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確定的影響 急性放射線症 急性放射線症の病期 被ばく時 時間経過 嘔気 嘔吐 Gy以上 頭痛 4Gy以上 下痢 6Gy以上 発熱 6Gy以上 意識障害 8Gy以上 無症状 発症期 回復期 (あるいは死亡) 造血器障害 感染 出血 消化管障害 皮膚障害 神経 血管障害 全身にグレイ,ミリグレイ 以上の

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10

 

人体影響の発生機構

線量反応関係

人体影響の発生機構 低い線量でも発生する 可能性

しきい線量なしと仮定

ひとつの細胞の突然変異 からでも発生する可能性

発生率

線量

自然発生率

確率的影響

(突然変異が引き金) 一度にたくさ んの細胞が 死・変性を起 こさない限り 生じない 高い線量で発生

しきい線量あり

発生率

線量

100%

確定的影響

(細胞死/細胞変性が引き金)  確定的影響には、これ以下では影響がみられない、これ以上浴びると影響が現れる というしきい線量があるといわれています。しきい線量を超えると、一度にたくさん の細胞死や変性が起こり、影響の発生率は急激に増加します。  一方、放射線防護では、確率的影響にはしきい線量はないと仮定されています。理 論上どんなに低い線量でも影響が発生する確率はゼロではないことになります。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

11

  確定的影響

全身被ばくと局所被ばく

確定的影響 出典:原子力安全委員会健康管理検討委員会報告平成12年(2000年)、他より改変

水晶体混濁

白内障、緑内障

(皮膚) 一時的脱毛

永久脱毛

永久不妊

(男女共通)

一時的精子数減少

一時的紅斑

紅斑

(皮膚)

潰瘍

末梢血中のリンパ球減少

悪心、嘔吐

下痢

頭痛、発熱

200 1,000 5,000 10,000 (ミリグレイ)

 一度に 100 ミリグレイ程度以上の放射線を受けた場合、細胞死を原因とする人体 影響が生じることがあります。こうした症状は、放射線の感受性の高い臓器ほど、少 しの線量で症状が生じます。  分裂が盛んな臓器である精巣は、放射線感受性が高く、一時的な精子数の減少は 100 ~ 150 ミリグレイで現れ、一過性の不妊になることがあります。骨髄も感受性 が高く、1,000 ミリグレイ以下の被ばくでも血中のリンパ球が減少することがありま す。しかし、こうした症状は自然に治癒します。  一方、2,000 ミリグレイ以上の放射線を一度に受けた場合、治療を要する臨床症状 が起きることがあります。  局所被ばくの場合には、被ばくした部分の臓器に障害が現れます。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

(2)

11

  確定的影響

時間経過

急性放射線症

急性放射線症の病期

確定的影響 被ばく時 ※全身に1グレイ(1,000ミリグレイ)以上の放射線を一度に受けた場合に見られる急性放射線症 嘔気・嘔吐(1Gy以上) 頭痛(4Gy以上) 下痢(6Gy以上) 発熱(6Gy以上) 意識障害(8Gy以上) 無症状 造血器障害(感染・出血) 消化管障害 皮膚障害 神経・血管障害 前駆期 ~48時間 0~3週間 潜伏期 発症期 (あるいは死亡) 回復期 被ばく線量大 出典:(公財)原子力安全研究協会 緊急被ばく医療研修テキスト「放射線の基礎知識」 Gy:グレイ  全身に 1 グレイ(1,000 ミリグレイ)以上の放射線を一度に受けた場合、さまざ まな臓器・組織に障害が生じ、複雑な臨床経過を辿ります。この一連の臓器障害を、 急性放射線症と呼びます。この時間経過をみると、典型的には、前駆期、潜伏期、発 症期の経過をたどり、その後、回復するか死亡します。  被ばく後 48 時間以内に見られる前駆症状により、おおよその被ばく量を推定する ことができます。1 グレイ以上の被ばくで、食欲不振、悪心、嘔吐と言った症状が見 られることがあります。4 グレイ以上の被ばくをした場合、頭痛などを訴えることが あります。6 グレイ以上被ばくした場合、下痢や発熱といった症状が現れることがあ ります。  その後、潜伏期を経て、発症期に入ると、線量増加とともに造血器障害、消化管障 害、神経血管障害の順で障害が現れます。これらの障害は、放射線感受性の高い臓器 や組織を中心に現れます。概して線量が多いほど潜伏期は短くなります。  皮膚は大人の体で 1.3 ~ 1.8m2とかなり大きな面積を持つ組織です。被ばく直後 に初期皮膚紅斑がでることもありますが、一般に皮膚障害は、被ばく後 2 ~ 3 週間経っ てから現れます。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

11

  確定的影響

 放射線の感受性は臓器によって異なりますが、最も感受性が高い臓器は精巣です。 一度に 0.1 グレイ(100 ミリグレイ)以上のγ(ガンマ)線などの放射線を受けると、 精子数が一時的に減少する一時的不妊を引き起こすことがあります。これは、精巣に ある精子を作り出す細胞が損傷を受けたために起こります。  また骨髄が 0.5 グレイ(500 ミリグレイ)以上の被ばくをすると、造血能が低下し、 血液細胞の数が減少します。  確定的影響の中には、白内障のように発症するまでに数年かかるものもあります。 なお、白内障のしきい値は 1.5 グレイとされてきましたが、最近国際放射線防護委員 会(ICRP)はそれより低い 0.5 グレイ程度に見直し、眼の水晶体に対する職業被ば くの新しい等価線量限度を設けました。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

さまざまな影響のしきい値

障害 臓器/組織 潜伏期 しきい値 (グレイ)※ 一時的不妊 精巣 3~9週 約0.1 永久不妊 精巣 3週 約6 卵巣 1週以内 約3 造血能低下 骨髄 3~7日 約0.5 皮膚発赤 皮膚(広い範囲) 1~4週 3~6以下 皮膚熱傷 皮膚(広い範囲) 2~3週 5~10 一時的脱毛 皮膚 2~3週 約4 白内障(視力低下) 眼 数年 0.5 ※臨床的な異常が明らかな症状のしきい線量(1%の人々に影響を生じる線量) 出典:国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告、国際放射線防護委員会報告書118(2012)

γ

(ガンマ)線急性吸収線量のしきい値

確定的影響

(3)

