の狭窄は改善し, スコープ通過可能となっていた. 10月 16日には栄養目的にトライツ 帯をこえてチューブ挿 入でき, 径管栄養が可能となった. PTCD からのドレ ナージは順調であり, 10月 22日 PTCD 造影施行. 明ら かな 胆管結石は認めず, 下部胆管に周囲からの圧排に よると思われる狭窄を認めた. 経腸栄養は順調であり, 11月初旬には TPN 終了した. 11月 16日より 38℃前後 の発熱が出現, 右腸骨に挿入したドレーンから 汁様の 廃液がみられていたため 11月 18日膿瘍ドレーン造影を 行ったところ, 上行結腸との 通が確認された. また同 日の PTCD 造影では, 下部胆管に前回確認されなかった 結石様の造影欠損を認めた. 高熱が持続しており, 膿瘍 に対する外科的治療が必要と えられたため 11月 20日 外科転科となった. 今回我々は重症急性膵炎の経過中に 閉塞性黄疸と十二指腸狭窄をほぼ同時期に来した一例を 経験したので, 若干の文献的 察を え報告する. 19.IVR 治療と外科的治療により寛解した悪性膵内 泌 腫瘍,多発肝転移の一例 齋藤 秀一,高山 尚,浜野 郁美 榎田 泰明,小畑 力,山田 俊哉 橋爪 真之,茂木 陽子,木村 幸 小林 克己,佐川 俊彦,荒川 和久 新井 弘隆,田中 俊行,富澤 直樹 安東 立正,小川 哲 ,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 【症 例】 50歳, 女性 【既往歴】 子宮内膜ポリープ, 頸椎捻挫 【家族歴】 母 : 食道癌 祖母 : 大腸癌 祖 胃 癌 叔 : 胃 癌 従 兄 弟 : 食 道 癌 叔 : 肝 臓 癌 【現病歴】 H19 年 2月人間ドックの腹部エコー検査に て肝臓内に腫瘍性病変指摘. 精査加療目的にて同年 2月 14日当院当科紹介受診となった. 【検 査】 腫瘍マー カー> CEA 2.4ng/ml, CA 19-9 5.0U/ml, AFP 8.4ng/ml, L3 (−),PIVKA-Ⅱ 14AU/ml,NSE 8.6ng/ml 内 泌学 的所見> グルカゴン 110g/mlガストリン 55pg/mlイン シュリン 6.4μU/ml 膵関連生化学的所見> 血清 AMY 75IU/l, トリプシ 210ng/ml, PSTI 9.8ng/ml, 膵ホスホリ パーゼ 243mg/dl, エ ラ ス ターゼ Ⅰ 62ng/dl 【経 過】 H20年 2/22CT にて肝右葉 S5, 7, 8と肝左葉外側区に多 発 す る HCC, 膵 転 移 疑 い と し て 3/16TAE 施 行. 3/ 26MRI にて膵腫瘍, 肝転移の可能性ありと判断し, 3/28 肝腫瘍生検行うも悪性所見は認められなかった. (4/19, 5/29 にも腫瘍生検施行. 悪性所見なし) 5/14 ERCPにて 膵主膵管の途絶の所見認められたが, 細胞診では悪性所 見は認められなかった. 確定診断は得られなかったが, FDG-PET などの他検査でも膵臓, 肝臓以外には病変は 認められず,外科的切除の方針として,7/24膵体尾部・脾 合併切除, 肝外側区域切除を施行した. 手術標本の病理 結果から非機能性膵内 泌細胞癌の診断となった. 肝右 葉の残存転移巣に対しては, 肝予備能を え IVR 治療を 追加する方針となった. その後 10/5, H21年 1/8に TAE 施行するも再発傾向認められた. 3月になると肝予備能 の改善あり,3/13外科的切除の方針として,肝 S7,8,5部 切除術施行. その後は無再発のまま経過 し て い る. 【 察】 膵内 泌腫瘍の治療法は, 大きさにもよるが 原則的に手術治療となり, 肝転移に対しては肝切除が第 1選択となる. しかし, 切除不能例などに対しては TAE, 化学療法などが挙げられる. 化学療法に関しては, 今ま でに 5-FU, Streptzotocinがを 用した報告がある. 本症 例については, 肝切除範囲の問題から一期的な切除が困 難であったため, 肝転移の残存病変に対して IVR 治療に てコントロールを行った. その後肝予備能の改善をみて, 外科的切除を追加した.【結 語】 多発肝転移の症例で あっても切除可能であれば, 積極的な外科的治療を え る必要がある. 20.