漢字材料認知の大脳半球機能差 : 処理方略と処理水準の検討
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(2) . 漢字材料認知の大脳半球機能差 -- 処理方略と処理水準の検討--. 青. 木. 剛. 土. Kimura( 1963 ) は, たとえばメロディ を左耳に, 数字は右耳に (あるいはその逆) に同時に聞か. i i i せ る, い わ ゆ る Di ten cL chot ng 法を用いて, 言語刺激とそれ以外の刺激とでは, 左右の耳の聴 s. き取りのパフォ ーマンスが異ることから, 大脳の左右両半球の機能が異ると考えた。 ) は刺激材料として日本語の自然語音 (合成音ではないという意味) の母音と 青木・奥野 ( 1976 i teni 子音 を用 い て, Di ng 法 に よ っ て 大 脳 半 球 機 能 を 検 討 した こ と が あ る. 英 語 な どの chot c Li s. CVC (子音-母音-子音) からなる音節を持つ言語に あっては, 子音がことばの意味情報を, 母音 はそれ以外の, 例えば話者の興奮や緊張などの情報を伝え, 夫々 子音, 母音が別の半球 で処理され. るという見解があっ た。 一方 で日本語は母音が-音で- 音節をなし, しかも意味を持つこと, 子音, 母音の関係は大部分 CV の形をとることなどから, 日本語音独特の処理の機構があって, 大脳半球 機能差に影響するのではないかと考え, この点についての検討を行なったのである。 i i i t t ng 法に) による ところで, 大脳半球機能差については両耳同時聴取法 (前述の Di cho cL s en 左右耳のパフォ ーマンスからの検討のみ でなく, 多くの感覚様相について研究さ れている (八田:. 1981 a) . 大脳両半球は脳梁で交叉しているから, 右手, 右耳, 右目に関わる情報処理は左半球で,. 反対側の諸器官は右半球でとパフォ ーマンスの差を半球の優位性で解釈する根拠になっている. 言. 言 語性の刺激材料に対しては 左半球が優位であると, いわば定説化されている。 しかしながら, 言語音が運 ぶ情報の質 (言語情報か声性情報か) が日本語音にもそのままあては ta ( ), Hat ) が漢 1977 ま る の か, と い う 理 論 上 の 疑 問 が即 座 に 生 じる し, 事 実, Sasanuma (1977. 字材料の認知における左右両視野のパフォ ーマンスの差を検討したところ, 言語刺激の処理は左半. 球, それ以外の刺 激については右半球が優位という図式があてはまらない場面が発生した. つまり, アルフ ァベ ッ トやかなが右視野優位 (従ってこれらの刺 激は左半球で処理されている) であるのに 漢字材料に対しては左視野優位あるいは視野間に差がなかった。 八田 (1981 a参照) は強力に大脳半球機能の非対称性について研究をすすめているが, 彼による. 1981 a) の ま と漢字材料認知に関する半球間機能差の研究はかなりの量に及ぶという。 以下八田 ( と め た と こ ろ を引 用 し て み る と,. 19 ) は漢字2文字をラン ダムに組み合わせたものとひらがな無意味綴を 1。 Sasanumaほか ( 77 左右の視野に瞬間提示し, 再生成績を比較。 ひらがなは明白な右視優位を示したが, 漢字は左視優 位を示唆. t t )は漢字1文字を左右どちらかの視野に瞬間提示。 熟知性にかかわらず左視野優 2。 Ha 1 97 7 a(. 位.. 3.. Ha t ta ( 19 ) 漢字の具体性, 抽象性にかかわらず, 左視野優位。 76b ・. 47.
