【論 刻 UDC :624
.
155 日本建築学会構造系論文報告集 第 368.
号・
昭 和 61 年10月SL
処 理
く
い
の
鉛 直載 荷 試 験
に お
け
る
ス
リ
ップ
レ
イ
ヤ
ー
の
変位 特 性
正 会 員 正 会 員中
山
澤 瑤
肩
邦
子
*男
* *1.
ま えがき 基 礎くい に発 生する ネガテ ィブフ リク シ ョン (以 下NF
と略 称 す る ) を低 減 する目的で,
ス リップレイヤー
(以 後SL
と略 称 〉とし て SL 用ア ス フ』
アル トを塗 布し た く いが数 多く使 用 さ れ る よ うに なっ た。 こ の よ うなSL
処 理くい (以 下SL
くいと略 称 )の支 持 力 特 性 を検 討 する た め,NF
が働く と推定さ れる範 囲に わ たっ て SL を塗 布し,
くい先 端 支 持 力お よ び ポ ジ ティブフ リ ク ショ ンを計 測す ること を対 象と し た載 荷 試 験が行わ れて おり,
筆 者等は文献1} に南港にお ける 3 例を報告し て お いた。 この ほ かに,
SL くい の載 荷 試 験 報 告と して は文 献Z}な ど が あ る 。SL
の応 カー
変位特性に関す る既 往の研 究とし て は,
シェ ル社に よ るもの 3慵 よ び 東工大に よ るもの4)等が挙 げ ら れ る。 し か し,
これ等はいずれも定 荷重または定 速 変形の条件下にお け るSL
の特性を検討し た もの であっ て,
SL くい の 鉛直 載 荷試 験時の よ うに荷重 を段 階 的に 増 大さ せ る条件下での も の につ い て は,
研 究さ れ た例は み ら れ ない。
本 報 告は, ま ず 段 階 的にせ ん断荷 重 を増 大あ るい は減 少させ る形 式の ステップ荷重の も とにお け るSL
の特性 にっ いて理論式を導き, 室内試験に よっ て比較検討し た 結果 を報告す る。
つ い で文献1)に述べ たSL
くい の鉛 直 載荷試験 結 果につ い ても,・
こ の理 論 式を応 用して検 討を 行っ た。 な お,
本理論式の一
部につ い て は,
すで に文献5〕・
6 ) に おい て中間報 告済であ ること を お断わ り し て お く。2.
ア ス ファル トの一
般 特性・
アス フ ァル トは,
短時間にお け る急 速な載荷に対して は弾性体と し て挙動す る が, 長時間にわ た る緩慢な載 荷 に対し て は, 粘性流体と し て挙動す ること が一
般 的に知 ら れて い る。SL
用 アス フ ァ ル トはこ の よ う なアス フ ァ ル トの性 質 を, くい打 設 時に は弾 性 体と し て, また長 期 的に変 位が進 行 するNF に対 して は粘 性 流 体 として適 用す る もの で あ る。 こ の よ うなア ス フ ァル トの挙 動 を 力 学 的に特 性づ ける もの とし て,
図一
1に 1例 を 示す よ う なスチフネス係 数S
が 文 献3) に示さ れ ている。S
は弾性体に お け る ヤング 係 数に対 応する もの で あっ て, 応 力 度 σ と ひずみ εの 関係は次 式で表さ れ る。
σ=s
×ε一 一 …・
……一 一 一 ……・
一 …
(1
) ε=
ε1十ελ十εゴ・
・
・
・
・
…
一・
・
一・
・
齟
・
・
一・
・
一・
・
・
…
一・
・
…
(2
) こ こ に ε1 :弾 性ひずみ, ε、; σ/E
, ελ:粘 性ひずみ,
εx=
σXt /λ ε2 :遅 延 弾 性ひずみ, ε2= σ/Et
.
E
,:弾 性 係 数, E,:遅 延 弾 性 係 数 λ :伸び粘 性 率t
:荷 重 保 持 経 過 時間 ∴ ・一
・×(
1t1
瓦 +1
+瓦
)
一 ………・
一 ……・
(3) (1)式,
(3)式 より,
S
は (4>式で表さ れ る。
k
−
k
・結
・
…………・
…一 …・
…一
(・〉 せ ん断応 力度 rSL と せ ん断変位角γは,
せ ん断スチフネ ス係 数SG
を用い て (5 >式で示さ れ る。
τSL=Sc
× γ・
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…t−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5) γ=
7i十γn十72・
・
…
一・
…
t・
tt・
・
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(6) こ こに 100 10〔
\
岩》
■
0 0 鱒 曽一
−
ゆ 関 西大学 員 外研究生 i* 関 西大学 教授・
工博 (昭 和60年12月24日原稿 受 理 ) O.
1 1 10 100_
logT 〔hr) 図一
1 スチ フネス係数 S と荷重 保持経過時 間 T 関係図3}.
一
49
一
7,:弾性せ ん断変位角
,
乃=
τ、LIGi γη :粘性せ ん断変位角,
γ=
τSL ×t/η r2;遅 延弾性 せ ん 断変 位角,
rs= rSL/G
,G
,:せ ん断弾性係数 (G
,=E
,/3
) η :ずれ粘
性 率 (η=
λ/3
>’
欄
G
,:遅 延 せ ん断 弾 性係 数 (G
,≡E2
/3
) ・ ・− T・ ・×(
1t1瓦
+万
+瓦
)
L
・・ TSL ・(
1tlE
、 +万
+E
、)
…
・…・
…一
」・
(・) (4)式ヂ (5)式および 〔・
7)式よ りS6
は (8 ).
式で,
また τSL と S は (9 ).
式の関 数とし て示さ れる。SG
=
S
/3…’
TV,
・
・
T・
t……・
∵…………・
………・
(8’
)8 =
τSt×.
