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新東名高速道路の アンケート調査概要 調査対象企業 : 静岡県内に本社 事業所を置く企業 2, 社 ( 当所会社要覧より抽出 ) 個人 : 上記企業所属の従業員または家族 合計 2, 人有効回答数企業 :922 社 ( 有効回答率 43.3%) 個人:1, 人 (

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【アンケート調査概要】 調査対象 企業:静岡県内に本社・事業所を置く企業 2 , 1 2 8 社(当所会社要覧より抽出)      個人:上記企業所属の従業員または家族、合計 2 , 9 5 1 人 有効回答数 企業:9 2 2 社(有効回答率 4 3 . 3%)、個人:1 , 1 4 3 人(有効回答率 3 8 . 7%) 調査時期:平成 2 4 年 8 月  注) 図表中の数値は、実数は単位未満を四捨五入、比率は小数点以下第 2 位を四捨五入で表記しており、合計などの計算 値は必ずしも一致しない。

新東名高速道路の 開通効果を検証する

新東名高速道路は、県内の中山間地を通るため、アンケート結果によれば、西部地域を中心に、イン ターチェンジが従来の東名よりも遠い企業が多い。新東名を日常的に利用している企業は全体の約5割、 地域別に見ると、東部ほど新東名の利用頻度は高い。 新東名開通による効果が「あった」のは、企業の約4割、個人の約5割で、具体的な効果として、時短や レジャー活動における行動圏の拡大が挙げられた。一方、新東名開通により東名の通行止め時の迂回路が 確保されたことは、災害時のリスク軽減や安心感の向上に寄与している。 新東名開通による便益評価額を試算すると年間 3 4 8 億円となった。特に新東名の走行時間短縮による 効果が 1 2 5 億円と最も大きいが、仮に旅行速度を 1 2 0 ㎞/ h として試算すると、新東名の時短効果は 2 7 5億円と倍以上にまで跳ね上がり、より高い経済性、利便性を追求するのであれば、制限速度の引上げ も一考の余地がある。今後は、ICまでのアクセス改善等により、新東名の利用度を高めていくことが望 まれる。

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東名高速道路(以下、新東名)が開通して、 まもなく半年を迎えようとしている。この 間県内では、恒常化していたゴールデンウィーク やお盆の帰省時をはじめとする渋滞が大幅に解消 し、交通事故も減少するなどの開通効果が見られ ている。また、中山間地にある観光地でも集客数 の増加につながるなど、経済面でも大きなインパ クトとなった。こうした新東名の開通効果につい て、利用者である企業や個人はどのように感じ、 今後にどのような期待をしているのだろうか。  本誌では、これまでの特集で主に地域活性化、 観光振興の観点から新東名開通効果について論じ てきた。今回は、県内企業・事業所に対するアン ケート結果をもとに、新東名開通が県内産業、経 済、さらには県民の生活意識や行動に与えた影響 等を検証してみた。

新東名高速道路の 開通効果を検証する

主任研究員 塩野敏晴 Toshiharu Shiono 研究員 後藤淳一 Junichi Goto

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新東名の最寄ICと利用状況

新東名のICまでの距離

東名と比べて遠距離、とくに西部では差が顕著

はじめに、アンケート回答者の新東名のイン ターチェンジ(以下、IC)までの距離について確 認した(図表1)。回答者に最寄のICを聞いたと ころ、企業利用者(以下、企業)では浜松浜北、新 静岡、長泉沼津、個人利用者(以下、個人)では浜 松浜北、長泉沼津、新静岡の順に多かった。ま た、従来の東名高速道路(以下、東名)と比較した 新東名のICまでの距離を聞いたところ、新東名 の I C の 方 が「 近 い 」と の 回 答 が、 企 業 で は 1 4 . 6 %、個人では 2 0 . 7 %にとどまったのに対し、 「遠い」とする回答が、企業では 6 4 . 5 %、個人で は 5 7 . 2 %にのぼった。これを新東名の最寄IC 別にみると、新東名のICの方が「近い」あるいは 「ほぼ同じ距離」とする回答は、東部の方が多い。 前頁の路線図をみてもわかるように、山間地を通 る新東名は東部地域では東名と比較的近接してお り、新東名のICにもアクセスしやすい。一方、 西部地域ではICまでの距離が「遠い」とする回答 が多く、東名と比べて、就労地域、居住地域から 離れていることがわかる。 東名と新東名の利用状況比較