(3) . 青 ・木. 剛 土. 4. 平田 ( 19 ) は漢字の象形性の高低をも考慮したが, 明白な視野差なし. 77 t ta( )は漢字1文字の左視野優位を確認したのち, その漢字のひらがな表記, 熟語な 19 5. Ha 78 どをさらに提示したところ右視野優位となっ た.. ) は方略 (音読み, 訓読み) の差が影響するか調べたところ, 音読みでは 6。 小川・石原 ( 1 977 視野差なし, 訓読み では右視野優位であっ た. i i&Hat ta ( 7. ohn ) は 漢 字 の イ メ ー ジ 価 を 検 討. 1980 s. 1 98 0 ) は漢字熟語を提示. 8. 島田・坪井 (. な どと な っ て い る (八 田 1981 a, P.33- P.34 より引用) .. 表意 o 象形性のある漢字については英字, カタカナ・ひらがなの認知に見られる 左半球優位とい う確立された事実はなく, 漢字材料の質そのものと同様, きわめて錯綜しているといわ ざるを得な し、 .. 関与すると思われる要因について丹念に事実を確認して, 漢字認知に関する大脳半球間機能差の 実態を把握して行く 必要があろう. ところ で上述の 八田からの引用 で注目されるのは, 漢字の音読み, 訓読みという漢字認知にさい してとられる処理方略の異質性 である (小川・石原1977 ) 。. 日本語はやまとこと ばと文字の発明国 である中国のこと ばが入り 混って成立している言語 であ り, やまとことばは漢字の意味を訓読すること, 文字の発明国の規則に従っ て読むことが音読であ る. 立ち入っ た比較文化的考察は本論の目的ではないが, このような背景が処理方略の異質性をも た ら す ひ と つ の 要 因 で あ る こ と は 間 違 い な い.. 漢字の認知において意味的判断が要求される事態は,高い水準の処理を要求される事態 であるが, 字形が同じであるか否かを要求される事態は相対的には低水準の処理事態といえよう. ) どのような認知過程がどのように関与するのか, 八田 ( 1 981 b) は 前 述 の Sasanuma ら ( 19 80 , の研究を検討したのち, 漢字材料の認知処理における処理方略の違いと処理水準の違いとが大脳半 球機能差に どのように影響するのかを検討する目的で二つの実験を計画した, 第1の実験では情報 1981b)の研究 処理方略の影響を, 第1 1の実験 では処理水準の違いについて検討してい る. 八田 ( の結果については本報告の考察部分で触れるが, 本研究も八田と同様, 漢字認知の処理方略と処理 水準が大脳半球機能にどのように影響するのか検討することを目的としている. 処理方略は漢字の形態を判断する条件と音節の異同を判断する条件の二種類, 処理水準は漢字形 態の異同判断条件 (相対的には低水準) と, 漢字のカラ ゴリーの異同を判断する条件 (高水準) の 二種類を設定した. これらの実験 パラ ダイムは基本的なには同じであるが, 本報告では八田の用い た プ ロ ジ ェ ク タ ー タ キ ス ト ス コ ー プ, 反 応 鍵 の マイ ク ロ スイ ッ チ, 計 時 用 の ディ ジ タ ル タイ マ ー に. 代えて, パー ソナルコンピュ ータ (以下パソコン) を使用 し, 刺激提示, 反応記録, 分析までを全 自 動 化 し, い わ ゆ る ラ ボ ラ ト リ オ ー トメ ー シ ョ ン (LA) の 状 況 下 で実 験 を 行 な っ た. LA に つ い て. は別途報告の予定であるが, この状況の制約によ って, 漢字材料は独自のものを設定した.. 実. 方. l. 法. 被験者. 1名, 計20名を被験者として用 本学函館分校在籍の右手利きの学生, 男子9名, 女子1. いた. 被験者の選定にあたって 48. 験.
