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Database Center for Life Science Online Service School of Medicine, Seiryo-machi, Sendai 980, Japan] Biological Role of NDP-kinase in Cell Proliferati

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Academic year: 2021

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(1)

総説ヌクレオシドニリン酸キナーゼの生理的役割-GTP結合蛋白質とその活性化機構-現 在, 細 胞 増 殖 因 子 (GF) を 含 む 多 くの 細 胞 活 性 化 因 子 に よ る細 胞 内情 報 伝 達 機 構 の1 っ に, GTP結 合 蛋 白質 が 重 要 な 役 割 を 演 じて い る こ とが 明 らか に され て き て い る。 これ らの 因 子 の ほ とん どが ヌ ク レオ シ ドニニリン酸 キナー ゼ (NDPキ ナ ー ゼ) をす み や か に誘 起 合 成 す る。 本 酵 素 は ホ ス ホエ ンザ イム を 介 して 各 種GTP結 合蛋 白質 を直 接 活 性 化 す る。 本 稿 で は, (1)NDPキ ナ ー ゼ の酵 素化 学 的 特 徴, (2)各種 細 胞 活性 化 因子 に よ る本 酵 素 の 誘 導, お よび(3)NDPキ ナ ー ゼ に よ るGTP結 合 蛋 白質 の 活 性 化 様 式 な どに つ い て 述 べ る 。 は じめ に 近 年, 種 々 の 細 胞 増 殖 因 子 (cell growth factor, 以 下GFと 略) を 含 む 多 くの 細 胞 活 性 化 因 子 [ペ プチ ドホ ル モ ン, イ ンタ ー フ ェ ロン (IFN) や 細 胞 分 化 因 子 な ど] は, そ れ ぞ れ の産 生 細 胞 か ら単 離 され て い るば か りで な く, そ の一 部 は遺 伝 子 工 学 的 手 法 に よ っ て 量 産 され て い る^<1)>。これ ら の活 性 化 因子 に 応 答 し うる細 胞 は, そ の 細 胞 膜 表 面 に特 異 的 な受 容 体 (receptor) を もち, この受 容 体 を 介 して必 要 な情 報 を細 胞 内 に伝 達 す る^<2)>。GFによ る細 胞 増 殖 (cell proliferation) は, (1) 細 胞 膜 上 のGF受 容 体 へ のGFの 結 合, (2)受容 体 を 構 成 す る酵 素 系 の 活 性 化 お よび 細 胞 内情 報 伝 達 因 子 (二次 伝 達 物 質) の産 生, (3)二 次伝 達 物 質 を 介 した 特 定 遺伝 子 お よび 代謝 系 の 活 性 化, そ して(4)GFに よ って 新 た に 発 現 され た 多 くの遺 伝 子 産 物 (gene pfoduct) の 生 理 活 性 の 発 現 な どの 諸過 程 を 経 て起 こ る と され て い る^<3∼5)>。した が っ て, GFの 細 胞 増 殖 機 構 に 関す る 研 究 は, GFと い う細胞 外 因 子 に よ る シ グナ ル伝 達 系 の解 析 とも い え る。 この機 構 は, 細 胞 生 物 学, 生 化 学, 分 子 生 物 学お よび 免 疫 学 な ど, 関 連 分 野か らの成 果 の 総 合 に よ って 基 本 的 な 概 念 が確 立 され つ つ あ る^<6∼8)>。 筆者 らは, と くに細 胞 分 化増 殖 因 子 (GFやIFN) に 感 受 性 の あ る細 胞 を これ らの 因 子 で処 理 した と きに 認 め られ る リン酸 化 蛋 白質 が, シ グ ナ ル伝 達 系 に ど う関 与 す るか を調 べ て きた 。 そ の結 果, GFやIFNで 細胞 を 処 理 す る と 細 胞 内 の ヌ ク レオ シ ドニ リン酸 キ ナ ーゼ [nu cleoside-diphosphate kinase (EC2. 7. 4. 6), 以 下NDP キ ナ ーゼ^<9)>と略] がす み や か に 誘 起 合 成 され る こ とが わ か っ た。 本 酵 素 は, ヌ ク レオ シ ドニ リン酸 (NDP) か ら ヌ ク レオ シ ド三 リン酸 (NTP) 産 生 を 触 媒 す る酵 素 で, RNAお よびDNA合 成 に必 要 な直 接 の 素 材 を 合 成 す る。 また 本 酵 素 は, シ グ ナ ル伝 達 系 で重 要 な役 割 を 演 じ て い るGTP結 合 蛋 白質 と も^<10,11)>密接 な関 係 を も って い る。 本 稿 の前 半 では, NDPキ ナ ーゼ の酵 素 化 学 に つ い て述 べ, 後 半 はGTP結 合 蛋 白質 の 活 性 化 様 式 と細 胞 増 殖 の初 期 反 応 にお け る本 酵 素 の生 理 的 役 割 につ い て, 筆 者 ら の実 験 結 果 を 中 心 に最 近 の研 究 報 告 を ま とめ た 。

I

. NDPキ

ナ ー ゼ の酵 素 的特 徴

1. NDPキ ナ ー ゼ の 細 胞 内 分 布 お よ び 測 定 法 NDPキ ナ ーは, 1953年, 2つ の 研 究 グル ー プ (Krebs^<12)>ら, Berg^<13)>ち) に よ っ て 独 立 に 発 見 さ れ た ホ ス ホ ト ラン ス フ ェ ラー ゼ の 一 種 で, 下 記 の 化 学 反 応 を 触 媒 す る^<9)>。

Kenzo Ohtsuki, 東 北 大 学 医 学 部 細 菌 学 教 室 (〒980 仙 台 市 星 陵 町2-1) [Department of Bacteriology, Tohoku University

School of Medicine, Seiryo-machi, Sendai 980, Japan]

Biological Role of NDP-kinase in Cell Proliferation and Activation Mechanism of GTP Binding Proteins by the Enzyme

Key word 【NDPキ ナーゼ】 【GTP結 合蛋 白質】【GTP結 合 蛋白質の活性化機構】 【細胞分化増殖因子】

(2)

ヌ ク レオ シ ド二 リン酸 キ ナ ー ゼ の生 理 的 役 割 43

N_1DP+N_2TP【double half arrows】N_1TP+N_2DP(N_1とN_2は異なる塩基)本 酵 素 は, 動 物 細 胞 のDNA合 成 期 (S期) ^<14,15)>やウ イ