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  確定的影響

時間経過

急性放射線症

急性放射線症の病期

確定的影響 被ばく時 ※全身に1グレイ(1,000ミリグレイ)以上の放射線を一度に受けた場合に見られる急性放射線症 嘔気・嘔吐(1Gy以上) 頭痛(4Gy以上) 下痢(6Gy以上) 発熱(6Gy以上) 意識障害(8Gy以上) 無症状 造血器障害(感染・出血) 消化管障害 皮膚障害 神経・血管障害 前駆期 ~48時間 0~3週間 潜伏期 発症期 (あるいは死亡) 回復期 被ばく線量大 出典:(公財)原子力安全研究協会 緊急被ばく医療研修テキスト「放射線の基礎知識」 Gy:グレイ  全身に 1 グレイ(1,000 ミリグレイ)以上の放射線を一度に受けた場合、さまざ まな臓器・組織に障害が生じ、複雑な臨床経過を辿ります。この一連の臓器障害を、 急性放射線症と呼びます。この時間経過をみると、典型的には、前駆期、潜伏期、発 症期の経過をたどり、その後、回復するか死亡します。  被ばく後 48 時間以内に見られる前駆症状により、おおよその被ばく量を推定する ことができます。1 グレイ以上の被ばくで、食欲不振、悪心、嘔吐と言った症状が見 られることがあります。4 グレイ以上の被ばくをした場合、頭痛などを訴えることが あります。6 グレイ以上被ばくした場合、下痢や発熱といった症状が現れることがあ ります。  その後、潜伏期を経て、発症期に入ると、線量増加とともに造血器障害、消化管障 害、神経血管障害の順で障害が現れます。これらの障害は、放射線感受性の高い臓器 や組織を中心に現れます。概して線量が多いほど潜伏期は短くなります。  皮膚は大人の体で 1.3 ~ 1.8m2とかなり大きな面積を持つ組織です。被ばく直後 に初期皮膚紅斑がでることもありますが、一般に皮膚障害は、被ばく後 2 ~ 3 週間経っ てから現れます。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  確定的影響

 放射線の感受性は臓器によって異なりますが、最も感受性が高い臓器は精巣です。 一度に 0.1 グレイ(100 ミリグレイ)以上のγ(ガンマ)線などの放射線を受けると、 精子数が一時的に減少する一時的不妊を引き起こすことがあります。これは、精巣に ある精子を作り出す細胞が損傷を受けたために起こります。  また骨髄が 0.5 グレイ(500 ミリグレイ)以上の被ばくをすると、造血能が低下し、 血液細胞の数が減少します。  確定的影響の中には、白内障のように発症するまでに数年かかるものもあります。 なお、白内障のしきい値は 1.5 グレイとされてきましたが、最近国際放射線防護委員 会(ICRP)はそれより低い 0.5 グレイ程度に見直し、眼の水晶体に対する職業被ば くの新しい等価線量限度を設けました。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

さまざまな影響のしきい値

障害 臓器/組織 潜伏期 しきい値 (グレイ)※ 一時的不妊 精巣 3~9週 約0.1 永久不妊 精巣 3週 約6 卵巣 1週以内 約3 造血能低下 骨髄 3~7日 約0.5 皮膚発赤 皮膚(広い範囲) 1~4週 3~6以下 皮膚熱傷 皮膚(広い範囲) 2~3週 5~10 一時的脱毛 皮膚 2~3週 約4 白内障(視力低下) 眼 数年 0.5 ※臨床的な異常が明らかな症状のしきい線量(1%の人々に影響を生じる線量) 出典:国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告、国際放射線防護委員会報告書118(2012)

γ

(ガンマ)線急性吸収線量のしきい値

確定的影響

(4)

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  胎児への影響

確定的影響と時期特異性

着床前期

受胎

0-2週

• 流産

器官形成期

受胎

2-8週

• 器官形成異常

(奇形)

胎児前期

受胎

8-15週

• 精神発達

遅滞

胎児後期

受胎

15週

~出産

重要な器官が形成される時期

=薬の使用に気をつける時期

=放射線にも弱い時期

しきい値は0.1グレイ 以上

一般的に妊娠2週目と呼ばれている時期は、妊娠直後の受胎0週(齢)に相当します。 胎児への影響  確定的影響の中でもしきい値の低いものに、胎児影響があります。妊婦が被ばくし た場合、子宮内を放射線が通過したり、放射性物質が子宮内に移行したりすれば、胎 児も被ばくする可能性があります。  胎児期は放射線感受性が高く、また影響の出方に時期特異性があることがわかって います。妊娠のごく初期(着床前期)に被ばくすると、流産が起こることがあります。 この時期を過ぎてからの被ばくでは、流産の可能性は低くなりますが、赤ちゃんの体 が形成される時期(器官形成期)に被ばくすると、器官形成異常(奇形)が起こるこ とがあります。大脳が活発に発育している時期(胎児前期)に被ばくすると、精神発 達遅滞の危険性があります。  放射線への感受性が高い時期は、妊婦が薬をむやみに服用しないようにと指導され ている時期と一致します。安定期に入るまでのこの時期は、薬同様、放射線の影響も 受けやすい時期になります。こうした胎児への影響は 0.1 グレイ以上の被ばくで起こ ります。このことから、国際放射線防護委員会(ICRP)は、2007 年の勧告の中で 「胚 / 胎児への 0.1 グレイ未満の吸収線量は妊娠中絶の理由と考えるべきではない」 という考え方を示しています。これはγ(ガンマ)線やX(エックス)線を一度に 100 ミリシーベルト受けた場合に相当します。なお、胎児の被ばく線量は母体の被 ばく線量と必ずしも同じではありません。被ばく線量に応じて、がんや遺伝性影響と いった確率的影響のリスクも高まります。

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  胎児への影響

精神発達遅滞

出典:放射線影響研究所ホームページより作成 http://www.rerf.or.jp/ 胎児への影響 重度知的障害リスク 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0.0 0.5 1.0 1.5 母親の子宮での線量(グレイ) 全週齢 8~15週齢 16~25週齢  胎児影響の時期特異性については、原爆により胎内被ばくした集団の健康調査で明 らかになりました。  これは、原爆投下時の胎齢と精神発達への影響との関係を調べたグラフです。  原爆被ばく時の胎齢が 8 ~ 15 週齢の場合、放射線感受性が高く、子宮内での線量 が 0.1 グレイから 0.2 グレイの間にしきい値があるように見えます。これ以上の線量 域では、線量の増加に応じて重度知的障害の発生率が上がっていることがわかります。  しかし 16 ~ 25 週齢だった子どもたちは、0.5 グレイ程被ばくした場合でも重度 な知的障害は見られず、1 グレイを超えるような被ばくでは、かなりの頻度で障害が 発生することがわかりました。  つまり、同じ量の被ばくをしても、8 ~ 15 週齢で被ばくした場合と、16 ~ 25 週 齢の被ばくでは、障害の発生率が異なっています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  胎児への影響

確定的影響と時期特異性

着床前期

受胎

0-2週

• 流産

器官形成期

受胎

2-8週

• 器官形成異常

(奇形)

