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防波堤直下の捨石マウンドの津波対策工に関する水理模型実験

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Academic year: 2022

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(1)III‑079. 土木学会西部支部研究発表会 (2013.3). 防波堤直下の捨石マウンドの津波対策工に関する水理模型実験 九州大学工学部. 学生会員. 九州大学大学院. フェロー. 九州大学大学院. 正会員. ○飯笹. 千恵. 九州大学大学院. 正会員. 笠間. 清伸. 善. 功企. 九州大学大学院. 正会員. 春日井. 康夫. 陳. 光斉. 九州大学大学院. 正会員. 八尋. 裕一. 1. はじめに 2011 年 3 月に発生した東日本大震災では,津波により防波堤が被災し,甚大な被害が生じた.津波による防波 堤の被災要因は大きく 5 つあり,越流によるマウンドの洗掘,目地からの流れによるマウンドの洗掘,防波堤全 面と背後の水位差,防波堤に作用する水平力およびマウンドの支持力低下が挙げられる 1)~3).これまで,防波堤直 下の捨石マウンド内における浸透流が防波堤の安定性に与える影響に関しては十分な検討がなされていない.そ こで,本文では,岩手県釜石湾口防波堤南堤をモデルに波浪を模擬した水理模型実験ならびに防波堤の支持力実 験を行い,地盤工学的な観点から捨石マウンドの安定性を定量的に評価した. 2. 実験概要 図-1 に,実験装置の概要と計測器の配置を示す.縮尺. 185. 港外側. 1/100 として,模型防波堤は幅 185mm,高さ 195mm,奥行. 港内側. 195 50. き 190mm,重さ 13.90kg および密度 2.03g/cm3 とした.実験. :水圧計 :変位計. 430. 3. 時の捨石マウンドの飽和密度は 2.07g/cm とした.津波を模 150. 擬するために,循環流により防波堤の前後に水位差を発生. 捨石マウンド 2045. させた.発生させた水位差は 0mm,40mm,80mm,120mm. :波高計. 単位:mm. 図-1 実験装置の概要と計測器の配置図. および 145mm とした.水位差 0mm でのマウンド内の水圧. Frame 001  16 Oct 2012 . を初期値とし,以降,各水位差において変化した水圧(以降,過剰水圧とよぶ)を測定した.さらに,水位差を作用 させた条件で,模型防波堤上部から変位制御(2mm/min)で載荷し,支持力測定を実施した.実験は,捨石マウンド に対策工を施していない条件(以降 Case1 とする)と, 対策工として港内側のマウンド天端に蛇籠を設置した条件(以 1200. -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 Frame 001  16 Oct 2012  降 Case2 とする)を行った.蛇籠は,捨石マウンドと同材料で作製し,断面 60×60mm,奥行き 40mm で設置した.. 3. 実験結果と考察. 1000. 3.1 捨石マウンド内の動水勾配 800 Dh=145mm. 145mm の水位差を発生させた場合,Case1 では防波堤の 1200. パイピング崩壊が発生し,Case2 では発生しなかった.この 原因を捨石マウンド内の動水勾配をもとに考察した.図-2 1000. に,Case1 における鉛直方向の動水勾配分布を示す.鉛直方 向の動水勾配は,マウンド天端の港外側で下向きに水が流 800 れ,港内側では上向きに水が流れたことを確認した.特に, マウンド天端から法面方向約 120mm(実スケール 600 12m)の範. iy: -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 (×10-2) マ ウ ン 600 ド 港外側 Dh 港内側 底 面 iyの正方向 か 400 ら の 距 離 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 (mm) マウンド左端からの距離(mm). 図-2 鉛直方向の動水勾配分布(Case1). 囲では,上向きの浸透力が大きかったと考えられる.よっ. て,水位差 145mm において港内側のマウンド天端が破壊した要因は,浸透力による影響であると考えられる.鉛 400 直方向の浸透力が著しく大きく働いたため,パイピング崩壊が起きた可能性が高い. 200 400. ‑499‑. 600. 800. 1000. 1200. 1400. 1600.

