉県 夷隅郡 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 兵庫県 神戸市熊野町 兵庫県 神戸市中央区 子供の通塾の利便の為 マンション 新規購入 自営業 埼玉県 飯能市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 正社員(正職員) 千葉県 柏市 千葉県 柏市 利便の為 マンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 千葉県 船橋市 北海道 小樽市 奥様の実家の傍へ移住の為 マンション 新規購入 正社員(正職員) 埼玉県 川口市 茨城県 鹿島市 田舎暮らし希望 戸建 「太陽の里」 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 東京都 品川区 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 正社員(正職員) 埼玉県 北埼玉郡騎西 町 埼玉県 北埼玉郡 奥様の実家の傍へ移住の為 戸建 新規購入 正社員(正職員) 千葉県 千葉市 岐阜県 揖斐郡揖斐川町 息子夫婦の近隣に住む為 高齢者施設 - 正社員(正職員) 東京都 小平市 静岡県 熱海市 熱海への移住の為 マンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 神奈川県 厚木市 東京都 多摩市 娘夫婦の近隣に住む為 マンション 賃貸 東京都 日野市 東京都 大田区 利便の為 マンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 千葉県 松戸市 兵庫県 宝塚市 転勤による実家への帰還の為 戸建 所有済 正社員(正職員) 東京都 世田谷区 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 東京都 八王子市 無職(専業主婦(夫)以外) 埼玉県 上尾市 埼玉県 上尾市 親との同居 戸建 建て替え 正社員(正職員) 滋賀県 草津市 滋賀県 草津市 利便の為 戸建 新規購入 千葉県 我孫子市 千葉県 我孫子市 利便の為 マンション 新規購入 正社員(正職員) 茨城県 牛久市 茨城県 牛久市 奥様の病気の介護の為 シニア向けマンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 埼玉県 さいたま市 東京都 江東区 仕事上の理由、利便の為 都営住宅 賃貸 フリーランス 石川県 金沢市 愛知県 名古屋市守山区 転勤による実家への帰還の為 戸建 所有済 正社員(正職員) 千葉県 流山市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 無職(専業主婦(夫)以外) 徳島県 徳島市 岡山県 岡山市 子供の通学の利便の為 マンション 新規購入 役員 東京都 文京区 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 役員 埼玉県 三郷市 東京都 昭島市 奥様と同居の為、持家に帰還 戸建 所有済 正社員(正職員) 千葉県 柏市 千葉県 柏市 離婚の為(おそらく) マンション 新規購入 無職(専業主婦(夫)以外) 神奈川県 横浜市金沢区 - - 住みかえせず・相続した空家の利用 - - アルバイト・パート 神奈川県 秦野市 - - 住みかえせず・空家の利用 - - 正社員(正職員) 岡山県 岡山市 山口県 下松市 転勤の為 社宅 - 正社員(正職員) 奈良県 奈良市 大阪府 大阪市旭区 子供の介護の為 マンション 購入 自営業 - - 東京都 三鷹市 - 戸建て - 会社役員 東京都 世田谷区 - - - - - その他 千葉県 習志野市 東京都 豊島区 仕事の都合(勤務地) アパート 計画なし その他(ボランティア活動) 埼玉県 新座市 埼玉県 新座市 亡父の家の有効活用 計画なし 会社役員 埼玉県 さいたま市西区 - - - - - 公務員・団体職員 住み替え前住所 住みかえ先

