粒 径 を考 慮 した土 砂収 支 検 討-湘 南海 岸 の例
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(2) 727. 粒径 を考 慮 した土 砂 収支 検討 一 湘 南 海岸 の例. 図‑1. 湘 南 海 岸 の 空 中 写 真(2007年)と. 移 動 高 算 出 の ブ ロ ッ ク 区 分(a〜e),底. 質 調 査 の 測 線(No.1〜8). 表‑1. 図‑2. 汀 線 変 化 量(1996年. 移動 高 の算 定結 果. 基 準). 図‑4. 沿 岸 漂 砂 量 の 沿 岸 方 向 分 布(1996‑2007年). る もの の 断 面 積 変 化 量 が 小 さ く誤 差 が 入 りや す い こ と か ら,こ の 区 間 の 移 動 高 に つ い て は そ の 両 側 の ブ ロ ッ ク に 図‑3. お け る移 動 高 よ り内 挿 す る こ と と した.最 終 的 に各 ブ ロ ッ. 汀 線変 化量 △yと海 浜 断面積 変化 量 △Aの 関係. ク に お け る漂 砂 の 移 動 高 は表‑1に 示 す 値 で 代 表 した. 図‑2の1996〜2007年 ‑8m. ,引 地 川 以 西 で のhcは ほぼ‑9m付. ま た 陸 上 部 の+3m以. 近 に あ る こ と,. 高 で は人 為 改 変 が た び た び 行 わ れ. の 汀 線 変 化 量 に表‑1の 漂 砂 の 移 動. 高 を乗 じ,経 過 年 数(11年)で 変 化 量 が 算 出 さ れ る.そ. 割 れ ば 年 間 当 た りの 地 形. の上 で,漂. 砂 下 手 端(境 川)で. て い る こ とを 考 慮 し,海 浜 断 面 積 を 求 め る 際 の 積 分 範 囲. Q=0と. はT.P.+3.0〜‑9.0mと. した沿 岸 漂 砂 量 分 布 を 図‑4の 破 線 で 示 す.こ. 崎 中海 岸(bブ. した.図‑3に. は 一 例 と して 茅 ヶ. ロ ッ ク)で の検 討 結 果 を 示 す.△yと. △A. して 漂 砂 上 手 方 向 に地 形 変 化 量 を 加 算 して 算 出. の 間 に は ほぼ 線 形 な関 係 が あ る.両 変 数 間 の 回 帰 係 数 は. で 年 間 約8000m3収. 漂 砂 の 移 動 高(h)に. う に収 支 が 合 わ な い理 由 と して は,サ. 等 しい の で,図‑3よ. りh=10mと. れ によれ ば. 沿 岸 漂 砂 を ほ ぼ 完 全 に 阻 止 して い る茅 ヶ崎 漁 港 の下 手 端 支 が 合 わ な い 結 果 と な っ た.こ. のよ. ン ド リサ イ クル な. な る.同 様 な 検 討 を各 区 間 で 行 う と表‑1が 得 られ る.漂. どの 人 為 的 原 因 が 関 与 して い る.上 記 解 析 期 間 中 で は,. 砂 の 移 動 高 は,相. 片 瀬 漁 港 で4.6万m3の. 模 川 か ら 中 海 岸 ま で は10m程. 度であ. 浚 渫,堆. る が,中 海 岸 以 東 で は江 ノ島 に近 づ く につ れ て 移 動 高 が. m3の. 小 さ くな り,hcが‑8mに. 浜 が 行 わ れ て い るの で,こ. あ る引 地 川 以 東 で は,江. に よ る波 の 遮 蔽 域 に 入 る た め6.4mと 辻 堂 海 岸 のNo.14‑2〜No.18で 示 す が,こ. 小 さ くな る.ま. は5.1mと. ノ島 た,. 最 も小 さ い 値 を. の 区 間 は堆 積 域 で あ っ て,汀 線 前 進 は 見 られ. 積 域 か ら侵 食 域 へ17.4万. サ ン ド リサ イ ク ル ・サ ン ドバ イパ ス,19万m3の. る.そ の場 合,海. 養. れ ら要 因 を 取 り 除 く必 要 が あ. 岸 域 に あ る砂 を 活 用 して い る も の に つ. い て は 歩 留 ま りを100%と. す る一 方,浚. 渫土 砂 の利用 や. 漂 砂 系 外 か ら の養 浜 に つ い て は 細 粒 分 を 多 く含 む こ とを.
