動, 数量設定行動の同値性について
著者 田中 靖人
雑誌名 經濟學論叢
巻 65
号 4
ページ 651‑665
発行年 2014‑03‑20
権利 同志社大學經濟學會
URL http://doi.org/10.14988/00027423
非対称な複占における相対利潤最大化と 価格設定行動, 数量設定行動の同値性について
田 中 靖 人
1 は じ め に
本稿では,差別化された代替財を生産する非対称な(asymmetric)複占(duopoly)
において企業が絶対的な利潤(absolute profit,利潤そのもの)ではなく自らの利 潤と他企業の利潤との差である相対利潤(relative profit)を最大化するときの,
価格設定行動と数量設定行動との関係を分析する.複占が非対称であるとは,
各企業が生産する財の需要関数が対称的であるとは限らず,また二つの企業 の費用関数が異なる可能性があるということである.価格設定行動とは戦略 変数として価格を選び,数量設定行動とは戦略変数として数量,すなわち産 出量を選ぶという意味である.第4節と第5節では複占を構成する一つの企 業が価格設定行動をとり,もう一つの企業が数量設定行動をとるものとする.
価格を設定する企業は相手が数量設定企業であることを知っているので相手 の産出量を与えられたものとして自らの価格を決め,数量を設定する企業は 相手が価格を設定する企業であることを知っているので相手の価格を与えら れたものとして自らの産出量を決める.
相対的な利潤,あるいは相対的な便益の最大化については以下の文献があ る.Schaffer (1989) は進化論的な枠組みの中で絶対的な利潤を最大化する企 業よりも相対的な利潤を最大化する企業の方がより生き延びることを示し た.それは以下のような論理による.通常のCournot均衡において産出量を 増やした企業はその財の価格を下げることによってそれ自身の利潤を減らす
が,その一方他の企業は産出量が増えずに価格だけが下がるのでその利潤は 一層大きく減ることになり,産出量を増やした企業の相対的な利潤は増える.
Vega-Redondo (1997) は同質財を生産する寡占において各企業が相対的な利潤
を最大化する場合には完全競争の均衡と同様の結果が得られることを示し た.その他相対的な利得あるいは効用を求めることの意味について Lundgren (1996) ,Lu (2011),Kockesen et al. (2000) などが取り扱っている.
筆者自身もTanaka (2013) で対称的な複占における相対利潤最大化のもとで の価格設定行動と数量設定行動の同値性を証明した.本稿はそれを非対称な 複占に拡張したものである.
以下,第4節では企業が絶対利潤を最大化する場合の価格設定行動と数量 設定行動の関係を分析し,第5節では相対利潤を最大化する場合の価格設定 行動と数量設定行動の関係を分析して,相対利潤最大化のもとでは価格設定 行動と数量設定行動が同じ結果をもたらすことを明らかにする.また,第3 節では絶対利潤を最大化する企業と相対利潤を最大化する企業の両方が存在 するときに両企業が価格を設定する場合も,数量を設定する場合もともに相 対利潤を最大化する企業の方が大きな利潤,すなわちより大きな絶対利潤を 得ることを示す.
2 モ デ ル
二つの企業A,Bがあり,差別化された代替的な財を生産している.各企 業の産出量や財の価格などを次のように表す.
企業Aの産出量 xA 企業Bの産出量 xB 企業Aの財の価格 pA 企業Bの財の価格 pB 企業Aの限界費用 cA 企業Bの限界費用 cB
cA,cBは正であり,互いに異なるかもしれない.固定費用はないものとする.
各企業が生産する財に対する逆需要関数(inverse demand function)は次のよ うに表される.
pA= -a xA-b xA B
pB= -a xB-b xB A
a>cA,a>cB,0<bA<1,0<bB<1である.bAとbBは異なるかもしれない.
xAは企業Aが生産する財に対する需要を,xBは企業Bが生産する財に対す る需要を表していて,財の価格は消費者による各財の需要と企業による供給 が一致するように決まる.この逆需要関数から以下の通常の需要関数が得ら れる.
