「大阪府内関係機関における高次脳機能障害者の就労支援に関する調査」
まとめ 1.調査の目的
◯高次脳機能障害者の就労支援体制の実態調査と問題点の抽出
大阪府内の各関係機関に対し調査を行い、高次脳機能障害者の就労に関する相談件 数や内容を把握し、就労に関する課題把握及び今後の対策の検討を行う基礎資料とす る。
2.調査について
(1)調査対象と調査方法等
調査対象:大阪府内(大阪市、堺市を含む)の急性期・回復期病棟を持つ医療機関、就 労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所 計 313 か所
調査方法:調査票を郵送にて配布、回収 調査期間:平成 24 年 11 月1日〜30 日
(2)調査票の回収結果
調査種類 配布数 回収数 回収率
①医療機関 89 47 52.8%
②就労移行支援事業所 144 91 63.2%
③障害者就業・生活支援センター 18 12 66.7%
④相談支援事業所 62 30 48.4%
合計 313 180 57.5%
3.調査の留意点
○集計結果はすべて、小数点以下第 2 位を四捨五入しており、比率の合計が 100.0%にな らない場合がある。
○設問については、項目を選択する選択式のものと自由に意見を記載する記入式がある。
○選択式については、単数回答(項目から1つを選択するもの)と複数回答(項目から 複数選択できるもの)がある。
○複数回答の場合、集計の結果の比率の合計が 100.0%にならない場合がある。
○本文中の「N」は設問のサンプル数(集計対象者数)を表している。
(近畿 別添資料1)
74.0 48.8
89.3 77.8
96.2
26.0 51.2
10.7 22.2
3.8
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
全体(N=104) 医療機関(N=41) 就労移行支援事業所(N=28) 障害者就業・生活支援センター(N=9) 相談支援事業所(N=26)
いない いる
1.高次脳機能障害者の数について
(入院・通院数、登録者数、相談者数等からの結果)
○高次脳障害者の有無を各機関の全体件数(N数)に占める、回答件数(入院や在籍、
登録、相談等をしている機関件数)の割合でみると、就労支援事業所においては30.8%と なっており、他の分野の機関と比較すると割合が低くなっています。
○1機関あたりの人数でみると、医療機関では入院が20.4人(通院16.4人)、障害者就業・
生活支援センターでは登録が8.6人(相談6.0人)、相談支援事業所では相談が4.1人、就 労移行支援事業所では在籍が3.1人と、医療機関から就労支援の工程で、人数が減少し ている状況となっています。
医療機関
(N=47)
就労移行 支援事業所
(N=91)
障害者就業・生活 支援センター
(N=12)
相談支援 事業所
(N=30)
入院 通院 在籍 登録 相談 相談
①回答機関数【件】 39 30 28 12 9 26
②回答割合(①÷N)【%】 83.0 63.8 30.8 100.0 75.0 86.7
③入院者数等の計
(①の回答機関における人 数計)【人】
795 493 88 103 54 106
④1 機関あたり人数
(③÷①)【人】 20.4 16.4 3.1 8.6 6.0 4.1
2.高次脳機能障害者の復職者、就労者の有無について
○復職、就労者が「いる」割合については、医療機関で約半数となっていますが、就労移 行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所では少ない状況です。
参考設問:医療 1、就労移行支援事業所 1、就業・生活支援センター1・2、相談支援事業所 1
参考設問:医療 2、就労移行支援事業所 2、就業・生活支援センター3、相談支援事業所 2
39.8
33.1
32.2
11.0
40.7 48.9
17.0
38.3
12.8
44.7 33.3
44.4
27.8
16.7
36.1 44.4
33.3
33.3
0.0
55.6 30.8
46.2
26.9
3.8
34.6
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0
