財務情報の質的特性「理解可能性」の検討:企業会計および公会計「概念フレームワーク」の比較を中心に
17
0
0
全文
(2) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討 -企業会計および公会計「概念フレームワーク」の比較を中心に-. 石田. 1. 晴美. はじめに IASB( 国 際 会 計 基 準 審 議 会 )と FASB( 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 )は 財 務 会 計. の 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク の 共 同 開 発 を 進 め 、 2010 年 9 月 に 「 財 務 報 告 に 関 す る 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 」第 1 章「 一 般 目 的 財 務 報 告 の 目 的 」お よ び 、第 3 章「 有 用 な 財 務 情 報 の 質 的 特 性 」を 完 成 さ せ た 。こ れ に よ り 、FASB は「 財 務 会 計 の 諸 概 念 」 第 1 号 「 営 利 企 業 の 財 務 報 告 の 基 本 目 的 」( 1978) お よ び 第 2 号 「 会 計 情 報 の 質 的特性」 ( 1980)を 差 し 替 え 、IASB は「 財 務 諸 表 の 作 成 及 び 表 示 に 関 す る フ レ ー ム ワ ー ク 」( 1989) の 該 当 部 分 を 差 し 替 え た 。 企 業 会 計 で は IASB と FASB が こ の よ う に 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク の 一 部 分 を 共 同 開 発 し た の に た い し 、公 会 計 に お い て IPSASB( 国 際 公 会 計 基 準 審 議 会 )と GASB (米国公会計基準審議会)は、概念フレームワークの共同開発を行っていない。 IPSASB は 2014 年 10 月 に「 パ ブ リ ッ ク セ ク タ ー 主 体 に よ る 一 般 目 的 財 務 報 告 の た め の 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 」の 策 定 を 完 了 し 、GASB は 2015 年 1 月 末 現 在 、 「概 念 報 告 書 」 第 1 号 「 財 務 報 告 の 目 的 」( 1987) か ら 第 6 号 「 財 務 諸 表 構 成 要 素 の 測 定 」( 2014) を 公 表 し て い る 1 。 企業会計と公会計の最も大きな違いの一つは、利害関係者の関わり方・多様さ である。企業会計において投資者や債権者を代表とする利害関係者は、自らの意 思で当該企業に資金提供するか否かを決定することができる。これにたいし、国 や 地 方 自 治 体 は 課 税 権 を 有 し 、国 民・住 民 か ら 強 制 的 に 税 を 徴 収 す る 。そ の た め 、 公会計が対象とする主要な利害関係者は広く国民・住民となり、企業会計が想定 する利害関係者とは大きく異なる。国民・住民には、財務情報を読み取るだけの 充分な会計知識を有していない者が多数存在することが予想されるが、会計知識 を有しないことの非を国民・住民に帰すことはできない。そのため、財務情報の 質的特性としての「理解可能性」が持つ意義は企業会計のそれとは大きく異なる と考える。 本 稿 の 目 的 は 、 FASB、 IASB、 GASB、 IPSASB の 各 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 「 財 務情報の質的特性」 (以下、 「 質 的 特 性 」と い う )の「 理 解 可 能 性 」に 焦 点 を あ て 、 そ の 比 較 検 討 を と お し 、企 業 会 計 と 公 会 計 に お け る「 理 解 可 能 性 」の 違 い お よ び 、. 1.
(3) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. そ の 意 義 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。ま ず 第 2 節 で は 、各 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク の 「 質 的 特 性 」に お け る 「 理 解 可 能 性 」の 位 置 づ け を 検 討 す る 。 次 に 第 3 節 で 、 各 概念フレームワークの「理解可能性」の定性的表現の比較検討をとおし、企業会 計と公会計における「理解可能性」の違いおよび、その意義を明らかにする。. 2. 各概念フレームワーク「質的特性」における「理解可能性」の位置づけ 図 表 1 は FASB,IASB,GASB, IPSASB の 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク の「 質 的 特 性 」の. 公表・適用時期を企業会計と公会計に分けて示したものである。 FASB は 1980 年 に 、 IASB は 1989 年 に そ れ ぞ れ 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 「 質 的 特 性 」 を 公 表 し 、 そ の 後 2010 年 9 月 に 新 た な 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 「 質 的 特 性 」 を 共 同 開 発 し 、 そ れ ま で の も の を 差 し 替 え た 2。 GASB は 1987 年 公 表 の 概 念 報 告 書 第 1 号 「 財 務 報 告 の 目 的 」 に お い て 「 質 的 特 性 」を 示 し 、IPSASB は 2013 年 1 月 に 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 第 3 章「 質 的 特 性 」 を公表した。. 図 表 1: FASB,IASB,GASB,IPSASB「 質 的 特 性 」 の 公 表 ・ 適 用 時 期. 出典:筆者作成. 本 節 で は 、企 業 会 計 に お け る 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク「 質 的 特 性 」の「 理 解 可 能 性 」 の 位 置 づ け を FASB( 1980)、IASB( 1989)、お よ び IASB,FASB( 2010)と 設 定 年順に明らかにする。そして、それらの比較から企業会計で「理解可能性」の位 置 づ け が ど の よ う に 変 化 し た の か を 検 討 す る 。次 に 、公 会 計 で あ る GASB( 1987) お よ び 、 IPSASB( 2013) 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 「 質 的 特 性 」 の 「 理 解 可 能 性 」 の. 2.
