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物価変動下における会計上の資本概念と時価概念

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(1)商経学叢. 第59巻 第1号2012年7月. 物価変動下 にお ける会計上 の資本概念 と時価概念 山 要約. 口. 忠. 昭. イ ン フ レー シ ョン会 計 の 構 造 は,測 定 単 位,資 産 評 価 方 法,資 本 維 持 概 念 とい う三 つ. の フ ァ ク ター に よ って 決 ま る もの で あ る。 三 つ の フ ァ ク ター につ い て み る と,資 産 評 価 方 法 と資 本 維 持 概 念 の両 者 は,利 益 測 定 に お い て,き. わ め て 重 要 な 要 素 と い え る。 イ ン フ レー. シ ョン下 にお け る会 計 上 の 代 替 的 ア プ ロー チ の 固 有 性 を 示 す た め に,利 益 と財 政 状 態 を あ ら わ す 方 法 は,二 つ の 主 要 な フ ァ ク ター,す な わ ち資 産 評 価 方 法 と資 本 維 持 概 念 に よ り分 類 さ れ て い る。 本 稿 の 狙 い につ い て は,(a)一 般 物 価 変 動 会 計 とカ レ ン ト ・コ ス ト会 計 の 特 徴 を 示 す こ と,(b)英 国 の イ ン フ レ シ ョー ン会 計 にみ られ る多 様 な 進 展 の な か で 提 示 され た 資 本 維 持 概 念 を 論 ず る こ と,(c)取 替 原 価 と剥 奪 価 値 に 関 連 した 資 産 評 価 の 問 題 を 検 討 す る こ とが あ げ られ る。 本 稿 で は,剥 奪 価 値 に よ る ア プ ロー チ は カ レ ン ト ・バ リュー 測 定 の 理 論 的 基 礎 に お いて 重 視 す べ き考 え 方 で あ る こ とが 示 され て い る。. Abstract. The structure. of inflation. namely: the unit of measurement, concept.. With regard. the capital. accounting. maintenance. by three. factors,. the asset valuation method and the capital maintenance. to these three factors, concept are. In order to reveal the property. is determined. crucial. both the asset valuation components. of the alternative. flation, the methods of measuring to two main factors:. an asset valuation. concept.. The aims of this paper. and. of income measurement.. approaches. net income and financial. according. method. to accounting. for in-. position might be classified. method and a capital maintenance. are: (a) to describe. the characteristics. of general. price-level accounting and current cost accounting, (b) to argue for the concepts of capital maintenance proposed in the various processes of inflation accounting in the United Kingdom, and (c) to consider the problems in asset valuation related to replacement cost and deprival value.. In this paper,. it will be shown. value approach. of a theoretical. basis of current. キ ー ワー ド. is worthy. ー 般 物 価 変 動 会 計,カ. ail. 4146.. 原 稿 受 理 日2012年5月8日. that. the idea of deprival. value measurement.. レ ン ト ・コス ト会 計,財 務 的 資 本 維 持,物 的 資 本 維 持,.

(2) 第59巻. 1は. 第1号. じ. め. に. 歴 史 的 原 価(取 得 原 価)を べ 一 ス とす る会 計 に時 価 概 念 の 導 入 が み られ る と い う観 点 か ら現 在 の 会 計 モデ ル を 捉 え る と,そ の 会 計 モデ ル は原 価 ・時 価 ハ イ ブ リ ッ ド会 計 と して 理 解 す る こ とが で き る。 現 在 の 会 計 モ デル と して 特 徴 づ け られ る原 価 ・時 価 ハ イ ブ リ ッ ド会 計 の 背 景 につ いて は,会 計 上 の 関 心 の お き ど こ ろが,プ. ロ ダ ク ト型 市 場 経 済 か ら フ ァ イ ナ. ンス型 市 場 経 済 を前 提 とす る理 論 に移 行 した とみ る見 解 が あ げ られ る(1)。原 価 ・時 価 ハ イ ブ リ ッ ド会 計 にみ られ る時 価 概 念 を 考 え る上 で,物 価 変 動 会 計 の 領 域 で 検 討 され た 時 価 概 念 を考 察 す る こ と は意 義 の あ る こ と と いえ る。 周 知 の よ う に,物 価 変 動 会 計 は,歴 史 的 原 価 主 義 会 計 に対 す る批 判 を 出発 点 と し,展 開 をみ た研 究 領 域 で あ る。 歴 史 的 原 価 会 計 に対 す る批 判 につ いて は,次 の 三 つ に纏 め られ る こ とが で き る(2)。 第 一 は,会 計 上 の 測 定 単 位 に眼 差 しを 向 け た批 判 で あ る。 歴 史 的 原 価 会 計 で は,会 計 上 の 測 定 単 位 と して 名 目貨 幣 単 位 が 用 い られ るの で,貨 幣 価 値 変 動 を 原 因 と して,同 質 的 尺 度 に よ る会 計 上 の 記 録 ・計 算 に混 乱 が 生 ず る。 その 結 果,特 定 の 会 計 期 間 にお け る損 益 計 算 は,異 な る測 定 単 位 に よ って 行 わ れ る こ と とな り,不 合 理 な 計 算 結 果 を 生 ず る こ と にな る とす る批 判 が 行 わ れ る。 ま た,会 計 上 の 数 値 に基 づ く期 間 比 較 可 能 性 は失 わ れ る こ と, 並 び に会 計 数 値 に よ る企 業 相 互 間 の 比 較 可 能 性 が 阻 害 され る こ と,こ れ らの 問 題 点 が 指 摘 され る。 第 二 は,会 計 上 の 維 持 す べ き資 本 概 念 に関 して 向 け られ た批 判 で あ る。 歴 史 的 原 価 会 計 で は,維 持 す べ き資 本 概 念 が 名 目資 本 貨 幣 概 念 に求 め られ て い る。 そ こで は,歴 史 的 原 価 が,投 下 貨 幣 資 本 の 回 収 維 持 計 算 の べ 一 ス とな り,受 託 され た名 目貨 幣 資 本 額 に関 す る会 計 責 任 の 設 定 ・解 除 を 明 らか にす る。 企 業 の 財 産 の 保 全 と運 用 に関 す る会 計 主 体 の 会 計 責 任 の 設 定 か ら解 除 に至 る過 程 を 明 らか にす る機 能 を 担 う もの が,歴 史 的 原 価 と され るの で あ る。 しか しな が ら,物 価 水 準 上 昇 期 に は,い わ ゆ る資 本 の食 い潰 しが生 じる こ とに よ り, 企 業 の 実 体 的 基 盤 ・営 業 能 力 の 維 持 が 不 可 能 にな る。 それ ゆえ に,受 託 され た 名 目貨 幣 資. (1)武 田隆 二 「会 計 学 認 識 の 基 点 」 「企 業 会 計 」 第53巻 第1号(平 成13年1月),4-6頁 。 プ ロダ ク ト型 市 場 経 済 と フ ァイ ナ ンス 型 市 場 経 済 につ いて は,下 記 の 文 献 を 参 照 した 。 武 田隆 二 「最 新 財 務 諸 表 論 」(第11版)中 央 経 済 社,平 成20年,680-682頁 (2)歴 史 的 原 価 会 計 に対 す る批 判 に関 して は,下 記 の 拙 著 を 参 照 され た い 。 山 口忠 昭 「物 価 変 動 会 計 論 」 同 文 舘,平 成6年,10-15頁 。 -280(280)一. 。.

(3) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) 本 額 が 維 持 され れ ば,こ れ に よ って 受 託 責 任 が 果 た され る こ と にな るの か と い う批 判 が あ る。 ま た,名 目貨 幣 資 本 維 持 が と られ る こ とか ら,企 業 の 実 体 的 基 盤 の 維 持 は不 可 能 で あ る とす る批 判 が あ げ られ る。 この 批 判 は,企 業 の 営 業 能 力 の 維 持,存 続 に関 す る もの で あ り,企 業 の 資 本 維 持 問 題 を 提 起 す る こ と とな る。 第 三 は,資 産 評 価 基 準 に関 す る批 判 で あ る。 歴 史 的 原 価 会 計 にお いて,資 産 に は取 得 時 点 に お け る購 入 価 格 が 付 され,こ れ が 帳 簿 価 額 と され る。 貸 借 対 照 表 日か ら取 得 時 の 購 入 価 額 をみ る と,購 入 価 額 は過 去 の 取 引 に よ って 生 じた歴 史 的 原 価(過 去 原 価)と. いうこと. にな る。 その 結 果,物 価 変 動 時 に は,歴 史 的 原 価 に基 づ く資 産 の 価 値 は,そ の 実 態 を 適 切 に反 映 す る もの で はな い。 したが って,歴 史 的 原 価 会 計 に対 す る批 判 と して,歴 史 的 原 価 会 計 が 資 産 の カ レン ト ・バ リュー を 示 さな い こ とか ら,経 済 的 実 態 を 反 映 した 適 時 な 会 計 情 報 の 提 供 に支 障 を き たす こ とが あ げ られ るの で あ る。 物 価変 動 会 計 は,物 価 変 動 の影 響 を会 計上 の事 実 と して積 極 的 に認識 し,会 計上 の測 定 ・ 伝 達 に反 映 させ よ う とす る会 計 シ ス テ ムで あ る。 物 価 変 動 会 計 で は,物 価 変 動 な る経 済 的 事 象 を会 計 上 の 事 実 と して 認 識 す る こ とが,企 業 の 本 質 的 指 標 で あ る資 本 ・利 益 にか か わ る情 報 に と って 意 義 を もつ と され る。 したが って,維 持 す べ き資 本 概 念 と利 益 測 定 が,会 計 上,重 視 され るべ き問 題 と して 提 起 され る こ と とな る。 本 稿 の ね らい は,物 価 変 動 会 計 で 主 張 され た時 価 主 義 会 計 の 所 説 を 考 察 し,時 価 評 価 の もつ 意 義 を検 討 す る こ と に あ る。 会 計 上 の カ レン ト ・バ リュー に よ る測 定 上 の 問 題 を 検 討 す る場 合,時 価 に基 づ く評 価 は,維 持 す べ き資 本 概 念 と資 産 評 価 の な か に鮮 明 な 形 姿 で あ らわ れ て い る。 そ こで,資 本 維 持 概 念 と資 産 評 価 基 準 との 結 合 関 係 か ら物 価 変 動 会 計 の 会 計 シ ス テ ムの 類 型 が 捉 え られ て い る。 英 国 物 価 変 動 会 計 の 展 開 の 過 程 につ いて み る と き, イ ンフ レ率 の 上 昇 と い う経 済 的 要 因 を 背 景 に,会 計 士 団 体 等 に よ る公 的 見 解 が1940年 代 後 半 か ら1980年 まで の 間 に公 表 され て き た。 公 表 され た もの の な か で 主 要 な 見 解 を み る と, 歴 史 的 原 価 会 計 を 堅 持 す る所 説,一 般 物 価 変 動 会 計 も し くは カ レン ト ・コ ス ト会 計 を 主 張 す る所 説 が 主 張 され て い る。1970年 代 に は,資 産 の カ レン ト ・バ リュー の 測 定 の た め に, 剥 奪 価 値 に基 づ く資 産 評 価 の考 え 方 が,英. 国 の 会 計 実 務 基 準 書(SSAP)の. なかで適用 さ. れ て い る。 本 稿 は,こ れ らの 所 説 を 検 討 す る こ と に よ り,物 価 変 動 会 計 の 研 究 領 域 で 展 開 され た時 価 主 義 の 思 考 に は,い か な る意 義 が あ るの か を 明 らか にす る もの で あ る。. 一281(281)一.