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図表 7 図表 6 は、これまでに成約もしくは入居募集に至った事案 59 件(08.3.26 現在)に ついて具体的にどのような移住・住みかえが実施されたかを整理したもの、図表 7 都道府県 物件所在地 建物 築年 間取り 駐車 土地坪数 建物坪数 メーカー・工法 賃料 (募集賃料) 千葉県 茂原市緑ヶ丘1丁目 戸建 1996年 3LDK 2台 59.34 24.67 積水ハウス軽鉄造2階建 ¥72,000 神奈川県 相模原市東淵野辺5丁目 戸建 1980年 4LDK 4台 57.17 35.67 積水ハウス軽鉄造2階建 ¥115,000 埼玉県 狭山市鵜之木 戸建 1980年 3LDK 2台 51.72 30.78 積水ハウス軽鉄造2階建 ¥87,000 東京都 八王子市川口町 戸建 1990年 4SLDK 2台 54.28 41.02 住友林業木造2階建 ¥88,000 東京都 多摩市聖ヶ丘 戸建 1985年 4LDK 1台 65.28 38.01 住友林業木造2階建 ¥105,000 東京都 八王子市川口町 戸建 1987年 3LDK 1台 36.12 21.53 飯田建設工業木造2階建 ¥68,000 神奈川県 小田原市扇町1丁目 戸建 1999年 5LDK 1台 53.65 46.71 住友林業木造2階建 ¥139,000 千葉県 市原市青葉台6丁目 戸建 1997年 4LDK 1台 53.85 37.35 住友林業木造2階建 ¥68,000 茨城県 守谷市松ヶ丘7丁目 戸建 1993年 5LDK 2台 72.68 41.24 一条工務店木造2階建 ¥95,000 神奈川県 相模原市栄町3丁目 戸建 1994年 4LDK 1台 33.77 31.60 木造2階建 ¥120,000 埼玉県 春日部市牛島 戸建 1981年 5DK 1台 32.07 31.44 積水ハウス木造2階建 ¥65,000 千葉県 松戸市高塚新田 戸建 1977年 3LDK 1台 59.42 30.64 セキスイハイム軽鉄造2階建 ¥93,000 千葉県 柏市加賀1丁目 戸建 1993年 4LDK 1台 45.98 32.97 ヘーベルハウス軽鉄造2階建 ¥106,000 埼玉県 川口市木曽呂 戸建 1991年 3SLDK 1台 196.23 29.94 木造2階建 ¥98,000 埼玉県 鶴ヶ島市富士見5丁目 戸建 2000年 4LDK 2台 112.23 33.95 木造2階建 ¥90,000 福島県 いわき市中央台飯野1丁目 戸建 1985年 5LDK 3台 90.00 45.00 住友林業木造2階建 ¥70,000 群馬県 前橋市岩神町 戸建 1984年 3LDK 1台 80.76 30.06 木造2階建 ¥90,000 神奈川県 横浜市金沢区富岡西1丁目 戸建 1995年 4LDK 1台 56.47 36.82 木造2階建 ¥140,000 神奈川県 川崎市麻生区王禅寺西 戸建 1976年 6SLDK 1台 68.23 42.18 木造2階建 ¥135,000 埼玉県 所沢市中富南 戸建 1993年 4LDK 1台 61.59 31.49 木造2階建 ¥98,000 東京都 八王子市館町 戸建 1985年 3SLDK 1台 36.30 24.20 木造2階建 ¥78,000 埼玉県 狭山市中央2丁目 戸建 1978年 5LDK 1台 33.00 32.00 セキスイハイム軽鉄造2階建 ¥66,000 福岡県 筑紫野市山家 戸建 1993年 4DK 2台 39.19 83.63 木造2階建 ¥63,000 福岡県 行橋市草野 戸建 1977年 5DK 2台 60.05 30.10 木造2階建 ¥42,000 東京都 八王子市東浅川町 戸建 1993年 5SLDK 1台 35.04 40.72 木造2階建 ¥123,000 千葉県 千葉市若葉区北大宮台 戸建 1988年 9LDK 4台 97.83 52.24 住友林業木造2階建 ¥109,000 兵庫県 神戸市熊野町5丁目 戸建 1986年 5LDK 1台 23.64 50.46 鉄骨3階建 ¥110,000 埼玉県 日高市武蔵台5丁目 戸建 1981年 4SLDK 1台 52.38 32.74 木造2階建 ¥66,932 千葉県 柏市豊住4丁目 戸建 1979年 4LDK 2台 104.81 33.64 軽量鉄骨2階建て ¥106,000 千葉県 船橋市丸山3丁目 戸建 1990年 4LDK 1台 161.98 125.03 軽量鉄骨2階建て ¥82,000 埼玉県 川口市芝1丁目 戸建 1990年 4LDK 1台 59.84 40.62 軽量鉄骨2階建て ¥144,000 埼玉県 さいたま市北区今羽町9丁目 戸建 1990年 4DK 1台 33.52 23.99 木造2階建 ¥100,000 埼玉県 行田市佐間1丁目 戸建 1982年 4DK 1台 54.29 28.30 木造2階建 ¥60,000 千葉県 千葉市花見川区南花園1丁目 戸建 1983年 4DK 1台 47.97 25.55 木造2階建 ¥85,000 東京都 小平市上水本町2丁目 戸建 1980年 6LDK 1台 36.90 28.85 木造2階建 ¥175,000 神奈川県 厚木市妻田北2丁目 戸建 1969年 4LDK 1台 115.05 46.44 木造2階建 ¥89,000 東京都 日野市大字日野 戸建 1986年 1LDK 1台 69.66 木造2階建 ¥99,000 千葉県 松戸市幸田3丁目 戸建 1987年 4LDK 1台 60.60 31.16 木造2階建 ¥85,000 千葉県 市川市中国分3丁目 戸建 1983年 3LDK なし 37.39 27.44 木造2階建 ¥68,000 東京都 八王子市万町 戸建 1985年 4SLDK 1台 17.01 12.02 木造2階建 ¥136,000 埼玉県 上尾市平塚 戸建 1999年 4LDK 1台 31.66 26.53 木造2階建 ¥85,000 滋賀県 草津市若草5丁目 戸建 1983年 3LDK 1台 83.63 木造2階建 ¥73,000 千葉県 我孫子市布佐平和台5丁目 戸建 1988年 4LDK 1台 57.80 41.45 木造2階建 ¥75,000 茨城県 牛久市下根町 戸建 1980年 5LDK 2台 100.00 43.79 木造2階建 ¥70,000 埼玉県 さいたま市緑区東大門3丁目 戸建 1983年 3LDK 1台 96.77 軽量鉄骨2階建て ¥98,000 石川県 金沢市大額 戸建 1998年 5DK 2台 45.38 42.57 軽量鉄骨2階建て ¥110,000 千葉県 我孫子市中峠 戸建 1987年 5LDK 1台 53.97 42.81 軽量鉄骨2階建て ¥82,000 徳島県 徳島市末広4丁目 戸建 1989年 4LDK 2台 80.00 43.00 木造2階建 ¥90,000 神奈川県 川崎市多摩区栗谷4丁目 戸建 1975年 4DK 1台 64.78 30.21 木造2階建 ¥110,000 埼玉県 三郷市戸ケ崎 戸建 2004年 2LDK 1台 87.25 31.46 木造2階建 ¥120,000 千葉県 柏市西山2丁目 戸建 1994年 4LDK 1台 32.00 62.00 木造2階建 ¥110,000 茨城県 つくば市二の宮4丁目 戸建 1991年 4SLDK 1台 67.28 40.27 軽量鉄骨2階建て ¥180,000 埼玉県 さいたま市北区大成町4丁目 戸建 1985年 4DK 1台 31.05 24.42 木造2階建 ¥110,000 岡山県 岡山市灘崎町植松 戸建 1986年 4LDK 3台 62.24 34.17 軽量鉄骨2階建て ¥60,000 奈良県 奈良市学園大和町3丁目 戸建 1989年 6LDK なし 90.06 53.94 軽量鉄骨2階建て ¥110,000 宮城県 仙台市青葉区通町1丁目 戸建 1996年 4LDK 2台 57.13 36 木造2階建て ¥100,000 東京都 世田谷区喜多見4丁目 戸建 1986年 3LDK 1台 35.12 27.8 木造2階建て ¥160,000 千葉県 習志野市東習志野6丁目 戸建 1987年 4LDK 1台 44.47 28.74 木造2階建て ¥85,000 埼玉県 蓮田市見沼町2丁目 戸建 1983年 4K 1台 49.91 23.9 木造2階建て ¥85,000 埼玉県 さいたま市西区指扇領別所 戸建 1994年 4LDK 2台 55.71 36.25 軽量鉄骨造2階建て ¥117,000

