平
成
15
年
度
岡 山 市 水 道 事 業 会 計 決 算 及 び 岡 山 市
工 業 用 水 道 事 業 会 計 決 算 審 査 意 見 書
岡
監
第
2
9
9
号
平
成
1
6
年
8
月
4
日
岡 山 市 長
萩
原
誠
司
様
岡 山 市 監 査 委 員
服
部
輝
正
同
松
井
健
二
同
髙
月
由 起 枝
同
安
井
聰
平 成 1 5 年 度 岡 山 市 水 道 事 業 会 計 決 算 及 び 岡 山 市
工 業 用 水 道 事 業 会 計 決 算 審 査 意 見 に つ い て
目
次
1
第 1 審 査 の 対 象
1
第 2 審 査 の 期 間
1
第 3 審 査 の 方 法
1
第 4 審 査 の 結 果
水
道
事
業
会
計
3
1 業 務 の 概 要
6
2 予 算 の 執 行 状 況
8
3 経 営 成 績
11
4 財 政 状 態
14
5 む す び
16
資 料
工
業
用
水
道
事
業
会
計
31
1 業 務 の 概 要
32
2 予 算 の 執 行 状 況
33
3 経 営 成 績
35
4 財 政 状 態
37
5 む す び
40
資 料
( 注 ) 1 文 中 の 金 額 は , 原 則 と し て 万 円 単 位 で 表 示 し , 端 数 は 切 り 捨 て た 。 こ
の た め 計 数 が 一 致 し な い 場 合 が あ る 。
2 文 中 の 比 率 及 び 各 表 中 の 数 値 は , 原 則 と し て 表 示 の 1 桁 下 位 で 四 捨 五
入 し た 。 こ の た め 計 数 が 一 致 し な い 場 合 が あ る 。
3 文 中 に 用 い る ポ イ ン ト と は , パ ー セ ン テ ー ジ 間 又 は 指 数 間 の 単 純 差 引
平 成 1 5 年 度 岡 山 市 水 道 事 業 会 計 決 算 及 び
岡 山 市 工 業 用 水 道 事 業 会 計 決 算 審 査 意 見
第 1 審 査 の 対 象
平 成 15年 度 岡 山 市 水 道 事 業 会 計 決 算
平 成 15年 度 岡 山 市 工 業 用 水 道 事 業 会 計 決 算
第 2 審 査 の 期 間
平 成 16年 6 月 7 日 か ら
平 成 16年 7 月 30日 ま で
第 3 審 査 の 方 法
審 査 に 当 た っ て は , 平 成 15年 度 岡 山 市 水 道 事 業 決 算 報 告 書 , 平 成 15年 度 岡 山
市 工 業 用 水 道 事 業 決 算 報 告 書 及 び 財 務 諸 表 並 び に 証 書 類 , 事 業 報 告 書 及 び 収 益
費 用 明 細 書 , 固 定 資 産 明 細 書 , 企 業 債 明 細 書 が 関 係 法 令 に 準 拠 し て 作 成 さ れ て
い る か , 事 業 の 経 営 成 績 及 び 財 政 状 態 を 適 正 に 表 示 し て い る か ど う か に つ い て
審 査 す る と と も に , 関 係 者 か ら の 説 明 を 聴 取 し , 会 計 帳 票 , 証 拠 書 類 と の 照 合
及 び 経 営 内 容 の 動 向 を 把 握 す る た め 計 数 の 分 析 を 行 い , 年 次 比 較 等 の 検 討 を 加
え た 。
第 4 審 査 の 結 果
審 査 に 付 さ れ た 決 算 書 類 及 び 決 算 附 属 書 類 は , い ず れ も 関 係 法 令 に 準 拠 し て
作 成 さ れ て お り , 関 係 諸 帳 簿 等 と 照 合 審 査 の 結 果 , 計 数 は 正 確 で あ り , か つ ,
本 年 度 の 経 営 成 績 及 び 財 政 状 態 を 適 正 に 表 示 し て い る も の と 認 め た 。
1
業
務
の
概
要
( 1) 業務実績
業務の実績は,次のとおりである。(資料第1参照)
本年度末の給水戸数は254, 082戸で,前年度に比べ3, 380戸(1. 3%) の増加, 給水人
口は634, 524人で,前年度に比べ3, 423人(0. 5%)の増加となっている。
また,水道普及率は99. 8%で,前年度に比べ0. 1ポイント向上している。
年間総配水量は93, 392, 448m で 前年度に比べ1, 439, 199m 1. 5% の減少 年間
3 3
, ( ) ,
, ( ) 。
総有収水量は85, 605, 063m で 前年度に比べ960, 709m 1. 1% の減少となっている
3 3
水 道 事 業 に お け る 本 年 度 末 の 配 水 管 延 長 は , 前 年 度 に 比 べ 2 9 . 1 ㎞ 延 長 さ れ ,
3, 604. 47㎞となっている。
( 2) 建設改良事業
本年度に実施した主な建設改良事業は,次のとおりである。
ア 基幹施設整備事業について
建設から維持の時代を迎え,渇水や地震に強い水道づくりを行うため,施設の維
持更新を柱とする基幹施設整備事業に昨年度から着手している。
配水池関係としては,吉備津・高松地区の安定給水を確保するため,2か年継続事
業の吉備津配水池築造工事を本年度で完了している。
また,岡山県広域水道企業団からの受水を運用し,西祖浄水場の代替施設として
の西祖配水池築造のため,西祖配水場敷地造成工事を本年度で完了している。
国土交通省が事業主体で施工している共同溝関係としては,一般国道2号岡南共同
溝及び一般国道180号岡山西共同溝建設工事本年度予定分を完了している。
配 水 管 と し て は , 岡 山 西 共 同 溝 , 旭 東 線 等 に お い て , 3 ,2 4 5 m ( 口 径 φ 1 2 0 0
mm∼φ 75mm)を布設している。
