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80
ニッスイ フロンティア
ニッスイ養殖事業の高度化
マーケット＆テクニカルリサーチ EPA/DHAの機能性 第3回
食品の機能性表示制度におけるEPA
〜EPAのドライアイに対する効果〜
ニッスイ 海のアカデミー
「海」生まれのサラサラ美容オイル
オレンジラフィーオイルの開発
NISSUI FRONTIER
ニッスイ養殖事業の高度化
ニッスイは、安全・安心でおいしい魚をお届けするため、国内外で養殖事業に力を注いでいます。特に国内では、独 自の養殖技術の確立に向け、大分県佐伯市に大分海洋研究センターを設立（1994〈平成6〉年）するなど、食品メー カーであるニッスイだからこそできる養殖事業の高度化に取り組んでいます。ニッスイ フロンティア
ニッスイならではの養殖への取り組み
ニッスイは海外ではサケ・マス、国内では、ブリ、マグ ロ、ギンザケ、サバ、フグなどの養殖事業を展開してい ます。 ニッスイは食品メーカーとして「食べ物のおいしさ」に こだわり、それを起点として、養殖魚を生み出す、種苗、 飼料、養殖、加工、流通の全ての段階でさまざまな研 究、技術開発を進めています。 また、量販店や中食・外食など顧客別の担当が把握 したお客さまニーズを関連部署にフィードバックするこ とで、ご要望にお応えした技術を開発しています。 ＜トウガラシを配合した飼料で肉質改善＞ 養殖のブリは、かつては脂が乗りすぎていると評価 を落としていました。どうしたら適度に脂が乗り、しっ かりした歯応えのあるブリができるのか、どうしたら脂 を筋肉の中に細かく分散できるのかを考えた結果、 1996（平成8）年、トウガラシを配合した飼料を与えた ブリが、同量の魚油を摂取したブリに比べて、適度な脂 乗りになっていることを確認しました。トウガラシを配 合したブリ用肉質改善飼料は、「大理石のような脂乗り （＝マーブリング）」を少なくする効果があるとして「マ 色調保持率︵％︶ 中央研究所が入るニッスイ東京イノベーションセンター（左） 養殖の研究開発を進める大分海洋研究センター（右） ブレス」と名付けられ、商品化しました（図1）。 その後もマブレスを実際の養殖現場で与え、検証を 繰り返したところ、マブレスには、①ほどよい脂乗りに 仕上げる効果（＝筋肉への過剰な脂質の蓄積を抑制）、 ②歯応えを向上させる効果、③血合筋の退色を遅くす る効果（＝血合筋の色調変化の遅延効果）があること が 確 認されました（特 許 第 3 8 9 5133号、特 許 第 4382795号、特許第4809914号、特許第4856858 号）。実は、ブリは血合筋の色の変化が早い魚で、鮮度 に問題がなくても、血合筋が退色した刺し身や切り身 は見た目が悪く、商品価値が低下してしまいます。マブ レスには、血合いの退色を遅くする効果もあったのです （図2）（図3）。 トウガラシを添加したマブレス飼料に より、黒瀬ぶりは、血合いの色が鮮明 で退色が遅く、歯応えが良く、脂肪分 がほどよく乗り、しっかりした食感が あります。 ●刺身加工8時間後 （15℃保存） ●血合筋の色変化 黒瀬ぶり 他社ブリ ＊1）メト化：肉の褐色化。血合筋に含まれる色素たんぱく質ミオグ ロビンが酸化されてメトミオグロビンになることが原因。 0 時間保存 8 時間保存 メト化＊1）の進行程度を測定し、刺身加工時の色を基 準として色調保持率を算出。マブレスの特長
図1 図2黒瀬ぶりと他社ブリの血合筋の比較
100 90 80 70 他社ブリ 黒瀬ぶり 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックスグループ会社の黒瀬水産株式会社（宮崎県）が2004 （平成16）年5月から、水揚げする前の仕上げ時期にマ ブレスを与えた「黒瀬ぶり」の出荷を開始したところ、 鮮魚店や量販店などから大変高い評価を受けました。 黒瀬ぶりは、飼料による商品差別化、ブランド化の先駆 けとなり、世界一厳しいといわれるヨーロッパへの輸出 ライセンス「EUｰHACCP」も取得しました。 黒瀬ぶりの成功を受けて、柑橘類など各地域の特産品 と組み合わせて肉質を改善し養殖ブリのブランド化を進 め、差別化を図ろうとする動きが顕著になっています。 ＜魚を健康に育てる＞ ニッスイでは高品質の養殖魚を安定して育てるため に、養殖魚の健康管理や養殖環境のモニタリングの研 究を行っています。そして、これらの研究成果を養殖会 社が有効に活用して養殖生産を安定させるN-AHMS® （NISSUI Aquaculture Health Management System、 ニッスイ養殖健康管理システム）を構築しました。黒瀬 水産（ブリ）では、潜水士が生い け す簀に潜って魚の健康状態 をチェックし、不調な魚がいれば取り上げて解剖し鰓えらや 内臓を観察、細菌検査をして原因を探ります。西南水産 （クロマグロ）、金子産業（マグロ、フグ）、弓ヶ浜水産 （ギンザケ、ブリ、サバ）、サルモネス・アンタルティカ（サ ケ・マス）などグループ養殖 会社に展開し、養殖魚の健 康管理や養殖環境のモニタ リングを進めています。 ＊＊は危険率１％未満、＊は危険率５％未満で若ぶりと成熟ブリに有意差が認められたことを示す。
ニッスイならではの養殖の取り組みの具体例
＜冷やすことにも一手間かけて＞ ニッスイはブリの血液循環や呼吸の特性の研究か ら、水揚げ時のストレスを緩和させることで、ブリの鮮 度を保持させる方法を開発しました（特許第5276359 号）。この新方式で水揚げしたブリではエネルギー充足 率が従来方法と比べて高いため、活け〆後の鮮度が長 時間保持されます。この水揚げ方法は黒瀬ぶりの水揚 げ方法に用いられています。この方式により、海水温が 高い夏場でもしっかりと冷やすことができるようになり ました。 水揚げされたブリは、生簀に横付けされた活け〆船に たも網ですくい上げられた後、直ちに活け〆機に投入さ れます。船倉には食塩水を氷点下まで下げたシャーベット アイスが積み込まれていて、活け〆されたブリがダイレク トに投入され、脱血と冷却が同時に行われます。シャー ベットアイスは氷のきめが細かいため、ブリを傷つけるこ となく、一気に魚体温を下げることができます。また、 シャーベットアイスは海水に近い塩分濃度のため、浸透 圧変化による肉質の劣化を防ぐ効果もあります。 脱血処理を行うと水揚げ後に大量の血水が残ります が、これをそのまま湾内に放流すると水質汚染を招き ます。そのため黒瀬水産では、加工場に併設した排水 処理施設で血水を微生物分解し、浄化した水を川に放 流しています。 活け〆されて冷却と脱血処理の行われたブリは、船 からすぐに黒瀬水産の加工場に搬入されます。加工場 は世界一厳しいといわれるEU-HACCP「厚生労働省・ 農林水産省 対EU輸出水産食品取扱い施設」認定取人工種苗由来の黒瀬の若ぶりと成熟の影響を受けた天然種苗由来ブリの官能評価