(4) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 位置づけを明らかにした後、企業会計と公会計における「理解可能性」の位置づ けの違いを検討する。. 2.1. FASB( 1980). FASB( 1980) は 、 会 計 情 報 を 有 用 に さ せ る 質 的 特 性 を 図 表 2 の よ う に 階 層 構 造 と し て 示 し た (par.32)。 そ こ で は 、 会 計 情 報 は 目 的 に 適 合 す る も の で あ り 、 信 頼 で き る も の で な け れ ば な ら な い と し 、「 目 的 適 合 性 」 と 「 信 頼 性 」 の 2 つ を 意 思決定に固有の基本的特性とした。さらに、これらの内訳要素として基本的な特 性 の 要 素 お よ び 、 副 次 的 か つ 相 互 作 用 的 特 性 に 階 層 的 に 分 解 し 、「 予 測 価 値 」「 フ ィードバック価値」 「適時性」 「検証可能性」 「表現の忠実性」 「比較可能性」 「中立 性」を挙げた。. 図 表 2: FASB( 1980) 質 的 特 性. 出 典 : 平 松 一 夫 ,広 瀬 義 州 ( 2002)『 FASB 財 務 会 計 の 諸 概 念 増 補 版 』 中 央 経 済 社 ,77 頁 .. こ れ に た い し「 理 解 可 能 性 」は 、情 報 利 用 者 に 固 有 の 特 性 で あ る と し 、 「財務報 告によって提供される情報は、経営および経済活動を正しく理解し、また適度の 注意を払って当該情報を研究しようとしている者にとって理解できるものでなけ ればならない」 「 財 務 情 報 は 一 つ の 道 具 で あ り 、こ の 道 具 は 学 び と る こ と が で き る 。 したがって、財務報告は専門家であると否とを問わず、財務情報を正しく用いる 方法を学ぼうとする全ての者が利用できる情報を提供しなければならない」とし た ( par.40)。. 3.
(5) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 2.2. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. IASB( 1989). IASB( 1989)は 主 要 な 質 的 特 性 と し て「 理 解 可 能 性 」「 目 的 適 合 性 」「 信 頼 性 」 「比較可能性」の 4 つを挙げた。図表 3 はこれを表にしたものである。 IASB( 1989)は 主 要 な 質 的 特 性 間 に 階 層 関 係 を 示 さ ず 、「 理 解 可 能 性 」を「 財 務諸表が提供する情報の重要な特性は、その情報が利用者にとって理解しやすい こ と で あ る 」と し 、 「 利 用 者 は 、事 業 、経 済 活 動 及 び 会 計 に 関 し 合 理 的 な 知 識 を 有 し、また合理的に勤勉な態度をもって情報を研究する意欲があると仮定される」 と 説 明 し た ( par.24)。 図 表 3: IASB( 1989) 質 的 特 性. 出 典 : IASB( 1989) pars.24-46 よ り 筆 者 作 成. 2.3. IASB,FASB( 2010). IASB,FASB( 2010) は 質 的 特 性 を 基 本 的 な 質 的 特 性 と 補 強 的 な 質 的 特 性 の 2 つに分類し、基本的な質的特性に「目的適合性」と「忠実な表現」を挙げた。 図 表 4 は 、 IASB,FASB( 2010) 質 的 特 性 を 示 し た も の で あ る 。 図 表 4: IASB,FASB( 2010) 質 的 特 性. 出 典 : IASB,FASB( 2010) pars.QC5-32 よ り 筆 者 作 成. 4.