イ 配水管整備事業について
給 水 の 円 滑 化 , 有 収 率 の 向 上 を 図 る た め , 配 水 管 布 設 工 事 を 4 9 , 6 0 5 m
(口径φ 400mm∼φ 25mm)実施している。
ウ 管路近代化事業について
石綿セメント管の早期解消のため,国庫補助事業として平成12年度から事業に着
手し,本年度は配水管延長4, 964m(口径φ 300mm∼φ 50mm)を布設している。
( 3) 施設の利用状況
施 設 の 利 用 状 況
(単位:%)
1 5 年 度 1 4 年 度
区 分 備 考
A B
1 日 平 均 配 水 量
1 日 配 水 能 力
施 設 利 用 率 74. 1 75. 5
1 日 平 均 配 水 量
1 日 最 大 配 水 量
負 荷 率 89. 7 84. 3
1 日 最 大 配 水 量
1 日 配 水 能 力
最 大 稼 働 率 82. 7 89. 5
, ,
施設の利用状況を示す施設利用率は 1日平均配水量が減少したため74. 1%を示し
前年度に比べ1. 4ポイント低下している。
負荷率は,1日最大配水量の減少が,1日平均配水量の減少を上回ったため89. 7%を 示し,前年度に比べ5. 4ポイント増加している。
最大稼働率は,1日最大配水量が減少したため82. 7%を示し,前年度に比べ6. 8ポイ ント低下している。
( 4) 労働生産性の状況
労働生産性の状況は,次表のとおりである。
労 働 生 産 性 の 状 況
1 5 年 度 1 4 年 度 増,減(△)
区 分 備 考
A B A − B
現 在 給 水 人 口
職 員 1 人 当 た り 2, 161 5
損 益 勘 定 所 属 職 員
給 水 人 口( 人 )
2, 166
( 2, 154) ( 12)
年間総有収水量
職 員 1 人 当 た り 296, 458 △ 4, 291
損 益 勘 定 所 属 職 員
有 収 水 量 (m ( 295, 446) ( △ 3, 279)
3 )
292, 167
営 業 収 益 − 受 託 工 事 収 益 職 員 1 人 当 た り
43, 616
44, 227 △ 611
( 44, 076) 損 益 勘 定 所 属 職 員
営 業 収 益(千円) ( △ 460)
平成14年度では,損益勘定所属職員に水道事業管理者を含めていなかったため ( )において含めた
(注) ,
数値を挙げている。
, , ,
労働生産性は 前年度に比べ 職員1人当たり給水人口においてやや上回っているが
その他の項目は低下している。
( 5) 有収率の状況
本年度も有収率向上をめざして既設管の漏水調査や修理を実施しており,有収率は
有 収 率 の 状 況
1 5 年 度 1 4 年 度 増,減(△)
区 分 備 考
A B A − B
年 間 総 配 水 量(m 93, 392, 448 94, 831, 647 △ 1, 439, 199
3 )
年間総有収水量(m 85, 605, 063 86, 565, 772 △ 960, 709
3 )
年間総有収水量
年 間 総 配 水 量
有 収 率(%) 91. 7 91. 3
(参考)
労働生産性及び有収率の類似9団体の状況(平成14年度)
平成14年度「水道事業経営指標」及び平成14年度「地方公営企業年鑑」による。 (注)・
なお,数値については,損益勘定所属職員に水道事業管理者を含んでいる。
・類 似 9団 体 と は , 表 流 水 ( ダ ム を 除 く ) を 主 な 水 源 と す る 事 業 の う ち , 給 水 人 口 30万 人 以 上 で 有
収水量密度が全国平均(1. 63千â/ ha)以上の団体をいう。
都市名
現在給水人口 ( 人)
職員1人当たり の給水人口
(人)
職員1人当たり の有収水量
(m
3
)
職員1人当たり の営業収益
(千円)
有収率 ( %)
富山市 320, 166 3, 812 474, 833 65, 371 91. 2
岡崎市 347, 339 3, 158 373, 947 51, 017 94. 2
鹿児島市 525, 100 2, 365 267, 278 49, 273 91. 9
岡山市 631, 101 2, 154 295, 446 44, 076 91. 3
新潟市 517, 318 1, 974 275, 170 43, 937 95. 4
宮崎市 303, 478 2, 299 298, 105 43, 291 92. 3
枚方市 406, 981 2, 286 269, 698 42, 008 93. 1
秋田市 310, 049 1, 742 200, 701 38, 958 86. 4
大津市 300, 963 1, 802 242, 911 28, 568 92. 4
2
予 算 の 執 行 状 況
( 1) 収益的収入及び支出
収益的収入及び支出の予算執行状況は,次表のとおりである。(資料第2参照)
収 益 的 収 入 及 び 支 出 の 予 算 執 行 状 況
予算額に比し増 減( )
B , △
又 は 不 用 額
区 分 予 算 額 A 決 算 額 B 執行率
A
円 円 % 円
収 益 的 収 入 13, 499, 307, 000 13, 516, 767, 196 100. 1 17, 460, 196
収 益 的 支 出 13, 391, 342, 000 13, 206, 549, 880 98. 6 184, 792, 120
(注)決算額のうち収益的収入における仮受消費税及び地方消費税は611, 704, 231円,収益的支
出における仮払消費税及び地方消費税は202, 846, 073円である。