ル ス 感 染 細 胞 に お い て 活 性 が 著 し く増 大^<16)>し, RNAや DNA合 成 に 必 須 なNTPお よ びdNTPを 供 給 す る 。 本 酵 素 は, 原 核 細 胞 の み な らず 真 核 細 胞 に い た る ま で 広 く 生 物 界 に 分 布 し て い る。 動 物 細 胞 で は 細 胞 質, 核 お よ び 細 胞 膜 な ど に 存 在 し, 全 体 の 約70%が 細 胞 質 (そ の ほ と ん ど が ミ ト コ ン ド リア)^<17,18)>に存 在 し, 約10%ほ ど が 細 胞 膜^<19)>に結 合 し て い る 。 NDPキ ナ ー ゼ の 酵 素 活 性 は, 共 役 分 析 (coupling assay) 法^<20)>で測 定 さ れ る 。 こ の 方 法 は, 間 接 的 な 測 定 法 で あ る た め に, 本 酵 素 の 諸 性 質 を 調 べ る に は 必 ず し も 適 し て い な い 。 直 接 的 な 酵 素 活 性 の 測 定 法 と し て は, 2 価 の 金 属 イ オ ン (Ca^<2+>, Mg^<2+>やMn^<2+>) 存 在 下 で [γ-^<32>P] ATPとNDPの1つ (た とえ ぼUDP) と の 反 応 後 , 生 成 し た [^<32>P] UTPを 薄 層 ク ロマ ト グ ラ フ ィ ー で 分 離 し て, そ の 放 射 活 性 を 測 定 し て 行 な う方 法 で あ る^<21)>。 2. NDPキ ナ ー ゼ の 直 接 的 検 出 法 と 新 し い 精 製 法 粗 酵 素 液 中 のNDPキ ナ ー ゼ は, 3mMCa^<2+>存 在 下 で [γ-^<32>P] ATPと 反 応 さ せ る と, [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ ィ ム (phosphoenzyme, 反 応 申 間 体) を 形 成 す る^<21,22)>。こ の [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ イ ム 自体 は 比 較 的 安 定 な た め, 直 接 SDS-PAGEと オ ー ト ラ ジ オ グ ラ フ ィ ー に よ っ て リ ン 酸 化 蛋 白 質 と し て 検 出 さ れ る (図1)^<21)>。 こ の 方 法 に よ っ て, 粗 抽 出 液 中 のNDPキ ナ ー ゼ は 直 接 検 出 さ れ る だ け で な く, 精 製 す る こ と な しに 酵 素 量 を 定 量 す る こ と が で き る 。3mMCa^<2+>存 在 下 で, NDPキ ナ ー ゼ サ ブ ユ ニ ッ ト [α サ ブ ユ ニ ッ ト (21K, pI7.5) と β サ ブ ユ ニ ッ ト (19K, pI6.5)] の み が リ ン 酸 化 蛋 白 質 と し て 選 択 的 に 検 出 さ れ る (図2)^<23)>。理 由 と して は, (1)3mMCa^<2+>は NDPキ ナー ゼ の ホス ホ エ ン ザ イ ム 形 成 に 影 響 を 与 え る こと な しに 粗 酵 素 液 中 の プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ (PKase) に よ る 共 存 蛋 白 質 の リ ン酸 化 を 阻 害 す る た め と, (2)NDP キ ナ ー ゼ はATPと 反 応 性 が 非 常 に 高 い (ATPに 対 す る 本 酵 素 のKd=10^<-10>M) た め で あ る 。 筆 者 ら^<21)>は, NDPキ ナ ー ゼ を 高 純 度 に 精 製 す る た め に, エ ー ル リ ッ ヒ 腹 水 癌 細 胞 (以 下, EAT細 胞 と 略) を 用 い た 。EAT細 胞 か ら 得 た 粗 酵 素 液 か らDEAEセ ル ロ ー ス, ヒ ド ロ キ シ ル ア パ タ イ トカ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー お よ び ホ ス ホ セ ル ロ ー ス カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ っ て, NDPキ ナ ー ゼ を 精 製 した^<21)>。一 方, NDP キ ナ ー ゼ サ ブ ユ ニ ッ トは7M尿 素 存 在 下 で 解 離 し, 尿 素 非 存在 下 で再 会 合 す る の で, NDPキ ナ ー ゼ の 粗 酵 素 液 画分 を 尿 素 存在 お よび 非 存 在 下 で Sephacryl S200カ ラ ム で ゲル 濾過 す るだ け で も本 酵 素 を 精製 す る こ とが で き る (図3)^<13∼25)>。 3. NDPキ ナ ー ゼ の サ ブ ユ ニ ッ ト構 造 EAT細 胞 か ら高 純 度 に精 製 したNDPキ ナー ゼ は, 図1. SDS-PAGEと オ ー トラジ オ グ ラ フ ィ ーに よる 粗 酵 素 液 中 のNDPキ ナ ー ゼ サ ブユ ニ ッ トの 直 接 的 な 検 出^<23)> HeLaS3細 胞 か ら 調 製 した 細 胞 抽 出 液 (20μg蛋 白 質) を3mMCa^<2+>(レ ーン1), 3mMMg^<2+>(レ ー ン2), お よ び3mMMn^<2+>(レ ーン3) 存 在 下 で [γ-^<32>P] ATPと 反 応 (0℃ で5分 間) さ せ た の ち, た だ ち にSDS-PAGEと オ ー トラ ジオ グ ラ フ ィー に よ っ て リ ン酸 化 蛋 白 質 を 分 析 した 。 レ ーン1の リン酸 化 蛋 白質 はNDPキ ナ ー ゼ の α サ ブ ユ ニ ッ ト (22K) と βサ ブユ ニ ッ ト (19K) で あ る。 図2. 二 次 元 電 気 泳 動 法 に よるNDPキ ナ ー ゼ サ ブ ユ ニ ッ トの検 出^<23)> 図1に 示 した 同 一 試 料 を3mMCa^<2+>存 在 下 で [γ-^<32>P] ATP と反 応 (0℃ で5分 間) さ せ た の ち, リン酸 化 され たNDP キ ナー ゼ サ ブ ユ ニ ッ トを O'Farrell ちに よる 二 次 元 電 気 泳 動 法 で分 析 した 結 果 で あ る。

(3)

2つ の 異 な る サ ブ ユ ニ ッ ト [20∼22K (α) と17∼19K (β)] か ら な っ て い る^<21)>。本 酵 素 の 分 子 量 が 約80Kで あ る こ と か ら, 本 酵 素 は α_2β_2のサ ブ ユ ニ ッ ト構 造 を と る と 推 定 さ れ る^<21)>。ヒ ト由 来 の 細 胞 (HeLaS3細 胞, Raji細 胞 やT細 胞 な ど) か ら 得 たNDPキ ナ ー ゼ は, マ ウ ス 細 胞 (EAT細 胞 やNK細 胞)^<23,24)>のNDPキ ナ ー ゼ と 同 様 の サ ブ ユ ニ ッ ト構 造 を も っ て い る 。 本 酵 素 の サ ブ ユ ニ ッ ト は, 等 電 点 電 気 泳 動 法 お よ びFPLCの MonoPカ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー を 用 い て 各 々 の サ ブ ユ ニ ッ ト に 分 離 で き る^<25)>。そ れ ぞ れ の サ ブ ユ ニ ッ トを in vitro で 再 構 成 す る と, 本 酵 素 の 酵 素 活 性 お よ び ホ ス ホ エ ン ザ イ ム 形 成 能 が 再 現 さ れ る^<25)>。 前 述 した 動 物 細 胞 のNDPキ ナ ー ゼ は2つ の サ ブ ユ ニ ッ トか ら な っ て い る が, ブ タ 腎 臓細 胞 膜 のNDPキ ナ ー ゼ は 分 子 量21Kの サ ブ ユ ニ ッ ト の6量 体^<26)>から な り, ウ シ 脳 細 胞 の ミ ト コ ン ド リ アNDPキ ナ ー ゼ で は 等 電 点 (pI) の 異 な る2種 の サ ブ ユ ニ ッ ト^<27)>(18K) か ら な る と 報 告 さ れ て い る 。 ま た, ヒ ト赤 血 球 のNDPキ ナ ー ゼ は 少 な く と も6種 の 異 な る 活 性 画 分 (pIが 異 な る)^<28)>に分 け ら れ る と い う。 こ の よ う に 過 去 に 報 告 さ れ た 動 物 細 胞 に お け るNDP キ ナ ー ゼ の サ ブ ユ ニ ッ ト構 成 に 関 す る 情 報 は 一 定 し て い な い 。 筆 者 ら の 行 な っ た 予 備 実 験^<29)>から, (1)NDPキ ナ ー ゼ の α サ ブ ユ ニ ッ トの み が 細 胞 内 プ ロ テ ア ー ゼ や ト リ プ シ ン に 感 受 性 で あ る こ と, (2)β サ ブ ユ ニ ッ トだ け で も NDPキ ナー ゼ 活 性 を 示 し, 6量 体 を 形 成 す る こ と, さ らに(3)精製 したNDPキ ナ ー ゼ は 他 の蛋 白質 (GTP 結 合 蛋 白 質や ATPase な ど) と親 和 性 を もつ こ とな ど か ら, 過 去 に報 告 され たNDPキ ナ ー ゼ標 品 は精 製 過 程 で αサ ブユ ニ ッ トが プロ テ ア ー ゼ に よっ て分 解 さ れ た も のか, あ るい は親 和 性 の あ る他 の蛋 白 質 との 複合 体 を 観 察 した 可 能 性 が あ る。 4. NDPキ ナ ー ゼ の ホ ス ホエ ンザ イ ム形 成 の特 徴 NDPキ ナ ー ビがNTPの1つ と反 応 して生 じ るホ ス ホエ ンザ イ ム^<9,30)>は, 各 種 プ ロテ イ ンキ ナ ー ゼ (PKase) の 自 己 リン酸 化 (autophosphorylation) や, 基 質 蛋 白 質 の リン酸 化 と次 の点 で本 質 的 に異 な る (表1)。(1)NDP 図3. Sephacryl S200ゲ ル 濾 過 法 に よ るNDPキ ナ ー ゼ の部 分 精 製^<24)> 各 種 動 物 細 胞 か ら調 製 した 粗 酵 素 液 画 分 を 直 接, Sephacryl S200カ ラ ム に よる ゲル 濾 過 (a) を 行 な った の ち, NDPキ ナ ー ゼ 活 性 画 分 を7M尿 素 を 含 む20mM Tris 塩 酸 (pH7.5) の 緩 衝 液 に 透 析 した の ち, あ らか じめ 同緩 衝 液 で平 衡 化 して お い た Sephacryl S200の カ ラ ム で ゲル 濾 過 を 行 な う と, NDPキ ナ ー ゼ は 低 分 子量 画 分 (分 子量 約18∼23K) に 溶 出 され る (b)。 表1. NDPキ ナ ー ゼ の ホ ス ホ エ ンザ イ ム とプ ロ テ イ ン キ ナ ーゼ に よ る リン酸 化 蛋 白質 と の主 な る相 違 点

