12 リートと言った原材料に比べて貧弱な状況にあります とは言え 環境への優しさを評価するツールにはどの様なものが使われているか それを用いた木質材料や建築物の評価結果はどの様になっているかを二回に分けて概説します 初回は評価ツールの紹介です LCAの計算を好き勝手に行ってしまうと 結果の相互比較が

全文

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2018 8

環境への優しさとは

  環境への優しさを定量評価︵見える化︶するにはどうすれ ばよいでしょうか?その答えはライフサイクルアセスメント ︵LCA:

Life Cycle Assessment

︶というツールの活用です。   昨今の地球環境の悪化は、火山噴火や地震と言った自然起 源と産業や日常生活と言った人為起源によりもたらされてい ます。前者は人間が制御することはほぼ不可能なので、後者 の制御により環境悪化を食い止めなければなりません。そこ で、人の社会活動において何処をどの様に改善すれば良いか を見える化するために開発されたのがLCAです。   LCAは製品︵主に最終製品︶やサービスの資源調達から 製 造、 使 用、 リ サ イ ク ル、 廃 棄 ま で の ラ イ フ サ イ ク ル ︵ 一 生 ︶ において、投入した資源量やエネルギー量、環境に与えた負 荷量を求め、それらの負荷物質が様々な環境に与える影響を 科学的な根拠を基に総合的に評価する手法です。LCAは、 完成したツールではなく、未だに発展途上の評価手法で、今 のところ資源消費や地球温暖化、オゾン層破壊など一五の影 響領域が評価できるに過ぎません。   環境に優しいとされている木材利用を推進するには、性能 や価格のみならず環境優位性も科学的に示すことが必要です が、この情報はエネルギーや鋼、プラスチック、鉄筋コンク

特集

持続可能な社会に向けて︵

5︶

木材利用と地球環境

―環境への優しさで見る木材利用①―

はっ

  

とり

  

のぶ

  

あき

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2018 8 リートと言った原材料に比べて貧弱な状況にあります。とは 言え、環境への優しさを評価するツールにはどの様なものが 使われているか、それを用いた木質材料や建築物の評価結果 はどの様になっているかを二回に分けて概説します。初回は 評価ツールの紹介です。

ライフサイクルアセスメント︵

LCA

︶とは

  LCAの計算を好き勝手に行ってしまうと、結果の相互比 較ができませんので、評価方法の国際規格︵IS O ︶1 ︵ ︶が一九 九七年に制定され、それらの翻訳版がほぼ同時にJISに制 定され、改訂や統廃合を経て今に至っていま す ︶2 ︵ 。   LCAは、規格に則って図 1に示したように、①何のため に ど こ ま で 調 査・ 分 析 す る か を﹁ 目 的 お よ び 調 査 範 囲 の 設 定﹂ ︵ Definition of goal and scope ︶で、②製品の各工程で投 入された原材料やエネルギーの種類と量を把握し、それに原 材料やエネルギー別に整備されている原単位︵排出原単位と もいう︶を乗じて、消費資源量や環境負荷物質量を求める作 業 を﹁ イ ン ベ ン ト リ 分 析 ﹂︵ Inventory analysis ︶ で、 ③ 資 源 消費や環境負荷物質の最大一五の影響領域への負荷を求める 計 算 を﹁ 影 響 評 価 ﹂︵ Impact assessment ︶ で、 ④ 評 価 の 妥 当性の検証などを﹁結果の解釈﹂ ︵ Interpretation of results ︶ で、それぞれ行い、結果をまとめます。実際には、常にこの 流れに沿って実行してい くのではなく、図中の矢 印が双方向になっている ように、適宜振り返りな がら、設定した条件を吟 味・解釈して、進めて行 かなければなりません。 規格は原則を示している だけですので、読んだだ けではまともな評価はで きませんので、解説 書 ︶3 ︵ な どを参考にして経験を積 むことが大切です。   LCAは、図 2に示し たように、自然領域であ る地球環境の悪化を食い止めるために、制御可能な人工領域 における活動を見える化することで自然領域に負荷を与える 人為起源の環境負荷物質の効果的な削減を目指すものです。 すなわち、自然領域に存在する様々な資源を人工領域に持ち 込み、様々なエネルギーを投入して製品を製造し、その使用、 リサイクル・廃棄までの製品の生涯で様々な環境負荷物質を 自然領域に排出するわけですが、それを定量評価して、効果 図 1 LCA の手順  ︵ 2︶