収益的収入決算額135億1, 676万円は,予算額134億9, 930万円に対し,100. 1%の執
行 率 , ま た , 収 益 的 支 出 決 算 額 132億 654万 円 は , 予 算 額 133億 9, 134万 円 に 対 し
98. 6%の執行率となっている。
( 2) 資本的収入及び支出
資本的収入及び支出の予算執行状況は,次表のとおりである。(資料第3参照)
資 本 的 収 入 及 び 支 出 の 予 算 執 行 状 況
翌年度への財源 予算額に比し増,
B
繰越又は繰越額 減 ( ) 又 は 不 用 額
区 分 予 算 額 A 決 算 額 B 執行率
A △
円 円 % 円 円
資本的収入 4, 208, 040, 477 3, 272, 452, 414 77. 8 783, 977, 740 △ 151, 610, 323
資本的支出 8, 483, 195, 720 6, 962, 184, 213 82. 1 1, 259, 338, 181 261, 673, 326
(注)決算額のうち資本的収入における仮受消費税及び地方消費税は44, 011, 448円,資本的支
出における仮払消費税及び地方消費税は224, 683, 419円である。
資本的収入決算額32億7, 245万円は,予算額42億804万円に対し77. 8%の執行率,
また,資本的支出決算額69億6, 218万円は,予算額84億8, 319万円に対し82. 1%の執
行率となっている。
な お , 建 設 改 良 費 の 翌 年 度 繰 越 額 は , 前 年 度 に 比 べ 732万 円 減 少 し た 12億 5, 933
万 円 で , そ の 内 訳 は , 継 続 費 逓 次 繰 越 額 と し て , 基 幹 施 設 整 備 費 7, 760万 円 及 び 予
費3億364万円である。 算繰越額として,基幹施設整備費8億7, 808万円,配水管整備
者との協議,調整に日時を要したためである。
また,資本的収入額32億7, 245万円は,資本的支出額69億6, 218万円に対して36億
8, 973万 円 不 足 す る が , こ れ は 前 年 度 の 繰 越 工 事 資 金 5億 5, 844万 円 , 当 年 度 分 消 費
税 及 び 地 方 消 費 税 資 本 的 収 支 調 整 額 1億 2, 545万 円 , 過 年 度 分 損 益 勘 定 留 保 資 金
3
経
営
成
績
( 1) 総 合 成 績
( 資 料 第 4 参 照 ) 水 道 事 業 の 総 合 成 績 は , 次 表 の と お り で あ る 。
総 合 成 績
総 収 支 比 率
総 収 益 総 費 用
損益(△損失)
年度 A
B
金 額 A 前 年 度 比 指 数 金 額 B 前 年 度 比 指 数 A−B
% % %
円 円 円
11 13, 592, 306, 801 97. 0 100. 0 12, 639, 714, 026 98. 2 100. 0 952, 592, 775 107. 5
12 13, 677, 961, 917 100. 6 100. 6 13, 101, 135, 020 103. 7 103. 7 576, 826, 897 104. 4
98. 2 98. 9 74, 785, 033 100. 6
13 13, 437, 524, 500 13, 362, 739, 467 102. 0 105. 7
14 12, 997, 771, 135 96. 7 95. 6 13, 135, 850, 797 98. 3 103. 9 △138, 079, 662 98. 9
15 12, 905, 063, 094 99. 3 94. 9 12, 727, 579, 959 96. 9 100. 7 177, 483, 135 101. 4
総 収 益 は 1 2 9 億 5 0 6 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 9 , 2 7 0 万 円 ( 0 .7 % ) の 減 収 と な り ,
総 費 用 は 1 2 7 億 2 , 7 5 7 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 4 億 8 2 7 万 円 ( 3 .1 % ) の 減 費 と な
っ て い る 。 そ の 結 果 , 総 収 支 比 率 は 1 0 1 . 4 % ( 前 年 度 9 8 . 9 % ) を 示 し , 1 億
7 , 7 4 8 万 円 の 純 利 益 を 生 じ , 黒 字 決 算 と な っ て い る 。
総 収 益 ・ 総 費 用 の 推 移
135.9 136.7 134.3 129.9 126.3 131.0 133.6
1 2 9 .0
131.3
1 2 7 .2
70 80 90 100 110 120 130 140 150
11 12 13 14 15 (年度)
(億円)
総 収 益
( 2) 経 常 収 支
水 道 事 業 の 経 常 収 支 は , 次 表 の と お り で あ る。( 資 料 第 4, 5参 照 )
経 常 収 支
15 年 度 14 年 度 増,減(△ ) C
項
金 額 A 構成比 金 額 B 構成比 C(A−B) B
% % %
円 円 円
営 業 収 益 12, 830, 152, 409 99. 7 12, 957, 194, 813 99. 7 △ 127, 042, 404 △ 1. 0
営 業 外 収 益 34, 353, 998 0. 3 39, 461, 153 0. 3 △ 5, 107, 155 △ 12. 9
