特
集
関 連 語 稿
喘 息 児 の 治 療 と ケ ア
;日
常 生 活 援 助 を 中 心 に
喘 息 児 を もつ 家 族 の
ラ イ フ ス タ イ ル ヘ の 援 助
内 田
雅 代
‡
Masayo ucHIDAはじめに
「家族」と「 ライフス タイル」は今 日さまざまな面 で注 目 されてい るが,慢
性疾患 の患児 をもつ家族 の ライフス タ イルに関す る研 究 は少 ない。本稿 では,喘
息児 を もつ家 族 の 日常 ケ アにつ なげ られ る ような援助 の視点 について 整理 を試 みたい。I
ライフスタイルとは
lifestyleは, ラ ンダムハ ウス英禾日辞典 によれば,「 (個 人・集 団)の生 き方,生
活様式」である。近年,健
康へ の 関′いが ます ます高 くな り,生i舌習慣病予 防の観 点か らも, 健康 と生活習慣 との関係が議 論 されて きている。 ライフ ス タイルは 日常生活習慣 や生活 の仕方 だけで な く,健
康 に対 す る考 え方,信
念,生
き方 な どを含 む,広
い概念 と 長野県看護大学者護学部看護学科助教授 して定 義 され てい る°か。Ⅱ
個人・ 家族の健康 とライ フスタイ
Jレ ヘルス プロモーシ ョン看護論 を提唱 しているPender9 はその著書 のなかで,健
康 と病気 は質的 に異 なった概念 であ り,病
気体験 は,個
人の絶 え間ない健康 の追求 を妨 呪 あるいは促進 し,病
気 の有無 にかか わ らず最大 限の 健康,あ
るいは劣悪 な健康 が存在 しうる と述べ,ま
た, ライ フス タイル を修正す る力 と技術 はクライエ ン トの も のであ り,そ子動変容 を促 す教育 的・啓発 的ケ アを提供 し, 健康 行動 を支 え るの は看護婦 の領域 で あ る と述べ てい る。 家 族 の健康 につ い て は,明
確 な定 義 は な い とい わ れ る が, Friedman° は,家
族 機 能 の ひ とつ と して家 族 の ヘ ル ス ケ ア機 能 を,鈴
木 ら°は家族 のセ ル フケ ア機 能 の な か に家族 が健 康 的 な ライ フス タイル を獲 得 す る能力 を位 ● Key wOrds 気管支喘息,家
族 の健 康,家
族の ライフスタ イル,家
族のエーズ, 看護援助 ●要旨 気管支喘息息児をもつ家族のライフスタイルは,息
児の疾患に関連 した生活 と相互 に影響 しあう。家族のライフスタイルの援助の視点として,家
族メンバーヘの援助 と,家
族の役割やコミュニケーションなどの家族機能を促進する援助の視点が必要 である。発作や薬に対する両親の不安,環
境整備や家族の健康に気をつかう母親の 負担などに注目するとともに,親
が行っているス トレス管理,育
児の方法,親
自身 の生活全般に目を向け,家族の関係性や家族をとりまく環境に関心をもち,かかわっ てい くことが,家
族のニーズにそった看護援助につながっていくと考える。置づ けてい る。
家族 の ライフス タイルヘ の援助 は
,家
族 メ ンバ ー個 々の Curran°は,健
康 的 な家族 の特徴 と して,家
族 機能 のライフス タイルヘ の援助 とともに, よ りよい家族 機能 を 安定Jl生と家族 内の相互作用 のバ ランスに焦点 をあて ,「互
促進す るための援助 とい う視点 を併せ もつ ことが必要で い に肯 定 し支 え合 う」「一緒 に余日r又を過 ごす」な どをあげ
ある と思 われる。家族 の ライフス タイルを どの ようにみ てい る。 Pender° は
,健
康 にかかわる家族 の ライフス タてい くとよいのか,ど の ように支援 してい くとよいのか, イル・アセスメ ン トの領域 として,「栄養」「身体活動」「健
喘′會、児 を もつ家族 の ライフス タイル とその看護援助 につ 康責任」「家族 の回復 力 とリソース」「家族 のサ ポー ト」を
いて考 える糸口 として
,筆
者 らの研究や文献 を もとに検 あげ,そ
れぞれの項 目において,家
族 メ ンバーの行動 の討 してみたい。 道 切 さ と と もに
,家
族 メ ンバ ーの助 け合 いや コ ミュニケーションなどの家族機育