x b b b a p b p
1
1 1
A= - A B6^ - Ah - A+ A B@
xB 1 b b1 1 b a p b p
A B B B B A
= - 6^ - h - + @
二つの企業の内の一つは数量設定企業(quantity setting firm)であり,もう一 つが価格設定企業(price setting firm)である.数量設定企業は自らの数量(産出量)
を設定するのであるが,相手が価格を設定する企業であることを知っている から,その価格を一定と見なして産出量を決める.一方,価格設定企業は自 らの財の価格を設定するのであるが,相手が数量を設定する企業であること を知っているから,その数量を一定と見なして価格を決める.前者がCournot 的な企業,後者がBertrand的な企業である.Cournot,Bertrandという言葉 を何を一定と見なすかという意味で使うならば,すなわち相手の産出量を一 定と見なすのがCournot的で,相手の価格を一定と見なすのがBertrand的で あると表現するならば逆になるが,通常は上記のように解釈される.企業が 相対的な利潤を最大化する場合に数量設定行動と価格設定行動が同じ結果を もたらすことを示すのが本論文の主要な内容なのでどちらでもよいようなも のであるが,絶対的な利潤を最大化する場合は結論が異なるので注意が必要
である.
企業Aが数量を,企業Bが価格を設定する場合はxAとpBを変数として,
企業Aの逆需要関数を
pA= -^1 b aAh - -^1 b b xA Bh A+b pA B
のように表し,企業Bの(通常の)需要関数を xB= -a pB-b xB A
と表すことができる.同様に企業Bが数量を,企業Aが価格を設定する場合 はxBとpAを変数として,企業Aの需要関数を
xA= -a pA-b xA B
のように表し,企業Bの逆需要関数を pB= -^1 b aBh - -^1 b b xA Bh B+b pB A
と表すことができる.
3 相対利潤最大化のメリット
相対利潤最大化の紹介を兼ねてごく簡単なケースを用いて絶対利潤最大化 と比較したメリットについて説明しよう.上のモデルを簡略化して対称的な 複占を考え,bA=bB=b,cA=cB=cとし,企業Aが絶対利潤を,企業Bが相 対利潤を最大化すると仮定する.まず各企業が産出量を選択する数量設定行 動をとるものとする.企業Aの(絶対)利潤と企業Bの相対利潤は以下のよ うに表される.
a x bx x cx
A A B A A
r = -^ - h -
a x bx x cx a x bx x cx
B B A B B A B A A
P = -^ - h - - -^ - h -
相対利潤を表すのにPの記号を用いる.それぞれ相手の産出量を与えらえた ものとして自らの産出量を決める.企業Aの利潤最大化条件,企業Bの相対 利潤最大化条件はそれぞれ
a-2xA-bxB- =c 0 および
a-2xB- =c 0 となる.下の式から x a c
B= -2
が得られ,これを上の式に代入して
x b a c
4 2
A=^ - h^ - h
が導かれる.それぞれの価格は
p a x bx x c b a c
4 c
A= - A- B= A+ = 2- -
^ h^ h+
および
p a x bx b b a c 4 c 2 2
B B A
2
= - - = - + -
^ h^ h+
となるから,各企業の(絶対)利潤は
b a c
4
A 2
2
r =;^ - h^ - hE
b b a c 8
B 2 2
2 2
r =^ - + h^ - h である.rBとrAを比べると
b b b
a c b a c 16
2 2 2 2
16 0
B A
2 2
2 2
22 r -r = - + - -
- = -
^ h ^ h ^ h ^ h
となる.
次に各企業が財の価格を選択する価格設定行動をとると仮定する.そのと き企業Aの利潤と企業Bの相対利潤は以下のように表される.
b b a p bp p c
1 1 1
A 2 A B A
r =
- 6^ - h - + @^ - h
b b a p bp p c
b b a p bp p c
1 1 1
1 1 1
B 2 B A B 2 A B A
r =
- - - + - -
- - - + -
^ h ^ h ^ h ^ h
6 @ 6 @
b b a p bp p c
b b a p bp p c
1 1 1
1 1 1
B 2 B A B 2 A B A
r =
- - - + - -
- - - + -
^ h ^ h ^ h ^ h
6 @ 6 @
それぞれ相手の財の価格を与えらえたものとして自らの財の価格を決める.