(4) 第59巻. H会. 第1号. 計上 の資本維持概念 ・資産評価基準 と会計 システム. u.triigmfafi3t1:-_4-J<Ttit3tnomL. t.,--ct-rzv*AwiL. (undercapitalisation). ON,Ct,tittitMN.tsbv---cik0' to. NV. it*L. ird-0),_Asclktblfel4t4-t,v4ts.. tfi;tt,ZLLLtsZo. -L-i-1-± -0-YR*ICtr,----D 0-C. tittopi-DbiJ5Zo. VTAMDt*ti&N:,. rWAa. 4,V*W*. tztop-czo _LoW*bvIAVtirnt. ---ctU 611,Z tfriAITR*Ia't. trITIftvC0Z. o,. gmw*igttl:-A--4-zo. tseitsitEM01-)-t tvz.. W*INNI.1111V• 1=-14ntstIVAZ `c. o. V*Iti:17:H:,. ItItn. SUMV*tittof. ft. Zo. tfilifiA.'lipNto-ki-ThA5*-A0DMill.1-,:imu-ut,. tiAlt*W1411ittLilg,i-flafiAttAL. zo wutnict. WeaffdfiVILog,*rimb,. 81-1. Z(3). 図 表1-1. 資本維持概念. カ レ ン ト ・バ リ ュ ー に. 歴史 的原価. 歴史 的原 価 ×一般 物価 指数. 資産評価基準. 基 づ く基 準 (カ レ ン ト ・コス ト等). 名 目貨幣資本. ㈲. 実質資本 名 目貨幣資本 ×一般物価指数 (所有主の一般購買力). ⑧. 実体資本 (営業能力資本). ◎. ◎. (3)J.Arnold,T.Hope,A.Southworth,F'η. αηc'α1、4cco醜 励&Prentice-HallInternational. (UK),London,1985,p.268. 資 本 維 持 概 念 と 資 産 評 価 基 準 と の 結 合 関 係 か ら 会 計 シ ス テ ム の 類 型 を 整 理 す る 見 解 に つ い て は, 次 の 文 献 を あげ る こ とが で き る。 R. S. Gynther, Capital Maintenance, Bloom,. P. T. Elgers,. (ed.),. Accountin2. Price Theory. 一282(282)一. ,. Changes, &. and Profit Determination, Harcourt Brace Jovanovich,. in R. Inc..?.

(5)                 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口)   図 表1-1に. お い て,㈹ の会 計 シス テ ム は歴 史 的原 価 会 計 で あ る。 歴 史 的原 価 会 計 で は,. 維 持 す べ き資 本 概 念 と して 名 目貨 幣 資 本 概 念,資 産 評 価 基 準 に歴 史 的 原 価 が 適 用 され る。 (Bの 会 計 シ ス テ ム に お いて は,維 持 す べ き資 本 概 念 と して 名 目貨 幣 資 本 に一 般 物 価 指 数 を 乗 じた もの(一 般 貨 幣 購 買 力 資 本)が 適 用 され,歴 史 的 原 価 に一 般 物 価 指 数 を 乗 じた もの (修正 原 価)が. 資 産 評 価 基 準 とさ れ る。 一 般 的 に,(B)の 会 計 シ ス テ ムが 一 般 物 価 変 動 会 計. あ る い は一 般 物 価 水 準 変 動 会 計 と称 せ られ て い る。 ◎ の 会 計 シ ス テ ム につ いて み る と,そ の 会 計 シ ス テ ム は資 本 維 持 概 念 に実 質 資 本 概 念 を,資 産 評 価 基 準 に カ レン ト ・コ ス トを 適 用 す る もの で あ る。 この会 計 シ ステ ム は,カ レ ン ト ・コス ト ・安 定 購 買 力 会 計(CC-CPPA) と称 され て い るq)。◎ の会 計 シス テ ム は,カ レ ン ト ・コス ト会 計 と呼 ば れ て い る。 図表11の 名 目貨 幣 資 本 概 念 と実 質 資 本 概 念 は財 務 的 資 本 維 持 に,実 体(営 業 能 力)資 本 概 念 は 物 的 資 本 維 持 に結 びつ くもの で あ る。 維 持 す べ き資 本 概 念 と資 産 評 価 基 準 を 詳 細 に捉 え る と,図 表1-1で. 示 され た もの 以 外 に,い. くつ か の 会 計 シ ステ ム を あ げ る こ とが 可 能 で あ. る。 こ こで は,歴 史 的 原 価 会 計,一 般 物 価 変 動 会 計,カ. レ ン ト ・コ ス ト会 計 に関 す る資 本. 維 持 概 念 と資 産 評 価 基 準 の 相 違 を 明 らか にす る た め に,三 つ の 資 本 維 持 概 念 と資 産 評 価 基 準 との 結 合 関 係 か ら会 計 シ ス テ ムの 類 型 を 整 理 す る こ とが 試 み られ て い る。   物 価 変 動 会 計 の 対 象 と して,ど の よ うな 物 価 の 変 動 を 取 り扱 うか と い う視 点 か ら物 価 変 動 会 計 の 会 計 シ ス テ ムを 分 類 す る場 合 が あ る。 物 価 変 動 に は,一 般 物 価 変 動 と個 別 価 格 変 動 と い う二 つ の 局 面 が あ る。 一 般 物 価 変 動 の 局 面 に着 目 し,一 般 物 価 変 動 の 影 響 を 会 計 上 の 事 実 と して 積 極 的 に認 識 し,会 計 上 の 測 定 ・伝 達 に反 映 させ よ う とす る会 計 シ ス テ ムが 一 般 物 価 変 動 会 計 と呼 ばれ て い る。 い ま一 つ の 局 面 と して の 個 別 価 格 変 動 に焦 点 を あて た 会 計 シ ス テ ム が 個 別 価 格 変 動 会 計 と称 され て い る。 個 別 価 格 変 動 会 計 を 図 表1-1で. 示す. と,そ れ は◎ の 会 計 シ ス テ ム,つ ま りカ レン ト ・コ ス ト会 計 に該 当 す る こ と にな る。   資 本 維 持 概 念 に関 す る見 方 は,二 つ に大 別 し,捉 え る こ とが 可 能 で あ る(5)。 そ の一 つ は,. \NewYork,1981,pp.342-343. G.Whittington,丁. 加E16〃26脇(ガAcco醐'加&CambridgeUniversityPress,Cambridge,. 1992,p.118。 田中茂次. 「物 価 変 動 会 計 の 基 礎 理 論 」 同 文 舘,平. 木 内 佳 市,山 (4)カ. 口忠 昭 他. 成 元 年,26-28頁. 『会 計 情 報 の 基 礎 研 究 』 同 文 舘,平. レ ン ト ・ コ ス ト ・安 定 購 買 力 会 計(CC-CPPA)に. 。. 成8年3月,20-21頁. つ い て み れ ば,バ. 。 ク ス ター 等 の 所 説 が あ. げ られ る。 W.T.Baxter,Inflation:aHybridofCCAandCPPNeeded,Accountancy,September 1985. (5)G.Whittington,CapitalMaintenanceConceptsinCurrentCostAccounting:Recent DevelopmentintheUnitedKingdom,inB.CarsbergandS.Dev,(eds.),Eκ'6rη R6」ρoπ'η8,Pr6η"c6Hα. αげ 伽. ηdol. 〃,1984,p。149.. ちな み に,下 記 の 文 献 にお い て は,資 本 維 持 に 関 して,所 有 主 の 立 場 と企 業 主 体 の 立 場 の 対 立/ 一283(283)一.

(6) 第59巻 企 業 主 体(entity)ア. 第1号. プ ロー チ に基 づ く資 本 概 念 で あ る。 い ま一 つ は所 有 主(proprietary). ア プ ロ ー チ に よ って 捉 え られ る資 本 概 念 で あ る。 企 業 主 体 ア プ ロー チ は物 的 資 本 維 持 に, 所 有 主 ア プ ロ ー チ は財 務 的 資 本 維 持 に関 連 づ けて 捉 え られ る こ と にな る。 ちな み に,ギ ン サ ーの 所 説 に お いて も,会 計 主 体 を 二 つ の 立 場,す な わ ち所 有 主 の 立 場 と企 業 主 体 の 立 場 と の二 つ に大 別 して資 本 維 持 観 が整 理 され て い る(6>。こ こに 会 計 主 体 の 観 点 と は,会 計 が 誰 の た め に,い か な る 目的 で 行 わ れ るの か と い う こ とを 意 味 す る。 した が って,所 有 主 の 立 場 に立 脚 す る資 本 維 持 観 と企 業 主 体 に たつ 資 本 維 持 観 との 対 立 は,会 計 が 誰 の た め に, いか な る 目的 で 行 わ れ るの か と い う会 計 主 体 に関 す る見 解 の 相 違 に帰 着 す るの で あ る。 財 務 的 資 本 維 持 と物 的 資 本 維 持 を 会 計 主 体 の 観 点 か らみ る考 え 方 は,維 持 す べ き資 本 概 念 を 考 察 す る上 で 重 視 す べ き もの と いえ る。 そ して,物 価 変 動 会 計 の 研 究 領 域 にお いて,会 計 主 体 の 観 点 か ら財 務 的 資 本 維 持 と実 体 資 本 維 持 を 捉 え る ア プ ロー チが 説 か れ るの も,維 持 す べ き資 本 概 念 を 前 提 とす る資 本 回 収 計 算 の 考 え 方 を 重 視 す る こ とが 基 底 に存 す るか らで あ る。. 皿. 1.. 英国の物価変動会計の展開. -AQtmommiyaritommizimtze rittifitf)j,7-,1-1-,:134-4--zarAoLV41:-Do-c,. —ff L -Coi-ot-5 a o1'(afigu1,-7---ivoaria. opAnrc-_-Do---cli-z L. , 4 2 7 l/TrcOD _Ert-L 0.5 Obiri'vM7111A1-,:...,. -±1110:Nr —tz.-D--c!Lt. 1-1,-c to. iipzitr:13g--4-z5Z#1-c-AL-cH:,. 19401-M*b &-R-0)*1. 61980. %/AlvAMbl-ka. V-corkiltl-t.tzfy1M. -1 --(74-:-ttt,z.t.5. 1:-_, &kw-4-z ,:.Lbl--c. z 0 1940*1-MT-b. 61960*1. --coltffiNj-,4-1i-,:ff;fpz. 3Zg /:.-_ --D(1 -c-/t,. VW-c. Z „I:.5 1::, ICAEW 1:_..t:Z-k4t1P-11111,-TrP,10121-6-rts LH-D0D3ZN^Vi-s.. t/---cif. z L Lb---c-Z.. —MtlifitMk4ttLKH:ti. LoK---D0)3M-:_tviv-z-t, ./1-.2A1—k41-4K-J--z. 1 - 1 aG t 0) L. trtZYMafigsr-I4*-4-zAfifi, .M.Mbloli-611,z.. \が 指 摘 され て い る。. G. Whittington, Inflation Accounting:All The Answers,University College Cardiff Press, Cardiff, 1981, pp.8-10. (6) R. S. Gynther, Capital Maintenance, Price Changes, and Profit Determination, The Accounting Review,Vol. 45 No. 4, October 1970, pp.712-730. 284 ( 284 )—.

