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水産業のさかんな地域

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Academic year: 2021

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第5学年 社会科学習指導案

1.単元名 「水産業のさかんな地域~糸島市姫島漁港の取組から日本の水産業を見る~」

2.指導観

○ 本単元は、地図やグラフ等の各種統計資料を活用しながら静岡県焼津市や糸島市の水産業の取り組

みを調べ、漁業従事者の工夫や努力、水産業が国民の食生活を支えていることを具体的に理解するとと

もに、今後の我が国の水産業の持続について考えることを主なねらいとしている。

我が国の食用魚介類一人あたりの供給量は 56.9Kg(2009 年)あり、人口 100 万人以上の主な国の中

では、世界一を誇っている。一方で、漁業生産量は、200 海里規制、過剰な漁獲や環境の変化、漁業従

事者の減少、燃料費の負担増、食卓における魚介類摂取量の減少等の問題により、1964 年をピークに

下降傾向をたどり、現在は 59%(2015 年)となっている。また、水産物の輸入も国内の魚介類の消費

量の落ち込み等から、2001 年をピークに減少傾向である。

このような中、日本各地では、水産資源を守る取り組み、魚礁の整備や資源管理、つくり育てる漁業

への転換等、地魚のブランド化、6次産業化の取り組みの一層の促進、魚食普及活動等の取り組みが展

開されている。糸島市においても、漁場の整備や漁獲量の規制、魚のブランド化をはじめ、漁協を中心

に自分たちで捕った魚の値段を決めることができる直売所(JF 糸島志摩の四季など)をつくったり、

捕れた魚介類を加工し、販売する6次産業化(生産→加工→販売の一体化)を進めたり、子どもたちに

魚のさばき方や調理方法を教える「魚食普及活動」を行ったりして、魅力ある漁業にすることで後継者

の育成を行う取り組みが展開されている。

これら漁業従事者の工夫や努力を我が国の水産業が抱える問題と関係づけながら追究させること

は、水産業と国民生活のつながりや食料生産の意味を考えさせる上で大変意義深いと考える。

○ 本学級の子どもたちは、これまでの学習を通して、身の回りにある特色ある産業については高い関心

をもっている。前単元「米づくりのさかんな地域」では、日本の農業の学習をし、日本の農家が様々な

問題をかかえ、日々工夫や努力を重ねていることが、わたしたちの食生活を支えていることを学習して

いる。しかし、その問題から、持続可能な社会を考える意識は不十分である。また、写真や地図、統計

資料をもとに、調べたり、課題を解決したりしながら、キーワードを使ってまとめる経験はあるが、い

くつかの資料から必要な情報を選択して、それをもとに説明する経験は少ない。

○ 本単元の指導にあたっては、我が国の水産業が抱える問題を把握し、その問題と関係づけながら追究

し、交流する中で、我が国の水産業に従事する人々が消費者に新鮮な魚を届けるために、自然と共存し

ながら、日々工夫や努力を重ねていることを理解させたい。

そのために観る・とらえる段階では、水産業に関する興味・関心を高め、問題意識をもたせるため

に、「魚をよく食べる国ランキング」、「日本の主な漁港の水揚げ量」等の資料を提示する。そして、

なぜ、日本では魚がよく捕れるのかを調べる中で、日本の周りは豊かな漁場が多いことに気付かせ、日

本各地どのような魚の捕り方の工夫をして、わたしたちの食生活を支えているのかという学習問題を

もたせたい。

わかる段階では、漁業に携わる人々の努力を具体的に理解させるために、水産業のさかんな地域とし

て、「長崎県長崎漁港・静岡県焼津漁港・福岡県姫島漁港」の取組を例に漁業に従事している人たちが

様々な工夫や努力をしていることを知り、国民生活を支える水産業の重要性を理解させたい。

かかわる段階では、我が国の水産業の持続について考えさせるために、キーワードと資料をもとに考

え、学び合いの交流をする。追究してきた漁業従事者の取組と資料を根拠として、日本の水産業の持続

ために大切なこととその根拠を、子どもたちが話し合ったことを価値づけるために、話し合いの間に姫

島漁港の方に、子どもの意見を価値づけていただいたり、思いや願いを話していただいたりしながら、

学習を深めさせたい。

(2)

