香 川 大 学 経 済 論 叢 第66巻 第1号 1993年 6月 69-98
研究ノート
統計学と
L
o
t
u
s1
-
2
-
3
(
2
)
一一時系列分析の方法一一
I は じ め に大 薮 和 雄
ある特性について,異時点における観測値を歴史的順序に並べたものを時系列といつ
。
時系列の分析に用いられるデータは同質的でなければならない。一連の時系列とし て分析するには,途中で定義が変わったりしていないことが望ましい。しかし,統計 データは,変動していく現実をとらえようとしているので,定義を変更せざるを得な い場合も起こり得る。定義の変更がある場合には,その時点で新!日両方の定義で調査 しておくと,一連の系列として利用することが出来よう。時系列分析を行う場合,で きる限り長い系列が欲しいが,長期に亘るデータは,構造変化の影響を受け,場合に よっては定義も異なり,互いに比較が難しくなる。このような場合には,データを分 断して分析せざるを得ないこともある。 さらに,データの大部分は金額表示か数量表示の形をとっている。例えば,時計の 出荷{回数のデータを分析する場合と,出荷数量のデータを分析する場合では,分析の 仕方,数字の読み方が巽なるであろう。時計にもいろいろ種類があり,その種類ごと の構成も時とともに変化するであろうから,数量、金額いずれをとっても不十分とい うこともあろう。ここに経済指数の問題が存在するのである。品質の変化の問題もあ ろうが,ここでは,問題の所在を指摘するに止める。-70 香川大学経済論叢
7
0
時系列データを比較する場合に,なお注意しなければならない点は,調査がなされ る時点が 1年のどの時期であるかについて考慮しなければならないことである。 例えば,事業所統計は,1
9
4
7
,4
8
年に行われ,以後第1
3
回の1
9
8
1
年調査までは3
年 おきに実施され,第1
4
回調査からは前回調査から5
年目にあたる8
6
年に実施された。 調査期日は,原則として7
月1
日現在とされているが,1
9
4
7
年には1
0
月1
日,4
8
年に は11月1
日,6
0
年には6
月1
日, 72年には9
月1
日,7
5
年には5
月1
5
日,7
8
年には6
月1
5
日などとなっている。これらに対して分析するには,実際には難しいであろうが 前もって何らかの調整が必要となるであろう。 時系列分析でさらに強調しなければならない重要な点は,時間の順序である。当然 であるが,時間の順序に従って生起する変動をそのままの順序で分析する必要がある ことをここで強調しておこう。 II 経済時系列の構成要素1
9
2
0
年以降のハーバード景気研究所でのミッチェル,パーソンズらの研究以来,経 済時系列を以下のように分解して考えることが行われている。 分析の対象となるもとの時系列を,原系列(OriginalData)とよび,0
であらわす。 これは,伝統的に次の4つの要素に分解される。 1) 傾向変動または,趨勢変動(トレンドTrend)-Tであらわす 2) 循環変動(Cyc!icalFluctuations)または,景気変動(BusinessFluctuations)-c
であらわす 3) 季節変動(SeasonalFluctuations)-Sであらわす 4) 偶然変動(IrregularFluctuations)-Iであらわす 第1の傾向変動は,時系列の全体に亘る長期的動向といえようが,対象とする時間 の長さに依存する相対的概念であり,定義が難しい。 第2の循環変動は,別名景気変動と呼ばれるように,主に景気の変動によって引き 起こされる確定周期(一定周期)をもたない変動である。景気循環の形態については, 古来いろいろの種類が問題にされてきたが,以下の4つにまとめることが出来よう。 1) キチンの波(KitchinCycle)-40カ月前後の周期を持つ在庫循環71 統計学と Lotus1-2-3 (2) -71ー 2) ジュグラーの波(JuglarCycle)-7 ~10年周期を持つ設備投資循環 3) クズネッツの波(KuznetsCycle) ー 15~25年間期を持つ建築循環 (Trend Cycleという別名でもよばれている。臼本では,輸出や国際収支の動きに関連が あるといわれている。) 4) コンドラチェアの波(Kondratiev Cycle)-40 ~50年周期を持つ技術革新の波 (資源制約,大戦争,金数量もこの波を生じる原因とされている。) これらの
4
つの循環のうち,C
として分析されるのは,おそらく1)と2
)
であろう。 3), 4)は長期波動として,上記の Tとして考えられる場合がほとんどであろう。循環 変動やトレンドは,もともと相対的なものであり,長期の分析では,循環変動とみな されるものでも,より短期の分析では, トレンドとみなされるのである。 第3の季節変動は,最も理解し易い変動であり 1年を周期とする(確定周期を持 つ)変動である。ただし 1カ月を周期とする変動 1週を周期とする変動 1臼を 周期とする変動もこの中に含めて周期変動(PeriodicMovements)と呼ぶこともあ る。例えば,潮の満干も約12時間25分の周期で繰り返されている周期変動である。 最後の偶然変動または不規則変動は, 0からT
,C,S
を取り除いた残差として考 えられており,これが発生する理由としては,地震,火災,大嵐などの突発的事件や ストラ千キなどが考えられる(ストライキも,春闘といった年中行事化したものは, 季節変動に含められる場合もある)。しかし,多くの場合,偶然変動は,その影響の小 さい多数の原因によって引き起こされる場合が多い。 なお,以上のほか,大戦争,革命といった非常に大きな断層が生じる場合があり, 偶然変動としても扱えない場合がある。このような場合には,それが起こる前と後で データを分断して分析するほかないことが多い。わが国が第2次世界大戦に敗れた 1945年8月15日などもこの例であろう。ただ,このような場合,データそのものが存 在しなくなってしまい,必然的に分断されてしまっている場合が多い。 以上のように4
つの要素に分解して,個々の要素の変動を分析し,出来得れば時 系列の予測をするのであるが,その場合,背後にどのようなモデルを想定しているか により,次の3つが区別されている。 1) 加法モデル72 香川大学経済論叢 72
0 =
T+C+S+I
(1) 2) 乗法モデル0 =
T.C.S.I
(2) 3) 混合モデノレ0 =
T.C
・(S+1
)
(3)0 =
T.C+S+I
(4)0 =
T.C+S.I
(5)0 =
T.C.S+I