(4) . 漢字材料認知の大脳半球機能差. ( 1 ) 利き手テストである H.N テ ス ト (八 田・ 中 塚 1975) の 得 点 が 十18 以 上 であ る こ と.. ( 2 ) 両親ともに右手利き であること. 3 ( ) 利き手矯正を受けていないこと。. を基準とした。. 前 述 の よ う に パ ソ コ ン を使 用 し た. す な わ ち, 本 学 マ ルチ メ ディ ア リ サ ー チ セ ン タ ー 設 置 NEC P C-8801 を使用し, この パソ コンによっ て刺激提示, 反応時間の測定, 記録, 分析を全自 の 装置. 動化した. 実験終了後にはフロ ッ ピーディ クスに被験者の各条件ごとの反応時間が記録され, 計算 処理 プロ グラムを走らせることによっ て, ただちに結果が得られる仕組みである。. 漢字材料はパソコンの CRT モニタに提示される. 被験者の中心視を確保するために顔面固定台,. 左右両視野を分離す るために, 高さ約5 0cm 奥行き30cm の黒色板を被験者の視野中央においた。 パソコ ン. CRT 面 の 明 る さ を 一 定 に す る た め に, パ ソ コ ン シ ス テ ム の 周 囲 を 暗 幕 で囲 ん だ ま た, .. 外来雑音を幾分か和らげるために被験者にオーディ オヘッ ドフォ ンを装着させてイヤマフの代用と した.. 刺激材料およ び条件. 八田( 1981b)が使用した材料をもとにして, CRT 上に表示しても一見し. て判別 できる, という基準で材料を選定した(図2参照) 1 981b)は音節判断条件において, . 八田( 提示された漢字のいずれかの音が同じであれば 「同」 の反応を求めたが, これはやや高次の処理を 必要とする (八田において音節判断条件では反応時間が有意に長い) と考えられるので, 本研究で. は, 「漢字の第1音節が同じもの」 を. ″ yes と 反. 左. 応さ せ る こ と に して 標 準 刺 激 を 設 定 し た。. <形態判 断条件〉. 被験者に標準刺激と比較刺. 部首 (例えば, 底-麻) の時には. ye. 視. 窒. 撃. 心. 激 が同 じ部 首 を 含 む か 否 か の 判 断 を 求 め た. 同 じ. 右. 視. 心. CRT. と定義し. \ て あ る キ ー, そ う で なけ れ ば 、 no″ の キ ー を 速 や. かに叩くことが被験者の課題である. 被験者の得 心が行くま で練習試行をさせたが,平均11試行練 習に要した。 〈音節判断条件>. この条件では被験者に, 標. 準刺 激 と 比 較 刺 激 の 初 頭 の 音 節 が 同 一 であ る か 異. るか判断させた。 (例えば, 今.犬は ye を 要 求する) .試行開始前に漢字一覧表によってすべ て. o 6 47 .. 62cm. (左 右 同 じ). 「今」は「イマ」と読ませ, 「コ の被験者で読み方 ( ン」 と は 読 ま せ な い) が 同 一 に な る よ う に し た。. 視野分離板. 習熟練習試行は平均9 .6回であ った.. \no″ \. と反応する群と, この関係が逆になる群と に折半した.. 合計2 0名の被験 者のうち1/2は形態判 断を行. ない, 残る半教は音節判断を先に行った. 両条件 \no″ 反 応 ともに比較刺激に対する yes″ 反応 と 、 は同数になるようにし, また右視野と左視野への. 図.. 刺 激提示位置関係. 49.