(4)

ヌ ク レオ シ ドニ リン酸 キ ナ ー ゼ の生 理 的 役 割 45 キ ナ ー ゼ^<21,22)>は, 低 温 (4℃ 以 下) で も37℃ とほ ぼ 同 様 の キ ネ テ ィ クス で ホ ス ホ エ ンザ イ ム を形 成 す る の に対 し て, PKase に よ る基 質 蛋 白質 の リン酸 化 反 応 は温 度 依 存的 で あ る。(2)ホス ホ エ ンザ イ ム は反 応 中間 体 であ る の で, そ の リン酸 基 とNDPか らNTPを 産 生 す る^<30)>。こ れ に対 して, PKase に よる蛋 白質 の リ ン酸 化 は蛋 白質 の修 飾 作用 で あ り, 蛋 白 質 の もつ 生 理 活 性 (活 性化 や不 活 性 化) を 調 節 す る。(3)PKase は 基質 とな る蛋 白 質 の セ リン, ス レオ ニン お よび チ ロ シ ン 残 基 を リン酸 化 す る^<31,32)>のに対 して, NDPキ ナ ー ゼ の ホ ス ホ エ ンザ イ ム の リン酸 化 部 位 は ヒス チ ジ ンお よび リジ ン残 基 と され て い る^<33,34)>。(4)ホス ホ エ ンザ イム の リン酸 基 は, 酸 性 お よ び ア ル カ リ性 条 件 下 では きわ め て 不 安 定 で あ るた め に リ ン酸 基 を遊 離 す る が, PKase に よ って リン酸 化 され た 蛋 白質 の リン酸 基 (エス テ ル結 合) は, こ の よ うな条 件 下 で は 遊 離 しな い。 さ らに, (5)ホ ス ホエ ンザ イ ム 形 成 はNTPの 塩 基 種 に非 特 異 的 で あ るの に対 し, PKase に よる 蛋 白質 の リン酸 化 反 応 に 対 す る リン酸 供 与 体 は ATPお よびGTPで あ る。 5. 細胞 活 性 化 因子 に よ るNDPキ ナ ー ゼ の誘 導 NDPキ ナ ーゼ が [γ-^<32>P] ATPと の 反 応 に よ って 生 じ る [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ ィ ム量 は, ニ トロ セ ル ロ ー ス メ ン ブ ラ ン法 に よっ て定 量 され る。 細 胞 活 性 化 因子 の1つ で あ るIFNで そ の 感 受 性 細 胞 (HeLaS3細 胞) を 処 理 した のち, 細 胞 内 のNDPキ ナ ー ゼ の量 的 変 化 を調 べ た (表 2)^<23)>。得 られ た 実 験 結 果 か ら, (1)各 種 ヒ ト型IFNは 濃 度 (unit/ml) 依 存 的 にNDPキ ナ ー ゼ 量 を 上 昇 さ せ る こ と, (2)ヒ ト型IFN-γ に よ る こ のNDPキ ナ ー ゼ の 上 昇 は ア ク チ ノ マ イ シ ンDお よ び 抗IFN-γ 抗 体 (血 清) に よ っ て 抑 制 さ れ る こ と, さ ら に(3)HaLaS3細 胞 で は マ ウ ス 型IFNに よ る 本 酵 素 の 誘 導 は 認 め られ な い の で,

2', 5'-オ リ ゴA合 成 酵 素^<35)>やdsRNA依 存 性PKase^<36)>の

誘 導 な ど と 同 様 に, IFNの 種 特 異 性 を 示 す こ と な ど が 明 ら か に な っ た 。 一 方, マ ウ ス 脾 臓 か ら ナ イ ロ ン ウ ー ル カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラフィ ー お よ び Ficoll 密 度 勾 配 遠 心 法 で 精 製 し た NK細 胞 画 分 を, NKお よ びT細 胞 の 増 殖 因 子 で あ る イ ン タ ー ロ イ キ ン2 (IL-2)^<37)>で 少 な く と も12時 間 処 理 す る と, 図4に 示 した よ う にIL-2非 処 理 細 胞 と 異 な り. IL-2処 理 細 胞 で は い くつ も の 新 し い 蛋 白 質 が 認 め ら れ る^<38)>。こ の よ う な 実 験 結 果 か ら, GFに よ る 細 胞 増 殖 は GFに よ っ て 特 異 的 に 誘 導 さ れ る 新 し い 蛋 白 質 の 生 理 作 用 を 介 し て 起 こ る 現 象 で あ る こ と を 示 し て い る 。 IFNの 実 験 と 同 様 に ニ ト ロ セ ル ロ ー ス メン ブ ラ ン 法 を 用 い てNDPキ ナ ー ゼ 量 の 変 化 を 求 め た と こ ろ, rIL-2濃 度 と処 理 時 間 に 依 存 し て 上 昇 す る (図5)^<39)>。 こ の NDPキ ナ ー ゼ 量 の 上 昇 は, rIL-2 (100 units/ml) 添 加 後2時 間 で 約2.3倍, 6時 間 で 約4倍 で あ っ た 。IL-2 依 存 性 の ヒ トT細 胞 (TL-mor)^<40)>は, と く に 本 酵 素 の 被 誘 導 能 が 高 く, ヒ ト型 レ コ ン ビ ナ ン トIL-2 (rlL-2) 表2. 各 種IFNに よ るNDPキ ナ ーゼ の 誘 導^<23)> rHuIFN : ヒ トレ コ ン ビ ナ ン トイ ン タ ー フ ェ ロン, Mu-IFN : マ ウス 天 然 イ ンター フ ェ ロ ン。 HeLaS3細 胞 (約10^6細 胞) を 各 種IFNで6時 間 処 理 し, そ れ ぞ れ の 細 胞 か ら細 胞 上 清 を 調 製 し, そ の 一 定 量 (蛋 白 質 濃 度 に して20μg) 中 のNDPキ ナ ー ゼ 量 を ニ トロセ ル ロー ス フ ィル ター 法 で 測 定 した 。 図4. 細 胞 増 殖 因 子 (rIL-2) 処 理 に よ る 蛋 白質 の 誘 導^<38)> マ ウス 脾 臓 か ら分 離 したNK細 胞 画分 をrIL-2 (100 units/mlで12時 間) で 処 理 し, 細 胞抽 出液 中 の 蛋 白 質 をSDS-PAGEで 分 析 した 結 果 (1 : 非 処 理 対 照, 2 : rIL-2処 理 対 照)。

(5)