(6) これらのうち,日本経済の時系列分析に最もよく用いられるのが, 2)の乗法モデル である。循環変動も季節変動も偶然変動もトレンドの水準に応じて変動するものと考 えられる場合が多いからであろう。国際収支の分析などのように,0
自身が正負の値 をとる場合は,加法モデノレをとるのがよい場合もあるが,以下では2)を中心に説明す ることにする。 以上のように,いずれかのモデルを仮定して,各要素の分解をはじめるのであるが, 分解に先立ち,原系列に予備的調整を施す場合がある。金額データを分析する場合, 適当な物価指数でデフレートして,いわば実質値について分析したり,人口増加の影 響を受ける系列については,人口数で割り l人当たりの数値になおして分析したり, 生産高の系列の場合のように,操業日数の変化を考慮して1日当たり生産高で分析し たりするのがこれである。 次に,個々の要素の分析について順次述べていこう。 III 傾向変動の分析 1 傾向変動の意味 傾向変動は,長期に亘る時系列の発展方向を示す変動である。日本経済の統計デー タは,ほとんどの場合右上がりのトレンドを示しているが,中には,右下がりのトレ ンドを示す場合もある。農業就業人口,過疎地帯の人口,一世帯当たり世帯人員,石73 統計学とLotus1-2-3 (2) -73 炭の採掘量,劣等財の消費量,農産物の自給率,死亡率,出生率,綿・絹織物の生産 高などが,右下がりのトレンドの例であろう。 トレンドを生じる原因は,系列により異なるが,各種のものが考えられよう。人口 増加,技術進歩または生産性の向上,科学的管理法の発達,所得水準・生活水準の向 上,噌好の変化,医学の進歩,より便利な代替財の発明・発見,資源の枯渇などが考 えられる。石炭の採掘量のトレンドは,資源の枯渇,より便利な代替財の発明・発見 に関係するものと思われ,死亡率のトレンドは,医学の進歩,所得水準・生活水準の 向上に関係があるであろう。合成繊維の消費量のトレンドは,人口増加,より便利な 代替財の発明・発見,技術進歩などの影響が大きいであろう。清酒の消費量のトレン ドは,噌好の変化などにより影響をうけているであろう。 さて,傾向変動の分析の目的として 2つのものが考えられる。 1つは,もとの時 系列から傾向変動を取り除いていわゆる定常時系列を求めようとする場合であり,今 1つは,傾向変動そのものを研究の対象にする場合である。前者の場合, トレンドと して,どのような関数をあてはめるかにより,残された系列の変動の仕方が変わって くることが考えられ,最近の傾向として,トレンドを取り除かないで,例えば,TCの ままで分析するという考えも出てきている。また,後者の場合,理論的な前提から導 かれた数学的曲線を考えることもできょうが,実際のデータについて,どのような理 論を考えるかについての議論もあり,一義的に決定するにはむずかしい問題を含んで いる。例えば,比較的長期の人口の将来予測をするような場合,どのような曲線をえ らぶかが重要になってくるが,一つの試みとして,後に述べる Logistic曲線を選ぶの と,指数曲線を選ぶのとでは,将来予測の結果が大いに異なってくる。 2 傾向変動をとらえる期間 さらに,指摘しておかなければならないことは,データの分析の期聞についてであ る。例えば,データが30年近くであれば,Kondratievの長期波動のどの局面かにより, トレンドの型は変化するであろうし,もっと短い期聞についての分析であれば, Kuz -netsの波, Juglarの波にも影響を受けるであろう。そしてまた,分析の期聞がいわゆ る景気局面のどのような局面から,どのような局面までを含むかによってトレンドに 影響があることも知るべきである。
-74ー 香川大学経済論叢
7
4
図表1 トレンドのあてはめa
目 8O日 門 7O自xf
大
K 600 50日¥
400 日 5 日 15 2日 お 3 O 35 4O 45 切 55 6自 図表1のようなデータに,最小自乗法でトレンドをあてはめる場合を考えてみる。 もしも,分析の期間がA
からK
までであれば,トレンドは正しい勾配と思、われるもの よりゆるやかなものとなるであろうし,分析の期聞がCから Mまでであれば,正しい 勾配と思われるものよりきつい勾配を示すであろう。B
からL
までであれば,勾配は ほぼ正しいものが得られようが,切片が小さくなろう。A
からM
までであればかなり 正しい勾配とかなり正しい切片をもっ菌線を得ることができる。この場合3
固に亘 る景気循環の波を完全な形で含んでいることに注意したい。A
点は山を上り詰めて下 降しはじめているが,M
点もちょうど同じイ立相にある点である。実際問題としては,T
をあてはめてからC
が得られる場合が多いので,分析の初期においては,C
の動き がわかりにくく,分析期聞を決めにくいが,他の資料や,経済の動きについての知識 を援用する必要が生じる場合もあるであろう。 3 傾向変動をあてはめる方法 与えられたデータにトレンドをあてはめる場合,次のような方法がある。 1) 分割平均法2
)
移動平均法 3) 最小自乗法 第 1番目の分割平均法は,①分析しようとしている時系列データを前半と後半に折75 統計学とLotus1-2-3 (2) -75-半して,前半の中央の時点に前半の平均値をプロットし,後半の中央の時点、に後半の 平均値をプロットして,これらの2点を直線で結ぶ方法や,②時系列の変動を 1循 環 ごとに区切り,各期ごとの平均値を各期の中央の時点にプロットし,それらの点を結 ぶ線分を引く方法がある。 第2番目の移動平均法は,数項の平均を移動させながらとっていく方法であり,平 均をとる項数と同じ周期の波を取り除くことができる性質を利用するものである(詳 しくは, IV 1引を参照)。そして,例えば,TC系列から移動平均によってトレンドを取 り出すためには, Cの周期が一定でないので,可変項数移動平均法というものを用い るのであ
Z
。また,加重移動平均の方法も用いられることが多♂。 第3番目の最小自乗法は,実際に最もよく用いられる方法であるから,少し詳しく 述べてみよう。 まず,最小自乗法を適用する関数型について考えてみよう。y
=
a+bt
(直線)y =
α+bt+a
2 (2次式)y=
α+bt+ct
2+dt
3(
3
次式)y =
α.
b
'
(指数曲線) (7) (8) (9) 帥 この式は,両辺の対数をとると ,1
0
g
y
=
1oga+ t
1
0
g
b
となり ,1
0
g
y
=
A
+Bt
とあらわされる。ただし ,A
=
1
o
g
a
,B
=
1
0
g
b
とする。 1-t . _.t2y=a
・O.'C d u HI
( この式も上と同様にして ,1
0
g
y
=
A+Bt+
C
t
2となる。y =
α.
