<論文>企業合併の計量分析
著者
星野 靖雄
著者別名
Hoshino Yasuo
雑誌名
経営論集
巻
10
ページ
35-103
発行年
1978-10-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005866/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止
http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja
企業 合 併 の計 量 分 析
星 野 靖 雄
は じ
第1 節
第2 節
第3 節
第4 節
分 わ
注
目 次
め に
単一変量による合併効果の分析4
変量による合併効果の分析4
変量と5 変量の場合の比較分析
合併業種の差の分析
り に
参 考 文 献
付 録 I ∼M
35
は じ め に
企業合 併 の効 果 の計量 分 析につ い て の研究 は, 星野〔2 〕
〔3 〕に よっ て行 な
われた。そ の際, 非 常に重 要 な点 は √企業 評価を 行 な う場 合 の変 量 の選 択で
あ る。い わ ゆ る経 営 指 標は, 非常に数多 くあ り, 相互に かな り の部分を重 復
してい ると考え られ る ものかお る。 す なわち, 変数 間の 線型関 係 の程 度を 調
べ るために ,単 に 相関 関係を とっ て 乱
相関係数 の非常 に 高い ものがい くつ
1)
かお る。又 , 同 じ利 益 率を とっ て 乱
総資本利 益 率, 自己 資 本利 益率, 資本
金利 益率 ,売上 高利 益 率 の ように い くつ か の類 似 の指 標 かお る。 更に,利 益
率 の利益 乱
売上 総利 益 ,営業 利益 ,経 常利 益 ,税 引前 当 期純利 益, 税 引前
当 期利益, 当 期利 益 の よ うにい くつ か考え られ るのであ る。 これ ら の問 題に
対 処す る有効 な 方法 は, 数多 くの経営 指 標を 同時 に多 変量 解 析に よっ て分 析
し,指 標間 の関 係を 調 べ ると同時に ,経営 指 標を い くつ かの因 子に要 約 して,
因子 の表現 してい る特 性を 理 解 し, 企業 評価を 少 数 の変 量に 縮 約す る ことで
あ る。 こ のこ とは, 日本開 発銀行[13] , 大阪府立 産業 能 率 研究 所〔12〕け 星 野[4]
に よっ て行 な わ れた。 特に星 野[4] では, 22の経営 指 標を 因子 分析に よ
り5 つ の主要な因子に分解した。それらの因子は,回転率,収益性,流動性,
分配性,健全性であった。そして,企業評価という よりは,株主に対する配
当政策を表現している第4 因子 の分配性を除き,4 つ の因子を採用し,各因
子か ら1 つの指標を 選択し,第1 因子の回転率に対しては,総資本回転率と,
回転率ではないが回転率とい う因子に大きな影響を与える負債比率,第2 因
子 の収益性からは総資本純利益率,第3 因子の流動性からは流動比率,健全
性を表現している第ら因子 より,自己資本比率を採用し,全部で5 指標,す
なわち,総資本回転率,総資本純利益率,負債比率,流動比率,自己資本比
率となった。この5 指標に基づいて,星野〔2 〕
〔3 〕の分析は行なわれた。
しかしながら,変数間に線型関係 の仮定をたてて分析する多変量解析では,
数値の上で明確にはでてこない のであるが, 自己資本比率と負債比率間には
2)
非線型な関係かおる。
自己資本比率は
自己資本比率=自己資本/総資本×100
で示される。
自己資本はバランスシ ートの資本の部で示され,資本金,準備金,及び積
立金,当期未処分利益金等 の「その他の剰余金」 の合計である。総資本はバ
ランスシ ートの資産合計( =負債資本合計) のことであ る。 一
これに対し,負債比率は, ノ
負債比率=(流動負債 十固定 負債 十特定引当金)/自己 資本×100
であ る。
ここで,流動負債 十固定負債 十特定引当金十自己資本=総資本であ るため
負債比率=(総資本 一自己資本)/自己資本×100
=(総資本/自己資本−1)×100
とな る。すると,前述の自己資本比率を導入して。
負債比率=(100/自己資本比率−1)×100
すなわち両変数には,非線型な関係があることがわ かり,独立とはいえな
いことになる。
そこで,本稿では,今 までの5 変量に よる分析から,負債比率を除いて,
自己資本比率,流動比率,総資本回転率,総資本純利益率の4 変数に より分
析をし,5 変量の場合と比較検討してみる。
企業合併の計量分析 37
更に ,星 野〔3 〕の分 析で は, 昭和45 年 の合 併企業15 社 を取 り上げ ,合 併 前
後5 年 間()F ,t 検定を し てい る拡 合 併以外 の経 済環 境 の変 化を 直接 に考
慮 していない。そ こで, 昭和45 年 前後 で,経営 指 標に つ い て, 業 種 の年 度に
よる差 かお るかど うか の分 析 も合 わせ て考察 し, これに より経 済 環境 の影 響
の存在を 調べ ることに す る。
第1 節では,4 変量 に つい て, 単一 変量 に よるF, t 検定 を行 ない , 合併
非合併企業 の経営 指 標上 の差を 調べ る。
第2 節ではレ4 変 量を 同時 に 判別 分 析に よ り分 析す る。 但 し, 変数 選択に
つい て,直 接法 とMAHAL
法を 導入 して検 討す る。
第3 節で, 4 変量 の場合 と5 変量 の場合 とを 比 較 して みる。
第4 節では,15 の合併 企業 の属す る全 合併業 種 の年 度 に よる差 かお るか ど
うかを7-TEST
を 用 い て分 析す る。
第lip 単一変 量 によ る分 析
この節 では, 4 変量 , 自己 資本 比率JIKO,
