ON THE MINIMAL COLORING NUMBER OF A MINIMAL DIAGRAM FOR TORUS LINKS
松土恵理(日本大学大学院総合基礎科学研究科)
市原一裕氏(日本大学文理学部),石川克氏(京都大学数理科学研究所)との共同研究
本稿では,Z
-彩色可能なトーラス絡み目の最小図式における最小彩色数についての結果を報告する.
1.
導入最も有名な結び目不変量の1つに
1961
年R.Fox
が導入したFox n
彩色(またはn
彩色)がある[1].
本研究で 扱うZ
彩色はFox n
彩色を拡張したものである.以下
L
を絡み目,DをL
の正則射影図式とする.写像
C : { arcs of D } → Z
が,D
の任意の交点において上側を通る弧をa,下側を通る弧を b, c
とした時,2γ(a) =γ(b) + γ(c)
を常に満たすとする. この時γ
をD
のZ
彩色と呼ぶ.また全ての弧に対応する値が等しいZ
彩色を自明な
Z
彩色という.非自明なZ
彩色を許容する図式D
が存在する時,絡み目L
をZ
彩色可能な絡み目という.以下
Z
彩色γ
のIm(γ)
の集合の位数,即ちZ
彩色された図式D
に現れる色数に着目する.定義
1.1. L
をZ -
彩色可能絡み目とする.L
の図式D
に対し,mincol
Z(D):= min { #Im(γ) | γ : D
上の非自明なZ -
彩色}
をD
の最小彩色数という.またmincol
Z(L) := min { mincol
Z(D) | D : L
の図式}
をL
の最小彩色数という.2.
先行結果定義
2.1. γ
を非自明なZ -
彩色とし,非分離なZ -
彩色可能絡み目の図式D
がγ
を許容するとする.D
上の各交点 において,上弧と下弧の色の差がd
または0
となるようなd
が存在するとき,γ
を単純Z -
彩色という.定理
2.2 (Ichihara-M., JKTR, 2017,[4]). L
を非分離なZ -彩色可能絡み目とする.L
が単純Z -彩色を許容する図
式を持つとき,mincolZ(L) = 4
である.定理
2.3 (M., to apper JKTR, Zhang-Jin-Deng,[6]).
任意のZ -彩色可能絡み目は単純 Z -彩色を許容する図式を
持つ.系
2.4. Z -彩色可能絡み目 L
に対して,Lが分離可能ならばmincol
Z(L) = 2,L
が非分離ならばmincol
Z(L) = 4
である.Outline of the proof.
ここでは証明の鍵となる変形を1つ挙げておく.□
ここで得られる単純Z -彩色を許容する図式はしばしば複雑なものとなる.そこで最小図式における最小彩色数
について着目することで,次の結果が得られた.定理
2.5 (Ichihara-M.,
日本大学文理学部自然科学研究所「研究紀要」, 2018
,[?]). (1) 2
以上の偶数n
に対して,
プレッツェル絡み目P(n, − n, · · · , n, − n)
にはある最小図式D
mが存在して,mincol
Z(D
m) = n + 2
を満たす.(2) 2
以上の自然数n
に対して,プレッツェル絡み目P( − n, n + 1, n(n + 1))
にはある最小図式D
mが存在して,mincol
Z(D
m) = n
2+ n + 3
を満たす.(3) 2
以上の偶数n,0
でない整数p
に対して,トーラス絡み目T (pn, n)
にはある最小図式D
mが存在して,mincol
Z(D
m) = 4
を満たす.3.
主結果 今回の主結果は定理2.5-[3]
を一般化したものである.定理
3.1 (Ichihara-Ishikawa-M., In progress). 0
でない整数p, q, r
が| p | ≥ q ≥ 1
かつr ≥ 2
を満たすとする.prま たはqr
が偶数であるとき,トーラス絡み目T (pr, qr)
には最小図式D
mが存在して,r
が偶数ならばmincol
Z(L) = 4,
r
が記数ならばmincol
Z(L) = “5”
を満たす.注意
3.2.
トーラス絡み目T (pr, qr)
がZ -
彩色可能であるための必要十分条件はpr
またはqr
が偶数であることで ある.
Proof.
本稿ではr
が偶数である場合について述べる.D
をT (pr, qr)
の図3
で表される図式とする.またこの図式は最小図式であることが知られている.まず
qr
本の平行な弧を,図1
のようにr
本ずつの組x
1, . . . , x
qに分割する.Figure 1. x
1, . . . , x
qへの分割ここで部分的な
Z -彩色 γ
見つけていく. まず任意のi
に対してγ(x
i) = (γ(x
i,1), γ(x
i,2), . . . , γ(x
i,r)) = (1, 0, . . . , 0, 1)
と色を固定する.Figure 2. γ(x
i) = (γ(x
i,1), γ(x
i,2), . . . , γ(x
i,r))
図2
における領域(1),(q + 1)
について,γは図3
のように拡張ができる.Figure 3.
領域(1),(q + 1)
に対する彩色図
2
における領域(2), (3), · · · , (q)
について,γは図4
のように拡張ができる.Figure 4.
領域(2), (3), . . . , (q)
に対する彩色 ここでγ
は図3
のように全ての弧に対して拡張ができる.ここで
D
はこの図式をp
枚接続して構成されている.つまりD
は0, 1, 2,3
の4
色のみのZ -彩色を許容する.
□
References
[1] R. H. Fox, A quick trip through knot theory, inTopology of 3-manifolds and related topics (Proc. The Univ. of Georgia Institute, 1961), 120–167, Prentice Hall, Englewood Cliffs, NJ.
[2] J. Ge, X. Jin, L.H. Kauffman, P. Lopes, and L. Zhang, Minimal sufficient sets of colors and minimum number of colors, J. Knot Theory Ramifications26(2017), no. 9, 1743008, 16 pp.
[3] K. Ichihara and E. Matsudo, Minimal coloring number for Z-colorable links, J. Knot Theory Ramifications26(2017), no. 4, 1750018, 23 pp.
[4] K. Ichihara and E. Matsudo, Minimal coloring number on minimal diagrams forZ-colorable links, Proc. Inst. Nat. Sci., Nihon Univ.53(2018), 231-237.
[5] E. Matsudo, Minimal coloring number forZ-colorable links II, to apper in J. Knot Theory Ramifications, arXiv:1705.07567v3.
[6] E. Matsudo, On the minimal coloring number of even-parallels of links, to apper in Proc. Inst. Nat. Sci., Nihon Univ.
Graduate School of Integrated Basic Sciences, Nihon University, 3-25-40 Sakurajosui, Setagaya-ku, Tokyo 156-8550, Japan
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