3.単元目標

○ 地図や情報等の資料をもとに追究し、水産業に携わる人々の環境の変化に合わせて日々工夫や努

力を重ねていることが、国民の食生活を支えることにつながっていることを理解することができる。

【知識及び技能】

○ 日本の水産業が抱える問題とその改善に向けた取組の資料を関連づけながら、水産業の持続につ

いて、自分の考え方を表現している。 【思考力、判断力、表現力等】

○ 糸島市を事例として、我が国の水産業について意欲的に調べ、水産業の持続について考えたことを

進んで交流し、自分にできることを実践しようとしている。 【学びに向かう力、人間性等】

4.単元計画(全9時間)

主な学習活動と内容 主な発問と子どもの思考の流れ 資料の選定・提示の適切化 観 る ・ と ら え る 段 階 ① 1 日本人の食生活と水産業の関わり、日本 の水産業の現状について追究し、学習問題 を設定する。 (1)日本人の生活と水産業の関わりについ て調べる。 ○ 世界有数の魚食大国であること ○ 日本の周辺水域は潮の流れがぶつか り合い、豊かな漁場であること ○ 大陸棚が広がっていること 発:日本人は世界で何番目くらいに魚介 類を食べているでしょうか。 思:日本人は世界の中でよく魚を食べて いるんだ。それは、日本の周りが海に 囲まれていて、豊かな漁場があって、 たくさん捕れるからなんだな。 思:でも、こんなに魚を食べる日本では、 どのようにして魚を捕って、わたした ちの食卓まで届くんだろう。 ※魚を食べる国ランキング (ベスト5を順に提示) ※日本のまわりの漁場と海流 ※回転寿司店の魚介類の原産国 (一年中持続して様々な魚 が食べることができること に気付かせる) ※志摩の四季・伊都彩菜の鮮 魚コーナーの写真 ※いとしま学のDVD (糸島の水産業に目を向けさ せる) わ か る 段 階 ⑦ 2 水産業のさかんな地域の漁業従事者の 工夫や努力について、資料をもとに調べる (1)長崎県長崎市では、どのような漁が行 われているのか調べる。 ○ 沖合漁業を行っていること ○ 船団を組んで行う巻き網漁がさかん であること ○ 様々な種類の魚が捕れること (2)水あげされた魚はどのように運ばれる のか調べる。 ○ 水あげから出荷までの時間が早いこ と ○ 魚の鮮度を保つための施設や工夫が たくさんあること 発:長崎県の沖合漁業はどのように行わ れていますか。 思:夜から始まって、2つの船で協力し て漁をしているね。 思:農業の時と同じようにたくさんの人 が役割分担をして、共同で漁をしてい るね。 発:水あげされた魚はどのようにして運 ばれるのでしょうか。 思:種類や大きさごとに分けられたり、 せりにかけられたりしているね。 思:水あげから出荷までわずか3時間と 早いね。 思:魚の鮮度を保つ施設が漁港近くにた くさんあるんだね。冷凍設備がすごい ね。 ※沖合漁業の写真・動画 ※教科書・資料集の活用 ※長崎漁港の写真 ※教科書・資料集の活用 ※鮮度を保つ様々な工夫の 動画 【学習問題】 水産業のさかんな地域では、どのような工夫をして、わたしたちの食生活を支えているのだろうか。 【評価基準】…ノート、発言 ・日本の周りには豊かな漁場が広がっていることを理解し、たくさんの種類の魚 が年間持続して食べられる理由を考えようとすることができる。