(6) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. さ ら に 、 財 務 情 報 の 有 用 性 を 補 強 す る も の と し て 「 比 較 可 能 性 」「 検 証 可 能 性 」 「 適 時 性 」「 理 解 可 能 性 」 の 4 つ を 補 強 的 な 質 的 特 性 と し た ( par.QC34)。 「理解可能性」については「財務報告書は、事業及び経済活動についての合理的 な 知 識 を 有 し 情 報 を 入 念 に 検 討 し 分 析 す る 利 用 者 の た め に 作 成 さ れ る 」、 時 に は 「十分な情報を持った勤勉な利用者であっても、複雑な経済現象に関する情報を 理 解 す る た め に 助 言 者 の 支 援 を 求 め る 必 要 の あ る 場 合 も あ る 」と し た( par.QC32)。. 2.4. FASB( 1980) ,IASB( 1989) , IASB,FASB( 2010) の 比 較. 図 表 5 は FASB( 1980),IASB( 1989), IASB,FASB( 2010)の 質 的 特 性 の 位 置づけを比較したものである。. 図 表 5: FASB( 1980) ,IASB( 1989) ,IASB,FASB( 2010) 質 的 特 性 の 位置づけの比較. 出典:筆者作成. FASB( 1980)は「 理 解 可 能 性 」を 情 報 利 用 者 に 固 有 の 特 性 と し て 情 報 そ れ 自 体 が 有 す る 質 的 特 性 に 含 め な か っ た 。 こ れ に た い し 、 IASB( 1989) は 主 要 な 質 的 特 性 相 互 間 の 階 層 構 造 を 示 さ な か っ た が「 理 解 可 能 性 」を 他 の 3 つ の 特 性 よ り 先 に記載するとともに「財務諸表が提供する情報の重要な特性は、その情報が利用. 5.
(7) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 者にとって理解しやすいことである」 ( par.25)と 説 明 し た 。こ の こ と か ら 、IASB ( 1989) は 「 理 解 可 能 性 」 を 最 重 要 視 し て い た と 考 え ら れ る 。 し か し 、 IASB,FASB( 2010) で は 、「 理 解 可 能 性 」 を 補 強 的 な 質 的 特 性 に 分 類 す る と と も に 、記 載 順 を 最 後 と す る な ど 図 表 5 の 矢 印 で 示 す よ う に 最 下 位 に 位 置 づけた。結論の根拠では「理解が難しい情報はできるだけ明瞭に表示と説明を行 う べ き こ と を 示 す こ と を 意 図 」し 、 「 理 解 可 能 性 」を 補 強 的 な 質 的 特 性 に 分 類 し た と 説 明 し て い る( par.BC3.42)。さ ら に 、「 利 用 者 の 責 任 は 、報 告 さ れ る 財 務 情 報 を 合 理 的 な 勤 勉 さ を も っ て 『 実 際 に 』 研 究 す る こ と で あ り 、 IASB( 1989) が 定 義していた単にそうする『意欲がある』と仮定することではない」と指摘した ( par.BC3.43)。. 2.5. GASB( 1987). GASB( 1987) は 、 図 表 6 に 示 す よ う に 、「 理 解 可 能 性 」「 信 頼 性 」「 目 的 適 合 性 」「 適 時 性 」「 首 尾 一 貫 性 」「 比 較 可 能 性 」 の 6 つ を 質 的 特 性 と し て 挙 げ た 。. 図 表 6: GASB( 1987) 質 的 特 性. 出 典 : GASB( 1987) pars.62-68 よ り 筆 者 作 成. GASB( 1987) は 、 こ れ ら 質 的 特 性 に つ い て FASB( 1980) が 詳 細 な 検 討 を 行 っ て い る の で 参 照 す る よ う 注 記 し て い る ( par.62)。 こ の こ と か ら わ か る よ う に 、 GASB( 1987) の 考 え 方 の 基 礎 は FASB( 1980) に あ る 。 し か し な が ら 、 質 的 特 性 間 に 階 層 関 係 を 設 け ず 、「 理 解 可 能 性 」 を 一 番 目 に 記 載 す る な ど 「 理 解 可 能 性 」 の 位 置 づ け は 高 く 、 FASB( 1980) と そ の 意 味 で 同 一 で は な い 。. 6.
(8) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 「理解可能性」については「政府報告の利用者は政府の会計と財務について異 なったレベルの知識と素養を持っている。公的説明責任を果たすためには、会計 原則についての詳細な知識を有していない者でも理解することのできる財務報告 を公表すべきである。そして、利用者が提供された情報を理解することを助ける た め に 説 明 と 解 説 を 含 む べ き で あ る 」と し た う え で 、 「財務報告は単に理解するこ とが難しいことから、または、利用者がその情報を利用しないことを選ぶという 理 由 で 情 報 を 排 除 す べ き で は な い 」 と し た ( par.63)。. 2.6. IPSASB(2013). IPSASB は 、IPSAS( 国 際 公 会 計 基 準 )「 序 章 」( 2012)に お い て 、パ ブ リ ッ ク セ ク タ ー 固 有 の 問 題 が 存 在 せ ず IFRS( 国 際 財 務 報 告 基 準 ) を パ ブ リ ッ ク セ ク タ ー に 適 用 す る こ と が 適 切 で あ る 場 合 、 IASB 策 定 の IFRS と IPSAS を 統 合 し 、 IPSAS は IFRS 基 準 お よ び 原 文 を で き る 限 り 維 持 す る と し た( par.13)。さ ら に 、 発 生 主 義 会 計 IPSAS は IFRS を 基 礎 と し て い る た め IASB の 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク は IPSAS 利 用 者 に と っ て も 目 的 適 合 で あ る と 明 言 し て い る( par.14)。そ の た め 、 図 表 7 で 示 す IPSASB(2013)は 、 先 述 し た IASB,FASB( 2010) と 非 常 に 近 似 し ている。. 図 表 7: IPSASB(2013)質 的 特 性. 出 典 : IPSASB(2013)pars.3.1-3.31 よ り 筆 者 作 成. し か し な が ら 、IPSASB(2013)は 、IASB,FASB( 2010)の よ う に 質 的 特 性 を 基 本 的 な 質 的 特 性 と 補 強 的 な 質 的 特 性 の 2 つ に 分 類 す る こ と は 行 わ ず 、IASB,FASB ( 2010)が 基 本 的 な 質 的 特 性 と し た「 目 的 適 合 性 」と「 忠 実 な 表 現 」を 他 よ り 先. 7.