3’
×れ
/d ・
…
一…
∵・
・
・
・
・
・
・
・
…
∵
・
・
…
.
一
/
・
…
(
9
)・
こ こ にd
:図一
2に示 すせ ん 断 変位 量一
ん:SL
用アス ファル トの厚 さ γ:d
/hSL
用アス フ ァル トは感 温 性 能の違い によっ て数 種 類 に分 類されており,
温 暖 な 地 域で は一
般にB
グレー
ドが 使 用さ・
れ る。
こ れ は常 温で固 体であっ て, 過 熱する につ れ て粘性 状 態か ら液 体 状に変 化す るが, 放 置す ると 温 度 が低 下し, 表 面で は短 時 間の う ちに粘 性 を増 して,
次第 に固化 し て ゆ く性 質 をもっ て いる。
図一
1 眩常 温 範 囲 内 に お け るB
グレー
ドの スチ フネス係 数 を温 度 と経 過 時 間 の関係 とし て示し たものであっ て, 時 間の経 過 と と もにS
が減少
する こ と,
し た が っ て τs、と γ=
d/んめ 関 係が 変動す ることを示し てい る。
経 過 時 間が一
定の場 合は・
J 温度が低い程S
の値は大きい。
文 献4} におい ては, 定応 力 せ ん 断試
験 に よ る値が ほぼ図一
1の値に一
致する こ と,
ま た定速せ ん断試験に よ る値も.
同図 に よ く一
致す る こと が報告さ れて い る。
、・
.
: さて,SL
くい の鉛直載 荷 試 験にお け るSL
の摩 擦 応 力度と変位は, あ る一
定の くい頭荷重階に おいても時 間 の経過と と もに 変動す る た め,SL
の示す挙 動は定 応 力 65432〔
。
・
■
≧ ど 15
4
3 ロ
島 の
”
21D
、
2ー
’
11・
ヨ 欝
1
… 図一
2 SL 部 断 面 図 図一
3 10g Str〜
1og
T関 係 図 条件で も定速変形条件で も ない。 ま た新た な荷重階へ の 移 行に伴っ て,こ の挙 動 が 段 階 的に複 合される。
し た がっ て,
上に述べ た ス チ フネス係 数 S と は条 件が異な り,
よ り複 雑なもの である。
ゆえ に本 報 告では以 後, 図一
1.
のS
を標 準スチフネス係 数 と称
するこど とし, 鉛 直 載 荷 試 験に おけるSL
の実 測に よる平 均 摩 擦 応 力 度 TSt と 平均 変 位 量d
と を 関 係づ け る た めに, 新たに載 荷 試 験 時ス チ フネス係 数SLT
を 定 義し,
(10
)式の よ うに表す。
SLT=
τSL×3×h
/d ……一 …・
…・
…・
…・
……
(10) 試み に文献1切A
く いお よ びB
くい の載 荷 試 験 結 果 に おい て計 測さ れ た τSL とd
か らSLT
を求め,
図一3
に 示 し た。
ただし,
S
は10
℃・
の曲線を示 して あ.
る。
SLr
は第1
荷重階で はS
に ほ ぼ二 致す る が/
J 第2
荷重階 以 後は載 荷 直 後にS
よ り大き な値 を示し, 荷 重階の時 間 経 過につ れ て急 速に減 少する こと, 荷 重 階が進む とSLT
はS
より小
さ くなっ て ゆ くg
と等が わ かる。
鉛 直載 荷 試験 は くい頭の荷 重 を段 階 的に重ねてゆ
く
も のでφっ て, 〈の ときの変 位 量嫉
増 分 荷 重による変 位 量 の重ね合わ せζ
して とらえe
こζ
がで き よう。
こ の よ う な考え方は,
すでに文 献T)などにお いて クリー
プ的 な現 象に対して も適 用され
て い るところであるg そこで, ま ずSL
の せん 断 応 力 度 rSLが一
定の値 を保 ちつ つ 段 階 的に増 大 (また は減 少 ) する と仮 定し た場 合 につ い て, 変 位 量 を増 分 荷 重による変 位 量の重ね合わ せ とし て理 論 的に考 察し, 室 内 試 験に よっ てその妥 当 性 を 検 討 して みることと
し た。β.
ステップ荷
重における スチフネス係数3.
1
理論
的考察.
まず
,SL
にステッ プ荷重 (せ ん断応 力度
).
τSL が作
用す る場 合につ い て,
時閤T
との 関係 を図一
4のタ
う に模 式 的に考え る。 た だ し,T
は試 験開始 後の全経過 時 間 をと るもの と す る。 τ肌 が段 階的 に増大す る場 合を 増 分 型,
段 階的に減少す る場合を減少型と称し て お く。.
増 分 型の場 合,
図一
4 (a)に示す よ う に, 第i
番目の ステッ プ荷重trSL が71H
〕〜7
‘間 保 持さ れ るもの とし、
.
第i荷重階にお け る荷重trSL と前 荷 重 階の荷 重tt,
1)τSL の 差 分 (irSL−
tt−
、)TSL)を増 分荷重Ai
τSL とする。
第i
荷重 階 載 荷 後の経 過時間をt
‘と し,,
その時のAt
TSL に よる 変位量 をA
‘d,i
荷 重階にお ける全 変 位 量 をsd とする。
図一
1か ら読み とっ た T・
t‘にお ける標 準スチフネス係 数S
(t、)を用いて変 位 量 Ald を 求め るものとする と,
(11
) 式が成り立つ。
t.
A
、d;A
、rSL×3XhZ .