b
'
・ι"・d
,
3。
2) 。 J U 4 ' b vD
十 C 十 4 ' bB
+
A 一 一 y g n u,
' o
は +:
α
十 h 宇 小 一 一 1 一y
(13)上
=α+bt+ct
2 y (l~ 1 α+
b
t
+
c
t
2+
d
t
3 y Q5) つぎに,どの曲線をあてはめるかという問題であるが,一般的にいえば,できるだ-76← 香川大学経済論叢
7
6
け簡単な式で当てはまりの良いものがよいとされている。時系列のデータをグラフに プロットしてみて,どのタイプの曲線がよいかを考えてみるのが一番原始的な方法で あるがよい方法である。最近では,計算機の進歩がめざましいので,グラフも描かず に,非常に多くのタイプの曲線をあてはめてみることが行われるが,L
o
t
u
s
1
-
2
-
3
のグ ラフ作成能力を考えれば,面倒がらずに,グラフを描くことに努めるべきである。一 般に, 2つの点があれば 1次式, 3つの点があれば 2次 式 " n1聞の点があれば,(n -1)次式をあてはめることにより,全ての点を通るような曲線を求めることが℃、き る。このことは, Lagrangeの補間公式年も
十… +Vn)tーん)(t-tl)…
(t-tn-1 yn (tn一ゐ)(tn-t1)…
(tn -tn-l) を用いれば,点(お,Yo), (tl, Yl), (t2, Y2),…
(tn, Yn)なる(n+1)個の点の全てを通る ような tに関する n次式が得られることからも明らかである。 原系列に,このように極端な曲線をあてはめると,C
もS
もI
さえも無くなってし まい, 0自身がTであるような結果になるおそれがある。このことは時系列を分解す るという所期の目的を果たさずに分析を終えることを意味する。 ここで,実際のあてはめによく用いられる曲線ではあるが,最小自乗法を適用でき ない場合について触れておこう。y=
α+b.c'
修正指数曲線)y=
α.b
ct(
G
o
m
p
e
r
l
z
曲線) これは,I
o
g
y
=
A+B.c'
とかけるo Y 川c
'
似 批 曲 線 )。
。
Q7) Q8) これらはどの式も右辺はα十bどという形をとっており,左辺が,y,I肌 士 と 変 わっているだけである。そして, (16)式は図表 2のような曲線である。 曲線1は,b < 0の場合であり,曲線2は,b>
0の場合である。いず、れの場合にも, 0<ι< 1である。当然でトあるが漸近線は,y=a
となる。77 統計学とLotus1-2-3 (2) -77ー 図表2 修正指数曲線のグラフ 一 曲 線1 曲線
2
一 曲線2
の漸近線 図表 Gompertz曲線と Logistic曲線のグラフ . ' y , , , , ρ 。 , , , , .-一.---~ Gompertz曲線…
Logistic曲線 閉式と (18)式は図表 3のように表される。(17)式では, 0く b<
1, 0<
c<
1であり, 下方漸近線はy=Oであり,上方漸近線は y αである。(18)式でも 0 <c < 1であり, 図の場合,下方漸近線はy=Oであり,上方漸近線は y=
1
/
α,となっている。y=
1/2a のときに変曲点がある。とくに(18)式は成長曲線といわれるもので,生物の成長の仕方78- 香川大学経済論議
7
8
を表現する曲線とされている。 さきにふれたように, (16), (17), (18)式のいず、れもほぼ同様の方法で曲線のあてはめを 行い得るので,以下では最も有名なLogitsic曲線のあてはめについて説明しよう。 4. Logistic曲線のあてはめ いま ,n
1
固のデータに,t
=
川 ど と い う 式 を あ て は め る こ と を 考 え る 。 こ の 式 のあてはめにもいろいろな方法が考えられているが,最も有名ないわゆる3分割法に ついて説明しよう。 いま ,nが3で割り切れる場合を考えよう。3で割ると 1余る場合は,最初のデータ, 2余る場合は,最初の2つのデータを省略することにする。ここでは,データの観測期 間を 3つの部分期聞に等分する (η=
3k)。 最初のk個のデータの逆数の和をふとすると,S
,
=
会
(
士
)
ω) つぎのk個のデータの逆数の和をS
2
とすると,Sz=ti(
士
)
最後のk1
闘のデータの逆数の和をS
3
とすると, ( 20)S3=tg+I(
士
)
。
。
ふとS
2
の差をD
,とし,D
,
=S
,
-
S
2
S
2
とS
3
の差を D2とし,D
2
=
S
2
-
S
3
(22) ω) 上記のLogistic曲線のパラメータを a,b
,δで推定することにすると,つぎの結果 が得られる。 、 町 、 E E E E , , , , 2一
a
n M 一 ﹁一
D
1 一h 一 ¥ ・ l l , 、 日 晶一品凶作 / ﹄ t ¥ 司 l J J一
一
一
一
︽ C ︽ G (24)。
5)79 統計学とLotus1-2-3 (2) -79
6 D 1 3 / l }
一 百 戸
D
2
)
2¥
e
-
1
)
(26) この理由を説明すると,つぎのようになる。51=
呂
α
(
+
b
"
c
'
)=
α
(
十α+
…十α)+
b
(
ι
+c
2
十一+日) _k5
,
=
ak十b
"
c
・一寺ーとー 1-C (27)5
2
,5
3
も同様にして, 1 _ rk52=α
k+
b "c
k+ 1 "-'=;---':'- -1-C (28) _.k5
3
= ak+b"C2k+ l"~二ムー1-C (29)LR-一
ι
2 一‘二 ι一
一
c L一
1 5 一 ︹ ニ ト 1 11 一 + /U f し ・ 7 O ' b一
一
一
一
D
D
。
。
(31) 側/(30)より,D2
c"=百
;
(32) c=
(
s
:
)
五 (33) (幻)式より,α=
士
(51-
i
b
c
羊子)
'-, J.. 1-c k この式のj一一一一;の部分に,側式を変形した bc"τ
cτ
号
τ
を代入するとα=
士
(
5
1
一告示)
この式の日の部分に(32)式を代入して,a=+(51-~\=-M5,- ~D/~
ー+151一一一一一回
+15
,
-
~.<./1 ~i
)
k
¥
"
"
咽Dz
J -k¥
'-'1D
l-DzJ
、 ム Dl' (30)式より, ( 34)80 b
=
(1-c/, Dl b¥? • 1-c k)2'- c-香川大学経済論叢 この式のd
の部分に(32)式を代入すれば, b一- 一 一 一 一 一Dl、 l - C - D 1 3 / I dーム
D2¥2 ι (Dl -D2)2 ¥ C .LJ
い
D1J 5 あてはめる曲線の選択8
0
(お) Q E..D 傾向変動としてあてはめる曲線は,上記の(7)~制式のようなものであることはわ かったが,どのような場合にどのような曲線をあてはめるべきかということを知るに はどうすればよいか。先にもふれたように,グラブを描いてみるのが第1である。(
8
)
式については, Yt+l α+b(t+
1)+ι(t+
1)2 -) Yt=
a+bt +ct2L
1
Yt=
b+2ct+cL
1
Yt=
(b+ι)+2ct。
。
となるので,通常の方眼紙の横軸に時間tをとり,縦軸にl次階差L
1
Ytをとりグラフ を描いてみて,直線関係がみられれば(8)式を適用すればよい。 (9)式についても同様にして,L
1
Yt=
(b+c+d)+(2c+3d)t+3dt2。
7) となるので,通常の方眼紙の横軸に時間をとり,縦軸に l次階差L
1
Ytをとり, 2次式 であらわされるような傾向線が観測されれば,この式を採用してよい。 ( 10)式は,半対数グラフ(横軸:自然目盛,縦軸:対数目盛)にデータをプロットし て,直線的傾向線が観測できるとき採用すればよい。同様に, (1U
, (12)式も半対数グラ ブを描いて,それぞれ2次式 3次式の傾向線が見られるとき採用する。 ( 13)式は通常の方眼紙に,(t,~) なる点をプロツトするとき,直線的トレンドがみら
れれば採用する。 ω,仰式についても通常の方眼紙に (t,~
)をプロットし,それぞれ 2次式, 3次式のトレンドがあてはまるようであれば,それぞれの式を採用する。81 統計学とLotus1-2-3 (2) (16)式については, .Yt+l=α
+b'c
t+1 一) Yt α+b'c
t L1.Yt=
b
'
c
t(
c
-
1
)
b
'
ct
=
.Yt-a
であるから,上式に代入して, L1.Yt =α(
l
-
c
)
一(1-
c)ル81-。
8) となるので,(Yt, L1Yt)となる点をプロットして,直線トレンドがえられれば,この式 を採用する。 (17)式は,半対数グラフに ,(t, 'yt)をプロットして,修正指数曲線のようになれば, この式を採用する。あるいは,上と同様にして, log(.