(7) 物 価 変 動 下 にお け る会 計 上 の 資 本 概 念 と時 価 概 念(山. 口). 表1-1 タイ トル. 公表団体名. 公表年 1949. ICAEW. 会 計 原 則 勧 告 書 第12号. 1952. ICAEW. 会 計原 則 勧 告 書 第15号 「貨 幣購 買 力 の 変動 に 関す る会 計 」. 1952. ICWA. 「物 価 水 準 変 動 に 関 す る会 計 』. 1952. ACCA. 「イ ン フ レー シ ョン会 計 』. 1968. ICAEW. 「イ ン フ レー シ ョン期 にお け る受 託 責 任 の た め の 会 計 」. 1971. ASSC. 「イ ン フ レー シ ョン と会 計 」. 1973. ASSC. ED8「 貨 幣 購買 力 変 動 の た め の 会 計 」. 1974. ASSC. SSAP7,暫 定 会 計 実 務 基 準 書 第7号 ための会計」. 1975. InflationAccountingCommittee. 1976. ASC. ED18「. 1977. ASC. ハ イ ド ・ガ イ ドライ ン. 1979. ASC. ED24「. 1980. ASC. SSAP16「. 略. 称. 「物 価 水 準 の 上 昇 と会 計 」. 『貨 幣 購 買 力 変 動 の. 「イ ン フ レー シ ョン会 計 』(サ ンデ ィ ラ ンズ ・ リポ ー ト) カ レ ン ト ・コス ト会 計」 カ レ ン ト ・コス ト会 計」 カ レ ン ト ・コス ト会 計 」. 団 体 の 名 称. ACCA:. TheAssociationofCertifiedandCorporateAccountants. ASSC:AccountingStandardsSteeringCommittee ASC:AccountingStandardsCommittee ICAEW:TheInstituteofCharteredAccountantsinEnglandandWales ICWA:TheInsituteofCostandWorksAccountants. 2.一. 般 物 価 変 動 会 計 の 展 開 一1940年 代 後 半 か ら60年 代 のICAEWの. 見解一. (1)会 計 原 則 勧 告 書 第12号 と会 計 原 則 勧 告 書 第15号 表1-1か. ら理 解 で き る よ う に,ICAEWは,1949年. す る会 計 原 則 勧 告 書 第12号 を,1952年. に 「物 価 水 準 の 上 昇 と 会 計 」(7)と題. に会 計 原 則 勧 告 書 第15号. 「貨 幣 購 買 力 の 変 動 に関 す. る会 計 」(8)を 公 表 した。勧 告 書 第12号 と勧 告 書 第15号 は と もに,歴 史 的 原 価 会 計 を 墨 守 す る 立 場 が と られ て い る 。. 勧 告 書 第12号 で は,物 価 上 昇 期 に お け る資 本 過 少 化 の 問 題 を 取 りあ げて い るが,歴 史 的 原 価 会 計 の 基 づ く損 益 計 算 が 企 業 の 営 業 能 力 を 損 な う場 合 に は,そ の 営 業 能 力 維 持 が 企 業 の 財 務 政 策 の よ って 図 られ るべ きで あ る と して,歴 史 的 原 価 会 計 に基 づ く損 益 計 算 が 堅 持 さ れ て い る(9)。. 勧 告 書 第15号 で は,歴 史 的 原 価 会 計 に は限 界 が 認 め られ る けれ ど も,受 託 責 任 の 目的 の (7)ICAEW,RisingPriceLevelsinRelationtoAccounts,R6co〃. 〃ηεη40"傭oηAcco醐. Pr'ηcψ163,N12,14thJanuary1949. こ こ で は,上. 記 の 文 献 が 勧 告 書 第12号. と 記 さ れ て い る 。. (8)ICAEW,AccountinginRelationtoChangesinthePurchasingPowerofMoney,R8co配 耀 η4α'loη30ηAcco雌'1ηgPrlη こ こ で は,上. ψ16畠N15,30thMay1952.. 記 の 文 献 が 勧 告 書 第15号. と 記 さ れ て い る 。. (9)ICAEW,oμc肱,par。3,par.8. 片 野 一 郎. 「貨 幣 償 値 攣 動 會 計 』(第2版)同. 文 舘,昭. 一285(285)一. 和49年,430頁,433頁. 。. 珈8.

(8) 第59巻 た め に,財. 第1号. 務 諸 表 を 歴 史 的 原 価 に 基 づ く基 準 に よ っ て 作 成 し,そ. の基準の適用を継続すべ. き で あ る と す る 見 解 が 主 張 さ れ て い る 。 こ の 見 解 の 主 張 の た め に,勧 史 的 原 価 会 計 に 対 して,従 に な る 。 勧 告 書 第15号. 来 提 唱 さ れ て き た 会 計 上 の 諸 方 法 が,批. 告 書 第15号 で は,歴. 判 的 に検 討 され る こ と. に い う 従 来 提 唱 さ れ て き た 会 計 上 の 諸 方 法 と は,(a)固. 定資産処理 に. 関 す る 取 替 原 価 法(thereplacementcostofdealingwithfixedassets),(b)固 帳 簿 価 額 引 上 げ(thewriting-upoffixedassets),(c)棚. 定資産の. 卸 資 産 の 処 理 お よ び固 定 資 産 の. 減 価 償 却 に 関 す る 現 在 的 価 値 法(thecurrentvaluemethodofdealingwithdepreciation andstock-in-trade),(d)貨. 幣 購 買 力 の 変 動 を 反 映 す る た め に会 計 記 録 を 修 正 す る指 数 法. (theindexmethodofadjustingaccountstoreflectchangesinthepurchasingPower ofmoney),こ. れ ら 四 つ で あ るq①。(a),(b)及. び(c)の 三 つ に つ い て は,い. ず れ も時 価 に基 づ. く会 計 方 法 で あ り,部 分 的 修 正 会 計 と し て 捉 え る こ と が で き る 。 勧 告 書 第15号 時 価 に 基 づ く会 計 方 法 が 否 定 さ れ て い る 。 そ の 理 由 と して,時 介 入 す る こ と,固. 定 資 産 の 帳 簿 価 額 の 引 き 上 げ に は,そ. に お い て は,. 価 の 計 上 に は主 観 的 判 断 が. の 適 用 が きわ めて 限 定 され た 範 囲. の な か で の み 妥 当 性 を も つ こ と 等 が あ げ られ て い る 。 指 数 法 に つ い て は,次. の よ うな 指 摘. が 行 わ れ て い る。 (a)指. 数 法 は,歴. は,歴. 史 的 原 価 に 基 づ く会 計 を 変 更 す る た め の 提 案 で は な い 。 む し ろ 指 数 法. 史 的 原 価 に 基 づ く計 算 書 の 修 正 と して 捉 え られ る 。 そ して 修 正 手 続 と して は,. 各 取 引 の 測 定 尺 度 を 是 正 す る た め に,購 (b)指. 数 法 の 適 用 に あ た り,適. 実 践 上 重 視 す べ き は,最 (c)修. 切 な 指 数 が 得 られ る な ら ば,差. した る 問 題 は 生 じな い 。. 新 の 指 数 が 利 用 可 能 と な る こ と に 求 め ら れ る⑫。. 正 範 囲 に つ い て は,固. す べ き で は な く,す. 買 力 指 数 が 用 い られ るql)。. 定 資 産 の 減 価 償 却 と棚 卸 資 産 の 費 用 と い う特 定 項 目 に限 定. べ て の 項 目を 網 羅 す る必 要 が あ る。 貨 幣 性 資 産 及 び負 債 か ら生 ず. る 貨 幣 購 買 力 損 益 が 認 識 さ れ る べ き で あ る ⑱。 (d)指. 数 に よ る 修 正 に あ た り,特. く,貨. 定 財 貨 の 価 格 変 動 を 表 わ す 指 数 が 適 用 され るの で はな. 幣 購 買 力 の 変 動 を 表 す 指 数 の 適 用 に よ る修 正 が 必 要 で あ る。 一 般 購 買 力 指 数 の. 適 用 を め ぐ っ て,い. くつ か の 異 論 を あ げ る こ と が で き る 。 そ れ ゆ え,指. ⑩ICAEW,op.c'乙,par,5.片. 野 一 郎,同. 上 書,471頁. 山 口 忠 昭 「英 国 の 物 価 変 動 会 計 に 関 す る 一 考 察. 数法が歴史的. 。 勧 告 書 第12号. と 第15号. を 中心 と して. 」 『京. 都 学 園 経 営 学 部 論 集 』 第6巻 第3号(平 成9年3月),205-225頁 。 こ こ で は,「 貨 幣 購 買 力 の 変 動 を 反 映 す る た め に 会 計 記 録 を 修 正 す る 指 数 法 」 が 指 数 法 と 記 さ れ て い る。 qD砺. 野 一 郎,同. 上 書,477-478頁. ⑫1∂'4.,par.22.片. 諾,par.21.片. 野 一 郎,同. 上 書,478頁. ⑱1わ. 野 一 郎,同. 上 書,478頁. 磁,par.23.片. 。. 一286(286)一.

