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Interaction of Temperamental Traits to family Attachment Style in the Development of Behavior Problems in Children(子どもの問題行動に関連する子どもの気質と親の愛着スタイルの研究) [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)子どもの問題行動に関連する子どもの気質と親の愛着スタイルの研究 キーワード:問題行動、気質、愛着 人間環境学府 2HE00052W. ヤズデカステイ. Kochanska(2000)は、high. 目的. 人間共生システム専攻. negative. ファリバ affectivity. 児童期に見られる問題行動に関する要因として、. と low approach に関連があると述べ、Derryberry. 子どもの気質や不安や家族環境があげられる。まず、. & Reed (1998)、活動性と注意の側面に関連があると. 子どもの気質と家族環境を検討した研究である。. 述べたことから、. Rother(1987)&Cary(1996)は、high-risk の気質を持. 合わせ、. っている子ども達は特にストレスの影響を受けやす. らも検討する。本研究では、気質の組み合わせの中. く、またストレスの多い家族環境によって問題行動. で、 (高い情動性)、 (高い情動興奮性. を示す可能性が高いと示した。一方、easy の気質を. (高い活動性. 持っている子ども達はストレスの影響を受けにくい. 本研究の仮説は以下の通りである。. ことを示した。しかし、これまでの研究において. 仮説. high-risk の気質を持つ子どもに影響する家族の肯. ・ 不安が高い子どもは気質が high-risk で,親の愛. 定的役割は、まだ明らかになってない。. 情動的側面と活動的側面の組み. 活動的側面と注意の側面の組み合わせか .低い活動性)、. .低い注意)を high-risk と定義する。. 着スタイルが受容 よりも愛着スタイルが拒絶の. ところで、親子関係を見た研究では、子どもの不. 方が多くの問題行動を示す。. 安と親の愛着スタイルに関する研究がある。Muris. 方法. ら(2000)の研究では、小学生の子どもたちに対して. 対象児・者:公立小学校(2 校)の 3 年生 10 名,4. 親の愛着スタイル(安全型、回避、アンビバレント). 年生 25 名、5 年生 35 名、6 年生 90 名の計 160 名で. と不安の関連性を検討した。その結果,. ある。及び児童の母親 160 名、教師 10 名である。. 親の愛着ス. タイルが回避、アンビバレントの子どもたちは安全. 材料:子どもの気質、子どもの不安、子どもの問題. 型の子どもたちより強い不安を示すことが明らかに. 行動、親の愛着スタイルを測定する4種類の質問紙. なった。さらに、Ronald Rohner(1978)は、親に拒. を用いる。なお、それぞれの質問紙はオリジナルの. 絶された子ども達は、不安が高くなり問題行動を示. 質問紙から項目を抜粋し、新たに作成した。. すと述べている。つまり、親に受容されない子ども. 手続き:担当教師に本論文において作成された4種類. は情動的に不安となり、その不安定性や不安が問題. の質問紙の配布を依頼した。総配布数は 250 部で、. 行動を引き起こす可能性が考えられる。. 回収数は 160 部であった。(回収率 64%). 以上のことから、. 児童期に見られる問題行動に. 1.PRRQ:愛着スタイルを測定。(児童が回答). は、子どもの気質や不安、さらには、親の愛着スタ. 4因子から構成された60項目の内 26 項目を. イルが関連すると考えられるが、. 用いる。. これらの要因を. 一緒に検討した研究はみあたらない。 そこで本研究は、子どもの気質や不安、親の愛着. 2.STAICA:子どもの不安を測定する。 (児童自身が回答)2因子から構成. 40項目。. スタイルとのどのような関連で、子どもの問題行動. 3.TRF:子どもの問題行動を測定。 (児童の担任教. が生じるかを検討する。そのため愛着スタイルを、. 師が回答)9因子から構成された113項目の. 受容と拒絶の視点から検討する。また子どもの気質. 内 42 項目を用いる。. は情動的側面、. 活動的側面、. および注意の側面. から検討し、さらに気質の側面に関して、. 4.CBQ:子どもの気質を測定。(養育者が回答) 3因子から構成され 95. 項目の内 40 項目を用.