流動 比率RYUDO
, 総資 本回
転率SOSIK,
総 資本 純利 益 率SOSIS
を ,各 々,単一 変量 とし て分 析す る。
分 析対 象 となっ てい る デ ータは, 日本 開発銀 行が 日本オ ペ レ ーシ ョン ズ・ リ
サ ーチ学 会に 提供 した 昭和42 年 上 期 か ら昭 和48 年下 期 まで の14 期 間 の578 社
の84項 目磁 気テ ープに よる財 務 デ ー タであ る。
合併に よって合 併 後5 年 間合併 の影 響かあ ると仮定 し て,上 記 のデ ー タ期
間 に合併 の影 響かお る企 業 は90 社あ った 。 この詳 細につ い ては ,星 野〔2 〕を
参照 されたい。
このデ ータよ り, 前述 の4 指 標を 作成 して東京 大学大 型 計算機 セン タ ーの
3)
個入用 ファイルHosHINo
に 格 納さ れ てい るものを利用 す る。
この デ ー タ
をSPSS
のプロ グラ ム 。パ ッケージであ る7-TEsT
に より分 析す る。( 付録n
参照) SPSS
の パ ッケ ージ の使用に つ い ては ,三宅[8],
司 馬[14] 又 は 星野〔3 〕
を 参照。
この結果を 要約 した ものが表1 であ る。
これに よると, 自己資 本比 率に つ い ては,F 検定で 有 意な場 合 は14 回 中11
回 であり,合 併企業 と非合 併 企業 間 のバ ラ ツキの差か お る ことに なる。 標 準
表1
合併,非 合併 企業 のT-TEST
経 営 指 標
自 己 資 本 比 率
流 動 比 率
総 資 本 回 転 率
総 資 本 純 利 益 率
鰍 諮 吉
F
£
F
t
F
£
F
t
42 年 上 期
0.000
/
0.027
/
0.030
/
0.004
/
下 期
0. 000
/
0.000
/
0.017
/
0.027
0.037
43 年 上 期
0.001
0.015
0.066
/
/
/
/
/
下 期
/
/
/
/
/
/
/
/
u 年 上 期 ●  ̄ ̄ ’’0,000
/
/
0.029
/
/
/
0.000
/
下 期
0.013
/
/
/
/
/
0.000
/
45 年 上 期
0.000
0.034
/
/
/
/
0.000
/
下 期
0.012
0.013
/
/
/
/
0.000
/
46 年 上 期
0.010
0.006
0.011
/
/
/
0.000
/
下 期
0.003
0.003
O。001
0.043
/
/
/
/
47年 上 期
/
/
0.000
0.012
/
/
/
/
下 期
/
/
/
/
/
/
/
/
48 年 上 期
0.009
/
0.009
/
/
/
0.004
/
下 期
0.020
/
0.006
/
/
/
0.026
/
付 録U より作成 。 数値 が 書い てあ る 個所が 有 意であ り, 数値 は そ の両 側 確率 の値 であ る。 斜線
は有 意で ない こ とを 意 味す る。0.000 は0.001 より小 さト 確 率を 意 味す る。
偏 差 の 大 小 は , 合 併 企 業 の 方 が 大 き い 場 合 は 最 初 の2
期 間 だ げ で あ り , 後 の12
期 間 全 部 に つ ト て , 合 併 企 業 の 標 準 偏 差 は 小 さ い 。 Z 検 定 に つ い て は ,14
回 中5
回 有 意 差 が あ っ た だ け で あ る 。
総 資 本 純 利 益 率 は, F 検 定 で14 回 中9
回 有 意 で あ り , 合 併,
つ非 合
併 企 業 間
の 標 準 偏 差 の 大 小 は 混 在 し て い る 。 f 検 定 は1
回 し か 有 意 で な い 。
流 動 比 率 に つ い て は, F 検 定 で14 回 申9
回, t 検 定 で2
回 有 意 差 が あ る 。
総 資 本 回 転 率 で は, F 検 定 で2
回 し か 有 意 で な い 。
第2 節 4 変量 によ る分析
前節に お い ては ,4 変量 , 自己資 本比 率, 流動 比率 , 総資 本回 転率,総 資
本純利 益 率 の各 々に つい て の分 析を行 な った。
こ の節で は ,4 変量を 同時 に処 理す る多 変量 解 析 の1 手 法であ る判別分 析
を 使 って分 析 す る。 SPSS のパ ッケージであ るDISCRIMINANT
を使 用す
る際に は, 方 法に よっ て変 数 選択 の基準 が違 うた め,4 変 数全 部を直接 に使
企業合併の計量分析 39
用す る直接 法(DIRECT
)に よ る場合 と,2 グル ープ間 の マハ ラ ノピ スの汎
距離 の最小 値が 最大 どな る変 数を 選択 し てい くMAHAL
法 の2 通 り の 方 法
で分析す る。 1
) 直 接法(DIRECT
)
昭和42 年 上 期 より,48 年 下 期 まで の14 期間 と, 14期間全 体 の合 計15 回 の判
別 分析を 行 なった。 判 別 関数 の係数 と非 合併企 業,合 併 企業 の重 心 の大 きさ
を 示し かも のが表2 (Dようであ る。判 別関数 の係 数 の大 小,正 負 も期毎に 変
動 してい る。特に 非 合併 企業 の重 心 は,昭和42 年 上期 か ら44 年 下 期 まで の6
表2 判別関数の係数と重心(直接法)
42 年 上 期
42 年 下 期
43 年 上 期
43 年 下 期
44 年 上 期
自 己 資 本 比 率
0. 01245
- 0. 00037
0. 01436
0. 01280
0.01700
流 動 比 率
−0. 02363
- 0. 01601
−0. 01783
−0. 01852
−0. 01983
総 資 本 回 転 率
−0. 00910
−0. 01732
−0. 01659
