巻 頭 口
院長 岸 不壷彌
平成!9年度の紀要がまとまりました。今年は年度初めから厳しい経営状況が続いていま す。昨年の紀要では医療制度改革が医療の現場に及ぼす影響とそれに対する不安即ち医療 崩壊が迫っていることへの不安とを書きましたが、それが現実のものとなってきたことを 感じます。1年経って日本中で、救急医療の不足、自治体病院の縮小、閉鎖など一段と厳
しくなった様相が明らかになってきています。医療福祉予算の抑制を前提とした制度改革 が何をもたらすか、やっと誰の目にも見えて来たということでしょうか。そこに米国のサ ブプライムローンの危機に始まった世界的な経済不況は、わが国の経済、医療福祉にも大 きな困難をもたらしています。高齢者が増加する中、医療・福祉政策は国民のセイフティ ーネットとしてより一層重視し確保されなければならないと思います。
社会保険病院の今後については、18年度予定されていた整理計画の決定が延び延びにな っているうちに、この10月社会保険庁の政府管掌健康保険部門が「全国健康保険協会」に 移行したのに伴い、病院は独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」に管理が移 され、将来の運営主体が未だ明らかではありません。私たちは地域に必要な医療機関とし て社会保険病院グループが全国ネットワークで存続していくために、健全経営をしていく ことが最も重要であることを自覚して、日々安全で安心できる最善の医療を提供できるよ
うに引き続き努めていきたいと思います。
さて、医療情報の増加に対して、迅速に、確実に、安全に情報を共有し、医療の質を高 めていくことが必要となりますが、平成19年度の後半には新医療情報システムの導入のた め全職員が一丸となって協力をいただいたことは素晴らしかったと思います。20年1月1日 から電子カルテ、フィルムレスのPACSを含め一気
に新しいシステムに移行することができました。診療 への影響を避iけるために年末年始にかかる導入でした が、大きな障害なしに無事に開始できました。こうし た協力体制は紀要の編集にも生かされていると思いま す。このシステムの活用が当院での診療の大きな戦力 となるよう、すべての職員が使いこなせるよう日々の 努力を期待します。
最後に、多忙の中まとめて頂いた編集委員の皆様の ご苦労に感謝いたします。
2008年12,月