計 ( 経 常 収 益) 12, 864, 506, 407 100. 0 12, 996, 655, 966 100. 0 △ 132, 149, 559 △ 1. 0
営 業 費 用 11, 136, 507, 105 87. 6 11, 435, 171, 801 87. 3 △ 298, 664, 696 △ 2. 6
営 業 外 費 用 1, 573, 625, 305 12. 4 1, 658, 250, 691 12. 7 △ 84, 625, 386 △ 5. 1
計 ( 経 常 費 用) 12, 710, 132, 410 100. 0 13, 093, 422, 492 100. 0 △ 383, 290, 082 △ 2. 9
経 常 収 益 は 1 2 8 億 6 , 4 5 0 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 1 億 3 , 2 1 4 万 円 ( 1 .0 % ) の 減
収 と な っ て い る 。
経 常 費 用 は 1 2 7 億 1 , 0 1 3 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 3 億 8 , 3 2 9 万 円 ( 2 .9 % ) の 減
費 と な っ て い る 。
そ の 結 果 , 経 常 利 益 1 億 5 , 4 3 7 万 円 と な っ て い る 。
営 業 収 益 の 減 収 は,前 年 度 に 比 べ そ の 他 営 業 収 益(主 に 配 水 管 移 設 等 負 担
金 ) 及 び 受 託 工 事 収 益 は 増 加 し た が , 現 下 の 厳 し い 経 済 情 勢 , 節 水 意 識 の 定
着 に よ る 水 需 要 の 減 少 な ど に よ り , 給 水 収 益 が 減 少 し た た め で あ る 。
営 業 外 収 益 の 減 収 は , 主 に 雑 収 益 は 増 加 し た が , 受 取 利 息 及 び 配 当 金 , 補
助 金 が 減 少 し た た め で あ る 。
営 業 費 用 の 減 費 は , 前 年 度 に 比 べ 主 に 減 価 償 却 費 及 び 資 産 減 耗 費 は 増 加 し
た が , 配 水 費 , 原 水 及 び 浄 水 費 が 減 少 し た た め で あ る 。
営 業 外 費 用 の 減 費 は , 主 に 支 払 利 息 及 び 企 業 債 取 扱 諸 費 ( 企 業 債 利 息 ) が
減 少 し た た め で あ る 。
( 3 ) 特 別 損 益
水 道 事 業 の 特 別 損 益 は , 次 表 の と お り で あ る。( 資 料 第 4 ,5 参 照 )
特 別 利 益 の 増 収 は , 前 年 度 に 比 べ 主 に 固 定 資 産 売 却 益 が 増 加 し た た め で あ
る 。
ま た , 特 別 損 失 の 減 費 は , 主 に 管 路 用 地 等 の 無 償 移 管 の 減 少 に よ り そ の 他
特 別 損 失 が 減 少 し た た め で あ る 。
( 4 ) 供 給 単 価 と 給 水 原 価 の 状 況
供 給 単 価 と 給 水 原 価 の 状 況 は , 次 表 の と お り で あ る 。
供 給 単 価 と 給 水 原 価 の 状 況 ( 1 m 当 た り )
3
備 考
区 分
15年度 14年度 13年度 増,減(△ )
E D−E
C D C−D
給水収益
供給単価 A
円 円 円 円 円
年 間 総 有 収 水 量
138. 66 139. 26 139. 92 △ 0. 60 △ 0. 66
総 原 価
給水原価 B 147. 90 150. 71 149. 45 △ 2. 81 1. 26
年 間 総 有 収 水 量
△ 9. 24 △ 11. 45 △ 9. 53 2. 21 △ 1. 92
差 異
A−B
供給単価は前年度に比べ0. 60円下がって138. 66円, 給水原価は前年度に比べ2. 81
円 下 が っ て 1 4 7 . 9 0 円 で , 本 年 度 も 供 給 単 価 が 給 水 原 価 を 9 .2 4 円 下 回 っ て い
る 。
給 水 原 価 が 減 少 し た 主 な 理 由 は , 人 件 費 に お い て , 給 料 , 手 当 等 が 減 少 し ,
物 件 費 そ の 他 経 費 に お い て , 修 繕 費 , 支 払 利 息 , 委 託 料 等 が 減 少 し た た め で
4
財
政
状
態
年度末における財政の状況及び1か年間の変動状況は,次のとおりである。(資料第 6, 7参照)
( 1) 年度末現在の財政状態
ア 資産について
資産総額は1, 221億9, 878万円で,前年度末に比べ18億791万円(1. 5%)の増加と
な っ て お り , 増 加 の 内 訳 は , 固 定 資 産 が 10億 8, 470万 円 ( 1. 0% ) , 流 動 資 産 が 7億 2, 320万円(11. 3%)それぞれ増加している。
固定資産の増加は,配水管整備事業等建設改良事業の進捗に伴い,構築物(主に
) 。 ,
配水設備 等が増加したためである 固定資産の資産総額に対する割合は94. 2%で
前年度末に比べ0. 5ポイントの減少となっている。
流動資産の増加は,主に現金預金が増加したためである。流動資産の資産総額に
対する割合は5. 8%で,前年度末に比べ0. 5ポイントの増加となっている。
イ 負債及び資本について
資 産 の 調 達 資 金 源 を 示 す 負 債 , 資 本 の 構 成 は , 固 定 負 債 が 2億 665万 円 ( 構 成 比
0. 2%),流動負債が24億2, 433万円(構成比2. 0%),資本金が503億8, 763万円(構成