−0. 01806
−0. 01076
総 資 本 純 利 益 率
0. 26433
0. 42236
0. 09628
0. 27935
0. 10950
定
数
項
2. 02684
2. 10563
2. 00310
1. 92220
1. 77054
非 合 併 企 業 の重 心
0. 04047
0. 04936
0. 02875
0. 02281
0. 01308
合 併 企 業 の 重 心
- 0. 47945
- 0. 68224
−0. 46033
−0. 38939
−0. 23946
謡 大
44 年 下 期
45 年 上 期
45 年 下 期
46 年 上 期
46 年 下 期
自 己 資 本 比 率
0. 02226
- 0. 01486
0.00803
0. 00643
- 0.01810
流 動 比 率
- 0. 02260
0. 01894
- 0. 00763
- 0, 00206
−0. 00246
総 資 本 回 転 率
- 0. 00095
0. 00116
一'0. 00369
0. 00597
−0. 02125
総 資 本 純 利 益 率
- 0. 11871
- 0. 29939
0. 29845
0. 24861
0. 34801
定
数
項
L 68080
−0. 92720
0. 25799
−0. 66280
2. 12606
非 合 併 企 業 の 重 心
0. 01676
−0. 01775
0. 04019
0. 04146
- 0. 03193
合 併 企 業 の 重 心
−0. 29536
0. 30312
−0. 60532
― 0. 58920
0. 48065
よ匹 二
47 年 上 期
47年 下 期
48 年 上 期
48 年 下 期
14 期 全 体
自 己 資 本 比 率
- 0. 01024
- 0. 00995
−0. 01386
― 0. 00918
- 0.01518
流 動 比 率
−0. 00988
−0. 01099
- 0. 00173
−0. 00946
0.-01058
総 資 本 回 転 率
−0. 02509
−0. 03079
−0. 03123
- 0. 02442
- 0. 00179
総 資 本 純 利 益 率
0. 13868
0. 26840
0. 09358
― 0. 11647
−0. 26166
定
数
項
2. 98158
3. 20245
2. 51020
3. 14676
0. 07917
非 合 併 企 業 の重 心
−0.02923
−0. 03011
- 0, 02968
― 0. 02607
−0. 01975
合 併 企 業 の 重 心
0. 40354
0. 39406
0. 36918
0.30117
0. 08582
表3
判別分析 の予測精度(直接 法)
昭 和42 年 上 期
昭 和42 年 下 期
昭 和43
年 上 期
貳
非合 合
計
ミ
非合 合
計
弐
非合 合
計
非合
合
347 186
17 28
533
45
非合
合
415
ニ124 20
19
539
39
非合
合
343 201
16 18
544
34
計
364 214 578
計
435 143 578
計
359 214 578
精度 64. 88 %
精度 75. 09 %
精度 62.46%
昭 和43 年 下 期
昭 和44 年 上 期
昭 和44
年 下 期
よ 、
非合 合
計
言
非合 合
計
≧に
非合 合
計
非合
合
339 207
13 19
546
32
非合
合
290 258
13 17
548
30
非合
合
274 273
12 19
547
31
計
352 226 578
計
303 275 578
計
286 292 578
精度 61. 94
‰
精度 53.11%
精度 50.69%
昭 和45 年 上 期
昭 和45 年 下 期
昭 和46
年 上 期
栄
非合 合
計
弐
非合 合
計
弐
非合 合
計
非合
合
311 235
14 18
546
32
非合
合
397 145
21 15
542
36
非合
合
394 146
24 14
540
38
計
325 253 578
計
418 160 578
計
418 160 578
精度 56. 92%
精度 71. 28%
精度 70.59%
昭 和46 年 下 期
昭f P
47 年 上 期
昭 和47
年 下 期
よ
非合 合
計
貳
非合 合
計
貳
非合 合
計
非合
合
291 251
12 24
542
36
非合
合
281 258
15 24
539
39
非合
合
272 265
15 26
537
41
計
303 276 578
計
ぶ96 282 578
計
287 291 578
精度 54. 56%
精度 52. 77%
精度 51. 56%
昭 和48 年 上 期
昭 和48 年 下 期
14 期 全 体
ぽ
非合 合
計
ぽ
非合 合
計
予M
現実
非合 合
計
非合
合
272 263
12 31
535
43
非合
合
267 265
15 31
532
46
非合
合
3,842 3,728
190 332
7,570
522
計
284 294 578
計
282 296 578
計
4,032 4,060
8,092
精m 52.42%
精度 51.56%
精度 51.58%
期間と,45年下期,46年上期の2 期間につい ては正であ り,他 の7 期間につ
いては負であ り,合併企業はそ の反対であ る。 よって判別関数値による合併,
非合併企業間 の統一的な判別は難かしいごとに なる。
企業合併め計量分析 41
表2 より判 別式 は次 のよ うに 求め られ る。 例えば ,昭 和42 年上 期 であ ると,
判別関係値 をZ
とす ると, Z
=0. 01245× 自己 資本 比率 −0.02363 ×流動 比 率
−0.00910 ×総資 本回 転率 十〇.