S
,to・
・
………
;…・
・
(11) し たが っ て, t ‘d =
ΣA
∫d
’
i≡
! t=
Σ ム,τ。正x3x 〃 鼠,ガ…・
・
……一 一 …
(12) 」=
1 こ のような ス テッ プ荷 重 τSL が累 積するような条 件の一 50 一
ぐ
/
t 蕁 t、
一
ごill
、
t霞
、・1
…亅
冖
■ 9 刀 繭 蓴 邑ξ
:
;
:
:
窶
IOI
,
婁
1
… L亅
〔
.}
℃ SLD τ3L e」’
卩
d 鯉遡 鯉
『
一一
一
一
一
一
謹 塑一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
t倉一
凸
3 τ 3L(一
)}
■
■
一
一一
一
『一
■
一『鴨
t3’
一
_
一」
畠
2 τ肌
一
一
−曹
。
3 τ 3」
〔幽
)一
一
一
一
一
_
_
ム
畢
τ写
」
」
し
L 8
■
3
8
聖
τsし
〔り一
9
・
」
τ乢
{,
l t」
艦 1ム
1 τ sし
T【
Ld、
、
、
T2 T、
L.
P コd− −
7T 伍rl幽
d、
丶 丶丶 丶
丶丶一丶
、
、
、
ム
2d〔一
ド\ 丶、
、
、
、
1
、
、
、
、
、
、
\
ぐ
丶丶
、
、
、
、
、
価} 酬 少 聖一
、
id Oid、
一
‡
・
dJ・
・噛
図一
4 ステップ荷 重 rSL−
T関係図 もとで のスチフネス係 数 を, 改め てス テップ荷 重スチフ ネス係数S
とよぶこ と とし , 第i
ステッ プ 荷重階に お け るスチフネス係 数 をtS で示すもの と す る。.
tS = trSLX3Xh / td
…・
…・
・
…・
…・
∴…・
………
(13 )減 少型の 場 合は図
一
4 (b
)に示す ご と くで あっ て,
第1
荷重 階荷di
、 rSL=
A、τ,L.
を正 荷 重,
第 2 荷 重 階 以 後 の A、
Ts。
を 負荷重 と考え る こ と によっ て,
増 分 型 と同 様 (11 )式一
(13
)式が成り立つ。
1第
1
荷重階の載 荷開 始 時 (t
‘=O
)に おい て は, 変位 量 ‘d は前 荷 重 階 終 了 時 T=
T[t.
、)に お け る変位 量1‘−
i )dcqt
−
in に等しいか ら, 次 式が成り立つ。
lt−
l )正
d
η‘.
.!
!
£AJd =
:
a−
i )dtri
一
バ………・
(14
) J≡
1 ゆ え に, tSai_
o= trSL ×3
>〈h
/u_
1 ,d
‘Tt_
t))’
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(15)次に
,
荷重 増 分が すべ て等し い場 合 (AtTSL
=・ArSL
)に 限 定すると, ス テッ プ荷 重ス チフネズ係 数は荷 重の大き さに無 関 係とな り,
変 位 量は (16
>式で,
ま たスチフネ ス係数は (17 )式およ び (18).
式で表さ れ る。
i id =ArSL
×3
×h
×(Σユ1/SCt
,])・
….
……
∴・
…・
,(16
) 」一
1 ∴ iS=
tTSLX3 ×h
/‘d
i=i
×ATSL
×3Xh
〆AτSLX3Xh ×(Σ 1/S
(tJ)> J=
1 t=i
〆Σ](1/SCtn
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
▼
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
:・
(17 ) J=
1sStn ‘
−
lb]r τ鉱X3 ×ゐん一
i )d
(ni−
1)) (t−
1)=
i/Σ (1/Sd
tJ ))・
・
……・
・
………
(1
呂) 」=
1.
ま た 減少型で荷 重 減少分が一
定 (A
、 T、、=ArSL
, ただし 吽1
)の場 合は,
除 荷 前の全荷重を1rSL≡
n×A
τsL.
とす れば,
.
以 下の ご とく な る。
」
d
; n }<△ TSL ><3Xh /SitL
,・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
(19
) △ld=一
△rSLX3 >〈h
/S
,‘1・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
.
…
(20) i ∴ ,d
=
・
ld−
zA
,d
ju2 t=
ArStX3
×ん×1
π/Srr
Σ 1/Sl
討……・
・
(21 ) 」=
2 し た がっ て,
スチフネス係数は, iS=
irSLX3 ×九/‘d
.
=
(
・+1ゴ
)×・SL×3
×〃 (A・・LX3 l×
h
×(n/Slt
、
)一
Σ 1/St
丿))} i=
! l=
(n十1− i
}/1n
/S
(ti厂 Σ1
/S
,,∫)}・
:…一 …
(22) Ji・
2 と なり.
i荷 重階の荷重減 少 開始 時はtd = Ci−
udtni.
inであ ること から, 次 式で示さ れ る。 “−
1)tSc ηt
−
、,〕=
(n十1− i
)/1n
/Scrt
−
、)〕一
Σ 1/Se
,} J=
2・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t−・
・
・
・
・
・
…
(23
)以 上に より
,A
T、L=一
定の場 合にお けるス テップ荷重 スチフ ネス係 数一
(17), (18
>,
(22), (23 )式一
を,
図一5
に 石 し た。
た だ し,
図一
1にお け る温度10
°C
の場 合の例であっ て,
ステッ プ数 nF5 (増 分 型 :最大荷重=
n×4耻,
減 少型 :1T 、L= n×AtSL
>と し, 荷重保 持 時 間 を 15時 間と して あ る。増 分 型 (実 線 )お よび減少型 (破 線 )のい ずれも が 第1
荷重 階に おい てS
と一
致する こ 1一
コ
〔
q日
丶
←
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01 0
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第1荷璽階 篤2苛量隔 艪 鋤 郷9驢
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Bグ レー
ド \、
、
、
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1 ち、
、
、
巳
、
、
、
\.、
、 1」
荷 重保 持時聞 15昭 聞、
医 1一
〔ω 増 分掣ス テツブ苒 コ ) ‘Bグ レー
ド 〔。
τ3Li 丶一
定}N
、
L1脯゜
騨
(b】減 少型ス テッ
プ荷 重’
…一
一
鉛 直載 荷 試験P 蜥L買 測但Sにr(Bグ レ1
ー
ド ) 」一.
