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[講演要旨]京都大学理学部に所蔵されている自然災害史料の解読と画像化

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Academic year: 2021

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(1)歴史地震 第31号(2016) 206頁. [講演要旨]. 京都大学理学部に所蔵されている自然災害史料の解読と画像化 加納靖之*(京都大学防災研究所)・服部健太郎(京都大学大学院理学研究科)・ 中西一郎(京都大学大学院理学研究科)・安国良一(住友史料館)・五島敏芳(京都大学総合博物館)・ 渡辺周平(京都大学大学院理学研究科)・岩間研治(京都大学大学院理学研究科)・福岡浩(新潟大学) §1. はじめに 京都大学には附属図書館および各部局の図書館, あるいは研究室に多くの古文書・古記録が所蔵され ている.たとえば,1847 年善光寺地震に関する古文 書・古記録で,京都大学に所蔵されているものとして, これまでに 8 冊の記録,4 枚の絵図・かわら版,8 枚の 陸地測量図(地震後の測量)を確認している. これまでの歴史地震研究で明らかになっているよう に,善光寺地震は,災害の発生が,家屋の倒壊,火 災,山崩れだけでなく,堰止め湖による村の水没,堰 止め湖の決壊による洪水,と長期間にわたったこと, 善光寺での本尊開帳の期間中の地震発生であり,全 国から集まった多くの参詣者が犠牲になったこと,な どの条件から,多くの古文書・古記録が残され,絵図 も多く残っている.短期間の調査で,京都大学にも相 当数が所蔵されていることがわかった.これらを活用 することにより,文献記録間の比較だけでなく,絵図と の比較も可能になると考えられる. ここでは,京都大学所蔵の善光寺地震に関する古 文書・古記録のうち,全文翻刻および画像化をおこな った 3 件の文献史料について,その概要を報告す る.. 「弘化四丁未大地震御届書写」.全部で 37 通の写 しから成る. 「弘化四年丁未八月十四日西澤周助政 方写,西澤氏印,52 丁」とある.ただし 3 通は地 震とは関係のなく,風損と異国船についての届書 である. 「信州大地震前後天災之記事」.上記 2 点の史料 の内容と重複しているものが多く見られる.ただし,一 部の表記や数字に違いがあり,書写等の過程で変遷 があったことが推察される.また,この史料の後半部 分には,丹後地方で発生した陥没(「丹後国俵野村 外三ケ村変地先届」)や弘化三年七月の京都の洪水 など,善光寺地震以外の自然災害や事件について の記事もみられる.. §2. 善光寺地震と文書の例 善光寺地震は,弘化 4 年 3 月 24 日(1847 年 5 月 8 日)夜に発生した.M=7.4 と推定されている.被害は, 現在の長野市・飯山市を中心として,長野県北部か ら新潟県西部に広がっている.震源は浅く,長野市・ 飯山市に地震断層が出現した.地震動・火災による 被害だけでなく,多数の山崩れによる被害,堰止め 湖による村の水没が生じた.特に虚空蔵山の山崩れ による犀川の堰止め湖が 4 月 13 日に決壊し,さらに 被害を大きくした. 今回報告するのは,京都大学大学院理学研究科 で所蔵する以下の 3 点の史料についてである.内 容は,既存の史料集に収録されているものがほと んどである. 「信越震漲録」.全部で 37 通の写しからなる筆写本 で,書写者は不明である.内訳は,信濃および越後 の諸藩・代官所から勘定所を主とする幕府側へ送ら れた届書が大部分をしめている.その他,江戸の町 方や勘定書の記録,戯文,私信と思われるものの写 しも含まれている.既存の史料集では確認できない 桑名藩士の個人的な記録が 1 通含まれている.. §4. おわりに これらの翻刻は,京都大学古地震研究会の初期の 活動の一環として実施したものである.この研究会は, 地球物理学や地質学の研究者がくずし字を読み, 史料を活用できるようになることを目ざしてはじ まったものである.その後,人文情報学の研究室や 図書館からの参加者も加わり,翻刻支援や史料情 報の可視化などのあらたな研究テーマにつながっ ている.今回作成した画像の活用も含め,この研究 会から生じたさまざまな研究あるいは技術が,史 料活用への可能性をひろげると考えられる.. §3. 画像化と公開用 web サイト構築 上記 3 点の史料については,デジタル撮影による 画像化をおこなった.ここで作成した画像は,ホーム ペ ー ジ ( http://kozisin.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/ ) で 公開することとしている.画像だけでなく,翻刻テキス トも合わせて公開できるようなサイトの構築をおこなっ た.翻刻テキストはブラウザ上で入力することができ, 注釈等も挿入することができる.. 謝辞 本研究の一部について,京都大学防災研究所の 一般共同研究(25G-01),および,文部科学省による 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計 画」の支援を受けました.. ― 206 ―.

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