26433×総 資 本純利 益 率
+2.02684
このZ 値 の重心 は非合 併企業 で0.04047,
合併 企業 で −0.47945 とな る。
表3 に, こ の判別分 析 の精 度を 掲げ てあ る。 各 期別 の精 度 は,昭和42 年下
期 の75.09 %か ら,昭 和44 年 下 期 の50. 69% まで の変 動を してい る。 14期
全体
で は,51.58 % と精度 は非常に 低 くなっ てい る。
表3 で, 最左端 の縦に 現実 非 合 合 計 とあ るが, これ は,現実 に非合
併 企業 ,合併 企業 がい くつあ る かを 示 す表 題 であ る。 第2 番 目 の縦列 に,非
表4 判別関数の係数と重心(MAHAL
法)
⊇フ
コに
ト 態 や
42 年 上 期
42 年 下 期
43 年 上 期
43 年 下 期
44 年 上 期
自 己 資 本 比 率
-0.01451
/
0. 01537
0. 01637
流 動 比 率
−0.02487
−0.01628
- 0. 01709
−0.01703
総 資 本 回 転 率
_/
-0.01720
-0.01572
−0.01639
総 資 本 純 利 益 率
0. 24288
0. 42057
/
/
定
数
項
1. 56443
2. 11128
1. 97891
1. 98098
非 合 併 企 業 の 重 心
0. 03898
0. 04935
0. 02823
0. 02051
合 併 企 業 の 重 心
-0.46170
-0.68214
−0.45196
― 0.
35022
遥T彩Tト 巡?
44 年 下 期
45 年 上 期
45 年 下 期
46 年 上 期
46 年 下期
自 己 資 本 比 率
- 0.
02180
j
/
/
−0.01941
流 動 比 率
−0. 02409
/
/
/
総 資 本 回 転 率
/
0. 33603
/
−0. 02099
総 資 本 純 利 益 率
/
/
0. 29454
0. 34892
定 数
項
−1. 58548
−0.46949
- 0. 27484
1. 87906
非 合 併 企 業 の 重 心
−0.01633
0. 03741
0. 03946
- 0. 03183
合 併 企 業 の 重 心
0. 28853
−0.56330
−0.56085
0. 47914
こ こ に 巡 回
47 年 上 期
47 年 下 期
48 年 上 期
48 年 下 期
14 期 全 体
自 己 資 本 比 率
−0.00836
/
0. 01347
0. 01710
−0. 01518
流 動 比 率
- 0.
00988
0.01616
/
/
0. 01058
総 資 本 回 転 率
−0. 02350
0. 03059
0. 03005
0. 02597
-0.00179
総 資 本 純 利 益 率
/
/
/
/
−0. 26166
定 数
項
2. 94043
−3.66287
- 2. 35068
― 2.
27380
0. 07197
非 合 併 企 業 の 重 心
−0. 02867
0. 02646
0. 02913
0. 02456
−0.01975
合 併 企 業 の 重 心
0. 39581
−0. 34608
−0. 36231
−0.28401
0. 28582
合 347 17 364 とあるのは,非合併企業 と予測さ れた企業数が現実の非
合併企業533 社 のうち の347 社,合併企業45社の うち の17社,合計364 社で
あ ることを示している。すなわち,現実に非合併企業 で予測で も非合併企業
とされた ものが347 社,現実には合併企業で予測で は非合併企業と誤って予
測された ものが17社あり,予測 の合併企業数が364 社あ るとい うことになる。
一般にいえば,2 行2 列 の行列で,行が現実 の企業数,列が予測された企業
数 とい うことである。例えば, 1 行2 列目の(非合,合)=186 は,非合併企
表5 判別分析の予測精度(MAHAL
法)
昭 和42 年 上 期
昭 和42 年 下 期
昭 和43 年 上 期
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
ぺ
非 合
合
計
非 合
合
333 200
14 31
533
45
非 合
合
415 214
19 20
539
39
非 合
合
327 217
14 20
544
34
計
347 23 ニL 578
計
434 144 578
計
341 237
578
精 度 62. 98 %
精 度 75. 26 %
精 度 60. 03 %
昭 和43 年 下 期
昭 和44 年 上 期
昭 和44 年 下 期
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
非 合
合
302 244
12 20
546
32
非 合
合
282 265
13 18
547
31
計
314 264 578
計
295 283 578
精 度 55. 71 %
精 度 51. 90 %
昭 和45 年 上 期
昭 和45 年 下 期
昭 和46 年 上 期
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
非 合
合
424 118
26 10
542
36
非 合
合
496 44
35 3
540
38
計
450 128
578
計
531 47578
精 度 75. 09 %
精 度 86. 33 %
昭 和46 年 下 期
昭 和47 年 上 期
昭 和47 年 下 期
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
非 合
合
298 542
12 36
542
36
非 合
合
284 255
16 23
539
39
非合
合
286 251
13 28
537
41
計
310 578 578
計
300 278 578
計
299 279 578
精 度 55. 71 %
精 度 53. 11 %
精 度 54. 33 %
昭 和48 年 上 期
昭 和48 年 下 期
14 期 全 体
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合
計
へ
非 合
合 計
非 合
合
279 256
13 39
535
43
非 合
合
258 274
17 29
532
46
非合
合
3,842 3,728
190 332
7,570
522
計
292 286 578
計
275 303
578
計
4,032 4,060
8,092
精 度 53. 46 %
精 度 49. 65 %
精 度 51. 58 %
企業合併の計量分析 43
業で合併 企業 と誤 判断 された企 業 が186 社あ るとい うこ とに な る。 星 野〔2 〕
2)MAHAL
法
直接 法で は4 変 数全 部を 使用 し て判別分 析を行 な った が, こ こで は,統計
的 基準を 決定 し て変数 選択を 行 な って分 析す る。そ の結果 の判 別 関数 の係数
と重 心が表4 のよ うに な る。 こ こで,斜 線は,変 数 が除 外 され て不 合 格とな
り,判 別分 析 が でき ない 事 を 意味 す る。4 変数 の うぢ, 期別 全 部で14 回中 ,
自己資 本比 率は8 回, 流動 比率 は7 回,総 資本 回 転率は9 回, 総資 本純利 益
率 は4 回 しか採 用 されな くに 他 の場合 は除 外さ れ ることに な る。 14期全体で
は, 4 変数 は 全 部使 用 され てい る。
直接 法に よる場 合 と同 様に ,非 合併企業 と合 併企業 の重心 は ,期に よって,
数値 の符 号が変 化 す るた め一 般的 な定式 化 は で き な い 。 又 ,表5 の ようにMAHAL
法に よる判 別分 析 の予 測精 度を 掲げ た。昭 和46 年 の上 期 でou.
