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本学栄養士養成課程における調理能力向上を目的とした取り組みとその教育効果について(第2 報)

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Academic year: 2021

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1.はじめに

栄養士の仕事の特徴は、喫食する人の栄養状 態や摂食機能等様々なことを考慮した食事を 1 食、1 日、1 ヶ月単位で考え、実際に作り提供す るという点にある。したがって、包丁を上手に 使って美味しい料理を作ることができるだけで は栄養士としての調理能力が高いとは言えな い。「調理能力」とは調理技術だけではなく、調 理技術を含む食事を作るために必要な能力と捉 えることができ、さらに誰に求める調理能力な のかでおのずと能力の内容も求められるレベル も変わると考えている。鈴木も『調理能力とは 知識面と技術面とに大別され、さらには実践の 必要性や経験の度合いなどの条件が加味され、 それらが総合的に結びついた調理の実践力であ る』と述べている1) 大学調理教育研究グループ北九州は、栄養士・ 管理栄養士養成課程の調理実習を担当する教員 の多くが入学前の学生の調理に関する知識と技 術の低下を感じていると報告している2)。本学に おいても調理経験の乏しい入学生が増えている と感じており、それは実習時間が予定時間を超 過するという形になって表れてきている。また、 短大では 2 回生に入ってすぐに就職活動が始ま り、栄養士職を受験する場合は実技試験を課さ れることもある。そのため、1 回生の間に出来る だけ調理能力を高めておくことが就職にも有利 と考えられる。したがって、より効率的かつ効 果的な教育が求められており、実習内容の見直 しと共に調理系関連科目の連携が必須であると 考えている。調理系関連科目の連携については、 現在継続して実施しているアンケート結果か ら、より効果的な方法を模索しているところで ある。 本学のカリキュラムは、1 回生前期の「基礎実 習」において「調理科学実習」「食事計画論」「調 理学」と連携3)し、包丁の持ち方・切り方、器 具の扱い方、食材の扱い方と重量の把握、基本 的調理操作、調味料の計算と計量などを基礎か ら繰り返し指導し、実習の料理 1 品 1 品を全員 が調理出来るようになることを目標とした取り 組みを行っている。1 回生後期の「献立基礎演 習」では 1 食分あるいは 1 日分、1 週間分の献立 の考え方と立て方を学ぶ。「調理学実習Ⅰ」では

本学栄養士養成課程における調理能力向上を目的とした

取り組みとその教育効果について(第 2 報)

岩田 美智子、坂本 裕子

本学食物栄養学科の学生を対象として入学時から卒業まで継続してアンケート調査を実施し、調 理系関連科目の連携による教育効果の検証を行っている。調理能力レベル(10 段階の自己評価)の 平均は、1 回生前期終了時が 4.5、今回の 1 回生後期終了時に実施した 3 回目のアンケート調査結果 では 5.8 であり、やや上昇した。また、実習で作った料理を自宅で作ることが調理能力レベル(自 己評価)を高める要因の 1 つであることが示唆された。 キーワード:調理能力、自己評価、調理系関連科目の連携、教育効果

(2)

実際に 1 食分の献立を調理し試食することによ り、献立を立体的に理解する。さらに同時期開 講の「ライフステージ栄養学実習」ではライフ ステージ毎に食事形態、量、食材などを考慮す ることを学ぶ。また、「調理学実習Ⅰ」の料理は 基本的に健康な自分が食べることを想定した家 庭料理であるのに対して、「ライフステージ栄養 学実習」は特定の人に向けて作る料理であるこ とも実習の特徴として挙げられる。このように、 1 回生の 1 年間で、栄養士に必要とされる能力を 順序立てて学ぶようなカリキュラムになってい る。 1 食分を作る経験により気付き身につく調理 能力は多くあると推察され、献立作成でしばし ばみられるような主菜も副菜も同じ調理法、同 じ味付け、使用食材の重複などという好ましく ない献立は少なくなるのではないかと思われ る。しかし、調理実習で 1 食分を作る実習を繰 り返しても、1 グループ 4∼5 人で分担して作業 を行うため、実習だけで 1 食分を作る能力を身 に付けることは難しい。 そこで、自宅での調理経験(回数)を増やす ことが調理能力を伸ばすためのポイントである と考えている。特に後期の実習において、1 食分 の料理の組み合わせや 1 食の適量、調理法など を学んだことが、自宅でも 1 食分の調理をする 契機となり頻度が増えるのではないかと考えて いる。 今回のアンケート調査ではこれまでの教育効 果の検証を目的として、自宅で 1 食分を調理す る頻度と、実習で作った料理を自宅で調理する 頻度を調査し、調理能力レベル(自己評価)と の関連性を検討した。また、1 食分を調理する際 に配慮している項目についても調査した。