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2018 8 的な環境負荷の低 減を探ろうという 手法です。この作 業は見方を変える と、自然領域と人 工領域の間の物質 移動の可視化です。   LCAの結果に もとづく提言によ り、環境悪化が軽 減されると共に枯 渇性資源の延命と い う 副 次 的 効 果 ︵ 実 は こ ち ら の 方 が重要だと思いま すが︶も現れますので、環境に敏感な国や自治体、企業など はLCAを強く意識している次第です。   LCAはフォアグランドデータと呼ばれる現場で得られる データとバックグランドデータと呼ばれる原単位の両方が揃 わないとできません。 原単位とは、 例えば、 電力を一 kW消費し た時に COや 2 NOxなどをどれだけ排出したか、また石油や天然ガ スをどれだけ消費したかが一覧表になっているデータベース のことです。最新 のLCA評価ツー ル で あ る ︶4 ︵ MiLCA2 では、大気圏や水 圏、陸域圏という 自然領域から投入 される資源が最大 で八九種類、大気 ・水圏・陸域圏と いう自然領域に排 出される物質が最 大で六五種類、人 工領域における途 中の工程への入出 力物質が副産物な ども含めて最大で 一一三種類評価で きるデータベース ID E A V er . 2 .0 と して整備されてい ます。その一例と し て 、MiLCA に 搭

表 1 MiLCA に搭載の IDEA Ver1.1.0 データベースにおける 2012 年度の日本平均電力原単位の入力量(上)と出力量(下)の抜粋 基準フロー物質 (リマインダーフロー製品)名 カテゴリ 1 カテゴリ 2 カテゴリ 3 単位 総量 一次エネルギー(水力) 資源 水圏 再生可能エネルギー MJ 3.61E-01 海水 資源 水圏 再生可能材料 ㎏ 1.97E-01 一次エネルギー(地力) 資源 陸域 再生可能エネルギー MJ 1.31E-01 天然ガス 54.6 MJ/㎏ 資源 陸域 非再生可能エネルギー ㎏ 1.06E-01 一般炭 25.7 MJ/㎏ 資源 陸域 非再生可能エネルギー ㎏ 7.44E-02 原油 44.7 MJ/㎏ 資源 陸域 非再生可能エネルギー ㎏ 4.31E-02 CO2(化石資源由来) 排出物 大気 不特定 ㎏ 5.85E-01 処理済水 排出物 水圏 不特定 ㎏ 2.31E-02 CO2(生物由来) 排出物 大気 不特定 ㎏ 6.24E-04 CH4(発生源不特定) 排出物 大気 不特定 ㎏ 2.31E-04 汚泥(埋立) 排出物 陸域 管理域内 ㎏ 2.27E-04 NOx 排出物 大気 不特定 ㎏ 2.13E-04 図 2 LCA の見える化概念

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2018 8 載 の IDEA Ver. 1.1.0 に あ る 日 本 国 内 の 一 〇 電 力 社 の 荷 重 平 均値になる電力原単位を入出力別に量の多い物から抜粋して 示すと、表 1のようになります。このデータベースでは、当 該プロセスに投入された資源かそこから出た排出物なのかの 別、それが何処から来たのかあるいは何処に行くかの別、資 源の場合はその再生可能性、排出物の場合は排出領域、が定 性的に示されていて、評価時の解釈に役立つ情報となってい ます。   様々な一次エネルギーの内、電力は供給する電力社によっ て、どの様な発電方法で得た電力かという電源構成が大きく 異なりますので、それに応じて環境負荷も異なってきます。 原単位の違いから、工場の立地による製品の環境負荷の違い も評価できます。   製品の環境への優しさを消費エネルギーだけで評価する事 例も見られますが、エネルギー源が一種類ならまだしも、水 力や火力、原子力など発電方法が多様なこと、石炭や天然ガ ス、バイオマスと言った熱源も多様であるので、信頼性のあ る環境負荷評価はできないことになります。本 藤 ︶5 ︵ は、この様 な捉え方が生まれた背景を、エネルギーのLCAという言葉 が評価指標と評価対象という両義性を持っていたためである と解説しています。