図3 ●分析型項目 ●嗜好型項目 血合筋の色調＊ （+：赤、－：茶） 普通筋の色調＊＊ （+：白、－：赤） 酸味＊＊ 生臭いにおい＊＊ 脂の乗り＊ 硬さ＊＊ 生臭い風味＊＊ 外観・色調の好み＊ 食感の好み＊＊ 総合評価＊＊ においの好み＊＊ 脂の量の好ましさ 味・風味の好み＊＊ 「黒瀬の若ぶり」 天然種苗ブリ 0 -0.5 0.5 1 1.5 2 0 -0.5 -1 0.5 1 海のアカデミー ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ得のため、施設の改修や社員教育に取り組み、2007 （平成19）年に認定を取得しました。また養殖と加工 とが一体となって「安全・安心でおいしい魚をつくる」 取り組みを強化するため、2011（平成23）年に養殖か ら加工まで一貫したISO22000を取得しました。 ＜夏でもおいしいブリ＞ ブリは春から初夏にかけて産卵します。産卵後の夏場 のブリは痩せて、脂も少なくなり、品質が低下します。ブ リでは筋肉の脂質含量が少ない時期と身が柔らかくな る時期が一致する傾向にあることも示されています。ま た、生まれた子どもは翌年の春は、まだ十分には育って いません。前年生まれのブリも産卵はしなくても生殖腺 は発達するので、成熟の影響を受け品質は低下します。 ニッスイは独立行政法人水産総合研究センターと共 同で早期種苗生産技術を開発しました。この技術を活 用しニッスイは親となるブリを陸上水槽で飼育し、天然 魚の産卵期よりも数カ月以上早い時期にブリを産卵さ せて種苗を量産できるようになりました。「黒瀬の若ぶ り」は、夏場にちょうど良いサイズに育ち、脂が乗り、 身がしっかりしています。夏場でもおいしいブリとして、 新たな市場を開拓できるようになりました。
養殖事業の高度化の展望
養殖事業をより高度なものにするには「データを蓄 積して、分析、評価し、次の策につなげる」というサイク ルを繰り返し、学習を進めることが必要です。 ＜選りすぐりのブリを生み出す＞ ニッスイでは、安定的な養殖ビジネスの確立のため、 健康管理のほか、天然の稚魚の捕獲に頼らない人工種 苗の開発と育種の研究を進めています。2005（平成 17）年からブリについて研究を始め、近年は大量生産 を可能にする技術が蓄積され、選抜育種の技術も整い ました。選抜育種とは、形 質の優れた親を選別して 第2世代を生産し、さらに 形質の優れた第2世代か ら第3世代を選別すると いう育種方法です。ブリに タグを打つことで確実な 個体選別が行われます。 選抜育種はサケ・マスでも 事業化レベルで進めてい ます。現在は、マグロで研 究が進められています。 ＜魚が食べたいときに餌 を食べるシステム＞ 外洋に面した養魚場は、 限られた時間で給餌する必要があり、天候によっては 給餌船が沖合へ出られない日もあります。しかし、一般 の自動給 餌システムは、タイマーやあらかじめコン ピューターに設定したプログラムで決まった時間に決 まった量の餌を出すだけで、魚が食べずに無駄な餌と なって漂う可能性があり、コストを上昇させる上、それが 水質を汚染させるため環境的にも問題がありました。 そこでニッスイでは、生簀内に設置した食欲センサー や水中カメラ、溶存酸素・水温センサーから情報や画像若ぶりの養殖生簀
黒瀬水産（宮崎県串間市）ニッスイAqualingual
®の給餌例（鳥取境港でのギンザケ養殖）
図4 魚が疑似餌を食 べようと引っ張 ることを「もっと 食 べ た い」と み て制御。引っ張ら なくなれば停止。 600 30 25 20 15 10 5 500 400 300 100 100 0 ※給餌時刻（季節に応じて設定）12月27日 16：30 16：40 16：50 17：00 17：10 17：20 16：30 16：40 16：50 17：00 17：10 17：20 給餌機 食欲センサー 食べているので給餌 餌 の 供 給 速 度 (g) 引 っ 張 り 頻 度 （ 回 ／ 分 ） 魚 の 食 欲 人手では時間をかけてじっくりと魚のペースに合わせることが難しい 設定した引っ張り頻度の下限値で給餌終了 誘導給餌 食べるかどうか確認 起動率 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス稚魚から一貫して育てられるギンザケ「境港サーモン」の養殖場
マグロ配合飼料の生産ライン
淡水養殖場（左）、美保湾の海面養殖場（右）、弓ヶ浜水産（鳥取県境港市） ニッスイ伊万里油飼工場唐津まぐろプラント をパソコンやタブレット端末、スマートフォンに伝送さ せて、リアルタイムでチェックできる自動給餌と自発摂 餌給餌を組み合わせる給餌システム「Aqualingual」を 開発しました（特許第5324997号）。これにより適量 で無駄のない給餌管理ができるようになり、すくすくと 魚が育ち、環境面でも汚染がなくなりました（図4）。 ＜マグロにぴったりの飼料＞ マグロの育成には一般に生の魚（生餌）が使用されて おり、他の養殖魚種と比較して圧倒的に配合飼料の導 入が遅れています。ニッスイは独立行政法人水産総合 研究センターと共同でマグロが好む餌の物性やマグロ の摂餌行動を調査し、従来の養魚用飼料とは異なる形 状の飼料を開発（特許5030043号）するとともに、ニッ スイ独自の製法と大量生産方式を確立しました。2013 （平成25）年に佐賀県唐津市に新たな飼料生産設備を 導入し、生産販売を開始しました。マグロ用配合飼料 は、配合する成分を成長段階や出荷時期に合わせて設 計することで、成長性や肉質の改善を図れると期待で きます。養殖場の環境負荷を低減させ、マグロ養殖の持 続可能性を高めることで、安全・安心でおいしいマグロ をお届けしていきます。 ＜マグロの完全養殖を事業につなげる＞ ニッスイはマグロの完全養殖の実用化に取り組んで います。これまでの一般的なマグロの養殖は、専用の 生簀で飼育したマグロの親魚が自然産卵した受精卵を 回収し、種苗生産するもので、どの親魚がいつ産むかわ からないという大変に不安定な生産方法でした。 しかも、マグロの種苗が生餌しか食べないため、イシ ダイなど餌となる魚の親魚を生産し、そこから取れる 仔し ぎ ょ魚をマグロ種苗の餌としていました。1尾のマグロ種 苗は多いと1日1,000尾以上の孵ふ か化仔魚を摂餌するた め、マグロ養殖の高コスト化を招いていました。 ニッスイでは2009（平成21）年から、出荷したマグロ から精子と卵を採取して受精させる人工授精法の研究 を進め、2011（平成23）年に人工授精によって得られ た人工種苗由来のマグロから受精卵を採取し、2014 （平成26）年に完全養殖に成功しました。 マグロ種苗の餌については、2014（平成26）年、生 餌の代替飼料となる配合飼料の開発に業界で初めて成 功しました。これは、マグロ種苗の成長を促す特別な処 理を施したプランクトンと微粒子飼料からなるもので、 これによって、イシダイなどの孵化仔魚を使わない種苗 生産が可能となりました。 マグロの種苗生産では、受精卵の質によって成長・ 生残が大きく左右されます。これからもデータを蓄積し て分析、評価し、成長・生残の向上に努め、2017（平成 29）年の実用化に向け研究開発を継続していきます。 ＜さまざまな分野で養殖の高度化を＞ 弓ヶ浜水産株式会社（鳥取県境港市）では、ギンザ ケ、サバ、ブリの養殖に取り組んでいます。弓ヶ浜水産で は、2013（平成25）年秋から、天然ブリ・サバを捕獲し て生簀で育てる短期養殖を行い、また鳥取県栽培漁業 センターが生産したサバ人工種苗を育てて天然魚と比 較しながらノウハウの蓄積を進めています。 ニッスイは引き続き養殖の研究開発を進め、さまざま な分野で養殖の高度化に取り組んでいきます。 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックスマーケット&テクニカルリサーチ