oo
%
と直接 法に よる場 合(70. 59%卜 より高 くなっ てい る。
し か しなが ら, 逆に。
表6 非合併企業と合併企業の重心の同等性の検定
(MAHAL
法による4 変量の場合)
昭 和 年 期
F
検 定
42 年 上 期
3. 51267 > 紹74
(2. 5% )=3. 1161
下 期
6. 67825 >Fly バ0.5%
)ニ4. 2794
43 年 上 期
2. 47870 くF ‰ (5  ̄% )=2.6449
下 期
1. 38790 くF ‰ (5 % )= 2.6049
44 年 上 期
下 期
1.36557 く 糾 フ
バ5
% )=2.9957
45 年 上 期
1. 57724 < 則76
(5 % )=3. 8415
下 期
12. 42270 >Fire
(0. 5‰) =7. 8794
46 年 上 期
13. 06131 >F 臨 (0.5%
)=7. 8794
下 期
2. 96793 >^ 臨 (5 %) =2. 6049
47 年 上 期
2. 19874 <F ‰ (5 % )=2. 6049
下 期
2. 66010 <F ‰ (5 % )=2. 9957
48 年 上 期
3. 07120 >F ‰ (5 % )=2. 9957
下 期
2. )2282く パ,,
(5 % )こ2. 9957
14 期 全 体
11. 46597 > パ087
(0. 5% )=3. 7151
①
②
斜 線はF 値が 計 算さ れな かった こ とを 意 味し てい る。i^
‰(2,5%)=3.1161 は 自由度3,574 の2.5% の 水 準に
おけ るF 値 が3. 1161であ るこ とを示 し てい る。
昭和48年下期では49. 65% と50%以下 であり, 直接法に よる場合(51. 56%)
を下回ってい る。
次に,こ非合併企業 と合併企業 の判別を重心の同等性 の仮定 に よ りF 検定
する。このF 値はSPSS
に より計算され る の で,そ の値と数表の値 の大小
を比較する。 これに よると,昭和42年上 期,下期,45年下期,46年上期,下
期,48年上期 の6 回が有意であ るため,両 グル ープの垂心に違いがあるとい
ってよいことになる。他 の8 回は有意とはいえない。 14期全体では0.5 % の
水準で有意となってい る。
第3 節 4 変 量 と5 変 量 の場合 の比 較 分 析
前節 で, 4 変 量に よる非合 併企業 の重心 と合併 企業 の重心 とが 同等であ る
とい う仮定を た し てF 検定 した ところ ,同等 とはいえ ない と い う場合 が14
回申6 回あ るこ とがわ かった。 そ こ で,星 野[2 ]で行 なった5 変量 に よる分
析 の結果 より, 非合併 ,合 併企業 の判 別 関数 の重 心 の同等 性 の仮定を 検定 し
た も のが表7 であ る。 こ の表 より, 同等 と はいえ ない と考え ら れる場合 は,
昭和42 年上 期 ,下期, 43年 下斯 ,44 年 上 期 ,45 年 下期 ,46 年上 期,下 期,48
表7 非合併企業と合併企業の重心の同等性の検定 ’
。
(MAHAL
法による5 変量 の場合)
昭 和 年 期
F
検 定
42 年 上 期
3. 51249 >Flu
(2. 5% )=3. 1161
下 期
6. 95956 > バ7 バ0. 5% )=4.2794
43 年 上 期
2. 47863 くF
乱 (5 ‰ )=2. 6049
下 期
5. 86059 > バe
(2. 5%) =5. 0239
44 年 上 期
3. 66237 >F 臨 (5 % )=2. 9957
下 期
L 36557 く バ.s
(5 多 )=2. 9957
45 年 上 期
2. 84050 く 糾, バ5
% ) =2. 9957
下 期
12. 42207 > 到^ バ0. 5% )=7.8794
46 年 上 期
13. 06076 >F 臨(0. 5% )=7. 8794
下 期
2. 96760 >Flu
(5 % )=2. 6049
47 年 上 期
2. 15865 くF 昌 (5 % )=2.3719
下 期
2. 65982 <F 臨 (5 %) =2. 9957
48 年 上 期
3. 07081 >F 臨 (5 % )=2. 9957
下 期
1. 80792 くFlu
(5 % )=2.6049
14 期 全 体
9. 37289 > 飛o.