y
:
.
+
1 )=
A
(
l
一
ι)一
(1一
ι)log'yt(
3
9
)
¥ Yt / であるから,両対数グラフに (.Yt,必土上)をプロットして,直線トレンドがえられれば, ¥ .Yt I この式を採用する。 (18)式については,A
ヱt.主Q _ l=-2:土色五二一
1竺 αc-a+
α+b.c
t +lー1 Yt .Yt ム α+b'c
t+1 ム じ(α+b.c
t+1) ム竺よf~ι二1L--1- 1 し 1 竺卓三ニ11.一一」一一↓よ二i
clα+b'c
t+1 'ム ) ム ι α+b'c
t +1' C 1二
王
:
"
'
+
A
.
三
二
l
1
'
Vt+1 c c 向。) となるので,通常の方眼紙にら山判をプロットし,直線のトレンドが得られれ ¥ .Yt / ば,この式をあてはめる。 【例題】 経済企画庁「消費需要予測調査J(1957, 58年), i消費者動向予測調査」 (l 959~77年), i消費動向調査J (1978年~)について, トレンドをあてはめてみよ。 6. 年次系列と月次系列の関連 傾向変動をあてはめる場合の今一つの問題は,傾向変動を年次系列にあてはめるか, 月次系列にあてはめるかの問題がある。後者にすると,前者の12倍のデータがあるの-82 香川大学経済論叢
8
2
で,計算が複雑になるということと,特』こ後者のデータに季節変動が含まれている場 合には,その影響をうけ,傾向変動が正確に計測できないというようなことも考えら れる。そこで,しばしば,年次系列に傾向変動をあてはめ,その係数から月次系列の 係数を推定するということが行われている。最近の計算機の進歩改良により,データ の多さからくる計算の困難性は解消したものと考えてもよいが,静態統計と動態統計 の取扱い上の違いが表れる例としても以下に説明しておこう。ただ,ここでは,直線 トレンドの場合のみについて考える。 1) 動態統計の場合 月次系列にあてはめた直線トレンドを Y =α+bt 年次系列にあてはめた直線トレンドを Y = A+BT とする。 0年目1月 2月 3月 Yt ' h u b 2+
+
ααα
12月 α+llb 計 12α+66b=れ T年目1月 2月 3月 Yt a+12Tb a+(12T+1)b α+(12T十2)b 12月 。+(12T+ll)b 計 12a十(144T+66)b= Y1 ただし,月次系列の場合の原点は最初の年の1月の月の中央で,t
の単位は1か月ご とに 1増えるものとし,年次系列の場合の原点は最初の年の年央で,T
の単位は l年 ごとに1増えるものとする。 このとき,上のような状況があるので, 12a+66b=
A 12a+(144 T+66)b=
A+
BT これから,83 となる。 統計学と
L
o
t
u
s1
-
2
-
3
(
2
)
A-66b A α=一一一一一一=1
2
1
~~2
-5v v v.5b, , b V =一一144A
,B
y=
1
~~+一一(t -55)2
'
1
4
4
これを解釈するとつぎのようになる。 はじめ,年次系列に直線トレンドをあてはめ, Y = A+BT (原点はO年,T
の単位は1年Y
の単位は年間) を得る。これは,動態統計の年次系列であるから,月間平均の単位になおすと,A
,B
y =一
一
1
2
'
+."1
'2
:::T (原点はO年,T
の単位1年,yの単位は月間平均) 83-(4])(
4
2
)
つぎに,傾向線の式を Tの値も替えて,連続する年次から連続する月についての表 現になおしてみよう。互は1
2
1年間の増分であるから,これを 1月の増分にかえるには, これをさらに1
2
で割らねばならない。 A , B y= 1
2
十144t
(原点はO年の6月と 7月の間,t
の単位1か月 ,yの単位は月平均) つぎに,原点をO年の6-7月からO年の1月の中央に変更する。 A, By=IE+EZ(t
一55) (原点はO年1月の月央,t
の単位は1か月 ,yの単位は月平均) となる。 I I I I I I I I I I I I1
2 3 4
5 6 7 8 8 1
0
1
1
1
2
月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2) 静態統計の場合(月末または,年末のデータとする)臼
の
-84一 香川大学経済論叢 月次系列にあてはめた直線トレンドを
y=a
十b
t
年次系列にあてはめた直線トレンドをY=A+BT
とする。 従って,年次系列を12月末のデータとすると, y,
O年目1月末。
2月末 α+b
3月末 α+2b
T年目1月末 2月末 3月末 従って, 12月末 α+llb α+llb = A G十(12T+ll)b
=A+BT
α=A-11b,b =JZ 12y=
α十b
t
=
A +
号
(
t
一日) これを解釈すると,つぎのようになる。 はじめ,年次系列にトレンドをあてはめ,Y=A+BT
12月末 y,
a+12Tb
a+(
l
2T十l)
ba+(12T+2)b
α+(12T+ll)b
(原点はO年目12月末,T
の単位は1年Y
の単位は年末値) を得る。 月間平均の単位も同じであるから,y
=
A+BT
つぎに ,T
を tにかえると, 84 (44)85 統計学と
L
o
t
u
s1
-
2
-
3
(
2
)
-85ーy=A+Et
1
2
(原点。年目1
2
月末,t
の単位は1
か月, .yの単位は月末値) さらに,原点をO年目1
2
月末からO年目1
月末に変更する。 ‘ さ1 2
月 月門「
6
一
ロ
月
一
日
月
一 一
叩 月
一一9
月
同 月 y=A+互
(t-11)1
2
(原点、O年目1月末,t
の単位は1か月, .yの単位は月末値) となる。I
V
季節変動の分析 季節変動は,T
,C
,S
,1
のうち,最も分かりやすく定義のはっきりした変動であ る。これは 1年を周期とする周期変動であり,この変動が生じる要因として,季節の 移り変わりが考えられる。それは,つぎの2つに大別される。 1) 本来の,自然の,気象学上の要因 2) 暦の上の変化に伴う社会的,制度的,慣習的要因 農作物の収穫量の変化,牛乳の月別生産量の変化,にわとりの卵の産卵量の変化, 魚介類の収穫高の変化,アイスクリ}ムの販売高の変化等は大部分前者の要因で説明 できる例であり,百貨店売上高の変化,月別収入の変化,セメントの消費量の変化, 日本銀行券発行高などは大部分後者の要因で説明できる例であろう。ただ,どちらの 要因の影響が強いかであり,相対的なものであろう。例えば,清酒・ビーJレの消費量 の季節変化について考えてみると,例えば,清酒は冬場,ビールは夏場に消貨が多い のは,1
)
の要因の影響であるが,1
2
月の忘年会,1
0
・1
1
月の秋祭り,3
・4
月の転勤・ 卒業・入学時の消費量の増大は2)の要因による影響といえよう。 季節変動を分析する目的につぎの2つがある。86- 香川大学経済論叢
8
6
1) 季節変動を原系列から除去するため 2) 季節変動そのものを調べるため 1)は,例えば,乗法モデ/レの場合,0
/
5
により,季節調整済系列を求めることであ り,経済の実勢をより適切に捉えようとするものである。統計データを見る場合,対 前年同月比というものを計算することがあるが,いまここで考えている季節変動を取 り除く本格的方法に対する一つの簡便法といえよう。2
)