EPA/DHAの機能性
第3回
はじめに
EPAは、多彩な生理機能を有しています。その多くは血管や内臓、脳神経で発揮されるものですが、近年は眼科領 域でDHAやEPAの機能研究が盛んに行われています。中でも新しいものはEPAのドライアイに対する有効性の研究 です。ドライアイは、オフィスにおけるパソコンの普及に伴って急増した眼科疾患であり、日本における患者数は800 万～2,200万人、オフィスワーカーの3人に1人が症状を感じているという調査結果があります（日本眼科学会HPよ り）。主な症状は、眼の乾燥感だけではなく、異物感・眼の痛み・眩しさ・眼の疲れなどさまざまで、放置して眼を酷 使し続けることにより、視力の低下が起こるともいわれています。 涙液は、油層、水層、ムチン層の３層からなっています。この3層がバランスを保つことで涙の安定性を維持し、眼 表面からの涙の蒸発を防いでいます。涙液は涙腺で作られ、瞬きによって眼の表面全体に広がり、大半は目頭にあ る涙点から鼻の奥に排出されます。しかし、涙量が少なくなると瞬きの回数が増え、瞼と眼の間の摩擦により眼の神 経が刺激され、痛みやゴロゴロ感が発生し、さらに角膜表面が凸凹になるため、安定した視力を維持できなくなるの です。ドライアイの原因としては、加齢による涙液分泌量の減少やコンタクトレンズの装着、乾燥した環境、長時間の パソコンやスマートフォンの使用、薬物の副作用、涙に脂肪を分泌するマイボーム腺の機能不全、シェーグレン症候群 などが挙げられます。① ドライアイが生活に及ぼす影響
ドライアイ研究会と目薬のメーカーが行ったOsaka Studyと呼ばれる研究があります（参天製薬株式会社 2014（平成26）年3月25日付プレスリリースより、 URL:http://www.dryeye.ne.jp/ow_dem/pdf/ press_release.pdf）。これは目薬メーカーが自社の 社員を対象にして行ったドライアイに関する調査研究 で、2011（平成23）年8月29日～9月1日（4日間）、 561名が参加して行われました。調査内容はドライアイ 専門医による細隙灯顕微鏡検査（眼表面、涙の精密検 査）のほか、生活習慣、ドライアイ関連症状の有無12項 目、ドライアイ診断既往歴の有無、VDT（画像表示装 置）作業時間、全身疾患（高血圧・糖尿病）、内服薬服 用の有無、喫煙の有無、コンタクトレンズ使用の有無、 主観的幸福度、ピッツバーグ睡眠質問票、国際標準化身 体活動質問票、労働生産性の定量化質問票などの調査 を行い、ドライアイとそれらの相関を解析しています。労働生産性への影響度の比較
表1 出典： 仕事関連のプレゼンティーイズム Paul Hemp より改編、ハーバードビジネスレ ビュー、2004年10月、n=1,600 疾患 罹患率 平均損失率生産性の うつ病 13.9％ 7.6％ 関節炎 19.7％ 5.9％ 慢性的腰痛 21.3％ 5.5％ 喘息 6.8％ 5.2％ 逆流性食道炎 15.2％ 5.2％ 偏頭痛 12.0％ 4.9％ ドライアイ ※本スタディ 11.6％ 4.8％ アレルギーまたは鼻腔の問題 59.8％ 4.1％食品の機能性表示制度に
おけるEPA
〜EPAのドライアイに対する効果〜
辻 智子
生活機能科学 研究所長 その結果、参加者の約65％がドライアイまたはドラ イアイの疑いがあり、労働生産性質問票の集計結果に よると、3日/年の欠勤、48万7,000円/年/人の生産性 海のアカデミー ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ② ドライアイの診断
では、自分がドライアイかどうかはどうやって診断す るのでしょうか？ ドライアイの自己診断法として10 秒間瞬きをせずに眼を開けていられるかテストする方 法が知られています。10秒間瞬きを我慢できない場合、 ドライアイが疑われます。 眼科医では、涙の量を調べるシルマーテストが行われ ます。これは5分間シルマー試験紙を眼の表面に当て、 試験紙のどの位置まで涙が染み込むかを測定するもの です（図2）。 さらに染色液（フルオレセイン）を点眼し、眼表面の 涙液層が破壊されるまでの時間を測定し、涙液層の安 定性を調べる試 験（涙 液 層破壊時間〈Tear film breakup time〉検査）もドライアイの診断法の一つで す。これらが客観的なドライアイの指標です。その他に、OSDI（Ocular Surface Disease Index）
と呼ばれる自覚症状に関するスコアや、角膜の傷の染 色のスコアもドライアイの症状を評価するのに用いられ ます。ドライアイに対して有効な食品、医薬品、治療法 などの評価はこれらの方法を組み合わせて行われてい るのです。
③ ドライアイと魚食摂取（疫学研究）
ドライアイは、摂取する栄養素によって影響を受ける という結果を発表した論文があります【Am J Clin Nutr 82:887-93（2005）】。その論文では、3万 9,876名の女性を対象者として過去4年間で医療機関 においてドライアイと診断されたことがあるかどうかの 質問を行い、食事調査から算定される脂肪酸摂取量と の関係を解析しています。 食事調査に回答した3万2,470名中、4.76％の1,546 名がドライアイと診断されたことがあると回答しまし た。全対象者の1日当たりのn-3系脂肪酸の摂取量を少 ない方から多い方へ段階的に五つのグループに分け、各 グループのドライアイ発症の状態を解析したところ、 EPAやDHAなどのn-3系脂肪酸の摂取量とドライアイ の発症のオッズは有意に逆相関することがわかりましシルマーテスト
図2Osaka Studyにおいてドライアイと
相関の見られたアンケート結果
図1 ドライアイ 高い有病率 労働生産性が低下 運動量が少ない メタボの人は涙液減少 睡眠の質が悪い 幸福感が低い 低下に相当するという結果になりました。ドライアイに よる労働生産性の低下をほかの疾患と比較した表1に よると、ドライアイは偏頭痛と同程度の労働生産性の低 下を引き起こすという結果でした。 ほかにもドライアイは、メタボリックシンドロームの 発症と相関することや図1に示すようなその他のQOL （Quality of Life）にも関連するとしています。ドライ アイを放置することなく、積極的な「ドライアイマネジメ ント」が重要であることがわかります。出典：Miljanovi B et al. Am J Clin Nutr 82:887-93（2005） Ratio of n-6 to n-3 fatty acid intake
出典：日本眼科学会HP ©Japanese Ophthalmological Society
P for trend = 0.02 6.00 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 < 4 4 to < 10 10 to < 15 >_ 15
食事から摂取するn-6/n-3比と
ドライアイ発症率