比41. 2%),剰余金が691億8, 015万円(構成比56. 6%)となっている。
こ れ ら を 前 年 度 末 と 比 べ て み る と , 固 定 負 債 は 2億 665万 円 の 皆 増 , 流 動 負 債 は
2億3, 557万円(8. 9%)の減少,資本金は5億7, 243万円(1. 1%)の減少,剰余金は 24億926万円(3. 6%)の増加となっている。
固定負債の皆増は,退職給与引当金を計上したためである。 流動負債の減少は,主に未払金が減少したためである。
資本金の減少は,主に企業債償還額が新規発行額を上回ったため,借入資本金が 減少したことによるものである。
剰余金の増加は,負担金(主に配水管布設負担金)等により,主に資本剰余金が 増加したためである。
なお, 流動資産71億2, 625万円から固定負債2億665万円,流動負債24億2, 433万円
及 び 繰 越 工 事 資 金 4 億 7 , 53 6万 円 を 控 除 し た 額 は 40 億 1 , 99 0万 円 で , 前 年 度 末 の
31億8, 470万円に比べ8億3, 520万円(26. 2%)の増加となっている。
ウ 財務比率について
財 務 比 率
(単位:%)
分 析 項 目 15年度 14年度 算 式
96. 8 × 100
固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率 固 定 資 産
96. 1
資 本 金 + 剰 余 金 + 固 定 負 債
(望ましい比率100%以下)
240. 7 × 100
流 動 比 率
293. 9
流動資産
流動負債 ( 理 想 比 率 2 0 0 %以 上 )
現金預金+未収金 × 100
当 座 比 率
284. 8 237. 2
( 理 想 比 率 1 0 0 %以 上 ) 流 動 負 債
× 100
負 債 比 率 負 債
48. 7 50. 9
自己資本 ( 理 想 比 率 1 0 0 %以 下 )
固定資産とその調達資金源との関係をみる固定資産対長期資本比率は96. 1%で,
前年度末に比べ0. 7ポイント向上しており, 固定資産の調達が資本金, 剰余金,固定
負債の範囲内で行われているものと認められる。
短期の支払能力をみる流動比率は293. 9%で,前年度末に比べ53. 2ポイント向上し
ており, 理想とされる比率を示している。
当 座 の 支 払 能 力 を み る 当 座 比 率 は 284. 8% で , 前 年 度 末 に 比 べ 47. 6ポ イ ン ト 向 上
しており,理想とされる比率を示している。
経 営 の 健 全 性 を み る 負 債 比 率 は 48. 7% で , 前 年 度 末 に 比 べ 2. 2ポ イ ン ト 向 上 し て
おり,理想とされる比率を示している。
( 2) 収入状況
流動資産のうち未収金の年度末現在高は14億7, 209万円で,このうち1億5, 889万円は
配 水 管 布 設 負 担 金 等 の 未 収 金 で あ る が , 大 部 分 の 12億 292万 円 ( 給 水 収 益 の 平 成 16年 2, 3月期調定分9億3, 990万円を含む)が,給水収益等の未収金である。
給水収益等の収入状況は次表のとおりで, 現年度分と過年度繰越分を合わせた収入
率 は 91. 1% で , 前 年 度 に 比 べ 0. 5ポ イ ン ト 低 下 し て い る 。 収 入 未 済 額 は 前 年 度 に 比 べ
4, 351万円(3. 8%)の増加となっている。
また,不納欠損額は1, 161万円で,前年度に比べ287万円(32. 9%)の増加となって
いる。
, , ,
さらに 収益の大部分を占める給水収益に限って収入率をみると 現年度分91. 2%
過年度繰越分91. 6%となっており,前年度末に比べ現年度分で0. 3ポイント低下し,過
年度繰越分で1. 1ポイント低下している。
時 効 処 理 に つ い て は , 国 や 関 係 団 体 か ら 出 さ れ る 通 知 等 に も 十 分 注 意 さ れ , 示 さ れ
る 指 針 等 に 基 づ い て 適 正 な 事 務 処 理 が 行 わ れ る よ う 努 め ら れ た い 。
収 入 状 況
15 年 度 14年度
科 目
調 定 額 収 入 額 収入率 不納欠損額 収 入 未 済 額 収入率
A B B/A C A−B−C
% %
円 円 円 円
12, 462, 773, 388 11, 369, 410, 914 91. 2 0 1, 093, 362, 474 91. 5 現
給 水 収 益
30, 374, 150 30, 374, 150 100. 0 0 0 99. 4
年
受 託 工 事 収 益
24, 013, 035 307, 800 1. 3 0 23, 705, 235 19. 9
度
その他営業収益
分
12, 517, 160, 573 11, 400, 092, 864 91. 1 0 1, 117, 067, 709 91. 5 計
1, 156, 359, 031 1, 059, 022, 930 91. 6 11, 479, 773 85, 856, 328 92. 7
過 給 水 収 益
100. 0 100. 0
年
受 託 工 事 収 益 170, 250 170, 250 0 0
度
1, 589, 365 1, 451, 377 137, 988 0 0. 6
繰 その他営業収益 91. 3
越
1, 158, 118, 646 1, 060, 644, 557 91. 6 11, 617, 761 85, 856, 328 92. 7
