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Micropapillary patternを有する肺腺癌33例の臨床病理学的検討 利用統計を見る

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(1)

Micropapillary pattern

を有す る肺腺 癌33例

の臨床病 理学 的検討

飯富病院 内科1、山梨県立中央病院 病理科2

柿崎 有美子1、岩佐 敏2、小山敏雄2

要 旨:micropapillary pattern(以 下mp)を もつ原発性 肺腺 癌 は、リンパ節 転移 の頻 度 が高 く、腺癌 の 中では悪 性度 の 高い腫 瘍 と考 え られて い る。山梨県立 中央病院 にお いて2001年 4月 か ら2008年10月 まで に、組織 学的 に腺癌 と診 断 され た291例 の 中でmpを 有 してい た のは33例(う ちTBLB3例) で あった。男性21名 、女性12名 、平均年 齢 は70歳 で あ った。 そ の臨床病 理学 的検討 について 文献的考 察 を含 めて報 告す る。 キー ワー ド 肺腺 癌−−micropapillary pattern は じめ に Micrapapillarypat#ern似 下mp)は 五brova8cularcoreを 欠 く い わ ゆ る 微 小 乳 頭 状 腺 癌 の 形 態 で あ る が 、mpを 有 す る肺 腺 癌 は 、 リ ンパ 節 へ の 転 移 が 多 く、 悪 性 度 の 高 い 腫 瘍 と考 え られ て い る1)。 今 回 わ れ わ れ は 、 山 梨 県 立 中 央 病 院 に お け る 、mpを 有 す る肺 腺 癌 の 現 状 と臨 床 病 理 学 的 検 討 に つ い て 報 告 す る。 症 例 と方 法 2001年4月 か ら2008年10月 ま で の 7年6ヶ 月 間 で 、 当 院 で 診 断 され た291 例 の 腺 癌 の な か で 、mpの 記 載 が あ っ た 33症 例34検 体 に つ い て 検 討 した 。 そ の うち}!は3件 で 、1名 は2004 年 、2007年 に そ れ ぞ れ が 原 発 と考 え られ るY癌 を 切 除 して お り、2検 体 あ っ た 。 症 例 の 内 訳 は 、男 性21名 、 女 性12名 で 、 男 性 の1人 は2検 体 で あ っ た 。 年 齢 は53才 か ら80才 ま で で 、 平 均 は70才 で あ っ た 。 最 大 腫 瘍 径 は8か ら124mm で 、 平 均 は37,5㎜ で あ っ た 。 獺 は IAが11例,IBが8例1HAが2例 、 nBが5例 、 皿Aが2例 、 皿Bが4例 、 Wが1例 で あ っ た 。 組 織 学 的 に 、 分 化 に つ い て は 、wellbmoderatelyが25例 、 wdltopooエlyが2例-moderatelyが3 例 、poorlyが4例 で あ っ た 。予 後 に つ い て は 、 観 察 期 間 は4ヶ 月 か ら96ヶ 月 で 33例 中 、 死 亡 が 確 認 さ れ て い る の は5 名 で 、 不 明 な も の は3名 で あ っ た 。 そ れ ぞ れ が 受 け た 治 療 に つ い て は 、 手 術 の み が17例 で そ の う ち 死 亡 は2例 、 手 術 と 化 学 療 法 は8例 、 手 術 と放 射 線 療 法 は1 例 、 手 術 と化 学 療 法 、 放 射 線 療 法 を 施 行 さ れ た も の は4例 で 、 そ の うち2例 が 死 亡 して い る 。 化 学 療 法 の み は1例 で 、 放 射 線 療 法 の み が1例 で 死 亡 して い る 。 い ず れ の 治 療 も 施 行 して い な い の は1例 で あ っ た 。 HE染 色 に よ る組 織 学 的 検 討 に 加 え 、 EMA,MUC・Lよ る免 疫 組 織 学 的 検 討 も行 っ た 。 結 果 mpは 比 較 的 腫 瘍 の 辺 縁 に み ら れ る こ と が 多 く、 肺 胞 腔 内 に 浮 か ぶ よ う に腫 瘍 細 胞 が 認 め られ る(図1,2)。Kurod8ら は こ の よ うな パ タ ー ン をalveolartype と 分 類 し、 一 方 、 間 質 へmpが 浸 潤 して 認 め られ る も の も あ り(図3)、 こ れ ら は 、 breasttypeと 分 類 して い るof。 一10一