図3 涙の量が 少ない人 涙の量が多い人 2mm 13mm 5分間 オッズ比︵ 95％信頼区間 ︶ ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ 海のアカデミーn-3系脂肪酸のドライアイに対する効果は、動物実験 でも研究されています。2世代にわたってn-3系脂肪酸 を欠乏させたマウスは、ドライアイの症状を呈すること がわかってきました。このマウスは、眼球周辺組織の n-3系脂肪酸量が正常マウスに比べて少ないことが確 認されています【Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fat t y Acids 90：207–213 （2014）】。そしてこのマウスは、シルマーテストの結 果、涙の量が正常なマウスに比べて少ないことがわかっ たのです。このドライアイモデルマウスにEPA魚 油 （EPA：11mg、DHA：4.8mg/日/匹）を摂取させると、 マイボーム腺、涙腺、網膜など眼球周辺組織の脂肪酸 組成中のEPAとDHA（特にEPA）が増加し、シルマーテ ストの結果、涙量も正常レベルにまで回復したのです。 マイボーム腺というのは涙に脂肪を分泌する腺です。涙 への脂肪の供給は、涙が蒸発しにくく滑らかな眼の表 面を維持するのにとても重要な意味を持っています。こ れらの動物実験の結果から、EPA魚油はマイボーム腺 の正常な機能を維持し、涙への脂肪供給を円滑にする と推定されました。そしてその結果として涙中の油層が 厚くなり、涙の蒸発が抑えられたと考えられます。
④ n-3 系脂肪酸の欠乏はドライアイを引き起こす
た。すなわち、n-3系脂肪酸を最も多く摂取しているグ ループ（1.99g以上/week）は、最も少ない摂取のグ ループ（0.92g以下/week）のドライアイ発症のオッズ 比を1としたとき、有意に低い0.83（P=0.04)という結 果でした（表2）。 また卵や畜肉、植物性油脂などに多く含まれるn-6 系脂肪酸とn-3系脂肪酸の摂取量の比（n-6/n-3比）と ドライアイ発症の関係を調べた結果、図3に示したよう に、n-6/n-3比が15以上の群は4以下の群の2.5倍の オッズ比であることがわかり、n-6とn-3のバランスがド ライアイ発症にもかかわっていることが推定されまし た。またこの論文では、食事摂取の中でもツナ缶、ツナ 以外の赤身の魚、白身の魚、その他の魚介類の1週間の 摂取頻度とドライアイ発症の関係についても解析して います。その結果、ツナ缶摂取量とドライアイ発症は逆 相関し、週2～4回（1回の摂取は113g：4oz）ツナを摂 取する群は、1回以下の群に対し19％のオッズ比の低 下、5回以上摂取する群では68％の低下という結果を 報告しています。 このように、食事から摂取されるn-3系脂肪酸が多い ほど、ドライアイを発症しにくくなることが疫学研究に よって示されています。食事からのn-3系脂肪酸摂取量とドライアイの発症率
表2 ＊1） オッズとは、ドライアイを発症した人数／発症しなかった人数。オッズ比とは、Group1 のオッズに対する各グループのオッズの比 ＊2） データのばらつきを示す指標。95% の確率で真の値を含んでいる範囲を意味している。範囲が狭いほどばらつきが小さく、範囲が 1をまたいでいないこ とは有意な違いがあることを意味している Am J Clin Nutr 82：887-93（2005）より改変 食事からのn-3系脂肪酸摂取量 （群内の平均摂取量） 総数 診断された人数ドライアイと オッズ比 ＊1） （95％信頼区間＊2）） n-3 Fatty Acids （Group1のオッズに対する比） Quintile Group 1（0.92g） 6,473 329 1.0 Quintile Group 2（1.17g） 6,396 296 0.89 （0.76-1.05） Quintile Group 3（1.34g） 6,606 318 0.92 （0.78-1.08） Quintile Group 4（1.55g） 6,572 314 0.90 （0.76-1.06） Quintile Group 5（1.99g） 6,423 289 0.83 （0.70-0.98） P for trend 0.05 では、ドライアイのヒトがEPAのサプリメントを摂取 するとドライアイが改善するのでしょうか？ ニッスイ では、上記の動物実験に用いたものと同じEPA魚油の サプリメントを、点眼による治療中のドライアイ患者に 摂取してもらう実験を行いました。 27名のドライアイ患者（目薬により治療を続けてき た人）を2つのグループに分け、EPAサプリメント（1日 あたりEPAを1,245mg、DHAを540mg含有）を摂取 するグループ、一方はプラセボという見た目は区別がつ かないけれどEPA、DHAを含んでいないサプリメント⑤ EPA サプリメントの摂取がドライアイを改善する
ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ 海のアカデミーを摂取するグループの2グループを設定しました。ともに それまでの点眼治療は継続し、同時に12週間サプリメ ントを摂取してもらい、有効性の有無を調べました。被 験者、試験担当医師ともに、どの被験者がどちらのサ プリメントを摂取しているのかは知らされていない、二 重盲検比較試験と呼ばれる厳密性の高い試験方法で 実施しました。有効性の評価は、シルマーテスト、涙液 層破壊時間、自覚症 状のVA S（Visual A nalo g Scale）、結膜、角膜の傷の染色による観察結果のスコ ア化により行いました。 その結果、痛みに関する自覚症状は、EPAサプリメン ト群では15名中10名が改善、プラセボ群では12名中3 名が改善と回答し、EPAサプリメント投与群のほうが、 自覚症状の改善率が高い結果となり ました。また涙液層破壊時間ではサプ リメント投与群で8週目からプラセボ 群に対して有意な改善が認められ、涙 液の組成の正常化が起こっていると推 定されました（図4）。さらにローズベ ンガルによる結膜の染色では、8週目 から結膜の傷のスコアの改善が認め られ、ドライアイの重症度が低下して いることがわかりました。しかし、本 試験においては、シルマーテストでは 有意な涙量の改善は認められません でした。 以上より、EPA魚油サプリメントの 摂取は、①炎症の抑制により痛みの軽減や傷の改善を もたらすこと、②涙への脂肪分泌を促進し涙液中の油 層を増やすことにより、眼表面の摩擦と涙の蒸発を軽 減することの2点によって、ドライアイを改善すると考え られました。 近年、オメガ3脂肪酸の生体内の代謝物の分析技術 が飛躍的に進歩し、強力な抗炎症作用を有するEPA代 謝物（生体内でEPAを原料にして新たに作られる物質） としてレゾルビン類や、プロテクチン類の存在が明らか にされています【生化学第80巻第11号1042-1046】。 EPAサプリメント摂取により、これらの抗炎症性代謝物 が、眼球組織局所で作用することにより痛みの改善や 傷の炎症抑制効果を発揮すると考えられます。 機能性食品の有効性をヒトで試験した結果をいろい ろな研究グループが論文として発表しています。それら の論文の結果は、被験者の人種、性別、年齢のほか、食 習慣や生活習慣などの背景の違いや、投与した被験食 品の量や原料、摂取期間の違いによって異なることが あります。また被験者の人数によって結果の正確さも変 わってきます。 そのような理由から、今回検討された新たな食品の 機能性表示制度においては、機能性を表示できる条件 の一つとして、今までに他者によって発表された論文を 網羅的に集め、解析の目的に合致した質の高い論文の みを選択し、それらの結果（「有効」、「無効」、両方の 結果）を統計解析の手法（メタアナリシス）を用いて統 合し、総合的に判断することが求められています。これ をシステマティックレビューといいます。 ニッスイではEPAの多数の機能性について、システマ ティックレビューを進めています。