一
標準5 (10℃ ,(Bグ レー
ド冫 Sc 5 4 1 2 3 4 5 1020 306D■
一
一
一
一
7 ]osT 〔hr, 図一
5 ス テップ荷重ス チ フネス係 数〜
時間 関 係 図(AT。 、=一
一
定 )一
51
一
と
,
第2
荷重階以後は増分 型は下の 凸の形 状,
減少型 は 上 の凸の形状を示すことが わ か る。・
3.
2 室 内試験 (a ) 試験の概 要3,
1
節で導い た理 論 式が実 際の現 象に あ て は ま る かど う か を検 討するた め,
ス テ ッ フ荷重に よ る アス ファル ト の室 内試験を行うこと と し た。
本試験で は2つの試 験 試 料に よっ て可 動 中 板 を 挟み (以後,
試料 板組と称す〉, 中板に直接 載 荷して変 形 を与え る形式を採用し た (図一
6
参 照〉。 垣試料板 組は厚さ6m 皿 で表 面が平 滑
苳
ア.
ル ミニ ュー
ム 製の外 板2枚 と中 板 1枚か ら成っ て いる。 厚さ6mm
の SL 用アス ファル ト (B グレ厂 ド〉試
料2 層
をこれ らの 板の間に挟ん で あっ て, 板 組の厚さ は合計30
mm であ る。 せん断 面は6cm × 6cm の 2面であ る。
試料板 組の 作 成 手 順を図一7
に示して お い た。
表 面が乾いた状 態の ア ル ミニ ュー
ム板の上に高 さ6mm の真 鍮 製の枠を置い て, こ の枠 内に 加 熱溶 融したSL
用ア ス フ ァ ル トを流し 込 むことによっ て,試料を作 成し て い る。SL 用アスフ ァ ル’
トは,
約120
℃ あ た り で十 分 溶 融 する が,
短時間で 表 面の粘 性が増して,
枠隅部へ の試 料の回り 込 み が十 分 で無く, また接 着 も不 良と な り や すい こ とがわ か っ た た め,
作 業中の流 動 性 を十 分保ち う る温 度 として,
約 140℃ に加 熱して用いることとし た。
予 備 試 験によっ て 3 2f
−111
L
目 O 專 1架 台 2外板 3中板 41 錘 釣り具 5錘 eダ イ ヤ ル ゲー
ジ 7ストツ
パー
8支 持 金具 ピ 1 図一
6 装置 図およ び各 部 名称 中板 〔ー
1k ・・塗
ア ス ファル ト直し込み 6an 外 板且 ゴ an 仲1 図一
7 試 料 製 作 手順 試料 内部が一
定温度に な る た めの所 要 時 間は ほぼ48時コ
問と判 断さ れ たの で,試料作成後 2日間 恒 温養生した後,
恒温 室内に おいて載荷試 験 を行うこと とし た。
養 生 期 間 中,お
よび 試 験 時の室 温は恒 温 操 作 能 力の関 係か ら約 16°
C
に保持 する こ と と し た が, 実 測 温 度は 16士2°
C の 範囲 で あっ た。
枠は試 験に先 立っ て,
アス ファル ト試 料か ら はずすこ と と した が, 枠とア ス フ ァル ト試 料が接す る面につ い て は, 枠内 面に アル ミホ イル を油で接 着さ せて分 離を容易 に し てある。
アス ファル ト試 料はわ ず か な荷 重で も変 形を生 ずる た め, 試料 板組 を架 台 上に設 置 する際に,
中 板と外 板を あ ら か じ めス トッパー
で固 定して お き,
載 荷 開 始と同時に ス トッパー
を取りはずす こととし た。
測 定 項 目は時 間,
荷重,中板の変位量,試 料 寸 法 お よび室 内温 湿 度と し た。 試 験 内 容 を 表一
1に示し た。
試 験 番 号 No.
1,
No.
2
は 増 分型試 験で あ り,No .
3は減 少 型 試 験で ある。
図一
8 に荷重〜
時 間 関 係 を示 し た。
載 荷 重は 100g と500g の 重 錘の組み合わせ を用い た が,
中板お よ び重錘吊り具等 の重さ が 230g で あっ た た め, こ れ を加え たもの を荷 重 と し て示し て あ る。
試 料は, 試 験 終 了 時に試 料 板 組か ら は が して,
接 着 面の状 況 を観 察 した が,
接 着 面にすべ り,
ハ ク リ等は見受け られ な かっ た。
(b
) 試験結果お よびその 検 討No .
1お よびNo .
2試 験に よる変 位 量d
一
時 間 T 関係 を図一
9に示 し,No
;3 試験のd 〜T
曲線 を 図一
10に示 し た。 これ ら の図に は (12
)式によ る理 論 値を実 線で併 記 し た。 ま た (13
)式, (15 )式 を用い た ス テ ップ荷重 スチ フネス 係 数S
を求め,・
図一
11〜
図一
13に実 測 値と と も に示し た。
.
変位量の計測はダ イヤル ゲ
ー
ジに よっ た が,
測 定点に 表一
1 試 験 条 件一
覧 試 料 寸法 試 験 番 号 室 温 ℃ がヲツ 数 冨 荷重 保持 時 間 (hr) 面 穫 2乱・
(c 皿2) 厚 さ h 〔皿 皿) 実 測 厚 さ h (皿皿) Ho.