(2) いる。. 情動 High,low 情動.活動 High,High. 活動.注意 High,High. 結果と考察. 活動 High,low 情動.活動 High,low. 活動.注意 High,low. 1.因子分析の結果. 注意 High,low 情動.活動 low,High. 活動.注意 low,High. 情動.活動 low,low. ①CBQ の因子分析. 活動.注意 low,low. 主因子法により因子を抽出し。その後、バリマ クス回転を行った結果、3因子が抽出され、. ②PARQ の因子分析. それぞれ情動興奮、活動性、注意に命名した。. 主因子法により因子を抽出した。その後、バリマ クス回転を行った結果、2因子が抽出された。そし. Table 気質(CBQ)の因子分析 情動興 活動性 注意 共通 .641 .163 -.216 .484 12.少し切ったりぶつけたりしただけで もかなり大騒ぎする. .626 .198 .006 .431 23.ピクニック,パーテイなどの外出の前 には非常に興奮する. 7.家族でたてた計画が実行されないと悲 .618 .162 .077 .415 しがる傾向がある. .575 -.028 .067 .336 27.暗闇を恐がる. 28.ほんの少しけがをして も泣きそうに なる. 6.泥棒やおばけを恐がる. 13.やりたいことをしている時にじゃま されるとかなり欲求不満になる. 11.興奮した遊びの後ではなかなか気持 ちが静まりにくい. 10.大きな音を恐がる. 17.遊びたい物が見つけられない時は怒 16.新しい場面に入るのに時間が長くか かる. 19.初対面の人が近くにいると恥ずかし そうに振る舞う. 1.いつもせわしなくあっちこっち動きま わる 3.けがをするかもしれないような 乱暴 で向こう見ずな遊びが好きだ. 2.たいてい考える前にすぐ行動にうつす. 9.家の中で遊ぶ時,活発に動き回る(走っ 34.荒っぽい乱暴なゲームが好きだ. 37.お話を聞いている時,すぐに気が散 20.映画館や教会などでじっとすわって いるように言われてもなかなかできない. 31.していることに非常に熱中する. 29.何かを作ったり組み立てたりする時, 非常に夢中になって長い時間している. 26.ノートに絵を描いたり色をぬったり している時は,かなり集中する. 39.時々絵本に熱中して長い時間見てい る 5.何か練習する時,なかなかそれに集中し づらい.        固有値        寄与率      累積寄与率. .538. -.003 -.185. .324. て、2因子をそれぞれ拒絶と受容と命名した。.       Table 2 愛着(PARQ)の因子分析 受容 .715. 拒絶 共通性 -.099 .293. .682. -.103 .176. .636. -.133 .202. .626. .052. .581. -.206 .309. .550. -.138 .285. - .525. .112. .528. - .510. .182. .149. .441. .112. .227. .424. -.269 .395. .376. -.185 .288. -.065. .724. .521. 9.お母さんは私にしてくれるはずのことを忘 -.016 れます. -.131 7.お母さんは腹が立つと,私をどなります. 3.お母さんは私をまったくかまってくれませ -.215 -.152 10.お母さんは私を困った子だと思っていま. .556. .322. .550. .476. .526 .512. .422 .380. 15.お母さんは私にいじわるなことを言いま す 6.母さんは私をバカにしたり,からかったり します 20.お母さんは,私よりよその子のほうがお 行儀がいいと思っています. 13.お母さんはとても忙しくて,私の質問に 答えてくれません.        固有値        寄与率      累積寄与率. -.024. .476. .322. -.076. .443. .253. -.104. .393. .194. -.121. .366. .165. 19.お母さんは,私が考えたことを大切に 思ってくれて,そのことを喜んで聞いてくれま 24.お母さんは,私にやさしく,親切にして. .524 .492. .021 .278. .219 .164. .323 .237. 26.お母さんは,私を幸せにしょうとしてく. -.484. - .437. .090. .346. .476 .476 -.466. - .092 .047 .276 -.009 - .152 .047. .241 .310 .433. 16.私がいいことをすると,お母さんはうれ しいといってほめてくれます. 1.