2.研究方法

(1)対象者 本学食物栄養学科平成 27 年度入学生 111 名 (18∼19 歳) (2)実施時期   平成 28 年 1 月 1 回生後期授業終了時 (3)調査方法 前回3)同様に、記述式アンケート調査を集合 調査法で実施した。(有効回答率は 100%) 本研究では平成 27 年度入学の学生を対象とし て、卒業までの 2 年間に計 5 回のアンケート調 査を実施する予定であり、今回は 3 回目のアン ケート調査である。 なお、調査は本学倫理委員会の承認を得て 行った。 (4)記述式アンケート調査内容 自宅での調理頻度と意識に関する質問 7 項目 と、1 食分を作る際に配慮している項目、および 調理能力レベル(10 段階の自己評価)の計 9 項 目のアンケート調査を行った。 調理能力の定義は示しておらず、調理能力に ついては学生それぞれの認識によるものであ る。調理能力レベルの評価とは、入学時を 1、自 分が理想とするレベルを 10 とした時の調査時点 での自己評価である。調理能力レベルはアン ケート調査の度に質問しているため、調査時点 によってレベル 10(理想値)が変動することは 想定している。 (5)解析方法 調査結果の解析には SPSSver.23 を用いた。ク ロス集計を行うにあたり、調理能力レベルをⅠ (レベル 1∼5)、Ⅱ(レベル 6)、Ⅲ(レベル 7∼

(3)

10)の 3 段階にまとめ、調理能力レベル(自己 評価)と質問項目の関係をみた。有意差の検定 にはχ2検定を行い、5%水準を有意とした。

3.結果

(1)調理能力レベル(10 段階の自己評価)の変化 図 1 は、1 回生前期終了時と今回 1 回生後期終 了時に実施したアンケート調査結果の調理能力 レベル(自己評価)の分布を示したものである。 1 回生前期終了時の調理能力レベル(自己評価) の平均は 4.5、1 回生後期終了時は 5.8 であり、1.3 ポイントの伸びが認められた。また、表 1 に示 すように、81.1%の学生に 1 または 2 ポイントの 伸びがみられた。調理能力レベルが下がったと 回答した者はいなかったが、変化していないと 感じている学生(+ 0)が 11.7%いた。 表 1  1 回生前期から後期への調理能力レベルの 変化 レベルの変化 人数 + 0 13 11.7 + 1 58 52.3 + 2 32 28.8 + 3 7 6.3 + 4 1 0.9 111 100.0 (2)調理頻度について 表 2 の質問 1 で、実習で作った料理を自宅で 1 回以上作った(回答①∼③)と回答した学生は、 1 回生前期終了時は 85.2%3)、今回の 1 回生後期 終了時は 88.3%であり 3.1%増加した。なお、作 らなかった者(回答④)は 11.7%であった。 質問 2 の自宅での調理頻度が週 3 回以上(回 答①②)と回答した 21.6%の中には 1 人暮らしを している者が多く、日常的に調理をしていると 思われるが、調理頻度が週 2 回以下(回答③④) の学生の多くが、調理頻度が低い理由として通 学時間や課題、アルバイトなどにより調理をす る時間がないことを挙げていた。なお、自宅で の調理頻度が月に 1∼2 回(回答④)と回答した 者は 39.6%であり、自宅で全く調理をしない者 (回答⑤)は 8.1%であった。 質問 3 の 1 食分を全て 1 人で作ったことがあ る(回答①∼③)と回答した者は、自宅で調理 をしている者の 94.1%であり、全体の 86.5%に当 たる。なお、作ったことがない者は 5.9%であっ た。                    ࣞ࣋ࣝ ᅇ⏕๓ᮇ⤊஢᫬ ᅇ⏕ᚋᮇ⤊஢᫬ 㸣 図 1  1 回生前期と後期の調理能力レベルの比較 (10 段階の自己評価)