ビジネスは東部、個人は中部での利用が目立つ

次に、開通以降の新東名の利用状況を、東名の 利用状況と比較して、4段階で聴取した(図表 2)。「東名より新東名を利用する機会が増えた」 「行先や混雑状況により東名と併用している」を合 わせた、新東名を日常的に利用しているとみられ るのは、企業では約半数の 4 7 . 9 %、個人では半 数を超える 6 4 . 3 %となった。個人での利用が企 業より多いことから、ビジネスでは近距離にある 東名を利用し、個人では快適に走行できる新東名 を利用する、といった使い分けをするユーザー が、少なからず存在するようだ。 地域別にみると、企業では西部地域と比べて、 東部・中部地域の利用が多い。西部地域ではIC が遠く、利用がやや低調にとどまっているとみら れる。個人では、中部地域の利用が東部を上回っ 図表1 新東名高速道路の最寄IC別回答数とICまでの距離(東名最寄ICまでの距離との比較) 注)上り下りで最寄ICが異なる場合は2つ回答してもらい、各0.5社(人)として集計 従来の東名と比較した新東名最寄ICまでの距離 企業 回答数 (社) 構成比 (%) 構成比 (%) 回答数 (人) 最寄IC ①御殿場(未供用) 13 122.5 88 28 47 137.5 24.5 73.5 58.5 80 163.5 41 33 910 12 922 1.4 13.5 9.7 3.1 5.2 15.1 2.7 8.1 6.4 8.8 18.0 4.5 3.6 100.0 19 137.5 125.5 40 67.5 126.5 32 107 78 98 176 74.5 31.5 1,113 30 1,143 1.7 12.4 11.3 3.6 6.1 11.4 2.9 9.6 7.0 8.8 15.8 6.7 2.8 100.0 ②長泉沼津 ③新富士 ④新清水 ⑤清水いはら ⑥新静岡 ⑦静岡SA※ ⑧藤枝岡部 ⑨島田金谷 ⑩森掛川 ⑪浜松浜北 ⑫浜松SA※ ⑬浜松いなさ 御殿場 長泉沼津 新富士 新清水 清水いはら 新静岡 静岡SA 藤枝岡部 島田金谷 森掛川 浜松浜北 浜松SA 浜松いなさ 小計 不明 全回答者計 ※スマートインター 個人 企業 最寄IC 近い ほぼ同じ距離 遠い 近い ほぼ同じ距離 遠い 個人 0.0 14.7 18.2 3.6 0.0 24.7 20.4 8.2 25.6 10.0 11.9 24.4 4.5 14.6 20.9 64.5 20.7 22.1 57.2 6.1 89.4 4.8 9.5 85.7 14.6 61.0 19.5 7.4 73.2 7.3 80.7 17.9 8.2 73.9 1.3 88.8 11.77.1 81.1 5.1 69.2 34.6 7.7 57.7 25.9 66.0 17.8 27.1 55.1 10.2 69.4 26.6 15.6 57.8 14.9 60.4 45.8 13.8 40.3 18.1 81.9 0.7 23.7 75.6 25.0 71.4 10.0 30.0 60.0 39.8 42.0 23.9 37.1 39.0 53.5 31.8 17.5 51.6 30.9 69.2 30.8 5.3 68.4 26.3 全体

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新東名高速道路の開通効果を検証する

た。なかでも最寄ICを新静岡と回答 した利用者で「東名より新東名を利用 する機会が増えた」とする人が多かっ た。市街地からのアクセスが良いこ と、御殿場~三ケ日間のほぼ中央に位 置していること、東名へも清水連絡路 経由でアクセスしやすいことから、利 用頻度が高くなったとみられる。 さらに、企業を高速道路の利用状況 別にみると、高速道路の利用頻度の高 い企業では、新東名の利用頻度が比較 的高い。ただし、日常的に高速道路を 利用している(「よく利用する」または 「時々利用する」)企業でも、新東名の 日常的な利用は6~7割程度にとど まっている。また、個人を年齢別でみ ると、6 0 代以上の利用頻度が高く、 時間的、経済的に余裕がある団塊世代 を中心に、アクティブに活動している 様子がうかがえる。 新東名を利用して行った先