(9) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) 原 価 主 義 会 計 に よ る会 計 報 告 の 有 効 な 修 正 方 法 と して 認 め られ る に は,さ らな る検 討 が 必 要 と され るω。 (e)貨 幣 の 一 般 購 買 力 の 理 論 が 妥 当性 を 有 す る もの で あ り,か つ 適 切 な 指 数 が 得 られ よ う と も指 数 法 の 適 用 に関 す る 目的 につ いて 疑 問 が 残 る。 指 数 法 に よ るデ ー タが 歴 史 的 原 価 会 計 に基 づ く財 務 諸 表 の 補 足 資 料 と して の 位 置 に と ど ま るの で あれ ば,そ れ は経 営 者 と株 主 に と って 有 益 な もの で あ る。 しか し,指 数 法 が 新 た な 利 益 概 念 を 導 入 す る もの と して 位 置 づ け られ るな らば,指 数 法 の 適 用 は,会 計 上 の 問 題 領 域 を 越 え た もの にな る だ ろ う⑮。 上 記 の(a)につ いて み る と,指 数 法 は,歴 史 的 原 価 会 計 に基 づ く計 算 書 の 修 正 で あ り,測 定 尺 度 の 統 一 の た め に購 買 力 指 数 を 適 用 す る こ とが 説 か れ て い る。(b)に関 して は,測 定 尺 度 を是 正 す る た めの 適 切 な 指 数 が 入 手 可 能 か 否 か が 問 題 と され て い る。(c)は,指 数 法 に よ る修 正 範 囲 を あ げ,貨 幣 購 買 力 損 益 を 認 識 す べ しとす る。(d)につ いて は,指 数 修 正 に は, 個 別 価 格 指 数 で はな く,一 般 購 買 力 指 数 の 適 用 が 考 え られ るが,指 数 法 の 適 用 に は更 な る 検 討 を要 す る と され る。(e)に関 して は,歴 史 的 原 価 会 計 に基 づ く財 務 諸 表 の 補 足 資 料 と し て 指 数 法 を 位 置 づ け るの で あ れ ば,指 数 法 は経 営者,株 主 に と って 有 益 で は あ るけ れ ど も, 指 数 法 と それ に基 づ く利 益 概 念 に は問 題 が あ る と して い る。 した が って,勧 告 書 第15号 で は,指 数 法 に よ る デー タが 歴 史 的 原 価 会 計 の 基 づ く財 務 諸 表 の 補 足 資 料 の 意 義 を 認 め る も の の,指 数 法 の 適 用 に は問 題 視 す る立 場 が と られ て い るの で あ る⑯。. (2)ICAEWの. 調 査 委 員 会 の所 説. 1960年 代 に入 る と,ICAEWの. 調 査 委 員 会 は,1968年. に 『イ ン フ レー シ ョン期 にお け る. 受 託 責 任 の た め の 会 計 』(1の を公 表 した。勧告 書 第15号 の公 表以 後,貨 幣 価 値 は1952年 当時 と 比 較 して,約3分1ま. で 下 落 した とい う事 実 が あ げ られ るq8)。か か る貨 幣 価 値 の 下 落 とそ. の 下 落 傾 向 と い う経 済 的 状 況 下 で,ICAEWの ICAEWの. 調 査 委 員 会 の所 説 が公 表 さ れ た の で あ る。. 調 査 委 員 会 の 所 説 は,貨 幣 価 値 の 漸 進 的 な 下 落 が 多 年 度 にわ た って 進 行 す れ. ば,貨 幣 価 値 下 落 の 進 行 は企 業 会 計 に重 要 な 影 響 を 及 ぼす とみ る⑲。 そ こで,指. 数法を適. 用 した場 合 に は,(イ)当該 会 計 年 度 の 貨 幣 価 値 水 準 を べ 一 ス と した収 益 と費 用 の 対 応 計 算, ⑭. 砺. ⑮1わ ⑯. 諾,par.24.片 泓,par.25.片. 砺. 諾,par.21-25.片. ⑰ICAEW,Acco襯'ηgか. 野 一 郎,同. 上 書,478-479頁. 野 一・ 郎,同. 上 書,479頁. 野 一 郎,同 ∫酬. 。 。. 上 書,477-479頁 α庸. 乃ψ'η. 。. αP6r'040ゾ1昭. TheInstituteofCharteredAccountantsinEnglandandWales,August1968. q8)1∂'4.,par.2. qg)1わ1紘,par.4.. -287(287)一. α'lo陥TheResearchFoundationof.

(10) M59 (2)1AVIrlItta. t. s-Ki31tsz c),H1',45-YR* (equity tt Z. t. intW*Nit4L tabu. /0 1 1-4. toDL. capital). zlINA't*NoWE. GE- -Do. J; ts. 61-1,--c z. , ti14-). z(200. (t,. °Dm-mg. ICAEW. 0DAATc:01-k9)Pfii---A. Mf.Jc&r_A-J < 0 WIR&I-c-..4--j <. L -at,. Lizt. L.-liA--MtfafititkiaL. op. 0.5. L --c. ScRtti,Z. , iftiltRaUTo. t-,.:6-61-..M(^. -D 0-cai-J-z trtffiTIM0DA)11bii-OJI. , ICAEW tv-c. ts. Z.. —)Mtlab*. ARWItfafilnz,. V2D0. Nk:b L-ci-J-ZL.-LI:: ct: 0 , ofitUL. MrcitTRop rdltgb4*±-4-. -0)5-}Cbgfifit. &DAMIt. Gik. 21-t,(Jf,. ct z. WV*. (3-L*). ts. opkW. MR*0)RMINIntaq. <. aW,. Lz,. , ICAEW. ,. 3.カ. レ ン ト ・コ ス ト会 計 の 展 開 一1950年. 1952年. に,ACCAは. 代 のACCAとICWAの. 『イ ン フ レ ー シ ョ ン会 計 』⑳ を,ICWAは. 会 計 』㈱ と 題 す る 一 書 を 刊 行 し た 。 奇 し く も1952年. は,ICAEWに. J:. z fil1WWIVI. —. さ れ た 年 で も あ る 。ACCAとICWAの. IJv. ,. 所説一 「物 価 水 準 変 動 に 関 す る よ る 勧 告 書 第15号 が 公 表. 所 説 に み られ る 考 え 方 は カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 と. (20 Ibid., par.40. (21) Ibid., pars.12-13. (22) Association of Certified and Corporate Accountants, Taxation and Research Committee, Accounting for Inflation, A Study of Techniques under Conditions of Changing Price Levels, Gee and Company, London, 1952. (23) Institute of Cost and Works Accountants, Research and Technical Committee, The Accountancy of Changing Price Levels, The Institute of Cost and Works Accountants, Gee & Co Ltd, London, 1952.. 288 ( 288 )—.

(11) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) 呼 ばれ る もの で あ る。 両 者 の 所 説 の 特 徴 につ いて み れ ば,そ の 特 徴 は,物 価 変 動 の 局 面 の う ち,個 別 価 格 変 動 に力 点 を お き,そ こか ら会 計 シ ス テ ムの あ り方 が 問 わ れ て い る点 に あ る。 す な わ ち,両 者 の 所 説 は,企 業 それ 自体 の 事 業 活 動 に と って 必 要 と され る資 産 の 個 別 価 格 の 変 動 を,会 計 上 の 認 識,測 定,伝 達 に反 映 させ よ う とす る もの で あ る⑳。. (1)ACCAの ACCAの. 所説 所 説 は,物. 価 変 動 会 計 に お け る 基 本 的 ア プ ロ ー チ と し て,取. (replacementcostapproach),予. 測 原 価 ア プ ロ ー チ(anticipatedcostapproach),購. 買 力 ア プ ロ ー チ(purchasingpowerapproach)お costapproach)の. 四 つ を 取 り あ げ,検. ア プ ロ ー チ に お い て は,現. よ び 現 在 原 価 ア プ ロ ー チ(current. 討 して い る ㈱。 取 替 原 価 ア プ ロ ー チ お よ び 現 在 原 価. 在 取 替 原 価 が 資 産 評 価 基 準 と して 用 い ら れ る 。 そ して 予 測 原 価. ア プ ロ ー チ は 割 引 現 在 価 値 を,購. 買 力 ア プ ロ ー チ で は 修 正 原 価 が 資 産 評 価 基 準 と して 適 用. さ れ る 。 こ れ らの 四 つ の ア プ ロ ー チ の う ち,こ. の 所 説 で は,取. 替 原 価 ア プ ロ ー チ,予. 価 ア プ ロ ー チ お よ び 購 買 力 ア プ ロ ー チ に 対 す る 批 判 を 試 み,現 る 立 場 が と られ て い る 。 取 替 原 価 ア プ ロ ー チ,予 チ の 内 容 と そ れ に 対 す る 批 判 に 関 して は,次 取 替 原 価 ア プ ロ ー チ に は,会 方 が あ る 。ACCAの. 所 説 は,か. 測原. 在 原 価 ア プ ロー チ に左 祖 す. 測 原 価 ア プ ロー チお よ び購 買 力 ア プ ロー. の と お りで あ る 。. 計 上 の 減 価 償 却 累 計 額 と資 産 の 取 替 資 金 とを 同一 視 す る見 か る見 方 が ピ グー に よ る所 得 と資 本 概 念 の 捉 え 方 に存 す る. と み る ㈱。 取 替 原 価 ア プ ロ ー チ に 対 す る 批 判 を あ げ る と,た と さ れ て い る こ と,同. 替 原 価 ア ブ゜ロ ー チ. とえ ば 陳腐 化 の 要 因 が 考 慮 外. 一 資 産 の 取 替 調 達 が 将 来 に お い て 確 実 に 行 わ れ る 保 証 は あ りえ な い. こ と 等 の 指 摘 が あ る ⑳。 予 測 原 価 ア プ ロ ー チ は,予. 測 され た将 来 的 な 所 得 を 維 持 しよ う とす る立 場 か ら資 本 概 念. を 捉 え よ う と す る も の で あ る 。 つ ま り,予 維 持 を 図 ろ う と す る も の で あ り,資. 測 原 価 ア プ ロ ー チ は,「 一 定 の 所 得 の 流 列 」㈱ の. 本 維 持 概 念 と して の 成 果 資 本 概 念 を さ す も の と 考 え ら. れ る 。 こ の 資 本 概 念 に お い て は,将 来 的 に 期 待 さ れ る 純 収 入 の 割 引 現 在 価 値 が 用 い ら れ る 。. ⑳ACCAとICWAの 山 口忠 昭. 所 説 に つ い て は,下. 学 園 経 営 学 部 論 集 」 第9巻 山 口忠 昭. 記 の拙 稿 を参 照 され た い。. 「物 価 変 動 会 計 の 理 論 構 造 に 関 す る 一 考 察 一A.C.C,A.の 第1号(平. 成11年7月),1-17頁. 「英 国 の 時 価 主 義 会 計 に 関 す る 一 考 察 一1.C.W.A.の. 経 営 学 部 論 集 」 第10巻. 第1号(平. 成12年7月),1-20頁. 飼ACCA,oρ.c肱,pp.52-60. (2③1わ'(乳,p.52. (27)14'4.,p54. (2⑳1わ1紘,p.55. -289(289)一. 所 説 を 中 心 と し て 一 」 『京 都. 。 。. 所 説 を 中 心 と し て 一 」 『京 都 学 園.