胎児前期

受胎

8-15週

• 精神発達

遅滞

胎児後期

受胎

15週

~出産

重要な器官が形成される時期

=薬の使用に気をつける時期

=放射線にも弱い時期

しきい値は0.1グレイ 以上

一般的に妊娠2週目と呼ばれている時期は、妊娠直後の受胎0週(齢)に相当します。 胎児への影響  確定的影響の中でもしきい値の低いものに、胎児影響があります。妊婦が被ばくし た場合、子宮内を放射線が通過したり、放射性物質が子宮内に移行したりすれば、胎 児も被ばくする可能性があります。  胎児期は放射線感受性が高く、また影響の出方に時期特異性があることがわかって います。妊娠のごく初期(着床前期)に被ばくすると、流産が起こることがあります。 この時期を過ぎてからの被ばくでは、流産の可能性は低くなりますが、赤ちゃんの体 が形成される時期(器官形成期)に被ばくすると、器官形成異常(奇形)が起こるこ とがあります。大脳が活発に発育している時期(胎児前期)に被ばくすると、精神発 達遅滞の危険性があります。  放射線への感受性が高い時期は、妊婦が薬をむやみに服用しないようにと指導され ている時期と一致します。安定期に入るまでのこの時期は、薬同様、放射線の影響も 受けやすい時期になります。こうした胎児への影響は 0.1 グレイ以上の被ばくで起こ ります。このことから、国際放射線防護委員会(ICRP)は、2007 年の勧告の中で 「胚 / 胎児への 0.1 グレイ未満の吸収線量は妊娠中絶の理由と考えるべきではない」 という考え方を示しています。これはγ(ガンマ)線やX(エックス)線を一度に 100 ミリシーベルト受けた場合に相当します。なお、胎児の被ばく線量は母体の被 ばく線量と必ずしも同じではありません。被ばく線量に応じて、がんや遺伝性影響と いった確率的影響のリスクも高まります。

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  胎児への影響

精神発達遅滞

出典:放射線影響研究所ホームページより作成 http://www.rerf.or.jp/ 胎児への影響 重度知的障害リスク 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0.0 0.5 1.0 1.5 母親の子宮での線量(グレイ) 全週齢 8~15週齢 16~25週齢  胎児影響の時期特異性については、原爆により胎内被ばくした集団の健康調査で明 らかになりました。  これは、原爆投下時の胎齢と精神発達への影響との関係を調べたグラフです。  原爆被ばく時の胎齢が 8 ~ 15 週齢の場合、放射線感受性が高く、子宮内での線量 が 0.1 グレイから 0.2 グレイの間にしきい値があるように見えます。これ以上の線量 域では、線量の増加に応じて重度知的障害の発生率が上がっていることがわかります。  しかし 16 ~ 25 週齢だった子どもたちは、0.5 グレイ程被ばくした場合でも重度 な知的障害は見られず、1 グレイを超えるような被ばくでは、かなりの頻度で障害が 発生することがわかりました。  つまり、同じ量の被ばくをしても、8 ~ 15 週齢で被ばくした場合と、16 ~ 25 週 齢の被ばくでは、障害の発生率が異なっています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  遺伝性影響

被爆二世における染色体異常

異常の起源 染色体異常を持った子どもの数 (割合) 対照群(7,976人) 被ばく群(8,322人) 平均線量は0.6グレイ 両親のどちらかに由来 (0.19%) 15 (0.12%) 10 新たに生じた例 (0.01%) 1 (0.01%) 1 不明(両親の検査ができなかった) (0.11%) 9 (0.08%) 7 合 計 (0.31%) 25 (0.22%) 18

原爆被爆者の子どもにおける安定型染色体異常

出典:放射線影響研究所ホームページ http://www.rerf.or.jp/ 遺伝性影響  原爆被爆者二世の健康影響調査では、重い出生時障害、遺伝子の突然変異や染色体 異常、がん発生率、がんやその他の疾患による死亡率などについて調べられています が、どれも対照群との差は認められていません。  安定型染色体異常は細胞分裂で消失することがなく、子孫に伝わる形の染色体異常 です。両親の少なくともどちらかが爆心地から 2,000m 以内で被ばく(推定線量が 0.01 グレイ以上)した子ども(被ばく群)8,322 人の調査では、安定型染色体異常 を持つ子どもは 18 人でした。一方、両親とも爆心地から 2,500m 以遠で被ばく(推 定線量 0.005 グレイ未満)したか、両親とも原爆時に市内にいなかった子ども(対照群) 7,976 人では、25 人に安定型染色体異常が認められました。  しかしその後の両親および兄弟姉妹の検査により、染色体異常の大半は新しく生じ たものではなく、どちらかの親がもともと異常を持っていて、それが子どもに遺伝し たものであることが明らかとなりました。こうしたことから、親の被ばくにより、生 殖細胞に新たに安定型染色体異常が生じ、二世に伝わるといった影響は、原爆被爆者 では認められないことがわかりました。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

13

  遺伝性影響

ヒトでの遺伝性影響のリスク

遺伝性影響

■放射線による生殖腺(生殖細胞)への影響

◎遺伝子突然変異 DNAの遺伝情報の変化(点突然変異) ◎染色体異常 染色体の構造異常 ※ヒトでは子孫の遺伝病の増加は証明されていません

■遺伝性影響のリスク(子と孫の世代まで)

= 約0.2%/グレイ

(1グレイあたり1,000人中2人) (国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告) この値は、以下のデータを用いて間接的に推定されている ・ヒト集団での各遺伝性疾患の自然発生頻度 ・遺伝子の平均自然突然変異率(ヒト)、平均放射線誘発突然変異率(マウス) ・マウスの放射線誘発突然変異からヒト誘発遺伝性疾患の潜在的リスクを外挿する補正係数

■生殖腺の組織加重係数

(国際放射線防護委員会(ICRP)勧告)

0.25(1977年)→0.20(1990年)→0.08(2007年)

 動物実験では親に高線量の放射線を照射すると、子孫に出生時障害や染色体異常な どが起こることがあります。しかし人間では、両親の放射線被ばくが子孫の遺伝病を 増加させるという直接の証拠はありません。国際放射線防護委員会(ICRP)では、 1 グレイ当たりの遺伝性影響のリスクは 0.2%と見積もっています。これはがんの死 亡リスクの 20 分の 1 にも満たない値です。  原爆被爆者の二世では、死亡追跡調査、臨床健康診断調査やさまざまな分子レベル の調査が行われています。こうした調査結果が明らかになるにつれ、従来心配されて いたほどには遺伝性影響のリスクは高くないことがわかってきたため、生殖腺の組織 加重係数の値も、最近の勧告ではより小さい値に変更されています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  遺伝性影響

被爆二世における染色体異常

異常の起源 染色体異常を持った子どもの数 (割合) 対照群(7,976人) 被ばく群(8,322人) 平均線量は0.6グレイ 両親のどちらかに由来 (0.19%) 15 (0.12%) 10 新たに生じた例 (0.01%) 1 (0.01%) 1 不明(両親の検査ができなかった) (0.11%) 9 (0.08%) 7 合 計 (0.31%) 25 (0.22%) 18