(4)

また、質問 3 で①∼③と回答した学生のうち、 質問 4 の 1 食分を全て 1 人で作る回数が入学前 より増えた(回答①②)と回答した学生は 77.1% であった。あまり変わらないあるいは減ったと 回答した学生(回答③④)の多くが、質問 2 と 同じように 1 食分を作る頻度が低い理由として 通学時間や課題、アルバイトを挙げていた。 (3)実習や自宅で調理する際の意識 表 2、質問 5 の入学時と比べて調理する際に手 順や段取りを考えるようになったかについて は、全員がなったと回答した(回答①②)。 質問 6 の包丁の持ち方や切り方に気を配って いるかについては、時々気を配るまでを入れると 97.3%が気を配っていると回答した(回答①②)。 また、質問 7 の食品重量を意識するかについ ては、時々意識するまでを入れると 87.4%が意識 すると回答した(回答①②)。 表 2 調理頻度と調理する際の意識に関するアンケート結果 ㉁ၥෆᐜ ᅇ⟅ ேᩘ ձࡼࡃసࡗࡓ   ղ᫬ࠎసࡗࡓ   ճ㹼ᗘసࡗࡓࠉ   մసࡽ࡞࠿ࡗࡓ   䐟㻡ᅇ௨ୖ䠋㐌   䐠㻟䡚㻠ᅇ䠋㐌   䐡㻝䡚㻞ᅇ䠋㐌   䐢㻝䡚㻞ᅇ䠋᭶   䐣඲䛟䛧䛺䛔   ィ   䐟䜘䛟స䜛   䐠᫬䚻స䜛   䐡స䛳䛯䛣䛸䛿䛒䜛   䐢స䛳䛯䛣䛸䛜䛺䛔䚷   ィ   䐟䛸䛶䜒ቑ䛘䛯   䐠ᑡ䛧ቑ䛘䛯   䐡䛒䜎䜚ኚ䜟䜙䛺䛔   䐢ῶ䛳䛯   ィ   ձ࡜࡚ࡶ࡞ࡗࡓ   ղ࡝ࡕࡽ࠿࡜ゝ࠼ࡤ࡞ࡗࡓ   ճ࠶ࡲࡾ⪃࠼࡞࠸ࠉ   䐟䛔䛴䜒Ẽ䜢㓄䛳䛶䛔䜛䚷   䐠᫬䚻Ẽ䜢㓄䜛   䐡䛒䜎䜚Ẽ䜢㓄䜙䛺䛔   䐟䛔䛴䜒ព㆑䛩䜛   䐠᫬䚻ព㆑䛩䜛   䐡䛒䜎䜚ព㆑䛧䛺䛔   ィ   ࠙㉁ၥࠚ ᖺ๓ࡢධᏛ᫬࡜ẚ࡭࡚ࠊㄪ⌮ࡍࡿ㝿࡟ᡭ㡰ࡸẁྲྀࡾࢆ⪃ ࠼ࡿࡼ࠺࡟࡞ࡾࡲࡋࡓ࠿ࠋ ᐇ⩦ࡸ⮬Ꮿ࡛ࡢㄪ⌮ࡢ㝿࡟ࠊໟ୎ࡢᣢࡕ᪉ࠊษࡾ᪉࡟Ẽࢆ 㓄ࡗ࡚࠸ࡲࡍ࠿ࠋ ᐇ⩦ࡸ⮬Ꮿ࡛ࡢㄪ⌮ࡢ㝿࡟ࠊ㣗ရࡢ㔜㔞ࢆព㆑ࡋ࡚࠸ࡲࡍ ࠿ࠋ 䛆㉁ၥ㻞䛷䐟䡚䐢䛸ᅇ⟅䛧䛯᪉䛻䛚⪺䛝䛧䜎䛩䛇 㻝㣗ศ䠄ᮅ䞉᫨䞉ኤ䛾㣗஦䛾䛔䛪䜜䛛䠅䜢඲䛶⮬ศ䠍ே䛷స䜛䛣䛸䛜 䛒䜚䜎䛩䛛䚹 䈜㻝ேศ䛷䜒ᐙ᪘䛾ศ䛷䜒䛔䛔䛷䛩䚹 ࠙㉁ၥ࡛ձ㹼ճ࡜ᅇ⟅ࡋࡓ᪉࡟࠾⪺ࡁࡋࡲࡍࠚ 㣗ศࢆ඲࡚㸯ே࡛సࡿᅇᩘࡣධᏛ๓ࡼࡾቑ࠼ࡲࡋࡓ࠿ࠋ ࠙㉁ၥࠚ ࠙㉁ၥࠚ ࠙㉁ၥࠚ 䛆㉁ၥ㻝䛇 ࠙㉁ၥࠚ ࠙㉁ၥࠚ ᅇ⏕ᚋᮇࡢࠕㄪ⌮Ꮫᐇ⩦Ϩࠖ࡜ࠕࣛ࢖ࣇࢫࢸ࣮ࢪᰤ㣴Ꮫ ᐇ⩦࡛ࠖసࡗࡓᩱ⌮ࢆ⮬Ꮿ࡛సࡾࡲࡋࡓ࠿ࠋ ⌧ᅾࠊ⮬Ꮿ࡛࡝ࢀࡃࡽ࠸ㄪ⌮ࢆࡋ࡚࠸ࡲࡍ࠿ࠋ 㸦ᡭఏ࠸ࢆྵࡴ㸧 㸣

