2019年度 須磨学園中学校入学試験
国 語
第 1 回
(注 意) 解答用紙は、この問題冊子の中央にはさんであります。まず、解答用紙を取り出して、 受験番号シールを貼り、受験番号と氏名を記入しなさい。 1.すべての問題を解答しなさい。 2.解答はすべて解答用紙に記入しなさい。 3.字数制限のある問題については、記号、句読点も1字と数えること。 4.試験終了後、 解答用紙のみ提出し、問題冊子は持ち帰りなさい。次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。 ■ 注1 包 ほうかつてき 括的 な謝罪を 妨 さまた げているのは、自分 の 注 2 イメージを守ろうと する気持ちであると考え た 注 3 シューマンは、スティールによって テ ⌇ イショウ ⌇⌇⌇⌇ された 自 じ こ 己 肯 こうてい 定 化理論に注目しました。 自己肯定化理論とは、人は 「 注4 自 じ こ 己 概 がいねん 念 が 脅 きょう 威 い を受けると、自 己を防衛するために、その脅威に対処して自己の肯定性を回復 するよりも、よ り ア 広 こうはん 範 囲 い で 全 ぜんぱんてき 般的 な自己の統合性を 確 かくにん 認 しよう とする ことで脅威に対処しようとする」 傾 けいこう 向 があると仮定する 理論のことです。 難しい定義なので例を挙げて説明すると、たとえば「あなた はケチだ」と言われたとします。これは、自己 の 注 5 プライドを 脅 おびや か す 言 葉( 脅 威 ) で す が、 「 わ た し は ケ チ で は な い 」 と 言 い 返 したり、周りの人にプレゼントをばらまいてその脅威を消し去 ろ う と す る の で は な く、 「 わ た し に は 堅 けんじつ 実 さ と b シ ッ ソ ⌇ ⌇ ⌇ を 尊 ぶ 美 徳がある」や「わたしは 忍 にんたいづよ 耐強 い」と、ほかの良いことに注目 して自分が 卑 いや し い c ジンピン ⌇⌇⌇⌇ ではないというプライドを保とうと する傾向があるということです。 自分が道徳的で社会的に適切な人物であるとのイメージが 揺 ゆ らぎそうになると、自分に関連する、良いイメージのあるもの について考えることで全体として の 注 6 バランスをとり、脅かされ た自己のイメージを再構成しようとするのです(ケチだと言わ れても、でもお金を 貯 た めたおかげで大きな家に住んでいるし気 にならない、とか) 。 つまり、認めたくない 嫌 いや なことがあっても、自分にまつわる 良いことを考えれば、自分について自信が持てるようになって バランスがとれるというわけです。しかも自己肯定感は、自尊 心のように安定した行動傾向 (=性 格 d ト ⌇ クセイ ⌇⌇⌇ ) ではないので、 ちょっとしたことで、簡単に変化させることができるのです。 そこでシューマンは自己肯定をすれば 、 イ 謝罪によって傷つく プライドとバランスがとれる ので、より良い謝罪ができるので はないかと考えました。 彼 かれ の研究では、およそ一〇〇人の実験 参加者が、自分では価値があると思うもの(車や家、時計)や 性格( 優 やさ しい、 勇 ゆうかん 敢 )を十一挙げて、順位をつけました 。 ウ 参加 者のうち半数の人は、第一位のものや性格について、残りの半 数の人は第九位となったものや性格について、なぜ自分はそれ を価値があると思っているかを文章で書きました 。 それから、いまだにわだかまりが残っている 誰 だれ か(友人、 恋 こい 人 びと 、家族など)を傷つけたことを思い出し、その人がいま 隣 となり に い て、 自 分 に は 仲 直 り を す る つ も り が あ る と 想 像 し た と す れ ば、その人には何と言うかを書きました。 〔 エ 〕
一