(2) 1200. Frame 001  16 Oct 2012 . 1000. III‑079. 800 Dh=145mm. 図-3 に,Case2 における鉛直方向の動水勾配分布を示す. 1200. Case1 より,模型防波堤直下と港内側のマウンド天端での鉛 直方向の動水勾配は小さくなり,Case2 では,水位差 145mm 1000 において捨石マウンドは崩壊しなかった.これは,蛇籠に より動水距離が長くなり,透水力が減少したためと考えら 800 れる. 3.2 捨石マウンドの支持力測定. 600. 土木学会西部支部研究発表会 (2013.3). iy: -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 (×10-2) マ ウ 蛇籠 ン 600 ド 港外側 Dh 港内側 底 面 iyの正方向 か 400 ら の 距 離 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 (mm) マウンド左端からの距離(mm). 図-3 鉛直方向の動水勾配分布(Case2). 図-4 に,Case1,Case2 の水位差 120mm,145mm におけ る荷重沈下曲線を示す.図中の矢印は,載荷圧と浸透流に 400. 2. より,捨石マウンドが浸透破壊したことを意味する.水位. 0. 載荷圧(kN/m ) 20. 10. 30. 40. 0. 200 差が大きくなるほど,同じ載荷圧で沈下量は大きな値とな. った.これは,水位差により防波堤に生じる水平荷重およ. Dh=120mm(Case1). 600. び捨石マウンドの過剰水圧が大きくなり,捨石マウンドの 支持力が低下したためと考えらえる. 水位差による支持力低減量を評価するために,図-5 に,. 800. 1000. 1200. 1400. 1600Dh=120mm(Case2). Dh=145mm(Case1). 2. 正規化沈下量(%). 400. Dh=145mm(Case2) マウンド破壊 発生. 4. 破壊 発生. 6. 捨石マウンドの極限支持力と水位差の関係を示す.水位差 が大きくなるほど,捨石マウンドの支持力は低下すること. 破壊 発生 破壊 発生. 8. がわかった.これは,マウンド内の浸透力と防波堤に作用. 図-4 荷重沈下曲線(Case1,Case2). する水平力が起因したためと考えられる.水位差 120mm で は,Case1 は 31kN/m2,Case2 は 36kN/m2 の載荷圧で捨石マ. 60. 2. ウンドが崩壊した.水位差 145mm では,Case1 は 16kN/m ,. 50. Case2. 2. Case2 は 27kN/m の載荷圧で捨石マウンドが崩壊した.これ. 極限支持力(kN/m ). 2. は,載荷により模型防波堤の沈下が進行し,水位差が捨石 マウンドにおよぼす浸透力が卓越したためと考えられる. しかし,Case2 の方が,同じ載荷圧に対して沈下量は小さな. 40. 30. Case1 20. 値となり,捨石マウンドの崩壊が発生する際の載荷圧は大. 10. きな値となった.これは,蛇籠の有効上載圧による捨石マ. 0. ウンドの支持力の増加ならびに 3.1 節で説明した,動水距離. 20. 40. 60. 80 100 水位差Dh. 120. 140. 160. 図-5 極限支持力(Case1,Case2). の増加により捨石マウンド内に発生する浸透力が減少した ためであると考えられる. 4. まとめ 1). 無対策の防波堤では,水位差 145mm(実スケール 14.5m)においてパイピング現象が発生し,捨石マウンドが崩 壊した.これは,模型防波堤直下と港内側のマウンド天端で動水勾配が大きな値となり,鉛直上向きの浸透力 が大きくなったためである.. 2). 港内側の捨石マウンド上に蛇籠を設置した場合,水位差 145mm(実スケール 14.5m)において捨石マウンドは崩 壊しなかった.これは,蛇籠により動水距離が長くなり,動水勾配および透水力が減少したためである.. 3). 津波による水位差が大きくなるにつれて,捨石マウンドの支持力は約 50%低減した.しかし,捨石マウンド 上に蛇籠を設置したことにより,同じ水位差に対するマウンド支持力は 8.3%~41%大きくなった.. <参考文献>1). 有川太郎ら:釜石湾口防波堤の津波による被災メカニズムの検討―水理特性を中心とした第一報―,港湾空港. 技術研究所資料,No.1251,pp.43-46,2012.3.. 2) 大矢陽介ら:防波堤基礎地盤の地震時変形特性に関する 1g 場模型振動実験. と有効応力解析,港湾空港技術研究所資料,No.1227,pp.4-6,2011.3.. 3). 宮田正史ら:ケーソン式防波堤の大変形破壊に伴. う作用波力の変化に関する実験的研究,土木学会論文集 B2(海岸工学),Vol.B2-65,No.1,pp.881-885,2009.. ‑500‑.

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