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大学キャンパスの空調エネルギー供給計画に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)大学キャンパスの空調エネルギー供給計画に関する研究. 1.はじめに 35200. 九州大学は現在、福岡市郊外へのキャンパス移転計画が. 12600. 推進されている。新キャンパス計画においては、環境と共. 12600 10000. 東. 生する未来型キャンパスの創造を基本構想の一つとして おり、環境負荷の緩和が重要なテーマとなっている。本研. 実験室. 講義室 14400. 究の目的は、この移転計画を契機とし、大学における環境. 実験室. 事務室. 講義室. 講義室. 14400. 14400. 14400 43200. 啓臣. 講義室 14400 43200. 14400. [mm]. :空調のゾーニング. 変化や、熱源負荷変動に対応可能な空調エネルギー供給シ ステムについて検討するものである。本論文では、九州大 35200. 学新キャンパス計画において現段階で計画されているプ. 実験室. 散型方式(以下個別式)の空調用エネルギー源別(電気式 とガス式)に関するシミュレーションを行い、大学施設の. 実験室. 実験室. 研究室. 12600. ラン・仕様を基に、中央供給方式(以下中央式)と個別分. 12600 10000. (a)1 階平面図(事務室・講義室). 研究室 教官室. 教官室. 720072007200720072007200 10800. 空調用エネルギー消費量及びランニングコストの比較、各. 10800 720072007200720072007200. 54000. 54000. [mm]. :空調のゾーニング. 省エネ手法の導入効果について検討を行った。. (b)基準階平面図(研究室・実験室). 2.計算条件. 図-1. 2.1.建物モデル概要. 建物モデル平面図 表-1 検討ケース. 建物モデルは、現在建設中である工学系地区の研究教育 棟のプラン 1)を基に作成したもので、延床面積約 4 万㎡、. 熱源. 9 階建て RC 造である。図-1 は建物モデル平面図で低層階 には主に教育施設を、3 階以上の高層階には主に研究施設 を配置している。. CASE1. 台数. CASE2. 台数. CASE3. 台数. CASE4. 台数. CASE5. 台数. CASE6. 台数. CASE7. 台数. 2.2.計算条件 空調は夏季(4 月∼10 月)を冷房運転、冬季(11 月∼3 月)を暖房運転とする。室設定温度は夏季 26℃、冬季 22℃ とし、空調日の空調運転時間帯は在室時間帯とする。室の 用途ごとに在室人数、照明発熱、機器発熱のスケジュール 設定、長期休暇の設定を詳細に行っている。 2.3.検討ケース 表-1 に検討する計算ケースを示す。CASE1∼CASE8 は中央供給方式の電気式、CASE9 を中央式のガス式、 CASE10 と CASE11 はそれぞれ個別分散型方式の電気式、. CASE8 CASE9. ガス式とした。 3.シミュレーション(中央式) 3.1.ゾーニングと機器仕様 ゾーニングは室方位や空調時間帯、室内発熱特性に応じ. 1 次ポンプ 2 次ポンプ ファン 定流量 ・台数 定流量 ・台数 定流量 ・台数 定流量 ・台数 定流量 ・台数 定流量 ・台数 定流量 ・台数. 台数・. 台数・. INV. INV. 台数・. 定流量. ガス式. ・台数. 全熱. 外気. 交換器 冷房. 定流量. 定風量. 無し. 無し. 二方弁. 定風量. 無し. 無し. INV. 定風量. 無し. 無し. INV. ダンパ. 無し. 無し. INV. INV. 無し. 無し. INV. INV. 有り. 無し. INV. INV. 有り. 有り. INV. INV. 有り. 有り. INV. INV. 有り. 有り. CASE10. 個別式・電気式. CASE11. 個別式・ガス式 ※INV:インバータ制御. て各フロアを 4 つのゾーン、計 36 ゾーンに分け(図-1 参 照) 、各ゾーンに空調機を 1 台設置する。各ゾーンの空調. 負荷 2)が同じ値であるのでまとめて表記した(ZONE9∼. 機器仕様を表-2 に示す。3 階から 8 階までは基準階で最大. ZONE12) 。また熱源機器、ポンプの仕様を表-3 に示す。. 34-1.