(3) 728. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (a) 相模川河 口域. (b) 柳島消波堤区間. 図‑5. 図‑6. 各 測 線 の 断 面 平 均 粒 径 含 有 率(T.P.+3〜‑9m). (a). 測 線No.6. (b). 測 線No.7. (c). 測 線No.8. 2006.2. 2007.10. 2006.2. 2007.10. 土砂 量 の経年 変化(1999年 基準). 考 慮 し,歩 留 ま り率 を 補 正 す る こ とで 土 砂 収 支 を 合 わ せ た.こ れ らの 影 響 を 除 い て 算 出 した結 果 が 図‑4の 実 線 で あ る.な お,こ は66%,相. の場 合 の 歩 留 ま り率 は,1996〜2005年. で. 模 ダ ム か ら運 ん だ粗 い 粒 径 を 多 く含 む養 浜 材. が 用 い られ た2005〜2007年. で は83%と. な り,粒 径 を 考 慮. した養 浜 に よ る違 い が み られ た.図‑4よ の 最 大 値 はX=11〜13km区 ン ド(X=10.5km)を yr,一 方,柳. り,沿 岸 漂 砂 量. 間 で1.2万m3/yr,ヘ. ッ ドラ. 下 手 側 に 越 え る漂 砂 量 は0.5万m3/. 島 消 波 堤 西 側(X=7.6km)よ. 2006.2. り流 入 す る. 2007.10. 漂 砂 量 は0.46万m3/yrと な る. 一方 ,こ れ まで の解 析 で は,相 模 川 河 口域 お よ び 柳 島 消 波 堤 区 間 で の 土 砂 動 態 は 不 明 で あ った.こ. の た め1999. 〜2007年 に実 施 さ れ た ナ ロー マ ル チ ビー ム測 量 に よ る5 mメ. ッ シ ュ水 深 デ ー タ を用 い て,1999〜2007年. 変 化 量 の平 面 分 布 を算 出 し,図‑5に. の水 深. 示 す よ う に1999年 を. 基 準 と し た土 砂 量 の 経 年 変 化 か ら1年 あ た りの 水 深 変 化 量 を 求 め た.こ. の結 果,柳. 島 消 波 堤 区 間 で は‑2.5万m3/. yr,相 模 川 河 口域 で は1.5万m3/yrの 変 化 割 合 と な っ た. 3.. 粒 径 を 考 慮 した 沿 岸 漂 砂 量 の 算 出 図‑7. 湘 南 海 岸 で は,図‑1に. 示 す8測 線 で2006年. 底 質 調 査 が行 わ れ て い る.図‑6は m間. 各 測 線 のT.P.+3〜‑9. の底 質 デ ー タ の平 均 値 を,細 砂,中. 底 質 の水深 方 向分布 の2時期 の比 較. と2007年 に. 砂,礫. 有 率 が 高 ま る.ま. の3レ ン. No.4で. た,最. も侵 食 が 著 し い 中 海 岸 中央 の. は礫 分 が 多 い.侵. 食 域 で は,沿 岸 漂 砂 に よ って. ジで 区 分 した 断 面 平 均 の粒 径 含 有 率 を示 す.こ れ に よ れ. 砂 が 持 ち 去 られ る と粗 粒 分 が 残 さ れ る こ とか ら,侵 食 域. ば,沿. は. で の底 質 特 性 か ら沿 岸 漂 砂 と して 運 ば れ て い く底 質 の 含. 細 砂 が 多 く含 ま れ,相 模 川 河 口 に 近 くな る ほ ど中 砂 の含. 有 率 を推 定 す る こ と は で き な いが,堆 積 域 で は底 質 の 堆. 岸 漂 砂 の 下 手 側 の 堆 積 域 に あ るNo.7,No.8で.