環境への優しさとその定量評価ツール

  製品の生涯における消費資源量や環境負荷物質量が求まる と、これらが地球的規模の環境や地域的規模の環境にどの様 な悪影響を及ぼすかを求める﹁影響評価﹂の作業に移ります。 これには環境負荷物質毎にどの様な影響領域にどの様な影響 を及ぼすか、科学論文などの根拠データに基づいて決定した 影響度の係数︵特性化係数︶を乗じて、求めます。 我 が 国 の 代 表 的 な 環 境 影 響 評 価 手 法 で あ る LIME 2 で ︶6 ︵ は、 図 3に示した概念図のように、それぞれの領域に影響する物 質の消費あるいは排出量が得られると、都市域大気汚染、室 内空気質汚染、有害化学物質、騒音、オゾン層破壊、地球温 暖化、光化学オキシダント、生態毒性、酸性化、富栄養化、 廃棄物、土地利用、鉱物資源消費、化石燃料消費、森林資源 消費という最大一五の影響が評価できます︵運命分析/暴露 評 価 ︶。 た だ、 森 林 資 源 消 費 へ の 影 響 に つ い て は 工 業 統 計 や 産業連関表に基づく環境負荷の配分を行って求めているよう ですので、針葉樹と広葉樹別や樹種別の評価はできていませ ん。林野庁・環境省の補助事業による木材利用推進・省エネ 省 CO実証業務で、スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツについ 2 て、県別の生産量を踏まえた土場まで搬出された丸太の日本 平均の環境影響評 価 ︶7 ︵ が行われたので、データベースへの反映 が望まれるところです。

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2018 8

環境影響評価の統合化と

   

フルコスト評価︵

FCA

︶とは

  影響領域毎に環境負荷量が得られたとは言え、物によって は地球温暖化への影響は小さいが都市域大気汚染への影響が 大きかったり、その逆の傾向を示したりするトレードオフの 関係を持つ製品が多々出てきます。最大一五の影響領域の環 境負荷量は、異なる環境量なので、単純に合算することはで きず、総合的に見て環境に優しい製品がどれかを知ることは 困難です。   そこで、図 3の影響評価ステージ以降の相互関係を、高度 な統計学や環境経済学などを駆使して、サンプリングにより 日本人全体の環境への優しさに対する意思をまとめ上げるプ ロジェクトが経済産業省の補助事業により実施されました。 その手順は、①環境負荷物資別に当該物質がどの影響領域に 影響するのか、その結果どの様な被害がどの程度発生するの か︵ 被 害 評 価 ︶、 ② 発 生 し た 様 々 な 被 害 を 人 間 健 康 と 社 会 資 産という保護対象で構成される人間社会と、生物多様性と一 次生産という保護対象で構成される生態系に大別するとどち ら に ど の 程 度 影 響 す る の か︵ 影 響 評 価 ︶、 ③ 四 通 り の 保 護 対 象をどの重み付けで一つにまとめられるのか︵統合化︶とい うステージ毎に係数を決めていく作業でした。そして、資源 図 3 LIME 2 の概念図と評価対象の範囲  ︵ 6︶