1 四〇.
2 四〇.
3 15.
517.
016.
O 664 12241 727272 656 666.
2 L 荷重 ( 〕 矧,,・
荷 壁】7ワ丿 ↓ 〔 〕 〔1.
s3)3.
636 ↓ (1.
53〕3,
03 5 0 12 24 36 脅8.
50 72.
0 1 2 3 6 〔24)’
〔48} 〔72) (躯Kl20)〔144, → T〔hr) → T〔hr, 閧o.
1 お よび Ho.
2試 験 荷重隔
T 関 係 Ho.
3試験 荷 重一
T 鬪係 図一
8 荷 重一
時 間 関 係一 52 一
o 10 02 03
亅
〔
目甘
℃
40 50 60 10__
s T〔 〕 o12 2343502 96 10 14 78702 ↑26『
B グ レー
ド 、、
、
、
、
臨 2 吭験、
臨
丶 、 丶 、 、 、 \ 恥.
1悶 、 、 丶 、 、 、 、 、一一一
実 測 値 、 臨」
1 、 、 、 、 理 諭 値 鬪o.
L 、 、 窮1 賊 目 阻 」鉱 嬾 聯 鰍同璽 階 第 z阿囂陽恥,
2 嫻 鋸4智 盧 隠 第購 翼爾 鄭 荷罵隔 一 図一
9No.
1お よ び No.
2試 験d〜
丁関係 図 加わ る ダイ ヤル ゲー
ジ 1ケ 分の針 圧 荷 重は, キャ リブ レー
ショ ンの結果 図一
14に示 すご と くで あっ て, 錘の 重量 に 比べて無 視で き ない値で ある こと がわ かっ た。
し た がっ て,
そ れ ぞ れの荷 重 階におい て, 変 動す るダ イヤ ル ゲー
ジ針圧荷重の平 均 値 を 求 め,
理 論 計 算 上の荷 重 と しては実 載 荷 重 (図一
8参 照 )+平均 針 圧荷重 を, その 荷重階における保 持 荷 重として採 用し た。
また計 算に用 い る標準スチフネス係 数は,
.
試 験における第 1荷 重 階ス チフネス係 数iS がS
に一
致すべ き である こ とを考慮 し て,
図一
1の曲 線 間 をiS で内挿し た曲線値を採用して あ る。 実 験 室の室 温 と, 採 用し たS
曲線の 内 挿 温 度と の間に は相 違が み ら れ る が,
こ の 理由は明確で な い。
図一9一
図一13
を 通じ て,
理論 値が実 測 値 と よ く一
致 する範 囲は, それぞ れの試験につ い て以 下の ご とく であ ること が わか る。No .
1試 験で は第 3 荷重階まで,
No ,
2 試 験で は第 5荷 重 階ま で, ま た,No .
3試 験に おい て は 全 荷 重 階において よ く一
致し ている。 No.
1およびNo .
2試 験に関す るlog
rkL−
log
d
/t
曲 線を図一
15に示し た。 た だ しd
は各 荷 重 階にお け る最 終 値 を採 用し て あ る。log
rSL〜
log
d
/t曲 線は 2つ の折 れ線 状 を示してお り,
降伏現象のある ことが認め ら れ る。
粘 性 土の変形特性お よ び くいの 支 持 力〜
沈下特性につ い て降 伏 現 象のあ ること は, すで に文 献 8)一
]]}に おい て指摘 さ れてい るとこ ろである。
ア ス フ ァ ル トに関し て も, リ ラ ク セー
シ ョ ン試験にお け る応 力 度 とひずみ速 度の関係 が両 対 数 グラ フ上で2
つ の折れ線で表せ12 ) , 降 伏 現象の あ ること が示さ れている。
図
一
15にお け る折れ点を降伏 点とよぶ こと とし, y τSL と 記 号 する。
同図に おい て変位 速 度は,
rSL〈yrSL の範 囲で は小さい が,
TSL>y τSL の範 囲で は は るかに大き く なる ことが わ か る。 この ように,
vτSL は, 変位速度が小 さい範 囲か ら, は る か に大きい範 囲へ と移 行す る境 界の 特 性 点 とし ての意義を もつ 。 図一
15か ら,No .
1お よ び No.
2試 験 の s τSL は そ れ ぞ れ O.
−
27 tf/m2 お よ び0.
21
0.
0.
亅
:
:
薯
:
:
5 o,
ATlhr ) 図一
10 No.
3試験d〜
T 関係図〔
議 ど 冒一
411 0 Bグ レー
ド o \一
一一
実 測 値 1 理堕値s こ丶
、
1_.
_
標準5 54
’
\ 10℃ 図 丶 320 ℃「『
\ 2幽
\.
.
.
,
鰍 荷重隅・
.
繼 卸 劃婀 凰.
\.
1o.
5 12 34 5 丘一
一
一
ア lesT伍r } 図一
13 No.
3試 験log S−
log T 3 蓴21
、10
.
50.
40.
3.
2 o.
1 鯖1萄 鋸蘇 鄲 載蹴 \ tI『
、
10℃ Bグレー
、 、』
\ 丶 \.
、
、
『
、
−
\ 20 ℃ \ \.
\.
\ 、 メミ
.
14,
5℃、
弋 、三
欝
}
晶
\ 丶 \.
、 12 4482 60 5 1e 20 30 40 50− −
7 ]OtT 〔hr) 図一
11 No.
1試験log S−
log T 03亅
__
s 針庄荷 重 〔巳} 0 50 1DO 150 200薹
蚩
:
:
1
… 0.
o.
20 30 4D 50 100 144−一一
710sT (hr] 図一
12No.