で 処 理 す る と非 処 理 対 照 に 比 較 して, 約15倍 ほ ど上 昇 させ る。 こ のrIL-2に よ るNDPキ ナ ー ゼ の上 昇 は ア クチ ノマ イ シ ンDに よっ て 阻 害 され る。 またrIL-2処 理 ヒ トT細 胞 にお け るNDPキ ナ ーゼ の 上 昇 と同様 の 現 象が, 他 の細 胞 系 (た とえ ばPDGF^<41)>やEGF^<42)>に よ るそ れ ぞれ 感 受 性 細 胞 の 処 理) にお い て も 認 め られ る。 こ の事 実 は, GF種 お よび そ の感 受 性 細 胞 の細 胞 生 物 学 的 な性 質 こそ 異 な れ, NDPキ ナ ー ゼ を上 昇 させ る こ とに共 通 性 を も っ て い る 。 しか しな が ら, rIL-2誘 導 NDPキ ナーゼ と既 存NDPキ ナ ー ゼ との 間 で酵 素化 学 的な 相違 を 認 め る こ とが で き なか うた 。 さ ら に, 細 胞 増 殖 速 度 の 異 な る各 種腫 瘍 細 胞 (EAT, EL-4, L-1210 や Meth A細 胞 な ど) のNDPキ ナ ー ゼ量 を 調 べ た と こ ろ, (1)腫瘍 細 胞 のNDPキ ナ ーゼ 量 は 正 常 細 胞 や 正 常 動 物 の組 織 細 胞 のそ れ ち に比 べ て非 常 に高 い こ と, (2)腫 瘍 ウ イ ル ス に よ る トラン ス ホ ー ム細 胞 (JKK) のNDP キナ ー ゼ量 は非 トラ ン ス ホ ー ム細 胞 (NIH3T3) の そ れ よ り有 意 に高 い こ と (図6), ま た, (3)GFに よ る本 酵 素 の誘 導 キ ネテ ィ クス は, リンパ 球 細 胞 の芽 球 化 の 初 期 反 応 時 に認 め られ る蛋 白質 の リン酸 化^<43,44)>のそ れ に よ く 対 応 して い る こ と な ど の実 験 結 果 か ら, (a)NDPキ ナ ーゼ は細 胞 増 殖 因子 な ど の誘 起 剤 (gene inducer) に よ っ てす み や か に誘 起 合 成 され る よ うな 遺伝 子 の1つ で あ る こ と, (b) 本酵 素 の細 胞 内濃 度 と細 胞 増 殖 とは 密接 な 関 係 を もつ こ とが 示 唆 され た 。 と ころ で, IFNは 細 胞 増 殖 を 抑 制 す るに もか かわ ら ず, GFと 同様 にNDPキ ナ ー ゼ を誘 起 合 成 す る 。 この 本 質 的 な 機 構 の 相 違 は 明 らか で な い が, IFNに よる NDPキ ナ ーゼ 誘 導 は(1)γ 型IFNの み に強 い誘 導 活 性 図5. ヒ トrIL-2に よ るNDPキ ナ ー ゼ の 誘 導^<38)>

(a)マ ウ スNK細 胞 を ヒ トrIL-2 (100units/ml) で 処

理 し, そ の 細 胞 抽 出 液 中 のNDPキ ナ ー ゼ 量 を 経 時 的 に 測 定 した 。(●) rIL-2処 理, (□)rIL-2非 処 理 。 (b) マ ウ スNK細 胞 を 各 濃 度 の ヒ トrIL-2で 処 理 し, 6時 間後 のNDPキ ナ ー ゼ 量 を 測 定 した 。 図6. トラ ンス ホ ー ム細 胞 と非 トラ ンス ホ ー ム 細 胞 に お け るNDPキ ナ ーゼ の量 的 相 違 非 トラ ンス ホ ー ム細 胞 (NIH3T3) お よび 本 細 胞 の トラ ン ス ホ ー ム細 胞 (JKK) よ り調 製 した 細 胞 抽 出 液 の 一 定 蛋 白 質 あ た りのNDPキ ナ ーゼ 量 をSDS-PAGEお よび オ ー ト ラ ジ オ グ ラフ ィ ー で 解 析 した 結 果 。 α お よび βは, NDPキ ナ ーゼ の サ ブ ユ ニ ッ トを 示 す 。 図7. マ ウスNK細 胞 か ら調 製 した 粗 酵 素 液 のFPLC (MonoQカ ラ ム) に よるNDPキ ナ ーゼ の精 製^<39)> rI L-2処 理 (b) お よび 非 処 理 (a) マ ウスNK細 胞 か ら調 製 したNDPキ ナ ー ゼ 画 分 をFPLCで 分 析 した 。 (□) NDPキ ナ ー ゼ の [^<32>P] ホ ス ホエン ザ イ ム形 成 能, (■) [^<35>S] GTP-γ-Sの 結 合 活 性 。

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ヌ ク レオ シ ド二リ ン酸 キ ナ ー ゼ の 生 理 的 役割 47 が 認 め られ る こ と, (2)各種GFに よる誘 導 に比 べ て は る か に 低 い こ と, さ らに(3)IFNは そ の感 受 性細 胞 に 対 し NDPキ ナ ーゼ 以 外 に も多 くの 蛋 白質 を 誘 起 合成 させ る^<36)>などの 特 徴 を もつ。お そ ら く, NDPキナー ゼ は IFNに よる細 胞 分化 の 誘 導 に 伴 う細 胞 内情 報 伝達, 特 定 遺 伝 子 の 発 現 や 特 異 蛋 白 質 の 合 成 な ど の調 節 に重 要 な 役 割 を 演 じて い る もの と考 え られ る。 6. NDPキ ナ ー ゼ 結 合 性GTP結 合蛋 白 質 マ ウス お よ び ヒ ト細 胞 の 細 胞 膜 画 分 か ら 得 られ た NDPキ ナ ー ゼ画 分 に [^<35>S] GTP-γ-Sの 取 込 み が認 あ ら れ るこ とか ら, 本酵 素 にGTP結 合 蛋 白質 が結 合 して い る こ とが 示 唆 され た 。 そ こで, NDPキ ナ ー ゼ画 分 を 高 速 液 体 カ ラ ム ク ロマ トグ ラ フ ィー (FPLC, タ イ プMo noQカ ラ ム) で分 析 す る と, 2つ のNDPキ ナ ー ゼ 活 性 画 分 に 分 離 され る。 これ ら2つ のNDPキ ナ ー ゼ活 性 画 分 と も [^<35>S] GTP-γ-Sの 取 込 み が 認 め られ る(図 7)^<39)>。これ ら2つ のNDPキ ナ ー ゼ 画 分 (FPLC, F-1 図8. 密 度 勾 配 遠 心 法 に よ るNDPキ ナ ーゼ か ら GTP結 合 蛋 白 質め 分 離^<39,45)> (a) マ ゥスNK細 胞 か ら 部 分 精 製 したNDPキ ナ ー ゼ (FPLC画 分) を5∼25%グ リセ ロー ル 密 度 勾 配 遠 心 法 (50,000rpm, 4℃ で16時 間遠 心) で分 析 した 結 果 。 (b)お よび(c)aで 用 い たNDPキ ナ ー ゼ 画分 を7M 尿 素 と1mMEDTAを 含 む20mM Tris 塩 酸 (pH7.5) 緩 衝 液 に 透 析 した の ち, aと 同 一 条 件 で 密 度 勾 配 遠 心 法 で 分 析 した 。(○)NDPキ ナ ーゼ の [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ム形 成 能, (●)GTP結 合 蛋 白 質へ の [^<35>S] GTP-γ-S結 合 活 性 。 表3. NDPキ ナ ーゼ 画 分 か ら 分 離 したGTP結 合蛋 白 質 (G_1)へ の [α-^<32>P] GTPの 結 合 に 対 す る 各 種 化 学 物 質 の効 果^<45)> NDPキ ナ ーゼIよ り得 たGTP結 合 蛋 白 質 (G_1)を5mM Mg^<2+>と 各 種 化 学 物 質 存 在 下 [Ca^<2+>(5mM), DTT(4mM), NEM(1mM), EDTA(2mM) そ め 他 め化 学 物 質 は す べ て0.1 μMで 行 な っ た] お よび 非 存 在 下 で [α-^<32>P] GTPと37℃ で 10分 間 反 応 後, G_1に 結 合 した [α-^<32>P] GTP量 を ニ トロセ ル ロ ー ス フ ィル タ ー 法 で 測 定 した 。 表4. NDPキ ナ ーゼ 結 合 性GTP結 合 蛋 白 質 (G_1) と c-rasp21蛋 白 質 の 比 較