(9) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. に 記 載 す る に と ど め た 。 さ ら に 、 IASB,FASB( 2010) で は 末 尾 に 記 載 し て い た 「理解可能性」を「忠実な表現」の次に記載し、その優先順位を上げている。 「 理 解 可 能 性 」の 定 義 で IASB,FASB( 2010)と 異 な る 点 は 、 「パブリックセク ターの一般目的財務報告は、利用者の基礎的知識、ニーズ、情報それ自体の性質 に 応 じ て 情 報 を 提 供 し な け れ ば な ら な い 」「 報 告 期 間 お よ び 将 来 期 間 に 関 す る 財 務・非財務情報の説明やサービス提供およびその他の業績についてのコメントは 利用者が容易に理解できる程度に平易な言葉で書かなければならない」とし、ま た、 「幅広い利用者が理解できるように一般目的財務報告に含まれる経済的な事象、 その他の事象を表現するための全ての努力をしなければならない」としたことで あ る ( pars.3.17-3.18)。. 2.7. IASB,FASB( 2010) , GASB( 1987) , IPSASB(2013)の 比 較. 既 に 明 ら か に し た よ う に 、GASB( 1987)は 2015 年 1 月 末 現 在 も 有 効 で あ り 、 1987 年 策 定 時 は FASB( 1980) を 基 礎 に し て い る 。 ま た 、 IPSASB( 2013) は FASB,IASB( 2010)を 基 礎 に 開 発 さ れ て い る 。そ の た め 、GASB( 1987)は FASB ( 1980)に 、IPSASB( 2013)は IASB, FASB( 2010)に そ れ ぞ れ 近 い 内 容 と な っ て い る 。 図 表 8 は IASB,FASB( 2010) ,GASB( 1987) , IPSASB( 2013) 質 的特性の位置づけを比較したものである。. 図 表 8: IASB,FASB( 2010) ,GASB( 1987) , IPSASB( 2013) 質 的 特 性 の 位置づけの比較. 出典:筆者作成. 8.
(10) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 図 表 8 か ら 明 ら か な よ う に 企 業 会 計 で あ る IASB,FASB( 2010) と 公 会 計 で あ る GASB( 1987) ,IPSASB( 2013) で は 、「 理 解 可 能 性 」 の 優 先 順 位 が 大 き く 異 なる。企業会計において「理解可能性」は、質的特性のなかで最下位に位置づけ ら れ て い る の に た い し 、 GASB( 1987) で は 最 上 位 、 IPSASB( 2013) に お い て も「 目 的 適 合 性 」 「 忠 実 な 表 現 」の 次 に 位 置 づ け る な ど 、公 会 計 に お け る「 理 解 可 能性」の位置づけは非常に高い。. 3. 「理解可能性」定性的表現の比較分析 図 表 9 は 、IASB,FASB( 2010),GASB( 1987), IPSASB( 2013)質 的 特 性 の. 「理解可能性」の定性的表現について、主な主張に数字を振り、内容がほぼ同様 のものを横に並べたものである。 IPSASB は 、先 述 し た よ う に IPSAS「 序 文 」で IFRS の 原 文 を で き る 限 り 維 持 することを明示しているにもかかわらず、 「 理 解 可 能 性 」に つ い て は 、IASB,FASB ( 2010) と 異 な る 表 現 や 主 張 が 多 い 。 こ れ に た い し 、 GASB( 1987) の 主 張 で IPSASB( 2013) と 異 な る も の は な い 。 ま ず 、GASB( 1987)と IPSASB( 2013)は ③ で 、財 務 報 告 の 利 用 者 は 会 計 に ついて異なる知識レベルを有していること、そのなかには会計原則の詳細な知識 を有していない者がいることに言及し、そのような幅広い利用者でも理解するこ とのできる財務報告を発行すべきであり、そのために全ての努力が行われなけれ ばならないと主張する。そして、④利用者の理解を助けるためには平易な文章や 説明、解説を含むべきであるとする。 こ れ に た い し 、IASB, FASB( 2010)に 同 様 の 主 張 は な い 。IASB,FASB( 2010) が想定しているのは、知識レベルが異なる幅広い利用者ではなく、⑥事業および 経済活動についての合理的な知識を有し,情報を入念に検討し分析する利用者で ある。結論の根拠では「利用者の責任」という用語を用い、利用者に責任がある ことを明らかにしている。そこでは「利用者の責任は、報告される財務情報を合 理的な勤勉さをもって実際に研究することである」 ( par.BC3.43)と し 、「 こ の よ うな利用者の責任の議論にもかかわらず、一部の利用者が理解できないかもしれ ないという理由で、新しい会計処理方法が意思決定に有用な財務情報の報告をも たらすものであっても導入すべきではないという誤解が続いている」と指摘する ( par.BC3.41)。IPSASB( 2013)に も IASB,FASB( 2010)の ⑥ と 同 様 の 記 述 は あるが、 「 合 理 的 な 勤 勉 さ で 検 討 し 分 析 す る こ と が 出 来 る 、ま た は 準 備 す る と 想 定 する」と若干弱めの主張になっている。さらに、⑦情報を理解するために助言者. 9.