(0. 5% )=3. 7151
企業合併の計量分析 45
年 上期 の8 回 であ り,4 変量 の場合に 比較 し て, より判 別 しや す くな ってい
ることが わか る。 よっ て,分 析 の対 象 とす る経営 指 標 の数を 更に 増加 する方
が よい とい うこ とがト え るか もしれ ない 。 しか 七なが ら ,F 値 の大小 の比較
で は,5 変量 に よる場合 が4 変 量 の場 合 よ り大 きい とき は3 回 ,昭 和42 年 下
期,43年 下 期, 45年 上期 しかな く,他 の9 回 では より小 さく, 1 回は 同値で
あ り, 1 回 は4 変量 に よるF 値 が44 年上 期 で欠 如 してし る の で比 較で きな
い 。 よっ て,一 般的 に は, 変量 の数を 増加 して 乱
半U別 しやす くなる と断定
す るこ とに は若 干疑問 が残 る。又 ,採 用す る変量 の数0 変化に より, 自由度
が変化 す ることに よって‥F 値 が 変動 す る点 心合 わせ て考察 し な くて はな ら
な い。
第4 節 合併業種の差 の分析 15
の合併企業 の合併前後 の差 の分析は付録V のようであ る。その結果を要
約したものが表8 であ る。これに よると,総資本純利益率が1 年 前後を除い
表8 合併前後の差の分析
こ も ぎご
1 年 前 後
2 年 前 後
3 年 前 後
4 年 前 後
5 年 前 後
自 己 資 本 比 率
F 検 定1
検 定
/
0.5% で 有 意
/
5 % で 有 意
/
流 動 比 率
F 検 定
と検 定
/
/
/
/
/
負 債 比 率
F 検 定f
検 定
/
2.5% で 有 意
1%
で 有 意
5%
で有 意
/
総 資 本 回 転 率
F 検 定d
/
/
/
/
/
総 資 本純 利 益 率
F 検 定
£検 定
2.5% で 有 意
1%
で 有 意
0.1% で 有 意
5%
で 有 意2.5%
で 有 意
5%
で 有 意0.1
毀 で 有 意
斜線は有意でないことを意味する
て ,他の4 回 と も1 % 以上 の有 意 水準 で有 意であ る。 す な わち,合 併 前後に
差 かおるこ とがわか る。 他 の4 指 標につ い ては 標準 偏差 の差 かお る場合 が,
自己 資本比 率 で2 回 ,負 債比率 で3 回あ るに す ぎ ない。
しかしなが ら, ここ で の総 資本純 利益 率 は合 併に よる 影響 な のか,企業経
営上 の問 題で はな く外的 要因に よ るも のかがは っ き りしない。 特に ,昭 和46
年8 月に は ニクソン ・シ ョ ックかお り, 8 月28 日に 変動 相場 制 へ移行 し, 12
月12 日に は ス ミソ ニアン協定 で 円 の切上げ が行 な われ, 昭 和48 年6 月に は第
4 次中東 戦争 が 起こ り, 16ロに 石油 危機が生 じた こ とな どは 非常 な 激変 であ
った といえ る。 こ れに より,昭和45 年 以降 の合併後 の企業 収 益は 強 く圧迫 さ
れ てきた と考 え られ る。 こ のことは表9 の ように, 製 造業 ・大 企業 の使用総
資本経 常利益 率(利払前)の推 移を みて も よく理解 で き るこ とであ る。 特に ,
昭和46 年 下 期 は谷 であ り, 50年 の上 期は ここ10 年 で 最 低 の谷 とな ってい る。
そ こ で,合 併 企業15 社 の合 併前 後1 年 か ら5 年 まで の分 析 が意 味 かお るか
と うかを 検討 す る必要 かお る。そ のために ,合 併 企業 の属す る業 種全 体が年
度に よって差 かお るか ど うかを 分 析す る。そ の詳 細が 付録 Ⅵであ り,結果 の
要 約 は表10 の よ うであ る。
これに より,負債 比率 は‥F 検定, t 検定 ともに
表9 使用総資本経常利益率の推移
11.0
10.0
9.0
8.0
7.0
6.0
5.0
%
年 期
上 下 上
下 上
使用総資本経常利益率
(利払前)
下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上
^40/ 叉41ノ≒2/ 叉43/ 兄44ノ'^5/ 叉46/ \47/"^48/ 叉49/へ50ノ兄51ノ ^52
田 島〔16 〕よ り
表10 合併前後の全業種の差の分析
こい ダ で
1 年 前 後
2 年 前 後
3 年 前 後
4 年 前 後
5
年I 前
後
自 己 資 本 比 率 F 検 定
& 検 定
0.1% で有 意
0.1% で 有 意
0.1% で 有 意
0. 1% で有 意
5% で有 意0.1%
で有 意
流
動
比
率
F 検 定
£検 定
0.1 % で 有 意0.5%
で有 意
0.1% で 有 意0.1%
で有 意
0.1% で 有 意
0.1%
で有 意
0.1% で有 意
負 債 比 率 F 検 定
亡検 定
0.1% で 有 意0.1%
で 有 意
0. 1%
で有 意0.