膵癌に対する膵頭十二指腸切除後の残膵癌に膵全摘 を施行した一例 浜野 郁美,小川 哲 ,安東 立正 富澤 直樹,田中 俊行,荒川 和久 小林 克巳,茂木 陽子,榎田 泰明 池谷 俊郎 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 伊藤 秀明 (同 病理部) 【はじめに】 進行膵癌は根治術が施行されても再発率が 高く, 長期生存自体が少ない. 今回, われわれは stageⅢ の膵頭部癌に対して膵頭十二指腸切除術後 5年を経て残 膵に癌を認め切除し得た一例を経験したので報告する. 【症 例】 60歳男性. 2003年 1月膵頭部癌に対して膵 頭十二指腸切除術施行.病理診断は中 化腺癌,Ph,6.2× 2.8×5.3cm TS4, inf, pT3, int, INFβ, ly2, v1, ne3, mpd (+), ch (+), du (+), s (−), rp (+), pv (−), a (−), pl (−), oo (−), pcm (−), bcm (−), dpm (−) N0, M0 stageⅢだった. 外来で経過観察中 CA19-9 の上昇を認 め, 2008年 2月,腹部 CT で膵尾部に腫瘤影を認めた.残 膵癌と診断し, 本人に informed consentを行ったところ 化学療法を希望されたため GEM 療法を施行した. 8月 の CT での評価は SD であったため手術適応と判断し, 9 月に残膵全摘, 脾, 左副腎合併切除を施行した. #7のリ ンパ節腫大はなく残胃は温存可能であった. 肉眼的には 膵尾部に 4.2×2.8×2.2cmの周囲との境界がやや不明瞭 な白色の腫瘍性病変が認められた. 病理組織学的検査で は腫瘍は初発の膵頭部癌と組織型が類似しており膵内転 移の可能性も否定はできなかったが, 初回手術から 5年 200 第 27回群馬消化器病研究会
が経過していることや, 膵実質内を中心としてまとまっ た結節を形成していることから異時性に新たな膵癌が発 生したと判断された. 現在の規約では Pt, TS3, T3, int, INFβ,ly1,v1,ne1,mpd (+),S (+),RP (+),PV (−),A (−),PL (−),OO (−),PCM (−),DPM (−),N1 (#18), Stage Ⅲであった. 術後経過は良好で現在も再発は認め ていない. 術後早期には NST が介入し経口摂取に成 栄養剤を中心とした経腸栄養を併用していたが, 現在は 経口摂取のみとなっている. 血糖コントロールについて はインスリン自己注射を継続し比較的良好に保たれてい る. 21.当院における膵・胆道癌の Gemcitabineの 用経験 田中 寛人,矢内 有紀,壁谷 志 (独立行政法人国立病院機構 西群馬病院 消化器内科) 東郷 望,小林 光伸,蒔田富士夫 (同 消化器外科) 浦正 名 (同 放射線科) 【はじめに】 以前は膵胆道癌に対する有効な化学療法が 少なく, 閉塞性黄疸があれば減黄をはかり best suppor-tive careになる症例が多かった. しかし, Gemcitabine (GEM)の登場以来,生存期間が 長する症例や全身状態 が改善し食欲が増進する症例がみられるようになってき た. そこで現状を確認するため, 当院で行った膵胆道癌 の治療とその予後について検討した. 【対 象】 当院 で 2002年から 2008年に膵癌, 胆管癌, 胆囊癌と診断さ れた症例のうち経過が確認できた症例を対象とした. 内 訳は膵癌 34例,男女比 15: 19,年齢 37∼94歳 (平 72.0 歳).胆管癌 14例,男女比 7: 7,年齢 68∼85歳 (平 77.0 歳). 胆囊癌 9 例, 男女比 4: 5, 年齢 69∼88歳 (平 77.1 歳). 【結 果】 膵 癌 で GEM 用 16例, 不 用 15例 の生存期間中央値は 用例で 9.6ヶ月, 不 用例で 3.3ヶ 月であった. GEM を 用した症例の生存期間中央値を 病期別にみるとⅢ期で 16.0ヶ月, Ⅳa期で 8.3ヶ月, Ⅳb 期で 5.1ヶ月であった. 胆管癌の生存期間中央値は GEM 用 3例で 15.3ヶ月, 不 用例 6例で 17.7ヶ月であった. GEM 不 用例のうち 1例は UFT 用で 41ヶ月生存し た症例であり, 化学療法不 用の 5例では 13.0ヶ月で あった. 胆囊癌の生存期間中央値は GEM 用 2例で 8. 0ヶ月, 不 用 7例で 6.7ヶ月であった. 【 察】 症例 数が少ないこと, 放射線照射の有無, GEM 以外の化学療 法の有無など 慮すべき要素が多いが, GEM 用例の 方が不 用例よりも予後が 長することが確認できた.