県内山間地が最多、東西のほか甲信

地域へも

個人で「すでに新東名を利用した」と 回答した人は全体の9割近くに上った が、その行き先は「県内の新東名沿線 地域および北側の地域」が最も多かっ た(図表3)。メディアで取り上げられ て話題になったサービスエリア(以下、 SA)やパーキングエリア(以下、P A)にも4割近くが訪れている。この ほか、中部地域では新清水ICから山 梨方面に行った人が3割を超えてい る。中部横断自動車道など甲信地域へ のアクセス向上には、大きなニーズが あるといえそうだ。 図表2 新東名の利用状況 ※不明回答を除いているため各セグメントの合計は必ずしも一致しない 東部 n 223 354 335 396 96 141 88 195 243 271 171 230 916 281 429 406 70 202 318 297 230 1,121 中部 西部 東部 20代以下 30代 40代 50代 60代以上 個人全体 中部 西部 製造業 建設業 卸小売業 運輸業 その他非製造業 よく利用する 時々利用する たまに利用する ほとんど利用しない 企業全体 新東名高速道路の利用状況 従来の東名 より新東名 を利用する 機会が増え 行先や混雑 状況により 東名と併用 している 主に従来の 東名を利用 し新東名は あまり利用 していない 新東名は ほとんど 利用する ことはない 16.1 48.4 18.4 17.0 11.6 32.1 26.5 29.8 15.6 40.6 25.0 18.8 10.6 39.0 25.5 24.8 11.4 45.5 25.0 18.2 11.8 35.4 20.5 32.3 20.6 42.8 23.5 16.2 53.5 21.8 13.2 11.9 36.0 24.8 27.3 26.7 43.1 15.7 14.6 19.0 32.5 22.9 25.6 18.6 30.0 25.7 25.7 24.3 39.1 17.3 19.3 26.1 39.0 14.8 20.1 22.2 38.7 21.5 17.5 30.9 41.3 13.9 13.9 25.2 39.1 17.5 18.3 30.1 42.4 13.5 14.0 12.4 42.9 24.6 20.1 20.3 29.3 41.8 企業アンケート 地域別 地域別 年齢別 業種別 高速利用状況別 個人アンケート 8.7 8.5 34.5 44.4 12.9 8.2 14.8 75.2 0.4 9.6 (%) 0 50 県内の新東名沿線地域 および北側の地域 その他県内(東名沿線 地域以南、その他) 御殿場JCTから 神奈川県方面 三ケ日JCTから 愛知県方面 浜松いなさJCTから 三遠南信自動車道 新清水ICから 国道52号線を山梨県方面 新東名のSA・PA 図表3 新東名を利用して行った先(個人・複数回答) 東部 中部 西部 36.9 45.9 32.2 29.6 22.8 21.8 30.7 35.2 24.5 18.5 23.7 16.7 0.7 5.9 31.3 12.3 40.1 40.0 34.4 2.7 13.1