は,季節変動パターンを知ることにより,企業の在庫の調整,消費者の財サービ スの購買時期などの判断に役立つ。 今まで,季節変動の導出は 2つの考え方で進められてきた。それは,不変の季節 変動(固定的季節変動導出法)と可変季節変動(移行的季節変動導出法)である。季 節変動は本来年々歳々同じ動きをする周期変動であるが,現実には季節変動自身変動 することが考えられ,最近では,後者の可変季節変動として考える場合が多い。例え ば,夏野菜(ピーマン, トマト,茄子等)を冬加湿して作ったり,果物・魚介類(蜜 柑,秋万魚)の冷凍保存技術の発達により司食時期が変化したりすることにより季節 変動が変化してきている。 また,季節変動の導出手法として,連環比率法,移動平均法,単純月別平均法等が 単f
立・百万 1 ,8 1“6 1..4 1.2 0.8 日.6 0.4 日..2 B 1966.01 1971.01 図表 4 原系列のグラフ 1976.日1 1981.目1 1986.01 1991.018
7
統計学とL
o
t
u
s1
-
2
-
3
(
2
)
-87-あるが,以下では,最もよく用いられる,移動平均法について説明しよう。しかも, 可変季節変動(移行的季節変動導出法)について説明しよう。 ここでは,具体的なデータとして百貨庖売上高を取り上げて説明しよう。はじめに, 原系列(0)のグラブを描いてみると,図表4のようになる。この図表を見ると,季節 変動(1年周期)が非常に顕著に現れていることが分かる。1 1
2
カ月移動平均法 はじめに,原系列に1
2
カ月移動平均を施して ,TC
を取り除き ,O/TC
=
5
1
を得る ことが必要である。移動平均は平均をとる項数と同じ周期の変動を取り除く性質を もっているといわれている。そこで,はじめに,1
2
項移動平均をとる。図表5
はデー タの一部を表示したものである。はじめに, 1966年 1 月 ~1966年 12 月までの 12 カ月の 平均をとるが,これが,どこに対応する値かを考えると,全期間の中間点である 6月 と7月の聞になる。図表 5では表示できないので,便宜上 6月即ち, C9に @AVG(B4 B15)と入力し,これを下に複写する。 ↓.
I
2 3 4 5 6
月7 8 9 1
0
1
1
1
2
.
I
図表 @AVG(B4...B15)の入力と複写C
9
:
@
A
V
G
(
B
4
.
.
B
1
5
)
F b A u a m l n H v n λ “ F h u qミ υ n h v n x v a a τ 内 ︿ υ n n v ハH V 2 -4 F h u m E 4 a n ヨ F h d n , . 唱 E A n -内 ︽ υ n h u n u d ︽ u d v 句 、 υ ハhυ -η t d u τ n J n 日 F D n U n D A E n o a a τ ρ 口 中 i ﹁ L。
01A4 せ noqdq・
ηdηt 必 “ 24 せ η t M 刷 H 司 i 圃 n , . ︽ H U n v a a n 時 e n x u p h υ n x u 内 H u n x U の y ω 唱 E A E 3 4 4 6 6 8 0 4 5 3 5 6 M 口 ︽ 、 。 600 ワ ﹄ ハ 目 n u -η t η t n u n E n o m i -n w 帥 ' t a n H V A H U ︽ H υ n H u n y u 内 H U A H V -E A ︽ H U 内川 υ 轟 “ “ n r n b n d n u n d G U R U R u n -“ n D n u n -ワ ﹄ n u p u o o η L o o n E n D F O O D つ dnonunu -, 4 8 n h u のλ “ 噌 1 4 ・ p h υ F h υ F n v n x u A H v n r u n λ u n 入 M ・ 、 E ・ o -n 切 u v ・ ・ 21 ・ ・ ・ ・ 円 札 U J q n 屯 U 内M U 唱 E L A H v n u d , A 1 n h U 唱 E 4 n γ u ρ h u a 4 企 n E ー コ p n u a a ム Q J V A H V 7 ・ q U 4 a n d n L 4 4 ハD n H U 同 制 1 n κ “ n x U 4 4 & ︽ u d v n ︽ u n u υ 内 屯 un 宅 υ n h v 噌1 4 n H v m E A m h u p h u n g a n M υ ハu d ︽ 叫 u v n γ u n 屯 U A ソ白, n τ ハh u n 入 ν n x u n x u n N v n x u n x u ハ 川 d v n 叫 u n 叫 リ V A u u n 叫 u v u v b 句 -士 wD92276765868 AA--L ︽ U F D 0 0 0 6 A B η d n u n D n U η L a u 。 , u m i z ー の D n I F D ρ 口 の L。
ononunDFDnUPD M 円 札 M 2 3 4 0 ・・・・・・・・・・・・ n E E F n 帆 n o n B q d n I ' i n I R v η t ρ u n D 内 心 ー 、 . e 内 x u n λ “ n h u t E -- n H v p h υ 内 も U F h J v n k u p h H V 内 ︽ un 司 u v n M m u ! 吋 ノ ︽ M U F h u -A n x u n J U F h u a 4・ n J u n ︽ u v n x u a n 宮 内 h u n u n d k H V F D ρ 口 n E A B n B A U a 告 の d n J U R υ n b nE1AMMunxvnxunMunxunnvnwuquququququ A A Y L M 唱 AnonDnBPonU ︽ 目 。 , u r D a a τ F h u n u n t 噌 inDηtnEFD n F 1 A A U 9 u 司 u n v a 4 q u R u n L 4 z o m u 内 d R V 1 4 n h u n x u n n u n k u n H ν n H v n , ・ a n u F h d n 屯 u n x u n 叫 u v F n υ 噌 E A 唱 1 ゐ n n ν 内 t u ・ , g a - n H V 咽 1 ム n n u n , . MnMM'IE. , , A a 斗 ‘ n x u n t u n λ “ n , . 。 κ “ n , ・ F h u n x u ' t 志 向 同 d v n H v n n v A u u n d u 円 入 M n x u n n u n n u n n u n , ・ n , ・ η , . ︽ H u n ' ・ n n v n x u n k v ハH v p n v n f ・ 内 u d v n n v n x u " " “ 咽 E A F h u y b n E A M H n os
高1