⑥ 機能性表示制度とシステマティックレビュー
ドライアイに対するn-3系脂肪酸の有効性について はすでにほかの研究グループによりメタアナリシスの実 施結果が論文として発表されています。ニッスイではそ の論文をもとに、EPAを含まないn-3系脂肪酸の試験 や、DHAをEPAよりも多く摂取させている試験を削除 し、EPAとドライアイに焦点を当てたメタアナリシスを⑦ ドライアイに対する EPA の有効性に関するシステマティックレビュー
涙液層破壊時間（Tear fi lm breakup time）の測定:
フルオレセインを点眼後、瞬きをしないで角膜表面の涙液層が破壊されるまでの時間を測定する検 査。5秒以下は、ドライアイの疑い EPAサプリメント群（n=30 eyes） 対照群（n=24 eyes） ＊P<0.05, #P<0.1 by Mann-Whitney U test. 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 4 8 ＃ （週） （秒） 12 ＊ 16 ＊ 涙 液 層 破 壊 時 間
EPAサプリメント摂取による涙液層破壊時間
（Tear film breakup time）の改善
図4 ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ 海のアカデミーこれまでの「マーケット&テクニカルリサーチ」の記事を ウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.nissui.co.jp/academy/market/
おわりに
EPAのドライアイに対する有効性は、食事調査による疫学研究、動物実験、 ニッスイが実施した日本人での試験、海外の研究グループが報告したヒトでの試 験を統合した結果、のいずれにおいても支持されています。EPAを配合した食品 やサプリメントが、ドライアイに苦しむ人々に活用されるべく適切な表示が行わ れることが望まれています。涙液層破壊時間テストの統合結果
図6 Heterogeneity : Chi2=28.80, df=2 (P < 0.00001) ; I2=93%Test for overall eff ect : Z=17.80 (P < 0.00001)
Study or Subgroup＊1） Weight＊2） Mean Difference IV, fixed, 95% CI [sec.]＊3）
Bhargava R 2013 58.3% 2.41 [2.13, 2.69] Kangari H 2013 31.3% 1.57 [1.18, 1.96] Kawakita T 2013 10.4% 0.63 [-0.04, 1.30] Total (95% CI)＊4） 100.0% 1.96 [1.75, 2.18] Favours [placebo] '-4 '-2 0 '2 '4 Favours [EPA/DHA] ＊4） ◆ ＊1） 研究グループの筆頭者の名前と発表された年 ＊2） 被験者の人数による重み付け ＊3） 平均値の差と95%信頼区間 ＊4） 統合結果。平均値の差がない場合を0とし、プラセボ群と投与群のどちらが有効であったかを示す。 ■の大きさは重みの違いを示す。◆が統合した結果を示す Heterogeneity : Chi2=6.58, df=3 (P < 0.09) ; I2=54%
Test for overall eff ect : Z=7.51 (P < 0.00001)
シルマーテストの統合結果
図5
Study or Subgroup＊1） Weight＊2） Mean Difference IV, fixed, 95% CI [sec.]＊3）
Bhargava R 2013 93.3% 0.48 [0.35, 0.61] Kangari H 2013 6.1% 0.74 [0.21, 1.27] Kawakita T 2013 0.1% -4.34 [-9.15, 0.47] Wojtowicz JC 2011 0.6% 1.68 [-0.04, 3.40] Total (95% CI)＊4） 100.0% 0.50 [0.37, 0.63] Favours [placebo] Favours [EPA/DHA] ' -10 '-5 0 '5 10' ◆ ＊4）
EPA摂取による自覚症状の改善率
表3E：EPA、D：DHA、F：Flax seed oil
論文 EPA/DHA摂取量（mg/日） 投与群 プラセボ群 総数（n） 改善率（%） 総数（n） 改善率（%） Bhargava R E325/D175 21 70 15 7 Kangari H E180/D120 33 26 31 4 Kawakita T E1245/D540 15 67 11 25 Wojtowicz JC E450/D300/F1000 264 65 254 33 特定保健用食品「イマーク」、「イマークS」 行いました。評価項目は、シルマーテスト、涙液層破壊 時間、自覚症状スコア（OSDI、VAS）の3種としました。 その結果、シルマーテスト、涙液層破壊時間テストの 両項目において、EPA投与群で有効という結論が得ら れました（図5）（図6）。自覚症状の改善については、 各試験でのスコアの改善率はいずれも実験群で高い結 果が得られており、自覚症状の改善効果も確認されま した（表3）。 海のアカデミー ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ
生命の故郷である海は、栄養や美容の宝庫。古くから私たちの生活にさまざまな自然の産物をもたらしてく れました。肌や髪の保湿効果が高いオレンジラフィーオイルもその一つです。 ニッスイは、ニュージーランド近海に生息する深海魚オレンジラフィーから抽出した魚油を原料に、ニッスイ独 自の高度な精製技術によって高品質美容オイル、オレンジラフィーオイルを開発しました。
「海」生まれのサラサラ美容オイル
オレンジラフィーオイルの開発