原爆被爆者の子どもにおける安定型染色体異常

出典:放射線影響研究所ホームページ http://www.rerf.or.jp/ 遺伝性影響  原爆被爆者二世の健康影響調査では、重い出生時障害、遺伝子の突然変異や染色体 異常、がん発生率、がんやその他の疾患による死亡率などについて調べられています が、どれも対照群との差は認められていません。  安定型染色体異常は細胞分裂で消失することがなく、子孫に伝わる形の染色体異常 です。両親の少なくともどちらかが爆心地から 2,000m 以内で被ばく(推定線量が 0.01 グレイ以上)した子ども(被ばく群)8,322 人の調査では、安定型染色体異常 を持つ子どもは 18 人でした。一方、両親とも爆心地から 2,500m 以遠で被ばく(推 定線量 0.005 グレイ未満)したか、両親とも原爆時に市内にいなかった子ども(対照群) 7,976 人では、25 人に安定型染色体異常が認められました。  しかしその後の両親および兄弟姉妹の検査により、染色体異常の大半は新しく生じ たものではなく、どちらかの親がもともと異常を持っていて、それが子どもに遺伝し たものであることが明らかとなりました。こうしたことから、親の被ばくにより、生 殖細胞に新たに安定型染色体異常が生じ、二世に伝わるといった影響は、原爆被爆者 では認められないことがわかりました。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  遺伝性影響

ヒトでの遺伝性影響のリスク

遺伝性影響

■放射線による生殖腺(生殖細胞)への影響

◎遺伝子突然変異 DNAの遺伝情報の変化(点突然変異) ◎染色体異常 染色体の構造異常 ※ヒトでは子孫の遺伝病の増加は証明されていません

■遺伝性影響のリスク(子と孫の世代まで)

= 約0.2%/グレイ

(1グレイあたり1,000人中2人) (国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告) この値は、以下のデータを用いて間接的に推定されている ・ヒト集団での各遺伝性疾患の自然発生頻度 ・遺伝子の平均自然突然変異率(ヒト)、平均放射線誘発突然変異率(マウス) ・マウスの放射線誘発突然変異からヒト誘発遺伝性疾患の潜在的リスクを外挿する補正係数

■生殖腺の組織加重係数

(国際放射線防護委員会(ICRP)勧告)

0.25(1977年)→0.20(1990年)→0.08(2007年)

 動物実験では親に高線量の放射線を照射すると、子孫に出生時障害や染色体異常な どが起こることがあります。しかし人間では、両親の放射線被ばくが子孫の遺伝病を 増加させるという直接の証拠はありません。国際放射線防護委員会(ICRP)では、 1 グレイ当たりの遺伝性影響のリスクは 0.2%と見積もっています。これはがんの死 亡リスクの 20 分の 1 にも満たない値です。  原爆被爆者の二世では、死亡追跡調査、臨床健康診断調査やさまざまな分子レベル の調査が行われています。こうした調査結果が明らかになるにつれ、従来心配されて いたほどには遺伝性影響のリスクは高くないことがわかってきたため、生殖腺の組織 加重係数の値も、最近の勧告ではより小さい値に変更されています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

発がんのしくみ

・放射線はがんを起こすさまざまなきっかけの一つ

・変異細胞ががんになるまでには、いろいろなプロセスが必要

→数年~数十年かかる

がん・白血病 白血病以外のがん 白血病 年 発症頻度 いくつもの遺伝子 異常 が 蓄 積 細胞死 (アポトーシス) 免疫系などによる排除 正常細胞 変異細胞 が ん細胞 が ん 増殖 被ばく後の期間  放射線ばかりではなく、さまざまな化学物質や紫外線などにも DNA を傷つける作 用があります。しかし、細胞には傷ついた DNA を修復する仕組みがあり、たいてい の傷はすぐに元通りに修復され、修復に失敗した場合でも、その細胞を排除する機能 が体には備わっています。  ごく稀に、修復し損なった細胞が、変異細胞として体の中に生き残ることがありま す。こうしたがんの芽は生じては消え、消えては生じといったことを繰り返します。  その中でたまたま生き残った細胞に遺伝子の変異が蓄積し、がん細胞となることが ありますが、それには長い時間がかかります。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

14

  がん・白血病

放射線感受性の高い組織・臓器

出典:Preston et al., Radiat Res, 168, 1, 2007より作成

組織 組織加重 係数w T※ 骨髄(赤色)、胃、 肺、結腸、乳房 0.12 生殖腺 0.08 膀胱、食道、 肝臓、甲状腺 0.04 骨表面、脳、 唾液腺、皮膚 0.01 残りの組織 の合計 0.12 出典:国際放射線防護委員会 (ICRP)2007年勧告 0 1 2 3 0 1 2 3 4 ん発生の過剰相対リス 臓器吸収線量(グレイ) 乳がん 皮膚がん 結腸がん 膀胱がん 甲状腺がん 肺がん 胃がん 肝臓がん がん・白血病 放射線による影響のリスクが 大きい臓器・組織ほど大きい 値になる。  この図は、原爆被爆者を対象に、どれだけの線量をどこに受けるとがんのリスクが 増加するかを調べたものです。横軸は、原爆投下時の高線量率一回被ばくによる臓器 吸収線量です。縦軸は、過剰相対リスクといって、被ばくしていない集団と比べて、 被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを調べたものです。例 えば、臓器吸収線量が 2 グレイの場合は、皮膚がんの過剰相対リスクが 1.5 となっ ていますので、放射線を受けなかった集団と比べて 1.5 倍のリスクが過剰に発症して いることを意味しています(つまり、2 グレイ被ばくした集団では皮膚がんの発症リ スクは、放射線を受けていない集団(1 倍)の 2.5 倍(1 + 1.5)となります)。  こうした疫学研究の結果から、乳腺、皮膚、結腸などは、放射線によってがんが 出やすい組織・臓器であることがわかりました。国際放射線防護委員会(ICRP)の 2007 年勧告では、臓器の感受性やがんの致死性なども考慮し、組織加重係数を決め ています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

発がんのしくみ

・放射線はがんを起こすさまざまなきっかけの一つ

・変異細胞ががんになるまでには、いろいろなプロセスが必要

→数年~数十年かかる

がん・白血病 白血病以外のがん 白血病 年 発症頻度 いくつもの遺伝子 異常 が 蓄 積 細胞死 (アポトーシス) 免疫系などによる排除 正常細胞 変異細胞 が ん細胞 が ん 増殖 被ばく後の期間  放射線ばかりではなく、さまざまな化学物質や紫外線などにも DNA を傷つける作 用があります。しかし、細胞には傷ついた DNA を修復する仕組みがあり、たいてい の傷はすぐに元通りに修復され、修復に失敗した場合でも、その細胞を排除する機能 が体には備わっています。  ごく稀に、修復し損なった細胞が、変異細胞として体の中に生き残ることがありま す。こうしたがんの芽は生じては消え、消えては生じといったことを繰り返します。  その中でたまたま生き残った細胞に遺伝子の変異が蓄積し、がん細胞となることが ありますが、それには長い時間がかかります。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