(11) IASB,FASB(2010). GASB(1987). 10. パブリックセクターの一般目的財務報告は、利用者 の基礎的知識、ニーズ、情報それ自体の性質に応じ て情報を提供しなければならない(par.3.17)。幅広い 利用者が理解できるように、一般目的財務報告が提 供する経済的およびその他の現象を表現するため の全ての努力が行われなければならない (par.3.18)。. 情報が分類され、特徴付けされ、明瞭かつ簡潔に表 示されることで理解可能性は高まる(par.3.17)。. IPSASB(2013) 理解可能性は、利用者が情報の意味を理解すること を可能とする質的特性である。比較可能性もまた理 解可能性を高める(par.3.17)。. いくつかの経済的その他の現象は複雑で、一般目的 財務報告で表現することが難しく、利用者は情報を 理解するために助言者の支援を求める必要のある 場合もある(par.3.18)。. 一般目的財務報告の利用者は、報告主体の運営や 取り巻く環境について合理的な知識を有し、情報を 合理的な勤勉さで検討し分析することが出来る、ま たは準備すると想定する(par.3.18)。. しかしながら、財務報告は単に理解することが難し しかしながら、単に利用者が支援なしでは複雑で難 いという理由から、または、利用者がその情報を利 し過ぎるという理由で、情報を排除してはならない 用しないことを選ぶという理由で情報を排除すべき (par.3.18)。 ではない(par.63). そして、この報告は利用者が提供された情報を理解 たとえば、報告期間および将来期間に関する財務・ することを助けるために説明と解説を含むべきであ 非財務情報の説明やサービス提供およびその他の る(par.63) 業績についてのコメントは利用者が容易に理解でき る程度に平易な文章と方法で書かれなければならな い(par.3.17)。. 情報を理解する 時には、十分な情報を持った勤勉な利用者で ために助言者 あっても、複雑な経済現象に関する情報を理解 ⑦ の支援を求める するために助言者の支援を求める必要のある 場合もある 場合もある(par.QC32)。 出典:IASB,FASB(2010),GASB(1987), IPSASB(2013)をもとに筆者作成. 現象の中には、本質的に複雑で理解が容易に はならないものもある。そうした現象に関する情 報を財務報告から除外すれば、それらの財務報 告書の情報は理解しやすくなるかもしれない。し かし、そうした報告は、不完全となり、したがって 誤解を招くものとなる可能性がある (par.QC31)。 利用者は合理 財務報告書は、事業および経済活動について 的知識を有し情 の合理的な知識を有し、情報を入念に検討し分 ⑥ 報を分析する 析する利用者のために作成される(par.QC32)。. 理解が難しいこ とを理由に情報 を排除すべきで ⑤ はない. 利用者の理解 を助けるために ④ 平易な文章や 説明、解説を含 むべきである. 簡潔明瞭に表 情報を分類し、特徴付けし、明瞭かつ簡潔に表 財務報告の情報はできる限り簡潔に表現されるべ ② 現すべきである 示することにより、情報が理解可能となる きである(par.63)。 (par.QC30)。 異なる知識レベ 政府報告の利用者は政府の会計と財務について異 ルを有する幅広 なったレベルの知識と素養を持っている。公的説明 い利用者が理 責任を果たすためには、会計原則の詳細な知識を 有していない者でも理解することのできる財務報告 ③ 解できる財務報 告を発行すべき を公表すべきである(par.63)。 である. 主な主張 比較可能性も ① 理解可能性を 高める. 図表9:IASB,FASB(2010),GASB(1987), IPSASB(2013)「理解可能性」定性的表現の比較 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討.