(5) . 青. 木. 剛 土. . 1 IL1 ÷ r \ 共著著 ト浄書 ↓ ” :: … l ・ド 1 安曇著 - . . .. “. r -. -. 善. 三. 三 -. …. ゴ1七1仁ず … ;tir : - { :1: )- = l コ: ・ r ニキ all ・ -& n 」11 ・ - : ・ r - = - 汀 arig・ ー: - PE. 三 -. 事 -. - -. : IRY 1 二 :ATEGI f1 ’ : ・ r Etar 二・ : ・ r ・ 二 ・ -diti ・uli ・ -dard きtin. 三 三- LE 一 三 ー キ ,. IHYBI仁 : AL 仁亡 ;七ar r - ( :2) E - r -f F - ,dit”= -u1i 亡 -dard gti菖. 1神= ・F r JO1 f - -G土仁 : 亡- { :三 ; ) 9七ar - L 」11 仁 ・ : : : - r r -ditゴ I Ida - .rd Et ”「 一仁 .仁. 図2 提示刺激 提示も同数とした. 刺激提示の順序は被験者ごとにランダムになるように した. 両条件とも1試行 1漢字で計40試行, 両条件合計80試行であった. 先行と後続の条件の間には適当な休憩時間を挿 入し, この間に後続条件の教示を与えた. 1被験者あたりの総 所要時間は約30分間であっ た. 刺 激 提示 につ いて. o であ た 0×0 65 CRT 上 に 表 示 し た 漢 字 の 大 き さ は 視 角 で, 縦 × 横 =1.11 っ .. (被験者顔面と CRT 面間の距離62cm) . 比較刺激の提示時間は180ミリ秒 であったが, これはマ イ クロ プロセッサの処理速度から算定したコンピュ ータ プロ グラム上の値であって,CRT 発光体の 残光性もあり, 残効は避けられず, 眼球運動の生起は不可避と 思われたの で, 前述のように左右両 視野を黒色板 で分離した. 中心視用マークと してアスタリスク(*) を比較刺激と同時に提示 した. o o xo 37 視 野等につ いて図 こ の マ ー ク の 視 角 は 縦 × 横 =0.56 . (距 離 62cm) であ っ た. 装 置 の 配 置, 1に 示 す.. 刺激提示のタイ ミン グは図3に示すとおり, 標準刺激を中心視野に2秒間, これが消えると同時 8秒間, 標準刺激, に中心視野には中 心視マーク(*)および左右の どちらかの視野に 比較刺激を0‐1 比較刺激, 刺激無提示時間合計で5秒間の繰り返しとなっている. 反応時間の定義 標準刺激が消え同時に 比較刺激が提示された時点から計時を開始し, 被験者が 50.
(6) . 漢字材料認知の大脳半球機能差. 比較刺激および 中心視マーク. 図3. 刺 激提示のタイ ミン グ. 反応キーを押した時点ま での反応潜時を反応時間とした 異同判断に対す る応答である yes″ およ . び no″ キーはパソコンのカーソル左右移動キー, EiとEヨを条件に 対応させて定義した 計時に用 . い た パ ソ コ ン 内蔵 ク ロ ッ ク の 時 間 分 解 能 は 1/400 秒 であ っ た .. 実. 1 験 1. 実験1の結果の記述が通例 であるが, 実験工および1 1の手続きに共通部分 が多いこと および実 , 験目的の相互関連性から, あえて慣例 に従わず まず方法について記述する , . 方. 法. 被験者 本学在籍右手利き学生, 男子8名, 女子12名 計2 0名 で, 実験1の被験者とは別人. , 実験1と同様, 利き手調査によって選択した . 刺激材料およ び条件 漢字材料は実験 1と同一のものを用いた 形態判 断条件とカテ ゴリー判断 . 条件を設定した が, 形態判 断条件 で用いた刺激材料の構成は実験1と同一 である カテ ゴリー判断 。 条件 での標準刺激は実験1の比較刺激 (図2の上段の20字) を用いた . 〈形態判断条件〉 被験者の課題は実験1と同一 である 。 〈カ テ ゴリー判断条件〉 この条件では標 準刺激と比較刺激のカテ ゴリーが同じか否かの判断を. 求めた. 使用したカテ ゴリーは動物, 植物であっ た(図2上段参照) 同じ仲間か どうか判断するよ . う被験者に要求した. 以上記した諸点以 外はすべて実験1と同一 で実験を実施 した .. 結. 果. 実験120名, 実験1 12 0名計40名の被験者の正反応の反応時間をデータ とした また誤りについ . ても誤り率を用いて分析してある, 表1は右手, 左手 で反応させた群の反応時間の比較 である 表からわかるように 実験1 実験 。 , , 51.