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とF-II画 分) を そ れ ぞ れ7M尿 素 と1mMEDTAを 含 む10mM Tris 塩 酸 緩 衝 液 (PH7.5) に て 透 析 の の ち, 5∼25%グ リ セ ロ ー ル 密 度 勾 配 遠 心 法 で 分 析 す る と, NDPキ ナ ー ゼ か ら [^<35>S] GTP-γ-S結 合 活 性 を も つ 蛋 白 質 が 分 離 さ れ る (図8)^<39,45)>。こ の よ う に して 得 た NDPキ ナ ー ゼ 由 来GTP結 合 蛋 白 質 (G_1お よ びG_2) , は, (1)マ ウ スNK細 胞 お よ びHeLaS3細 胞 で 分 子 量 20∼22Kで あ る こ と, (2) [^<35>S] GTP-γ-Sの 本 蛋 白 質 へ の 結 合 に はMg^<2+> (至 適 濃 度 は5mM) が 必 須 で あ る こ と, (3) [^<35>S]GTP-γ-Sの 本 蛋 白 質 へ の 結 合 は, GDPお よ びGTPの ア ナ ロ グ (GMP-PNPやGMP-PCP) に よ っ て 著 し く 阻 害 さ れ る (表3)^<45)>こ と, (4)GDPの 本 蛋 白 質 へ の結 合 力 はGTPよ り強 い こ と, さ ら に(5)本 蛋 白 質 は GTPase 活 性 を もつ こ とな どの生 化 学的 諸 性 質 が 明 らか に な った 。 この よ うなGTP結 合 蛋 白 質 の性 質 は, プ ロ トオ ン コ ジー ンの 遺伝 子 産 物 の1つ で あ る rasp21 蛋 白 質 の そ れ ら^<46,47)>と, (1)生化 学 的 な諸 性 質, (2)細 胞 増 殖 因 子 に よ る被 誘 導 能, お よび(3)腫瘍化 した細 胞 中 の存 在 量 な どで よ く類 似 して い る (表4)。 そ こ で, v-ras^Hp21蛋 白質 の モ ノ ク ロー ン 抗 体 を用 い て, NDPキ ナ ーゼ 結 合 性G_1お よ びG_2とrasp21蛋 白質 との共 通 性 を 解 析 し た 。 そ の結 果, [α-^<32>P] GTPのG_1お よびG_2 へ の結 合 が モ ノ ク ロー ン抗 体Y13-259に よ っ て濃度 依 存 的 に阻 害 され る (表5)^<45)>。しか しな が ら, 本 抗 体 に よ るv-ras^Hp21蛋 白 質 へ の [α-^<32>P] GTPの 結 合 阻 害 と 比 較 して, G_1へ の 結 合 阻 害 は 約30%で あ った 。 モ ノ ク ロ ー ン抗 体Y13-259は, v-rasp21蛋 白 質 のGTP結 台 部 付 近 ドメ イ ン を認 識 す る^<48,49)>とさ れ て お り, こ の よ うな実 験 結 果 と矛 盾 しない 。 お そ ら く, G_1とG_2はv-rasp21蛋 白 質 と部 分 的 に 抗 原 性 が 共 通 す る蛋 白質 であ る と考 え られ る。G_1とG_ 2に は, GTP に特 異 的 な オ ー トキ ナ ーゼ 活 性 が な い こ と もc-rasp21 蛋 白質 と似 てい る。 い ず れ この 問 題 の 解 決 は, G_1の 一 次 構 造 の決 定 に よ って 帰 着 され る。 最 近, Gilman ら^<50,51)>は, 細菌 毒 素 に よ るG蛋 白質 の 1つ で あ るGs (ア デ ニル酸 シ ク ラ ーゼ 活 性 を 促進 す る 因 子) のADPリ ボ シ ル化 反 応 機 構 の解 析 中 に,Gsの αサ ブ ユ ニ ッ トをADPリ ボ シ ル 化 す るた め に は, 脂 質, ニ コチン ア ミ ドアデ ニン ジ ヌ ク レオ チ ド (NAD), GTP以 外 に 細 胞 膜 結 合蛋 白 質 (AFR, 細胞 膜結 合 性蛋 白質 の略) が 必 須 で あ る こ とを 見 い だ した 。 このAFR は, (1)分子 量 が約21K, (2)グ ア ニ ソ ヌ ク レオ チ ド (GDP お よびGTP) に特 異 的 な結 合 活 性 お よびGTPase活 性 を も ち, さ らに(3)アデ ニル 酸 シ ク ラ ーゼ 活 性 を 上 昇 さ せ る性 質 を もつ こ とな どか ら, rasp21と きわ め て よ く 類 似 した蛋 白質 であ る。 しか しな が ら, v-rasp21抗 体 と反 応 しな い こ とや 蛋 白質 の一 次 構 造 がp21と 異 な る こ とな どか ら, 別 なGTP結 合 蛋 白質 であ る と考 え られ て い る。G_1お よびG_2はAFRと 同様 に ト リ肝 細 胞 核 画 分 か ら分 離 精 製 したADPリ ボ シル化 酵 素^<52,53)>によ っ てADPリ ボ シル化 さ れ, GTPase活 性 を消 失 させ る。 7. ホ ス ホエ ンザ イ ム の リ ン酸 基 受 容 体 NDPキ ナ ーゼ の ホ ス ホエ ンザ イ ム は, 比 較 的 安 定 な 表5. モ ノ ク ロー ン抗 体 (Y13-259) に よ る [α-^<32>P] GTP のG_1蛋 白 質 へ の 結 合 阻 害^<55)> 図9. NDPキ ナ ーゼ の [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ム の もつ [^<32>P] リ ン酸 基 のGDPお よびADPへ の転 移 キ ネ テ ィ ク ス^<54)> エ ール リ ッ ヒ腹 水癌 細 胞 か ら 高 純 度 に 精 製 したNDPキ ナ ーゼ を [γ-^<32>P] ATPと 反 応 させ て [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ イ ムを 形成 させ た の ち, SephadexG-25カ ラ ム ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー に よ り [^<32>P] ホ スホ エ ンザ イ ムを 調 製 した 。[^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ム の 一 定量 をGDP (●) お よびADP (○) を 含 む 反 応 系 に 添加 して, 経 時 的 に 残存 す る [^<32>P ホ ス ホ エ ンザ イ ム 量 を 測 定 した。[^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ムの み (1), [^<32>P] ホ ス ホ エン ザ イ ム添 加5秒 後(2), 10秒 後(3), 20秒 後(4), 25秒 後 (5), 30秒 後(6), お よび40秒 後(7)。