(12) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. の 支 援 を 求 め る 場 合 も あ る と い う 主 張 に 至 っ て は 、 IPSASB( 2013) と IASB, FASB( 2010)の 表 現 は ほ ぼ 同 じ で あ る に も 関 わ ら ず 、結 論 の 根 拠 は 全 く 異 な る 。 IASB,FASB( 2010) は 、 勤 勉 で あ っ て も 助 言 者 の 支 援 が 必 要 に な る 場 合 も あ る からこそ、 「 理 解 可 能 性 を 補 強 的 な 質 的 特 性 に 分 類 す る の は 、理 解 が 難 し い 情 報 を できるだけ明瞭に表示と説明を行うべきだということを示すことを意図した」と す る( par.BC3.42)。一 方 IPSASB( 2013)は 、 「利用者が理解するために支援を 求める必要がある場合もあるということは、理解可能で無くても良いことを意味 しないし、幅広い利用者が財務報告の情報を理解できるよう全ての努力をしなく て も 良 い こ と を 意 味 し な い 」 と す る ( par.BC3.19)。 つ ま り 、IASB, FASB( 2010)と GASB( 1987)、IPSASB( 2013)の 大 き な 違 い は 、 第 1 に 想 定 し て い る 財 務 報 告 の 利 用 者 の 範 囲 が 挙 げ ら れ る 。 IASB, FASB ( 2010)が 想 定 し て い る 財 務 報 告 利 用 者 は 、情 報 を 自 ら の 努 力 で 理 解 し よ う と す る 者 と 限 定 的 で あ る の に た い し 、GASB( 1987)お よ び IPSASB( 2013)は 会 計 に 関 す る 詳 細 な 知 識 を 持 た な い 者 を 含 む 幅 広 い 利 用 者 を 対 象 と し て い る 。第 2 の 違 い は 、提 供 す る 情 報 の 理 解 可 能 性 の 程 度 で あ る 。IASB, FASB( 2010)は 、 「目 的適合性」と「忠実な表現」という基本的な質的特性を満たしていれば、たとえ それが非常に複雑で理解が難しい情報であっても提供すべきであり、理解するこ と は 利 用 者 の 責 任 で あ る と す る( pars.BC3.41-43)。こ れ に た い し 、GASB( 1987) お よ び IPSASB( 2013)は 、全 て の 利 用 者 に 理 解 可 能 な 情 報 を 提 供 す べ き と す る 。 こ の 違 い は 、 GASB( 1987) の 「 公 的 説 明 責 任 を 果 た す た め に は 、 会 計 原 則 の 詳 細な知識を有していない者でも理解することのできる財務報告を公表すべきであ る 」( par.63) お よ び IPSASB( 2013) の 「 幅 広 い 利 用 者 が 理 解 で き る よ う に 全 て の 努 力 が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 」( par.3.18) に 要 約 さ れ て い る 。 GASB( 1987) は 、 政 府 組 織 及 び 政 府 が 提 供 す る サ ー ビ ス の 主 要 な 特 質 を 次 の よ う に 指 摘 す る 。そ れ は「 民 主 主 義 の も と で は 最 終 的 な 権 力 は 市 民 に あ る 」 ( par.14) こ と 及 び「 政 府 は 市 民 に 課 税 し 、サ ー ビ ス を 提 供 す る 」 ( par.17)が 、そ の 場 合 に 納税者は「非自発的資源提供者であり、政府が提供するサービスを全く受け取ら なかったとしても税金を支払わなければならず」 ( par.17.a)、 「資源の提供とサー ビ ス の 受 領 の 間 に 交 換 の 関 係 は 成 立 し な い 」( par.17.c) こ と で あ る 。 そ の た め 、 政 府 は「 知 る 権 利 を 有 す る 」 ( par.56)全 て の 市 民 に 対 し 、公 的 資 源 を い か に 調 達 し 、使 用 し た か に つ い て 自 ら の 行 動 を 正 当 化 す る た め に 、 「 財 務 報 告 は 、政 府 の 義 務としての公的説明責任を果たすために役立つものでなければならない」 ( par.77) とする。. 11.