企業等の受け入れが消極的
就労準備性が低かった・就労は難しい症状だった
本人の意欲がなかった
家族の協力が得られない(家族の反対)
その他
全体(N=118) 医療機関(N=47)
就労移行支援事業所(N=36) 障害者就業・生活支援センター(N=9) 相談支援事業所(N=26)
%
3.高次脳機能障害者の復職者、就労者数について
○高次脳機能障害者で復職・就労した人数については、全体で112人となっています。そ の内訳をみると、ほとんどが医療機関(104人)となっています。
全体
(N=104)
医療機関
(N=41)
就労移行 支援事業所
(N=28)
障害者就業・生 活支援センター
(N=9)
相談支援 事業所
(N=26)
①復職・就労者が「いる」
と回答した機関数【件】 27 21 3 2 1
②回答割合(①÷N)【%】 26.0 51.2 10.7 22.2 3.8
③復職者・就労数の計
(①における人数計)【人】 112 104 2 3 3
④1 機関あたり人数
(③÷①)【人】 4.1 5.0 0.7 1.5 3.0
4.復職や就職が困難な要因について
○高次脳機能障害者の復職や就職が困難な要因については、全体では「その他(患者の 症状・状態、障害受容、周囲との関係性づくりなど)」が40.7%と最も多く、「企業等の受け 入れが消極的」が39.8%、「就労準備性が低かった・就労は難しい症状だった(相互理解、
感情抑制が難しいなど)」が33.1%、「本人の意欲がなかった」が32.2%と続いています。
参考設問:医療 2、就労移行支援事業所 2、就業・生活支援センター3、相談支援事業所 2
参考設問:医療 8、就労移行支援事業所 7、就業・生活支援センター8、相談支援事業所 7
66.7
33.3
33.3
100.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0
持っていた
申請中
不明・無回答
就労移行支援事業所(N=3)
障害者就業・生活支援センター(N=2) 相談支援事業所(N=1)
%
5.障害者手帳・高次脳機能障害医師診断書の所持について
○高次脳機能障害者のうち、障害者手帳、高次脳機能渉外医師診断書の所持について は、「持っていた」が、全体6件中、5件となっています。また、申請中は1件のみとなってい ます。
6.企業に協力できることについて
○企業に協力できることとしては、「本人についての情報、障害特性の情報の伝達に関す ること」「相談支援、相談機能に関すること」「定期訪問、企業訪問に関すること」などは、
就労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所で共通して可能 なこととなっています。
就労移行支援
事業所
障害者就業・生活
支援センター 相談支援事業所 本人についての情報、障害特性の情報
の伝達に関すること ○ ○ ○
相談支援、相談機能に関すること ○ ○ ○
就労環境整備の方法と対策等の提案に
関すること ○ ○ ―
ジョブコーチの利用・派遣に関すること ○ ○ ―
定期訪問、企業訪問に関すること ○ ○ ○
生活支援に関すること ― ○ ○
障害の理解促進に関すること ○ ○ ○
医療機関等との連携に関すること ○ ○ ○
その他 ○ ○ ○
参考設問:就労移行支援事業所 3、就業・生活支援センター4、相談支援事業所 3
参考設問:就労移行支援事業所 6、就業・生活支援センター6、相談支援事業所 6
7.紹介・連携する機関について
○日頃、紹介や連携する機関について上位7項目をみると、「⑥市町村の障害担当課」
が、医療機関、就労移行支援事業所など、すべての分野の機関で上位のランクにあがっ ています。
また、「②支援拠点機関(大阪府障がい者自立相談支援センター)」「⑩障害者就業・生 活支援センター」「⑧(①以外の)医療機関」については、医療機関を除く、他の3分野での 機関で上位となっています。
そのほか、「③支援拠点機関(大阪府立障がい者自立センター)」「④相談支援事業所」
「⑮介護保険関係事業所(ヘルパー、ケアマネ等)」「⑫ハローワーク」については、2分野 の機関で上位となっています。