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は借上げの対象となった具体的な物件の一覧である。 移住・住みかえ先の取得形態

新規購入、取得済みが過半を占める

取得形態別にみると新規購入と所有済で過半を占めている。制度導入前になされて いた賃借する者が多いのではないかという予想はここまでのところ裏切られている。 図表 8 これには次のような理由が考えられる。 1)高齢者向けにそもそも魅力的な賃貸物件が少ない。 2)現在の事業用不動産の営業実態を考えると、賃貸物件の供給は土地を所有する 地主側の事情に左右されるので、必ずしも移住・住みかえをしたいところに適切な 物件供給が行われるとは限らない。さらに、通勤・通学が主たるニーズとなる若年 層と異なり、シニア層の居住需要は非常に多種多様であることから、入居者のニー ズを的確に把握することが困難である。 3)移住・住みかえを希望する利用者には「新生活へのこだわり」が強いか、「移

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住・住みかえを余儀なくされる事情」があり、そうしたニーズに適格に対応する新 居を取得したいという意向が強い。 4)利用者やいずれも持ち家保有者であり、移住・住みかえにあたっても所有動機 が強い。 5)そもそも論として、導入時にありがちであった、「シニア層は退職して資金的 に制約が多くあらたに家を購入するといった積極的な行動はとりにくい」という見 方は全く当を得ておらず、かなり高齢になっても健康である限り「よりよい住生活 を求めたい」という要求はかなり強い。仮にそうした言動があるとすれば一種のあ きらめから来るものであり、たとえばマイホーム借上げ制度により自宅を手放さず に資金化できるというオプションが示されれば、別の行動をとる可能性が高い。 転居先の形態

戸建てとマンションが拮抗。シニア向けは少ない。

次に転居先の形態をみると、利用者層の年齢もあってか、シニア向けのマンション ・戸建て・施設への転居は少なく、戸建てとマンションが拮抗している。これも導入 前はマンションがほとんどだろうという議論が強かった。現在のところシニア向けの 戸建て住宅市場は積極的に開拓されているとは言い難い状況にあることに鑑みると、 事業者がこのマーケットに注目すれば新たな戸建て需要が喚起される可能性がある のではないか。