(4) 729. 粒 径 を考慮 した土砂 収支検 討‑湘南 海岸 の例. 4. 粒 径 を 考 慮 し た 土 砂 収 支 粒 径 を考 慮 し た土 砂 収 支 図 を 図‑10に 示 す.こ は,各. ブ ロ ッ ク を跨 ぐ沿 岸 漂 砂 量,各. る土 砂 量 の 変 化,お. の図 に. ブ ロ ック 内 に お け. よ び これ らの粒 度 分 布,ま. た海岸線. を跨 ぐ海 と陸 の間 の 土 砂 の や り取 り(飛 砂,養 浜,浚 な ど)を. (0.075〜0.25mm)と. 中 砂(0.25〜0.85mm)で. い る こ とか ら,細 砂d1,中. 砂d2,粗. 構 成 されて. 砂 ・礫d3の3レ. で 区 分 し,含 有 率 を 円 グ ラ フ で示 した.ブ 図‑8. 渫. と り ま とめ た.粒 度 分 布 は,当 海 岸 が主 に細 砂. ンジ. ロ ッ ク境 界 上,. ブ ロ ッ ク内 の 円 グ ラ フ は,そ れ ぞ れ ブ ロ ック を 横 切 っ て 粒 径含有 率 の沿岸 方 向分布. 通 過 す る沿 岸 漂 砂 と ブ ロ ック 内 の 底 質 の粒 径 含 有 率 を示 す.ま. た,陸 域 に 示 す 円 グ ラ フ は飛 砂 の粒 径 含 有 率 を示. す.な. お,飛 砂 の 粒 径 含 有 率 は田 淵(2003)に. よ る海 浜. 背 後 の 自転 車 道 に 堆 積 した飛 砂 の 粒 度 分 析 結 果 を用 い た. 図‑10の 作 成 に 当 た って 各 ブ ロ ッ ク は構 造 物,漂 性 を 考 慮 して 表‑2に 示 す理 由 に よ り設 定 した.ブ. 砂特 ロ ック. 境 界 の漂 砂 量 は図‑9よ り抽 出 し,粒 径 含 有 率 は粒 径 毎 の 漂 砂 量 の比 で 表 現 した.た. だ しDブ. 僅 か に 侵 食 傾 向 に あ る の で,C‑D境. ロ ッ ク は近 年 で は 界 の粒 径 含 有 率 に. つ い て は上 記 の 方 法 で設 定 す る の で は な く,ヘ 図‑9. ドの 先 端 水 深T.P.‑3m以 粒径 毎 の沿岸 漂砂量 の沿 岸方 向分 布 り流 入 す る と考 え,図‑11に の 測 線No.5の. 示 す ヘ ッ ドラ ン ド西 側 近 傍. 底 質 デ ー タのT.P.‑4〜‑9mの. した.B〜Fブ. ッ ドラ ン. 深 に 存 在 す る底 質 が 漂 砂 に よ. 平 均値 と. ロ ッ ク の土 砂 量 の 変 化 は,汀 線 変 化 量 に. 積 状 況 が 漂 砂 の履 歴 を表 わ す こ とか ら,堆 積 土 砂 と ほ ぼ. 移 動 高 と ブ ロ ッ ク延 長 を乗 じた も の と し,R,Aブ. 同 程 度 の底 質 含 有 率 の漂 砂 が供 給 さ れ た と仮 定 で き る.. につ い て は図‑5よ り求 め た水 深 変 化 量 を用 い た.粒 径 含. 図‑7は 比 較 期 間 が1年 半 と短 いが,図‑1に. 示 す 測 線No.. 6,7,8に お け る2時 期 の 底 質 組 成 の水 深 方 向 分 布 を 比 較 し た も の で あ る.期 間 中 に は 先 に述 べ た30年 確 率 規 模 の 高 波 浪 が 来 襲 して い る.し か しな が ら各 測線 と も細 砂 の 割 合 が 増 え た よ う に も見 え るが,大. き な 底 質 変 化 は生 じて. い な い.こ の こ と は,堆 積 域 に存 在 す る底 質 の含 有 率 と 同 程 度 の含 有 率 の砂 が,沿 岸 漂 砂 に よ って 連 続 的 に 運 ば れ て き た こ と を強 く示 唆 して い る.こ の よ う な考 え 方 の も と,粒 径 は水 深 方 向 に大 き く変 わ る もの の,沿 岸 方 向 に は ほぼ一 様 に分 布 す ると い う特 徴 よ り測 線 間 の底 質 デ ー タ を 補 間 し,細 砂,中. 砂,粗. 砂 以 上 の3つ の レ ン ジの 含. 有 率 の 沿 岸 方 向分 布 を 求 め た結 果 が 図‑8で あ る.そ. の上. ロ ック. 有 率 は ブ ロ ック 内 の 平 均 値 で 表 現 した.ま た,Rブ. ロッ. ク の相 模 川 の 流 出土 砂 量 は,前 述 の 相 模 川 水 系 土 砂 管 理 懇 談 会(2003)に. よ る0.5万m3/yrを. 用 い た.な お こ の量. に は 海 岸 に寄 与 しな い シ ル ト ・粘 土 分 は含 ま れ て い な い. 一 方 ,平 塚 新 港 の 沖 防 波 堤 の 先 端 水 深 は6mで あ り,hc =9m以. 