(12) 第59巻. 第1号. か くて,予 測 原 価 ア プ ロー チで は,資 本 概 念 が,一 定 の 所 得 の 流 列 の 維 持 と い う考 え を 先 行 させ る こ と に よ って 捉 え られ て い る。 予 測 原 価 ア プ ロー チの 問 題 点 につ いて は,そ の ア プ ロ ー チ に主 観 的 要 素 が 内在 して い る こ とが 指 摘 され て い る⑳。 購 買 力 ア プ ロ ー チ に関 して み る と,こ の ア プ ロ ー チ は安 定化 会 計(stabilizedaccounting) と して 展 開 を み た とさ れ る⑳。 安 定 化 会 計 の特 徴 に 関 して は,会 計 上 の数 値 に関 す る比 較 可 能 性 の確 保 が あ げ らがD,測. 定 尺 度 の統 一 を は か る こ とが 眼 目 と され る。 な お 安 定 化 会. 計 は,勧 告 書 第15号 で検 討 され た 指数 法 を さす もの で あ る。ACCAの. 所 説 に お い て,安 定. 化 会 計 の ね らい は イ ン フ レー シ ョンが 会 計 に及 ぼす 影 響 を 取 り除 くこ と にお か れ る けれ ど も,安 定 化 会 計 を 実 施 す る こ とが,逆. に イ ン フ レー シ ョンの 進 行 を 必 然 的 な もの と させ る. の で はな いか とす る批 判 が 行 わ れ て い る靴 現 在 原 価 ア プ ロー チ に お いて は,利 益 計 算 を 行 う場 合,費 用 が 現 在 時 点 を べ 一 ス に して 計 上 され る㈱。 つ ま り,現 在 原 価 ア プ ロー チ に は,費 用 と収 益 が 同 一 水 準 で 対 応 され ね ば な らな い とす る考 え が 存 す るの で あ る。 ちな み に,勧 告 書 第15号 は,「 棚 卸 資産 の 処 理 お よ び 固定 資 産 の 減 価 償 却 に関 す る現 在 的 価 値 法 」 を取 りあ げ,「 棚 卸 資 産 の処 理 お よ び固 定 資 産 の 減 価 償 却 に関 す る現 在 価 値 法 の 目的 は,資 産 の 費 消 に基 づ いて 生 ず る費 用 を,費 消 され た資 産 の 貨 幣 的 原 価 に よ らず に,現 在 的 価 値(currentvalue)で. 計上す ることにあ. る」⑳ とさ れ る。現 在 的 価 値 法 にお い て は,資 産 の現 在 取 替 原 価 に基 づ いて 費 用 化 計 算 を 行 う こ との み が,会 計 上 の 適 切 な 処 理 と され る。 したが って,現 在 原 価 ア プ ロー チ は,勧 告 書 第15号 で 検 討 され た現 在 的 価 値 法 と 同 じ見 方 と して 捉 え られ る こ とが 可 能 で あ る。 ACCAの. 所 説 で は,現 在 取 替 原 価 が 資 産 の 現 在 的 な 資 本 価 値(capitalvalue)に. 関す. る市 場 の評 価 を あ らわす と され る㈱。す なわ ち,資 産 の もつ 資 本 価 値 が現 在 取 替 原 価 に よ っ て 代 位 され る と し,そ して 現 在 取 替 原 価 に基 づ く費 用 計 上 が,固 定 資 産 の 利 用 か ら生 じた 現 在 的 コ ス トの 回 収 につ な が る とす る。 それ ゆえACCAの. 所 説 に み られ る利 益 概 念 で は,. 現 在 取 替 原 価 に基 づ く費 用 と収 益 との 対 応 計 算 に よ って 導 出 され た 当 期 操 業 利 益 に重 きが おか れ る こ と とな る。ACCAの. 所 説 に よ る 固定 資 産 の処 理 を み る 限 り,現 在 取 替 原 価 に基. (291∂4.pp.55-56. ㊤①1わ. 紘P.57.. ⑤D1わ(乳pp.57-58. ㊤2)1わ. 諾p58.. ⑤31わ(乳P.59. ㊤のInstltuteofCharteredAccountantsinEnglandandWales,op.c肱,par.14. こ こ で は,「. 棚 卸 資 産 の 処 理 お よ び 固 定 資 産 の 減 価 償 却 に 関 す る 現 在 的 価 値 法 」 を 現 在 的 価 値. 法 と 記 さ れ て い る 。 ㊤∂1わ1紘,P.65.. -290(290)一.

(13) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) つ く減 価償 却 費 の計 上 に よ って,各 年 度 で費 消 され た 資本 価 値 を 回収 す る思 考 が み られ る。 か か る思 考 は企 業 の 物 的 資 本 維 持 に結 びつ く。 会 計 主 体 の 観 点 か らACCAの. 所説を捉え. れ ば,こ の 所 説 は企 業 主 体 の 立 場 に立 脚 した理 論 と いえ る。. (2)ICWAの. 所説. ICWAの れ,そ. 所 説 に お いて は,経 済 的 事 実(economicfact)を. の 会 計 情 報 に は,次. 反 映 す る会 計 情 報 が 重 視 さ. の三 つ の 内容 が示 され ね ば な らな い と され る㈹。 す な わ ち,第. 一 の 内容 は,現 存 資 産 の 取 替 調 達 の た め に,ど れ だ けの 利 益 留 保 が 必 要 と され るか を 示 す こ とで あ る。 第 二 に,原 初 的 に醸 出 され た資 本 の 実 質 価 値(realvalue)が るか 否 か を示 す こ と,そ. 維 持 され て い. して 資 本 の 維 持 に関 連 して,稼 得 され た利 益 の 状 況 を 明 らか にす. る こ とが あ げ られ る。 第 三 は,現 在 的 な 貨 幣 価 値 の 観 点 か ら企 業 の 財 政 状 態 を 示 す こ とで あ る。 これ ら三 つ の 内 容 を 示 す 会 計 情 報 の 提 供 に よ って,実 質 資本(realcapital)の. 維持. と架 空 利 益 の分 配 防止 が 図 られ る とみ るGの 。 ま た,稼 得 され た利 益 の現 実 的 な 趨 勢 の 開 示 な らび に現 在 の 状 況 に立 脚 した将 来 的 な 経 営 計 画 の 策 定 を 可 能 にす る と い う見 方 が 説 か れ て い る㈱。 な お,ICWAの. 所 説 にみ られ る実 質 資 本 概 念 と は,い わ ゆ る購 買 力 資 本 で はな. く,貨 幣 の 個 別 購 買 力 にか か わ る物 的 資 本 概 念 あ る い は実 体 資 本 概 念 を 意 味 す る。 こ こで の 実 質 価 値 は貨 幣 の 個 別 購 買 力 を さす もの で あ る。 ICWAの. 所 説 で は,物 価 水 準 変 動 が す べ て の 企 業 活 動 に等 し く影 響 す る もの で はな いの. で,業 種,業 態 等 に応 じた企 業 活 動 ご と に実 質 価 値 に基 づ く事 業 活 動 の 成 果 を 測 定 す る こ とが 肝 要 で あ る とす る見 解 が説 か れ て い る㈱。 この所 説 に よ れ ば,企 業 の事 業 活 動 は財 務 活 動(financialoperation)と. 製 造 ・取 引 活 動 に二 分 され,こ の 二 つ の 活 動 か ら生 ず る成. 果 に対 して物 価 水準変 動 が影 響 を及 ぼす とされ る㈲。 なお製 造 ・取 引活動 は収 益 活動(revenue operation)を,財. 務 活 動 は事 業 に よ る資 金 調 達 と調 達 資 金 の運 用 を さす もので あ るω。 収. 益 活 動 が 物 価 変 動 との 関 連 で 捉 え られ る と,資 本 財 幽 と収 益 財 ⑬ にか か わ る問 題 が 一 つ の ⑳ICWA,OP.c肱,par.5. ㊤7)1∂'4.,par.6. こ こ で 架 空 利 益 と は,外. 観 上 の 貨 幣 利 益(theguiseofmoneyprofit)を. 意 味 す る。. ㊤⑳1∂4.par6. ㊤91わ. 紘par27.. q①1わ(乳par27-28. qD1わ4.par28. q2)1わ(乳par63. 資 本 財 に は,建. 物,機. 械 装 置,貨. 物 車 両 運 搬 具 等 の 有 形 財 が 含 まれ る。. ㈱1わ'(乳,par.71. 収 益 財 と は,資. 本 財 と し て 定 義 さ れ た も の 以 外 の 財 で,企. 財 と して 定 義 され る。 -291(291)一. 業 に よ って 取 得 され た す べ て の 有 形.

(14)                                  第59巻 第1号 中心 とな る。 この 所 説 で は,物 価 変 動 の 二 つ の 局 面 の う ち,個 別 価 格 変 動 に重 心 を お き, 企 業 に よ る資 本 財 ・収 益 財 の 取 替 調 達 を 図 る思 考 が 主 張 され,物 的 資 本 維 持 の 立 場 が と ら れ て い る。   実 体 資 本 た る収 益 財 ・資 本 財 の 数 量 と い う視 点 か ら貨 幣 数 量 を 捉 え れ ば,貨 幣 価 値 の 変 動 の た め に,た とえ 同一 貨 幣 数 量 で あ って も,そ の 貨 幣 数 量 を も って 同一 数 量 の 収 益 財 ・ 資 本 財 を維 持 す る こ とが 不 可 能 とな る。 そ れ ゆ え,ICWAの. 所 説 に あ っ て は,名 目貨 幣 資. 本 維 持 の 観 点 か ら資 本 の 醸 出者 の 持 分 が 保 全 され る と考 え る こ と は問 題 で あ る とす る立 場 が と られ る。 む しろ企 業 の 経 営 活 動 に不 可 欠 な 収 益 財 ・資 本 財 それ 自体 の 維 持 が,資 本 醸 出者 の 持 分 の 保 全 に繋 が る とみ る。 か く して,こ の 所 説 で は,物 的 資 本 を 維 持 す る こ と に よ って,受 託 責 任 が は た され る とす る見 解 が 主 張 され る こ と とな る鱒。   ICWAの. 所 説 は, ACCAの. 所 説 と 同様 に,物 的 資 本 維 持 を 指 向 し,企 業 主 体 の 立 場 に. 立 っ 理 論 と いえ る。. 4.1970年. 代の英国物価変動会計の展開. (1)一 般 物 価 変 動 会 計 と カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 1970年 代 の 英 国 に お け る物 価 変 動 会 計 の 展 開 を み る と,そ こ に は二 つ の 大 きな 流 れ とそ の 対 立 をみ て と る こ とが で き る。 その 一 つ は一 般 物 価 変 動 会 計 の 流 れ で あ る。 い ま一 つ の 流 れ と して は,カ. レン ト ・コ ス ト会 計 を あ げ る こ とが で き る。 この 二 つ の 流 れ の 拮 抗 の な. か で1970年 代 の 英 国 に お け る物 価 変 動 会 計 が 展 開 され,1975年. 以 降,カ. レン ト ・コ ス ト会. 計 の 方 向で 舵 取 りが 行 わ れ る こ と とな る。 そ して1980年 に公 表 され た 会 計 実 務 基 準 書 第16 号 『カ レ ン ト ・コス ト会 計 』㈲が,英 国 イ ン フ レー シ ョン会 計 の 制 度 化 にお け る一 つ の 到 達 点 とな るの で あ る。 一 般 物 価 変 動 会 計 の 流 れ につ いて み る と,会 計 基 準 運 営 委 員 会(ASSC)は,1973年1 月 のED8「. 貨 幣 購 買 力 変 動 の た め の会 計 』 を 公 に した 後 に,暫 定 会 計 実 務 基 準 書 第7号. 『貨 幣購 買 力 変 動 の た め の会 計 』㈹ を1974年5月. に公 表 した こ とが あ げ られ る。 暫 定 会 計 実. 務 基 準 書 第7号 の 基 本 的 見 解 につ いて は,(イ)歴史 的 原 価 主 義 に基 づ く伝 統 的 財 務 諸 表 が 基 本 財 務 諸 表 と され る こ と,(ロ)一般 物 価 指 数 に よ る貨 幣 購 買 力 修 正 が 伝 統 的 財 務 諸 表 に施 さ れ る こ と,の 貨 幣 購 買 力 修 正 財 務 諸 表 は,補 足 表 と して 基 本 財 務 諸 表 に添 付 され る こ と, (44 Ibid., pars.232-233. (15) Accounting Standards Committee, Current Cost Accounting, Statement of Standard Accounting Practice No.16 (SSAP 16), ASC, London, 1980. (46) Accounting Standards Steering Committee, Accounting for Changes in the Purchasing Power of Money, Provisional Statement of Standard Practice No.7, ASSC, London, 1974.. 292 ( 292 )—.