(5)

(4) 調理頻度・調理する際の意識と調理能力レ ベルとの関連(表 3) 表 3 は、表 2 の質問 1∼7 についてを調理能力 レベルのⅠ∼Ⅲ別にまとめたものである。 質問 1 の実習で作った料理を自宅で作った頻 度と調理能力レベル(自己評価)の間には、5% で有意な関連が認められた(p = 0.012)。なお、 自宅での調理頻度(質問 2)および 1 食分を 1 人 で作る頻度(質問 3)と調理能力レベルの間には 有意な関連は認められなかった。入学前と比較し た 1 食分を 1 人で作る頻度(質問 4)と調理能力 レベルの間にも有意な関連は認められなかった。 また、調理する際に手順や段取りを考えるよ うになったか(質問 5)、包丁の持ち方や切り方 に気を配っているか(質問 6)、調理の際に食品 の重量を意識するか(質問 7)のそれぞれと、調 理能力レベルとの間には有意な関連は認められ なかった。 表 3 調理頻度・調理する際の意識と調理能力レベルの関連

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(5)1 食分を作る際の配慮(図 3) 1 食分を作ったことがあると回答した学生 96 人に、1 食分を作る際に配慮するようになったこ とを 16 項目から複数選択してもらったところ、 「段取り」が 75.0%で最も高かった。調理技術の 項目である「盛り付け」「火加減」「配膳」「料理 に合わせた食器の使用」「食材の量に合わせた調 理器具の使用」「調味の加減」のうち「調味の加 減」以外は比較的高かった。しかし献立に関す る項目は、「栄養バランス」「色どり」が高かっ た以外は、「味付けが重複しない」「調理法が重 複しない」「使用食品が重複しない」は 30%前後 と低かった。「食べる人の嗜好」や「食べる人の 体調」を考えて調理するという項目や「エコ」へ の配慮は低かった。

4.考察

(1)調理能力レベル(自己評価)の変化について 入学時から前期授業終了時までが平均 3.5 ポ イントの伸びであった3)のと比較して、その後 1 回生後期終了時までは平均 1.3 ポイント増と低 い伸びになった。それは、後期の 1 食分を作る 実習により、栄養士に求められる調理能力は 思っていた以上に高く、内容も深いことを理解 し始め、理想とする調理能力のレベルが上がっ たためと考えられる。その意味では成長の表れ とみることができる。 また、自己評価による調理能力レベルは自己 肯定感の現れでもあると捉えており3)、レベルが 上がらなかったと回答した 11.7%の学生は、1 回 生前期より高度になった 1 回生後期の講義や実 図 3 1 食分を作る際に配慮するようになったこと (16 項目から複数選択) 75.0 74.0 67.7 59.4 55.2 55.2 51.0 51.0 47.9 36.5 32.3 31.3 27.1 25.0 20.8 16.7