その結果、一番価値があるもの・性格について考えた人たち は、第九位のもの・性格について考えた人よりも、多くの望ま しい要素を 含 ふく んだ包括的な謝罪文を書いていました。そして、 その人たちの文章には、悪い謝罪の要素も少なかったのです。 細かく 分 ぶんせき 析 すると、その人たちの書いた文章に は 注 7 謝罪の 核 かく とな る三つの要素が多く含まれており、自責の念も強く感じていま した。 ■ オ 第二実験 は、わだかまりについて思い出してから大事なもの について考えるという、先ほどとは逆の順序でおこなわれまし たが、同じ結果になりました。つまり、自分にとって大事なこ とを考える順番は、先でも後でもよいのです。自己 防 ぼうぎょ 御 がはじ まる前に自己肯定する必要はなく、自己肯定はどのタイミング でも包括的な謝罪に有効だったのです。 社 会 で 暮 ら す う え で 他 人 と 衝 しょうとつ 突 す る こ と は 避 さ け て 通 れ ま せ ん 。 カ 相手を傷つけたり 怒 おこ らせたりしたときでも、うまく謝罪す れば、ことによれば以前より良い関係を構築できることもある のです 。 もし誰かに謝罪しなければならないときには、自分にとって 大事なもの・性格・人物について 想 おも いを 馳 は せ(たとえば自分の 子 ど も や 宝 物 )、 な ぜ そ れ が 自 分 に と っ て そ ん な に 価 値 が あ る のかを考えると、 謝 あやま るべき 状 じょうきょう 況 で、より建設的で包括的な謝罪 をすることができるでしょう 。 キ 自己肯定の効果は思ったよりも 強力なようです 。 (川合 伸 のぶゆき 幸 『 怒 いか りを 鎮 しず める うまく謝る』による) 注1 包括的 ……… 全体的。 注2 イメージ …… 心の中で 思 おも い 描 えが く姿。 注3 シューマン、スティール …… ともに心理学者。 注4 自己概念 …… 自分が 抱 いだ いている自身の全体像。 注5 プライド …… 誇 ほこ り。自尊心。 注6 バランス …… つりあい。 注 7 謝 罪 の 核 と な る 三 つ の 要 素 … 筆 者 に よ れ ば 「 自 責 の 念 の 表出」 「責任の自覚」 「 補 ほ 償 しょう の申し出」と される。 ■ aの設問 問 一 「 広 範 囲 で 全 般 的 な 自 己 の 統 合 性 を 確 認 し よ う と す る 」 ( 線 部 ア ) と は ど う い う こ と で す か。 そ の 説 明 と して最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で答え なさい。 1 自分は、どんな場合も、全体的に強いことを確認する こと。 2 欠点を見ずに、美徳に注目することでプライドを保つ こと。 3 短所を含んだ全体的な長所を確かめようとするという こと。 4 自分は良い人だと、周りの人々と仲良くしようとする こと。 問 二 「 謝 罪 に よ っ て 傷 つ く プ ラ イ ド と バ ラ ン ス が と れ る 」 ( 線部 イ )とありますが、 「謝罪によって傷つくプ ライド」と「バランスがとれる」のは、何ですか。その 説明として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号 で答えなさい。 1 自己肯定することで、すんなり自信を 取 と り 戻 もど すことが できた自己。 2 相手に謝罪を受け入れてもらえたことで感じられる人 間的な成長。
一
3 相手に許されることで、自分の後ろめたさが解消し回 復する誇り。 4 自己肯定によって、簡単に謝罪できるようになるため の自信。 問三 線部 ウ の実験は、本文全体を 踏 ふ まえると、どのよ うな仮定が前提になっていると考えられますか。その説 明として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で 答えなさい。 1 半数ずつ、それぞれ分けて実験することによって、実 験結果においては、より客観的かつ価値の高い成果が 得られるのではないかということ。 2 より価値があるものを想像し、その理由を考えること によって、望ましい謝罪を 促 うなが す、より高い自己肯定感 がもたらされるのではないかということ。 3 全員に同じ条件下で実験しても意味のない結果が出る ため、対極的な条件下で実験することで意味のある成 果が得られるのではないかということ。 4 価値のあるものをただ挙げるだけではなく、その理由 も書き記すことで、本当に 納 なっとく 得 のいった、より正確な 結果が得られるのではないかということ。 