企業Aの利潤最大化条件,企業Bの相対利潤最大化条件はそれぞれ ^1-b ah -2pA+bpB+ =c 0
および
^1-b ah -2pB+ +^1 b ch =0 となる.下の式から
p b a b c 2
1 1
B=^ - h + +^ h
が得られ,これを上の式に代入して
p b b a b b c
4
1 2 2
A
2
=^ - h^ + h + + +^ h
が導かれる.また
p c b b a c
4 1 2
A- =^ - h^ + h^ - h
p c b a c 2
B- =^1- h^ - h
である.各企業の産出量は
x b b a p bp
b
b b a c 1
1 1
1 1
4 1 2
A= 2 A B 2
- - - + =
-
- + -
^ h c m ^ h^ h^ h
6 @ ; E
x b b a p bp
b
b b b
1 1 1
1 1
4 1 2 2
B 2 B A 2
2
= - - - + = -
- + +
^ h c m ^ h^ h
6 @ ; E
であるから,企業A,Bの(絶対)利潤は
p c x
b b b a c
16 1
1 1 2
A A A 2
r = - = 2
- - + -
^ h ^ h6^ h^ h^ h@
p c x
b b a c b b
8 1
1 1 2 2
B B B 2 2 2
r = - =
- - - + +
^ h ^ h6^ h^ h@ ^ h
となる.rBとrAを比べると
b b a c b b b
16 1
1 1 2 2 2 2
B A 2 2 2 2
r -r =
- - - + + - +
^ h6^ h^ h@ 6 ^ h ^ h@
b b a c b
16 1
1 2 1 2 220
= - - -
^ h6^ h^ h@
を得る.
以上によって企業が数量設定行動をとる場合も,価格設定行動をとる場合 も相対利潤を最大化する企業の方がより大きい絶対利潤を得ることがわかる.
4 絶対利潤最大化
この節では企業が絶対的な利潤(absolute profit)を最大化する場合を取り扱 う.企業Aが数量設定行動をとり,企業Bは価格設定行動をとると仮定する.
逆需要関数を用いて企業Aの利潤が次のように表される.
rA=6^1-b aAh - -^1 b b xA Bh A+b p xA B@ A-c xA A
一方企業Bの利潤は,通常の需要関数を用いて次のように表される.
rB= -^a pB-b xB Ah^pB-cBh
企業Aは,企業Bの財の価格を与えられたものとして自らの産出量を,企業 Bは,企業Aの産出量を与えられたものとして自らの財の価格を,それぞれ 絶対利潤を最大化するように決める.まず,企業Aの利潤最大化条件は ^1-b aAh -2 1^ -b b xA Bh A+b pA B-cA=0
であり,企業Bの利潤最大化条件は a-2pB-b xB A+cB=0
である.これらを連立方程式として解くと,企業Aの均衡産出量と企業Bの 均衡価格が次のように求められる.
x b b
b a b c c 4 3
2 2
A A B
A A B A
= -
- + -
) ^ h
p b b
b b b a b b c b c 4 3
2 2 1
B A B
B A B A B B B A
= -
- - + - +
) ^ h ^ h
企業Aの逆需要関数や企業Bの通常の需要関数によって企業Bの均衡産出量 と企業Aの均衡価格は次のように求められる.
x b b
b b b a b b c b c 4 3
2 2
B A B
B A B A B B B A
= -
- - - - +
) ^ h ^ h
p b b
b b b b b a b b b c b b c
4 3
2 2 1 2
A A B
A A B A2 B A A B B A B A
= -
- - + + - + -
) ^ h ^ h ^ h
x)AとxB)を比べると
x x b b
b b b b a b c b b b c
4 3
2 2
A B
A B
B A B A B A A A B B
- =
-
+ - - + + + -
) ) ^ h ^ h ^ h
となり,p)AとpB)を比べると
p p b b
b b b b b b a b b b c b b b c
4 3
2 2 1
A B
A B
A B A B A B2 B A B A A A B B
- = -
- + - + + - - - - -
) ) ^ h ^ h ^ h^ h
p p b b
b b b b b b a b b b c b b b c
4 3
2 2 1
A B
A B
A B A B A B2 B A B A A A B B
- = -
- + - + + - - - - -
) ) ^ h ^ h ^ h^ h
となる.価格を設定する企業Bの均衡産出量は,cA,cB,bA,bBの値によっ て産出量を設定する企業Aの均衡産出量より大きい場合もあれば小さい場合 もある.均衡価格も同様である.しかし,bA=bB=bおよびcA=cB=cと仮定 する,すなわち市場構造が対称的であると仮定すると
x x
b b a c
4 3 0
A B 2
2 2
- = -
-
) ) ^ h
および
p p
b b b a c
4 3
1 0
A B 2
2 1
- =
-
- - -
) ) ^ h^ h
となる.そのとき,数量を設定する企業Aの均衡産出量は価格を設定する企 業Bの均衡産出量より大きく,数量を設定する企業Aの財の均衡価格は価格 を設定する企業Bの財の均衡価格より低い.