-上 12345678911212345 噌 4 A -z w u n H v n H u n H u n H V A H V ︽ H U n H v n H u n H V ・ 唱 E ム噌 E ム ハ H V ︽ U V ︽ H υ ハ H U A H V ハH U 宮 内 J ・・・・・・・・・ ρ 内 u ・ ・ " ・ 0 ・ ・ 00 ド 5 n b n D P D P o n o ρ D n o n o p o ρ 口 ρ b n D ρ 口 ワ ﹄ η t ワ a n t n i o O H H n u n D n o ρ U F O ρ o n D P U ρ D P D A E F D R v n O ハD ρ D ρ D ρ 口 M V a 、 ︽ H v n 吋 U ︽ 吋 u v n u u n w d v A U d v n 叫 u n w u n M d w n 叫d w ' B ゐ ︽ W U ︽ w u n u d w A 叫 U A U d w n 河 川 W ︽ 叫 u dEn し ' i ' i 唱i'i ・i'i 唱i 噌 i 唱i ' i ' i 噌 i'i'i'i 唱 i 百 附 ロ 日 日 目 出 。 ロ " 出 窓1 3
山 窓 議 裂 ⋮5
.
8
円 相 涼 議 8 8 沼治指樹制 u n 蜘 初 旬 1 4 T : n m w 桝 M M ⋮市中曲川培地法相地也川北治平本州市市 4 ⋮ E市北治山市立加地中倫相加点 n 抗 “88- 香川大学経済論叢 88 これにより, 12カ月移動平均ができる。ただ,全部下まで複写して,あとから下の 6項を除いておく。カーソルを下に持っていってみると,平均がデータのないところ までとられていることが分かるので,その部分を取り除いておくのである。 2 中 心 化 つぎに,得られた12カ月移動平均値のl番目と 2番目の値
l
をさらに2項移動平均し てみると,今度はちょうど7月に対応する値が得られるので, DlOの位置にカーソル を合わせ, @AVG(C9ClO)と入力し,それを下に複写する。 ↓ ↓ ↓ 月 1. 2 3. 4 5 6 7 8. 9. 10 11. 12 これが,図表5のD械の数字である。これは,中Jl;イじ12カ月移動平均とよばれてい る。 これを,数式で示すとつぎのようになる。ここで,M
'
.
7
は,t年7月の中心化12カ月 移動平均値である。 ム7= f(Q,.1+0,.2 十… +0,.1~\ 十 (0'.2+
0
,.3+
.
.
.
+
.
0
,+
1
.
L
ì~7? l ¥ 1 2 ) ¥ 12 }r
o
-
"
t 0
,+
1
.
0
,.
2
+
.
.
.
.
.
+
0
,.
1
2
+
す
0
,+1.1 12 最後の式から分かるように ,t
年7月の中心化12カ月移動平均値は,t
年1月からt+
1 年1月までのデータを用いて平均をとっている。 1月の値は t年とt+1
年の平均を用 い 2月から12月は t年の値を用いているといってもよい。3
.
5
1
の導出 以上のようにして得られた中心化12カ月移動平均は,TC
系列であると考えられる。 そこで,原データをTC
で割ると,5
1
系列が得られる。これが図表5のE
欄の数字で ある。この数字を月別に整理したのが,図表6
である。これをグラフにしたものが図 表7
である(
9
月の例を示す)。 ここで,図表6のようなものを作成するために「演算表2Jと「データベース統計 関数」の一種である@DSUM
を用いる手順をつぎに示そう。89 統計学とLotus1-2-3 (2) -89ー 図表 B SI系列のまとめ 13: @DSUM(F3白 川H315.2.1L..J2) ι:::Y!!!:::::::H::J::::::::::::::::::':::::'"襲 怒 議 5 D
。
。
。
。
0.7483863 0.7507996 1.0384890 0.9524431 0.8617665。
.7607019 0.7621885 1.0749463 0.9345599 0.8371924 0.7489532 0ρ7430219 1.0531091 0.9445223 0.8694455。
叩
7610680 0.7482118 1.0611969 0.9344120 0.8864667。
.7850519 0.7538289 1.0218282 0.9348575 0.8671216 0.7884257 0.7636818 1.0141418 0.9393445 0.8622702。
7914883 0.7668756 1.0718835 0.9615665 0.8781475 0.8072100 0“7499152 1.0329504 0“9078992 0.8778303 0.8073318 0.7478365 1.0527628 0.9131048 0.8743256 0.8062322 0.7958448 1.0383769 0.9216068 0.8903333 0.8300944 0.7642548 1.0404037 0.9278906 0ゃ8859771 0.8135176 0.7655208 1.0537228 0.9354288 0.8864526 0.8107442 0.7629065 1.0503024 0.9415905 0.8890319 0.8324729 0.7829477 1.0754798 0.9356930 0.9001427 0.8307334 0.7660220 1.0641631 0“9370543 0.9099000 0.8478479 0.7660083 1.0479890 0.9287638 0.9088124 ① F欄に「年次」を示す数値を入力する。 F4~F1 5 までに 1966 を入力し, F16にi+F4十1Jと入力したあと ,F16をF17 ~F27 に複写し,つぎに複写元 íF16F303J 複写先 F28 とする。 F3 に「年次」 という文字を入力しておく。 ② G欄に「月」を示す数値を入力する。 はじめに, G4~G15 に 1~12 の数値を íD データーF 埋込み」で埋込む。つぎに, 複写元 iG4G303J複写先 iG16Jで複写する。 G3に「月」という文字を入力し ておく。 ③E
欄の数値を値複写でH
欄に複写しておく。 ④ Ilに「年次JJlに「月」を入力し, 12, J2はブランクのままにしておく。 ⑤ 13を演算表の左上隅のコーナーセノレとし, i @ DSUM(F3....H315, 2, 1LJ2) Jと入 力する。 ⑥ 1つ自の変数の値を演算表の範囲の一番左の列14..J29に埋込みを使って, 1966"-'1991の数値を入力する。 ⑦ 2 つ目の変数の値を範囲の先頭の行 íJ3.U3J に 1~12 の数値を入れるため,-90- 香川大学経済論叢
9
0
'R
範囲T
回転」を使って,G
欄から回転複写する。 ⑧ つぎに,'
D
データT
演算表2
J
を実行すると,演算表の範囲を指定してく ださい.J とでるから,'I3V30
Jを指定する。 ⑨ さらに ,元の変数を指定してください」で'
I
2
J
と指定し,'
2
番目の変数を指 定してください」で'
J
2
J と指定する。しばらく待つと結果が表示される。3
0
行 目やV列自にでてくる数値は列及び行の合計値である。 以下では, 1966年は,一部(7月以降)しかデータがないので除外することにする。 図 表 月 の SI系列の推移 白 , ,88 日 , ,87 日 同86 0..85 日 “84 日 制83 0.82 0,,81 0.8 0.79 0.78 4 , ' d , 断 , ﹂ ぽ ' 4 , ' “ , .,~ '"~ 日 ,,77_
.