浅 で あ る こ と か ら,西 向 き の 沿 岸 漂 砂 に よ る西. 側 海 岸 へ の 土 砂 移動 が考 え られ る.し たが って,Rブ. ロッ. クで 収 支 が 合 わ な い土 砂 量 は 沿 岸 漂 砂 に よ って 西 側 へ運 び 去 られ た と仮 定 した. 東 側 へ の細 砂 の 移 動 は波 に よ る東 向 き の 沿 岸 漂 砂 の ほ か に,冬 季 の 西 風 に よ る飛 砂 が あ る.こ の 飛 砂 は,海 岸 線 と風 向 との ズ レに よ って 海 岸 線 方 向 の み で な く,や や 内 陸 へ と移 動 す る.そ の沿 岸 方 向 成 分 は 宇 多 ら(2008). で,養 浜 等 の要 因 を 補 正 した年 間 単 位 幅 当 た りの 地 形 変. が 示 した よ う に ヘ ッ ドラ ン ド周 辺 や不 動 点(3号. 化 量 に,図‑8を. よ り東 側 の 堆 積 域 で大 き く,ま た 中海 岸 か ら菱 沼 海 岸 へ. ぞ れ 乗 じ,さ. も と に 各 地 点 で3レ ン ジの 含 有 率 を そ れ ら に漂 砂 下 手 端 でQ=0と. し て粒 径 毎 に 漂. 放 水 路). ヘ ッ ドラ ン ドを越 え て も砂 が 移 動 す る.汀 線 域 か ら飛 砂. 砂 上 手 方 向 に積 分 し,そ れ ぞ れ の 粒 径 ご とに 沿 岸 漂 砂 量. に よ って 内 陸 へ 運 ば れ た 砂 は良 く淘 汰 さ れ た 粒 径 が0.25. 分 布 を 算 出 した の が 図‑9で あ る.こ の 図 は沿 岸 漂 砂 量 の. mm以. 分 布 に似 て い るが,粒 径 ご とに 区 分 さ れ た 沿 岸 漂 砂 分 布. ま た は除 去 さ れ た場 合 細 粒 分 の損 失 を 招 くが,神 奈 川 県. で あ る こ とに 特 徴 が あ る.. で は 定 期 的 な堆 砂 垣 の 改 修 工 事 に 後 浜 上 に堆 積 し た砂 を. 下 の細 砂 で あ る.砂 丘(人. 工 含 む)に 固 定 され,. 汀 線 まで 戻 して い るた め海 浜 砂 の 損 失 に は な らな い.土 砂 収 支 に は これ も考 慮 した..
(5) 730. 海. 岸. 工. 図‑10. 表‑2. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 粒 径 を考慮 した土 砂収 支 図. ブ ロ ッ ク の設 定. 図‑11. 5.. 測 線No.5の. 底 質 の 水 深 方 向 分 布(2007.10). お わ りに. 粒 径 を考 慮 した 土 砂 収 支 図 は量 と質 両 方 の 情 報 を与 え て い る.し た が って 従 来 の よ う に量 だ け で な く質 を も考 慮 した 土 砂 管 理 を 進 め る上 で役 立 っ と考 え られ る.本 研. 参 考 文 献 宇多高 明 ・青島元次 ・吉 岡 敦 ・三波俊郎 ・石川仁憲(2008): 湘 南海岸 にお ける飛 砂量 の検討, 海洋 開発論文集, 第24巻, pp.1195‑1200. 宇多高 明 ・木 下幸夫 ・山野. 巧 ・吉 岡. 敦 ・三波俊郎 ・壱岐 信. 究 で は,漂 砂 の粒 径 含 有 率 を,現 地 デ ー タ を 基 本 に与 え. 二 ・石 川仁憲(2006):. た が,沿 岸 漂 砂 量 は 水 深 方 向 に 分 布 を持 って お り,一 般. 海 岸 の海浜 変形 の実 態 分析, 海岸 工学 論文 集, 第53巻,. に汀 線 近 傍 が 最 も大 き い.ま た 汀 線 近 傍 の海 浜 の 構 成 材 料 は主 に 中 砂,礫. で あ る.一 方,個. 々 の粒 径 の 動 きや す. さ は粒 径 に 依 存 し,粒 径 が 小 さ い ほ ど動 き や す い.し. た. が っ て,厳 密 に言 え ば これ らの点 を 考 慮 す る必 要 が あ る が,こ. れ ら につ い て は今 後 の課 題 と した い.. pp.651‑655. 田淵 勇哉(2003):. 長 期深 浅測量 デー タに基づ く湘南. 湘南 海岸 に おけ る表 層砂 の粒径 分布特 性 と. 植生 の関係 につ いて, 武蔵工業大学 卒業研究論 文. 相模川水 系土砂 管理懇 談会(2003): 境 をめざ して. 「 相 模川 の健全 な土砂環. 提言書(参 考資料)」..
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