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新東名利用に伴う効果

新東名の開通による効果

約4割の企業が時短などを実感

次に、新東名を利用することでどのような効果 があがっているかをみていこう。新東名の開通 で、物流・営業面での効果や、生活面での好影響 があった(「大いに効果があった」または「若干の効 果はあった」)とするのは、企業で 4 1 . 2 %、個人 で 5 0 . 4 %だった(図表4)。地域別でみると、い ずれも中部地域が最も高く、企業で 4 9 . 6 %、個 人で 5 8 . 7 %がプラスの効果を実感している。企 業の業種別では、運輸業が 5 1 . 1 %と最も高かっ た。新東名の利用状況別にみると、利用頻度と効 果には強い相関関係がみられ、新東名をよく利用 する企業では、7 9 . 8 %が何らかの効果を実感で きている。 さらに、「効果があった」とする企業に、具体的 な内容について聞いてみた(図表5)。最も多くの 企業が挙げたのが「渋滞の心配がなくなり時間に 余裕ができた」こと。さらに、「走行時間を短縮で きた」「運転手の負担軽減になった」などが続い た。現状では、企業の効果は主に「時短」であり、 「営業区域、市場、商圏が拡大した」「売上の増加 につながった」など、営業面の効果は相対的に小 さい。なお、地域別では、ほとんどの項目で中部 地域での回答率が最も高く、東西両方向に新東名 を活用でき、清水連絡路により東名とも接続しや すいことから、とくに効果を実感できていること がうかがわれる。 同様に、個人に対しても「生活面での好影響」の 具体的な内容について聞いたところ、最も多く挙 げられたのが「走行時間を短縮できた」で、「渋滞 の心配がなくなり出発時間に余裕ができた」「休 日の行動範囲が広がった」「余暇活動の選択肢が 図表4 新東名の開通による効果、影響 物流、営業面 での効果 (企業) 東部 製造業 建設業 卸小売業 運輸業 全体 全体 その他非製造業 新東名を利用する 機会が増えた 行先や混雑状況に より東名と併用 新東名はあまり 利用していない 新東名はほとんど 利用することはない 中部 西部 大いに 効果が あった 若干の 効果は あった とくに 効果は ない マイナス面 での影響 があった 33.5 58.5 地域別 生活面での好影響 (個人)  東部 中部 西部 大いに 好影響が あった 若干の 好影響は あった とくに 影響は ない マイナス面 での影響が あった 地域別 業種別 新東名利用状況別 6.3 40.3 49.3 9.3 26.0 65.7 7.5 31.2 60.2 8.1 39.6 55.2 5.2 39.0 15.9 35.2 48.9 52.5 6.4 29.1 31.2 48.6 19.3 61.2 6.6 52.3 37.7 8.8 26.0 71.4 2.2 33.2 57.6 8.0 35.3 21.5 13.7 15.7 34.7 48.3 31.6 52.7 37.2 40.6 53.8 9.8 87.9 1.6 8.5 1.8 1.1 0.9 0.5 0.0 2.1 0.0 3.1 0.9 1.2 0.4 2.0 1.2 1.0 0.7 2.0 1.2 (%) 0 30 渋滞の心配がなくなり 時間に余裕ができた 走行時間を短縮できた 運転手の負担軽減になった 燃費等輸送コストが 低下した 営業区域、市場、商圏が 拡大した 食事や休憩が便利になった 売上の増加につながった 新規販売先、取引先の 開拓につながった 集客数の増加につながった その他 図表5 新東名開通による物流・営業面     での効果(企業・複数回答) 東部 中部 西部 21.0 27.5 18.7 24.6 26.9 15.1 13.8 15.7 11.6 3.6 5.9 2.7 0.9 5.9 1.8 4.9 3.6 1.2 1.3 2.0 2.1 2.2 1.4 1.5 0.9 1.7 0.9 2.2 3.6 1.8

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新東名高速道路の開通効果を検証する

増えた」も 1 0 %を超えた(図表6)。個人の生活へ の影響としては、時短と行動範囲の拡大が中心と なっている。地域別では、こちらもほとんどの項 目で中部地域が他地域を上回った。 迂回路確保の効果