問 四 〔 エ 〕 に 入 る の は、 さ ま ざ ま な 謝 罪 要 素 で す。 次 の ① ~ ⑦ に対応する具体的な例文を、後の 1 ~ 7 からそれ ぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。 ① 自責の念 ② 責任の自覚 ③ 補償 ④ 容 ようしゃ 赦 の 懇 こんがん 願 ⑤ 正当化 ⑥ 弁解 ⑦ 矮 わいしょうか 小化 1 「約束を破ってしまい、本当に申し訳なく思います」 2 「どうか許してください」 3 「わたしはとても 忙 いそが しくて、急いでいたのです」 4 「もしあなたを怒らせたとしたらお 詫 わ びいたします」 5 「申し訳なく思います」 6 「 追 い 出 し た こ と は 悪 か っ た と 思 い ま す が、 そ う す る理由があったのです」 7 「今週はかならずお電話いたします」 問五 「第二実験」 ( 線部 オ )を通して、筆者はどういう ことを言おうとしているのだと考えられますか。その説 明として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で 答えなさい。 1 自 分 の イ メ ー ジ を 守 る こ と は 、 意 味 が な い と い う こ と 。 2 自分のイメージを守る前に自己肯定をしなくても良い ということ。 3 自己肯定は、どんな時に行っても意味のある営みだと いうこと。 4 謝 罪 前 で あ れ ば 、 自 己 肯 定 は い つ で も 有 効 だ と い う こ と 。 問 六 線 部 カ と 、 そ の 前 文 と の 間 に は 、 省 略 さ れ て い る 常 識 的 な 前 提 が あ り ま す 。 そ の 前 提 内 容 を 、 線 部 カ につながるように三〇字以内で創作しなさい。ただし、 解答は必ず読点で終わること。 問 七 「 自 己 肯 定 の 効 果 は 思 っ た よ り も 強 力 な よ う で す 」 ( 線部 キ )とありますが、ここで「思ったよりも」 とあるのはなぜですか。その理由の説明として最も適当 なものを次の中から一つ選び、番号で答えなさい。 1 自己肯定の効果は、真の意味で相手に届くような、深 い謝罪を促すものだから。 2 自己肯定の効果は、自分だけ得をするといった 一 いっぱん 般 的 な予想を 越 こ えるものだから。 3 自己肯定は、謝らねばならない状況で、より効果的な 謝罪を可能にするから。 4 自己肯定は、自分に大切なものを気づかせ、相手にも 誠 せい 意 い を伝えられるから。 一 の設問は裏面に続く問八 〰 〰 〰線部 a ~ d のカタカナを漢字で答えなさい。 a テイショウ b シッソ c ジンピン d トクセイ
二
次の文章は 南 な ぎ 木 佳 けい 士 し 「 亡 な き父への手紙」の全文です。これ を読んで、後の設問に答えなさい。 こうして書き始めようとして初めて気づいたのですが、生き ていたときのあなたに手紙を出したことはなかったですね。小 説 や 注 1 エッセイのなかでも 、 注2 結 けっかく 核 で 逝 い った母や、その後に育ての 親になってくれた祖母についてはくり返し書いているのに、生 活の 糧 かて を 稼 かせ いでくれたあなたに関して は ア ひどく 冷 れいたん 淡 に 扱 あつか ってき ました 。 群馬の山村に生まれ、東京で苦学して電気専門学校を出、戦 争に行き、 肺 はいけっかく 結核 の大手術を受け、ふるさとの生家の下の家に 婿 むこ に入ったあなたは、電気技師として勤めていた鉱山が閉山に なるとともに東京に行きましたね。あれは東京オリンピックの 一年前でしたでしょうか。翌年、中学二年になったわたしも東 京 に 出 ま し た。 あ な た や 新 し い 母 と 暮 ら し た か っ た の で は な く、このまま 田 い な か 舎 で老いてゆくのはいやだ、 と a 痛切に ⌇⌇⌇ 感じたか らです。 鉱山会社の本社に転勤したあなたは 郊 こうがい 外 の小さな社宅から二 時間かけて通勤していましたね。 