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わ か る 段 階 ⑦ (3)静岡県焼津市では、どのような漁が行 われているのか調べる。 ○ 遠洋や沖合漁業を行っていること ○ 一本釣りや巻き網漁があること ○ かつお・まぐろの水揚げが多いこと ○ 魚の回遊に合わせて漁をしているこ と ○ 道具や船を工夫していること ○ 捕る量を決めていること (4)焼津漁港はどのようなところか、長崎 漁港と比べながら調べる。 ○ 加工の仕方で漁業の方法が違うこと ○ 漁港に多くの設備が整っていること ○ 水産業は様々な問題を抱えているこ と (5)養殖がどのように行われているのか姫 島漁港を事例に、その取組を調べる。 ○ アラの養殖の試み(環境の変化) ○ えさ代の節約・えさの管理 ○ 試験場との連携によるアラの生育調 査・生け簀の振り分け ○ 出荷時期の調整 (6)栽培漁業がどのように行われているの か姫島漁港を事例に、その取組を調べ る。 ○ 黒アワビやウニ、黒メバルの放流活動 ○ 資源の確保(養殖との共通点) (7)水産業の活性化のために取組について 調べる。 ○ 地魚のブランド化 ○ 牡蠣小屋の設置 ○ 直売所の設置 ○ 魚食普及活動 ○ 磯焼け防止の活動 思:資料を見てみると、焼津市の水揚げ 量がとても多いことから、水産業が盛 んなことが分かるな。 発:どのような捕り方・工夫をして、ど のような魚を捕っているのでしょう か。 思:2隻の船を使って協力しながら魚を 捕っているんだ。 思:捕りすぎないようにして、資源を守 っているんだな。 発:焼津漁港と長崎漁港の似ているとこ ろは何でしょう。 思:やっぱり鮮度を保つための工夫がた くさんあるんだな。加工工場もあるん だね。 思:魚がだんだん捕れなくなってきてい るんだね。これからもずっと魚を食べ ることができるようにするためには どうしたらいいのかな。 発:姫島漁港での養殖はどのようなこと が行われているのでしょうか。 思:えさ代の節約や出荷時期の調整がで きることからアラの養殖が始まった んだな。 思:試験場と協力して管理しているの か。 発:姫島漁港での栽培漁業はどのように 行われているのでしょうか。 思:稚貝などを放流するさいばい漁業を することで資源を増やそうとしてい るんだな。 思:つくり育てる漁業は、海の資源を守 り、増やしていく工夫がたくさんある んだね。 発:水産業を盛り上げていくために、ど のようなことをしているのでしょう か。 思:ブランド化をして、消費者に安心安 全な魚を届けられるようにしている んだな。 思:魚を食べる素晴らしさを伝える取組 が行われているな。 思:海の資源を守る活動もされているん だな。 ※焼津漁港で水揚げされる 魚 ※様々な漁の仕方 (とる漁業のイメージを具 体化するための動画) ※国際規制、自主規制に関す る資料 ※教科書・資料集の活用 ※教科書・資料集の活用 ※漁業別の生産量の変化 ※水産業で働く人の数の変 化 ※水産資源の減少に対する 漁師さんの考え ※日本の水産物輸入量の変 化 ※200 海里水域と日本の漁業 生産量 ※姫アラの養殖の様子 ※姫アラのえさやり・管理の 様子 (つくり・育てる漁業のイメ ージを具体化するための 実際の姫島漁港の動画) ※クロアワビの栽培漁業の 様子 ※いとしま学の教科書の活 用 ※漁以外の取組の様子

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か か わ る 段 階 ① 4 調べたことをもとに、日本の水産業が抱 える問題点と関係づけて、これからの日 本の水産業の持続について話し合う。 (1)調べてきたことをもとに、日本の水産 業の持続のために大切なことについて話 し合う。【本時】 ○ 変わりゆく環境の変化に合わせて、資 源を守りながら漁業を進めること (自然との共生) ○ 水産業について消費者も一緒に考え て、知ること 発:今後の日本の水産業が持続していく ために、大切な取組はどれですか。 思:捕る量を決めて、海の資源は守り続 けて、ずっと魚がいる海にしていかな いといけないな。 思:環境の変化に合わせてつくり育てる 漁業も活発に行う必要があるな。 思:魚のブランド化や魚食活動は、消費 量が上がることにつながるな。 ※既習内容の資料 (子ども用も準備) ※3つの取組の短冊 (選択肢をあたえる) ※GT姫島漁港の方 (生産者と消費者の関係に 目を向けさせるため)

