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1. はじめに東京都中央区日本橋兜町は 明治 6 年 (1873 年 ) に第一国立銀行 ( 現在のみずほ銀行 ) が設立され 明治 11 年 (1878 年 ) に東京株式取引所が設立されるなど 我が国資本主義の発祥の地ともいえる そして 戦後の経済発展のなかで 日本橋兜町は 我が国を代表する 東

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Academic year: 2021

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(1)

日本橋兜町の再活性化に向けて

(中間提言)

平成27年4月28日

投資と成長が生まれる街づくり協議会

(2)

1.はじめに 東京都中央区日本橋兜町は、明治6年(1873年)に第一国立銀行 (現在のみずほ銀行)が設立され、明治11年(1878年)に東京株 式取引所が設立されるなど、我が国資本主義の発祥の地ともいえる。 そして、戦後の経済発展のなかで、日本橋兜町は、我が国を代表する 東京市場の代名詞となってきた。 この地域では、今、再開発の機運が醸成されつつあり、本協議会では、 この“事始めの街”、“証券の街”が、次の時代に向けてどのような役割 を果たしていくことが望ましいのか議論してきている。 これまでの議論を踏まえ、この地域の再活性化に向けた街づくりの一 つの方向性について、以下のとおり提案する。これらの提案内容につい て、関係者間での検証がなされ、今後の議論が深まっていくことを期待 する。 2.日本橋兜町の現状 日本橋兜町は、東京証券取引所の株券売買立会場での株式取引に参加 するために、多くの 証券会社の本支店が 集積し、“場立ち” に代表され る多数の証券関係者が賑わう街であった。 しかし、時代の流れとともに情報通信技術の高度化が進むなか、平成 11年(1999年)の株券売買立会場は閉場され取引は全面システム 化となり、また、バブル経済の崩壊からはじまる景気低迷が長引くなか、 大手証券会社の他の地域への移転や中小証券会社の統廃合により、街の 賑わいが徐々に失われ、新しい街の個性を見出せない状況にある。 さらには、隣接する日本橋地区の中心的エリアとは、首都高速の高架 2

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橋や道幅の広い昭和通りに隔離された感があり、都市計画上の位置付け も異なることなどの事情も相俟ってオフィスビルの更新は進まず、他方、 一部は、主として単身者向けの小規模なマンションに姿を変え、今日に 至っている。 また、この地域内には、幅4メートル未満の路地や電線地中化が未整 備な箇所が残っており、また、築年数が経過した旧耐震建物が多くを占 める現状は、防災面のリスクを孕んでいる。 3.再開発の必要性 日本橋兜町は、JR 東京駅から徒歩圏にあり、地下鉄東西線及び日比谷 線の茅場町駅、銀座線及び浅草線の日本橋駅、半蔵門線の三越前駅とい った鉄道アクセス、そして、鉄道利用や自動車利用による羽田・成田両 空港へのアクセスに恵まれている。 実際、東京証券取引所には、内外の投資家、学生、観光客など年間6 万人を超える見学者が訪れ、東京証券取引所内の記者クラブ(兜倶楽部) では、多くの上場会社が決算発表を行うとともに、東京証券会館の会議 室やホールではIR説明会が頻繁に実施されている。 また、日本取引所グループ、東京証券取引所、日本証券業協会等が主 催する投資家、社会人、学生向けのセミナーや起業家向けプログラムは 夜間に行われるものであっても盛況となっている。 さらには、この地域は、我が国を代表するグローバル企業や大手金融 機関が集積する丸の内・大手町地区や日本銀行や地方銀行の東京支店が 集まる日本橋本石町・室町地区と連接しており、これら地域全体が東京 国際金融センターを代表する街の顔として、活力を高めていくことが望 まれる。 3

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就中、日本橋兜町の再活性化は、この地域に拠点を構える証券会社や 証券関係諸団体のみならず町会を含めた地域全体の声となっており、地 元町会が中心となった「兜町街づくり意見交換会」においても再活性化 への期待が高まっている。 また、再開発は、以下に掲げるような具体的な問題への解決にも結び 付くものと考えられる。 ① 日本取引所グループ・東京証券取引所が開催する投資家向け・起 業家向けセミナー等の会場キャパシティの問題 ② 東京証券会館の会議室・ホール等この地域で多数開催されている 上場会社の IR 説明会等の会場キャパシティの問題 ③ 証券関係諸団体等のBCP 上の問題 ④ 日本取引所グループ・東京証券取引所を来訪する内外の関係者、 上場会社、見学者等の導線の利便の問題 ⑤ 地域の防災上の問題 4.活性化の方向性 本協議会は、日本橋兜町の新しい主役を「資産運用を中心とした金融 人」に置くことを提案する。 我が国経済の成熟化やグローバル化が進み、新興国も含めた国家間の 競争が増すなか、経済の持続的な成長のためには、高度な知識集約型産 業である金融業の発展が不可欠といえ、1,600兆円に及ぶ日本の個 人金融資産を活性化させ、アジアの成長を取り込んでいくためには、グ ロ ー バ ル な 投 資 を 掌 る 運 用 の プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル の 重 要 性 が 高 ま っ て いく。 高度金融人材の育成が我が国の重要な課題であることは、かねてより 4