(2) 表-2 空調機器仕様(中央式). CASE9. 3.2.計算方法 シミュレーションで用いた建物熱負荷モデルは、. ファン. 冷水コイル性能 ゾーン名. 3). HASP/ACLD/8501 より算出される蓄熱応答係数と仮想冷. 動力. [kW]. [l/min]. [kW]. 96.0. 275. 5.5. 講義室. 9720. 96.0. 275. 5.5. 講義室. ZONE3. 13200. 92.6. 266. 5.5. 実験室. ZONE4. 10550. 72.8. 209. 5.5. 事務室. ZONE5. 9720. 96.0. 275. 5.5. 講義室. 3. [m /h] ZONE1. 9720. を求めるものである。空調システムを構成するサブシステ. ZONE2. ムモデルを別途作成し、モデル間で熱的な情報を受け渡す. 房負荷等を計算入力として、室の熱収支により室内温湿度. ことにより、建物と空調システムを含んだトータルなエネ ルギーシミュレーションを行っている。計算時間間隔は. 室の用途. 水量. 冷房能力. 風量. ZONE6. 9720. 96.0. 275. 5.5. 講義室. 10 分で、発熱による機器の温度上昇や配管での熱損失は. ZONE7. 13200. 92.6. 266. 5.5. 実験室. 考慮していない。また外気導入量はゾーンの人員密度最大. ZONE8. 10550. 72.8. 209. 5.5. 事務室. ZONE9. 5110. 36.1. 104. 2.2. 教官室. ZONE10. 5110. 36.1. 104. 2.2. 教官室. べて一定で供給されるとした。図-2 に電気式の空調シス. ZONE11. 19150. 132.0. 379. 7.5. 研究室. テム図を示す。往ヘッダーと環ヘッダーの間にはバイパス. ZONE12. 21950. 150.1. 431. 11.0. 研究室. ZONE13. 6640. 47.3. 136. 3.7. 教官室. 時の必要新鮮外気導入量(25m3/人・h)が空調時間帯す. があり、1 次ポンプと 2 次ポンプの流量が異なる際に余っ た冷温水がバイパスを通過する。熱源は冷水入口温度によ り台数を制御する。1 次ポンプの台数は熱源台数に合わせ て台数を増減させるが、熱源機器停止時も冷水を循環させ. ZONE14. 6640. 47.3. 136. 3.7. 教官室. ZONE15. 22750. 150.1. 431. 11.0. 研究室. ZONE16. 25650. 185.7. 533. 15.0. 研究室. *ZONE は 1 階(ZONE1~4) 、2 階(ZONE5~8) 、基準階(ZONE9~12) 、最上階(ZONE13~16). るため、空調機稼働時間ならば 1 台は稼動するものとする。. 表-3 熱源機器・ポンプ仕様(中央式). CASE1 は定流量・定風量運転である。従って 2 次側で. 仕様. の温度制御が空調機流量、風量が定格での on/off の切り替 えのみとなるため正確に行うことができない。CASE2、. 熱源 機器. CASE3 は 2 次ポンプを変流量運転とし、室の負荷に追従 してポンプ流量を変化させるため設定温度付近で室温が. 1次 ポンプ. 制御可能となる。CASE4 以降は変流量・変風量運転で、 まず当該時刻直前の室温と空調機からの給気温度により、. 2次 ポンプ. 当該時刻の給気温度が設定給気温度となるよう風量を変 化させる。設定給気温度は夏季 18℃、冬季 32℃である。. 冷却水 ポンプ. ただし必要新鮮外気導入の保障として、風量を必要新鮮外 気導入量以下とはならないように設定している。決定され. 冷媒 ポンプ 溶液 ポンプ. た風量と、コイルモデルを通しての熱収支により室温が設 定温度を満たすよう空調機流量を変化させる。CASE6 は. 冷却塔. CASE5 に全熱交換器を設置した場合の検討で、全熱交換. 能力[kW] 入力 吐出し量 入力 揚程/段数 吐出し量 入力 揚程/段数 吐出し量 入力 揚程段数. (電気式)空冷式 スクリューチラ―. (ガス式)ガス直焚 吸収冷温水機. 冷房 暖房 600×6 台 560×6 台 203×6 174×6 [kW] [kW] 2.0[m3/min] 30[kW]×6 台 60.8[m]/ 2 段 1.6[m3/min] 75[kW]×6 台 104[m]/ 2 段. 