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ヌ ク レ オ シ ド二 リ ン酸 キ ナ ー ゼ の 生 理 的 役 割 49 た め, Sephadex G-25カ ラ ム を 用 い て, こ れ を 調 製 す る ζ と が で き る 。2価 の 金 属 イ オ ン (Mg^<2+>も し く は Ca^<2+>) 存 在 下 で, [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ イ ム とNDPの1 つ で あ るGDPと 反 応 さ せ る と, [^<32>P] GTPが 産 生 す る (図9)^<54)>。 こ の ホ スホ エン ザ イ ム の [^<32>P] リ ン 酸 基 転 移 反 応 (NTP合 成 反 応) は, 0℃ で も40秒 以 内 に 終 了 し, しか もNDPの 塩 基 に 非 特 異 的 で あ る (図10)^<54,55)>。 しか し な が ら, こ の [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ イ ム をADP, GDP, CDPお よ びUDPを 同 一 濃 度 (5μM) 含 む 反 応 系 に 加 え る と, [^<32>P] ATPと [^<32>P] GTPの み が 産 生 す る (図11a)。 こ の よ う な 反 応 条 件 下 で 産 生 さ れ る [^<32>P] ATP量 は, [^<32>P] GTP量 の5∼8倍 で あ り, 本 酵 素 の ADPお よ びGDPに 対 す るK_m値 の 差 と よ く 対 応 す る 。 次 に, ADPとGDPと を 含 む 反 応 系 に, [^<32>P] ホ ス ホ エ ン ザ イ ム とG_1を 添 加 す る と, G_1の 濃 度 に 比 例 し て [^<32>P]GTPの 産 生 量 が 増 加 す る (図11b)^<54)>。 さ ら に, こ のGTP結 合 蛋 白 質 添 加 に よ る [^<32>P] GTPの 産 生 量 は, (1)GDP以 外 の リ ン 酸 基 受 容 体 (NDP) に 対 して は そ の 効 果 が 認 め ら れ な い こ と, (2)G_1はGTPase活 性 を も つ が, Ca^<2+>存 在 下 では [^<32>P] GTFは 加 水 分 解 さ れ な い こ と, さ ら に(3)レ コ ン ビ ナ ン トP21蛋 白質 の 添 加 に よ って もG_1と 同様 な キ ネ テ ィクス でGTPの 産 生 が 認 め られ た こ と, な どが 明 らか に な っ た 。G_1 は, 他 のGTP結 合 蛋 白 質 同様 にGTPよ りも GDPに 強 い 親 和 性 を もつ た め, 反 応 系 に 添 加 し たG_1は た だ ち にGDPと 結 合 す る。 ま た, あ ら か じめGDPを 結 合 させ てお い たG_1 (GDP-G_1 複 合 体) も しくはGDPrasp21を 用 い て ホ ス ホ エ ンザ イ ムか ら のGTP産 生 の キ ネテ ィ クス を調 べ る と, GDP単 独 の 場 合 よ りGTP産 生 速 度 が は るか に速 い^<55)>。この よ うな実 験 結 果 か ら, GTP 結 合 蛋 白質 に結 合 して い るGDPは, ホ ス ホ エ ン ザ イ ム の もつ 高 エ ネ ル ギ ー リン酸 基 の受 容 体 とな り うる こ とを示 して い る^<54,55)>。 II. GTP結 合 蛋 白 質 と そ の 共 通 し た 生 理 的 役 割 前 述 した よ うにGFは, GFの 特 異 受 容 体 を介 して細 胞 内 に情 報 を伝 達す る^<3,4)>。受 容 体 自身 は, GFを 認 識 す るだ け で な く, シ グ ナ ル の転 換装 置 (transducer) と増 幅 装 置 (amplifier) の 役割 を も っ てい る。受 容 体 を構成し て い るい くつ か の酵 素 系 に よっ て異 な っ た 二 次 伝 達 物 質 が産 生 され る。 図10. [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ムの [^<32>P]リン 酸 基 転 移 反 応 に 対す る 塩基 特 異 性^<55)> [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ムを 各 種NDP (10μM) を 含 む 反 応 系 に 添 加 して, 産 生 さ れ る [^<32>P] NTPをPEIセ ル ロー ス 薄 層 ク ロマ トグ ラフ ィ ー に よっ て 分 析 した 。 NDP非 添 加 (1), ADP(2), GDP(3), CDP(4), UDP(5)お よび4種 のNDPの 共 存(6)。 図11. [^<32>P] GTP産 生 に対 す るGTP結 合 蛋 白質 (G_1)の 効 果^<55)> (a)ADPお よびGDP (各10μM) を 含 む 反 応 系 に [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ムを 加 え, 産 生 され た [^<32>P] ATPお よび[^<32>P] GTP量 をPEI セ ル ロ ー スの ク ロ マ トグ ラ フ ィ ーに よ っ て測 定 した 。ADPお よびGDP 非 存 在 下(1), ADPお よびGDP (各10μM) 存 在 下 (2), ADP お よびGDP (各10μM) を 含 む 反 応 系 にGDPな しのG_1 (1μ9) を 加 え た 場 合 (3), G_1 (5μg) を 加 え た 場 合 (4), P21蛋 白 質 (5μg) を 加 え た 場 合 (5)。 (b)aの レ ー ン2の 反 応 条 件 下 ([^<32>P] ホ ス ホ エ ンザ イ ム とGDPお よびADPを 含 む) で, 各 濃 度 のG_1を 加 え, 産 生 され る [^<32>P] GTP (○)お よび [^<32>P] ATP (□) 量 をPEIセ ル ロー ス 薄 層 ク ロ マ トグ ラ フ ィ ーに よ って 分 析 した 。

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最 近 の研 究 か ら受 容 体 を構 成 す る1つ の酵 素系 を 作 動す る の に, GTP結 合 蛋 白質 (G蛋 白 質) が 重要 な 役 割 を 演 じ て い る こ とが, チ ャイ ニ ー ズ ハ ム ス タ ー細 胞 由 来 の 細 胞 株 (CCL39細 胞) で のL-ト ロンビ ン 処 理 に よ る G_0期 か らS_1期 へ の移 行^<56,57)>やIL-2 に よ るT細 胞 増 殖^<58)>などで 報 告 さ れ て い る。 ま た, PDGFやEGFの 細 胞 処 理 に よる イ ノ シ トー ル リン脂 質 の 代 謝 回 転 (PI回 転) の上 昇^<59,60)>やマ ク ロ フ ナー ジ の 走化 性 因 子 で あ る fMet-Leu-Phe (fMLP) 処 理 に よ るCa^<2+>依存 性 ヒス タ ミン放 出^<61)>やホ ス ホ リパー ゼCの 活 性 化^<62)>などに もGTP 結 合 蛋 白質 が 関与 して い る。 これ らのGTP結 合 蛋 白 質 の蛋 白質 化 学 のす べ て が 明 らか に され たわ け で は な い が, 以 下 に示 すGTP結 合 蛋 白 質, す なわ ち, (1)ホル モ ン応 答 で アデ ニル酸 シ ク ラー ゼ 活 性 を直 接調 節 す るGTP結 合 蛋 白 質 (GiとGs)^<62∼64)>, (2)網膜 細 胞 にお け る光 受 容 体か らの シ グナ ル を調 節 す る 因 子 (トラ ン ス デ ュ ー シ ン, Gt)^<65)>, (3)細胞 の トラ ンス ホ ー ム に重 要 な 役 割 を演 じて い る ras 癌 遺 伝 子 の遺 伝 子産 物 (GTP結 合 蛋 白質) の1つ で あ るp21蛋 白 質^<47,67,68)>, (4)蛋白 質 合 成 の 開 始 因 子 (eIF) や 伸 長 因 子 (EF)^<69)>, そ して(5)御小 管 の主 要 成 分 で あ るチ ュー ブ リン^<70,71)>などは, (a)グ ア ニ ン ヌ ク レオ チ ド (GTPとGDP) お よび これ らの化 学 誘 導 体 の み が結 合 す る こ と, (b)GDPと 結 合 して い る場 合 に は 生 理 的 に不 活性 型 で あ るが, GDPがGTPに 交 換 され る と活 性型 に な る こ と, (c)GTPase活 性 を もつ こ と, さ らに (d) 基 質 特 異 性 が あ る も の の細 菌 毒 素 (コ レラ 表6. GTP結 合蛋 白 質 の 種 類 と生 理 機 能^<63∼66)> 図12. GTP結 合 蛋 白 質 (Gi, Gs, Goお よびGt) の α サ ブ ユ ニ ッ トに共 通 な高 次構 造^<74)> (Giの αサブ ユ ニ ッ トを モ デル に して い る) IAP (百 日咳 毒 素) お よ びCT (コ レ ラ毒 素) に よ ってADPリ ボ シル 化 され る部 位 。

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ヌ ク レオ シ ド二 リン酸 キ ナ ー ゼ の 生 理 的 役 割 51 毒 素 や 百 日 咳 毒 素 な ど) に よ っ てADPリ ボ シ ル 化 さ れ てGTPase活 性 を 低 下 さ せ る こ と な ど の 共 通 し た 性 質 を も っ て い る 。 最 近, G蛋 白 質 (Gi, Gs, Goお よ びGt) の 遺 伝 子 レ ベ ル で の 解 析 か ら, こ れ ら のGTP結 合 蛋 白 質 のGTP結 合 部 位 お よ びGTPase活 性 部 位 の ア ミ ノ 酸 配 列 に 高 い 相 同 性 が 認 め ら れ て い る^<72,73)>だけ で な く, こ れ らGTP結 合 蛋 白 質 の αサ ブ ユ ニ ッ ト の 高 次 構 造 モ デ ル が 提 示 さ れ て い る (図12)^<74)> III. GDP-GTP交 換 反 応 と リ ン 酸 基 転 移 反 応 G蛋 白 質 (Gi, Gs, Goお よ びGt) の αサ ブ ユ ニ ッ ト お よ び 蛋 白 質 合 成 開 始 因 子 (eIF-2) と 伸 長 因 子 (EF-1) の αサ ブ ユ ニ ッ トは, GDP-GTP交 換 反 応 に よ っ て 不 活 性 型 か ら活 牲 型 に な る (図13)^<58)>。 こ の 転 換 反 応 は, (1) G蛋 白 質 (Giお よ びGs) で はGiお よ びGsの そ れ ぞ れ の ア ゴ ニ ス トに よ っ て (図14)^<57)>, (2)Gtで は 活 性 型 ロ ドプ シ ン に よ っ て (図15)^<75)>, ま た, (3)eIF-2で