ニッスイ海のアカデミー ニッスイがオレンジラフィーオイル活用の検討を始め たのは数十年も前のこと。ワックス素材を探すなかで、 候補に挙がったのが日本では未利用の魚、オレンジラ フィーでした。以前よりオレンジラフィーオイルは化粧 品原料として注目されていましたが、「におい」や「油の 安定性」が課題となり、利用が進んでいませんでした。 古くから魚油の研究を行ってきたニッスイは、1980 （昭和55）年に世界で初めて青魚からEPAを抽出・精 製することに成功しました。オレンジラフィーでも長年 培った技術力をベースに研究開発を続けた結果、つい に課題をクリアし、「におい」のない、安定した品質を 保つオレンジラフィーオイルの開発に成功したのです。 オレンジラフィー『日本水産魚譜』より 欧米で高級白身魚として食されるオレンジラフィーの調理例 オレンジラフィーは、オーストラリアやニュージーラン ド近海、および南大西洋に生息する深海魚です。体長 30～40cm、重さ0.9～1.9kgほどになるヒウチダイ科 の魚で、体色は名前の通り鮮やかなオレンジ色。欧米で は高級白身魚として食されています。 脂の乗ったオレンジラフィーは食用のほか、油分を 搾ってオレンジラフィーオイルを採取します。抽出され たオレンジラフィーオイルの主成分は、脂肪酸とアル コールが結合したワックスエステルと呼ばれる成分で す。ワックスエステルは人体では肌の角質層や皮脂に 含まれている成分で、化粧品素材として利用されてい ます。海の恵みから美容オイルを開発
ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ トピックス 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ おさかなと私たちニュージーランド 日本のニッスイ鹿島工場 ●保存試験（日光直射・開放条件下） ●ニッスイの高度精製オレンジラフィーオイル オレンジラフィーの 原料油 【オレンジ色】 一般的な 精製レベル 【うす黄色】 ニッスイの 精製レベル 【無色透明】 無色透明の オイルへと精製 ニッスイのグループ会社の シーロード社が漁獲 オレンジラフィーの油を日本のニッスイ工場へ チェックを実施厳重な品質 出典：ニッスイ資料 ●オレンジラフィーオイルの脂肪酸とアルコール組成 ※(略記）は炭素数：二重結合数、n.d.：検出されず 出典：ニッスイ資料 粗オレンジラフィー油 脂肪酸 アルコール 1.8 3.2 0.4 n.d. 2.8 24.7 13.4 1.8 0.9 5.6 54.7 22.3 1.3 n.d. n.d. 0.8 14.9 25.2 0.8 n.d. 1.6 n.d. 高度精製後 脂肪酸 アルコール 2.2 3.8 0.1 n.d. 3.1 28.4 15.0 1.8 0.7 6.0 57.2 17.9 1.0 n.d. n.d. 0.5 15.0 25.4 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 0.1 n.d. 0.2 5.9 14.2 5.7 14.4 0.2 n.d. n.d. n.d. 1.3 n.d. n.d. n.d. n.d. 2.2 n.d. 1.8 脂肪酸名（略記）※ ミリスチン酸（C14：0） ミリストレイン酸（C14：1） パルミチン酸（C16：0） パルミトレイン酸（C16：1） ステアリン酸（C18：0） オレイン酸（C18：1） リノール酸（C18：2） アラキジン酸（C20：0） イコセン酸（C20：1） アラキドン酸（C20：4） イコサペンタエン酸（C20：5） ベヘン酸（C22：0） ドコセン酸（C22：1） ドコサペンタエン酸（C22：5） ドコサヘキサエン酸（C22：6） テトラコセン酸（C24： 1） 0 50 100 150 200 250 300 0日 7日 14日 30日 60日 90日 〈保存日数〉 精製オレンジラフィー油 精製ホホバ油 精製オリーブ油 精製オレンジラフィー油 （トコフェロール0.01%添加） 過 酸 化 物 価（ ） m e q / kg ニッスイが開発したオレンジラフィーオイルは、水産 物資源から多様な価値を創造するニッスイだからこそ 実現できた、海生まれの美容オイルです。原料の漁獲 から精製、製品化まで一貫体制で行われ、原料となる オレンジラフィーはニッスイのグループ会社のシーロー ド社（ニュージーランド）が漁獲し（17p参照）、現地 でオレンジラフィーの油（粗オレンジラフィー油）を抽 出。この粗オレンジラフィー油を日本のニッスイ鹿島工 場に運び、世界トップレベルの高度精製技術によって 無色透明で高品質な美容オイルを生み出します。 精製工程ではまず、皮の色素（主体はアスタキサン チン）を含んだ鮮やかなオレンジ色の粗オレンジラ フィー油から遊離脂肪酸や色素を除去します。次に酸 化の原因となる高度不飽和脂肪酸＊1）を還元。そして、 脱臭工程をへて、無色無臭の高度精製オレンジラフィー オイルが誕生します。 オレンジラフィーオイルの大きな特長は、べとつか ずさらっとした使用感です。しかし、精製の過程で安 定性を高めるために高度不飽和脂肪酸が消失するまで 還元すると、融点が上昇することから、オレンジラフィー オイルがもつそのさらっとした特性までなくなってしま います。そこで安定性を損なう二重結合数が4から6の 高度不飽和脂肪酸だけを選択的に処理することで、安 定性を確保するとともに優れた使用感を残すことがで きました。 オレンジラフィーオイルは、国内ではニッスイのみが 製造できる素材ですが、世界でもここまで高度に精製 して製造しているのはニッスイだけです。
ニッスイだからこそ実現できた高品質オレンジラフィーオイル
＊1） 脂肪酸は、分子中の炭素同士が一か所でも２本の結合手で結ばれて いる（二重結合）構造のものを不飽和脂肪酸という。二重結合の部 分は不安定で、酸素が結合しやすいため、不飽和脂肪酸は酸化しや すい。二重結合が四つ以上のものは特に「高度不飽和脂肪酸」と 呼ばれる。 ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ 海のアカデミー おさかなと私たちヒトの上皮脂質 リン脂質 中性脂質 ワックスエステル オレンジ ラフィー油ホホバ油 0.6 2.5 2.2 n.d. 15.0 20.1 3.1 1.2 2.8 9.4 15.0 0.3 14.1 1.8 0.7 0.1 23.0 52.5 57.2 11.2 24.1 11.0 1.0 0.1 0.9 0.6 n.d. 0.1 n.d. n.d. 15.0 71.3 n.d. n.d. n.d. 0.2 n.d. n.d. 5.7 13.6 n.d. n.d. n.d. 1.3 ●脂肪酸組成の比較 ミリスチン酸（C14：0） パルミチン酸（C16：0） パルミトレイン酸（C16：1） ステアリン酸（C18：0） オレイン酸（C18：1） リノール酸（C18：2） アラキジン酸（C20：0） イコセン酸（C20：1） ベヘン酸（C22：0） ドコセン酸（C22：1） テトラコセン酸（C24：1） ※(略記）は炭素数：二重結合数、n.d.：検出されず 出典：ニッスイ資料 ●顔面角層水分量平均値の変化 0w-3w p<0.05 0w-6w p<0.05 0 250 200 150 100 50 試験開始時（0w） 3週間（3w） 6週間（6w） 角 層 水 分 量 （μs） 〈経過日数〉 〈経過日数〉 出典：ニッスイ資料 脂肪酸名（略記）※ ●アトピー性皮膚炎、敏感肌の変化（被験者22名） 中程度 軽度 軽微 症状無し 0w-3w p<0.001 0w-6w p<0.001 乾燥症状の 変化（人） 0w-3w p<0.001 0w-6w p<0.001 鱗屑症状の 変化（人） 0w-3w p<0.01 0w-6w p<0.001 そう痒症状の 変化（人） 4 4 6 6 12 12 試験開始時（0w） 3 3 10 10 8 8 1 1 7 7 5 5 10 10 4 4 1 1 11 11 6 6 3週間（3w） 4 4 2 2 8 8 8 8 1 1 8 8 13 13 1 1 7 7 14 14 6週間（6w） 4 4 6 6 12 12 22 22 出典：ニッスイ資料 ●油性原料の粘度 出典：ニッスイ資料 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 20℃ 30℃ 40℃ 50℃ 精製オレンジラフィー油 精製ホホバ油 スクワラン 精製オリーブ油 粘 度 （ ） m Ｐ a ・s ヒトの皮膚は、皮膚の一番表面にある角層とその表 面に薄く広がる皮脂が、外からの刺激をバリアし、肌の 水分を保つ働きをしています。