暖房 冷房 738×5 台 665×5 台 60.2×5 50.3×5 [ Nm3] [ Nm3] 2.8[m3/min] 45[kW]×5 台 60.8[m]/ 2 段 1.6[m3/min] 75[kW]×6 台 104[m]/ 2 段 3.15[m3/min] 55[kW]×5 台 67.5[m]/ 2 段. ―. 入力. 0.3[kW]. 入力. 2.2+0.75[kW]. 処理容量 ファン. ―. 569[m3/h]×2 台 5.5[kW]×4 台. 器を通して余分な熱の流入を防ぐため、夏季冷房時は外気 ZONE36  9階北東空気調和機 ZONE35 9階北西空気調和機 ZONE34  9階南東空気調和機 ZONE33 9階南西空気調和機  ZONE32 8階北東空気調和機. 温度が室温より低い場合、冬季暖房時は高い場合に全熱交 換器は通さないものとして計算している。CASE7 は. ・ ・ ・ ・. CASE6 に外気冷房を導入したもので、冷房期間に室温よ りも外気が低い場合に外気によって室内負荷を除去する ものである。計算では 4 月、5 月、10 月の冷房期間で、外 気温度が空調機設定吹出温度である 18℃より低い場合に. ZONE5 ZONE4 ZONE3 ZONE2 ZONE1. 冷温水 2次ポンプ PCH-4. 外気をコイルに通さずそのまま室に供給し、外気温度が室. 2階南西空気調和機 1階北東空気調和機 1階北西空気調和機 1階南東空気調和機  1階南西空気調和機. 往ヘッダー. 環ヘッダー. 温より低く 18℃より高い場合には外気を室からの環気と バイパス. は混合せずにコイルを通すものとした。CASE8 は熱源に インバータ制御を導入したもので、1 次ポンプも同様にイ. R-1. ンバータ制御とする。今回の検討では効率的な部分負荷効. 熱源機器. 率を得ている冷房期間にのみインバータ制御を用いた。. 図-2 空調システム図(中央式・電気式). 34-2. 冷温水1次ポンプ PCH-1.

(3) 表-4 空調機器仕様(個別式)[kW]. CASE9 は熱源にガス式を用いたもので夏季は冷却塔を用. 発熱による機器の温度上昇や配管での熱損失は考慮して. 冷房 暖房 入力 入力 0.188 0.20 室内機 3 台 電気式 19.0 20.1 室外機 1 台 講義室 0.29 0.29 室内機 3 台 ゾーン ガス式 室外機 1 台 46.7 45.4 (1.75) (1.32) 9.0 10.0 0.101 0.083 室内機 6 台 電気式 事務室 56.0 63.0 19.0 20.1 室外機 1 台 実験室 9.0 10.6 0.20 0.20 室内機 6 台 ゾーン ガス式 室外機 1 台 56.0 67.0 46.7 45.4 (1.75) (1.32) 2.8 3.2 0.046 0.032 室内機 15 台 電気式 45.0 50.0 14.6 16.0 室外機 1 台 教官室 2.8 3.4 0.08 0.08 室内機 15 台 ゾーン ガス式 室外機 1 台 45.0 53.0 37.2 36.2 (1.30) (1.32) 14.0 16.0 0.132 0.138 室内機 4 台 電気式 56.0 63.0 19.0 20.1 室外機 1 台 研究室 14.0 17.0 0.29 0.29 室内機 4 台 ゾーン ガス式 室外機 1 台 56.0 67.0 46.7 45.4 (1.75) (1.32) 11.2 12.5 0.096 0.103 室内機 5 台 電気式 56.0 63.0 19.0 20.1 室外機 1 台 実験室 11.2 13.2 0.20 0.20 室内機 5 台 ガス式 室外機 1 台 56.0 67.0 46.7 45.4 (1.75) (1.32) 11.2 12.5 0.096 0.103 室内機 4 台 電気式 45.0 50.0 14.6 16.0 室外機 1 台 実験室 11.2 13.2 0.20 0.20 室内機 4 台 ゾーン ガス式 室外機 1 台 45.0 53.0 37.2 36.2 (1.30) (1.32) 注) 室内機の入力はファンの消費電力によるもの。また、ガス式の室 外機における入力の( )内数値は、室外機で消費される電力を示す。. いない。. 