25 % で有員
O.,l % で 有 意0.5%
で 有 意
0.1%
で有 意0.1
毀 で有 意
0.1% で有 意0.1%
で有 意
総 資・本 回 転 率
F 検 定t,
検 定
1% で 有 意
0.1 毀 で有 意
0.1% で 有 意
0.1 毀 で有 意
0.1% で有 意
総 資本 純 利 益 率 F 検 定Z
検 定
0.1% で 有 意
0.1% で有 意0.1%
で有 意
0.1% で 有 意0.1%
で有 意
0. 25 % で有 意
0.1 § で 有 意
0.1% で有 意・0.1
%X'有 意
企業合併の計量分析 47
4)
有 意な差 かお ることに な り,年 度 が異 な ると標 準偏差, 平均 値 とも値 が変化
す ることが わか る。 総資 本純 利 益 率につ い て 乱
ほぼ同 様 の結論に なる。 自
己 資本比率 ,流動 比率 につい て は,t 検定 がす べ ての場 合 有意 であ るため,
年 度に より平 均 値は差 かお るこ とに な る。 総資 本回 転率 は1 年 前後を 除い て
す べての年度 でF 検定 が有意 であ るた め, バ ラ ツキ の差 が年 度に よ り あ る
ことにな る。
以上 より, 全業種 の年 度間 の格差 は ㈲確にあ るこ とに な る。 よって, そ の
一 部の企業 であ る合 併 企業 だげを と り上げ て の合 併前後 の比 較は ,外的 環 境
に よる年 度間 格差を 考慮 し かい ことに な り,極 めて不十 分 と しかいえ ない。
逆に,業種 の年 度間 格差が十 分 あ るに もか かわ らず,合 併 企業 に お い ては全
然あ らわ れてい ない指 標, 例え ば 自己 資本 比率 ,流動 比 率,負 債比 率, 総資
本回 転率 の平均 値 の差が ない こと等 か ら,合 併企業 の特 性があ らわれ る こと
に なる。 すなわ ち, これ らの指 標 では ,合併 企業 の方が ,昭 和45 年 前 後にお
い て,差 が なく, 非合併 全業 種に 比 較 して安定 してい る といえ る。
・
お わ
り
に
本稿に よって,今 まで, 自己 資 本比 率,流 動 比率,負 債 比率, 総資 本回 転
率,総資本純利 益 率 の5 変量 で 行な っ てきた分 析に 代わ り, 自己 資本比 率 と
負債比率 との非 線型 な関 係を 考 慮 して, 負債 比率を除 い た4 変量 で分 析を し
た。そ の結果 は,企業 合 併 の効 果を 調べ るた め の非 合併 企業 と合 併企業 の判
別 につい ては, MAHAL
法 に よる変数 選択を 行 な うこ とに よ り,4 変 量 よ
り5 変量 の場 合 の方 が判 別 は より しやす くな るこ とがい えた。 特 に非 線型 の
関数 関係 が厳 密に定 まっ てい る変数 でも増 加 した方 が精 度 が高 くな るこ とが
い え た。星 野〔2 〕又, 判別 の精 度に つい ては,変 数 の少 ない方 が,昭 和46 年
上 期 の69. 55 % から70. 59 % とい う増加を 除 い て,す べ て の場 合,減 少 する
こ とがわかった。又 , 直 接 法 とMAHAL
法 とについ て は, 後 者 の方 の精 度
が より高ト 場合 が8 回 , 低ト 場 合 が4 回 ,2 回がMAHAL
法 では 計 算 で
きな く不 明であ り,14 期全 体 では 同 じであ る ことが わかっ た。 こ れ よ り,MAHAL
法 に よる揚合 の方 が , 同 ビテ ークを 使 っ て 乱 より精 度は 高 くな
るといえ る。 こ のこ とは星 野〔2 〕の結果 と も一 致 してい る。
更に,合併 企業 だけ の合 併前 後 の差 の分 析 の外的 要因 か ら の影響 を 考慮す
るため ,合 併 企業 の属す る業種全 体 の合併前 後 の差 を 分 析 した。 こ れに より,
昭和45 年 前 後 の業 種 全体 の年 度に よる格差は , ど の比 率 で 乱 F, t検定 の
どち らか又 は両 方 で有 意な差 が検出で きた。年 度に よる業 種 間格差 の方が合
併に よる差 より, より明確な形 で検定 でき る ことが わ かっ た。
本研 究 の問 題点 の1 つ は, 14期 間7 年 分 の磁気 テ ープ のデ ータを 使用 して
い るこ とに よる制約 であ る。 デ ータ期 間以 前 の合 併 も合 併後5 年 の合併 効果
期 間を 仮定 す るた め,そ れ以 前 のことは捨 象 して考え てい る。 第2 に,合併
企 業 の合併 時 点に よる整理 は考え てい な く, デ ータ期 間に 関連 す る合併企業
すべ てを 分 析対象 として一括 して分析 してい る点 てあ る。合 併 企業につい て
合併 比率 に よって か,又 は,系列 ,子 会社関 係 で,あ るい は 水平 合 併,垂直
合 併, コン グロ マ リ ット型 合併 等 の分 類を 行 な っ ての より詳 細な分 析が今後
必 要 とな ると考え られ る。 更に は,経 営指 標 の選 択対 象を 拡大 し て,米国で
数多 くの研 究 がな され てい る ように 株価, 株価 収益率 と の関 連を 分析する こ
とも興 味深 い。
注
1) 亀川〔7 〕は財務分析においては以下 の欠陥が内在す る と指摘し てい る。I
(1) 財務 諸比 率の依存関 係が無視されてい る。
② 比率 め総 合的 解釈で はな く,本質的 に,単一比率分 析であ る。
(3) 加重総 合す るために,いかな る比率を選択 してい い のか。
(4) そ れらの比 率にい くらのウェ イトを 付した らよい か。
こ れらの問題に対 して,多変量解析,特 に,主 成分 ・因子分析, クラスター分
析は十 分答え うるものであ る。星野[4]2
] この点 につい ては,星野〔5 〕の論文 の草 稿を 昭和52 年 秋の「 倒産防 止研究会」
で発表した 際に, 国際基督教大学 の藤田忠教授 より指摘 され,又,星野〔2 〕を昭
和53 年6 月 の組織学会全国大会で発表した 際に,一橋大 学 の宮川公男教授よりコ
ノントさ れた。両 教授に感 謝したい。3
) 東京大 学大型計 算機 セン タ ーでは,利用者 個人又は グル ープ のプ1=1グラムや デ
ータを シ ステム内 に格納し てお く手段とし てフ ァイルかお る。 フ ァイルは504KB
( キpi バイト)であり,カ ード1 枚80 B
(バ イト) のデ ータを 格納す ると, 504