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2018 8 や環境負荷物質別に決められた係数に消費量や排出量を乗じ るだけで、一つの数値にまとめられる係数リストが完成しま し た ︶6︵ 。求められる単一指標と呼ばれる数値は、単位のない無 名数ですが、日本円で表される係数も整備されました。この 係数を用いると、環境への負 荷量を貨幣価値で示すことが できますが、誰もその額を支 払いませんので、この負荷量 は潜在被害額とも呼ばれます。 環境負荷量が日本円で表され るようになったことから、図 4のフルコスト分析︵FCA : Full Cost Assessment ︶が 可能になりました。   FCAとは、対象製品の生 涯において何らかの形で発生 する支払い額の総和である内 部コストに当該商品の生涯で 発生する潜在被害額である外 部コストを加えた全コストの ことで、内部コストが少々大 きくなっても、外部コストの 低下で、両コストの総和であるFCAが小さくなれば、環境 に優しい製品になるという概念です。ただ、内部コストが増 えると、製品の値上げになること、これまでの経験では潜在 被害額が内部コストに比べて一割前後と大きくないことから、 F C A 分 析 に よ っ て 製 品 が よ り 環 境 に 優 し く 生 ま れ 変 わ る ケースはまれです。この概念とは別に、内部コストだけで製 品の生涯における総経費負担を軽減できるか否かを分析する 手法がありますが、それはライフサイクルコスティング︵L CC:

Life Cycle Costing

︶と呼ばれています。

カーボンフットプリント︵

CF

︶とは

  LCAではインベントリデータが揃えば最大一五の影響領 域が分析できますが、被害評価結果の中で最も大きい環境影 響領域は地球温暖化になります。そこで、これに特化してそ の程度を製品に表示し、温暖化防止を進めて行くための製品 選択に役立てようという制度が英国政府と政府が設立した企 業により二〇〇八年の規格制定を踏まえて始まりました。最 新のCFP規 格 ︶8 ︵ は英国規格協会から入手可能です。冒頭でC F と 説 明 し ま し た が、 製 品 の C F を 扱 う こ と か ら、 C F P ︵ Carbon Footprint of Products ︶も使われています。CFP は、購入者や使用者がCFP情報を参考に、その多い製品よ り少ない製品を選ぶ行動を取ると、温室効果ガス︵GHG: 図 4 フルコスト分析(FCA)の概念

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2018 8 Greenhouse Gas ︶ の 排 出 量 が 両 者 の 差 だ け 少 な く な る の で、 その行動を日常的に促すことで地球温暖化防止を進めようと いう制度です。GHGとは京都議定書で規定された当面六種 類又は分類のガスのことで、寿命が異なることから温室効果 へ の 寄 与 度 が 期 間 に よ っ て も 大 き く 異 な り ま す。 I P C C ︵ 国 連 気 候 変 動 に 関 す る 政 府 間 パ ネ ル、 Intergovernmental Panel on Climate Change ︶ で は、 二 〇 年、 一 〇 〇 年、 五 〇 〇 年 と 異 な る 評 価 時 間 で 見 た 影 響 度 を、 温 暖 化 係 数︵ G W P: Global Warming Potential ︶ と し て 発 表 し て い ま す が、 一般には一〇〇年値が使われています。   CFPはISO 1 4 0 6 7で規定されており、LCAの手 法で求めることとなっていますが、当該製品の各工程での計 算 方 法 な ど 詳 細 は 規 定 さ れ て い ま せ ん の で、 計 算 す る 者 に よって大きな差が出てきます。これでは、どちらの製品を買 えばよいか判断できませんし、恣意的に誘導されると判断を 誤りますので、CFPを求めるにはその計算ルールであるP C R︵ Products Category Rule ︶ を、 ま ず は 審 査・ 認 証 機 関 に認めてもらう必要があります。PCRが認定されれば、そ れに従って対象製品のCFPを求め、審査を経て問題ないと のお墨付きがもらえれば、当該製品に初めて図 5の様な表示 ができる制度です。PCRやCFPの審査は公正な第三者機 関が行わなければ信頼性が担保されませんので、経済産業省 のCFP試行事業で制度が 確立された現在、産業環境 管理協会がその業務を担っ ていま す ︶9︵ 。CFP表示をし てみたいと思われる場合に は、まずはサイトを見られ ることをお薦めします。   CFPの審査に合格しま す と、 当 該 製 品 の 生 涯 に 渡って排出するGHGの量 を COに換算した値を図 2 5の ②の場所に記入し、表示す ることになります。それ以 外に、従ったPCRの番号 などの情報を③の場所に記 載します。製品に木材が含 まれている場合には、木材 中のCを貯蔵炭素量として 追加表示することが認められており、吸収した CO量で表示す 2 ることもできます。