【紹介・連携する機関の上位7項目】
医療機関
(N=47)
就労移行 支援事業所
(N=3)
障害者就業・生活支援 センター
(N=9)
相談支援事業所
(N=1)
1 位
③支援拠点機関(大 阪 府立 障がい 者自 立センター)51.1%
④相談支援事業所
33.3%
⑫ハローワーク88.9%
①支援拠点機関(大 阪府立急性期・総合 医療センター)
100.0%
2 位 ⑥ 市町 村の障 害担
当課 51.1% ⑥ 市町 村の障 害担
当課
33.3%
⑨ 障害 者職業 セン ター77.8%
②支援拠点機関(大 阪 府 障が い者 自立 相談支援センター)
100.0%
3 位
⑮ 介護 保険関 係事 業所(ヘルパー、ケ アマネ等)
46.8%
⑧(①)以外の医療
機関
33.3%
⑪ 就労 移行支 援事 業所77.8%
③支援拠点機関(大 阪 府 立障 がい 者自 立センター)
100.0%
4 位
②支援拠点機関(大 阪 府障 がい者 自立 相談支援センター)
36.2%
⑩障害者就業・生活 支援センター
33.3%
②支援拠点機関(大 阪 府障 がい者 自立 相談支援センター)
66.7%
⑥ 市 町村 の障 害担 当課
100.0%
5 位
⑩障害者就業・生活 支援センター
34.0%
― ⑧(①)以外の医療機関
55.6%
⑧(①)以外の医療 機関100.0%
6 位 ⑫ ハ ロ ー ワ ー ク
34.0%
― ④相談支援事業所
44.4%
⑩障害者就業・生活 支援センター
100.0%
7 位 ⑦ 市町 村の介 護保
険担当課
31.9%
― ⑥ 市町 村の障 害担 当課44.4%
⑮ 介 護保 険関 係事 業所(ヘルパー、ケ アマネ等)
100.0%
※⑧(①)以外の医療機関・・・・①は支援拠点機関(大阪府立急性期・総合医療センター)
※就労移行支援事業所は回答数が少ないため、4 位までの順位となっている。
※就労移行支援事業所、相談支援事業所は回答数が少ないため、同率の項目が多くなっている。
参考設問:医療 7、就労移行支援事業所 5、就業・生活支援センター6、相談支援事業所 5
8.高次脳機能障害者の就労支援で不足していると思う資源等、ま た、今後の高次脳機能障害者への就労支援施策についての意見
○就労支援で不足していると思う資源については、「相談窓口、相談できる場等に関する こと」「(企業の)受け入れ体制や職場の理解に関すること」「連携に関すること」「訓練機 関、就労支援関連事業所に関すること」が特に意見が多かった項目となっています。
○今後の就労支援施策については、「周知・啓発に関すること」「連携に関すること」が特 に意見が多かった項目となっています。
【就労支援で不足していると思う資源等】
医療機関 就労移行支援
事業所
障害者就業・
生活支援センター
相談支援 事業所
相談窓口、相談できる場等に関すること ◎ ○ ◎ ◎
周囲の理解に関すること ◎ ◎ ○
専門職員等の配置に関すること ◎ ○ ○
(企業の)受け入れ体制や職場の理解に関す
ること ◎ ◎ ○ ◎
連携に関すること ◎ ◎ ◎ ○
情報・知識等の習得に関すること ◎ ○
集まれる場、日中活動の場等に関すること ◎ ○ ◎
訓練機関、就労支援関連事業所に関すること ◎ ○ ◎ ◎
訓練メニューや就労プログラムに関すること ○ ○ ◎ ○
【今後の就労支援施策等】
医療機関 就労移行支援
事業所
障害者就業・
生活支援センター
相談支援 事業所
周知・啓発に関すること ◎ ◎ ◎ ○
就労支援・体制に関すること ◎ ○ ○ ◎
相談窓口に関すること ◎ ○ ○
連携に関すること ◎ ◎ ◎ ○
制度やシステムに関すること ◎ ○ ○ ○
研修の開催、研修への参加に関すること ◎ ○ ◎
職員の技能向上、学習、情報収集等に
関すること ○ ◎
訓練機関に関すること ◎ ○
障害特性に合った資源に関すること ◎
受け入れ先に関すること ○ ○ ○ ○
※上記は自由意見の主な回答を項目ごとで区分し、たまとめたもの
※◎は 2 つ以上の複数の意見が見られたもの、○は意見がみられたもの
参考設問:医療 9・10、就労移行支援事業所 9・10、就業・生活支援センター10・11、
相談支援事業所 9・10 それぞれ自由回答