はGDP-GTP交 換 因 子 (guanine nucleotide exchanging factor

ま た は reversing factor と 呼 ば れ て い る) に よ っ て 仲 介 さ れ る^<76,77)>。 最 近, Hall ら^<78)>によ れ ば, 5mMMg^<2+>存 在 下 で の ras^Np21のGDPとGTPに 対 す る 結 合 活 性 は ほ ぼ 同 じ く ら い で あ る が, 低 い 濃 度 (5μM) のMg^<2+>存 在 下 で はras^Np21蛋 白 質 自 体 の 立 体 配 置 に 変 化 が 生 じ, GTP 図13. G蛋 白 質 (Gi, Gsお よびGt) に 共 通 す る活 性 化 様 式^<65)> リガ ン ドに よ る受 容 体 の 活 性 化 に 連 関 した グ アニ ンヌ ク レ ナ チ ドの交 換 が 起 こ り, GDP結 合 の 不 活 性 型 か ら, GTP が 結 合 した 活 性 型 に 変 換 す る。 活 性 型G蛋 白 質 は エ フ ェ クタ ー分 子 に作 用 し, そ れ を 活 性 化 す る。 図14. 細 胞 膜 受 容 体 とGTP結 合 蛋 白 質 との 連 関 モ デ ル^<64)> 細 胞 膜 上 の 受 容 体 (R) に ア ゴ ニ ス ト (A) が 結 合 す る と, RはGTP結 合 蛋 白質 (G) と連 関 し, A・R・G複 合 体 が 形 成 され る。GTP存 在 下 で は, こ の複 合 体 に 変 化 が 生 じてR か らGが 解 離 す る (3)。 この と ぎ, GTPはGTP結 合 蛋 白 質 の αサ ブユ ニ ッ トに 結 合 し, βお よび γサ ブ ユ ニ ッ トか ら 解 離 す る こ とに よ っ て, ア デ ニル 酸 シ ク ラ ーゼ (C) を 直 接 活 性化 す る 。 図15. 光 受 容 体 とcGMPホ ス ホ ジ エ ス テ ラー ゼ 活 性 化 との 関 係^<66)> R : ロ ドプ シ ン, R^* : ロ ドプ シ ンの 活 性 中間 体 (メ タII), T : トラ ンス デ ュー シ ン, PDE : 不 活 性 型 ホ ス ホ ジエ ス テ ラ ーゼ, PDE^* : 活 性 型 ホ ス ホ ジエ ス テ ラー ゼ 。 図16. 種 々 のGDP結 合GTP結 合 蛋 白 質 と [^<32>P] ホ ス ホ エ ンザイ ムに お け るGTPの 産 生 キ ネ テ ィク ス^<82)> あ らか じめGDPと 結 合 させ て お い た 各 種GTP結 合 蛋 白 質 [GDP・G1(△), GDP・r-rasp21(▲), GDP・Gi(□), GDP・Gt(■), お よびGDP(○)] と [^<32>P] ホ ス ホ エン ザ イ ム を2mMCa^<2+>存 在 下 で 反 応 さ せ, 経 時 的 に 存 在 す る [^<32>P] ホ ス ホ エン ザ イ ム 量 をPEI薄 層 ク ロマ ト グ ラ フ ィ ー に よ り分 析 した 結 果 。 51

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に 対 す る結 合 力 がGDPの そ れ よ りも約13倍 も増 大 す るた め に, 生 理 的 に不 活 性 の状 態 に あ るp21・GDPは GTPの 存 在 下 で任 意 にp21・GTP (活 性型) に転 換 さ れ る とい う。 同 様 の こ とが他 の ras 遺 伝 子産 物 (c-ras^H P21や 酵 母 の ras 蛋 白質)^<79)>やトラ ンス デ ュ ー シン (Gt)^<80)>でも 起 こ る こ とか ら, 条 件 しだ い (低濃 度 の Mg^<2+>存在 下) で はGTP結 合 蛋 白質 は共 通 して, GDP-GTP交 換 が 起 こ る もの と考 え られ る。Hall らは, 細 胞 増 殖 因子 (GF) で 細胞 処 理 した 際, GFと の結 合 に よ っ て活 性 化 され た 特 異 的 受 容 体 は, 低 濃 度 のMg^<2+>さ え 存 在 す れ ば, 直 接p21・GDPか ら活 性 型 のp21・GTP に転 換 す る も の と考 え て い る^<80)>。 一 方 , NDPキ ナ ー ゼ に よ る リ ン酸 基転 移 反 応 を介 し たGTP産 生 は, 他 のG_1と 同様 に 他 のGTP結 合 蛋 白質 (Go, Gt, p21お よびEF-1α な ど) で も 認 め ら れ る(図16)^<81)>。こ の 反 応 に は, ホ ス ホ エ ンザ イ ム と GTP結 合 蛋 白 質 とめ 間 に 直 接 的 な 結 合 が必 要 で あ る。 事 実, リン酸 基 転 移反 応 速 度 は, NDPキ ナ ー ゼ との親 和 度 に よ っ て決 ま る^<81)>。こ の よ うな 実 験 結 果 は, NDP キ ナ ー ゼが ホス ホ エ ンザ イ ム を介 して生 理 機 能 の異 な る 不 活 性 型 のGTP結 合 蛋 白質 を直 接 活 性化 させ る こ とを 示 唆 して い る。 レ コ ン ビナ ン ト rasP21を 用 いたNDP キ ナ ー ゼ の ボ ス ホ エ ン ザ イ ム に よる リン 酸 基 転 移 反 応 は, rasp21に 対 す る モ ノ ク ロー ン抗 体 (Y13-259) に よっ て阻 害 され る 。最 近 の Hattori らの 報 告^<82,83)>によれ ば, Y13-25gは rasp21へ のGDPの 結 合 に 影 響 を 与 えず, GDP-GTP交 換 反 応 を 阻 害 す る こ とか ら, Y 13-259はGTP結 合 部 位 の エ ピ トー プ を 認 識 す る よ う な抗 体 であ る こ とを示 して い る。 で は, GDP-GTP交 換 反 応 に よるGTP結 合 蛋 白 質 の 活 性 化 とNDPキ ナ ー ゼ に よ る リン酸 基 転 移 反 応 の結 果 活 性 化 され るGTP結 合 蛋 白 質 との間 に, 生 理 的 機 能 の 面 で どの よ うな相 違 があ る の であ ろ うか? 前 者 につ い て は, (a) GTP結 合 蛋 白質 お よび 仲 介 す る因 子 のre cyclingと (b) 反 応 系 の 連続 性 (蛋 白質 合 成 であ れ ば 持 続 的 な合 成) が あげ られ る。 前 述 した よ うに, GDP-GTP 交 換 反 応 はGTP結 合 蛋 白質 の生 理 機 能 に対 応 し て必 ず 特 定 の仲 介 因子 と, あ る程 度 濃 度 の高 いGTPが 要 求 され る 。 これ に対 し 後 者 の 場 合 に つ い て は, (a) GTP結 合 蛋 白質 が 関 与 す る反 応 系 (た とえ ぼ シ グ ナ ル 伝達系) rasp21の 活 性 化 とい っむ 一 時 的な 反 応 (igni tion)と, (b)高 エ ネ ル ギ ー リン酸 基 の供 給 に よ っ て反 応 系 が作 動 す る よ うな, エ ネ ル ギ ー転 移 反 応の 役割 を演 じて い る もの と考 え られ る。 と くに後 者 の反 応 は, 直 接 的 なGTP結 合 蛋 白 質 の活 性 化 であ り, 細 胞 内 のGTP 濃度 とは無 関 係 に細 胞 内 で 最 も濃 度 が 高 く存 在 し, NDP キ ナー ゼ との親 和性 の 高 いATPに よっ て この反 応 は十 分 に進 行 す る。 事 実, 細 胞 膜 画 分 を用 い た ア デ ニ ル酸 シ クラ ー ゼ の 反 応 系 にGDP・Gs, NDPキ ナ ー ゼお よび ATPを 添 加す る とア デ ニル酸 シ ク ラー ゼ活 性 が 上 昇 す る 。 お そ ら く, 細 胞 膜 レベ ル で のNDPキ ナ ー ゼ に よ る リ ン酸 基転 移反 応 は, シ グナ ル伝 達 系 に反 応 エ ネ ル ギ ー を転 移 し, 一 時 的 に反 応 を作 動 す る も の と考 え られ る。 こ の点, NDPキ ナ ー ゼ, GDPお よびATP存 在 下 で の マ イ ク ロチ ュー ブ リン の重 合 反 応 に よる 微 小管 の 構 築^<70, 71)>と似 て い る。 図17. NDPキ ナ ーゼ に よ る リン酸 基 転 移 反 応 系^<55)> (1) ホ ス 永 エ ンザ イ ムの 高エ ネ ル ギー リン酸 基 はNDPに 渡 してNTPを 産 生 す る (NTP産 生 反 応)。 (2) ホ ス ホ エ ンザ イ ムの 高 エ ネ ル ギ ー リ ン酸 基 はGTP結 合 蛋 白 質 に 結 合 しで い るGDPに 渡 し て GTPを 産 生 す る (GTP結 合 蛋 白 質 の 活 性 化反 応)。