(13) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. このような公的説明責任の観点から、公会計における財務情報が具備すべき質 的 特 性 と し て の「 理 解 可 能 性 」は 、企 業 会 計 と 異 な り 非 常 に 重 要 で あ る と 考 え る 。 企業では、資源提供者及び利害関係者は自発的に当該企業と関わりを持つのに対 し、国・地方自治体等の場合では、資源提供者である納税者は当該報告主体と非 自発的な関わりを持つ。つまり、国民・住民は税金等の強制的な徴収にたいし、 支払うか否かの選択権を持たない。そのような非自発的資源提供者に対し、一定 の会計知識を有していることを前提条件に財務報告を行うことは、過酷であると 同時に、財務報告の目的である公的説明責任を果たさない。 こ れ は 、 瓦 田 ( 1996,206 頁 ) が 指 摘 す る よ う に 、「 私 企 業 の 活 動 に か か わ る か 否 か は 、人 々 の 自 由 意 志 に 委 ね ら れ て い る た め 、当 該 私 企 業 の 活 動 に か か わ る 人 々 は、自らの努力により会計の基礎知識ないし予備知識を習得する必要がある。し かしながら、公共部門の活動は各人の意志とは無関係に各人に影響してくるため に 、 GASB は 情 報 利 用 者 が 提 供 さ れ た 情 報 を 理 解 で き る よ う に 要 求 し て い る 」 と いうことができるだろう。 そして、そのことが「理解可能性」の質的特性の位置づけに大きな影響を与え ていると考える。企業会計において「理解可能性」が最下位に位置づけられてい るのは、理解する努力を情報利用者に求めているからである。一方、公会計では 公的説明を果たす義務は情報を提供する側にあるため、全ての情報利用者に理解 可能な情報を提供することが求められ「理解可能性」の位置づけが企業会計に比 して相対的に高くなっているといえる。. 4. おわりに 本 稿 で は 、 FASB、 IASB、 GASB、 IPSASB の 各 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 質 的 特 性. の「理解可能性」に焦点をあて、その比較検討をとおし企業会計および公会計に おける位置づけおよび、意義の違いを明らかにした。自らの意思と責任で財務報 告に接する企業会計の財務報告利用者は、事業および経済活動についての合理的 な知識を有し、情報を入念に検討し分析する責任が求められる。そのため、企業 会計において「理解可能性」は補強的な質的特性に分類されるとともに、最下位 に位置づけられる。これにたいし、税金を払うか否かの意思決定を自発的に行う ことができない国民・住民にたいし財務報告を提供する公会計においては、必ず しも詳細な会計知識を有さない幅広い財務報告利用者が理解できるように全ての 努 力 が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 そ の た め 、「 理 解 可 能 性 」 は 高 く 位 置 づ け ら れ 、 重要であることを明らかにした。. 12.
(14) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. では、 「 理 解 可 能 性 」を 高 め る た め に 必 要 な こ と は 何 で あ ろ う か 。IPSASB( 2013) はその結論の根拠で「幅広い利用者が財務報告を理解できるように全ての努力を 行ったとしても、実際には全ての利用者にたいし全ての質的特性を完全に達成で き な い こ と も あ る だ ろ う 」( par.BC3.19)、「 実 際 の 情 報 の 理 解 度 は 、 利 用 者 に 大 き く 依 拠 す る 」( par.BC3.18) と 指 摘 す る 。 幅広い利用者を想定しながら、 「 理 解 可 能 性 」を 最 大 化 す る た め に 必 要 な 方 策 は 2 つあると考える。1 つは企業会計の知識を有する者が理解できる情報を提供す ることである。もちろん、十分な会計知識を有しない利用者にはより丁寧な説明 が必要であると考えるが、営利を目的としない公会計にあっても企業会計と可能 な 限 り 同 じ 会 計 基 準 に す る こ と が 必 要 だ ろ う 。も う 1 つ の 方 策 は 、パ ブ リ ッ ク セ クター間で同じ会計基準を用いることである。公会計が企業会計と同じ会計基準 を用いる意義、およびパブリックセクター間で同じ会計基準を用いる意義は、比 較可能性を高めるためではない。企業会計の知識を有する者すら理解できない独 自の会計基準を用いること、あるいは報告主体によって違う会計基準を用いるこ とは、財務報告利用者に報告主体によって違う物差し・会計基準を使うことを求 めることにほかならず、 「 理 解 可 能 性 」を 著 し く 低 下 さ せ る と 考 え る 。一 部 の 専 門 家だけが読むための財務報告ではなく、広く国民に説明責任を果たすための財務 報告であるためには、企業会計から大きく乖離した会計基準を用いるべきではな い。さらに、企業会計より重い公的説明責任を果たすために、表された結果につ いて十分かつ丁寧で平易な説明を行うべきだと考える。また、長期的な視点に立 てば、国民一般に広く会計教育を普及させることが、財務報告利用者の全体的な 理解度を上げるために重要だろう。そのためには、中学校または高等学校等の教 育機関での会計教育の実施・拡充が必要であると考える。. 1. 「概念報告書」や「財務会計の諸概念」等、会計基準設定主体により種々の呼称があるが、 本稿では以下「概念フレームワーク」という名称で統一する。 2 1989 年 公 表 の 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク の 開 発 主 体 は IASB で は な く IASC で あ る が 、 本 稿 で は IASB と し 、IASB( 1989)と 記 載 す る 。 FASB 概 念 フ レ ー ム ワ ー ク 第 2 号 「 会 計 情 報 の 質 的 特 性 」は FASB( 1980)と 記 載 す る 。同 様 に 、各 会 計 基 準 設 定 団 体 が 公 表 し た「 概 念 フ レ ー ム ワ ーク」の「質的特性」については、会計基準設定団体(公表年)と表記する。. 13.
