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論文審査の結果の要旨 氏名:正

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:正

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:Analysis of functional-RNA network starting from exosomal microRNAs in oral squamous cell carcinoma cells

(口腔扁平上皮癌細胞におけるエクソソーム由来マイクロ RNA を起点とした機能性 RNA

ネットワークの解析)

審査委員:(主 査) 教授

(副 査) 教授 教授 教授

エクソソーム中の機能性 RNA は,周囲の細胞に取り込まれたのち,細胞間のコミュニケーション を行うなど,重要な役割を担っている。その生物学的意義を明らかにすることで口腔癌の発癌メカニ ズムの解明につながることが期待されている。特に,エクソソームに封入されている microRNA(以

miRNA)は,がんの診断・治療の分子マーカーとして注目され,研究が進んでいる。また,エクソ

ソームは培養細胞の上清液にも存在することが知られ,培養細胞上清液の miRNA を網羅的に解析し た研究は胃癌などでは行われているが,口腔癌では報告がない。そこで本研究では,新たな診断・治 療法を開発するため,口腔扁平上皮癌細胞株におけるエクソソームを介して細胞外に放出される

miRNAに着目し,口腔癌において活性化している分子ネットワークを明らかにすることを目的とした。

口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2,HSC-3,Ca9-22,Ho-1-N1)とヒト正常口腔粘膜細胞(Human normal oral keratinocytes,以下HNOKs)の培養上清液中に含まれるエクソソーム由来miRNAを抽出し,miRNA マイクロアレイを用いて,発現状態を網羅的に解析した。腫瘍マーカーの候補となる miRNA を選定 し,さらにIngenuity Pathway Analysis softwareを用いて,パスウェイ解析を行い,miRNAを起点とし た機能性RNAネットワークの探索を行った。

その結果,以下の結果と結論を得た。

1. miRNAマイクロアレイ解析の結果,HNOKs と比較して,口腔扁平上皮癌細胞株4種類すべて

について,著明な発現変動を示し,口腔癌に関与していることが示唆される合計 20 種類の

miRNAを同定した。

2. さらに同定したmiRNA 20種類とその標的遺伝子についてパスウェイ解析を行ったところ,6

のネットワーク形成が確認された。その中で最もスコアが高く,同定した標的遺伝子を有意に 含むネットワークは,miR-125bを中心としたパスウェイであった。

3. また同定したmiRNA 20種類とその標的遺伝子は,molecular mechanisms of cancercell cycle,

cell death and survivalなど癌に関連する機能に強く関連を認めた。

4. 遺伝子群を調節する発現変動分子の上流調整因子には 4 つの upstream miRNAsmiR-125b-5p, miR-17-5p, miR-200b-3p, miR-23a-3p)が関与しており,これらは癌の発生・進行,上皮間葉転換 に影響を与える分子であることが明らかとなった。

以上のように,本研究はエクソソーム由来 miRNA を起点とした分子ネットワークを解析すること により,4つのupstream miRNAsが口腔扁平上皮癌の新たな診断および腫瘍マーカーとして有用であ る可能性を示したものであり,口腔外科学ならびに関連する歯科臨床の分野に寄与するところが大き いものと考えられた。

よって本論文は,博士(歯学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

令和3年3月10日

参照

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