(15) 物 価 変 動 下 にお け る会 計 上 の 資 本 概 念 と時 価 概 念(山 こ れ ら三 つ が あ げ ら れ る 働。 し た が っ て,一. 口). 般 物 価 変 動 会 計 と い う一 つ の 流 れ を 英 国 の 物. 価 変 動 会 計 の 展 開 の な か にみ て と る こ とが で き る。 次 に,カ て は,サ. レ ン ト ・コ ス ト会 計 の 流 れ を み て み よ う 。 カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 の 流 れ に 関 し. ン デ ィ ラ ン ズ ・ リ ポ ー ト⑱ が1975年9月. サ ン デ ィ ラ ン ズ ・ リ ポ ー トは,一 な く,個. に公 表 され た こ とを あ げ る こ とが で き る。. 般 物 価 水 準 変 動 が 企 業 会 計 に及 ぼ す 影 響 と い う問 題 で は. 別 価 格 水 準 変 動 に焦 点 を あて た会 計 上 の 問 題 を 取 りあ げた の で あ る。 英 国 の 物 価. 変 動 会 計 の 展 開 の な か で サ ン デ ィ ラ ン ズ ・ リ ポ ー トを 捉 え る と,こ れ に よ っ て1975年 現 在 取 替 原 価(カ な わ ち,現. 以 降,. レ ン ト ・コ ス ト)に 基 づ く会 計 シ ス テ ム の 途 が 開 か れ た と み て よ い 。 す. 在 取 替 原 価 と い う 時 価 概 念 を 会 計 上 の 測 定 に 取 り 入 れ る た め に,「 企 業 に と っ. て の 価 値 」㈹,い. わ ゆ る剥 奪 価 値6①の 思 考 が 主 張 さ れ た 。 こ の 主 張 は,英. 国物価変動会計の. 展 開 をみ る うえ で 重 視 す べ き こ との 一 つ で あ る。 会 計 実 務 基 準 書 第16号rカ. レ ン ト ・コ ス ト会 計 』 の 特 徴 に つ い て み る と,(a)カ. コ ス トに 基 づ く利 益 計 算 と(b)資 産 評 価 基 準 と して の. 「企 業 に と っ て の 価 値 」 の 適 用 を あ げ. る こ と が で き る 。 カ レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く利 益 計 算 は,カ 利 益(currentcostopratingprofit)と. レン ト ・. レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く営 業. 株 主 に 帰 属 す る カ レ ン ト ・ コ ス ト利 益(current. costprofitattributabletoshareholders)の. 二 つ の 段 階 に 分 け て 行 わ れ る6D。 第 一 段 階. の カ レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く営 業 利 益 は,現. 存 す る 事 業 を 継 続 し,そ. の事情の営業能力維. 持 に必 要 な 資 金 につ いて の 価 格 変 動 が 考 慮 され た後 の 当該 期 間 の 正 常 な 事 業 活 動 か ら生 ず る 余 剰 額 で あ る 。 カ レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く営 業 利 益 の 計 算 プ ロ セ ス に つ い て み る と,歴 史 的 原 価 会 計 に 基 づ く営 業 利 益 に 対 して 三 つ の 調 整 項 目(減 貨 幣 運 転 資 本 修 正)が. 加 減 さ れ て,カ. 価 償 却 修 正,売. 上 原 価 修 正,. レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く営 業 利 益 が 算 定 さ れ る 。 カ. (47) Ibid., par.12. (48) Inflation Accounting Committee, Inflation Accounting (Sandilands Report), Her Majesty's Stationery Office, London, 1975, Reprinted 1978. (49) Ibid., pp.58-60 (50)W. T. Baxter, Depreciating Assets: the Forward-looking Approach to Value, The Accountant's Magazine, April 1971, p.160. W. T. Baxter, Depreciation, Sweet & Maxwell, London, 1971, p.30, pp,32-36. W. T. Baxter, Accounting Values and Inflation, McGraw-Hill, London, New York, 1975, p.126. W. T. Baxter, Inflation Accounting, Philip Allan, Oxford, 1984, pp.200-201. W. T. Baxter, Asset Values "Goodwill" and Brand Names, Occasional Research Paper No.15, Chartered Association of Certified Accountants, 1993, pp.5-8. バ ク ス タ ー に よ る1971年 じ タ イ. の 論 文 は,1970年12月. ト ル で 掲 載 さ れ て い る 。 な お,こ. W.T.Baxter,Co〃6c'64P叩6r30ηAcco配. のA痴c醐. の 論 文 は,下. ,Vol.6,No.2(December1970)に. η"ηg,ArnoPress,NewYork,1978.. 6DAccountingStandardsCommittee,op.c".,1980,par.6.. 一293(293)一. 同. 記 の バ ク ス タ ー の 論 文 集 に 収 録 さ れ て い る 。.

(16) 第59巻. 第1号. レ ン ト ・コ ス トに基 づ く営 業 利 益 の 計 算 は,総 営 業 能 力 資 本 概 念 を 前 提 と して 行 わ れ る も の で あ る。 第 二 段 階 の 株 主 に帰 属 す る カ レ ン ト ・コ ス ト利 益 は,営 業 能 力 の う ち株 主 持 分 維 持 に必 要 な 資 金 につ いて の 価 格 変 動 の 影 響 を 考 慮 した後 に お け る期 間 剰 余 額 で あ る。 こ の 利 益 は,支 払 利 息,税 金,ギ. ァ リ ング修 正(gearingadjustment)お. よ び異 常 項 目を. 考 慮 に入 れ て 計 算 され る。 株 主 に帰 属 す る カ レン ト ・コ ス ト利 益 は,ギ ァ リン グ修 正 を 行 う こ とか ら,株 主 営 業 能 力 を前 提 と して計 算 さ れ る もの で あ る。な お,ギ ァ リ ング修 正 は, 貸 借 対 照 表 上 の 借 方 側 の 資 産 と貸 方 側 の 自 己資 本 ・他 人 資 本 との つ な が りを 考 慮 す る こ と に よ り,実 現 保 有 利 得 の う ち,負 債 に よ って 調 達 され た資 産 の 部 分 の 保 有 利 得 を 利 益 の 計 算 に含 め,企 業 所 有 者 に帰 属 す る利 益 と考 え よ う とす る もの で あ る⑫。 カ レ ン ト ・コ ス トに基 づ く利 益 計 算 に関 して は,図 表1-2の. よ うに示 す こ とが で き る。. 図 表1-2. 歴史的原価会計 に 基づ く営業利益. 利益修正項 目. <コ. 減価償却修正 売上原価修正. (修 正). 貨幣運転資本修正. カ レ ン ト ・コ ス トに 基 づ く営 業 利 益. ζ. 昌. ギ ァ リン グ修 正. (修 正). 株 主 に帰 属 す る カ レ ン ト ・コ ス ト利 益. 働. ギ ァ リン グ修 正 額 は,次 の よ う に計 算 され る。. ギ・リング修噸 一講. 蓋麟. 嶺ける × 正味借入辮. 灘. 講. の平均額. 営 業 資 産 にお け る価 格 変 動 の 影 響 額 と は,減 価 償 却 修 正,売 上 原 価 修 正,貨 幣 運 転 資 本 修 正 の 三 つ を 加 算 した もの で あ る。 -294(294)一.

(17) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) 会 計 実 務 基 準 書 第16号 の カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 に お い て,「 企 業 に と って の 価 値 」 が, カ レ ン ト ・バ リュー を 示 す た めの 資 産 評 価 の 考 え 方 と して 適 用 され,カ. レン ト ・コ ス トに. 基 づ く営 業 利 益 計 算 の た あ の 費 用 測 定 基 準 と され る。 「企 業 に と って の 価 値 」 は,正. 味現. 在 取 替 原 価 と 回 収 可 能 価 額 か ら構 成 され る㈹。 回 収 可 能 価 額 と は,資 産 の 正 味 実 現 可 能 価 値 と資 産 利 用 か ら回 収 され う る額 と の う ち,い ず れ か 一 方 の 高 い額 で あ る㈲。 な お,資. 産. 利 用 か ら回 収 され う る額 は,使 用 価 値 を 意 味 す る もの で あ る。. (2)剥 奪 価 値 説 ①. 剥 奪 価 値 説 の 内容. 歴 史 的 原 価 会 計 に関 す る問 題 点 と して,貸 借 対 照 表 上 の 資 産 評 価 額 は資 産 の カ レン ト ・ バ リュ ー を示 さな いの で,経 済 的 実 態 を 反 映 した適 時 な 会 計 情 報 の 提 供 に支 障 を きた す こ とが あ げ られ る。 この 問 題 を 解 決 す る に は,会 計 上 の 資 産 が,カ. レン ト ・バ リュー で 測 定. され る必 要 が あ る。 そ こで,剥 奪 価 値 説 に お いて は,会 計 上 の 測 定 に資 産 の カ レン ト ・バ リュ ー を取 り入 れ よ う とす る考 え 方 が 説 か れ る こ と とな る。 資 産 の カ レ ン ト ・バ リュー につ いて は,こ れ を 基 本 的 に三 つ の 評 価 概 念 か ら成 る もの と して 捉 え る こ とが で き る。 こ こ に三 つ の 評 価 概 念 と は,現 有 資 産 の 取 替 原 価(RC),正 実 現 可 能 価 値(NRV)お. よ び使 用 価 値(UV)を. 味. さす 。 これ らの 評 価 概 念 は,資 産 を 評 価. す る現 在 時 点 に お いて,現 有 資 産 の 再 購 入 ・現 有 資 産 の 売 却 ・現 有 資 産 の 継 続 的 利 用 と い う三 つ の評 価 目的 を そ れ ぞ れ 反 映 した もの と い え る。 図表1-3で. は,取 替 原 価,正. 味実. 現 可 能価 値 お よ び使 用 価 値 とい う三 つ の 財務 的測 定 概 念 に よ って現 有 資 産 を評 価 す る とき, 三 つ の 財 務 的 測 定 概 念 に基 づ く資 産 評 価 額 の 大 小 関 係 に は,6つ. の ケ ー スが あ る。 この6. 図 表1-3. ケース. 各 測 定 概 念 に基 づ く. 剥奪価値. 資産評価額の大小関係. (企業 に と って の 価 値). (1). NRV>UV>RC[⇒RC. (2). NRV>RC>UV[⇒RC. (3). UV>RC>NRV[⇒RC. (4). UV>NRV>RC[⇒RC. (5). RC>NRV>UV[⇒NRV. (6). RC>UV>NRV[⇒UV. (531∂'4.,par.42. (54)1わ1紘,par.43.. 一295(295)一.