省エネとなっている。またファンの 1 次エネルギー消費量. 5.シミュレーション結果. を見ると大きく削減されているのが分かる。特に中間期等. いる。結果では 1 次側のガス消費量以外のエネルギー消費. ゾーン. 量(冷却塔ファン、冷却水ポンプ、冷媒ポンプ、溶液ポン プ)については「その他」としてまとめて表記する。 4.シミュレーション(個別式) 4.1.ゾーニングと機器仕様 個別式では各室内機で起動・停止が可能であり、一般的 に室用途(使用時間帯)にあわせて細かくゾーニングを行 うことが有効である。従って各フロアを室用途ごとに機器 容量に合わせてゾーニングし、1 階から 9 階までを計 65 ゾーンに分けた。室内機を各室に設置し、1 台の室外機と 数台の室内機で 1 ゾーンを空調する。表-4 に空調機器仕 様を示す。 4.2.計算方法 個別式では、冷温水が循環する空調システムと異なり、 冷媒が室内機まで搬送され、室内機の冷暖房コイルにて吸 込空気と熱交換される。ここでは個別式のモデル化を室外 機と室内機が統合した 1 つのシステムとして考える。シス テム全体の能力は、室外機能力と室内機合計能力を比較し て、その小さい方の能力値によって決定されるが、今回の モデル化では、室外機能力よりも室内機合計能力が小さい 場合を想定する。 中央式と同様、 計算時間間隔は 10 分で、. 表-5 に 1 次エネルギー消費量比較を示す。電力の 1 次. 設置台数. 冷却 能力 16.0 56.0 16.0 56.0. 暖房 能力 18.0 63.0 19.0 67.0. には大半が外気導入のためのファン動力のみとなり、部分. 換算には昼間 10.25MJ/kWh、夜間 9.62 MJ/kWh を、ガスの 3. 方式. 負荷運転が多くなるために大きな省エネ効果が得られる。. 3. 1 次換算には 46.046MJ/Nm (流量係数 0.0782 Nm /kWh). CASE6 は全熱交換器を導入することにより外気導入によ. を使用した。CASE2 は CASE1 から変流量運転となるこ. る空調負荷を大きく削減することができ、それがそのまま. とで負荷に追従した運転が可能となり、室温を設定温度一. 大きな省エネ効果に結びつく。特に室温と外気との温度差. 定に保つことができる。さらに CASE1 にくらべ空調負荷. が大きい冬季において空調負荷の削減効果が大きく現れ. が小さくなることで省エネともなる。CASE1 では設定温. る。さらに用途別で見ると講義室等の外気導入量の大きな. 度を実現するためには on/off 制御しかなく、また定格流量、. 室でその効果が大きい。また機器別にみると熱源でのエネ. 定格風量で負荷を除去するため過度に加熱・冷却するため. ルギー消費を大きく削減することができる。全熱交換器に. である。CASE3 は CASE2 のポンプ二方弁制御をインバ. おける 1 次エネルギー消費量は他に比べ非常に小さいた. ータ制御としたものであるが、ここで大きな省エネ効果が. め、その導入効果が顕著に現れる。CASE7 は外気冷房を. 生まれている。大学キャンパスは大規模施設であるため、. 設定した 4 月、5 月、10 月において 1 次エネルギー消費量. 搬送動力に投入するエネルギー割合が非常に大きくなる。. が合計で 46%減少したが、これらの月の全体に占める割. 従ってポンプ、ファン等にこうした搬送系の省エネ手法を. 合がもともと少ないために年間を通じては 5%の削減に. 導入することで大きな省エネ効果を得ることができる。. とどまった。建物位置が福岡であり、外気冷房時間が少な. CASE4 では熱源での 1 次エネルギー消費量が冬季におい. いことが要因である。CASE8 は熱源・1 次ポンプにイン. て若干減少するが、夏季においては増加する。これは. バータを導入した夏季冷房時において熱源とポンプでの. CASE3 に比べて給気温度が低いため、除湿量が大きくな. 省エネ効果がみられた。しかしもともと台数制御により負. るためである。しかしシステム全体の 1 次エネルギー消費. 荷に追従するように熱源・1 次ポンプを制御していたため、. 量をみると、ファンでの省エネ効果が大きいため全体でも. インバータ制御の導入効果の大きい部分負荷運転となる. 34-3.