約7割が評価、富士~清水間がとくに大きい

このほか、新東名のメリットとして、東名のバ イパス路線として機能することで、災害等により 東名が通行止めとなっても、新東名に迂回できる ことが挙げられる。こうした迂回路を確保できる ことの効果について各企業に聞いたところ、取引 先を通じた間接的な効果を含め、何らかの効果が あるとした企業は、全体の 7 3 . 8 %にのぼる(図表 7)。とくに運輸業では「大いに効果がある」が 5 6 . 2 %を占めるなど、評価が高い。新東名の利 用状況別では「あまり利用していない」「ほとんど 利用することはない」企業でも、それぞれ7 8 . 9 %、 4 6 . 8 %の企業が「効果あり」としている。こうし た企業は、物流、営業面での効果については否定 的な見解を示していたが(前述図表4)、非常時へ の対策としては、新東名を相応に評価しているよ うだ。 迂回路の効果について、東名・新東名を「御殿 場~富士間」「富士~清水間」「清水~焼津・藤枝 間」「焼津・藤枝~三ケ日間」の4区間に分け、ど の区間の迂回路を確保できたことの効果が最も大 き い か を 聞 い た と こ ろ、「 富 士 ~ 清 水 間 」が 4 5 . 6 %と最も多かった。由比PA周辺の高波な どでたびたび通行止めとなる同区間の迂回路の必 要性は以前から指摘されていたが、他の区間を挙 げる回答も目立ち、西部地域では「焼津・藤枝~ 三ケ日間」が過半数を占めた。こうしたことから、 実際に通行止めとなる頻度は区間により差がある ものの、いずれの区間でも通行止めのリスクは排 除できず、迂回路整備のニーズはひとしく高かっ たといえるだろう。 (%) 0 20 40 走行時間を短縮できた 渋滞の心配がなくなり 出発時間に余裕ができた 休日の行動範囲が広がった 余暇活動の選択肢が増えた 燃費がよくなった 国道や生活道路等の 交通量が減少した その他 買物が便利になった 図表6 新東名開通による生活面での好影響       (個人・複数回答) 東部 中部 西部 22.4 37.2 22.5 17.8 23.9 14.7 18.4 13.9 11.4 14.2 17.0 13.0 6.4 10.4 9.0 5.9 8.4 5.8 3.2 3.2 1.7 4.6 2.3 2.6 図表7 迂回路確保による効果と最も効果が 大きな区間 迂回路確保による効果 東部 製造業 建設業 卸小売業 運輸業 全体 全体 その他非製造業 新東名を利用する 機会が増えた 行先や混雑状況に より東名と併用 新東名はあまり 利用していない 新東名はほとんど 利用することはない 中部 西部 大いに 効果が ある 若干の 効果は ある 取引先等を 通じて間接的 には効果がある とくに ない 32.7 35.4 23.3 地域別 最も効果が大きな 区間 東部 中部 西部 焼津・藤枝∼ 三ケ日間 清水∼焼津・藤枝間 富士∼清水間 御殿場∼富士間 地域別 業種別 新東名利用状況別 8.5 31.5 38.5 12.1 18.0 18.7 29.1 15.7 36.5 26.4 34.5 15.1 23.9 17.9 50.5 9.5 4.5 22.1 24.8 56.2 22.5 16.9 38.3 17.7 19.1 21.2 45.0 34.9 11.9 28.3 8.6 41.9 8.3 36.6 40.2 10.1 13.1 25.1 40.1 13.7 21.1 27.1 34.2 12.5 26.2 57.6 15.7 56.3 26.3 13.8 45.6 14.4 26.2 10.2 24.6 52.3 31.5 7.3 3.6 7.3 7.5 21.6 16.8 53.2 8.4

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新東名高速道路の開通効果を検証する

今後の計画、希望等

個人の生活意識の変化

定時性と安心感を幅広い世代が評価

さらに、個人に対して、新東名開通による生活 意識の変化について聞き、年代別に集計した(図 表8)。6 0 代以上を中心に「渋滞や通行止め等を 気にせず安心して出かけられるようになった」 「災害時の輸送路や防災拠点が確保されて安心感 が増した」とする回答が目立ち、「運転時の疲労感 が少なく出かけやすくなった」ことも幅広い世代 が評価した。 一方、2 0 代以下の若年層では、「今までより車 を利用した外出を意識するようになった」「今ま でより遠方へのレジャーを意識するようになっ た」との回答が目立ち、新東名の開通が若年層の レジャー消費を後押しする機会となっていること がわかる。 物流、営業面での計画案

現時点での計画は少ないが、今後進展の余地も

企業に対して、新東名の開通を機に、物流、営 業面での具体的な計画案の有無を聞いたところ、 開通後間もないためか、具体的な計画案が「ある」 とする企業は少なく、「営業区域の広域化、効率 化、見直し等」( 1 . 4 %)、「新東名IC周辺への 物流拠点、事務所等の新設」( 1 . 0 %)も1%台に とどまっている(図表9)。 ただし、営業区域の見直しをはじめ、「物流シ ステムの改善、見直し」「車両、人員等輸送体制 の見直し」などを「今後検討する可能性がある」と する企業も比較的多く、新東名開通による物流、 営業面での改善、効率化は、今後進展する余地が 残されているといえよう。 新東名を利用して今後行きたい先