環境フットプリント︵

EF

︶とは

図 5 CFP の表記様式  ︵ 9︶

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2018 8   LCAでは、繰り返しになりますが、データが揃えば、最 大一五の影響領域における環境負荷が評価できますが、その うち寄与度の高い地球温暖化のみを対象として、それを少し でも防ぐ消費者行動を取らせる目的でCFPが考案・実施さ れています。一方で、地球温暖化以外の環境影響は無視して 良いのかという意見が当初からありますし、著者もそう思い ます。様々な影響領域への環境負荷量を、図 3のように、統 合化という操作で一つにまとめることは、IS O ︶1 ︵ やJI S ︶2 ︵ 規 格では、不確実性が高いことから、LCA実施の必須要素で はなく、任意の要素として位置付けられています。例えば、 オランダとアルゼンチンでは、地球温暖化による海面上昇と オゾン層破壊による皮膚癌発生とでどちらが身に迫ってくる 環境問題かは異なるでしょうし、相容れないことでもありま すので、任意要素に位置付けられるのは当然でしょう。しか し、どちらの製品が環境に優しいかを一つの指標で表せない 限り、様々な環境負荷には、あちらを立てればこちらが立た ずというトレードオフの関係が大なり小なり存在するので、 いつまで経っても消費者は買うべき製品が選べません。   そこで、不確実性が上がることを承知で、統合化によって 求められる環境負荷物質による影響量を一つの数値にまとめ て示し、環境に優しい製品を選択してもらうべきとの主張が 登場し、 EUの欧州委員会 ︵EC: European Commission ︶ で 二 〇 一 一 年 に 環 境 フ ッ ト プ リ ン ト︵ E F: Environmental Foot pr in t ︶ の 検 討 が 始 ま り ま し た 。 こ こ で も 、 製 品 の E F を 示す場合には、 PEF ︵

Product Environmental Footprint

︶ という表記が使われます。   EFで扱われる影響領域は一四あって、その中にLCAで は資源として扱われていなかった水資源の消費が含まれてい ます。ECは、世界中からPEF評価を希望する企業に自社 の製品を持ち込ませて、試験的に評価するロードテストを実 施しました。それらの結果を踏まえて、EUとして自主的な 制度と義務的な制度に分ける検討が行われており、PEFの 活用法が間もなく固まるものと思われます。農林水産物をE Uに輸出する場合には否が応でも検討しなければならない事 項になると思われますので、そのガイダン ス ︶₁₀ ︵ のチェックをお 薦めします。

次号に向けて

  ここまで環境への優しさを定量評価するツールを可能な限 りかみ砕いて概説してきました。全てのツールは、環境への 意 識 が 高 い イ ギ リ ス、 オ ラ ン ダ、 ス イ ス、 ス ウ ェ ー デ ン と いった国々で開発・発信されてきたものです。製品へのその 様な評価結果を表示させる強制的な動きもあるなかで、我々 もグローバル社会の一員として否が応でも対応せざるを得ま

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2018 8 せん。筆者が関わっているほぼ全ての技術開発事業でもLC A評価が求められていることもその現れでしょう。   これらのツールを使いこなすには、ISOやJISという 規格はあるものの、製品プロセスにおいて、一つの負荷が他 のプロセスでも計上されるというダブルカウントが生じてい ないか?得られた環境負荷量に対象製品以外の製品に由来す る負荷量が紛れていないか?など、様々なチェックをしなけ れば、信頼性の高い計算はできません。この様な問題を可能 な限り排除するには経験が必要です。   次号では、筆者等が実施してきたLCA結果の中から丸太 や木材製品に関連する事例を用いて木材利用の環境への優し さがどの程度であるかを述べたいと思います。 ︵ 1︶ ISO 14040 : 2006 : Environmental management │ Life cycle assessment │