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習に対して自信を無くし、自己肯定感が低く なっているとも考えられる。 (2)調理頻度について 調理頻度については、実習で作った料理や 1 食 分を 1 回以上作ったことがあると回答した学生 は 85%以上であった。また、入学してから 1 食 分を作る頻度が増えたと回答した学生は 77.1% であったことから、比較的多くの学生が自宅で の調理経験があると思われる。 しかし、実習で作った料理を 1∼3 回作ったが 47.7%、月に 1∼2 回自宅で調理するが 39.6%、1 食分を 1 人で作ったことはあるが 46.1%であり、 自宅での調理頻度は決して高いとは言えない。 さらに、実習で作った料理を 1 度も自宅で作っ たことがないが 11.7%、自宅で全く調理をしない が 8.1%、1 食分の食事を作ったことがないが 5.9%であったことにも留意しなければならな い。 自宅での調理頻度が少ないことや調理をしな い理由として、多くの学生が通学時間や課題、ア ルバイトにより作る時間がないことを挙げてい る。しかし、時間があれば調理をするのではな く、調理をする時間を作るという意識付けが必 要なのではないかと考えられる。本来は自発的 に調理をすることが望ましいが、調理をする時 間を作るという意味では、自宅での調理を課題 とすることも有用であると思われる。 また、調理実習は調理能力を身に付けるため だけではなく、楽しさや達成感を得る場であり 同時にコミュニケーションとチームワークを学 ぶ場でもある。田中が挙げた『自宅での調理頻 度を増やすための教授法』4)や安田らの報告5) もあるように、実習で褒められたり、楽しかっ たり、美味しかったりした体験が自宅での調理 頻度を増やし、それが調理能力を上げることに 繋がると考えている。田中はまた、『調理実習で の失敗が家庭での実践の動機とはなりにくい』 とも述べており、失敗しない調理実習のために レシピやデモンストレーションの役割3)6)は大 きいと言える。 (3)実習や自宅で調理する際の意識 ほとんどの学生が入学時と比較して調理の際 に手順や段取り、包丁の持ち方・切り方、食品 重量などを意識すると回答した。どの項目も調 理を行う上では当然のこととして認識されてき ているのではないかと推察される。 (4) 調理頻度と調理能力レベル(自己評価)と の関連 実習で作った料理を自宅で作った頻度と調理 能力レベル(自己評価)には有意な関連が認め られたことから、実習で作った料理を自宅でも 作ることが調理能力レベル(自己評価)を高め る要因の 1 つであることが示唆された。 また、調理能力レベルとの関連をみた中で、1 食分を 1 人で作った頻度と調理能力レベル(自 己評価)との間に有意な関連が認められなかっ たのは予想外であった。我々は、学生の食習慣 を把握しないまま「1 食分(朝・昼・夕の食事の いずれか)を作ることがありますか」という質 問(表 2、質問 3)を行った。学生が、チャーハ ンやスパゲティのような単品料理であっても、1 食分を作ったと回答するであろうということを 想定していなかった。我々が意図していた 1 食 分とは一汁二菜のような献立であり、少なくと も単品ではない献立であったが、説明不足の設 問だったと考えている。今後のアンケート調査 を行うに当たっては、夕食の食事構成として主 食、主菜、副菜が うスタイルである女子学生 が 35%程度しかいないという報告7)をふまえて、