(2)

平 成21年4月1日 図1 HE染 色K4:69MltLStagβ 皿B 腫 瘍 辺縁 にmpが 認 め られ る。 図2 HE染 色K20 va㏄ularDoreを 欠 い た腫 瘍 細胞 塊 が 肺 胞 腔 内 に浮 か ぶ よ うに 認 め られ る。 図3 HE染 色x4:77MrtUStageYB 腫瘍 細 胞 が 間質 に浸潤 してい る。 同症 例 で は乳 頭 状 の 形態 か ら更 に 分岐 して 、mpを 呈 して い る箇 所 が み られ て い る(図4)。 図4 HE染 色K20 壁 に樹 枝 状 に分 岐 して腫 瘍 細 胞 演増 生 して い る。 われ われ は、磁yo血 らの 報 告 呂)やそ の他 の文 献 に 準 じて 、mpの 腫 瘍 に対 す る割 合 を 手術 症 例31検 体 で検 討 し、3 段 階 に分類 した。 最 大腫 瘍径 の標 本 で そ の割 合 を出 して い る文献 が ほ とん どで あ った が 、mpが 腫 瘍辺 縁 にみ られ る こ と が比 較 的 多い こ と よ り、 わ れ われ は多 数

(3)

切 片 を 作 製 し 、 径3㎝ 以 下 の 標 本 に つ い て は 全 割 し て 検 索 した 。 1十(focal):≦5%10例(32%) 2+(moderate):6・50%17例(55%) 3+(extensive)=51・100%4例(13%) 各 グ レ ー ドの リ ンパ 節 転 移 の 有 無 で あ る が(表1)、mpの 割 合 に か か わ らず 、 mpを 有 す る も の は リン パ 節 転 移 の 頻 度 が 高 い と 思 わ れ た 。 表1グ レー ド別 の リンパ 節 転 移 の 有無

Grade

LNmeta(+}

LNmeta(一)

X十

4

(40%)

6

(60%)

2+

5

(29%)

12

(71%)

3+

z

(50%)

2

(50%)

わ れ われ が 検 討 した症 例 の 申 で、 特殊 と思 われ た症 例 を提 示 す る。 症 例 は79 才男 性 、 臨 床 病 期 はmBr右 下 葉 の腫 瘍 で あ るが 、肉 眼 的 に大 葉性 肺炎 の よ うな 大 きな腫 瘍 で あ った(図5)。 組 織 学的 に はrほ とん どの腫 瘍 細胞 が mpを 呈 して いた(図6)。 図6 HE染 色 工10 腫瘍細胞はほ とん どがmpを 呈 していて、部分的に 壊死を認めている。 他 に 、 リ ン パ 管 に の みmpを み る症 例 も1例 認 め られ た 。症 例 は53才 男 性 で 、 左 上 葉 の 腫 瘍 で 臨 床 病 期 はIIBで あ っ た (図7)。 通 常 の1辺 染 色 で はmpと 判 別 しが た い 症 例 な ど に 、 免 疫 染 色 で はMUC・1、 EMAが 有 用 で あ り、 腫 瘍 細 胞 の 辺 縁 を 縁 取 る よ う に 染 色 され る が 、EMAは マ ク ロ フ ァ ー ジ も陽 性 と な る た め ・ 比 較 す る とMUC・1の 方 が よ り コ ン トラ ス トが 鮮 明 で ・ 判 別 しや す い 印 象 を 受 け たA 図5 割面 では部分的 に黄褐色のゼ ラチ ン状の粘液の充 満 した部分 も認め られた。 図7 MUC-1翼20 リンパ 管 内 に腫 瘍 細胞 がmpを 呈 して認 め られ た0 腫瘍 細 胞 の辺 縁 がNNC・1に 陽性 を示 してい る。 一12一

