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地震で揺れない技術を目指して

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Academic year: 2021

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防災科研ニュース “秋” 2017 No.198 12

はじめに

 地震減災実験研究部門では、技術の開発・高 度化・実証を踏まえて、地震防災・減災に関わ る技術の進化を目指しています。この推進では、

幅広い知見とベースとなる技術力が必要となる ため、大学、公的機関、民間企業との連携が不 可欠な状況です。

 ここでは、地震から解放される都市(フロー ト・シティー)を目指した 3 次元浮揚技術の研 究・開発について、企業・大学との共同研究の 概要について紹介します。

背景

 研究着手の発端は、従来の地震の概念を変 える 2011 年東北地方太平洋沖地震です。また、

2016 年熊本地震の特徴も研究推進の重要な要 因です。前者は、それまでの地震継続時間のイ メージを覆すほど長時間であり、高層ビルを大 きく揺する長周期成分も含まれていました。後 者は、直下型でありながら、強力な長周期の成 分を含む地震であり、しかも波状的に発生して 地域住民に多くの不安と苦しみを与えました。

 現実的な地震対策は、構造物・ライフライン が地震に揺すられても耐えることと、地震後は、

速やかに復旧・復興することです。しかし、地 震が発生した地域では、長期間にわたり住民の 生活に大きなダメージが生じます。このような 状況の繰り返しがない、未来の日本を見据えて、

地震を無視して生活できる、地震の揺れを大き く低減する技術開発が必要と考えていました。

推進体制

 熊本地震の前年である 2015 年に文部科学省 防災科学技術推進室より、企業による実装を想 定し、リスクがあっても革新的でインパクトの ある研究を進めるように指導があり、そのた めに国の公募へ挑戦する提案もいただきました。

そこで、センター内で検討会議(梶原、井上 副部門長、佐藤主任研究員、田端主任研究員)

を数回実施し、その結果、浮上による従来に無 い3次元(水平2方向、鉛直方向)の地震低減技 術(3次元浮揚技術)を開発し、地震から解放さ れる都市(フロート・シティー)を実現する研 究を応募することにしました。

 結果は残念ながら落選でしたが、防災科研側 では梶原と佐藤主任研究員が担当となり、技術 検討からの作業に呼応いただいた(株)日立製作 所殿、摂南大学殿と共同研究を継続しています。

これまで2件の特許申請を行いました。

研究内容

 地震の動きは、水平2方向と鉛直方向の揺れ に分けられます。地震対策として有効である免 震技術は、積層ゴムに構造物を積載し、水平方 向の地震による揺れを和らげるものです。鉛直 特集:産業界との連携

地震減災実験研究部門長 梶原 浩一

地震で揺れない技術を目指して

地震防災の革新的技術を目指した産学との連携

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2017 Autumn No.198 13 難であることと、位置復元の装置を具備してい なかったため、地震後に装置が少し移動する問 題がありました。現在、それらを含み、さらな る高度化と大型化を目指した実験・研究を進め ているところです。

成果の展開について

 未来社会の街区において、大きな地震が発生 しても普段の生活を継続できる展開を目標とし ています。しかしながら、このような都市空間 のあり方の検討に加えて、さらに検討すべき技 術的なハードルも幾つかあるため、まずは、木 質系の貴重な構造物や文化財などの小さく軽い ものからの実装を検討していきます。また、重 要性の高い対象への展開により、経済活動への 貢献も期待できます。

おわりに

 地震減災実験研究部門では、幾つかの産学官 連携の研究を推進しています。目指すところは、

地震防災・減災への貢献であり、短期の実用化 から長期を見据えたものまでがあります。ここ で紹介した研究は、多くの研究者、技術者の連 携と相互の努力により進められています。引き 続き関係各位からのご協力ご支援をお願いいた します。

方向の揺れについては、構造物そのものへの 影響が少ないので具備されないのが一般的です。

研究では、この水平方向の地震による揺れを劇 的に低減するため、僅かに浮上させる技術と、

居室内の二次部材(非構造部材)等の安全を見 込んだ鉛直免震技術を組み合わせたシステムを 開発し、特許の申請を行っています。

 大変小さな装置となりますが、写真は 2015 年度に製作した約 1m 角、質量 0.5 トンの 3 次 元浮揚技術による小型実証装置です。この装置 を 1995 年の阪神・淡路大震災で観測された地 震動(JR 鷹取波)の半分の振幅で揺らしたとこ ろ、図1の上段に示す加速度の応答が確認でき ました。とても小さくなっていることがわかり ます。この時点では、縦方向の揺れに減衰を付 与する装置が無かったため重い質量の積載が困

写真 2015年の3次元浮揚技術による装置

図1 装置性能(下段:入力地震、上段:装置の動き)

図2 成果の展開イメージ

複数の装置

3次元浮揚機構 地盤

実用化システム構造

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Acc. [c m / s

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X軸 免震装置  Y軸 免震装置  Z軸 免震装置 

A cc.[cm / s

2

]

time[s]

X軸 入力動

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Y軸 入力動

time[s]

Z軸 入力動

参照

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