5.本時 平成30年9月26日(水曜日) 5校時

6.本時の目標

○ 今後の日本の水産業の持続化のために大切なことを、選択肢の中から選び、我が国の水産業が抱え

る問題と漁業従事者の工夫や努力を結びつけて考えさせる活動を通して、今後の日本の水産業が持

続していくためには、資源を守りながら、自然と共生することが大切であることを理解することがで

きる。

【評価基準】…ノート、発言 ・資料を正しく読み取り、漁業について調べ、漁業に携わる人々の工夫や努力を考え、説明することができる。 ・漁業に携わる人々の工夫や努力が、わたしたちの食生活につながっていることが分かる。 ・環境の変化に合わせて、漁業も持続できるように変化し続けていることに気付くことができる。 【評価基準】…ノート、発言 ・今後の日本の水産業が持続するためには、環境の変化に合わせて、資源を守りながら漁業をしていく必要が あることを理解することができる。

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7 展開

主な学習活動と内容 主な支援と発問の工夫 資料選定・提示の工夫 1 既習内容をもとに本時学習内容を確認し、めあてをつかむ。 ○ 既習図をもとにめあてをつかみ、問題解決への意欲をも つこと 2 漁業従事者の人々の工夫や努力をもとに考えたことを友達 と交流することで、今後の日本の水産業の在り方について 考える。 (1)今後の日本の水産業の在り方について、選択肢を選んだ理 由を資料をもとに説明する。 ○ これまで学習してきた資料を根拠として考えを交流する こと (2)GT姫島漁港の方さんの話から、今後のとる漁業とつくり 育てる漁業の大切なことの共通点について話し合う。 ○ 環境の変化に合わせて、資源を守りながら漁業を進める こと ○ 糸島をはじめ、全国各地で持続可能な工夫や努力が続け られていること (3)GT姫島漁港の方の思いや願いを聞き、消費者の意識調査 の資料から、本時学習をまとめる。 ○ GT姫島漁港の方の話から、身近な生活の中で、自分にで きることを切実に考えること ○ 糸島をはじめ、全国各地で持続可能な工夫や努力を続け るのは、消費者によりよい魚を届けるためであること ・既習図をもとにめあ てをつかませる。 ・構造的な板書になる ように、「とる漁業」、 「つくり・育てる漁 業」、「漁以外の取組」 に分類・整理して板 書していく。 ・キーワードを考える 焦点化した発問をす る。 ・子どもの発言の後に、 畑中さんの話の中か ら キ ー ワ ー ド を 絞 る。 ・GT姫島漁港の方の 話の後に、消費者に 目を向けさせるため の資料提示と切り返 し発問をする。 ※既習図の提示をする。 ※3つの選択肢を提示 する。 ※子どもが根拠として 考 え て いる 資 料を 提 示する。 ※話形を提示する。 ※GT姫島漁港の方 の 話 ※GT姫島漁港の方 の 話 ※消費者の魚に対する 意識調査 【めあて】 今後の日本の水産業が、持続していくためにはどうしたらよいか話し合おう。 C:環境の変化などで、水産資源が減少しているという問題から、魚をとる量を決めて、とりすぎないことが 大切だと思う。そうすることで、海の資源を守り、今後もずっと魚がとれるようになるから。 C:環境の変化などで、とる漁業の生産量が減少しているという問題から、つくり育てる漁業を活発に行うこ とが大切だと思う。そうすることで、いつでも出荷できるようになり、生産量の安定につながるから。 C:魚の消費量が減少している問題から、魚のブランド化や魚食活動を進めることが大切だと思う。そうする ことで、魚の価値が上がったり、消費者が魚のことを知ったりして、消費量が増えると考えるから。 「私は、これからの日本の水産業が持続していくためには、海の資源を守り続けること、自然と共に生き続け ること、魚のことを知ることが大切だと思います。糸島でも、漁を休む日を決めたり、養殖や栽培漁業、海の 中の掃除をしたりすることで、海の資源を守り続けています。また、地球温暖化などで自然環境は日々変わり 続けるので、アラの養殖を始めたように、魚の捕り方や育て方も考え、工夫し続けなければならない。そし て、いろんな人に魚のことをよく知ってもらって、よりおいしく魚を食べてもらいたいですね。みなさんのよ うに、水産業のことを一生懸命に学習して、魚のことに興味をもってくれる人がたくさん増えるといいと思い ます。」【GT姫島漁港の方の話】 【まとめ】 今後の日本の水産業は、環境の変化に合わせて、資源を守りながら漁業を進め、消費者も共に考 えていくことが大切である。

参照

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