(18) 第59巻. 第1号. つ の ケ ー ス か ら剥 奪 価 値 が 得 られ る こ とに な る。 図 表1-3は,三. つ の財 務 的測 定 概 念 に. 基 づ く資 産 評 価 額 の 大 小 関 係,剥 奪 価 値(企 業 に と って の 価 値)を 示 して い る飼。 剥 奪 価 値 に基 づ く資 産 評 価 に お い て は,通 常,取 いて,(1),(2),(3),(4)の4つ. 替 原 価 が 適 用 さ れ る。 図 表1-3に. お. の ケ ー ス は,剥 奪 価 値 と して 取 替 原 価 が 選 択 され る こ とを 表. して い る。 これ ら4つ の ケー ス にみ られ る取 替 原 価 の 適 用 につ いて は,現 有 資 産 が 利 用 も し くは処 分 に よ って 喪 失 され た とす れ ば,資 産 の 取 替 調 達 が 行 わ れ るで あ ろ う と い う意 思 決 定 が 仮 定 され て い る。 な ぜ な ら,回 収 可 能 価 額 が 取 替 原 価 を 上 回 る限 り,資 産 の 取 替 調 達 を行 って も,企 業 に と って 採 算 が 充 分 に とれ るか らで あ る。 剥 奪 価 値 説 にお いて,現 有 資 産 の 価 値 の 上 限 につ いて み る と,そ の 上 限 は取 替 原 価 で 測 定 され る こ と にな る。 そ の 理 由 は,資 産 を取 替 調 達 す れ ば,資 産 の 剥 奪 か ら失 わ れ る便 益 はす べ て 回 復 で き る とみ る こ と に あ る。 回 収 可 能 価 額 が 取 替 原 価 を 下 回 る と き に限 り,例 外 的 に回 収 可 能 価 額 が 適 用 され る。 回 収 可 能 価 額 は,使 用 価 値 と正 味 実 現 可 能 価 値 の う ち,い ず れ か 高 い方 の 額 で あ る。 図 表1 -3に. お い て ,(5)と(6)の ケ ー スで は,資 産 の取 替 調 達 を 行 う に値 しな い状 況 が示 され て い. る。(5)のケ ー ス は,現 有 資 産 の 売 却 あ る い は継 続 的 利 用 の う ち,現 有 資 産 の 売 却 の 方 が 収 益 性 を有 す るの で,剥 奪 価 値 と して 正 味 実 現 可 能 価 値 が 選 択 され る。(6)のケ ー ス にお いて は,(5)の ケ ー ス と は逆 に,資 産 の 継 続 的 利 用 の 方 が 収 益 性 を 有 す るの で,剥 奪 価 値 と して 使 用 価 値 が 適 用 され る こ と とな る。 剥 奪 価 値 説 に お いて,現 有 資 産 の 価 値 の 下 限 につ いて は,回 収 可 能 価 額 に よ って 測 定 が 行 わ れ る こ と とな る。 な お,回 収 可 能 価 額 の 特 徴 は,資 産 それ 自体 の もつ 便 益 を,資 産 か ら生 ず る キ ャ ッシ ュ ・イ ン フ ロー で 測 定 しよ う とす る と こ ろ に あ る。 ②. 剥奪価値説の根拠. 剥 奪 価 値 説 で は,現 有 資 産 に関 連 す る将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー が 重 視 され て い る。 す な わ ち,資 産 を所 有 して い る場 合 の 将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー の 数 値 と,資 産 が 剥 奪 され た 場 合 の将 来 キ ャ ッ シュ ・フ ロ ー の数 値 との差 額(差 異)が 剥 奪 価 値 とな る㈲。 剥 奪 価 値 説 の 特 徴 は,現 有 資 産 の 再 調 達 ・現 有 資 産 の 売 却 ・現 有 資 産 の 継 続 的 利 用 と い う三 つ の 経 営 意. ㈲InflationAccountingCommittee,oμd乙,pp.59-60. 図 表1-3は の で あ る。. サ ン デ ィ ラ ン ズ ・ リ ポ ー ト を ベ ー ス と し な が ら,補. 足 的 説 明 を 加 え て修 正 した も. ㈲W.T.Baxter,oμcl乙,1975,pp.127-131. 剥 奪 価 値 説 に つ い て は,下. 記 の 拙 稿 を 参 照 され た い。. 山 口 忠 昭 「物 価 変 動 下 に お け る 剥 奪 価 値 説 の 検 討 」 「會 計 」 第150巻 8月 ・9月)。 -296(296)一. 第2号. ・第3号(平. 成8年.

(19) 物価変動下 にお ける会計上の資本概念 と時価概念(山 口) 思 決 定 が 時 価 をべ 一 ス と した 内部 的 な デ ー タ に よ って 行 わ れ る こ と に着 目 し,現 有 資 産 の 価 値 を カ レ ン ト ・バ リュー で 評 価 す る こ と に あ る㈱。 資 産 が 所 有 され る場 合 に は,現 有 資 産 の 売 却 も し くは現 有 資 産 の 継 続 的 利 用 と い う代 替 案 が あ る。 現 有 資 産 の 売 却 と い う案 を とれ ば,現 有 資 産 の 将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー の 数 値 は正 味 実 現 可 能 価 値 に よ って 測 定 され る。 現 有 資 産 の 継 続 的 利 用 と い う案 を と る と,現 有 資 産 の 将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー の 数 値 は使 用 価 値 に よ り測 定 す る こ と にな る。 資 産 が 剥 奪 され た場 合 に は,資 産 の 取 替 調 達 を 行 うか 否 か の 意 思 決 定 が 行 わ れ る。 資 産 の 再 調 達 と い う案 を とれ ば,取 替 原 価 が 資 産 の 取 替 調 達 に か か わ る将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロ ーの 数 値 とな る。 逆 に資 産 の 再 調 達 を しな い と い う案 を と る と,資 産 に か か わ る将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー の 数 値 はゼ ロ にな る。 資 産 の 取 替 調 達 あ る い は資 産 の 継 続 的 利 用 に関 す る経 営 意 思 決 定 を 行 う場 合,現 有 資 産 に関 連 す る将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー を 考 慮 に入 れ て,時 価 を べ 一 ス と した 内部 的 な デ ー タ が 利 用 され る。 図 表1-3に. お け る(1),(2),(3),(4)の4つ. の ケ ー スで は,回 収 可 能 価 額 が. 取 替 原 価 を上 回 る場 合 に は,資 産 の 取 替 調 達 と い う意 思 決 定 を 行 って も,投 資 の 回 収 は可 能 で あ る こ とか ら,剥 奪 価 値 と して 取 替 原 価 が 選 択 さ れ る。 た と え ば,企 業 は100ポ ン ド で 売 却 で き る1単 位 の 資 産 を 所 有 して お り,そ の 資 産 の 取 替 原 価 は75ポ ン ドで あ る と仮 定 した場 合,代. 替 的 予 算 は,表1-2の. よ うに作 成 され る。 な お,代 替 予 算 と は,資 産 を 所. 有 す る場 合 の 予 算 と資 産 を 所 有 して いな い場 合 の 予 算 を さ して い る。 表1-2 (1) 資 産 を 所 有 す る場 合 の 予 算 支. 出:同 一・ 資産の取替原価. 収. 入:売 却 収 入. 一75. 正味収入 (1)資産 を 所 有 す る場 合 の 予 算 と (2)資産 を 所 有 して いな い場 合 の 予 算 との差 額(資 産所 有 によ る有 利 さ). 表1-2の(1)資. 100. 100. 100. 25. 75. 産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 で は,現. 売 上 収 入 に よ る キ ャ ッ シ ュ ・イ ン フ ロ ー の100ポ. ⑳. (2) 資 産 を所 有 して い な い 場 合 の 予 算. 有 資 産 の 売 却 と い う 意 思 決 定 に よ り,. ン ドが 示 さ れ て い る 。(2)資 産 を 所 有 し て. 剥 奪 価 値 説 に 基 づ く資 産 評 価 と 経 営 意 思 決 定 と の 関 連 に つ い て は,そ お い て,行 わ れ て い る。 HaroldC.Edey,DeprivalValueandFinancialAccounting,inD6∂"3,α64"5,F加 侃4P噸. 砥(eds.),H.C.EdeyandB.S.Yamey,Sweet&Maxwell,1974,p.75. -297(297)一. の 指 摘 が,下. 記の文献に 侃c6.