ヒについてのアセスメント例を
Ⅳ
喘 息 児 を も つ 家 族 の ラ イ フ ス タ イ ル
あげてヤヽ
る。
家族 の健康 とは家族 メ ンバ ー個 々の健康 の総和 だけでなく
,孝
あ家族みち
tと家族機能が安定した状態であると 1・
喘息児をもつ親のライフスタイル
いえる。 その家族 な りに としたのは,家
族 は特有 なライ筆者 も参加 してい る「慢性疾患息児 と家族 の ライ フス フス タイル を もつ独 自な存在 である とい う点 と
,日
常 的タイルの形 成過程 と看護援 助 方法 に関す る研 究」(平成 には,き ようだいげんかや
,夫
婦 間の もめ ご とは存在 し, 8・
9。 10年度文都省科学研 究費補助金基盤研 究C(2光 家族 が ごち ゃごちゃ してい るようにみえて も,メ
ンバ ー研究代表者 兼松百合子)で は
,小
児糖尿病息児お よび気 同士 の肯定 的な感情が基本 にあ り,健
康 問題 の解決 な ど管支喘息息児 とその親 の ライフス タイル を
, Walkerと
が必要 な場面 では,家
族 として連帯 で きる とい う家族 もPenderiOl,
森 本からの ライ フス タイル に関す る文献 や 多い と思 われ るか らであ る。筆者 らの先行研究 を参考 に
,①
健康 習慣,②
健康 責任, ① 自己実現,①
ス トレス管理,⑤日常 のい らだち事,⑥疾 Ⅲ 小 児 の 気 営 支 喘 息 の 治 療・ 生 活 と 家 族患関連 ス トレス
,針
育 ての7側
面 か ら捉 え,質
問紙詞 の ラ イ フ ス タ 」rJレ査 を行 った(資料1)。 その結果
,母
親 の ライフス タイル の特徴や,両
親の ライフス タイルの特徴,あ
るいは,そ
気管支喘虐、は,たんなる「気管支平滑筋の疾患」か ら「気れ らと息児 の生活 との関係 について さまざまな知見が得 道 の慢性 的炎 症」へ と疾 病概 念 が改 め られの
,発
作 時 のられた。 治療 よ りも発作予 防のための治療 や生活 に重点が置 かれ る ようになった。 また
,欧
米で は刻ヽ児 において もその治1)母
親のライフスタイ 'レ の特徴]つ 19 療 の中心 になってい るステロイ ド吸入薬 の導入が,わ
が調査 した気管支喘`自、息児 の母親 の
,①
健康 習慣 では, 国の河ヽ児領 域 で も検討 され て きてお り°9,予
防的治療食事や起床 時 間な どは規則 的 な生活が営 まれてお り
,運
その もの も大 き く変容 しようとしている。動 の実施では同年代 の一般女′l生よ りも少 なかったが
,そ
発作予 防のためには,原
因抗源 の除去 とともに,感
染,
れ以外 はほぼ同様 の傾 向 を示 した。多 くの母親 は,②
健 心理 的ス トレス,運
動,疲
労,気
象 の変化 な どの影響 を康責任 では「家族 の健康 に注意す る」,①自己実現 では「 な 考慮 した生活 が求め られ るが
,こ
れ らの 日常生活 の管理ん とか なる」が多 く
,①
ス トレス管理 で は「発作 の不安」 は容易 で はない。「薬 の将来 の影響」をス トレス に感 じてお り
,⑤
日常 のい 喘息児 を もつ家族 の ライ フス タイルは,息
児 の疾患やらだち事 で は,「出費の負担」「家族 の健康」とこい らだちを 治療 に関連 した生活 と相互 に影響 しあい
,家
族 メ ンバー多 くお ぼ え
,⑦
子 育 て に関す る項 目で は,「子 どもの行 個 々の生活 だけでな く,親
子,あ
るいは きようだい関係動 に回だ しす る」な どの否定 的な子育 ての項 目よ りも「子 やそれぞれの役割 な どの家族 機能 に も大 きく影響 す る。
どもとの会話 が楽 しい」な どの肯 定 的 な子 育 ての項 目を
1629
健 康習慣(17項目) 健康責任(7項目) 自己実現(7項目) ス トレス管理(17項目) 日常の い らだち事(9項目) 疾患 関連 ス トレス(9項目) 子育 て(9項目) ・ 運動 は どれ くらい してい ますか
・ 食事時間 は規則的 ですか 。欲酒の頻度
・ 喫煙 の頻度 ・ 健 康 に関 するテ レビを見 た り