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図表 9

※不明者のほとんどは現在空き家になっている保有住宅の活用者である。

制度利用の理由

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空き家の有効活用事例が 3 割を占める

図表 11 まず、全体の 3 割近くが、制度利用時には移住・住みかえを伴わず、空き家になっ ていた保有住宅を活用するための利用であることが特筆に値する。このことは、本制 度が空き家のまま放置されている戸建て住宅を子育て世代に循環させるための効果 を有していることを示唆する。図表 11 は、有効活用事例 17 件の対象物件をまとめ たものである。これをみると平均の敷地面積が約 56 坪、建物延べ床面積が 34 坪と通 常の賃貸住宅に比べるときわめてゆとりのある住宅が供給されていることが分かる。 一方、転貸家賃をみると平均が 99,700 円とかなり低水準の家賃で仕上がっている。 それでも、制度利用者にとっては手取り月家賃が平均で約 8.5 万円、年収にして 100 万円以上の追加収入が確保できたことになる。これらの住宅の平均築後年数は約 20 年であるから、建築基準法が想定する標準的な耐用年数で考えてもあと 10 年は同水 空き家有効活用事例の対象物件 建物 築年 築年数 間取り 駐車場 土地坪数 建物坪数 転貸家賃 手取り家賃 戸建 1993 15 5LDK 2 72.68 41.24 95,000 80,750 戸建 1985 23 4LDK 1 65.28 38.01 105,000 89,250 戸建 1996 12 3LDK 2 59.34 24.67 72,000 61,200 戸建 1984 24 3LDK 1 80.76 30.06 90,000 76,500 戸建 1993 15 4LDK 1 61.59 31.49 98,000 83,300 戸建 1988 20 9LDK 4 97.83 52.24 109,000 92,650 戸建 1981 27 4SLDK 1 52.38 32.74 66,932 56,892 戸建 1990 18 4DK 1 33.52 23.99 100,000 85,000 戸建 1987 21 5LDK 1 53.97 42.81 82,000 69,700 戸建 1999 9 5LDK 1 53.65 46.71 139,000 118,150 戸建 1994 14 4LDK 1 33.77 31.60 120,000 102,000 戸建 1981 27 5DK 1 32.07 31.44 65,000 55,250 戸建 1983 25 3LDK なし 37.39 27.44 68,000 57,800 戸建 1975 33 4DK 1 64.78 30.21 110,000 93,500 戸建 1985 23 4DK 1 31.05 24.42 110,000 93,500 戸建 1991 17 4SLDK 1 67.28 40.27 180,000 153,000 戸建 1983 25 4K 1 49.91 23.90 85,000 72,250 平均 20.47 55.72 33.72 99,702 84,747

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収入が空き家・空き室保証の下で安定的に得られるということになるのである。この 一部を補強・改修に活用して耐久性を向上させればさらに長期間の収益を期待するこ ともできる。「住宅の年金化」という当機構が掲げたスローガンはそれなりに実現さ れているということができるだろう。今後もこの観点から本制度の周知を進めて放置 空き家の有効活用を進めることが望ましい。 このように、放置空き家をリフォームするインセンティブは全くないが、借上げ対 象住宅についてはリフォーム投資の費用対効果を明瞭に示すことができる。すでに空 き家状態であるから、リフォーム工事のために一時的に転居する必要もない。これま での貸家リフォームはテナント付けを目的とした内装リフォームに比重が置かれる 傾向があったが、むしろ賃貸資産化の文脈では耐久性向上の視点が強調されるから、 より望ましいリフォームを誘導できる可能性が高い。事業者からすると、こうした動 きが強まればこれまでなかったリフォーム需要が喚起される可能性が高い。このため、 今後リフォーム事業者を通じた制度周知を進めていくことが考えられる。 図表 12

移住・住みかえ者のニーズは多様

次に、制度理由をきっかけに移住・住みかえをした制度利用者について利用理由を みると(図表 12)、12%(7 名)が積極的に遠隔地に移住している。これに対し、15 %(9 名)は家族の事情が理由となっている。これらはいずれ、まだ制度利用者が自 ら家族をフォローせねばならない状況であることが伺われる。利用年齢を 50 歳以上

制度利用理由

有効活用 17 住みかえせず・空家の利用 17 熱海への移住の為 1 田舎暮らし希望 3 地方移住 3 子供 2 子供の通学・通塾の利便の為 2 離婚など 1 1 子供の介護の為 1 奥様の病気の介護の為 1 奥様の実家の傍へ移住の為 2 親との同居 2 奥様と同居の為、持家に帰還 1 退職の為 2 転勤による実家への帰還の為 2 転勤の為 1 仕事上の理由、利便の為 1 子供との同居 3 3 利便の為 10 マンションへ転居希望等 3 不明 3 3 4 親との同居 13 利便性 仕事 7 7 移住 2 家族介護