分 計
13, 675, 279, 219 12, 460, 737, 421 91. 1 11, 617, 761 1, 202, 924, 037 91. 6
合 計
( 注 ) そ の 他 営 業 収 益 の う ち , 消 火 栓 維 持 負 担 金 な ど 水 道 料 金 等 の 収 益 に 直 接 関 係 し な い も の
は 除 く 。
( 参 考 ) 平 成 1 6 年 2 , 3 月 期 調 定 分 を 除 い た 給 水 収 益 の 収 入 状 況 は , 現 年 度 分 , 過 年 度 繰 越 分 の
合 計 で 98. 0% の 収 入 率 と な っ て お り , 前 年 度 に 比 べ 0. 1ポ イ ン ト 低 下 し て い る 。
( 3) 借 入 資 本 金 ( 企 業 債 )
建 設 改 良 事 業 の 財 源 に 充 て る 企 業 債 の 残 高 状 況 は , 次 表 の と お り で あ る 。
企 業 債 の 残 高 状 況
増加率
年度 前 年 度 末 残 高 本 年 度 末 残 高
本 年 度 中
B
A 増 加 高 ( 借 入 ) 減 少 高 ( 償 還 ) 差 引 増 加 高 B A
円 円 円 円 % 円
14 38, 105, 983, 376 1, 510, 000, 000 1, 643, 337, 522 △ 133, 337, 522 △ 0. 3 37, 972, 645, 854
5
む
す
び
本事業の運営状況の概要は,以上のとおりである。
本年度 も引 き続 き吉 備津・高松地区の安定給水を確保するための吉備津配水池築造工事
な どの基 幹施 設整 備事 業,給水の円滑化と有収率の向上を図るための配水管整備事業,石
綿 セメン ト管 早期 解消 のための管路近代化事業など施設の維持更新を柱とする事業に取り
組まれているところである。
業務実績をみると,給水人口は634, 524人で,前年度より3, 423人増加し,普及率は99. 8
% と な っ て い る 。 ま た , 有 収 率 は 91. 7% で 前 年 度 に 比 べ 0. 4ポ イ ン ト 向 上 し て い る が , 引
き続き有収率の向上に努められたい。
次に, 経営 成績 につ いてみると,総収益は129億506万円で,主に給水収益の減少等によ
り ,前年 度に 比べ 9, 270万円( 0. 7%) の減収,総費用は127億2, 757万円で,主に修繕費,職
, ,
員給与費等が減少したことにより 前年度に比べ4億827万円( 3. 1%) の減費となっており
この結果,差引1億7, 748万円の純利益を計上している。
また, 企業 の体 力を みる際に参考となる財務比率については,固定資産とその調達資金
源 との関 係を 示す 固定 資産対長期資本比率,支払能力を示す流動比率,当座比率,経営の
健 全性を 示す 負債 比率 の各指標ともおおむね健全な数値を示しているが,事業運営の基本
と な る 供 給 単 価 と 給 水 原 価 の 状 況 に つ い て み る と , 平 成 12年 度 か ら 4年 連 続 で 給 水 原 価 が
供給単価を上回っており,依然として厳しい状況にある。
さらに ,今 後の 経営 見通しについてみると,給水人口の増加は見込まれるが,水需要は
現 下の厳 しい 経済 情勢 や節水意識の定着などから,しばらくは横ばいの状態が続くものと
考 え ら れ る 。 一 方 , 総 延 長 約 3, 600㎞ の 配 水 管 の 維 持 管 理 を は じ め , 鉛 製 給 水 管 の 解 消 ,
老 朽配水 管そ の他 諸施 設の更新等の財政需要が山積している上に,苫田ダムの平成17年度
運 用開始 に伴 い大 幅な 負担増が見込まれるなど,水道事業を取り巻く環境は一段と厳しさ
を増すものと予測される。
したが って ,今 後の 事業運営に当たっては,中長期的な視点に立ちながら,引き続き徹
底 した経 営の 合理 化, 効率化による経費の節減に努めるとともに,市民の理解と協力を得
な がら収 入率 の向 上を 図るなど,より安全でよりおいしい水の安定供給に向けて,一層の
1
業
務
の
概
要
業務の実績は,次のとおりである。(資料第1参照)
本年度の給水対象事業所は8か所,年間契約水量は13, 225, 530m である。 3
年間総配水量は11, 593, 773m で 前年度に比べ133, 883m 1. 2% の増加となってお
3 3
, ( )
り,年間総有収水量は10, 495, 479m で,前年度に比べ174, 171m(1. 7%)の増加となっ
3 3
ている。
また,有収率は90. 5%で,前年度に比べ0. 4ポイント向上している。
なお,調定水量(料金算定の基礎となる水量)の状況は,次表のとおりである。
調 定 水 量 の 状 況
区 分 15 年 度 14 年 度
調 定 水 量 (m) 13, 239, 521 13, 508, 679
3
前 年 度 調 定 水 量 に 比 べ た
△ 269, 158 △ 291, 512
増 水 量(減△ )(m)
3
前 年 度 調 定 水 量 に 比 べ た
△ 2. 0 △ 2. 1
増 水 量 の 割 合(減△ )(%)
, ( ) 。
調定水量は13, 239, 521m で 前年度に比べ269, 158m 2. 0% の減少となっている
2
予 算 の 執 行 状 況
( 1) 収益的収入及び支出
収益的収入及び支出の予算執行状況は,次表のとおりである。(資料第2参照)
収 益 的 収 入 及 び 支 出 の 予 算 執 行 状 況
予算額に比し増,減( )
B △
又 は 不 用 額