2試 験log S−
log T0 ユ
(
日U
OO 崗 皿 ホ ー 黙 ミ } ヤ 図
一
14 ダ イヤルゲー
ジ針 圧 補 正.
ま
18
亅
晝
:
:
1
認
,.
o zo一
一心
losTs」
〔tfl■o) 叺05 0.
1 0.
Z O.
3 0,
5 1、
0 げtms ぽ ごホす ! 2 〆3 4 5 】 2 6 3 4 5 5一
9−
fO.
1 緩験 + 胴o.
2艮 験 図一15
109 rSL〜
log d/t一 53 一
tf/m2 と読み と れ る
。
ただし, vτSL の値は ステップ荷 重 の 大き さ と放 置 時間, し た がっ て全 体 的な荷 重 増 加こう 配と関連する もの であっ て, 荷 重 増 加の こう配が大きい 程,
増大す る性 質の ものである。
な おNo .
3試 験にっ い て はlog
TSL− log
d
/t
図を省 略したが,
最 大応力度であ る TSt=O.
185 tf/m2 の範囲 内におい て, 降 伏 点は 生 じて いない。 ま た 図一
15 におい て, 降 伏 点はNQ .
1試 験で は第 3 荷重 階終了時 付近に,No .
2試 験で は第 5荷 重 階 内に生 じ てい ることが わ か る。
図一9〜
図一
;13に 関 して のべ た 理論 値と実測績が一
致し な く なる限 界と よ く符 合し て い る。No .
3
試 験に おいて両者が よく一
致し て いるの は,
TSLが降伏点に達し ていないため と判 断 され る。 以上 に よ り,
本理論 式の適 用 域は rSL≦y τSL の範 囲に 限ら れ るべ き で ある こ と が判っ た。次章で は
,SL
くい の鉛 直 載 荷 試 験 結 果につ い て本理 論式 を 応 用 して検 討を行うこと と する。
4.
鉛直載荷試 験に お け るSL
の挙動の検 討 文 献1)の鉛直載荷試 験結果か らA くい の載 荷 試 験 時ス チフネス係 数SLT
を (10)式で求め た もの を,
前 出の図一5
に点線で併 記し て おい た。
ただ し,
除 荷・
再 載荷過 程は無 視し,
処女 荷重階に限っ て ある。 これ は,
除 荷お よ び再 載 荷過 程の荷 重 保 持 時 間が 1時 間であっ て,
処 女 荷重階の15
時間に比べ るとは る か に短 く,
ほ ぼ弾 性的 な応 力履歴であるとの判 断に よるもの であ る。SLT
は各 荷 重 階の載荷直後は増 分 型ス テッ プ荷重スチフネス係 数 に ほ ぼ等しい が, 荷重階の時 間の経 過に し た がっ て減 少 し,
減 少型スチ フネス係 数へ 近づい て行くこと が わ か る。
鉛 直 載荷試 験におい て は
,SL
の 応 力 度 τSL は荷 重 階 の載荷 直後に大きな値を示し,
荷 重 時間の経 過につ れ て O O O O〔
≧ ど4
の
h−
0 0 0 1 2 3J
〔
雷響
−」
1°(
i一
「 2 0亅
8 6 4 2 0 0 0 0 D O凾
「
「
.
9
.
1 2 3 4 第1荷 重隅 丶 1 鋸2爾重階 L 16 篤3荷 口階、
、
31 ヒ 、 46 第4荷重 階 第5荷 重 階 6τ 第6荷 重 階 A 椀切τ臼
Lを示す嚊
一,
実樋 値 ステップ荷重 6・
.
’
\.
\.
丶
z 30一曽
F
鴨
一
噌_
一
一
「 37 45 52 50、
一
層
■
6一
曹
r−一
→一 一
67 75 2 9.
Q−一
一
7 T(hr) C杭 \.
\,
一一一
顛 値 \ 丶.
理醜
\
、〜
繝 ・た脚 灘 \.
1 16 き1丶・
46 亀、
、一
●
呻
脚
_
_
、、
八杭『†一一一噂
−r
噂 0 00 D O 1 2
3
4 5
_
一_
実 糲 値一
一一
气 2’
7 5 6一嚠
鱒一
一一一
●
l r T(hr〕 \幽
マ
丶践
昿.
凾
一
→\¶
丶.
丶
x
.
脚\
く
を用い蝋 醐 値噛
図一
16 τ3L〜
丁関 係お よ びd〜
T 関 係 減少してゆ く。 し た がっ て, 各 荷重階に おいて τ、L=一
定’
と し たス テップ荷重スチフネス係 数を,
その ま ま適 用 す るこ と は妥 当でない。
上に のべ たSLr
の実 測 値と 理論 値で あ る増分型S
あるいは減 少 型S
との相 違の 主 因 は,
τ、、が一
定でなく,
時 間 と と もに複 雑に変 化 す る 点 に あ る と考え ち れ る。
前報告1) では, くい頭の各 荷 重 階 に お け る TSLの時間的変 化が記録さ れ てい る。
ゆ え にこ の τSL の変化を,
くい頭 荷 重 増 加 時お よび荷 重 時 間 内の 変化の2
つ に大 別し,
くい頭 荷 重 増 加 時には τSL の増 加 分を増 分 型スチッ プ荷重と し て, ま た各荷重階 内で は応 力減少を減少型ス テップ 荷 重と し て考え ること とする。
この よ う な所 作を施し たスチフネス係 数 を, 増 減 組 合わ せステッ プ荷重スチ フネス係 数Sc
と よぶ ことにする。 図一16
の上 部に, 1例 としてA くい の τSL−
7’
関 係の 記録を示した。
A く い の荷 重 保 持 時 間は 15時 間で あ る た め, 荷重 時 間 を2
時 間ごとの 7区 分 お よび1時 間 1区 分の 計8
区 分に分 割し, 各 分 割 内の 平 均 応 力 度 を求 めて ス テップ 荷 重 τSL〜
時間 T 関係図を,
実 線で併 記し た。 室内試 験の結果か ら述べ た ごとく , 理 論 式の適 用 域は τ肌 力iyrsL 以 下の範 囲に限られる。
しか し,
鉛 直 載 荷 試 験に おい て はτ、。 の時 間 的 変 化は荷 重 階のつ み重ね速 度 お よ び各荷重階での リ ラ ク セー
ション等の影 響 が複 雑に 組み合わ さっ たもの である ため,
vrSL の値は明確でない。 そこで, yτSL に代わ るもの とし て,
くい頭 降 伏 荷重階 以 降に おいてSL
の変位 特 性が変 化 (変 位 量が急 激に増 大〉.