(20) 第59巻. 第1号. い な い 場 合 の 予 算 で は,100ポ. ン ドで 売 却 可 能 な 資 産 を 有 し て い な い 状 況 に お い て,将. キ ャ ッ シ ュ ・ア ウ トフ ロ ー(資. 金 調 達 の た め の 支 出)75ポ. (売 上 収 入)100ポ. ン ド,正 味 収 入25ポ. さ れ て い な い 場 合 に,資. ン ドと キ ャ ッ シ ュ ・イ ン フ ロ ー. ン ドが 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の 数 値 は,資. 産が所有. 産 の 調 達 と そ の 売 却 と い う 代 替 案 が と られ た こ と を 表 して い る 。. (1)資産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 と(2)資 産 を 所 有 して い な い 場 合 の 予 算 と の 差 額 は,75ポ で あ り,1単. 来. 位 の 資 産 の 所 有 か ら生 ず る 有 利 さ を あ らわ して い る 。 した が っ て,取. ン ド 替原価. 75ポ ン ドが 剥 奪 価 値 と な る 。 図 表1-3の(5)の. ケ ー ス は,資. 産 の 取 替 調 達 を 行 う に 値 し な い 状 況 で あ る 。 た と え ば,. 1単 位 の 資 産 の 売 却 可 能 な 金 額 は60ポ ン ドで あ り,そ と 仮 定 し た 場 合,代. 替 的 予 算 は,表1-3の. の 資 産 の 取 替 原 価 が75ポ. ン ドで あ る. よ うに作 成 され る。. 表1-3 (1)(2) 資 産 を 所 有 す る場 合 の 予 算 収. 60-. 入:売 却 収 入. 正味収入. 60一. (1)資産 を 所 有 す る場 合 の 予 算 と (2)資産 を 所 有 して いな い場 合 の 予 算 との差 額(資 産所 有 によ る有 利 さ). 60. 表1-3の(1)資. 資産 を所 有 して いない場合の予 算. 産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 で は,資. ロ ー が 示 さ れ て い る 。 す な わ ち,売. 却 収 入60ポ. 産 所 有 か ら生 ず る将 来 キ ャ ッ シ ュ ・フ. ン ドの キ ャ ッ シ ュ ・イ ン フ ロ ー が,1単. 位. の 資 産 所 有 か ら生 ず る 将 来 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー の 値 で あ る 。(2)資 産 を 所 有 して い な い 場 合 の 予 算 で は,資. 産 が 失 わ れ た と き,資. 産 の 取 替 調 達 を 行 わ な い と す る 案 が と ら れ,将. キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー は ゼ ロ と な る 。 な ぜ な ら,資 と れ な い か らで あ る 。 し た が っ て,(1)資. 産 の 取 替 調 達 を 行 っ た と して も,採. 来 算が. 産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 と(2)資 産 を 所 有 して い な. い 場 合 の 予 算 と の 差 額 は60ポ ン ドで あ る こ と か ら,正. 味 実 現 可 能 価 値60ポ. ン ドが 剥 奪 価 値. とな る。 図 表1-3の(6)の あ る の で,資. ケ ー ス は,資. 産 の 取 替 調 達 ・現 有 資 産 の 売 却 を 行 う に 値 し な い 状 況 に. 産 の 継 続 的 利 用 と い う 意 思 決 定 が 行 わ れ る 。 た と え ば,1単. 可 能 な 金 額 を10ポ ン ド,資 産 の 継 続 的 利 用 か ら生 ず る 現 在 価 値 を35ポ の 取 替 原 価 が75ポ. ン ドで あ る と 仮 定 し た 場 合,代. る。 -298(298)一. 替 的 予 算 は,表1-4の. 位の資産の売却. ン ドと し,そ. の資産. よ うに作 成 され.

(21) 物 価 変 動 下 にお け る会 計 上 の 資 本 概 念 と時 価 概 念(山. 口). 表1-4 (1) 資 産 を 所 有 す る場 合 の 予 算. 一. 収. 売却. 継続的利用. 一. 35. (2) 資産 を所 有 して いない場合の予 算. 入:売 却 収 入10 将来収入の現在価値. 正 味 収 入10. 35. (1)資産 を 所 有 す る場 合 の 予 算 ・継 続 利用 と (2)資産 を 所 有 して いな い場 合 の 予 算 との差 額(資 産所 有 によ る有 利 さ). 35. 表1-4の(1)資. 産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 で は,資. 産 の 継 続 的 利 用 か ら生 ず る キ ャ ッ シ ュ ・. イ ン フ ロ ー が 示 さ れ る も の と な る 。 こ の 場 合 に は,将 (2)資産 を 所 有 して い な い 場 合 の 予 算 で は,資. 来 収 入 の 現 在 価 値 が35ポ. ン ドとな る。. 産 の 取 替 調 達 を 行 わ な い と す る 案 が と ら れ,. 将 来 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー は ゼ ロ と な る 。 し た が っ て,(1)資. 産 を 所 有 す る 場 合 の 予 算 ・継 続. 的 利 用 と(2)資 産 を 所 有 して い な い 場 合 の 予 算 と の 差 額 は 使 用 価 値 の 値 と な り,剥. 奪価値 と. して 使 用 価 値 が 適 用 さ れ る こ と に な る 。 表1-2,表1-3,表1-4に を,代. お い て,経. 替 的 予 算 で 表 し,そ. 営 意 思 決 定 か ら生 ず る将 来 キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー. こ か ら現 有 資 産 の カ レ ン ト ・バ リ ュ ー が 求 め ら れ て い る 。 こ こ. に剥 奪 価 値 説 の ユ ニ ー ク さが あ る と いえ る。. IVむ. 物 価 変 動 会 計 で は,企. す. び. 業 の 資 本 維 持 と経 済 的 実 態 の 開 示 が 問 題 と され,こ. の 問題 を め. ぐって 時 価 をべ 一 ス とす る会 計 の 所 説 が 主 張 され た と いえ る。 資 本 維 持 概 念 に関 す る見 方 と して,所 有 主 に基 づ く資 本 概 念 と企 業 主 体 に基 づ く資 本 概 念 を あ げ る こ とが で き る。 所 有 主 の 立 場 に立 脚 す る資 本 維 持 観 は財 務 的 資 本 維 持 に,企 業 主 体 の 立 場 に たつ 資 本 維 持 観 は実 体 資 本 維 持 にか か わ る もの とな る。 会 計 主 体 の 観 点 か ら 財 務 的 資 本 維 持 と実 体 資 本 維 持 を 捉 え る ア プ ロー チが 説 か れ るの も,維 持 す べ き資 本 概 念 を前 提 とす る資 本 回 収 計 算 の 考 え 方 が 重 視 され るか らで あ る。 英 国 の 物 価 変 動 会 計 の 展 開 を み る と,勧 告 書 第15号,ICAEWの 定 会 計 実 務 基 準 書 第7号. 調 査 委 員 会 の 所 説,暫. に お いて,一 般 物 価 変 動 会 計 が 取 りあ げ られ て い る。 一 般 物 価 変 一299(299)一.

(22) 第59巻. 第1号. 動 会 計 は,会 計 上 の 数 値 を 同一 尺 度 で 表 現 す る こ とを 第 一 義 的 な もの とす る こ と に よ り, 会 計 上 の 数 値 に基 づ く期 間 比 較 可 能 性 並 び に企 業 相 互 間 の 比 較 可 能 性 を 確 保 しよ う とす る もの で あ る。 一 般 物 価 変 動 会 計 で は,当 該 会 計 年 度 の 貨 幣 価 値 水 準 を べ 一 ス と した 収 益 と 費 用 の 対 応 計 算,貨 幣 購 買 力 損 益 お よ び持 分 資 本 に関 す る貨 幣 購 買 力 維 持 を 示 す こ とが 可 能 で あ る と され る。 これ らの 内容 を 示 す こ とが,い わ ゆ る受 託 責 任 会 計 につ な が る もの と して 考 え られ て い るの で あ る。 一 般 物 価 変 動 会 計 で は,資 産 評 価 基 準 と して 修 正 原 価 が 適 用 され る。 維 持 す べ き資 本 概 念 に関 して み る と,一 般 物 価 変 動 会 計 で は,所 有 主 の 立 場 に 立 つ 財 務 的 資 本 維 持 が 志 向 され て い るの で あ る。 カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 は,企 業 それ 自体 の 事 業 活 動 に と って 必 要 と され る資 産 の 個 別 価 格 変 動 の 影 響 を会 計 上 の 認 識,測 定,伝 達 に反 映 させ よ う とす る もの で あ る。ACCAの 説 とICWAの. 所. 所 説 は,資 産 評 価 基 準 と して 取 替 原 価 を,維 持 す べ き資 本 概 念 と して 実 体. 資 本 概 念 を適 用 す る もの で あ る。ICWAの. 所 説 に お い て は,企 業 の 経 営 活 動 に不 可 欠 な 収. 益 財 ・資 本 財 それ 自体 の 維 持 が,資 本 醸 出者 の 持 分 の 保 全 に繋 が る とみ て,物 的 資 本 の 維 持 に よ り,受 託 責 任 が は た さ れ る とす る見 解 が主 張 さ れ て い る。ICWAの. 所 説 は,ACCA. の 所 説 と 同様 に,物 的 資 本 維 持 を 指 向 し,企 業 主 体 の 立 場 に立 つ 理 論 と いえ る。 1970年 代 に お いて,英 国 イ ン フ レー シ ョン会 計 の 制 度 化(会 計 実 務 基 準 書 第16号 『カ レ ン ト ・コ ス ト会 計 』 の 公 表)に 至 る まで の 経 過 を み る と,物 価 変 動 会 計 の 会 計 シ ス テ ムの う ち,一 般 物 価 変 動 会 計 と カ レン ト ・コ ス ト会 計 と い う二 つ の 会 計 シ ス テ ムが 選 択 され, この 二 つ の 会 計 シ ス テ ムの 両 極 性 の な か で 物 価 変 動 会 計 の 会 計 シ ス テ ムが 模 索 され,展 開 され た。 そ して,1975年. 以 降,カ. レン ト ・コ ス ト会 計 の 方 向 で 舵 取 りが 行 わ れ た 経 緯 が あ. る。 会 計 実 務 基 準 書 第16号 『カ レン ト ・コ ス ト会 計 』 の 特 徴 につ いて は,カ に基 づ く利 益 計 算,な. レン ト ・コ ス ト. らび に資 産 評 価 基 準 と して の 「企 業 に と って の 価 値 」 の 適 用 が あ げ. られ る。 カ レ ン ト ・コ ス トに基 づ く利 益 計 算 は,カ. レ ン ト ・コ ス トに基 づ く営 業 利 益 と株. 主 に帰 属 す るカ レ ン ト ・コ ス ト利 益 の 二 つ の段 階 に分 けて 行 わ れ る。第一 段 階 の カ レ ン ト ・ コ ス トに基 づ く営 業 利 益 計 算 は総 営 業 能 力 維 持 を,第 二 段 階 の 株 主 に帰 属 す る カ レン ト ・ コ ス ト利 益 計 算 は,営 業 能 力 の う ち株 主 持 分 維 持 を 考 慮 した株 主 営 業 能 力 維 持 を 前 提 と し て 行 わ れ る もの で あ る。 資 産 評 価 基 準 と して の 「企 業 に と って の 価 値 」 は,剥 奪 価 値 説 と 同一 の 内容 で あ る。 経 済 的 実 態 を 反 映 した適 時 な 会 計 情 報 の 提 供 の た め に,会 計 上 の 測 定 に資 産 の カ レン ト ・バ リュー を 取 り入 れ よ う とす る剥 奪 価 値 説 が 主 張 され る こ と にな る。 剥 奪 価 値 説 で は,現 有 資 産 に関 連 す る将 来 キ ャ ッシ ュ ・フ ロー が 重 視 され て い る。 す な 一300(300)一.

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