オレンジラフィーオイル は、この角層と皮脂に含まれる成分と同じワックスエス テルなので、ごく自然に肌を保護してくれます。 化粧品素材として使われているワックスエステルに、 植物から抽出されるホホバオイルがあります。ホホバオ イルのワックスエステルを構成する主な脂肪酸はイコセ ン酸ですが、オレンジラフィーオイルはヒトの上皮脂質 に多く含まれるオレイン酸が主な脂肪酸で、よりヒトの 肌に近い性質を持っています。そのためオレンジラフィー オイルは肌になじみやすく、ホホバオイルよりも粘度が 低いことから、さらっとした使用感を生んでいます。 オレンジラフィーオイルは、高い安全性や、アトピー 性皮膚炎、乾燥性敏感肌に対する皮膚症状の改善効果 と保湿効果を持つという特長もあります。 健康な男女50名によるオレンジラフィーオイルの連 続使用試験では、皮膚への悪影響は一切確認されませ んでした。 軽度アトピー性皮膚炎または乾燥肌の22名を被験者 としたオレンジラフィーオイルの連続使用試験では、３ 週間後に有意な皮膚症状の改善が認められ、6週間後 には、乾燥症状は64%、鱗りんせつ屑症状は55%、そう痒よう症状 は100%の対象者で症状が消失しました。 上記被験者の皮膚角層の水分量を測定機器で測定 した結果、３週間後、そして6週間後と角層の水分量が 増加していることが認められました。 優れた使用感と保湿力、特に軽度アトピー性皮膚炎 および乾燥肌における有効性から、オレンジラフィーオ イルは新しいスキンケア化粧品原料として、高い可能性 が期待されます。
さらっとした優れた使用感と保湿力
顔のスキンケアに 顔のマッサージに 入浴後のボディケアに ボディマッサージに ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ おさかなと私たち 海のアカデミー（注）掲載記事、データ、写真、イラスト等の無断使用・転載を禁じます。 ●毛髪の表面脂質の組成 遊離脂肪酸 30.3% ワックスエステル セラミド17.7% 22.0% コレステロール12.9% 炭化水素 8.4% トリグリセリド 6.8% コレステロールエステル 1.9% 出典：山本俊比古「ヒト毛髪内部脂質中の脂肪酸の組成および構造」日本皮膚科 学会雑誌 104（4）.543-549.1994 出典：ニッスイ資料 出典：ニッスイ資料 ＊1,2,3：異なる検体の異なる数値の間に有意差あり ＊1,2,3：異なる検体の異なる数値の間に有意差あり 出典：ニッスイ資料 ●毛髪の柔軟性評価 p<0.05 1.10 1.60 1.70 1.50 1.40 1.30 1.20 曲 げ 硬 さ（ ） 健常毛 ＊1 ＊1 損傷毛 ＊1,2 ＊1,2 損傷毛+ オリーブ油 ＊1,２,3 ＊1,２,3 損傷毛+ ホホバ油 ＊2,3 ＊2,3 損傷毛+ オレンジラフィー油 ＊2,3 ＊2,3 ●毛髪表面の滑り評価 p<0.05 0.07 0.08 0.05 平 均 摩 擦 係 数 健常毛 ＊1 ＊1 損傷毛 ＊3 ＊3 損傷毛+ オリーブ油 ＊2,3 ＊2,3 損傷毛+ オレンジラフィー油 ＊1,２ ＊1,２ ●毛髪の構造 g f. c m 2 / c m 0.04 つや オレンジラフィーオイルは、傷んだ毛髪に対しても柔 軟性を高め、髪の滑りを良くする効果が認められてい ます。 毛髪は、表面のキューティクル領域、その内側のコ ルテックス領域、芯部分のメデュラの3層で構成されて います。表面のキューティクル領域は、さらにキューティ クル とＣ Ｍ Ｃ（ 細 胞 膜 複 合 体 ／cell membrane complex）が重なり合った層で構成され、髪の硬さ や手触り、つやに影響を与えています。 最近の研究では、毛髪表面とＣＭＣが髪の健康に 重要な役割を果たしていることがわかってきました。 健康な毛髪の表面には頭皮から分泌された皮脂が 行き渡り、毛髪表面の保護や毛髪水分量の保持に役 立っています。 ＣＭＣはたんぱく質の層が油の層に挟まれた３層構 造で、キューティクル表面のたんぱく質と結合し、キュー ティクル同士を接着させています。ＣＭＣはまた、水 分や油分を毛髪内部に浸透させたり必要以上に入らな いように調整する機能を持ちます。 その一方でＣＭＣはアルカリに弱く、アルカリ性の セッケンや洗浄力の強いシャンプーで洗浄するとＣＭ Ｃが溶け出てしまい、髪のパサつきやゴワつきの原因 となります。その場合、CMCを構成する成分を補給 することがヘアケアに効果があります。 毛髪の表面脂質を構成する成分の一つはワックスエ ステルで、ＣＭＣの油分にはオレイン酸が多く含まれ ています。そのためオレイン酸が多いワックスエステ ルのオレンジラフィーオイルは、毛髪に対してもなじみ が良く、心地良いしっとり感を与えます。 傷んだ髪に各種オイルを使用して毛髪に対する効果 を調べてみると、オレンジラフィーオイルを使用した ケースが健康な髪の柔軟性や滑りに最も近づきました。 オレンジラフィーオイルはその成分が肌や毛髪にあ る油分に近い組成のため肌にも髪にもなじみが良く、 大人から子どもまで使えて全身のお手入れが可能な、 幅広い用途に使用できる美容オイルなのです。
毛髪にも潤いと柔軟性を
大人から子どもまで使えるやさしいオレンジラフィーオイル ニッスイグループ紹介 ニッスイＮＯＷ トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ おさかなと私たち 海のアカデミー業務内容と現場スタッフの思い
ニッスイの健康食品は、海の栄養成分を健康のため に役立てたいという思いから作り始めたものです。そし て、EPA・DHAなどの海の恵みの素晴らしさを、一人ひ とりのお客さまに直接お伝えしたいという思いから、通 信販売というスタイルを選びました。 コールセンターには、お客さまからのお電話が1日数 百件、インターネットが幅広い年代に普及している昨今 では、メールもたくさんいただきます。 お さ か な と 私 た ち政府が検討している食品における機能性表示の緩和により、中性脂肪を下げる
効果などがあるEPA・DHAの販売拡大が期待されています。今号では、イマークS
などニッスイの健康食品を販売している「海の元気倶楽部」のコールセンターをご
紹介いたします。
海の元気倶楽部 コールセンター長三井 洋さん
お客さまに支えられて
（ニッスイ海の元気倶楽部コールセンターについて）