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としているので、現役世代が利用する場合は、夢の引退生活というよりはより切実な ニーズが主体となるのであろう。逆に言えばマイホーム借上げ制度はこうした事情が 発生した者に対しても住宅の賃貸資産化の方途を提供するものであることが分かる。 残り半数近くは、(おそらく退職や現役年齢を過ぎたことによる)仕事や職場の変 化をきっかけとするものと(12%、7 名)、利便性や子供との同居といった高齢期固 有の理由に基づくもの(34%、20 名)である。 このように、移住・住みかえの理由はきわめて多様である。このことは、特定の理 由を想定とした制度では十分にニーズをつかみきれないということを意味する。理由 や政策的文脈を問わずに、50 歳以上で日本国内に住宅を所有する者からマイホーム を借り上げるという当機構の仕組みはその観点からも合理化されるといえるであろ う。

構造は賃料に必ずしも影響しない。しかし、耐久性が高ければ獲得総賃料

で差がつく。

賃料水準をみると、賃料水準はプレハブ、木造といった住宅の構造とはほとんど無 関係に立地や築年数等で決定されるように見える。このことは、中古住宅市場でしょ うした差異が十分に認知されないのと同じである。ただし、売却の場合はそれで終わ りであるが、賃貸の場合には、耐久性が高く、大きな補修費用をかけずに長く借上げ てもらうことができれば、期間中に獲得できる賃料総額は大きく異なってくる。 JTIの制度は、現在は差異が市場で明確に評価されない住宅の資産価値というも のを耐久性を通じて具体的な金額の差異として表すことを可能にする制度だという ことができる。

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参考② 住みかえ支援フラットの概要

住みかえ支援フラットはシニアを想定しているが、年齢に下限の設定はないので、 50 歳未満の子育て層の住みかえについても、移住・住みかえ適合住宅に関してはJT Iの借上げ制度が利用できることから、少なくとも返済負担率計算に関して保証家賃 加算の特例を受けることができる。

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図表  2  c 地域別件数データ地域情報会員登録者数 制度利用申込者北海道11 0東北220首都圏(1都3県)883102首都圏(上記以外)587北陸81中部・東海675近畿1549中四国223九州・沖縄486その他00合計1,273133
図表  4  県別件数データ 情報会員登録者 住所 物件住所 情報会員登録数 制度利用申込者 北海道 (計) 11 0 岩手県 1 0 新潟県 1 0 東京都 1 0 北海道 8 0 青森県 (計) 2 0 青森県 1 0 千葉県 1 0 宮城県 (計) 9 0 山形県 (計) 5 0 福島県 (計) 6 0 茨城県 (計) 34 4 栃木県 (計) 12 1 群馬県 (計) 4 1 埼玉県 (計) 149 19 千葉県 (計) 176 16 東京都 (計) 320 43 神奈川県 (計) 238 24 山
図表  5  建物種類・建築時期別 件数データ 建物種別 築年 情報会員 登録数 制度利用申込者 一戸建 一戸建計 684 74 100年以上 1 0 50年-100年 1 0 40年-50年 14 0 30年-40年 131 13 20年-30年 242 36 10年-20年 246 22 5年-10年 33 2 5年未満 16 1 マンション マンション計 74 2 100年以上 0 0 50年-100年 0 0 40年-50年 0 0 30年-40年 17 1 20年-30年 28 1 10年-20年
図表  7  図表  6 は、これまでに成約もしくは入居募集に至った事案 59 件(08.3.26 現在)に ついて具体的にどのような移住・住みかえが実施されたかを整理したもの、図表  7都道府県物件所在地建物築年間取り駐車土地坪数建物坪数メーカー・工法 賃料 (募集賃料)千葉県茂原市緑ヶ丘1丁目戸建1996年3LDK2台59.3424.67積水ハウス軽鉄造2階建 ¥72,000神奈川県相模原市東淵野辺5丁目戸建1980年4LDK4台57.1735.67積水ハウス軽鉄造2階建¥115,000埼玉県狭山市鵜之
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参照

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