(7) . 青. 木. 剛. 土. 1 1ともに反応手の間に有意差があったの で, 以後左右手独立で結果を検討することに する. 試行に対する誤反応の生起率を表2に示す. 実験1の右手反応、 形態判断条件において, どちら の視野に刺 激が提示さ れた時に誤り率が高いか比較して見る と, 左視野の方が誤りが少ない傾向が. およ び左手反応, ) 1 見られた(t =2.001 , df= 9, P<. . 同じ右手反応の音節判断条件の両視野間, た れなか っ . 形態音節両判 断条件の左右両視野間には 誤り率の差は見ら 工の右手反応のカテ ゴリー判断条件において両視野間に誤り率に 差のある傾向(t = 一方, 実験1. )が 見 ら れ, 左 視 野 に 刺 激 が提 示 さ れ た 場 合 に 誤 り が 多か っ た. 右 手 の 形 態 1.765 , df= 9, P <.2. 判断条件およ び左手反応の形態, カテ ゴリー両判断条件の 左右視野間に誤り率の差は見られなかっ た.. 工において 左手反応の誤り数が多 右手反応よりも左手反応の方が反応潜時が長く, とくに, 実験1. い こ と が 特 徴 的 だと い え る.. 反応時間を表3および図4に示す. 1 実験1, 1 , 反応手, 判断条件, 視野別に細分した平均 実験工の右手反応の平均反応時間を指標とした3要因 (条件‐形態判断と音節判断×左右視野× 被験者)の分散分析の結果を表4に示す(図4左から 二番目の グラフ参照) . 条件×視野に有意の交 ) が見られるが, 前述のように形態判断条件では 左視野優位の )=7.31 3 1.9 互作用 (F ( , P<.05 表1. 実験1 1 実験1. 反応手による平 均反応時間の 差 (単 位ミリ秒). 反応手. 反応時間. 右 手 左 手. 822.98 922.41. 右 手. 870.26. 左 手. 965.34. 表2 反応手 実. 1. 実. 1. 52. 平 均 誤]) 率 (%) 形. 態. 8.9. 音. 節. 8.5. 形. 態. 4.O. 音. 節. 3.I. 形. 台 E. 5.4. カ テ ゴリ ー. 6.8. 態. 10.4. jー カ テ ゴ1. 11.I. 左 手. 右 手. 験. 形. l. PQ0 1 ) ( * 8 l g 際7 i gg ,閤 観 *. 謬り 脚8 ,醐 測. ) *(P Q 5. 反応手, 視 野による誤反応の 差. 右 手. 験. 標準偏差. 左 手. 視野別誤り率 (%) 2 右 視 野 1 .O. 差 の 検 定 bf=9, t=2.001 (P<0.1). 左 視 野. 5,8. 右 視 野. 7.3 9,8. df=9,t=1.074. 4.O 4.O. df=9, t=O. 3.O 3.3. df= :9,t=0.208. 左 視 野. 4,7 6.O. df=9,t=0,45. 右,視 野 左 視・野. 6.O 7.5. df=9,t=L765 (P<.2). 右 視 野. 9.O. 左 視 野 右 視 野 左 視 野 右 視 野 左 視 野 右 視 野. 左 視 野 11. 8 右 視 野 10.8. 左 視 野 1 1. 5. df=9,t=0,255 df=9,t=0.156.