放射線感受性の高い組織・臓器

出典:Preston et al., Radiat Res, 168, 1, 2007より作成

組織 組織加重 係数w T※ 骨髄(赤色)、胃、 肺、結腸、乳房 0.12 生殖腺 0.08 膀胱、食道、 肝臓、甲状腺 0.04 骨表面、脳、 唾液腺、皮膚 0.01 残りの組織 の合計 0.12 出典:国際放射線防護委員会 (ICRP)2007年勧告 0 1 2 3 0 1 2 3 4 ん発生の過剰相対リス 臓器吸収線量(グレイ) 乳がん 皮膚がん 結腸がん 膀胱がん 甲状腺がん 肺がん 胃がん 肝臓がん がん・白血病 放射線による影響のリスクが 大きい臓器・組織ほど大きい 値になる。  この図は、原爆被爆者を対象に、どれだけの線量をどこに受けるとがんのリスクが 増加するかを調べたものです。横軸は、原爆投下時の高線量率一回被ばくによる臓器 吸収線量です。縦軸は、過剰相対リスクといって、被ばくしていない集団と比べて、 被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを調べたものです。例 えば、臓器吸収線量が 2 グレイの場合は、皮膚がんの過剰相対リスクが 1.5 となっ ていますので、放射線を受けなかった集団と比べて 1.5 倍のリスクが過剰に発症して いることを意味しています(つまり、2 グレイ被ばくした集団では皮膚がんの発症リ スクは、放射線を受けていない集団(1 倍)の 2.5 倍(1 + 1.5)となります)。  こうした疫学研究の結果から、乳腺、皮膚、結腸などは、放射線によってがんが 出やすい組織・臓器であることがわかりました。国際放射線防護委員会(ICRP)の 2007 年勧告では、臓器の感受性やがんの致死性なども考慮し、組織加重係数を決め ています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

年齢による感受性の差

乳がん 肺がん 骨髄性白血病 結腸がん 胃がん 甲状腺 がん 皮膚がん 子どもでは大人と比較して、甲状 腺や皮膚のがんリスクが高くなる ヨウ素131の 預託実効線量係数※1 (µSv/Bq) ヨウ131を100Bq 摂取したときの 預託実効線量(µSv) ヨウ131を100Bq 摂取したときの 甲状腺等価線量※2(µSv) 3か月児 0.48 48 1,200 1歳児 0.18 18 450 5歳児 0.10 10 250 大人 0.022 2.2 55

子どもは小さな大人ではない

がん・白血病 ※1:代謝や体格の違いから、子どもは預託実効線量係数が高い ※2:甲状腺の組織加重係数は0.04から算出 µSv/Bq: マイクロシーベルト/ベクレル

出典:国際放射線防護委員会(ICRP), ICRP Publication 119 , Compendium of Dose Coefficients based on ICRP Publication 60, 2012  大人の場合、骨髄、結腸、乳腺、肺、胃という臓器は、放射線被ばくによってがん が発症しやすい臓器ですが、子どもの場合は、甲状腺や皮膚も放射線被ばくによるが んリスクが高いことがわかってきました。  特に子どもの甲状腺は放射線に対する感受性が高いうえに、摂取放射能量(ベクレ ル)当たりの預託実効線量が大人よりもはるかに大きいので、1 歳児の甲状腺の被ば く線量が、緊急時の防護策を考える基準に取り入れられています。また、摂取放射能 量(ベクレル)当たりの預託実効線量係数は、大人よりもはるかに大きい数値が採用 されています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

0 10 20 30 40 50 0 0.5 1 1.5 2 発 症 率( %) 線量(グレイ) マウス乳がん 27グレイ/時 3.6ミリグレイ/時

低線量率被ばくの発がんへの影響

機関 線量・線量率効果係数 国連科学委員会(UNSCEAR)1993 3より小さい(1~10) 全米科学アカデミー(NAS)2005 1.5 国際放射線防護委員会 (ICRP)1990,2007 2 がん・白血病 低線量・低線量率のリスク = 高線量・高線量率のリスク 線量・線量率効果係数 0 10 20 30 40 50 0 1 2 3 発 症 率( %) 線量(グレイ) マウス卵巣腫瘍 27グレイ/時 3.6ミリグレイ/時 出典:国連科学委員会(UNSCEAR)1993  原爆被爆者のデータは、大きな線量を一度に被ばくした場合の影響を調べたもので す。しかし職業被ばくや、事故による環境汚染からの被ばくは、慢性的な低線量率で の被ばくです。  そこで、マウスを用いて、一度に大きな線量を受けた場合と、じわじわと少しずつ 受けた場合とでは、放射線による発がん率にどのくらい違いがあるのかを調べる実験 が行われました。その結果、がんの種類によって、結果に違いはあるものの、概して じわじわと被ばくする方が影響が小さいことがわかってきました。  線量・線量率効果係数は、それぞれ高線量のリスク(被ばく線量と発生率)から、 実際のデータがない低線量におけるリスクを予想する際、あるいは急性被ばくのリス クから慢性被ばくや反復被ばくのリスクを推定する際に用いられる補正値です。この 値をいくつにして放射線防護を考えればいいのかについては、研究者によってさまざ まな意見がありますが、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、補正値として 2 が使われており、少しずつ被ばくした場合は、一度に被ばくした場合に比べ、同じ 線量を受けた場合でも、影響は半分になるとしています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

年齢による感受性の差

乳がん 肺がん 骨髄性白血病 結腸がん 胃がん 甲状腺 がん 皮膚がん 子どもでは大人と比較して、甲状 腺や皮膚のがんリスクが高くなる ヨウ素131の 預託実効線量係数※1 (µSv/Bq) ヨウ131を100Bq 摂取したときの 預託実効線量(µSv) ヨウ131を100Bq 摂取したときの 甲状腺等価線量※2(µSv) 3か月児 0.48 48 1,200 1歳児 0.18 18 450 5歳児 0.10 10 250 大人 0.022 2.2 55

子どもは小さな大人ではない

がん・白血病 ※1:代謝や体格の違いから、子どもは預託実効線量係数が高い ※2:甲状腺の組織加重係数は0.04から算出 µSv/Bq: マイクロシーベルト/ベクレル