,新
聞や雑誌 の記事 な どを読 んで情報 を得 ている ・ 母親(父親)と して家族 の健康状態 に注意 をは らってい る 。自分 が している仕事 。家事 。育児に満足 を覚 える。何事 もなん とかなる と思 う 。夫(妻 )と話 をする
。同 じ病気のお子 さん をもつ他 の家族 と話 をする 。お酒 を欲 む
。煙草 を吸 う 。家族 の健康 について 。家事 や育児が大変 であることについて
_
。子 どもが発作 を起 こすこ とが気 になる ・ 薬(予防薬)の将来 の子 どもへの影響 が気 になる 。子育 てを楽 しみなが ら行 っている 。子 どもが していることはあぶなっか しくてつい口 をだ して しまう 項 目 例 資料1■気管支喘息患児をもつ親のライフスタイルに関する質問紙 強 く感 じていた。 そ して,年
少児 を もつ母親 のほ うが, 年長児 をもつ母親 に比べ て,子
育 ての負担感が大 き く, ス トレス管理 の方法が少 ない傾 向がみ られた。 また,病
状 との関係で は,発
作 回数の多 い息児 を もつ母親 のほ う が,ス トレス管理,肯
定 的な子育 てが低 い結果 であつた。 小 児糖 尿病息児 を もつ親 との比較 で は1°,
両者 とも に家族 の健康 に対 す る意識 は高 く,喘
息の親 では,環
境 整備 が発病後 の ライフス タイルの変化 として とりあげ ら れていた。2)母
親と父親のライフスタイルの比較1) 気管支喘′&ま
児 を もつ両親 の ライフス タイルの比較 で は,①
健康 習慣 では,「喫煙,飲
酒」が父親 に多 く,②
健 康責任 で は,「家族 の健康 に注意す る」は母親 のほ うが強 く,③
ス トレス管理 として,母
親 は「夫 と話 をす る」が多 く,父
親 は健康 習慣 同様,「飲酒,咄
の方法 を多 くと り,⑥
映 息 関連 ス トレスは,父
母 ともに「発イ乍」をス トレ ス に感 じてお り,⑦
子 育 ての項 目には父母 に違 いはない とい う結果であつた。全体 的 に母親 のライフス タイルの ほ うが父親のそれ よ りも,子
どもの生活 に大 き く影響 し ていた。2.
患児の発病 にともなう生活の変化
nl。 発 症 後 の 日常 生 活 の変化 を問 う 自由記 述 の 回答 で は, 母親 は環境 整備 や子 ど もの生 活 管 理 に関す る さま ざ ま な 内容 と父 親 の喫煙 時 の注 意 を,父
親 は子 ど もの前 で は喫 煙 しない な どで あ り,母
親 の ほ うが 多 くの 内容 を詳 細 に 言己述 して い た。V
家族の ライフスタイルヘの援助
1.家
族の発達段階と看護問題
1)乳
幼児期の喘息児と家族の看護問題 発症 ま もない時期 であ り,内
月R,吸
入 に対 す る息児 の 理解 や協力 が得 られず,困
難 を感 じる親 も多 い。夜 間に 発作が多い ことか ら,母
親 や父親 も睡眠不足 にな りが ち である。 この時期 は,感
染 に よる喘息発作 の多 い時期 で あ り,環
境整備 によるア レルゲ ンの除去 とともに感染予 防 は重要 であ る。幼児 を もつ あ る母親 は,「夕随 び を さ せ たいが,か
ぜ をひかせ るのではないか と心配で,外
遊 び を させ るの を迷 うときが ある」と,心
配 しす ぎの 自分 を意識 しつつ,迷 いなが ら生活 させ ている と話 していた。日常 の この ような場面 を経験 しなが ら母親がそのタサ処 を
常的 な親の見方の違 いが
,
きようだい に どの ように影響 学 んでいる ともい えるが,
この ような生活面 での判断のしているかは今後 の課題 である として も
,
きょうだいの 根拠 となる知識 を増 やす ことや,母
親 の緊張が軽減 され生活や きようだい と患児や両親 との関係性 について,酉 己 る必要がある。
慮 した看護婦 のかかわ リカS求め られる。関係性 の悪化が み られた場合 は家族 での話 し合 い を し
,
きょうだいの気2)学
重期の喘説 と家族の看調問題持 ちを親が理解 す ることが大切 となる。 親 は子 どもの学校生 活 を支障 な く送 るための さまざま な取 り組 み を してい る。重症児 を もつ母親 は,「教 師の