区 分 予 算 額 A 決 算 額 B 執行率
A
円 円 % 円
収 益 的 収 入 308, 533, 000 308, 677, 339 100. 0 144, 339
収 益 的 支 出 302, 399, 000 278, 259, 475 92. 0 24, 139, 525
(注)決算額のうち収益的収入における仮受消費税及び地方消費税は14, 655, 444円,収益的支
出における仮払消費税及び地方消費税は2, 959, 613円である。
収 益 的 収 入 決 算 額 3億 867万 円 は , 予 算 額 3億 853万 円 に 対 し 100. 0% の 執 行 率 , ま
た収益的支出決算額2億7, 825万円は予算額3億239万円に対し92. 0%の執行率となっ
ている。
( 2) 資本的収入及び支出
資本的収入及び支出の予算執行状況は,次表のとおりである。(資料第3参照)
資 本 的 収 入 及 び 支 出 の 予 算 執 行 状 況
翌年度への財源 予算額に比し増 減( )
B , △
繰越又は繰越額 又 は 不 用 額
区 分 予 算 額 A 決 算 額 B 執行率
A
円 円 % 円 円
資本的収入 0 0 − 0 0
資本的支出 26, 000, 000 23, 560, 400 90. 6 0 2, 439, 600
(注)資本的支出における仮払消費税及び地方消費税は312, 400円である。
資 本 的 支 出 決 算 額 2, 356万 円 は , 予 算 額 2, 600万 円 に 対 し 90. 6% の 執 行 率 と な っ て
いる。
な お , 資 本 的 支 出 の 内 訳 は , 建 設 改 良 費 656万 円 , 他 会 計 長 期 借 入 金 償 還 金 1, 700
3
経
営
成
績
( 1) 総 合 成 績
( 資 料 第 4 参 照 ) 工 業 用 水 道 事 業 の 総 合 成 績 は , 次 表 の と お り で あ る 。
総 合 成 績
総収支比率
総 収 益 総 費 用
損益(△ 損失)
年度 A
B
金 額 A 前 年 度 比 指 数 金 額 B 前 年 度 比 指 数 A−B
% % %
円 円 円
11 318, 431, 869 98. 7 100. 0 283, 917, 972 88. 6 100. 0 34, 513, 897 112. 2
12 308, 115, 527 96. 8 96. 8 286, 542, 686 100. 9 100. 9 21, 572, 841 107. 5
28, 782, 067 110. 4 13 306, 184, 041 99. 4 96. 2 277, 401, 974 96. 8 97. 7
14 299, 995, 934 98. 0 94. 2 258, 400, 459 93. 2 91. 0 41, 595, 475 116. 1
15 294, 022, 503 98. 0 92. 3 263, 931, 162 102. 1 93. 0 30, 091, 341 111. 4
総 収 益 ・ 総 費 用 の 推 移
総 収 益 は 2 億 9 , 4 0 2 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 5 9 7 万 円 ( 2 .0 % ) の 減 収 と な り ,
総 費 用 は 2 億 6 , 3 9 3 万 円 で , 前 年 度 に 比 べ 5 5 3 万 円 ( 2 . 1 % ) の 増 費 と な っ て い
る 。
そ の 結 果,総 収 支 比 率 は 1 1 1 .4 %(前 年 度 1 1 6 .1 %)を 示 し,3 , 0 0 9 万 円 の
純 利 益 を 生 じ , 黒 字 決 算 と な っ て い る 。
3. 18
3. 08
3. 06
2. 99
2. 83
2. 86
2. 77
2. 58
2. 94
2. 63
1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 (年度)
(億円) 総収益
ア 総 収 益
工 業 用 水 道 事 業 の 総 収 益 は , 次 表 の と お り で あ る。( 資 料 第 4参 照 )
総 収 益
15 年 度 14 年 度 増 減 △ C
項
, ( )
金 額 A 構成比 金 額 B 構成比 C(A−B) B
% % %
営 業 収 益
円 円 円
△ 5, 978, 961 △ 2. 0
293, 380, 907 99. 8 299, 359, 868 99. 8
5, 530 0. 9
営 業 外 収 益 641, 596 0. 2 636, 066 0. 2
△ 5, 973, 431 △ 2. 0
計 294, 022, 503 100. 0 299, 995, 934 100. 0
営 業 収 益 の 減 収 は , 前 年 度 に 比 べ 主 に 企 業 活 動 の 低 迷 な ど に よ り 給 水 収 益 が
減 少 し た た め で あ る 。
営 業 外 収 益 の 増 収 は , 受 取 利 息 及 び 配 当 金 が 減 少 し た が 雑 収 益 が 増 加 し た た
め で あ る 。
イ 総 費 用
工 業 用 水 道 事 業 の 総 費 用 は , 次 表 の と お り で あ る。( 資 料 第 4, 5参 照 )
総 費 用
15 年 度 14 年 度 増 減 △ C
項
, ( )
金 額 A 構成比 金 額 B 構成比 C(A−B) B
% % %
円 円 円
営 業 費 用 260, 631, 162 98. 7 253, 747, 959 98. 2 6, 883, 203 2. 7