(8) . 漢字材料認知の大脳半球機能差. 全条件 の平均反応時間 (単位ミリ秒, カ ッ コ内は標準偏差). 表3. 実 験. 条. 件. 音 節 判 断. I. 形 態 判 断 カ テ ゴリ ー判 断. 1 1. 形 態 判 断. 左. 手. 反. 応. 右. 反. 手. 応. 左 視 野. 右 視 野. 左 視 野. 右 視 野. 939.13(168,4). 891.47(131,9). 865,42(142,o). 840.93(158,1). 909.86(182,7) 1017.36(285.8). 949.18(203.7). 772.83(149.9) 947,23(211,2). 812.73(162.1). 949.11(267,7) 960,77(361,1). 934.10(325,5). 実験工. 835.50(218.9). 864,88(194.9) 833,43(201.6). 実験1 1. ◎ド ÷÷ 希 音節判断条件. ◎障- -ぬ-醐 ◎ カテ ゴリー判断条件. --唖0 形態判断条件 0--. 0一一一四◎ 形態判断条件. 左手反応. 左手反応. 右手反応. 右手反応. 1000. 0 90. \ 800. n o s eC 左視野. 右視野. 左視野. ′ 右視野. 左視野. 右視野. 提. 右視野. 提. 提. 左視野. 提. 提. 提. 提. 提. 示. 示. 示. 図4. 示. 示. 示. 示. 示. 各条件ごとの平均反応 時間. 53.
(9) . 青 木 剛 土. 表4 実験1, 右手反応分散分析結果 SS. FACTOR. A (条 件) B (視 野) C (被験者). 36475.18. DF 1 i 1 エ. 593.29 844813.77. A*B. ハ コ. 10365.56. O J. 65354.05. A* C B*C. A*B*C(誤差) TOTAL. Q J. 12756.81. 986476.60. 平均の差の検定. Q J. 16137.94. F. D 4S. 36475.18. 5.023 0,331. 593.29. 93868.20. 7.313 *. 10365.56. 7261.56 1793.10. <,05). 1417.42. 39. 形:df=9,t=1.859(P<.0) 音:df=9,t=1.822(P<.2). 表5 実験1, 左手反応分散分析結果 SS. FACTOR. A (条 件) B (視 野) C (被験者). 2022.40. 2022.40. 898712.17. ^ u J 99856 91 1 ュO J , 18913.47. 18913,47 232404.44. A*C B*C. A*B*C(誤差). O J. 36916.12. 4.424. 25822.72. 4101,79. 4275.59. 38480.29. 1227623.10. TOTAL. 0.078 0.042. 174.21. 174.21. A*B. S M [. DF. 39. 1 i t 憂似。 三善 喜 l 平均の差の検定 暮g ,. FACTOR. 1 表6 実験1 , 右手反応分散分析結果. A (条 件) B @見 野) C (被験者) A* B A* C B*C A * B* C(誤差) TOTAL. SS. 51251.00. 17816.54 1624769.90. 16112,48. 67936.35. 13860.06. 5172.67. 1796918,00. F DF D 1 ←. 1 ←. M[ S. 51251.00 17816.54. O J 180529,88 16112.48 O J 7548.48 O J 1540 01 ( u J . 574,74 39. 24 9 t=0. 形…df=9 , 平均の差の検定 力 :df=9,t=4.509 ** (P<,01). 54. F. 6.790 * (P<,05) * (P<.01) 11.56 ** 28.034 ** (P<,01).