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官民の有識者が指摘しているところでもあり、そうした金融人材、資産 運用を中心とした金融ベンチャー企業や金融専門サービス業者等が“育 ち”、“集い”、上場 会社等と“交流する ”街づくりを目指す ことが適当 と考える。 日本取引所グループ・東京証券取引所が存在するこの地域は、投資家 及び上場会社の双方にとり縁の深い街であり、投資家サイド(一般投資 家、機関投資家、資産運用のプロフェッショナルなど)と企業経営者サ イド(上場会社のみ ならず中堅中小企業 の経営者、起業家等 を含む。) が交わり、投資家の長期的な資産運用と企業経営者の長期的な企業価値 の向上が結び付く“投資家と企業が交流する舞台”となるポテンシャル を有しているものと考える。 また、我が国を代表する金融機関が集積する丸の内・大手町・日本橋 地区に近接する立地特性を活かすとともに、金融人材の縦軸(既存の大 手金融機関に属する人材とプロ金融人を目指す人材)の交流にも資する よう、主として外国人等の高度金融人材をターゲットとした住環境を整 えていくことが有効と考える。 空港への好アクセス、益々再開発が進展する大手町・丸の内・日本橋 地区との近接、他方、情緒のある人形町地区や銀座地区等の近接は、日 本が誇る食と治安と相俟っ た魅力 的な住 環境に つなが るもの と考え る。 併せて、街としての魅力を創出していく上で、“証券の街”という垣根 にとらわれることなく、来街者や居住者が遊び、楽しさを感じるコンテ ン ツ や 街 の 新 た な ア イ デ ン テ ィ を 象 徴 す る 建 物 や 施 設 を 設 け る と と も に、街の緑化や憩いの空間づくりなど、この地域全体の振興と防災力の 向上、街のそれぞれの担い手の交流の促進に貢献する「地域とともにあ る街づくり」を目指していくことに熱心であるべきと考える。 5

(6)

また、近接する日本橋地区の再開発との協調や日本橋川の首都高速道 路高架橋の地下化への働き掛け等を通じて、地域間の回遊性・相互補完 性を確保していくことに注力することが望まれる。 5.結びに 街づくりは、社会環境やマーケットの変化に影響を受けるものである が、地域の再開発の機運が高まり、政府の国家戦略特区制度や行政の東 京国際金融センター構想の理念と整合する今こそ、長期的視点での将来 像を描き、地域との連携を図り、行政府の後押しを得て、積極的に推進 していくべきである。 本協議会のこの提案は、単に建物や施設を造ることにとどまらず、プ ログラムやコミュニティを創造しようとするものである。 “証券の街”日本橋兜町に深く関係してきた証券金融業界をはじめと する関係者の理解と協力を仰ぎ、政府の国家戦略特区制度を活用し、実 効性のある街づくりがスピーディに進行していくことを期待する。 以上 6

(7)

投資と成長が生まれる街づくり協議会 委員等名簿 (座長)

奥田

トヨタ自動車株式会社 相談役 (委員)

斉藤

株式会社日本取引所グループ 取締役代表執行役グループ CEO

古賀

信行

日本証券業協会 証券戦略会議議長 副会長 野村ホールディングス株式会社 取締役会長

神宮

知茂

株式会社みずほ銀行 常務執行役員 平成27年3月まで 大串 桂一郎 株式会社みずほ銀行 常務執行役員(当時)

陽太郎

十字屋ホールディングス株式会社 代表取締役社長

合場

直人

三菱地所株式会社 代表取締役専務執行役員

岩熊

博之

平和不動産株式会社 代表取締役社長 (オブザーバー)

吉田

不曇

中央区副区長 7

(8)

投資と成長が生まれる街づくり協議会 検討経過 第1回 平成26年12月25日 10:30~11:30 ○ 意見交換 ・ 日本橋兜町の現状等について ・ 日本橋兜町の再開発構想について ・ 東京国際金融センター構想及び国家戦略特区制度との関連 について 第2回 平成27年 2月18日 9:45~11:45 ○ 有識者(ゲストスピーカー)による説明 ・ 寺口 智之氏(野村證券株式会社 執行役員 グローバル・マ ーケッツCOO兼グローバル・リサーチ担当) 「国際金融センターとしての東京の競争力強化」 ・ 高田 創氏(みずほ総合研究所株式会社 常務執行役員 調査 本部長) 「東京兜町を資産運用の街に「東京金融シティ構想の実現 に向けて」提言より」 ○ 論点整理と意見交換 第3回 平成27年 3月11日 10:30~11:45 ○ 中間提言案について議論 以上 8

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日本橋地区 大手町地区 東京証券 東京証券 取引所 取引所 日本銀行 日本銀行 兜町地区 昭和通り 平成通り 中央通り 新大橋通り 永代通 り 日本橋川 J P X・東 証・証 券 関 係 機 関 の 集 積 大 手 町・丸 の 内 地 区 、日本 橋 地 区 とのリンケージ 金 融 ベンチャー 企 業 や 情 報 サービス企 業 等 が 集 い、 投 資 家と企 業 の 対 話 交 流を促 進 「 東 京 国 際 金 融センター」の 一 翼として

資 産 運 用 等を担う金 融 人 材 が 育 つ 街 づくり

外 国 人 等 の 金 融 人 材 が 住まう街 づくり

■日本 橋 兜 町 の 将 来 像

別 紙 ①

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・防災機能

・イベント施設 ・飲食施設 ・文化,芸術施設 ・スポーツ施設  等

・ラグジュアリー賃貸住宅 ・サービスアパートメント ・ホテル ・インターナショナルスクール 等

・金融ベンチャー ・情報サービス ・インキュベーター ・証券関係機関  等

・ファイナンスカレッジ ・投資アカデミー ・証券金融図書館 等

・対話,交流拠点 ・地域交流拠点  等

■複合開発のイメージ

別紙②

参照

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