企業Bが数量設定行動をとり,企業Aが価格設定行動をとる場合にはAと Bを入れ替えればよい.
5 相対利潤最大化
本節では企業が相対的な利潤を最大化しようとする場合を取り扱う.企業 A(企業B)の相対利潤は自らの利潤と企業B(企業A)の利潤の差である.企 業Aの相対利潤をPAで,企業Bの相対利潤をPBで表す.
5. 1 ケースA:企業Aが価格設定行動をとる場合
この小節では企業Aが価格設定行動を,企業Bが数量設定行動をとる場合 を考える.企業Aの逆需要関数と企業Bの通常の需要関数を用いてPAは次 のように表される.
A rA rB
P = -
a pA b xA B pA cA 1 b aB 1 b b xA B B b p xB A B c xB B
= -^ - h^ - h- -6^ h - -^ h + @ + 同様にPBは次のように表される.
B rB rA
P = -
b a b b x b p x c x a p b x p c 1 B 1 A B B B A B B B A A B A A
=6^- h - -^ h + @ - - -^ - h^ - h 企業Aは企業Bの産出量を与えられたものとして相対利潤を最大化するよう に自らの財の価格を決め,企業Bは企業Aの財の価格を与えられたものとし て相対利潤を最大化するように自らの産出量を決める.
企業Aの相対利潤最大化条件は
a-2pA-b xA B+cA-b xB B=0 (1)
となり,企業Bの相対利潤最大化条件は
^1-b aBh -2 1^ -b b xA Bh B+b pB A-cB+bA^pA-cAh=0 (2)
となる.(1)より
p 21 a b b x c
A= 6 -^ A+ Bh B+ A@ (3)
と表され,これを(2)に代入して企業Bの均衡産出量 x
b b
b b a b b c c 4
2 2
B
A B
A B A B A B
= 2
+ -
+ - - - -
u ^ ^ ^
h
h h
が求められ,(3)によって企業Aの均衡価格が次のように得られる.
p
b b
b b b b b a b b b c b b c
4
2 2
A
A B
A B A B B A A B A A B B
2
2 2
= + -
- - - + + + - + +
u ^
^ ^ ^
h
h h h
さらに企業Aの需要関数
xA= -a pA-b xA B
と企業Bの逆需要関数
pB= -^1 b aBh - -^1 b b xA Bh B+b pB A
から,企業Aの均衡産出量 x
b b
b b a c b b c 4
2 2
A
A B
A B A A B B
= 2
+ - - + - + -
u ^ ^ ^
h
h h
と,企業Bの財の均衡価格 p
b b
b b b b b a b b c b b b c
4
2 2
B
A B
A B A B A A B A B A B B
2
2 2
= + -
- - - + + + + + -
u ^
^ ^ ^
h
h h h
が得られる.
5. 2 ケースB:企業Bが価格設定行動をとる場合
次に企業Aが数量設定行動,企業Bが価格設定行動をとる場合を考える.
議論は対称的であるが確認のために見てみよう.企業Aの通常の需要関数と 企業Bの逆需要関数を用いてPAは次のように表される.
A rA rB
P = -
b a b b x b p x c x a p b x p c 1 A 1 A B A A B A A A B B A B B
=6^ - h - -^ h + @ - - - -^ h^ - h
同様にPBは次のように表される.
B rB rA
P = -
a pB b xB A pB cB 1 b aA 1 b b xA B A b p xA B A c xA A
= - -^ h^ - h- -6^ h - -^ h + @ + 企業Aは企業Bの価格を与えられたものとして相対利潤を最大化するように 自らの産出量を決め,企業Bは企業Aの産出量を与えられたものとして相対 利潤を最大化するように自らの財の価格を決める.