して いる点 を考 慮して,
計 算 範 囲は くい頭 降 伏荷重階以 前とし た。
すな わち,
A くい :第 5 荷重階,
B くい :第4
荷 重 階およ びC
くい :第7荷 重 階 までと した。 図一16
に おいて は,
これ らの荷 重 階 まで を示 すにと どめてあ る。 た だ し,C
くい では第 1荷 重 階の実 測 値が得られて いな い た め, 第2荷 重 階を載 荷 開始と考えて計 算 を 行っ た。 計算に用い た標準ス チフネス係 数は
,
各くいの第1
荷重 階 に近い値の もめ を採 用し た。
結果 と し て,A
くい・B
くい にっ い て は施工時 期が ほ ぼ一
致し ていることも考 慮して 同一
温度を 選 び 10℃ のS
を,
C < い につ い ては12.
5
℃ のS
を選ん だ。
これ らの温度は,
通常 考え ら れて い る 約 15°
C の地中温度より低い値であるが
,SL
の 温度測
定が行わ れて い な かっ た た め,
こ の相 違につ いて は判然 とし な い。 図一
16の下 方 に3
’
つ の 試 験くい のd − T
関係 曲 線 を 示 し た。
また図一
5 に A くい のS
。〜T
関係曲 線を示 し た。
図一
16の下 2図に おい てA
くい お よびB くいは 理 論 値 と 実 測値が定 性一 54 一
的に よ く
一
致 して いるこ と, またC
くいは定 量 的に も よ く一
致して い ること が わ か る。
比 較のた め標 準スチフネ ス係 数S
を そ の ま ま用いて (9
>式に実 測 τ肌 の各荷 重 階に おける 1 時間値を適 用して求め た変位量 を 図一
16 の下 2図に併 記し て おいた。
実 測 値 との 相 違が著 しい こ とが わ か る。 以上に より,
鉛 直載荷試 験にお け るSL
の変 位 特 性は,
増減 組 合 わせス テッ プ荷 重ス チフネス係 数Sc に よっ て か な り よ く説明で き ることがわ か る。
5
.
ま とめ 本 研 究の結果とし て,SL
変位特性につ い て以 下の 事 項が明ら か と なっ た。 (1
)SL
がステッ プ荷 重 (各 荷重 階に お け る せ ん断 力は一
定 ).
を う け る場合,
その変位量 は各荷重階の増分 荷 重に よる変 位 量の 重ね合わ せ と考え ることに よっ て,
ア ス ファル トの特 性の理 論 式を示し た。 減少型ステッ プ 荷重の場 合につ い て は負の変 位量の重ね合わ せ と考え る。
な お,
各 荷 重 階で の増 分 荷 重 △s τSt が一
定であ る場 合.
は,
ス テ ッ プ荷重スチフ ネス係 数S
は荷重と無 関係と なり,
1例と して図一
5の ご と く図 示で き る。 (2
) 室 内試験に よっ て, 増 分型 お よ び減少型ステッ プ荷重の い ずれの場合も,
(1 )にの べ た 理論式で,
τSL カ τ3乙以 下の範 囲に おいて,
よ く説 明で き るこ と を示 し た。 し た がっ て, 理論 式の適 用 域は, τSL〈y τSLの範 囲に限定さ れ る。 (3)SL
くい の鉛 直載 荷 試 験で は荷 重 保 持 時 間の経 過と ともにSL
の応 力 度の減 少が み ら れ る。し た がっ て,
SL の応 力に対し て増 分 型ス テッ プお よ び減 少 型ステッ プの理 論 式 を組み合わ せて適 用 する必 要がある。 先に発 表し た鉛 直 載 荷 試 験 結 果1 )に よる τs。の測 定 値に こ の方 法 を適 用し た結果,
現象をか なりよ く説明し得ること が わ かっ た。 な お,
この ような所作に よ るス チフネス 係数 を, 増 減 組 合わ せステッ プ荷重スチフネス係 数と名付け た。
(4 } 本報で は 理論式の説明は, 実測 値τ肌 を用い て 変位量d
を計 算す る順序で行っ てある が, 同式 を用い てSL
の実測変位量d
か ら応 力 度 を 計 算で き る。
鉛 直 載荷 試験に おい ては,SL
の応 力度測定よ り も変位量測 定の方が容 易であることを考え る と, 本 理 論は今 後, 実 測 変 位 量か らSL
の応 力 度 推 定に役 立つ ものと 考え られ るQ 以 上に より,
定 荷 重また は定 速 条 件 下における SL の 特 性を表す標 準スチフ ネス係 数S
に対 して,
鉛 直 載 荷 試 験 に お け るSL の 特 性は,
提案し た増減 組 合 わ せス テ ップ荷重ス チフ ネス係 数で説明 で きる こ と が示され た。
な お,
今 回の鉛 直 載 荷 試 験1)で は温 度 測 定が行わ れ て いない た め,SL
の温 度 を仮 定し て理論 式を適 用せざる をえ な かっ た。
スチ フネス係 数は温度によっ て大き く変 化す る係 数で あ ること を 考える と, 今 後,
SL くい の鉛 直載荷試験にあたっ て は,SL
の温 度 測 定 を行 うことが 大切である ことを,
注 意して おきた い。
基 礎 くい の 支持 力 特 性に関 して ク リー
プ現 象 を考 慮 す べ きで あること は,
すで に指 摘さ れて いる8 }−
11)ところで ある。
し か し,
こ の方 面の研 究とし て は,
い ま だ理 論的 に十 分な成 果が得ら れて いる と はい い難い。 本 報に お け る理 論は,
くい の載 荷 試 験 時に おけるSL
の挙動の説 明を目的とし たもの であるが,
く いと地 盤と の間の摩 擦 力につ い て,