,
.
-_...-.~.
.
.
.
.
.
.
.
-
圃
-
- ♂凶・.-司,ー・伊岨ー 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1968 1970 1972 1974 1976 1978 198日 1982 1984 1986 1988 1990 4. 異常値の発見 図表7のように,月別にグラフを描いてみると,季節変動がどのように変動してい るかが分かる。ただ,元のデータに異常値があると,季節変動指数がそれに影響され てよくないので,異常値を発見し,その前後の値を含めて平均値を求め,異常値の代 わりに平均値で置き換えることにする。つぎにその手順を示そう。 ① 月別に回帰直線を当てはめるのであるが,最初に1月のデータについて試みる。'D
データーR
回帰」を用いる。'X
範囲,Y
範囲」を範囲指定し,出力範閤」 を決め,'G
開始」を選ぶと結果が得られる。つぎからは,'Y
範囲」を1
列右に 指定しながら,出力範囲」も 1行ずつあけながら下に続けでいく(使用範囲は91 統計学とLotus1-2-3 (2) -91 X4AA122)
。
② つぎに,月別の第l次理論値を求めるため, Y切片, X係数, Y評価値の標準 誤差を月別に特殊関数@INDEXを用いて写し取る。 このための用意として下記のような等差数列を3行分入れる。 噌 B h - n , a n r u 唱 1 ・ n, a n ' ul
-A n t n L n λ M n , un , u -品 n I η t u n毛 υ η 宅 un ‘ υ 111 117 112 「也 lレAC4jには r@INDEX($X$4$AA$122,3, AC1)j, rセルAC5jにはr@INDEX($X$4...$AA$122, 2, AC2)j, rセ ルAC6jに は r@INDEX($X$4 $AA$122, 3, AC3)jと入れ,この3つのセルを横に複写する。あとは, rAC7 ~AN31j に 1967年から 1991 年の理論値を計算する。
③ つぎに,異常値をみつけるため,理論値の上下に2*(Y評価値の標準偏差)の
幅をとり,その幅の外に落ちるものを異常値とする。例えば,図表7では, 1974
年が異常値であることが分かる。
「セJレAQ7jにr@IF(J5
>
AC7+
2 * AC$6,“DAIぺ
@IF(J5>
AC7-2 * AC$6,1
ぺ
“
SHO"))j と入力し,他は複写する。 5 異常値の修正 上のようにしてみつけた異常値を修正する。修正の仕方は, ① 異常値が最初の年にある場合は,その年とつぎの年の同じ月の値の平均値(2 つの値の平均)で異常値をおきかえる。 ② 異常値が最後の年にある場合は,その年とその前の年の同じ月の値の平均値(2 つの値の平均)で異常備をおきかえる。 ③ 異常値がそれ以外の年にある場合は,それ自身と前後の年のおなじ月の値の平 均 値 (3つの値の平均値)で異常値をおきかえる。例えば, 1967年l月の数値は, @IF((J5
>
AC7+
2 * AC$6)再OR非(J5<
AC7-2 *AC$6), @AVG(J5J6), J5), 1968年1月の数値は, @IF((J6
>
AC8十2*AC$6)非OR者 (J6<
AC8-2*AC$6), @AVG(J5J7), J6)などとする。-92ー 香川大学経済論叢 92 上で異常値を修正したが,それを億複写しておく。
6 1
年間の合計を1
2
とする1
月から1
2
月ま?のS
を平均すると,1
になって欲しい。「季節変動」は1
年を周期 とする周期変動であり,年々歳々繰り返す変動であるから ,TCの上下に変動してはい るが, 1年間を全体としてみると,季節変動はなくなるものと考えて良いからである。S
I
系列の,各年次ごとの合計が1
2
になるように調整する。これは,S
I
系列に残存す る C の影響を取り除く効果を持っているし,結果として得られる移行的季節変動指数 の年ごとの合計を,1
2
にする効巣を持っている。 それではつぎに ,S
I
系列の各年次ごとの合計が1
2
になるように調整すると,結果と して得られる季節変動指数を年次ごとに合計すれば1
2
になることを説明しよう。 t年1
月のSI
系列をYt,;(t=
1
,2
,', n; j=
1
,2
,',1
2
)
とし,各月ごとのSI
系列に最小自乗法を適用してえられる直線を Yω=αj+bjt (j=1
,2
"
1
2
)
とする。 1月の直線は Yt,1=
al+bd であるが,これを求める正規方程式は, n n呂
Yt,1=
αln+b12t
2 かt, 1αI~ t+bl~ t21
2
月の直線は Yt,12=α12+ b1zt 正規方程式は n ~Yt, 12 = α12n+bI2~ t (45) (46) 仰) 白砂ω
)
(50)-93-統計学と Lotus1-2-3 (2)
9
3
竹 村 山 ﹃ E 1 d ( n n呂仇
12=G1221t+b1221tZ 制+…+(50)より, (52) ? ! . ,~ ~, n( n+
1).
g
2
呂
yt,yzqGy+A与
ι
呂
bi 各年次ごとのYt.iの合計は, 12になるように調整しであるから, (53) 2yty=12(tのいずれの値についても) (5~取=省α3ATL
芸
bi (55) v h uU
2
M
句 t A -十 一2
n一
+
GU
2
M
一 一 つ ん 噌 E ム また,棚十一 +(5])より, (56)一笠包士
l
l
"
n
-LJ1(η+ 1)(2n+ 1)ゃんヰ
浮
か
t.i 2手助+.
.
"
.