60代以上で山間地方面へのレジャーに意識

個人が新東名を利用して今後行きたい先として は、全体では「新清水、新富士ICから山梨・長 野方面」が 3 7 . 5 %と最も多く、以下、「御殿場以 東」「三ケ日以西」「三遠南信自動車道」といずれ も県外方面が上位に並んだ(図表 1 0 )。 回答者の居住地域別に見ると、御殿場以東は中 部と西部で、三ケ日以西は東部でとくに高いな (%) 0 10 20 新東名IC周辺への物流 拠点、事務所等の新設 既存の拠点施設の 統合、整理 物流システムの 改善、見直し 営業区域の広域化、 効率化、見直し等 車両、人員等輸送 体制の見直し 在庫水準の見直し 図表9 物流、営業面での計画案(企業) ある、またはすでに実施 検討中 今後検討する可能性がある 1.0 1.5 4.1 0.1 1.3 3.3 0.5 2.0 8.5 1.4 2.6 15.6 0.2 2.3 6.9 0.0 0.8 3.7 新東名開通による生活意識の変化 (個人・年齢別・複数回答) 図表8 (%) 0 60 渋滞や通行止め等を気にせず 安心して出かけられるように なった 災害時の輸送路や防災拠点が 確保されて安心感が増した 運転時の疲労感が少なく 出かけやすくなった 中山間地方面へのレジャーを 意識するようになった 今までより遠方へのレジャー を意識するようになった 今までより車を利用した外出 を意識するようになった 病院や親戚・知人への時間 距離が近くなって安心感が 増した その他 30代 40代 20代以下 50代 60代以上 28.6 30.0 34.338.0 51.7 18.6 29.1 29.037.0 42.3 17.125.1 30.2 28.6 32.5 10.0 11.8 13.016.9 25.2 18.6 15.3 12.0 12.7 11.1 21.4 9.4 7.7 8.4 7.3 2.96.4 5.2 3.2 8.5 0.0 0.5 3.7 2.3 0.0

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新東名高速道路の開通効果を検証する

ど、より遠方へのレジャーが意識され ていることがわかる。また、年齢別に みた場合、山梨・長野方面をはじめ、 三遠南信自動車道、県内の中山間地 は、6 0 代以上で回答率が最も高くな る傾向があり、新東名の開通により、 この世代で山間地へのレジャーを意識 づける結果となっている。一方、御殿 場以東は、若い世代ほど回答率が高 く、年齢によるレジャー志向の違いが 浮き彫りになっている。 今後の高速道路整備への期待

新東名全線開通とアクセス道路の

整備を

今後、高速道路の整備等で望むこと としては、企業、個人とも「新東名神 奈川県方面の開通」(企業:5 4 . 4 %、 個人:5 7 . 8 %)が最も多く、「新東名愛 知県方面の開通」(同48.2%、4 8 . 1 %) がこれに続く(図表 1 1 )。県内区間が 先行開通したが、より広域的な開通効 果を期待して、全線開通が当面の要望 であるといえる。とくに、東部では神 奈川県方面、西部では愛知県方面と、 地元に近い路線の開通を望む声が大き い。また、企業では、「新東名・東名間 の連絡路、アクセス道路の整備」に対 する要望も強い。ビジネス面での利便 性を高めるべく、新東名、東名双方へ のアクセス向上が望まれているよう だ。 一方、個人アンケートを年齢別に見 ると、「中部横断自動車道」「三遠南信 自動車道」は、いずれも年齢層が上が るほど回答率が高く、ここでも中高年 層が山間地方面へのアクセス向上を期 待する様子がうかがわれた。 図表10 新東名を利用して今後行きたい先(個人・複数回答) 県内の中山間地域 地域別 年齢別 その他県内 三ケ日以西 三遠南信自動車道 新清水、新富士IC から山梨・長野方面 御殿場以東 0 (%)60 15.1 13.4 17.1 21.6 24.1 0.0 3.8 4.8 2.7 5.2 41.5 37.6 32.5 28.2 26.7 28.3 37.6 29.8 26.3 28.3 9.4 20.4 23.4 27.4 40.8 43.4 35.0 33.3 32.8 49.7 0 60 (%) 19.0 3.8 4.6 4.0 3.2 31.5 20.5 35.7 34.1 29.7 45.7 37.8 11.6 26.9 16.4 19.6 40.5 37.5 25.1 45.8 37.0 25.1 20.5 13.9 全体 東部 中部 西部 30代 40代 20代以下 50代 60代以上 図表11 今後、高速道路の整備等で望むこと 新東名 神奈川県 方面の開通 (複数回答) 企業・地域別 個人・年齢別 新東名 愛知県 方面の開通 三遠南信自動車道 の全線開通 サービスエリア(SA) のサービス内容充実 新東名IC周辺 の用地開発 新東名・東名間の連絡路、 アクセス道路の整備 その他 全SA・PAの スマートインター化 中部横断自動車道 の全線開通 0 (%)80 57.8 63.3 56.3 56.2 48.1 47.6 46.0 49.6 44.3 42.9 33.3 50.2 22.5 19.8 13.8 11.4 13.9 7.3 17.1 21.0 24.6 18.9 21.4 6.6 8.7 3.6 10.5 28.0 29.4 27.3 28.1 3.7 4.8 2.9 4.3 28.2 0 80 (%) 54.4 77.4 55.9 38.4 48.2 34.9 46.4 59.1 31.7 23.6 49.7 18.3 15.7 5.2 6.5 32.5 4.1 2.8 20.2 20.3 23.4 16.7 9.7 10.4 10.4 8.7 2.6 2.4 4.4 0.9 39.6 44.3 36.1 40.2 3.8 6.6 企業全体 東部 中部 西部 個人全体 30代以下 40代 50代以上