Principles and framework

︵ 2︶ JIS Q 14040:2010 ︵ ISO 14040 : 2006 ︶ 環 境 マ ネ ジ メ ン ト │ ラ イ フ サ イ ク ル ア セ ス メ ン ト │ 原 則 及 び 枠 組 み Environmental m anagement │ Lif e cycle ass essment │ Princip les a nd framework ︵ 3︶ 伊 坪 徳 宏、 田 原 聖 隆、 成 田 暢 彦︵ 二 〇 〇 七 年 ︶﹃ L C A 概 論﹄ 、産業環境管理協会 ︵ 4︶LCAソフトウエア MiLCA 2 、産業環境管理協会 ︵ 5︶ 本 藤 裕 樹︵ 二 〇 一 八 ︶ エ ネ ル ギ ー の L C A 過 去 か ら 将 来 に 向けて、 ﹃日本LCA学会誌﹄一三︵四︶ 、二九〇│二九七 ︵ 6︶伊坪徳宏、稲葉敦︵二〇一〇年︶ ﹃LIME 2意思決定を支 援する環境影響評価手法﹄CD - ROM付き、産業環境管理協会 ︵ 7︶ K. Nakano, N. Shibahara, T. Nakai, K. Shintani, H. Komata, M. Iwaoka, N. Hattori* : Greenhouse gas emissions from round w oo d pr od uc tio n in J ap an , J ou rn al of C lea ne r Pr od uc tio n, 17 0, 1654︲1664 (2017) ︵ 8︶  PAS 2050 : 20 11 , S pe cifica tio n f or the a ss essmen t o f t he li fe

cycle greenhouse gas emissions of goods and services

︵ 9︶ カ ー ボ ン フ ッ ト プ リ ン ト コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン プ ロ グ ラ ム の ウェブサイト: https://www.cfp-japan.jp/ ︵ 10︶ L C A 日 本 フ ォ ー ラ ム: E U 製 品 環 境 フ ッ ト プ リ ン ト︵ P EF︶実施ガイダンス、 URL http://lca-forum.org/footprint/ ︵東京農工大学名誉教授︶

表 1 MiLCA に搭載の IDEA Ver1.1.0 データベースにおける 2012 年度の日本平均電力原単位の入力量(上)と出力量(下)の抜粋 基準フロー物質 (リマインダーフロー製品)名 カテゴリ 1 カテゴリ 2 カテゴリ 3 単位 総量 一次エネルギー(水力) 資源 水圏 再生可能エネルギー MJ 3.61E-01 海水 資源 水圏 再生可能材料 ㎏ 1.97E-01 一次エネルギー(地力) 資源 陸域 再生可能エネルギー MJ 1.31E-01 天然ガス 54.6 MJ/㎏ 資源 陸域 非再生

表 1

MiLCA に搭載の IDEA Ver1.1.0 データベースにおける 2012 年度の日本平均電力原単位の入力量(上)と出力量(下)の抜粋 基準フロー物質 (リマインダーフロー製品)名 カテゴリ 1 カテゴリ 2 カテゴリ 3 単位 総量 一次エネルギー(水力) 資源 水圏 再生可能エネルギー MJ 3.61E-01 海水 資源 水圏 再生可能材料 ㎏ 1.97E-01 一次エネルギー(地力) 資源 陸域 再生可能エネルギー MJ 1.31E-01 天然ガス 54.6 MJ/㎏ 資源 陸域 非再生 p.3
図 4 フルコスト分析(FCA)の概念

図 4

フルコスト分析(FCA)の概念 p.6

参照

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