乗 の り 換 か え 駅 えき のホームでたばこ に火をつけるとすぐ電車が入ってくるんだ、と言ってい た イ あな たの 趣 しゅ 味 み は 麻 マージャン 雀 とパチンコと、年に一 、 二回出かける 海 うみ 釣 づ り 。 酒は飲めなかったので、たまに 酔 よ って訪ねてくる社宅の 同 どうりょう 僚 の 話をいかにもおもしろくなさそうに聞いていましたね。 あなたと東京で暮らしたの は 注 3 予備校までの六年間だけでした が、組織の歯車としての都会のサラリーマンの生態を見せつけ られ、なんでもいいからとにかく手に職をつけて、自分の好き な場所で生活できる大人になろう、 と ウ あなたを反面教師に仕立 てあげました 。 医者ならばどこでも食っていけるだろうから、と受験 浪 ろうにん 人 の 夏に本格的に医学部進学を決めたのは、都心に向かう電車の中 でいつも腹が痛くなってしまう自分のからだのひ弱さを知った ゆえでもあります。からだが 拒 きょ 否 ひ 反応を示す都会には住めない のだ、と骨身にしみて 納 なっとく 得 させられました。 あ れ か ら 三 十 二 年、 信 州 の 田 舎 町 で 暮 ら す よ う に な っ て 二十六年。田植えを終えたばかりの緑の田を見ながら自転車で 数分の病院に通勤する 途 と 中 ちゅう 、ふと 、 エ 東京時代のあなたのことを 思い出します 。往復四時間かけて通った会社 の 注4 庶 しょ 務 む か 課 であなた はどんな仕事をしていたのでしょう。家に帰っても、ほとんど 口をきかない 息 むす 子 こ と 、 b 無愛想な ⌇⌇⌇⌇ 妻がいるだけの生活。駅の立ち 食いそばですますことの多かった夕食。定年を一年後にひかえ た五十四 歳 さい で の 注5 脳 のうこうそくほっ 梗塞発 作 さ 。 あなたの発病した 歳 とし に近づいているきょうこのごろ、休日に 山を歩けたり、家の前の畑で採れたトマトをもらってとびきり うまいパスタを食べたりでき る c 平 ⌇ へいぼん 凡 ⌇ な ⌇ 幸せをなによりもありが たく思います。 リハビリを終え、定年して田舎に帰ったあなたはゆっくり畑 を耕す間もなく、脳梗塞の再発作にみまわれ 、 注 6 リウマチも発病 して十年近く 寝 ね たきりになったまま逝ってしまいました。 身近にそんなあなたを見てきたせいか、わたしは、五十 歳 さい を 過ぎたらやりたいと思ったことはすぐやることに決め、水泳や 登 山 を 始 め ま し た。 日 曜 の 朝 、 注 7 北 八 やつ ヶ が 岳 たけ の 針 葉 樹 林 の な か を 登ってゆくと、木々の放つさわやかな 薫 かお りが全身の毛穴にしみ とおります。 あなたと登りたかった、などと見えすいたうそはつきません が、あなたが都会で働いて仕送りしてくれた金で学校を出、い まのわたしがあります。だから、都会で 疲 つか れ 果 は てたあなたに申 しわけなくて、田舎での生活を賛美する気にはなれません 。 オ わ たしはたまたまこのようにしか生きられなかった のですから。 人づき合いの苦手だったあなたが都会でしか生きられなかった のとおなじように 。 注1 エッセイ … 思いのままに 書 か き 綴 つづ った文章作品。 随 ずいひつ 筆 。 注2 結核 ……… 結 けっかくきん 核菌 による肺の病気。 一時期は 「死の病」 であった。 注3 予備校 …… 大学などの入学試験のための教育機関。 注4 庶務課 …… さまざまな事務を行う部署。 注5 脳梗塞 …… 脳の血管がつまる重い病気。 注6 リウマチ … 骨・関節・筋肉に痛みを生じる病気。 注7 八ヶ岳 …… 長野県と 山 やまなしけん 梨県 にまたがる山。2 自分の身近にいた母や祖母と比べ、家族を放って働い ている父親を 憎 にく んでいた。 3 自分の生活費を稼いでくれたことは感謝しているが、 父親にはなじめなかった。 4 い つ も 筆 者 の た め に 働 い て く れ た 父 親 に 対 す る 愛 情 を、 素 す 直 なお には表せなかった。 問 三 「 あ な た の 趣 味 は 麻 雀 と パ チ ン コ と、 年 に 一、 二 回 出 か け る 海 釣 り 」( 線 部 イ ) と い う 表 現 を 通 し て、 筆 者はどういうことを言おうとしているのですか。その説 明として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で 答えなさい。 1 筆者の父親には、趣味だと言えるような趣味はなかっ たということ。 2 筆者の父親にも、仕事を忘れられる楽しい趣味はあっ たということ。 3 筆者の父親にも、休日には気分 転 てんかん 換 できる趣味はあっ たということ。 4 筆者の父親は、趣味にふける間もなく、仕事をしてい たということ。
