• 検索結果がありません。

1 本研究プロジェクトの概要

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1 本研究プロジェクトの概要"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

-49-

山形大学大学院社会文化システム研究科紀要 第12号(2015)49-50

1 本研究プロジェクトの概要

福 野 光 輝

(文化システム専攻心理・情報領域担当)

 本特集は,平成25年度山形大学人文学部「山形 市における安心・安全に関する学際的研究」プロ ジェクトの成果をまとめたものである。本研究プ ロジェクトでは,山形市における安心や安全に関 する諸問題を,地理学,人間情報科学,社会学,

心理学といった4つの学問的視点から多角的に検 討し,問題解決のための方策を考察した。

なぜ安心・安全か

 近年,防災や防犯意識の高まりを受けて,暮ら しの安全性に対する関心が強まっている。安全な 生活を送るためには,個々人がそうしたリスクに 備えることも必要だが,地域として安全性を向上 させるための取り組みについて考え,実践してい くことも欠かせない。さらに,山形大学小白川キャ ンパス周辺においては,防災情報の入手や災害時 の避難,子育てなどにおける共助の問題,山大周 辺の交通安全,山大生と周辺住民との利害の不一 致など,安心や安全にまつわる特有の問題も存在 する。その意味で,山形大学小白川キャンパス周 辺における安心・安全の問題は,地域のなかに存 在する問題を学際的に考察するという側面をもつ だけでなく,山形大学自体が周辺地域の安心・安 全に影響を及ぼしうる存在であり,それゆえ山形 大学の取り組み次第によっては,周辺地域の安全 性向上に大きく貢献できる側面をもつと考えられ る。それゆえ,山形大学の地域貢献を考えたとき,

安心・安全の問題は重要な課題の1つとして位置 づけられる。

 また,安心や安全といった社会的にも重要な問 題には,多様な観点から接近することが問題解決 を促進するだろう。この点で,地理学と人間情報 科学からは自然科学もしくは工学的なアプローチ が,社会学と心理学からは社会科学的なアプロー

チが可能であり,安心・安全問題を考察するうえ で有用だと考えられる。

なぜ小学生の保護者か

 その地域が安全であるか,あるいは安心して暮 らせるかによって最も影響を受けるのは,子ども や高齢者であろう。その地域が安全であるという ためには,少なくとも子どもや高齢者が安心して 暮らせる環境でなければならない。とくに子ども の安全に関しては,保護者がその責任を担うこと も多く,かれらは地域の安心・安全を最も意識さ せられる立場におかれている。また,保護者は子 育てを通して,地域の人々との結びつきも生じや すく,地域社会への関与も強化されやすい。それ ゆえ,子どもをもつ保護者の意見や考えは,安全 な地域づくりを進めるうえで,重視すべき声であ るといえる。

 こうした考えから,本研究プロジェクトでは,

山形大学小白川キャンパス周辺に位置する山形市 立第一小学校,山形市立第五小学校,山形市立第 八小学校の保護者を対象に,日常生活や災害時の 安心・安全感,防災情報の入手と災害時の避難意 識,山形大学や山大生との関わりについてたずね る質問紙調査を実施した。

本研究プロジェクトの意義

 本研究プロジェクトの意義はおもに2つある。

第一に,小学生保護者の安心および安全意識の実 態を把握することにより,学校関係者と大学との 間で情報が共有される。このことは,安全性向上 にむけた論点整理に役立つ。具体的な取り組みと して,2014年3月に,本調査結果を第一次報告書 としてまとめ,3小学校の全家庭に配布した。ま た,本研究プロジェクトのメンバーが各小学校に

(2)

-50-

1 本研究プロジェクトの概要(福野 光輝)

出向き,調査結果について説明したところ,ある 小学校では,災害時に助けを求めることができる 知人数のデータは,災害時の児童への対応を考え る参考になったと評価された。別の小学校では,

調査結果から,災害時に想定以上の人がその小学 校に避難してくることがわかり,その小学校を会 場にして開かれている避難所運営委員会での情報 提供につながった。この過程で,行政とのつなが りもうまれた。さらに,本調査結果はいくつかの メディアにも取りあげられ(河北新報,2014;山 形 大 学 広 報 誌 み ど り 樹,2014; 山 形 新 聞,

2014),一般の人々に対しても情報提供が実現した。

 第二に,安全な地域づくりのために,山形大学 として何ができるかを考察する契機になった。具 体的には,本調査結果の第一次報告書を2014年4 月に地域教育文化学部および理学部の1年生に配 布した。また,「スタートアップセミナー」にお いて,自転車の危険運転などに考えさせるワーク ショップが導入された。また,山形大学グラウン ド南側の路上駐車に関して,小白川キャンパス事 務部学生課と情報交換を行う機会があった。

研究体制

 本研究プロジェクトは,山形大学人文学部人間 文化学科地域・人間コースに所属する福野光輝(心 理学),山田浩久(地理学),阿部晃士(社会学),

山根純佳(社会学),本多 薫(人間情報科学),

渡邊洋一(心理学)によって企画された。また,

山形大学人文学部より平成25年度プロジェクト研 究支援課題「山形市における安心・安全に関する 学際的研究」として採択され,研究費の助成を受 けた。記して感謝いたします。

引用文献

河北新報(2014年4月3日朝刊)「児童保護者「災 害が不安」わずか11%:山形中心部で山形大が 調査」

山形大学広報誌みどり樹(2014年夏号,第60巻)

「YAMADAI TOPICS 人文学部:小学生の保

護者を対象に安心・安全意識を調査」

山形新聞(2014年4月20日朝刊)「「共助」高いニー ズ:山形で山形大 防災などテーマ 住民調査」

参照

関連したドキュメント

燃料デブリを周到な準備と 技術によって速やかに 取り出し、安定保管する 燃料デブリを 安全に取り出す 冷却取り出しまでの間の

に本格的に始まります。そして一つの転機に なるのが 1989 年の天安門事件、ベルリンの

防災 “災害を未然に防⽌し、災害が発⽣した場合における 被害の拡⼤を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをい う”

安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 他社の運転.

国では、これまでも原子力発電所の安全・防災についての対策を行ってきたが、東海村ウラン加

防災安全グループ 防災安全グループ 防護管理グループ 防護管理グループ 原子力防災グループ 原子力防災グループ 技術グループ 技術グループ

防災安全グループ 防災安全グループ 防護管理グループ 防護管理グループ 原子力防災グループ 原子力防災グループ 技術グループ 技術グループ