(4)

平 成21年4月1日 考 察 Aminら は35例 のmpを 有 す る腺 癌 に つ い て検 討 し、免 疫 組織 学的 検証 や 、 予 後 に 関 す る検 討 を行 って お り、mpを 有 す る腺 癌 は転 移 が 多 い傾 向 に あ り、術 後 に よ り注 意深 い観、察 が必 要 で あ る こ とを 提 唱 して い る1}。 われ われ の検 討 で は統 計 学 的 検 討 は してい な い もの の 、mpを 有 す る症 例 はそ の割 合 にか か わ らず 、 リ ンパ 節 転 移 が 多 い傾 向 が あ る と思 わ れ た。 た だ し、 こ こで 、注 意 しな けれ ば な らな い の は 、mpの 割 合 に よる グ レー ドの 方 法 で あ る。 これ は 多分 に 主観 的 な側 面 を も って お りYま た割 合 の 算 出方 法 につ い て も明 文化 され た 基準 は な く、前述 した よ うに、 われ われ は辺 縁 部 分 のmpを 反 映 させ るた め に、全 割 面 あ るい は多数 切 片 での 検 討 が 必要 で あ る と考 え たが 、最 大 腫 瘍 径 部分 の標 本 での み グ レー ド化 し て い る文 献 が ほ とん どで あ る。 また 実際 の標 本 で は 、mpが 非Inpの 部分 と混在 して い る こ とが あ る こ とか ら1例 えば そ の 部分 全 体 をmpと す る に は抵抗 もあ り1 よ り正確 に数値 化 す るに は か な り詳 細 な 鏡 検 と労 力 を要す る こ と とな る。病 理 医 間 で 統 一 され た 見解 が 今 後 必要 と思 われ る。 またMiyashiら は 、乳 頭 状腺 癌 をtrue papi皿Opane皿 とmicrapapillary pattemに 分類 し、特 に早 期 で は有 意 に mpの 予 後 が 不 良で あ った と して い るが 、 そ の なか で、 全344例 の腺癌 の うちmp を有す る もの が40%あ り、リンパ節 転 移 、 肺 内 転移 に 有意 差 を認 め た と して い る3)。 こ こで着 目 した い のは肺 腺癌 のな か で1 mpを 有 す る割 合 で あ るが 、文 献 に よ っ て も様 々 で あ り、mpの 腫 瘍 に対す る割 合 が10%以 上の もの で も55%と す る も の もみ られ るが4)、 なか に は11.4%5}、 12%帥 とす る もの もあ った 。わ れわ れ の 検討 で は11%の み で あ った。そ の 差 に つ い て 、 明言 で き な いが 、今 回 のわ れ わ れ の検 討 で は、 過去 の肺 腺 癌 の病 理 所 見 か らmpの 記 載 の あ っ た もの の み抽 出 して い るた め、mpの 割 合 が 特 に少 な か った もの につ い て、 敢 え て記 載 され て い な か った もの が 、 もれ て い る こ とも考 え られ る。 しか し、最 近 の 当院 にお け る肺 腺 癌 の症 例 で も、mpに 注視 して組 織 学 的検 討 を お こな っ て い るが14割 には とて も 満 たず 、 患者集 団 のそ の他 の背 景 に何 ら か の 要 因が あ るか も しれ な い。 今 後 の 症 例 の 蓄積 と ともに再 検 討 した い と思 う。 Motoiら はEGFRmutationとml) の 強 い 相 関 を示唆 して い るT)aわ れ わ れ の症 例 にお い て ゲ フ ィチ ニ ブが使 用 され て い たの は 、2例 の み で あ り、 い ずれ も 一時PRま で は治 療 効果 が得 られ た もの の 、 そ の後 再燃 し、 他 の 治療 を変 更 追加 され 、存 命 で あ る。mpを 呈 して い ない 肺 腺 癌 との グ フ ィチ ニ ブ に対す る効 果 を 比 較 検討 してみ る必 要 が あ る。 11に つ い て は 、不 明 な 部分 が 多 く、 例 えば 、mpを 有す る腺 癌 に何 故 リンパ 節 転 移 が 多 い か 、 何 故 リン パ 管 の み に mpが み られ る もの が あ るか 、明 確 に解 明 され て は い ない。 前 出のMotoiら は、mpを 有 す る腺 癌 は独 立 した組 織型 と して 分類 す る必 要 性 も提 唱 してい る。 肺 腺癌 にお け る形 態 学 的 な特 徴 一」a7治 療 予 後 に対 して 何 らか の提 唱 が 出 来得 る 可能 性 は 大変 興 味深 い こ とで あ り、病 理 側 か ら、 臨床 に対 して情 報 提 示 で き る こ とは非 常 に 有用 な こ とで あ る と考 え る0 結 語 mpと 判 断 しが た い 部 分 ではMUC-1, EMAな どの 抗 体 を用 いた免 疫 染 色 が 有 用 で あ った。 今 回 わ れ われ が検 討 した 症