企業Aの相対利潤最大化条件は
^1-b aAh -2 1^ -b b xA Bh A+b pA B-cA+bB^pB-cBh=0 (4)
であり,企業Bの相対利潤最大化条件は
a-2pB-b xB A+cB-b xA A=0 (5)
である.(5)より
p 21 a b b x c
B= 6 -^ A+ Bh A+ B@ (6)
と表され,これを(4)に代入して企業Aの均衡産出量 x
b b
b b a c b b c 4
2 2
A
A B
A B A A B B
= 2
+ - - + - + -
t ^ ^ ^
h
h h
が求められ,(6)によって企業Bの均衡価格が次のように得られる.
p
b b
b b b b b a b b c b b b c
4
2 2
B
A B
A B A B A A B A B A B B
2
2 2
= + -
- - - + + + + + -
t ^
^ ^ ^
h
h h h
さらに企業Bの需要関数 xB= -a pB-b xB A
と企業Aの逆需要関数
pA= -^1 b aAh - -^1 b b xA Bh A+b pA B
から,企業Bの均衡産出量 x
b b
b b a b b c c 4
2 2
B
A B
A B A B A B
= 2
+ -
+ - - - -
t ^ ^ ^
h
h h
と,企業Aの財の均衡価格 p
b b
b b b b b a b b b c b b c
4
2 2
A
A B
A B A B B A A B A A B B
2
2 2
= + -
- - - + + + - + +
t ^
^ ^ ^
h
h h h
が得られる.したがって,
xuxAuA==xtAxtA,,upAupA==ptpAtA,, および
xuBxuB==xtBxtB,,puBpuB==tppBtB..
が成り立つことがわかる.これらは企業Aが価格設定者で企業Bが数量設定 者であるときの各企業の産出量と財の価格が企業Bが価格設定者で企業Aが 数量設定者であるときの各企業の産出量と財の価格に等しいことを意味する.
つまりどちらが価格設定者であるかが均衡に影響しないのである.
ここでbA=bB=b,cA=cB=cが成り立つ,つまり市場が対称的であると仮 定しよう.そのとき絶対利潤最大化のもとでの価格設定企業(企業Bとして)
の産出量は
x ,
b b b a c
4 3 2
B 2
2
= -
- - -
) ^ h^ h
であり,数量設定企業(企業Aとして)の産出量は x ,
b b a c 4 3 2
A= 2
- - -
) ^ h^ h
である.また相対利潤最大化のもとにおいては価格設定企業の産出量も数量 設定企業の産出量も
x x a c
A= B= -2
u u
に等しい.これらを比較すると,
x x
b
b b
2 4 3
A- B= 2 2
- - u )
^^ hh および
x x
b
b b
2 4 3
A- A= 2 32
- - u )
^^ hh
が得られる.したがって xuA2x)B
が成り立ち,相対利潤最大化における各企業の産出量は,絶対利潤最大化の もとでの価格設定企業の産出量より多いということが言えるが,数量設定企 業の産出量より多いかどうかはbの値による.0<b<2/3を満たせば多い.
【参考文献】
Kockesen, L., E.A. Ok and R. Sethi (2000) “The strategic advantage of negatively interdependent preferences,” Journal of Economic Theory, 92, pp.274―299.
Lu, Y. (2011) “The relative-profit-maximization objective of private firms and endogenous timing in a mixed oligopoly,” The Singapore Economic Review, 56, pp.203―213.
Lundgren, C. (1996) “Using relative profit incentives to prevent collusion,” Review of Industrial Organization, 11, pp.533―550.
Schaffer, M.E. (1989) “Are profit maximizers the best survivors?,” Journal of Economic Behavior and Organization, 12, pp.29―45.
Tanaka, Y.(2013) “Irrelevance of the choice of strategic variables in duopoly under relative profit maximization,” Economics and Business Letters, 2, pp.75―83.
Vega-Redondo, F. (1997) “The evolution of Walrasian behavior,” Econometrica, 65, pp.375―
384.
(たなか やすひと・同志社大学経済学部教授)
The Doshisha University Economic Review, Vol. 65 No. 4 Abstract
Yasuhito TANAKA, Equivalence of Price-Setting and Quantity-Setting Behaviors in an Asymmetric Duopoly under Relative Profit Maximization
We show that when both firms maximize relative profits in an asymmetric duopoly with differentiated goods, price-setting and quantity-setting behavior are equivalent in the sense that the output and price of the good of each firm are equal at the equilibrium where Firms A and B are price-setting and quantity-setting firms, respectively. We assume that demand functions for the goods are linear, marginal costs of the firms are constant, and fixed costs are zero.