2)父
親のライフスタイルヘの援助 理解 が得 られ ない」「学校行事 の制 限が多 い」と感 じてい飲酒
,喫
煙 は,父
親 に とつてはス トレス を管理す る方 た1° 。 この時期 は,母
親 や父親の管理か ら徐 々 に子 ども法であ り
,長
年の習慣 であ ることも多 い。煙草 の さまざ 自身のセル フケアヘ と移行 してい くが,息
児 自身カサ寸処まな害が指摘 され
,患
児 の発症 を機 に禁煙 を試 み る親 も 行動 の選択 を した り,喘
息 カ レンダー言己録 をす ることはいる。喫煙 は
,喫
煙 している環境 では, よ り容認 されや 少 ない17,。すぃ とい う特徴 もあ り
,息
児 の喘息へ の直接 的 な影響 だ けでな く,ほ
かの きようだい も含 めて家族全体が健康 な3)思
剤 の訓 と家族の看罰斬ヨライフス タイル を形成す る とい う点 において も禁煙 は意 思春期 にお ける喘′自、死 の増加 も指摘 されてお り
19,生
義がある。 活管理
,薬
物療法 な どにおけるセ ル フケアの問題 は大 き い。 また,ほ
かの慢性疾患 同様,思
春期 には,そ
れ まで3)母
親のライフスタイルヘ卿 うま く管理 されてい た ことで もセル フコン トロールの乱喘息の コン トロールは しやす くなった といわれるが, れが起 こ りやす い。思春期 の患児へ のかか わ りは親 に
生活管理 は広 い範 囲で母親の肩 にかか つてい る。われわ とって も困難が大 きい。息児 な りに対 処 していることを
れの調査 で も
,
とくに年少児 の母親 にはさまざまな負担 認 め,見
守 る姿勢nが
求 め られ る。息児 が疾患 を もっがみ られた。毎 日の生活の なかで
,環
境整備 を実行 し家 ている自分 を どの ように受 け とめるかは,周
囲の見方 も族の健康 に気 を百己ることは簡単 なことではな く
,緊
張や 大 きい。で きるだけ家族 でオープンな コミュニケーシ ヨス トレス も多い。母親 の育児
,ス
トレス管理 として行 っ ンをとれ るこ とが重 要 となって くる。てい る活動 に も注 目 し
,母
親 自身が身近 なス トレス対処 方法 を見 出せ るよう,看
護婦 やほかの母親 と話 し合 う機2.
家 族 メ ンバ ーヘ の援Bも 会 を もつ必要がある。1)き
ょうだいのライフスタイルヘの援助3.
家族機能 を促進す るための援B〕 喘′&児
の きようだい力再ま児 をどの ようにみているかは 看護婦 として把握す る場面は少 ないが,母
親や家族の話家族 は家族 の健康 を促進す るための能力 を もってい か らその一端が うかがわれることも多い。「 きようだい
る。看護婦 はその家族の力が発揮 されやすい よう
,専
門 とふ とんであばれて発作が起 こってか ら,ふ
とん遊 びを家 として情報 を伝 える
,問
題解決 を一緒 に考 えるなどの しな くな り協力 して くれた」,笑
わせた り泣かせた りす家族 を主体 に したパー トナーの役害Jを とりなが ら家族全 ることで発作が起 こる児 の場合,「きょうだい も笑わせ
体 を視野にいれたアプローチをする2の 。 た り泣 かせ た りしない よ う協 力 してい る」な ど
,遊
び なわ れ われ の調査結 果 で興 味深 か つた こ とは,'母親 のス どの場 面 で き ようだ いの協 力 もみ られ る。
トレス管 理 と して
,夫
と話 をす る母親 は多 か ったが,家
患児 の咳 で夜 間 も母 親 は 目覚 め るな ど,ほ
か の き よう族 ご とに (夫婦 と して)回 答 をみ る と
,夫
の 回答 とは大 き だい をみ るの とは違 って,発
作 が起 こ らない か ど うか をくず れ てい た。 これ は
,女
′陛,男
性 の ス トレス女寸理 方 法 母 親が敏 感 に息 児 をみ てい る状 況 も多 い。 この よ うな 日の違 い とい うこ と も当然考 え られ るが
,家
族 機 能 と して1631
み た場合