出典:国際放射線防護委員会(ICRP), ICRP Publication 119 , Compendium of Dose Coefficients based on ICRP Publication 60, 2012  大人の場合、骨髄、結腸、乳腺、肺、胃という臓器は、放射線被ばくによってがん が発症しやすい臓器ですが、子どもの場合は、甲状腺や皮膚も放射線被ばくによるが んリスクが高いことがわかってきました。  特に子どもの甲状腺は放射線に対する感受性が高いうえに、摂取放射能量(ベクレ ル)当たりの預託実効線量が大人よりもはるかに大きいので、1 歳児の甲状腺の被ば く線量が、緊急時の防護策を考える基準に取り入れられています。また、摂取放射能 量(ベクレル)当たりの預託実効線量係数は、大人よりもはるかに大きい数値が採用 されています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

0 10 20 30 40 50 0 0.5 1 1.5 2 発 症 率( %) 線量(グレイ) マウス乳がん 27グレイ/時 3.6ミリグレイ/時

低線量率被ばくの発がんへの影響

機関 線量・線量率効果係数 国連科学委員会(UNSCEAR)1993 3より小さい(1~10) 全米科学アカデミー(NAS)2005 1.5 国際放射線防護委員会 (ICRP)1990,2007 2 がん・白血病 低線量・低線量率のリスク = 高線量・高線量率のリスク 線量・線量率効果係数 0 10 20 30 40 50 0 1 2 3 発 症 率( %) 線量(グレイ) マウス卵巣腫瘍 27グレイ/時 3.6ミリグレイ/時 出典:国連科学委員会(UNSCEAR)1993  原爆被爆者のデータは、大きな線量を一度に被ばくした場合の影響を調べたもので す。しかし職業被ばくや、事故による環境汚染からの被ばくは、慢性的な低線量率で の被ばくです。  そこで、マウスを用いて、一度に大きな線量を受けた場合と、じわじわと少しずつ 受けた場合とでは、放射線による発がん率にどのくらい違いがあるのかを調べる実験 が行われました。その結果、がんの種類によって、結果に違いはあるものの、概して じわじわと被ばくする方が影響が小さいことがわかってきました。  線量・線量率効果係数は、それぞれ高線量のリスク(被ばく線量と発生率)から、 実際のデータがない低線量におけるリスクを予想する際、あるいは急性被ばくのリス クから慢性被ばくや反復被ばくのリスクを推定する際に用いられる補正値です。この 値をいくつにして放射線防護を考えればいいのかについては、研究者によってさまざ まな意見がありますが、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、補正値として 2 が使われており、少しずつ被ばくした場合は、一度に被ばくした場合に比べ、同じ 線量を受けた場合でも、影響は半分になるとしています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

(0.2) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 0 1000 2000 3000 過剰相対リスク 線量(ミリシーベルト) (0.1) 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0 500 1000 過剰相対リスク 線量(ミリシーベルト)

固形がんによる死亡と線量との関係

固形がんによる死亡(原爆被爆者データ)

出典:Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004より作成 出典:Ozasa et al., Radiat Res, 177, 229, 2012より作成

急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ 100ミリシーベルト 100ミリシーベルト 過剰相対リスク:放射線を受けなかった集団に比べ、放射線を受けた集団ではどのくらい がん発生のリスクが増加したかを調べたもの  原爆被爆者の健康影響調査の結果から、被ばくした量が増えると、発がんのリスク が高まることが知られています。固形がんによる死亡リスクと線量の関係には、約 100 ミリシーベルト以上で直線性が見られるものの、100 ミリシーベルト以下のリ スクについては研究者によって意見が分かれています。  100 ミリシーベルト以下でも線量とがんリスクは比例関係にあるのか、それとも 実質的なしきい値が存在するのかは、今後の研究によって明らかにされる必要があり ます。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

白血病と線量反応相関

広島・長崎原爆被爆者における白血病の線量反応 出典:DS02とDS86による白血病のノンパラメトリックな線量反応(1950-2000年) Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004より作成

-10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 重み付けした骨髄線量3 (グレイ) ● DS021 ▲ DS862 1万人当たりの過剰症例数 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ ※1 :(公財)放射線影響研究所が1986年に確立した、原爆被爆者の被ばく線量推定方式 ※2 : DS86に代わり、2002年新しく確立した線量推定方式 ※3 :白血病の場合、重み付けした骨髄線量(中性子線量を10倍したものとγ(ガンマ)線 量の和)を使用  原爆被爆者における白血病の過剰症例数の結果から、白血病の線量反応関係は二次 関数的であり、低線量では、単純な線形線量反応で予測されるよりもリスクは低くなっ ています。しかし、0.2 ~ 0.5 グレイの低い線量の範囲でも白血病リスクの上昇が認 められています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

(0.2) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 0 1000 2000 3000 過剰相対リスク 線量(ミリシーベルト) (0.1) 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0 500 1000 過剰相対リスク 線量(ミリシーベルト)

固形がんによる死亡と線量との関係

固形がんによる死亡(原爆被爆者データ)

出典:Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004より作成 出典:Ozasa et al., Radiat Res, 177, 229, 2012より作成

急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ 100ミリシーベルト 100ミリシーベルト 過剰相対リスク:放射線を受けなかった集団に比べ、放射線を受けた集団ではどのくらい がん発生のリスクが増加したかを調べたもの  原爆被爆者の健康影響調査の結果から、被ばくした量が増えると、発がんのリスク が高まることが知られています。固形がんによる死亡リスクと線量の関係には、約 100 ミリシーベルト以上で直線性が見られるものの、100 ミリシーベルト以下のリ スクについては研究者によって意見が分かれています。  100 ミリシーベルト以下でも線量とがんリスクは比例関係にあるのか、それとも 実質的なしきい値が存在するのかは、今後の研究によって明らかにされる必要があり ます。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

白血病と線量反応相関

広島・長崎原爆被爆者における白血病の線量反応 出典:DS02とDS86による白血病のノンパラメトリックな線量反応(1950-2000年) Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004より作成

-10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 重み付けした骨髄線量3 (グレイ) ● DS021 ▲ DS862 1万人当たりの過剰症例数 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ ※1 :(公財)放射線影響研究所が1986年に確立した、原爆被爆者の被ばく線量推定方式 ※2 : DS86に代わり、2002年新しく確立した線量推定方式 ※3 :白血病の場合、重み付けした骨髄線量(中性子線量を10倍したものとγ(ガンマ)線 量の和)を使用  原爆被爆者における白血病の過剰症例数の結果から、白血病の線量反応関係は二次 関数的であり、低線量では、単純な線形線量反応で予測されるよりもリスクは低くなっ ています。しかし、0.2 ~ 0.5 グレイの低い線量の範囲でも白血病リスクの上昇が認 められています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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がん・白血病

0 1 2 3 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 相対リスク 骨髄線量(シーベルト) 死亡率 罹患率

白血病の発症リスク

原爆被爆者における発がんのリスク(白血病)

