6. 研究活動と研究環境 (1) 研究活動 ■達成目標 バランスのとれた教員評価システムの開発 ■論文等研究成果の発表状況 教員の研究成果は、国内の学会での発表はもとより、国際会議や国際シンポジウムなどで公表されている。 毎月発行される「学園報」あるいは毎年発行される「教育年報」により報告、広報されている。 ■附置研究所とこれを設置する大学・大学院との関係 大学に全学生及び全教員が所属する大阪産業大学学会が設置されており、学内所報として大阪産業大学 学会報が発行されている。この会報は学部・大学院の教員(大学院生との共同発表を含む)の研究発表の場と なっている。また、大阪産業大学産業研究所が設置されている。産業研究所は大学の教育用の経常費以外に 研究用の経費を持っており、「大阪産業大学産業研究所規定」、「産業研究諸研究組織に関する内規」及び「産 業研究諸研究予算配分に関する内規」に基づいて、毎年研究組織(長期的共同研究組織、プロジェクト研究組 織及び分野別研究組織)を設置し、申請された研究組織の採択、予算配分を行っている。また、本学の専任教 員と学外の他機関の研究者や学外の企業との協力研究の場として協力研究組織(受託協力研究組織、学術協 力研究組織)などを設置している。教員の研究に対する直接的な補助はしていないが、学外の研究組織の紹介、 折衝等を行っている。それらの結果は大阪産業大学産業研究所所報として発表されている。 都市創造工学専攻では、アントレプレナー専攻並びに人間環境学部都市環境工学科教員との共同研究も実 施している。 情報システム工学専攻では、一部の教員は個人的な関係から附置研究センターで研究を行っている。但し、 大学院教員としてなのか学部教員としてなのかは不明確である。 環境デザイン専攻では、環境デザイン専攻に限っての附置研究所はない。 アントレプレナー専攻では、文部科学省私立大学学術高度化推進事業として選定された新産業研究開発セ ンター及び試作等が可能なクリエートセンターの有効活用を通して有機的な連携を諮っている。 ■まとめ(「点検・評価」、「長所と問題点」、「将来の改善・改革に向けた方策」) 点検・評価 「研究活動」について 研究活動に対する直接的な点検・評価は、採用・昇任の際に「大阪産業大学大学院教員任用基準規定」に 基づいて行われていた。また、研究活動業績が毎月発行される「学園報」あるいは毎年発行される「教育年報」 により報告、広報されている。採用・昇任に該当しない教員の研究活動のさらなる活性化をはかるために、2003 年度に5年ごとの研究業績チェック制度が確立され、2008年度に最初の審査が行われる。
「研究における国際連携」について 工学部では、海外研究拠点は設置されておらず、一部の教員のみが国際的な共同研究を行っている。 「教育研究組織単位間の研究上の連携」について 工学部では、大学に設置された附置研究所を有効活用し、成果をあげている。 長所と問題点 「研究活動」について 活動の報告・公開という従来の穏やかな評価制度は教員が余裕を持って研究活動に従事できた。今回採用 された5年ごとの研究業績チェック制度により研究活動が低迷したままの教員にとって研究の活性化がはかれる ものと考えられる。反面、教員が研究活動を重視する傾向に偏る可能性があり、教育活動の充実に不安が残る。 早急に教育活動・実績に対する評価方法を確立し、実施することが必要である。 「教育研究組織単位間の研究上の連携」について 附置研究所を有効活用し、成果をあげてはいるが、活動する教員は限られている。 将来の改善・改革に向けた方策 「研究活動」について 工学部における教育・研究を活性化するには、従来の研究業績による偏った評価方法だけでなく、適切なバ ランスのとれた評価システムを導入する必要がある。但し、評価の活用については、それの適用により教員が教 育または研究に偏らないような方策を講じる必要がある。また、事務的役割を担うスタッフの充実による教員の研 究時間の確保、学費の低減や給付する奨学金の充実による優秀な大学院生の確保を進める必要があると考え られる。 「教育研究組織単位間の研究上の連携」について 現在あまり附置研究所を利用していない教員に対して、研究所の研究環境をさらに整え利用できる体制を整 える必要がある。
(2) 研究環境 ■達成目標 経常的な研究条件の整備 ■個人研究費、研究旅費の額の適切性 教員一人当たり44万円/年、出張旅費22万円/年が認められている。この額は不足であるが、それより、年 度により、必要額の変動が大きい。せめて、年度を越えて使用できる融通性のある制度に改められることが望ま しい。研究費については、産業研究所に研究推進、情報収集部門が集約され、文部科学省科学研究費補助金 費、各種民間研究費への応募、民間との委託研究、共同研究がやりやすくなった。また、特別に高額の研究及 び出張費が必要とする教員については、別途特別枠が設けられそれを充当することになっている。 ■教員個室等の教員研究室の整備状況 「機械工学科・交通機械工学科」 機械工学科と交通機械工学科は専門が近く、完全に分離されていなかったが、研究棟の新築により、研究者 は移転し、従前よりも2学科の研究室は整備された。 「都市創造工学科」 在室が分かるように透明なガラス張りの部屋とした。また、各種連絡をする目的行き先板とホワイトボードを設 置した。 「電気電子工学科」 現在、大学院担当の各教員には個人用の研究室と共用の実験室などが用意されている。しかし、一部には 個人研究室の広さが十分でない例や、窓の無い個室もあるので、更なる整備が必要である。 「情報システム工学科」 各種事務処理のためのスペースは問題なし。院生を集めてグループ指導を行うには手狭である。 「環境デザイン学科」 デスクワークを行うための各教員の個室は確保されている。しかし、シビックデザイン、建築・インテリアデザイ ン、クラフトデザインという多彩な実験、制作を行う各教員の研究スペースについては、十分な面積が確保され ているとはいえない状況である。 ■教員の研究時間を確保させる方途の適切性 「機械工学科・交通機械工学科」 教員の勤務時間の多くは学部教育についての授業、ゼミナール、その関連業務に費やされているのが現状 である。学部と大学院の教員を併任している本学では研究時間を確保することが容易ではない。大学院課程を
併設している大学として、本件、教員各人の判断にまかせているのが現状である。 「都市創造工学科」 JABEE、カリキュラム変更による授業時間増、学習支援センター指導員などより多くの時間を教育関係に割く こととなっている。従って、研究時間は確保が困難な場合がある。 「電気電子工学科」 標準授業担当時間数が多い上に、超担もあり、入試業務などの雑用も多く、教員の研究時間が確保されてい るとはいえない。授業担当時間の削減、専任教員の増加などの適切な方途が取られる必要がある。 「情報システム工学科」 研究活性化には優秀な大学院学生を確保することが重要である。そのためには、教育予算の増大、学費の 低減及び大学院学生に給付する奨学金の用意等必要な措置を講ずる必要がある。 現在の組織(教員、研究施設・設備)を大学院が主となるように変えていく必要があると思われる。研究活性化 のためには、やはり優秀な院生を多数入学させることが重要であり、そのために引き続き研究設備の充実をはか るとともに院生の授業料負担の軽減が望まれる。 教員独自に教育・研究活動及び事務処理等を行っており、人的補助体制は皆無に等しい。 各教員がそれぞれ独自に教育研究活動を行っており、教育研究の自由が保たれているが、研究と院生指導 にあたっての人的補助体制は不十分である。また、分野によっては助手数に偏りがあるので是正が必要である。 「環境デザイン学科」 授業や会議について教員間で検討され、適切な配分と運用をめざし、各教員の研究時間の確保をはかって いる。しかし、日常的な煩雑な雑務は不規則的に多くの負担を強いており、さらに合理化とシステム化が必要で ある。 ■研究活動に必要な研修機会確保のための方策の適切性 本学では、長期海外留学(最大1年間)、短期海外留学(最大6ヵ月)、国内留学(最大6ヵ月)が規定に基づき 実施されているが、派遣人数に限りがある。工学部においては希望を出しても選考されない場合もある。研究は 待ってくれないので、派遣人数をふやし、若手教員が希望すればできるだけその機会を確保する必要がある。 ■共同研究費の制度化の状況とその運用の適切性 大学内では学内研究組織と研究員の制度があり、組織研究代表のもとに教員は研究者として参加し研究費 を配分され研究をすることになっている。各専攻としては、研究員への参加について特別な指導はしていないが、 自主的に新しい研究テーマによる研究の申請、研究者としての研究参加しその成果をあげている。企業との産 学連携による共同研究も教員各自が積極的に進めており、相手企業との相談、打ち合わせに関しては、産業研 究所が仲介する制度も確立されている。 ■まとめ(「点検・評価」、「長所と問題点」、「将来の改善・改革に向けた方策」) 点検・評価
経常的な研究費、個人研究費、学会出張旅費に関しては他の私学並であるといえるが、最近の国公立大学 に比較すれば恵まれているといえる。その分外部研究費の導入に積極的でない面が見られる。学内の研究費 に関しては競争的研究費のシステムはあるが、量的には平等に配分される経常的な研究費に重点が置かれて いる。 研究スペースに関しては最低限の広さが確保されている状況といえる。 長所と問題点 経常的な研究費がある程度確保されているので落ち着いて研究に取り組める反面、研究成果に関するモチ ベーションの欠如が見られる場合も見られる。外部研究費の受入れもあまり多くない。 研究スペースに関しては実験設備が増えてくれば来るほど不足が明らかになっている。 将来の改善・改革に向けた方策 研究成果に対するモチベーションを高めるためにも、もう少し競争的研究資金に比重を置いた研究費の決定 をする必要がある。そのためには研究成果の評価に外部評価制度を導入するなど客観性を持たせる必要があ る。