(5)

例 の 中 に は 、 ほ とん ど がmpを 呈 して い る 症 例 が1例 あ っ た0ま た 、 リン パ 管 浸 潤 部 に の みmpが み られ る も の も1例 あ っ た 。 当 院 の 症 例 で は 、mpを 有 す る 癌 は リ ン パ 節 転 移 の 高 い 傾 向 が あ っ た 。 今 後 、肺 腺 癌 に お い て 、mpの 有 無 が 、 治 療 の 選 択 、 予 後 の 検 討 に お い て 、 重 要 で あ る と考 え る。 一14一

(6)

平 成21年4月1日

引用文献

1, Mitual B. Amin, et al. Micropapillary Component in Lung Adenocarcinoma A Distinctive

Histologic Feature With Possible Prognostic Significans Am J Surg Pathol. 2002; 26:358-364

2, N. Kuroda, et al. Lung Adenocarcinoma with a micropapillary pattern: a clinicopathological study of 25 cases APMIS. 2006; 114:381-385 3, Tatsu Miyoshi, et al. Early-Stage Lung Adenocarcinomas With a Micropapillary Pattern, a Distinct Pathologic Marker for a Significantly Poor Prognosis Am J Surg Pathol. 2003;27:101-109

4, Y. Makimoto et al. Micropapillary pattern: a distinct pathological marker to subclassify tumours with a significantly poor prognosis within small peripheral lung adenocarcinoma with mixed bronchioloalveolar and invasive subtypes Histopathology 2005; 46: 677-684

5, H. Tsutsumida, et al. A micropapillary pattern is predictive of a poor prognosis in lung adenocarcinoma, and reduced surfactant apoprotein A expression in the micropapillary pattern is an excellent indicator of a poor prognosis Modern Pathology 2007; 20: 638-647 6, Joon Yim, et al. Histologic features are important prognostic indicators in early stages lung adenocarcinomas Modern Pathology 2007; 20:233-241 7, Noriko Motoi, William D. Travis , et al. Lung Adenocarcinoma: Modification of the 2004 WHO Mixed

Subtype

to

Include

the

Major

Histologic

Subtype

Suggests

Correlations

Between

Papillary

and

Micropapillary

Adenocarcinoma

Subtypes, EGFR Mutations and Gene

Expression

Analysis

Am J Surg

Pathol. 2008; 32: 810-827

参照

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