(10) . 漢字材料認知の大脳半球機能差 表7. 実験1 1 , 左手反応分散 分析結果. FACTOR. A*B (条 件) B (視 野) C (被験者) A*B B*C B*C. A*B*C(誤差) TOTAL. 平均の差の検定. SS. DF. 12816,88 4322,73. M [ S. 1 1. 18216.88. O J. 22524,03. 4322 73 ( u J1 . 1 357688,81. 3219199,30 22524.03 640917.82 22668,74. 71213,09. F 0,18 1,716 14.877 ** (P<,01). 2518.75 1514.06. 13626,50. 3936076.00. 39. 形 :df=9,t=1.137. 力 :df=9, t= =3.729 **. <,O1). 傾向があり, 一方音節判断条件では右視野刺激提示の場合に反応が速かっ たことによる . 表5は図4の左 端の グラフに対応しているが, 判断条件と視野との間に交互作用の傾向があ るこ と がラ ョ 貧さ れ て い る。. 以上の結果から, 漢字を音節によって処理するか, それとも形態によっ て処理するか という処 , 理の方略の違いは, 刺激が提示される視野の パフォ ー マンスに影響を及ぼすといえる . 実験1 1の右手反応の分散分 析結果を表6に示す(図4の右端のグラフ参照) 判断条件 視野の主 。 , 効果, さらに両者の交互作用が有意 であった. 形態判断条件 では左右視野差はないものの カテ ゴ , リー判断条件において視野差があったこと(t =4.509 )に 起 因 す る と 考 え ら れ る。 , df= 9, P <.01 一方, 左手反応については表7に示すように, 主効果に有意な差はなく 判断×視野間の交互 作 , 用が有意であった. 右手反応と同様, 形態判断条件においては視野間に差がないのに反して カテ , ゴリー判断条件において視野間に有意な差があったことによると思われる 。 概して言えることは, 図4からわかるように, 右手反応は条件間 (形態 vs音節, 形態 vsカテ ゴ リーの各判断) の差を明瞭に示すのに対して, 左手の反応にはこの条件間の差があまりない とい , う こ と であ る.. 考. 察. 反応 手 の パフ オ ー マ ンの 差 につ いて. 本研究では左右の反応手 でパフォ ーマンスに明瞭な差が見られたが この点を検討して見る , 。. 一 般 に 右 手 の 方 が 打 叩に 有 利 であ る こ と が示 さ れ て い る (八 田 1975; 皆川 1983 ). と こ ろ で, , ,. 本研究における比較刺激の時 間は180ミリ秒で提示した CRT の残効特性も考慮すると かなり長 , 時間である (八田, 198 1は プロジェクタタキストスコー プで10 0ミリ秒比較刺激を提示している) 。 Bradshaw eta l( ) は単語を左右視野に瞬間提示し, 綴りの正否を判断させたが 提示時間 197 9 , が短かいと右半球優位, 長く なると左半球優位 であると述べている . Seaman & Gaz ) は 短 期 記 憶 課 題 でイ メ ー ジ方 略と リハ ー サ ル 方 略 を 用 い て 半 球 の zani ga (1973 優位性を検討しているが, リハーサル方略は左脳優位, イメージ方略は右脳優 位という結果を得て い る.. 結局, 右手の動作性能が高いうえに, リハーサルな どの記憶要因が作用す ることによ って報告の 55.
(11) . 青. 木. 剛. 土. ような結果になっ たと考えられる. 被験者の 「納得してからキーを押す」 という内省報告はこの推 論を裏づけていると思われる. 処理方略について 右手反応では形態判断条件が左視野優位の傾向, 音節判 断条件は右視野優位の傾向を見た. また 2条件間に有意な交互作用も見られた. 左手反応においても2条件間に交互作用があることが示唆 ) の結果と- 1977 sanumaら ( さ れ, 音節判断は右視野優 位である傾向が示されている. これは Sa 致 す る と こ ろ であ る.. Ha ) は熟語で, さらに Sasanuma (1980) は 音 声 課 題 で, 195 9 t ta ( ) は漢字の読み で, 林 ( 1978 ) の音節条件は, Sasanuma らの結果を追認 1981 とそれぞれ右視野優 位を見出しているが, 八田 ( し て は い な い.. 本研究は漢字の初頭音節異同判 断であっ たが, 処理方略の違いは大脳半球機 能の違いを引き出す. と 一応の結論を得た. 処理水準について. 