(12)

ヌ ク レ オ シ ド二 リン酸 キ ナ ー ゼ の生 理 的 役 割 53 IV. NDPキ ナ ー ゼ の 生 理 的 役 割 本 稿 で述 べ たNDPキ ナ ー ゼ の ホ ス ホ エ ンザ イム を 介 した リン酸 基転 移反 応 に 関す る 筆 者 らの 得 た 実験 結 果 を ま とめ る と, 図17に 示 した よ うな2つ の反 応様 式 が 考 え られ る。す な わ ち, (1)細胞 内 のNDPキ ナ ー ゼ は 最 も 親 和 性 が 高 く, しか も細 胞 内 に 高濃 度 存 在 す るATPと 反 応 して ホ ス ホ エ ンザ イム (反 応 中 間体) を 形成 す る。 こ のホ ス ホ エ ンザ イム は, 細胞 内 のNDP濃 度 が 十 分 高 い 条 件 下, た と え ば, 細 胞 周期 のDNA合 成 期 (S 期)^<14,15)>や, ウイ ル ヌ感 受 性 細 胞 にお け る核 酸 合 成^<16)>に お いて, ADP以 外 のNDPに リン酸 基 を渡 してNTP を 産 生 す る。 産 生 され たNTPやdNTPは, RNAお よ びDNA合 成 に供 給 され る。 他 方, (2)NDPキ ナ ー ゼ の ホ ス ホ エ ンザ イ ム の もつ 高 エ ネル ギ ー リン酸 基 は, 通 常 細 胞 内 でGDPと 結 合 して い て 生 理 的 に は 不 活 性 型 に な っ て い る種 々 のGTP結 合 蛋 白質 に直 接 渡 してGTPを 産 生 して, これ らの蛋 白質 を活 性 化 す る (図13, 16参 照)。 活 性型GTP結 合 蛋 白 質 は, そ の 生 理 機 能 発 現 と 伺 時 に 自ら の GTPase 作 用 に よっ てGTPは 加 水 分 解 さ れ て, も と の不 活 性 型GTP結 合 蛋 白質 に も ど る。 と こ ろ で, 細胞 膜 成分 に は, NDPキ ナ ーゼ に よ る不 活 性 型GTP結 合 蛋 白質 に リン酸 基 の転 移 反 応 を 特 異 的 に阻 害 す る物 質 (NDPキ ナ ー ゼ 活 性 調節 因 子) が 存 在 す る。 こ の物 質 は, 休 眠 状 態 にあ る 細 胞 ほ どそ の 含 有 量 が 高 く, 細 胞 増 殖 の 旺盛 な細 胞 は例 外 な く含 有 量 が 低い 。 し か も, こ の阻 害 因子 はNDPキ ナ ーゼ に直 接 結 合 してそ の活 性 を抑 制す る こ とか ら, あ る 特 定 な 生 理 的 条 件 下 ( GFに よ るGF受 容 体 の 活 性 化 な ど) で こ の種 の阻 害 因 子 は酵 素的 に分 解 され る結 果, NDPキ ナ ー ゼ が活 性 化 され る もの と考 え られ る。 こ の種 の反 応 もGF受 容 体 の 活 性化 に連 関 した反 応 で あ り, NDPキ ナ ーゼ の細 胞 膜 で の 存型 様式 を 暗示 して い る。 お そ ら く, 細 胞 膜 結 合 性NDPキ ナ ーゼ を 介 した 細胞 膜 結 合 性GTP結 合 蛋 白 質 の一 時 的 な 活 性化 反 応 に は, 既 存 のNDPキ ナ ー ゼ が 瀾 与 し, GFな どに よ っ て誘 起 合 成 され た 酵 素 は む しろ 反 応後 期 (核 酸 合 成や 代謝 の活 性 化) に 運 用 され る も の と考 え られ る 。 NDPキ ナ ーゼ は, Glx(13.3%), Gly(7.8%) お よび Asx(8.9%) を 多 く含む 中 性蛋 白質 (平均pI7.0) であ る^<21)>。本酵 素 は プ ロテ イ ンキ ナ ーゼ(PKase), ATPase やGTP結 合 蛋 白 質 (ATPお よびGTP要 求 性 の酵 素 蛋 白 質) な ど と 高 い 親 和 性 を も って い る^<30)>。こ の よ うな NDPキ ナ ーゼ の 特 徴 は, 本 酵 素 がNTPの 供 給 とい う 酵 素 的 な 性 質 を 反 映 してGTP結 合 蛋 白質 の活 性化 の み な らず, シ グチ ル 伝 達 系 を 構 成 して い る酵 素群 (ア デ ニ ル 酸 シ ク ラ ーゼ, ホ ス ホ リパー ゼC, プ ロテ イ ンキ ナ ー ゼ や ATPase な ど) の活 性 化 と二 次伝 達 物 質 (cAMP を 含 む 他 の多 く の低 分 子 物 質) の 産 生^<78,79)>と密 接 に関 係 して い る。 おわ りに 従 来, NDPキナ ーゼ の 生 理 的 役 割 は, RNAとDNA合 成 にNTPお よびdNTPを 供 給 す る 鍵 酵 素^<30)>として, ま た, 細 胞 分 裂 時 に お け るチ ュ ー ブ リ ン の重 合 に よ る紡 錘 体 形 成 に関 与 す る酵 素^<71)>と考 え られ て きた 。 前 述 した よ うに, 本 酵 素 は細 胞 膜 の シ グ ナ ル伝 達 系, 細 胞 増 殖 系, さ ら に蛋 白質 合 成 系 な ど で の開 始 反 応 に重 要 な役 割 を演 じて い るGTP結 合 蛋 白 質 に 「高 エ ネ ルギ ー リン酸 基 (反応 エ ネ ル ギ ー)」 を 転 移 させ て直 接 活 性 化 させ る。 さ らに今 後 の研 究 に お い て, 細 胞 増 殖 因 子 を含 む 多 くの生 理 活 性 因子 (神経 伝 達 因 子, 各 種 ホ ル モ ンや 細 胞 活 性 化 因子 な ど) の細 胞 内 情 報 伝 達 機 構^<85)> につ い て, (1)特異 受 容 体 の場 に お け るGTP結 合 蛋 白質 を介 した二 次 伝 達 物 質 産 生 機 構 とそ の調 節, (2)二次 伝 達 物 質 に よ る特 定 遺 伝 子 の発 現 (RNA合 成) と代 謝 活 性 化 との相 互 関 係, (3)細胞 の 環 境 変化 に 対 応 した 蛋 白質 合 成 の調 節 機 構 にNDPキ ナ ー ゼ が どの よ うに 関 与 す るか を 明 らか にす る必 要 が あ る 。 最後に, 執筆 の機会 を与 えて くださ った北海道大学医学 部付 属癌研究施設生化学 部門 ・牧田 章教授に深謝致 します 。本稿 を まとめ るにあた り当細菌学教 室の大塚実紀 さんの多大 な ご協 力に感謝 します。 文 献 1) 日本 組 織 培 養 学 会 編 : 「細胞 成 長 因 子 」, 朝 倉 書 店 (1984) 2) 岩 下 新 太 郎 : 本 誌, 31, 1962-1971 (1986)

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参照

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