母さんは私のことをほめてくれます.. - .039. .191. .422. .109. .090 .061. .818 .659. .034 .109. .677 .442. .055 .091 .083 -.128. .555 .554 .499 - .463. .004 .065 .033 .251. .312 .325 .257 .294. -.100. - .413. .261. .248. -.100. .090. .828. .696. .045. .031. .717. .517. .072. -.017. .589. .352. .185 -.293. -.006 -.231. .434 .425. .223 .320. 22.私が元気がないときや病気のとき,お母 さんは私を元気づけてくれます. 17.お母さんは,私と一緒にことが好きで 4.母さんは,私のすることにとても関心を もっています. 11.お母さんは他の人に私のことをほめま す 8.私にとって大切なことを,お母さんに安心 5.母さんは,私が友達を家に連れて帰ってく ると,喜んで迎えてくれます. 12.お母さんは私に対して,すぐ怒ります.. 5.055 2.871 2.578 21.064 11.961 10.74 21.064 33.025 43.77. 分析方法 CBQ:3つの因子をそれぞれ高群、低群に分類した。. .320. 5.029 2.506 1.354 25.143 12.53 6.771 25.143 37.67 44.444. さらに、情動興奮性、活動性の高、低群に組合せ、 また活動性と注意の高、低群と組み合わせた。計 11. 分散分析. 通りである。. PARQ:2つの因子をそれぞれ高群と低群に分類し、 以上の4つに組み合わせた。.

(3) アンビバレント 拒絶. 高. 受容. 高. 拒絶. 高. 受容. 低. 拒絶. 回避. 受容. 拒絶. 低. メ リ カ の 文 化 を 比 較 し た Olson, Kashiwagi,&. 受容. 低. Crystal(2001)は、アメリカの母親は子どもの苦痛を. 拒絶. 低. 受容. 高. 気にすることに対して、日本の母親は余り気になら ないと示した。このことから、日本の母親は子ども の否定的な側面を余り報告しないと示唆される。そ. ③STAICA:不安を高群と低群に分類した。 ④TRF に関する因子分析。 TRF に因子分析を行ったが、抽出された因子に一 貫した項目内容が見られなかった。そのため、オリ ジナルの質問紙で抽出された因子を、本研究では用 いることとする。. のため、情動興奮性の側面が低いにもかかわらず、 問題行動がでた可能性が考えられる。 また、情動興奮性の側面が低い子ども達は、他の 子ども達に比べて怖がったり、泣いたりしないであ ろう。このことは親に認めてもらいたいと親の態度 を伺い、そのような情動を示さない可能性が考えら れる。そのためアンビバレント的愛着のように親が. 2.子どもの気質、親の愛着スタイルと子どもの問 題行動との関連性。 気質と愛着を独立変数とし、問題行動を従属変数 して、分散分析を行った。その結果、気質(情動興 奮性-高・低:2)x 愛着(4)の分散分析で交互作用に 有意傾向が見られた[F(2.219)=3.152,p<.10] (Fig.1)。下位検定を行った結果、子どもの気質の 中でも情動興奮性の側面が低く、愛着がアンビバレ ントの場合に問題行動が多く見られた。その他の気 質の因子の組合せにおける分析では関連は見られな かった。気質の中でも情動興奮の側面が低い子ども 達の方が、母親のアンビバレントの愛着に反応を示 した。. 矛盾した態度を示した場合は、親の反応に合わせら れなくなり、問題行動を示すと考えられる。 3.気質のタイプ別における親の愛着スタイル、子ど もの不安と問題行動との関連性。 気質のそれぞれのタイプ別に愛着と不安を独立変 数にして、問題行動を従属変数にして分散分析を行 った。その結果、気質の因子の組み合わせの中でも ①活動性-低、②情動興奮性-低・活動性-低、③活動 性-高・注意-低のタイプにおける愛着(4)x不安(2)の分 散分析に関連が見られたが、その他の気質のタイプ では関連が見られなかった。 ① 気質(活動性-低) のタイプにおいて愛着(4)x不安 (2)の分散分析を行った結果、交互作用に有意差が見 られた[F(7.875)=3.81,p<.01]. (Fig.2)。 下位検. 定の結果から、子どもの不安が高くて親の愛着が回 避の場合は、不安が高くて愛着が受容よりも問題行 動が多く見られた。. Fig.1 親の愛着スタイルと子どもの気質における問題行動. 今までアメリカで行われた研究は、情動興奮の側 面が高い子ども達がストレスの多い家族環境におか れると問題行動を示すと述べており、本研究の結果 と異なる。この研究の結果の違いは、アメリカと日 本の文化の違いから出てくると思われる。日本とア. Fig.2. 気質(活動性-低)における親の愛着スタイルと子どもの不安 高低での問題行動.