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設問を検討したいと考えている。 なお、実習で作った料理を自宅で作る頻度8)9) や、実習終了後の自宅での調理頻度4)について は報告されているが、1 食分を作る頻度について の報告は見られず、今後引き続き調査報告して 行きたい。 (5)1 食分を作る際の配慮 1 回生後期から 1 食分を作る実習が始まり、1 品を作るのとは違う食事作りの難しさに学生は 戸惑うようである。しかし、実習が進むに従い、 時間内に献立を仕上げるために段取りを考える ようになる。火加減をしながら調理・調味し、料 理に合わせた食器に美味しそうに盛り付け、正 しく配膳するというような調理技術に関する配 慮は毎回の実習の中で学び身に付いてきている と推察される。 また、味付け、調理法、使用食品などの献立 に関する配慮や食べる人への配慮は低い傾向に あったが、これらは主に 2 回生で学ぶ内容であ り、1 回生後期実習や講義だけでは不十分である ことから、予想していた結果となった。 エコに関しては、入学当初に基礎実習におい て水の無駄をなくす食器の洗い方を説明した他 は、実習内で食材の無駄が出ないようにや、食 べ残さないように指導するに留まっているのが 現状である。それが低い結果として表れたと思 われる。調理実習におけるエコの取り組みにつ いては、早急に取り組みたい課題の 1 つである。

5.まとめ

1 回生後期終了時に本研究の 3 回目のアンケー ト調査を実施した。アンケート結果より調理系 関連科目の連携による教育効果を検証した。 1)1 回生後期の調理能力レベル(自己評価)は 平均 5.8 であり、1 回生前期から 1.3 ポイントの 伸びがみられた。調理能力レベルの伸びは緩く なったが、栄養士に求められる調理能力を理解 してきたことにより調理能力の理想値が上がっ たからであるとも考えられ、今後のアンケート 調査により継続して検討していく。 2)実習で作った料理を自宅で作った頻度と調理 能力レベル(自己評価)には有意な関連が認め られた。このことから、実習で作った料理を自 宅で作ることが、調理能力レベル(自己評価)を 高める要因の 1 つであることが示唆された。 3)学生の調理頻度は十分高いとは言えず、自宅 で全く調理をしない学生もいることから、実習 で作った料理を作ることも含めて調理頻度を増 やすための教授法の工夫と、レシピやデモンス トレーションの改善を課題としたい。 4)1 食分を作る際に配慮するようになったこと として、調理技術の面での配慮は比較的高い傾向 にあり、献立に関してや食べる人への配慮は低い 傾向にあった。またエコへの配慮は低かった。今 後のアンケート調査において引き続き調査し、2 年間の変化を捉えていきたいと考えている。 なお、本稿は第 63 回日本栄養改善学会学術総 会(2016 年青森)で示説発表したものをまとめた。 参考文献 1)鈴木ひろみ:若年女性の調理能力調査に関する一考 察、仙台白百合女子大学紀要、Vol.4、pp.77-85(2000) 2)大学調理教育研究グループ北九州:大学における調 理実習教育の現状と担当教員の把握する学生の実 態、日本調理科学会誌、Vol.45、No.4、pp.255-264 (2012) 3)岩田美智子、坂本裕子:本学栄養士養成課程におけ る調理能力向上を目的とした取り組みとその教育効 果について−入学前から 1 回生前期の取り組み−、

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京都文教短期大学紀要 ,54 集、pp.81∸88(2015) 4)田中由美子:生活実践を促すための調理学実習の要 因分析、安田女子大学紀要、42、pp.187-195(2014) 5)安田智子、澤田千晴、宮地博子、北山育子:栄養士 養成校の学生における調理実習の指導方法に関する 研究−習熟度自己評価と設定目標から−、東北女子 大学・東北女子短期大学紀要、No.52、pp.75-82(2013) 6)杉村留美子、古郡曜子:調理実習におけるデモンス トレーションの役立ち感−家庭科教育との関係をふ まえて−、北海道文教大学紀要、第 38 号、pp.107-112(2014) 7)古橋優子、八木明彦、酒井映子:女子学生の料理レ ベルからみた食事形態と食生活状況との関連、日本 食生活学会誌、17(2)、44-54(2006) 8)木内清美:栄養士養成課程における新入生の調理に 関する知識と意識−愛知江南短期大学における調理 実習から−、愛知江南短期大学紀要、45、pp.13-25 (2016) 9)八尋美希:学生の調理経験と調理実習における自己 評価との関連性、近畿大学九州短期大学研究紀要、 Vol45、pp.1-9(2015)

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参照

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