営 業 外 費 用 3, 300, 000 1. 3 4, 575, 000 1. 8 △ 1, 275, 000 △ 27. 9
特 別 損 失 0 0 77, 500 0. 0 △ 77, 500 △ 100. 0
計 263, 931, 162 100. 0 258, 400, 459 100. 0 5, 530, 703 2. 1
営 業 費 用 の 増 費 は , 前 年 度 に 比 べ 主 に 減 価 償 却 費 , 配 水 費 が 増 加 し た た め
で あ る 。
4
財
政
状
態
年度末における財政の状況及び1か年間の変動状況は,次のとおりである。(資料第
6, 7参照)
( 1) 年度末現在の財政状態
ア 資産について
資産総額は9億1, 957万円で,前年度末に比べ4, 460万円(4. 6%)の減少となって
, , ( ), ( )
おり 減少の内訳は 固定資産が3, 105万円 7. 0% 流動資産が1, 355万円 2. 6%
それぞれ減少している。
固定資産の減少は,主に機械及び装置が減少したためである。固定資産の資産総
額に対する割合は45. 1%で,前年度に比べ1. 2ポイント減少している。
流動資産の減少は,主に現金預金が減少したためである。流動資産の資産総額に
対する割合は54. 9%で,前年度末に比べ1. 2ポイント増加している。
イ 負債及び資本について
資産の調達資金源を示す負債,資本の構成は,固定負債が5, 609万円(構成比6. 1
% ) , 流 動 負 債 が 2, 425万 円 ( 構 成 比 2. 6% ) , 資 本 金 が 4億 8, 993万 円 ( 構 成 比
53. 3%),剰余金が3億4, 928万円(構成比38. 0%)となっている。
こ れ ら を 前 年 度 末 と 比 べ て み る と , 固 定 負 債 は 840万 円 ( 13. 0% ) の 減 少 , 流 動
負債は4, 929万円(67. 0%)の減少,資本金は1, 700万円(3. 4%)の減少,剰余金は
3, 009万円(9. 4%)の増加となっている。
固定負債の減少は,主に退職給与引当金が減少したためである。
流動負債の減少は,主に未払金が減少したためである。
資本金の減少は,他会計借入金の償還に伴い借入資本金が減少したためであり,
剰余金の増加は,当年度純利益が生じ,利益剰余金が増加したためである。
なお,流動資産5億442万円から流動負債2, 425万円及び固定負債5, 609万円を控除
した額は4億2, 406万円で,前年度末の3億7, 992万円に比べ4, 414万円(11. 6%)の増
加となっている。
ウ 財務比率について
財 務 比 率
(単位:%)
分 析 項 目 15年度 14年度 算 式
固 定 資 産
固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率
46. 4 50. 1 × 100
(望ましい比率100%以下) 資 本 金 + 剰 余 金 + 固 定 負 債
流動資産
流 動 比 率
2, 079. 8 704. 3 × 100
( 理 想 比 率 2 0 0 %以 上 ) 流動負債
[ 1, 977. 4]
現金預金+未収金
当 座 比 率
2, 076. 6 703. 2 × 100
( 理 想 比 率 1 0 0 %以 上 ) 流 動 負 債
[ 1, 974. 1]
負 債
負 債 比 率
13. 2 23. 3 × 100
( 理 想 比 率 1 0 0 %以 下 ) 自己資本
[16. 9]
(注)平成14年度末において,工事請負費が未払金となり,流動負債を増加させ,現金預金とし
て流動資産を増加させている額をそれぞれ控除した場合の比率を[ ]に示している。
固定資産とその調達資金源との関係をみる固定資産対長期資本比率は46. 4%で,
前年度末に比べ3. 7ポイント向上しており,固定資産の調達が資本金,剰余金,固定
負債の範囲内で行われているものと認められる。
短期の支払能力をみる流動比率は2, 079. 8%で,前年度末に比べ1, 375. 5ポイント
向上しており,理想とされる比率を示している。
当座の支払能力をみる当座比率は2, 076. 6%で,前年度末に比べ1, 373. 4ポイント
向上しており,理想とされる比率を示している。
経営の健全性をみる負債比率は13. 2%で, 前年度末に比べ10. 1ポイント向上して
おり,理想とされる比率を示している。
( 2) 収入状況
流動資産のうち未収金の年度末現在高は2, 629万円で,これは主に工業用水道料金の
5
む
す
び
本事業の運営状況の概要は,以上のとおりである。
本年度の調定水量は13, 239, 521âで, 前年度に比べ269, 158â減少している。
経 営 成 績 を み る と , 総 収 益 2億 9, 402万 円 に 対 し , 総 費 用 は 2億 6, 393万 円 で , 差 引 3, 009
万 円 の 純 利 益 を 生 じ て い る が , 前 年 度 に 比 べ 1, 150万 円 の 減 と な っ て い る 。 こ れ は , 総 費
用において主に減価償却費,修繕費などが増加したことによるものである。
今後の 経営 見通 しに ついてみると,営業収益の大部分を占める給水収益は,企業活動の
低 迷によ る調 定水 量の 伸び悩みなどから大幅な増加は見込めない状況にある。一方,営業
費 用につ いて は, 配水 管等経年化施設の修繕費の増加が予測されるなど,本事業の経営は
厳しさを増すものと考えられる。
したが って ,今 後も 引き続き,事業の健全な発展に向け,経営の合理化,事務能率の向