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主な効果は時間とリスクの負担軽減

時短効果と迂回路の確保

一般的に、高速道路には、高速性、定時性、快 適性、安全性などの機能があり、整備されること による効果は、利用者が得る時短などの直接効 果、利用の有無に関わらず地域に高速道路が立地 (機能)していることにより生じる間接効果など、 多岐にわたる(図表 1 2 )。新東名の場合は、従来 の東名の交通量増加に対応して整備されたバイパ ス路線であり、今回のアンケート結果を概観して も、新東名開通が利用者や企業活動、県民生活に もたらした効果としては、混雑解消に伴う時間の 短縮と迂回路が確保されたことによるリスクの軽 減に集約される感がある。 時短は、企業にとってコストダウンにつなが り、あるいは浮いた時間を他の活動に振り向ける ことで生産性の向上、個人では、余暇活動等にお ける行動範囲の拡大に結びつく。 一方、迂回路が確保されたこと、すなわち東名 とのいわゆる「ダブルネットワーク効果」により、 渋滞や事故による損失リスクが軽減され、さらに はそれらに備える予防措置に要するコストの削減 にもつながっていく。個人にとっても、災害時の 防災拠点や輸送路確保が生活面での高い安心感に つながっていた。また、迂回路確保による定時性 の向上は、待機、予備時間の短縮という形でも時 短効果をもたらすものである。

便益評価額は年間348億円

このように、新東名の開通による効果は、売上 増加など、新たに発生したプラスの経済効果とい うよりも、東名利用者が交通混雑によりこれまで に負担していた時間やリスクなどの軽減による効 果が大きいといえる。ここでは、これらの効果の うち、利用車両が得たと想定される①走行時間短 縮効果、②渋滞による損失時間削減効果、③交通 事故減少効果、④走行コスト低減効果、⑤定時性 向上による時間節約効果、について、条件設定に より金額換算し、便益評価を試みた。その結果、 新東名開通による効果の年間の便益評価額は、合 計で 3 4 8 億円となった(図表 1 3 )。なお、最も金 額評価の高かったのは、走行時間短縮効果の 1 4 7 億円であるが、これは、混雑解消や道路規格の向 上により、新東名開通後の平均旅行速度が制限速 度に近い 9 7 km /hに上昇したことを試算条件 としている。新東名の設計速度は 1 2 0 km /hで あるが、仮に旅行速度を 1 2 0 km /hとして試算 した場合、新東名の走行時間短縮効果は、1 2 5 億 円から 2 7 5 億円と倍以上にまで跳ね上がる。より 高い経済性、利便性を追求するのであれば、安全 対策などの課題もあろうが、制限速度の引上げも 一考の余地があるといえる。 図表12 高速道路の整備効果 ①走行時間短縮 ②渋滞による損失時間削減 ③交通事故減少(安全性の向上) ④走行コスト低減 ⑤定時性向上による時間節約 ・運転手の負担軽減(快適性の増大) ・荷傷みの減少 ・生活行動圏の拡大 ・商業集積等による生活利便性の向上 ・地域交通量削減による住環境改善 ・生活面の安心感向上 ・流通システムの効率化 ・物流拠点施設の整備 ・生産性の向上 ・物流面のリスク軽減 ・取引の拡大 ・集客数の増加 ・営業圏の拡大 ・企業立地の増加 ・商業集積の充実 ・沿線地域の開発 ・人口の増加 ・立地条件の向上 ・地域間交流の促進 ・防災拠点の確保 ・緊急時迂回路の確保 直接 効果 利用者 受益者 内 容 住民 (個人) 産業 (企業) 地域 全体 間接 効果