(15) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 【参考文献】 石田晴美(2014)「独立行政法人会計基準の見直し論点」『會計』第 186 巻第 6 号,56-70 頁 石田晴美(2006)『地方自治体会計改革論』森山書店 岩崎勇(2011)「IFRS の概念フレームワークについて」『會計』第 180 巻第 6 号,29-41 頁 瓦田太賀四(1996)『公会計の基礎理論』清文社 平松一夫・広瀬義州(2002)『FASB 財務会計の諸概念. 増補版』中央経済社. FASB (Financial Accounting Standards Board)(2010)Statement of Financial Accounting Concepts No.8: Chapter 3:Qualitative Characteristics of Useful Financial Information. FASB ( 1980 ) Statement of Financial Accounting Concepts No.2: Qualitative Characteristics of Accounting Information. GASB (Governmental Accounting Standards Board)(1987)Concepts Statement No.1:Objectives of Financial Reporting. IASB (International Accounting Standards Board)(2010)Concept Framework Chapter 3: Qualitative Characteristics of Useful Financial Information. ((邦訳)企業会計基準委員会、財務会計基準機構 監訳『2014 国際財務報告基準』 中央経済社) IASC(International Accounting Standards Committee)(1989) Framework for the Preparation and Presentation of Financial Statements. ((邦訳)企業会計基準委員会、財務会計基準機構監訳『国 際財務報告基準書 2004』レクシスネクシス・ジャパン) IPSASB(International Public Sector Accounting Standards Board)(2013)The Conceptual Framework for General Purpose Financial Reporting by Public Sector Entities, Chapter 3:Qualitative Characteristics. IPSASB(2000,revised 2012) Preface to International Public Sector Accounting Standards.. 14.
(16) 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 (2015) pp.1-15. 石田 財務情報の質的特性「理解可能性」の検討. 著者略歴 石田 晴美 Ishida Harumi 公認会計士.2005 年 3 月横浜国立大学大学院国際社会科学研究科修了,博士(経 営学).同年 4 月文教大学情報学部専任講師に着任.2007 年 4 月より大学院情 報学研究科情報学専攻専任講師を兼ねる.2008 年 4 月に同准教授.2014 年 4 月 より文教大学経営学部准教授。主として地方自治体会計,行政評価に関する研究 に従事.文教大学大学院情報学研究科では「財務会計情報特論」を担当.. お問合せ先 住所:〒 253-8550 神奈川県茅ヶ崎市行谷 1100 文教大学大学院 情報学研究科 電話:0467-53-2111(代表), ファックス:0467-54-3724(大学院事務室) メールアドレス:[email protected]. 情報学ジャーナル 情報学ジャーナル Vol.8, No.1 2015 年 3 月 31 日発行 代表者: 関 哲朗 発行所: 文教大学大学院 情報学研究科 〒 253-8550 神奈川県茅ヶ崎市行谷 1100 電話:0467-53-2111(代表) ファックス:0467-54-3724(大学院事務室). e-mail: [email protected] http://open.shonan.bunkyo.ac.jp/gs-info/ 編 集: 文教大学大学院 情報学研究科 研究公開推進委員会 編集長 佐久間 勲,委員 阿部 秀尚. ISSN: 2185-6850. 15.
(17) Journal of Information and Communications Vol.8, No.1, March 2015, pp.1-15 ISSN 2185-6850. A Study on Understandability of Qualitative Characteristics of Useful Financial Information Ishida Harumi∗ ∗. Graduate School of Information and Communications, Bunkyo University 1100 Namegaya, Chigasaki, Kanagawa 2538550, JAPAN [email protected] Recieved 12 March 2015. Abstract The aim of this study is to investigate the differences between understandability of financial reports in private and public sectors. The qualitative characteristics of useful financial information in conceptual frameworks issued by IASB, FASB, IPSASB and GASB were compared focusing on their understandability. Results of this comparative analysis show that understandability is more important in public sectors than it is in private sectors. This is because the users of financial reports of public sectors are completely different from those of private sectors. For example, governments, which are public sectors, impose taxes on their citizens. Therefore, they should present their financial information in a manner that is understandable to a wide range of users who may not have a detailed knowledge of accounting principles.. Graduate School of Information and Communications, Bunkyo University 1100 Namegaya, Chigasaki, Kanagawa 253-8550, JAPAN Tel +81-467-53-2111,Fax +81-467-54-3724 http://open.shonan.bunkyo.ac.jp/gs-info/.
(18)
図
関連したドキュメント
「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号
工事請負契約に関して、従来、「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」とい
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31
会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号
4.「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計処理基準に関する事項 (8)原子力発 電施設解体費の計上方法
企業会計審議会による「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となる。減損の兆 候が認められる場合は、
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号