(4) ような制御ができず、その導入効果は期待されたよりも小. 最後に、本章で得た結果はすべての省エネ手法を網羅し. さいものとなった。CASE8 と CASE9 は熱源のエネルギ. ているわけではなく、幅広い空調システムの 1 つ傾向を表. ー源に電気とガスを用いた場合の比較であるが、 「その他」. すものである。. 以外の 1 次エネルギー消費量はほぼ同値となる。今回の検. 表-5 1次エネルギー消費量比較[GJ]. 討では冷却塔におけるエネルギー消費が加算される分、電 1次. ポンプ 2次. 10529. 2052. 14439 16491 10321. 37341. CASE2. 7930. 2082. 11757. 13839 10321. 32090. CASE3. 7930. 2082. 2476. 4558. 10321. 22810. CASE4. 8085. 2059. 2417. 4476. 6675. 19236. CASE5. 8085. 2059. 2417. 4476. 2623. 15184. れられており、部分負荷効率がガス式に比べて極めて高い. CASE6. 5950. 1751. 2248. 3999. 2708. 92. 12479. ためである。また、ガス式では別途に冷媒搬送のためのポ. CASE7. 5628. 1635. 2078. 3716. 2641. 92. 12075. ンプのエネルギー消費もあるためである。また個別式の場. CASE8. 5007. 1204. 2065. 3270. 2647. 92. 11016. 1413. 1910. 3322. 2513. 92. 14517. 気式(CASE8)が省エネとなった。CASE10 と CASE11. 検討ケース. 熱源. CASE1. では新鮮外気導入のための換気ファンはヒートポンプと 独立して設置・運用されると想定しているので、両者の換 気ファン動力は同値となる。室外機と室内機ファンの 1 次エネルギー消費量については、ガス式が電気式と比べて 室外機で約 2 倍、室内機ファンで約 4 倍となった。電気式 の場合、室外機と室内機ファンにインバータ制御が取り入. CASE9 5911 (その他) (2685). 合、中央式と比べて、全体の 1 次エネルギー消費量に占め る搬送系の割合が小さくなった。つまり、個別式では、室 外機の圧縮機における冷媒圧縮過程を利用して冷媒搬送 される場合が多く、中央式の冷温水搬送に相当するポンプ 動力が省力化されるためである。. 外気導入ファン. 合計. CASE10. 7121. 1394. 2141. 10655. CASE11. 12744. 5353. 2141. 20239. 検討 ケース. 気式が省エネとなり、ランニングコストではガス式が安価. CASE1. となった。個別式の電気式とガス式の比較では、1 次エネ ルギー消費量ではガス式が電気式の約 2 倍となったが、ラ ンニングコストではほぼ変わらない結果となった。中央式 と個別式を比較すると、中央式で最も省エネとなった CASE8 が個別式の電気式とほぼ同じ 1 次エネルギー消費 量となった。しかし、ランニングコストで見ると基本料金 の差で個別式が安価となる。基本料金は機器の合計電力消 費量で決定されるため、もともと小さい単位でゾーニング される個別式の機器選定では過大な機器が選定されない ためである。ガス式同士で比較するとエネルギー消費では 個別式が中央式の約 1.4 倍となるが、ランニングコストで. (万円/年). 3653. 2797. 4737. 7734. CASE2. 3140. 2797. 4224. 7021. CASE3. 2232. 2797. 3006. 5803. CASE4. 1964. 2797. 2658. 5455. CASE5. 1629. 2797. 2211. 5088. CASE6. 1374. 2797. 1867. 4664. CASE7. 1305. 2797. 1778. 4575. CASE8. 1203. 2797. 1636. 4432. CASE9. 1017 128576. 1499 779. 1380 582. 4241. CASE10. 1039. 1702. 1406. 3108. CASE11. 730 276779. 296 711. 981 1252. 3242. 電力料金. 中央式では省エネ手法を導入していくことで非常に大 ガス料金. きな導入効果を得ることができた。CASE1 と CASE8 の 特にポンプ、ファンにインバータ制御が導入された場合、. ランニング コスト. 従量料金. (万円/年). 電力(MWh/年) ガス(m3/年). (万円/年). 表-7 電気・ガス料金. 6.おわりに. 比較では 70%の 1 次エネルギー消費量が削減されている。. エネルギー消費量. 基本料金. は電気式と同様に基本料金の差で個別式が割安となった。. 委ねることになるため適切な運用管理が必要となる。. 合計. 室内機ファン. 電気式とガス式の比較では 1 次エネルギー消費量では電. や負荷変動に対して融通性を持つが、運転管理を利用者に. 全熱 交換器. 表-6 ランニングコスト比較. ガスの料金体系 4)5)を示す。CASE8 と CASE9、中央式の. 効果が非常に大きいことが分かった。個別式は室の使い方. ファン. 室外機. 表-6 にランニングコスト比較を、表-7 に用いた電気と. またシステムに全熱交換器が導入されたとき、その省エネ. 合計. 基本料金 従量料金 定額基本料金 流量基本料金 従量料金. 1200 円/kW 夏季(7∼9 月)14.3 円/kWh、その他季 13 円/kWh 冬季(12∼3 月)80000 円、その他季 40000 円 冬季 5377 円/m3、その他季 831 円/m3 45.27 円/m3. 【参考文献】 1) MCM 設計共同体:九州大学新キャンパス・工学地区研究教育棟基本・実 施設計,2002 年 9 月 2) 空気調和・衛生工学会空気調和設備委員会:設計用最大熱負荷計算法, (社) 空気調和・衛生工学会,1889 年 12 月 3) (社)建築設備技術者協会:空調システム標準シミュレーションプログラム HASP/ACSS/8502 プログラム解説書,1986 年 4) 九州電力株式会社:業務用電力料金単価(早収料金) ,2002 年 10 月 5) 西部ガス株式会社:空調用 A 契約,2001 年 6 月. 34-4.

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