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新東名高速道路の開通効果を検証する

効果 試算条件等 開通前 開通後 評価額 (百万円) 図表13 新東名開通効果の便益評価額 ○試算に利用した資料等  「新東名開通後3ヶ月間の交通状況および整備効果」他(NEXCO中日本)  「費用便益分析マニュアル」「交通事故減少便益の原単位の算出方法」「道路交通センサス」「自動車燃費一覧」(国土交通省)  「石油製品価格調査」(資源エネルギー庁) ○計算式   ①走行時間短縮効果:区間距離÷旅行速度×交通量×時間価値 ※(開通後−開通前)として試算  ②渋滞による損失時間削減効果:渋滞損失時間×渋滞減少率×時間価値     ③交通事故減少効果:減少件数×1件当たり損失額  ④走行コスト低減効果:区間距離÷燃費×燃料費単価×交通量 ※(開通後−開通前)として試算  ⑤定時性向上による時間節約効果:短縮時間×交通量×時間価値 注1)試算の母集団は、新東名および東名(御殿場JCT―三ケ日JCT)の平均交通量である。したがって、便益の受益者は新東名・ 東名の通行車両全体となり、必ずしも県内経済を意味しない。 注2)試算値は、本来、経済的な生産活動としての実態を伴わない便益を一定の条件設定をもとに金額換算した仮想的な評価額 である。したがって、観光客の増加による消費支出など、実態を伴う経済波及効果とは性質の異なるものである。 ①走行時間短縮効果 新東名 平均交通量72.2千台/日 旅行速度89㎞/h(東名) 旅行速度89㎞/h(東名) 渋滞損失時間215万台・時間 全事故数755件/3カ月 人身事故数124件/3カ月 全事故数−人身事故 燃費18.3㎞/l(東名) 燃費4.43㎞/l(東名) 平均交通量72.2千台/日 同新東名39.9,東名42.6千台/日 旅行速度97㎞/h 旅行速度91㎞/h 旅行速度120㎞/h 渋滞9割減 全事故数685件/3カ月 人身事故数96件/3カ月 全事故数−人身事故 ※大型車と同じ燃費向上率とした 新東名交通量39.9千台/日 同4.74㎞/l(新東名) 同新東名39.9,東名42.6千台/日 定時性向上により余裕ができたと 感じる平均時間:4.2分 (アンケート結果より) 東名 新東名 人身事故 物損事故 小型車 大型車 新東名 東名 14,650 12,519 2,132 27,532 1,356 6,414 1,277 79 5,399 1,106 4,292 6,988 3,380 3,608 ②渋滞による損失時間削減効果 ③交通事故減少効果 ④走行コスト低減効果 ⑤定時性向上による  時間節約効果 合計 34,807 (参考) ※燃費のみを対象

新東名へのアクセス向上を

今後、新東名整備による効果をより高めていく ためには、未開通区間の全線開通により、より広 域的なネットワーク効果の発揮に期待がかかる が、県内に関していえば、ICまでのアクセス改 善が課題となろう。 今回のアンケートでも、利用機会の多い企業ほ ど利用による効果も高いという傾向があったが、 全体では「効果があった」のは、半数程度にとど まっていた。やはり、県西部を中心に、新東名 ICまでの距離が遠いことがネックになっている と思われる。新東名ICまで、あるいは新東名・ 東名間のアクセス道路の整備や国道バイパスとの 連絡強化により、新東名へのアクセスが改善すれ ば、東名との併用など新東名の利用度も高まり、 より大きな効果につながることが予想できる。 さらに、定時性に対する意識の定着とともに、 物 流、 営 業 面 で の 改 善、 効 率 化 の 進 展 や、 レ ジャー活動の広域化ともあいまって、高速交通 ネットワークとして、静岡県の産業、経済、社会 の発展に寄与していくことが望まれる。

参照

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