くい周の ご く薄い境 界 層に限定 し て,
レオロ ジー
的考 察を行っ た とい う意 義 も ある。 今 後,
〈いの 支持力機構の レ オロ ジー
現象を解 明す る た め の参 考にな れ ば幸い である。 本 報を ま と め るに あ たっ て,
山 肩 研 究 室の各 位か ら貴 重な御意見を頂い た。
室 内試験は,
関 西 大 学 学 生・
大 石 公 嗣・
木 戸康 雅・
辻 和 宏および井 岡和 雄の諸 君の卒 業 研 究に よるもの で ある。 ま た,
久 保 田 鉄 鋼 (株 }北口 清氏,
シェ ル石油 (株 )青木秀 樹 氏に は,
試 験 試料 (SL
用アス フ ァ ル ト〉の ご提 供に ご甚 力 を 頂いた。 こ こ に記 し て深く感 謝申し上 げ る次 第で あ る。 参 考 文 献 1) 山肩 邦 男, 中 澤瑤 子 :SL 処理大径開端 鋼管 杭の鉛直載 荷試験,
日本 建築 学 会 論 文 報 告 集,第344号,
pp.
93−
101, 昭和59年10月 2)斉藤 彰,
石 神公一,
亀 井 敏 雄,
福 屋 智 亘 :軟 弱 地 盤に お け る鋼 グ イの鉛 直 支 持 力,
土 と 基 礎,
23−
7,
pp.
35−
42,
19753) シェ ル研 究 所 :REDUCTION QF NEGATIVE FRIC
−
TION ON BEARING PILES BY BITUMEN SLIP
LAYERS
,
1971,
6 4) 東工 大 土木工学 渡辺研究室 :支持杭表面 拠 理 用 特 殊ア ス フ ァ ル トの性 状 試 験, pp.
1〜
23,
昭和49年11月 5) 山肩 邦 男,
中澤 瑤 子 :ス テッ プ荷 重に お け る ア ス ファ ル トの スチ フ ネ ス 係 数 につ い て,
第17回土質工学 研 究 発 表 会,
昭 和57年6月 6) 中澤 瑤 子,
山 肩 邦 男 :リラ ク セー
ションを考 慮し たステッ プ荷 重に よ る アス フ ァ ル トの スチフネス係 数,
日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概集,
昭和59年10月 7) 中 川 鶴 太 郎,
神 戸 博 太 郎 : レオロ ジー
, み すず書 房, pp.
377,
1969.
8 8) 村 山 朔 郎,
柴 田 徹 :粘 土のレ 才ロ ジー
的 性 質につ いて,
土木学 会 論 文 集40号,
昭和 31年12月 9) 村山朔 郎,
柴田 徹:粘 土中の摩擦グィの支 持 力 と その 新測定法,
土木 学 会 論 文 集59号,
昭 和33年11月 10) 山 肩 邦男 :支持 杭の載 荷試 験 に お け る降伏 荷 重の力 学 的 意 義に関す る考 察 (第1報 ),
日本 建 築学会論文報告集 79号,
pp.
24−
28,
昭和37 年11月 11> 山 肩 邦 男 :支 持 杭の載 荷 試 験にお け る降伏 荷重の力 学的 意 義に関す る考 察 (第2報 },
日 本 建 築 学 会 論 文 報 告 集 80 号,
pp.
19−
23,
昭 和37年 12月一
55
一
12) FINNIE
-
HILLER :-suarv
cD7U
-
i,
:]ut
tt,
pp.312,wajo
40ij
l2A
SYNOPSIS
UDC:624.1S5
STIFFNESS
MODULUS
OF
BITUMEN
ON
THE
VERTICAL
LOADING
TESTS
OF
SL
PILES
by YOHKO NAKAZAWA,Research student, Kansai
tYand Dr.KUNIO YAMAGATA, KansaiUniversity,
fesor,Members of A.I.J
On
theveTticalloading
tests'ofSL
piles,thebehavier
of shear stress ofbitumen
r,, are observed asfollows.
T,, isincreasingwhen the top loadis
added'andis
decreasing
whiie the'topload
isholding
constant The measurement values of thestiffness rnodulus ofbitumen
SLT
on theloading'
testarediffefent
from
the gen'eral stiffness modulusS
in
Fig.
1whichis
thevalues under thecondition of constant stress or constant speed ofde-formati6n.
'
The
resultS of theexperimentatiori which shear stressis
moving $tepby
stepincreasingly
ofdecreasingly
areindicated
in
Fig.8
toFig.
i2.
The
measurement values are nearly equal totfiecalcurated valuesin
the range of TsL<.rsL, The stiffnessmodulus of the vertical loading testare explainedby
themodulusS,
on thecomposition ofincreasing
anddecreasing
steploads
which areindicated
in(7)
and{9) equations./