6与
b (57)~t~Yt.i =~牛立~ai+J1(n+132n+1L~bi
L , V (58)山ヂL=~ヂLPj+ 仰+112日)号 b
i
(59) ' h uz j
M
一
3
+
G2
2
一 一。 ,
u 唱 E ム ( 5自-(55)より,
~bi=
0 (55)式に代入して, ~αi=
12 1年目の理論値の合計は, ~ai+~bi=
12 従って, η年目の理論値の合計も, ~ai+ n~bi = 12 となり,いず、れの年も季節変動指数は,合計すると 12になることがわかる。 月別の直線トレンドによる季節指数の導出 7-94 香川大学経済論叢 94 月別に移動平均するか,直線傾向線をあてはめることによって,偶然変動Iを取り 除くことができる。これによって,
5
の部分が抽出されるものと考えているのである。 ここではまえもって調整されたデータに最小自乗法で直線をあてはめる場合を考え る。その直線から理論備を求めることによって移行的季節指数を得ることができる。 2,1 2 1“9 1..8 1.7 1..6 1.5 1句4 1..3 1..2 1.1 0.9 日S 0.7 図表 1966年と 92年の季節指数の比較ょノ¥に
/¥x
2 3 4 5 6 7 8 9 日 11 12 1966 1992 それでは,つぎに季節指数の導出についての手順を示そう。 ① トレンドのあてはめは, r 4,①」と同じように回帰直線をあてはめる。 ② 「切片」と rX係数」を @INDEXを用いて写し取る。 ③ これにより, 1966~1992年までの理論値を求める。 ④ 得 ら れ た 理 論 値 を 縦 にC列に並べ替える。(ここで, A列と B列は,元のファ イJレと同じもの, D列 は 月 (1~12 の数値), E 列は年次 (1966~1992 の数値)を あらかじめ入れておく。) 「セJレC4j に r@INDEX($P$358$AB$385, D4, E4-1965)j とし,これを縦に 複写する。r$p$358$AB$385Jは表側,表頭を入れた理論値のデータ全体である。 以上で,季節指数を導出する 1つの方法を述べた。わが国で笑際によく用いられて いる季節調整法としては「センサス局法j,rEPA法J,rMITI法」等があるが,これ統計学と Lotus1-2-3 (2) -95ー 95 らはいずれも電子計算機を駆使したより複雑で,精鰍な方法であるが,原理的には, ここで述べた方法に似通っている。センサス局法はアメリカの商務省統計局で,シス キン
(
J
Shiskin)の協力を得て開発されたものであり, EPA法は,わが国の経済企商 庁,MITI
法はわが国の通商産業省で開発された方法である。V
TC系列の導出 1. 季節調整済系列(TC1)の導出F
欄にIV
で計算したS
を使って ,O/Sとして計算する。これは,先にも述べたよ うに,経済の実勢が現在どのような位置にあるかを知ることが出来る。また,季節調 整済み系列はしばしば,計量分析のデータとして利用されていることを注意しておこ フ。 2 TCの導出TCI
系列を何度か3項移動平均することによってTC
系列を導出する。ここでは, 3項移動平均をすることにしたが,スペンサーの15項移動平均なども使われる場合が ある。 循環変動C
は,TC系列に先に述べたトレンドをあてはめることによって求めるこ 単恒例百万 図表9 TC系列のグラフ 凸 3 0 0 マ 1 企 O 医 汀 V 凋 得 。 R v n , ﹄ 4A nonunωnunununω , nunu///
~~
_ /
日 1966.01 1971.01 1976.01 1981.日1 注)T
C
l
に 3項移動平均を 3回試みたものである。 1986.日1 1991.日1-96- 香川大学経済論叢
9
6
とになる。最近はトレンドを取り除くことの難しさから ,TCをそのままで分析するこ とも行われている。もちろん,時系列のどの要素を先に取り除くかによって,それぞ、 れの要素が異なってくる。通常は,主要な要素(百貨庖販売高の場合は季節変動であ ろう)を先に取り除くことが行われている。それは,その要素の影響がず、っと後まで 残るのを防ぐためであろう。 最後に,循環変動の分析の仕方であるが,つぎの3つになろう。 1) 個別の系列を分析する 2) 他の系列との関連を分析する3
)
他の系列と総合して分析する 1)の分析は,循環変動の振幅と周期がどのようなものであるのかを調べることから なっている。数学的周期関数をあてはめ,要素的単振動の周期を検出する方法が周期 解析として知られているし,最近では,スペクトル分出として発展している。 加分析は,計量経済学における遅れのある変説tこついての議論を参照すれば良い し,統計的には,時差相関の問題でもある。時差相聞は2つの系列をずらせながら相 図表10 C系列とl系列 1.4 1971.01 1976.01 1981.日1 1986.日1 1991.日1 1.3 1.2 1“1 日.9 同 m u ' 会 U 世 田。
0 4 A m u- c
帥 I 注)TC系列に2次式のトレンドをあてはめてTC/T= Cとして求めたもの とTCI/TC= 1として求めたもの。97 統計学とLotus1-2-3 (2) 97ー 関係数の大きさを調べて見ることである。 N-k r b Z
2
(Xt -x)(Yt+kータ) κ!
Z
;
(Xt - x)
2
Z
;
(Yt+k_y)2 (60) ー ー 一 一 1 1 ιι-C,
X 百二五よ~.x t , Y 百~z.; Yt+kr
k
は時差相関係数と呼ばれており, 2つの系列の関連の強さを kをいろいろに変え て分析することが出来る。3
)
の分析は,景気指数を作成する試みが,その1
っと考えられているが,これもま た,複雑な問題を含んでいるので,ここではこのような分析があることを指摘するに とどめよう。 最後に,いままでやってきたことを一覧しておこう。 移 動 平 均 原 系 列0 -
ーうTC
↓
傾 向 線o
/
T C=
S 1 ----:l>iS 3項 移 動 平 均 傾 向 線O/S=TCI
一一ータTC
----:l>:rr
↓ (1) [1]p..2参照。 ( 2) [2]p.1119参照。 ( 3) [3]p..11参照。 (4) [4]参照。 ( 5)[1]pp 53-56参照。 ( 6) [1]pp 56-58参照。 (7) [5]PP 110-111参照。TC/T=C
TCI/TC=
淫 ( 8) [6,][7]参照。ここでは, NEEDSのデータ (1966年1月から 1992年6月まで)を用いる。(
9
)
[
8
]
,[
9
]
参照。 (10) [10]pp.95-114, [11]pp.203-222参照。 (11)[12]pp..355-389参照。-98 香川│大学経済論叢 (12) [13]第6,9, 10, 11章参照。 参 考 文 献 [ 1] 森田優三『経済変動の統計分析法』岩波書庖, 1955 11 [ 2 ] 岩波書庖編集部編 'KAGAKUNO ZITEN! (第2版)岩波書居, 1964 7 [3 ] 竹内清『時系列』みすず書房(経営数学)1958 3 98 [ 4 ] 大薮和雄・赤津島二「トレンドのあてはめについてj ,香川大学経済論叢』第58巻第3 号, 1985 12 [ 5 ] 森田優三『統計概論く増補版