処理の水準については, 形態判断-相対的には 低水 準, カテ ゴリー判断-高水準という定義のも t t ) などの検討によると, 処理水準が高くな ) 1 0 98 1980 a( とに検討してみたわけだが, 八田 ( , Ha るほ ど視野の優位性が左から右 へ移 って行く, という. 本研究の結果は, 右手反応, 左手反応ともに, 形態判断とカテ ゴリー判断に有意な交互作用を認 めるもの であっ た. 右手反応, 左手反応ともに, 形態判 断には両視野間に有意差は見いだせなかっ たが, カテ ゴリー判 断には明白な右視野優位性が見られた. 従って 一応八田の考えに合致する結果 であるが水準の設定の問題について後述する. 形態判断条件について 1ともに形態判 断に視野の差が見られなかっ たが, 本研究のような継 既に述べたように実験1, 1 比較両刺激の提示時間がかなり長いことは 時判断課題でかつ標準, , 左脳に有利な実験事態 であっ て, 形態判 断の右脳優位が弱められたのではないかと思われる. その他. 右手反応では形態-音節, 形態-カテ ゴリー判断の パフォ ーマンスの差が明 瞭に見られるが, 左 手で反応させた場合には差が明 瞭でなく なる. 提示時間がかなり長かっ たことなど, 本研究は左半 球優位の事態になっ てしま ったことから, 右半球の運動中枢による左手反応や, 右半球で処理され ・る形態判断が大きく影響 をうけたものと考えられる 逆に音節やカテ ゴリー判 断にとっては有利な . 事態 であっ たともいえる. ころらの推 論を裏づける被験者の内省報告も得られている. 1の 左手反応 群で形態 vsカ テ ゴリー判断条件間に差がないことは, たとえば「カテ ゴリーと 実験1. 1の処理水準 は言っても 二者択一だったの で簡単だった」という内省報告か ら考えて見ると, 実験1 元の違い程度に設定されていた 結果として単なる処理次 低明瞭に区別されておらず の設定が, 高 , からかも知 れない.. 実験の実施にあたっ て本学学生奥田みき子さんの協力を得た. また, 大阪教育大学八田武 志助教授にはきき手テストの資料を頂いた. 記して感謝の意を表します. 付記. 56.
(12) . 漢字材料認知の大脳半球機能差. 文. 献. 青 木剛土 . 奥 野 正 義 1976 「DICHOTIC LISTENING法 に よ る 母 音 と 子 音 の 弁 別」教 心18回 総 会 250一251 , Bradshaw,G,1 imi ionandl ingident i f i t t t i s cr nat i e er s r i lds cat oninthetwov ,etal l979 Lexicaldi sualf e , Brainand Language .8 .. 八田武志・中塚善次郎 1 97 5「きき手テスト作成の試み」 大野普ー編 「 25年のあゆみ:大西憲明教授退任記念論集」 大阪市立大学, 2 24-247 . 八田武志・中塚善次郎 1 9 75 「きき手テストに関する研究 ( 1 1 )」 教心17回総会, 5 46一54 7 . 八田 武 志 1981. 「わ が国に お ける ラ テラ リ ティ の 研 究に つ いて」. xx. p21一47 , 金子 書 房.. 藤 原 ほか 編 「児童 心理 学 の 進 歩・1981 l 」 vo .. 八田 武 志 1981 「漢字材料認知の大脳半球機能差における処理方略差と処理水準の影響」 心研 5 9一1 4 4 , 2 , 13 . Sasanuma tal l977 Tach i i tos ionofKanaand Kan t iwords s cop crecogni i i 15 547- ,e ,S a ,Neuropsycholog , , 553 . Sasanuma l l980 Thenatureofofthetask‐ ta imu lusint ioninthetach t i i s tos ionof eract t s cop ,S.e crecogni Kanaand Kan i words i i nand Lan ー狽age ,Bra , ,9 ,298一306 Seaman i fect ty ef i ive t , G, and Gazzaniga, M.S, 1973 Coding strategies and cerebrallateral s ,J n g , Coー Psycho l 2 4 5 9一 2 6 5 ogy . ,,. (本学助教授・函館分校). 57.
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