(4) ② 気質(情動興奮性-低・活動性-低)のタイプにおい. 研究の結果はそれに反するものである。. て愛着と不安を独立変数し、問題行動を従属変数 して、分散分析を行った。その結果,交互作用に 有 意 差 が 見 ら れ た [F(7.669) = 3.43 , p < .01] (Fig.3)。下位検定を行った結果、子どもの不 安が高くて回避的愛着の場合は、不安が高くてア ンビバレント的愛着、拒絶的愛着 、受容的愛着 の場合よりも問題行動が多く見られた。 Fig.4気質 (活動性-高.注意-低) における親の愛着スタイルと子どもの不安 高低での問題行動. Tschann(1996)は親の受容的なかかわり方は、 いつも子どもに肯定的な影響を与えるのではなく、 否定的な影響を与えることもあると述べた。Bush、 Luu,Posner(2000)が、活動性と集中力のコントロ ールは情動にも影響を与えると示したように、活動 Fig。3. 性が高く、注意が低い子ども達は、活動や注意のコ 気質(情動興奮性-低.活動性-低)における親の愛着スタイル. ントロールが上手くいかずに、学校で怒られる経験 と子どもの不安高低での問題行動. J.M.Tschann ら(1996)は,Low approachable の子 ども達と High approachable の子ども達は不安が 多い家族の環境で問題行動を起こすが示す問題のタイ フ ゚ が 違 う と 述 べ た 。 ま た. Rothbarth,. Derryberry(2000) は 、 子 ど も の 活 動 性 ( activity arousal/approachability)は子どもの情動にも影響 を与えると述べた。このような特徴を持っている子 ども達は、一般的に「おとなしくて手がかからない タイプ」であろう。しかし、この子ども達も他の子 ども達と同じように母に認められたいという欲求は 存在すると思われるが、親に認められたいアピール する力が弱いと考えられる。. そのため,親が子ども. に関心を示さない場合に、 親の注意をひこうとし、 問題行動を起こすと考えられる。 ③ 気質(活動性-. 高・注意-. 低) のタイプにおいて愛. 着と不安を独立変数にし,問題行動を従属変数にして、 分散分析を行った結果、交互作用に有意差が見られ た[F(3.008),3.26,p<.05] (Fig4)。下位検定を 行った結果、子どもの不安が高くて受容的愛着の場 合にうつ的問題行動が多く見られた。 これまでの多くの研究では母親の受容的愛着は 子どもに肯定的な影響を与えるといわれているが,本. や友達関係が上手くいかないことが多いと考えられ る。そのため自己評価が低くなり、親に受容された としても、素直に受け入れられずうつ的問題を示す 可能性も考えられる、あるいは親の愛着が受容だと しても学校場面と矛盾したものとなるため、うつ的 問題を示す可能性も考えられるだろう。 まとめ 本研究の全ての結果から、子どもの気質と愛着ス タイルと不安の関連で問題行動がでるということが 明らかになった。このことから仮説を支持すると考 えられる。そのため、問題行動に関して検討する際に は親の愛着と子どもの気質と不安の要因の影響を考 えないといけないと思われる。しかし、本研究の結 果から、親の受容的愛着はいつも子どもの気質と不 安を抑えるのではなく、これを促進する場合が見ら れた。本研究は、アメリカで行った研究をもとにし て気質の High-risk の子ども達を(高い情動興奮性) と(高い情動興奮性.低い活動性)と定義した仮説を 立てたが、結果では High-risk ではない気質に問題 行動が見られた。そのため本研究の結果から high-risk の気質は文化によって異なる可能性も考 えられる。.

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