ニッスイ海の元気倶楽部コールセンター業務が本格 的に始まったのは、2004（平成16）年4月特定保健用 食品イマークの発売開始がきっかけでした。イマークの 新聞広告を出した途端、想像をはるかに超える数のお 客さまからの反響をいただき、当時のスタッフは朝から 晩まで電話を取り続けるうれしい悲鳴となりました。 イマーク発売当初、グループ会社日水製薬株式会社 の事務所の一部を借りて営業していましたが、その後、 業務拡張に伴い、御徒町、人形町、浜松町と事務所が 変わり、2014（平成26）年9月に現在の所在地である 豊洲（東京都江東区）に移転しました。 2014（平成26）年にイマークは発売10周年を迎えま したが、発売当時のお客さまのなかで、いまでもずっと 商品をご継続いただいている方が大勢いらっしゃいま す。また、ニッスイグループの皆さまにもイマーク、2012 （平成24）年発売のイマークS、海の元気シリーズなど をご愛用いただいています。 健康食品事業の成長は、支えてくださるお客さまの 数とイコールです。あふれる感謝の気持ちを決して忘れ ずに、これからも成長を続けてまいります。血中中性脂肪を低下させる「EPA」「DHA」の特定保健用食品
1日1本4週間から12週間の継続飲用で、血中中性脂肪を20％低下 （特定保健用食品） 豊洲コールセンターの外観ニッスイ海の元気倶楽部
コールセンター
（日本水産株式会社 ファインケミカル事業部 ヘルスケア課）
ニッスイＮＯＷ トピックス 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ おさかなと私たち ニッスイグループ紹介しでも役立ちたいという大きな目標を持っています。 ニッスイ海の元気倶楽部コールセンターは、その思いを 届ける最先端の現場であるという志を高く持って、日々 の仕事に取り組んでまいります。 商品のご注文、お届け日の変更、成分についてのご 質問など、内容は多岐にわたります。時には厳しいご意 見をいただくこともありますが、お客さまからのご要望 がヒントとなり、商品やサービスの画期的な改善につな がったことがこれまでに何度もあります。そして、何年 か経験を積んでそのことを深く理解しているコールセ ◎お問い合わせ・お申し込み
0120-888-957
◎ FAX でのお申し込み03-6741-6060
受付時間： 月〜金（平日） 9:00 〜 21:00、土・日・祝日 9:00 〜 18:00 〈24 時間受付〉 ご注文書ダウンロード▲ http://www.nissui-kenko.com/agreementfax.html http://www.nissui-kenko.com海の元気倶楽部
オンラインショップ コールセンター内 コールセンターメンバー新発売
ンタースタッフは、真摯な姿勢でお客さまに向き合える ように成長します。 現在の主力商品である特定保健用食品イマークSは、 インターネット、新聞、テレビなどで広告宣伝を行って おり、さまざまなメディアを通じてお客さまの反響をダ イレクトに感じられるのが通販業務の醍醐味です。 お客さまからのお問い合わせの数に一喜一憂する、 コールセンターの仕事には不思議な魅力があります。 コールセンターに限らず、現場で働かれている方々は同 じような気持ちをお持ちなのではないかと思っていま す。 ファインケミカル事業部は、EPA・DHAを幅広い年 代の方々に広め、日本人の健康寿命を延ばすことに少美容オイル「天然オレンジラフィーマリンオイル」
32㎖：2,500円（税別） 105㎖：5,500円（税別） ●ニュージーランド海域で漁獲した深海魚「オレンジラフィー」から抽出した油を高度に精製した無色透 明の美容オイル ●油の組成がお肌の組成に近いため、ごく自然にお肌を保護して滑らかにします ●お顔のほか髪や身体にも使え、このオイル1本で手軽に全身のお手入れが可能です 電話がたくさん鳴る➡
うれしい。でも電話を取りきれなかったらどうしようかと心配。 電話が全然鳴らない➡
（広告が響かなかったのかな？）と不安。どうしたのだろう いつも切れ目なく電話がそれなりに鳴っている➡
最も心が落ち着く状態。 ニッスイＮＯＷ トピックス マーケット＆テクニカルリサーチ おさかなと私たち 海のアカデミー ニッスイグループ紹介シーロード社の海外拠点 シーロード社の海外売上比率（2013年度） ■販売拠点 ■加工拠点 ■漁労事業 デンマーク アメリカ 中国 フランス インド洋 南極海 スペイン 日本 タイ 香港 イギリス オーストラリア オーストラリア 15.7% オーストラリア 15.7% ヨーロッパ17.4%ヨーロッパ17.4% 日本 19.2%日本 19.2% ニュージーランド 17.4% ニュージーランド 17.4% 北アメリカ 7.3% 北アメリカ 7.3% アジア（日本除く） 7.5% アジア（日本除く） 7.5% 貿易・産業 15.4% 貿易・産業 15.4% シーロード社 ● ● ● オークランド ウェリントン ネルソン
ニュージーランドのオークランドに本社を置くシーロード社は、2001（平成13）年に
ニッスイのグループ会社となった、ニュージーランドで2番目に大きな漁業会社です。
高品質のシーフードを世界に供給
ニュージーランドのグローバル水産会社 シーロード社
約90%を世界60カ国以上に
輸出する国際企業
シーロード社（ニュージーランド・オークランド）は、 漁業、水産加工および販売を世界的規模で展開してい るグローバル・シーフード企業です。 1961（昭和36）年に創業し、ニッスイをはじめとする 海外の漁業会社の協力を得ることでグローバルな水産 会社へと発展していきました。 ニッスイグループとは、1973（昭和48）年に合弁会社 を設立したことから資本関係が始まり、2001（平成 13）年にニッスイが50%の株式を取得し、ニッスイグニッスイグループ紹介
ループの一員となりました。 創業50年余りの歴史を持つ同社は現在、ニュージー ランドのトップ企業60社の一つに数えられ、資産は6億 7,500万ドル（ニュージーランド・ドル）、年間売上高は 5億ドル（同）超。従業員数はニュージーランド国内 （1,100名余り）と海外を合わせると1,500名以上にな ります。 シーロードはニュージーランドで最も有名なシーフー ドブランドですが、海外でも5大陸に営業拠点や販売 代理店、そして漁場を持ち、高品質のシーフードを海外 市場に提供しています。オーストラリアをはじめ、日本、 アメリカ、香港、デンマーク、イギリス、フランス、スペイ 海のアカデミー マーケット＆テクニカルリサーチ ニッスイＮＯＷ おさかなと私たち トピックス ニッスイグループ紹介ホキ調理例（左）、オレンジラフィー調理例（右） シーロード社冷凍食品 ホキ（上）、オレンジラフィー（下）『日本水産魚譜』より 2014（平成26）年8 月 にシ ー ロ ード 社 の C E O に 就 任 し た ス ティーブ・ヤング氏はカ ナダ出身。2005（平成 17）年～2013（平成 25）年8月まで、オース トラリアとニュージーラ ンドの食品大手企業の 取締役社長を務めてい ました。同氏はこれま で、オーストラリア、ニュージーランドおよびカナダ 市場でFMCG（日用消費財）やフードサービス事業 のほか、食品製造や農業といった食品関連事業に 30年以上も携わってきたキャリアの持ち主です。 ヤング氏は、「長年にわたり高品質のシーフードを 世界に供給してきたシーロード社の伝統を受け継 ぎ、常に消費者に目線を合わせると同時に、漁業の 持続可能性を追求する、そんなシーロード社の一員 でありたいです」と抱負を語っています。