相対リスク=1 急性外部被ばく の発がん 出典:国連科学委員会(UNSCEAR)2006年報告書より作成 原爆被爆者 データ  国連科学委員会(UNSCEAR)の報告によれば、原爆被爆者における白血病の相 対リスク(被ばくしていない人を 1 とした時、被ばくした人のリスクが何倍になる かを表したもの)は、0.2 シーベルト以下の線量域では、白血病のリスクの増加は顕 著ではありませんが、0.4 シーベルト近くの群では顕著な増加が認められています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく時年齢と発がんリスクの関係

原爆被爆者の被ばく時年齢別相対リスク

男性(ミリシーベルト) 女性(ミリシーベルト) 5~ 500 500~ 1,000 1,000~4,000 500 5~ 500~ 1,000 1,000~4,000 年齢 0~9歳 0.96 1.10 3.80 1.12 2.87 4.46 10~19歳 1.14 1.48 2.07 1.01 1.61 2.91 20~29歳 0.91 1.57 1.37 1.15 1.32 2.30 30~39歳 1.00 1.14 1.31 1.14 1.21 1.84 40~49歳 0.99 1.21 1.20 1.05 1.35 1.56 50歳以上 1.08 1.17 1.33 1.18 1.68 2.03

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007

急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ  この図は、原爆被爆者のがん発症の相対リスクを、男女別、被ばく時年齢別で表し たものです。相対リスクとは、被ばくしていない人を 1 とした時、被ばくした人の がんリスクが何倍になるかを表しています。  0 ~ 9 歳の男性では、5 ~ 500 ミリシーベルト被ばくした場合のがんリスクは、 被ばくしていない集団の 0.96 倍と被ばくしていない集団と差がありませんが、500 ~ 1,000 ミリシーベルトの被ばくでは 1.1 倍、1,000 ~ 4,000 ミリシーベルトでは 3.8 倍と、線量が増加すると相対リスクも増えます。女性でも同じ傾向が見られます。一 方、50 歳以上では、5 ~ 500 ミリシーベルトでは相対リスクが 1 に近く、線量が増 えるにつれてがんリスクが増えますが、その増え方は、0 ~ 9 歳ほど顕著ではありま せん。年齢による差は 1,000 ~ 4,000 ミリシーベルトの被ばくで顕著で、0 ~ 9 歳 の相対リスクは 3.80(男性)あるいは 4.46(女性)であり、20 歳以上の相対リス クの 2 ~ 3 倍になっています。  このように高線量域では、子どもが大人より放射線感受性が高いことが明らかです が、低線量域については、リスクの変化があったとしても小さすぎて疫学的に検出で きないため、現在のところ、科学的知見はじゅうぶんではありません。そこで、放射 線防護の観点からは、どの線量域でも、子どもは大人より 3 倍程度感受性が高いと みなすべきであると考えられています。

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がん・白血病

0 1 2 3 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 相対リスク 骨髄線量(シーベルト) 死亡率 罹患率

白血病の発症リスク

原爆被爆者における発がんのリスク(白血病)

相対リスク=1 急性外部被ばく の発がん 出典:国連科学委員会(UNSCEAR)2006年報告書より作成 原爆被爆者 データ  国連科学委員会(UNSCEAR)の報告によれば、原爆被爆者における白血病の相 対リスク(被ばくしていない人を 1 とした時、被ばくした人のリスクが何倍になる かを表したもの)は、0.2 シーベルト以下の線量域では、白血病のリスクの増加は顕 著ではありませんが、0.4 シーベルト近くの群では顕著な増加が認められています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく時年齢と発がんリスクの関係

原爆被爆者の被ばく時年齢別相対リスク

男性(ミリシーベルト) 女性(ミリシーベルト) 5~ 500 500~ 1,000 1,000~4,000 500 5~ 500~ 1,000 1,000~4,000 年齢 0~9歳 0.96 1.10 3.80 1.12 2.87 4.46 10~19歳 1.14 1.48 2.07 1.01 1.61 2.91 20~29歳 0.91 1.57 1.37 1.15 1.32 2.30 30~39歳 1.00 1.14 1.31 1.14 1.21 1.84 40~49歳 0.99 1.21 1.20 1.05 1.35 1.56 50歳以上 1.08 1.17 1.33 1.18 1.68 2.03

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007

急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ  この図は、原爆被爆者のがん発症の相対リスクを、男女別、被ばく時年齢別で表し たものです。相対リスクとは、被ばくしていない人を 1 とした時、被ばくした人の がんリスクが何倍になるかを表しています。  0 ~ 9 歳の男性では、5 ~ 500 ミリシーベルト被ばくした場合のがんリスクは、 被ばくしていない集団の 0.96 倍と被ばくしていない集団と差がありませんが、500 ~ 1,000 ミリシーベルトの被ばくでは 1.1 倍、1,000 ~ 4,000 ミリシーベルトでは 3.8 倍と、線量が増加すると相対リスクも増えます。女性でも同じ傾向が見られます。一 方、50 歳以上では、5 ~ 500 ミリシーベルトでは相対リスクが 1 に近く、線量が増 えるにつれてがんリスクが増えますが、その増え方は、0 ~ 9 歳ほど顕著ではありま せん。年齢による差は 1,000 ~ 4,000 ミリシーベルトの被ばくで顕著で、0 ~ 9 歳 の相対リスクは 3.80(男性)あるいは 4.46(女性)であり、20 歳以上の相対リス クの 2 ~ 3 倍になっています。  このように高線量域では、子どもが大人より放射線感受性が高いことが明らかです が、低線量域については、リスクの変化があったとしても小さすぎて疫学的に検出で きないため、現在のところ、科学的知見はじゅうぶんではありません。そこで、放射 線防護の観点からは、どの線量域でも、子どもは大人より 3 倍程度感受性が高いと みなすべきであると考えられています。

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  がん・白血病

固形がん発生のリスク係数

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

広島・長崎原爆被爆者における固形がんの線量反応

急性外部被ばく の発がん (0.2) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 0 1 2 3

過剰相対リスク

重み付けした結腸線量(グレイ)

1958~1998年の追跡調査データに基づく、 被爆時年齢30歳、到達年齢70歳での推定値 原爆被爆者 データ  この図は原爆被爆者における固形がん発症の過剰相対リスク(被ばくしていない集 団に比べ、被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを示す値) を示した結果です。1958 ~ 1998 年の追跡調査データに基づき、太い実線は、被爆 時年齢 30 歳の人が 70 歳に達した場合として推定したときの男女平均過剰相対リス クで、直線の線量反応を示しています。なお青の太い破線は、被ばくした線量区分別 のリスクの代表値から推定した値であり、水色の細い破線はこの推定値の 1 標準誤 差上下を示しています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく年齢ごとの生涯リスク

被ばく時 年齢 被ばくがない時の 発がんリスク (A)(%) 被ばくによる 過剰な生涯リスク(B)(%) 被ばくがある時 の発がんリスク (A+B)(%)