×1000 ÷80
=6300
( 枚) までフ ァイルに記憶で き る。フ ァイルは外部記憶
装 置として の磁気 テープや磁気 デ ィス クに記憶 される。東京 大学 大型計算機 セソ
ク ー
[17 ]
企業合併の計量分析 494
) 独立した2 つ の母集団 の分散が等しい場 合にZ 検定が計算でき,こ れがSPSS
ではPOOLED VARIANCE ESTIMATE
で示 される。 分 散が 等 し くないとき
には,t の値は計算で きない が,近似 値を計 算するこ とはでき るノ 特定り 自由度
のもとにこれをZ 値 として取 り 扱 い, SPSS で はSEPARATE VARIANCE ESTIMATE
で示 され てい る。三宅〔8 〕
〔付 記〕
本稿 の作成にあ た り,東 洋大学経営 研究所 の研究プロジェ クト 「Cost-Effective・ness
Analysis 研究」 の研究費を受け てい るので感謝したい 。 又, 計算は東 京大学
大型計算機 セン ターのHITAC 8800/8700
を使用した。
参 考 文 献
〔D
星野靖雄,
〔2
〕
〔3
〕
〔4
〕
年3
月 。
[5 〕
企業 行動 と組織動 学, 白桃書房, 1977年。
企業 合併 の効果 の計量分 析,経営論集,第8 号,1978 年12 月。
,企業 合併 の合併前後 の差 の分 析,経営 研究,第7 号, 1978年2 月 。
,経営指 標の多 変量解析に よる分析, 情報科 学論集,第7 号,1978
重判別分析に よる企業倒産の分析へのづ 試論,東洋大学付属電子
計算機 センタ ー編, コン ピ ュータ利用の理 論, 1978年3 月所収。
〔6
〕
企業の社会経済指標の分析,経営研究所研究報告,第3 号,1978
年3 月 。
〔71
亀 川 俊 雄 / 意 思 決 定 の た め の 経 営 比 率 分 析 体 系 の 研 究 , 会 計 , 第112
巻 第4
号 , 昭 和52 年10 月 号 。
〔8 〕 三 宅 一 郎 ・ 山 本 嘉 一 郎 ,SPSS
統 計 パ ッ ケ ージI 基 礎 編 , 東 洋 経 済 新 報 社 ,
昭 和51 年 。
〔9 〕 三 宅 ・ 中 野 ・ 水 野 ・ 山 本, SPSS
統 計 パ ッ ケ ー ジU 応 用 編 , 東 洋 経 済 新 報 社 ,
昭 和52 年 。
〔10〕 日 興 リ サ ー チ セ ン タ ー 編 , 企 業 評 価 法 , 経 林 書 房, 1978 年5 月 。
〔11〕Nie, Norman H.,
C. H. Hull, J. G. Jenkins, K. Steinbrenner, D. H. Bent,
Statistical Package for the Social Sciences, 1975 Second ed,
McGraw- Hill.
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高 雄 延 和 ,
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田 島 敏 弘 ,
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ぺ の招待一丿 東 洋経済新 報社,昭和52 年 。
会 社の読 み方,
ご ま書房; 昭和53 年4 月。
円高 と日本経 済めゆ くえ,一橋 大学 公開講 座配布資料,昭和53年
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月。
〔18〕 東京大学大型計算機センター編,磁気テープ利用の手引,第4 版/昭和53年
3 升。
ト
〔19レ 東 京大学大型計算機 センタ ー編,利 用の手 引,改訂 版, 1978年5 月。 (1978
年7 月26 甘受理)
企業合併の計量分析 51
付 録I フ ァイ ルHOSHINO
のデータ配列変換
星野〔3 〕の付表H のように 日本OR
学会 の磁気 テープの要約財務諸表 のデータか
ら,経営 指標を作成 し, フ ァイルHOSHINO
を作った。 し かし, こ のフ ァイルの
データは, 合併 企業 のGROUPI
と非 合併企業 のGROUP
2 とが混然 と並 んでいる
ため,SPSS
の7-TEST
に,そ のままのかけ られない。モ にで,GROUP
1をフ毎
イルの前にGROUP
2を フ ァイ ルの後からとい うよ うに配 列し直 し, グル ープ別 の
データを 作 る。又,GROUP
1 の数 とGROUP2
の数を リストさせてい る。 ∧
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企業 合併 の計量 分 析 53
付 録IT 合 併 企 業 と 非 合 併 企 業 のr-TEST
星 野〔3 〕の 表14 の 合 併 企 業 と 他 の 非 合 併 企 業 と の 間 のr-TEST
を 行 な っ た 。 PAGE
I は そ の プ ロ グ ラ ム の リ ス ト で あ り, PAGE2
以 降 に7-TEsT
の 結 果 が
あ る 。 左 上 のSUBFILE A
と は 昭 和42 年 上 期 の こ と で あ り , 以 下SUBFILE N
の
昭和48 年 下 期 ま で14 期 間 続 く 。 GROUP 1-FIRST 45 CASES
はGRouPI
と し て
合 併 企 業 がH5 社 あ り, GROUP 2-NEXT 533 CASES
で 合 併 後5 年 間 の 影 響 を デ ー
タ期 間 に 与 え る 非 合 併 企 業 が533 社 あ る こ と を 意 味 し て い る 。 F
検 定 の 両 側 確 率 はJIKo
で は0.000
と非 常 に 高 い 水 準 で 有 意 差 か お り , 以 下RYuDo
で0.027, SOSIK
で0.030, SOSIS
で0.004
と な り す べ て の 場 合 に つ い
て 有 意 で あ る 。
こ の 場 合 に は, TVALUE
と し て は , 一 番 右 側 のSEPARATEVARIANCE ESTIMATE
を み るレ ノ
両 側 確 率 は0. 051 以 上 で あ り ど の 場 合 も 有 意
で な い こ と に な る 。 有 意 で な い 場 合 に は ,POOLED VARIANCE ESTIMATE
を
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