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卒業生の近況報告 医療法人和楽会 心療内科・神経 科赤坂クリニック

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Academic year: 2021

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卒業生の近況報告 医療法人和楽会 心療内科・神経 科赤坂クリニック

著者 小松 智賀

雑誌名 東京家政大学附属臨床相談センター紀要

巻 10

ページ 47‑49

発行年 2010

出版者 東京家政大学附属臨床相談センター

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00010061/

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東京家政大学附属 臨床相談センター紀要 第10集

卒業生の近況報告

医療法人和楽会 心療内科・神経科赤坂クリニック

小松 智賀

 私は、平成19年3月に東京家政大学大学院を 卒業し、医療法人和楽会心療内科・神経科赤坂ク

リニックに常勤として勤務してから、3年目を迎 えます。この度、臨床相談センター紀要の卒業生 の近況報告の機会をいただけたことを契機に、大 学院を卒業してからのこれまでの臨床を振り返 り、職場の仕事内容や臨床3年目の現在の私が心 理士として考えていることや感じていることを 述べさせていただきたいと思います。

 私の勤務している心療内科・神経科赤坂クリニ ックは、うっ病と不安障害の専門クリニックであ り、入院施設はなく外来のみのクリニックになり ます。医師は、常勤医1名、非常勤医18名が勤 務しており、1日の患者数は多い時は200名を超

えることもあります。来院する患者は、うつ病、

パニック障害、社交不安障害、強迫性障害が多数 を占めています。心理士は常勤2名、非常勤4名 であり、同様の形態の系列クリニックが名古屋と 横浜にもあります。また、当院は研究機関という 側面もあり、臨床のみならず研究に関しても非常 に活発です。

 さて、次に心理士の仕事内容についてですが、

臨床と研究の両方があります。臨床については、

患者さんを対象として病気についての理解を深 めてもらうことを目的としたガイダンスや、薬物 療法に心理療法を付加して治癒率をアップする 集団認知行動療法、リラクセーション・トレー二

医療法人和楽会

心療内科・神経科赤坂クリニック

ング、個人カウンセリングなどがあります。ガイ ダンスは1回のみであり、パニック障害と社交不 安障害が対象となっています。家族同伴の参加も 可能であり、ここで病気の概要や治療経過、薬物 療法や心理療法等について担当心理士1名が概 説します。次に集団認知行動療法では、広場恐怖 の克服を対象としたものとスピーチ恐怖症を対 象としたものがあります。広場恐怖の克服を対象

としたものは全4回のセッションからなってお り、1、2回目は理論編、3、4回目は心理士と 一緒に実際に電車に乗りに行きます。スピーチ恐 怖症を対象とした集団認知行動療法は、全7回で 実際に参加メンバーの前で一人一人スピーチを するエクスポージャーを行います。リラクセーシ ョン・トレーニングは全3回で、対象はうつ病、

パニック障害、社交不安障害が多く、脈拍、皮膚 温、発汗量のバイオフィードバックをしながら、

呼吸法や筋肉リラクセーション法を行ないます。

さらに、個人カウンセリングでは1回50分かも しくは90分の枠があり、バーチャルリアリティ を用いたカウンセリング(以下、VRカウンセリ ングと略記します)では、バーチャルつまり三次 元の仮想空間で恐怖刺激にエクスポージャーを 行います。対象は、飛行機、雷、高所、蝶、蜘蛛、

スピーチ等の特定の恐怖症になります。個人カウ ンセリングは常勤・非常勤心理士共に担当ケース を持ちますが、ガイダンスと集団認知行動療法、

リラクセーション・トレーニングについては常勤 の心理士がそれぞれ担当しています。カウンセリ

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医療法人和楽会 心療内科・神経科赤坂クリニック

ングは医師が勧める場合と、患者が希望する場合 がありますが、いずれの場合も医師の許可が必要

となっています。

 次に研究面についてですが、私は修士論文の研 究の実験フィールドが赤坂クリニックであった

ということもあり、大学院卒業後も引き続き修士 論文の研究を行っています。また、このような研 究以外にも、クリニックで医師の共同研究も多々 実施されています。研究内容としては、東京大学 や理化学研究所と共同の遺伝子研究や様々な臨 床データの解析、および質問紙の標準化などにな

ります。

 また、私の最近の新しい仕事としてCRC

(Clinical Research Coordinator;治験コーディネ

ーター)があります。CRCは治験業務のサポー トをするスタッフで、その業務内容としては、治 験参加者のインフォームドコンセント、スケジュ ール管理やケア、および治験薬の管理、および治 験担当医師など治験に携わるチーム内の調整や、

症例報告書(Case Report Form:CRF)の作成等 になります。

 以上が私のクリニックにおける仕事内容にな りますが、ここからは、心理士として感じたこと についてまとめていきたいと思います。

 さて、臨床3年目となる私自身の近況ですが、

だんだんとカウンセリングのケース数も増えて きました。まだまだ駆け出しですが、大学院生や 臨床を初めた頃と比べると臨床に対する意識が 違ってきているように思います。どのように変わ ってきたかというと、悩みを抱えたClに対して、

「何とかしたい、どうにかしてあげたい」という 気持ちが強かったのに対して、最近は治療の流れ

を意識するようになったと思います。焦りが消え て無理にClを変えたいという気持ちが少なくな り、今がClへの介入のタイミングかということ

を考えるようになったと思います。また、当院の 患者さんの大多数が気分障害と不安障害である というところからくるところもありますが、患者 さんの病態や状態の全体像を把握するように心 がけるようになりましたし、服用している薬も気 にかけるようになりました。当院は、個人クリニ ックであるため、他職種との連携という部分につ いては、総合病院のような他科もある大きな病院 ほど医師やコ・メディカルスタッフの多い環境で はありません。しかし、やはりクリニック全体の 中で、心理士としてどのようなことが求められて いるのかということを考え、ケースについて連携 をとり、全体の業務がスムーズに流れるように配 慮する必要があります。そのためには、他職種の 仕事内容についての知識も必要になります。例え ば、医療事務との関わりになれば保険や自立支援 制度などのことも多少なりとも知っておく必要 があると思います。

 大学院を卒業した後も日々勉強ということに 変わりはありませんが、学会やワークショップや ケースカンファレンスへの参加などの勉強の場 を見つけることが必要で、そのような場を確保す ることが非常に貴重であると感じています。その ような意味で、東京家政大学大学院のOB・OG会 は貴重な勉強の場であると思います。また、そう いった場で人と人との関係を作ることもとても 重要なことだと感じています。OB・OG会のケー スカンファレンスに参加した際に、カウンセリン グが進みClもよくなってきたと感じられたとき に、「なぜ良くなったのか?どのようなところが よかったのか?それがわからなければ心理士と して成長しない」という話をきき、非常に身の引 き締まる思いがしました。改めて一つ一っのケー スに真剣に真摯に取り組みたいと感じました。

 最後になりますが、今回このような近況報告を

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小松智賀

書かせていただくことになり、大学院で学んだこ とや卒業してからの仕事を振り返る貴重な機会 を得ることができました。仕事をしていく中で、

ルーチン業務になりそうになることもあります が、初心を忘れないようにして、日々気持ちを新

たにしていきたいと思います。臨床3年目という ことで、まだまだ未熟ですが、未熟な部分も含め た一心理士の報告としてお読みいただけると幸

いです。

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