10歳

30

2.1

32.1

20

2.2

22.2

30歳

25

0.9

25.9

19

1.1

20.1

50歳

20

0.3

20.3

16

0.4

16.4

広島長崎の原爆生存者の調査結果

100ミリシーベルト(mSv)での急性被ばく

による推定

出典:Preston et al., Radiat Res, 160, 381, 2003 被ばくした集団と被ばくしていない集団における生涯の間にがんで死亡する確率の差 10歳の男性が、被ばくしないときにはその後の生涯で30%の発がんの可能性があるが、 100mSv被ばくすると、被ばくにより2.1%増加し、32.1%になると推定される。 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ  被ばくによる過剰相対リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした集団では どのくらいがん発症のリスクが増加したかを表す値)の大きさは、被ばく年齢によっ て異なります。  例えば 10 歳の男の子が、被ばくしないときにはその後の生涯で 30%の発がんの 可能性がありますが、100 ミリシーベルト被ばくした場合は発がんリスクが 2.1%増 加し、32.1%になると推定されています。  一方、50 歳の男性では、その後の生涯での発がんの可能性は 20%ですが、100 ミ リシーベルト被ばくした場合の発がんリスクは 0.3%増加し、20.3%になると推定さ れています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

固形がん発生のリスク係数

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

広島・長崎原爆被爆者における固形がんの線量反応

急性外部被ばく の発がん (0.2) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 0 1 2 3

過剰相対リスク

重み付けした結腸線量(グレイ)

1958~1998年の追跡調査データに基づく、 被爆時年齢30歳、到達年齢70歳での推定値 原爆被爆者 データ  この図は原爆被爆者における固形がん発症の過剰相対リスク(被ばくしていない集 団に比べ、被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを示す値) を示した結果です。1958 ~ 1998 年の追跡調査データに基づき、太い実線は、被爆 時年齢 30 歳の人が 70 歳に達した場合として推定したときの男女平均過剰相対リス クで、直線の線量反応を示しています。なお青の太い破線は、被ばくした線量区分別 のリスクの代表値から推定した値であり、水色の細い破線はこの推定値の 1 標準誤 差上下を示しています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2014 年 3 月 31 日 :2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく年齢ごとの生涯リスク

被ばく時 年齢 被ばくがない時の 発がんリスク (A)(%) 被ばくによる 過剰な生涯リスク(B)(%) 被ばくがある時 の発がんリスク (A+B)(%)

10歳

30

2.1

32.1

20

2.2

22.2

30歳

25

0.9

25.9

19

1.1

20.1

50歳

20

0.3

20.3

16

0.4

16.4

広島長崎の原爆生存者の調査結果

100ミリシーベルト(mSv)での急性被ばく

による推定

出典:Preston et al., Radiat Res, 160, 381, 2003 被ばくした集団と被ばくしていない集団における生涯の間にがんで死亡する確率の差 10歳の男性が、被ばくしないときにはその後の生涯で30%の発がんの可能性があるが、 100mSv被ばくすると、被ばくにより2.1%増加し、32.1%になると推定される。 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ  被ばくによる過剰相対リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした集団では どのくらいがん発症のリスクが増加したかを表す値)の大きさは、被ばく年齢によっ て異なります。  例えば 10 歳の男の子が、被ばくしないときにはその後の生涯で 30%の発がんの 可能性がありますが、100 ミリシーベルト被ばくした場合は発がんリスクが 2.1%増 加し、32.1%になると推定されています。  一方、50 歳の男性では、その後の生涯での発がんの可能性は 20%ですが、100 ミ リシーベルト被ばくした場合の発がんリスクは 0.3%増加し、20.3%になると推定さ れています。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

固形がん全体 胃がん 甲状腺がん 結腸がん 肺がん 乳がん 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 固形がん全体 胃がん 甲状腺がん 結腸がん 肺がん 乳がん

被ばく時年齢とがんの種類

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク

過剰相対リスク 1グレイあた がんの種類 被ばく時年齢 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ ※70歳時点での発がん過剰相対リスク  これは、原爆被爆者のデータを用いて、被ばくした時の年齢別、がんの種類別に、 1 グレイあたりのがんの過剰相対リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした 集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを表す値)を比較した図です。被 ばく時の年齢が若いほどリスクが高いもの(甲状腺がん)、40 歳以上でリスクが高い もの(肺がん)、思春期でリスクが高いもの(乳がん)、年齢依存の顕著な差がないも の(結腸がん)と、がんの種類によって放射線への感受性が高い時期が異なることが 示唆されます。  なお、図で示した過剰相対リスクは、70 歳になった時にそれぞれの臓器の被ばく による発がんのリスクがどのようになるかを示したものです。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく時年齢別発がんリスク

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク

70歳時点での発がん過剰相対リスク(1グレイあたり) 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 過剰相対リスク 過剰相対リスク 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ 0~9歳 10~19歳 20~29歳 40歳以上  この図は、70 歳になった時に、被ばくによるそれぞれの臓器の発がんの過剰相対 リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリ スクが増加したかを表す値)がどのようになるかを示したものです。  被ばく時年齢によって、リスクが高いがんの種類に違いがあることがわかります。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

固形がん全体 胃がん 甲状腺がん 結腸がん 肺がん 乳がん 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 固形がん全体 胃がん 甲状腺がん 結腸がん 肺がん 乳がん

被ばく時年齢とがんの種類

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク

過剰相対リスク 1グレイあた がんの種類 被ばく時年齢 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ ※70歳時点での発がん過剰相対リスク  これは、原爆被爆者のデータを用いて、被ばくした時の年齢別、がんの種類別に、 1 グレイあたりのがんの過剰相対リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした 集団ではどのくらいがん発症のリスクが増加したかを表す値)を比較した図です。被 ばく時の年齢が若いほどリスクが高いもの(甲状腺がん)、40 歳以上でリスクが高い もの(肺がん)、思春期でリスクが高いもの(乳がん)、年齢依存の顕著な差がないも の(結腸がん)と、がんの種類によって放射線への感受性が高い時期が異なることが 示唆されます。  なお、図で示した過剰相対リスクは、70 歳になった時にそれぞれの臓器の被ばく による発がんのリスクがどのようになるかを示したものです。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

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  がん・白血病

被ばく時年齢別発がんリスク

出典:Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007より作成

被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク

70歳時点での発がん過剰相対リスク(1グレイあたり) 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 過剰相対リスク 過剰相対リスク 急性外部被ばく の発がん 原爆被爆者 データ 0~9歳 10~19歳 20~29歳 40歳以上  この図は、70 歳になった時に、被ばくによるそれぞれの臓器の発がんの過剰相対 リスク(被ばくしていない集団に比べ、被ばくした集団ではどのくらいがん発症のリ スクが増加したかを表す値)がどのようになるかを示したものです。  被ばく時年齢によって、リスクが高いがんの種類に違いがあることがわかります。 本資料への収録日:2013 年 3 月 31 日 改訂日:2015 年 3 月 31 日

参照

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