二
の設問 問一 〰 〰 〰線部 a ~ c の本文中における意味として最も適当 なものを、後からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えな さい。 a 痛切に 1 強く 2 痛々しく 3 真 しんけん 剣 に 4 切なく b 無愛想な 1 愛情がない 2 不満足な 3 不安そうな 4 そっけない c 平凡な 1 身近な 2 ありふれた 3 価値のない 4 並でない 問二 「ひどく冷淡に扱ってきました」 ( 線部 ア )とあり ますが、ここでの表現を通した、筆者の父親に対する 想 おも い の 説 明 と し て、 最 も 適 当 な も の を 次 の 中 か ら 一 つ 選 び、番号で答えなさい。 1 母や祖母は作品にも何度も書いたが、父親には手紙さ え書いたことはなかった。 問四 「 あ な た を 反 面 教 師 に 仕 立 て あ げ ま し た 」( 線 部 ウ ) とはどういうことですか。その説明として最も適当なも のを次の中から一つ選び、番号で答えなさい。 1 会社組織の一員として仕事に疲れ 切 き った父親を、つま ら な い 人 生 を 送 っ て い る と 思 い、 見 習 い た く な い と 思ったということ。 2 仕事ばかりの父親のようにはなりたくないと思い、手 に職をつけて、好きな場所で暮らせる大人になろうと 思ったということ。 3 みじめな生活を送る父親とは対照的に、自分はいつか 理想的な生活を送れるように、受験勉強を 頑 がん 張 ば ろうと 思ったということ。 4 家族のために必死に働く父親を、住む場所も自由に選 べない、会社の言いなりの存在だとあえて思い 込 こ もう としたということ。 問五 「 東 京 時 代 の あ な た の こ と を 思 い 出 し ま す 」( 線 部 エ ) とありますが、筆者は父親のことをどのように思い出し ていますか。その説明として最も適当なものを次の中か ら一つ選び、番号で答えなさい。 1 東 京 で せ わ し な く 仕 事 ば か り し て い た 父 親 と は 違 っ て、自分は 田 い な か 舎 で何不自由なく 穏 おだ やかな生活を送るこ とができていることに満ち足りた気持ちで父親の生活 を思い出している。 2 東京では何一つ楽しいことがなかった父親の稼ぎのお かげで、自分の今の穏やかな生活があることに思い至 り、自分自身を強く責める気持ちになって父親のこと を思い出している。 3 人 生 の 大 半 を 会 社 の た め に 費 や し、 家 族 か ら は 疎 うと ま れ、退職後の余生さえ楽しむことができず、父親の生 活は何一つ良いところがなかったのではないかと痛ま しく思い出している。 4 会社の行き帰りに長時間を費やし、会社では専門的な 仕事をするわけでもなく、家族にも寄りつかれない生 活で、何を支えに仕事に 励 はげ んでいたのだろうと不思議 に思い出している。 二 の設問は裏面に続く問 六 「 わ た し は た ま た ま こ の よ う に し か 生 き ら れ な か っ た 」 ( 線部 オ )について、 ① 「 こ の よ う に し か 生 き ら れ な か っ た 」 の は な ぜ で す か。本文全体の内容を踏まえて、二〇字以内で答えな さい。 ② こ の 表 現 に 込 め ら れ た 父 親 に 対 す る 筆 者 の 想 い を 、 線部も参考にしながら、一〇〇字以上一二〇字 以 内 で 説 明 し な さ い。 ( 句 読 点 も 一 字 と し て 数 え ま す。なお、採点については、どういう書かれ方をして いるかについても見ます。 )