,夫
婦 間 の コ ミュニ ケ ー シ ヨンは十分 とはい い 難 い。家 族 メ ンバ ーの役 害」や,役
割 期 待 に関 して,そ
れ ぞ れ の思 い を話 し合 う場 を設 け る と よい 。大坪 らか)は, 父 親 を含 め た 日常 生 活 指 導 を行 い,父
親 を巻 き込 む こ と で両 親 が協 力 し,家
庭 で の管 理 に有 効 で あ った例 を報 告 して い る。 また,医
師,看
護 婦,臨
床 心理 士,保
母 が協 力 して, ア レル ギ ー疾 患 息 児 の親子教 育 を実践 し,さ
ま ざ まな面 で効 果 をあげ てい る プ ログ ラム も報 告 されてい る2の 。 ほ かの家族 との交 流 や息 者 会 な どに参加 す る こ とに よ り,現
実 的 な対 処 の情 報 を得 た り,実
際 には もっ と大 変 な人 が い る とい うこ とを知 り, 自分 の家 族 だ けで は なしヽ とい う気持 ち を もつ こ とで緊張 力漸日ら ぎ,家
族 の本 来 の 力 が 発 揮 で きる よ う に な る場 合 も多 い 。 家 族 の ネ ッ ト ヮー クが 広 プリヾり,喘
′自、を もつ患 児 と ともに家族全体 が健 康 に な る プ ロセ ス を継続 的 に支 援 す る こ とが看 護 婦 に求 め られ て い る と思 わ れ る。おわ りに
か つ て,気
管 支 喘 息 は,「 母原病 」で あ る とい う認識 が 専 門家 の一 部 に もあ った。「薬 や吸 入 に頼 りす ぎる」母 親 の表面 的 な行 動 のみが取 り上 げ られ,発
作 の重 症 化 へ の 母 親 の不 安 や生 活 管理 の とま どい は考慮 され なか った。 ア レル ゲ ンの 除去 と道切 な発作 予 防 の ための薬 物 治療ヘ と変化 して きた現 在 で も,発
作 に対 す る親 の不 安 はみ ら れ,
また,薬
の将 来へ の影響 を危 惧 す る親 も多 い。昼 間 の子 ど もの状態 か らは,夜
間 の発 作 を想 像 しに く く保 母 や教 師 に理解 して もらえない とい う母 親 の声 も聞か れ る。 看護婦 は,こ
の ような親 の体験 に注 目 し,息
児 や家族 の生活全般,患
児や家族 を とりま く環境 にも目を向け, 個 々の家族 のニーズ に注意深 くかか わ りなが ら,患
児や 家族 の ライフス タイルを変容す る力 を認識 し,家
族 とと もに学 んでい くことが必要 ではないか と考 える。 ●引用文献●1)山
本公弘:ライフスタイルと保健管理.学校保健研究, 35 : 270-277, 1993.2)森
本兼 製 :ライ フス タイル と健 康― 健康理論 と実証研 究.医
学書 院,東
京,1991, p45
3)Pender,NJ(小
西 恵 美 子・監 訳):ベ
ン ダーヘ ルス プ ロモー シ ョン看護論 日本看護協 会 出版 会,東京,1997.Friedman,MM(野
山ヨ佐 由美 ・監訳):家
族 看護学一 理 論 とアセス メン ト.へ
るす出版,東
京,1993. 鈴 木和 子,渡
辺裕子 :家 族看護 学.日本看護協 会 出版 会,東
京,1995.Curran i D : Trait of a Healthy Farnily Winston Press,Minneapolis, 198e, P23-24. 赤坂徹 :気 管支喘泡、の病因と治療
.小
児内科,2∝7): 991-998, 1997. 土 居 悟 :日 本 にお け る小 児 の吸 入 療 法 の実 際.ア
レル ギ ー,47(第 2・ 3号 ):209,1998. 古 庄 巻 史 :小児 気 管 支 喘 泡、治 療 ガ イ ドラ イ ン の 再 評 価 ア レル ギ=,47(第
2・ 3号):211,1998. Walker,S N,Sechrist,K R,and Pender,N J : TheHealth―Promoting Lifestyle Profile : Development and
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