Title
Synergistic induction of apoptosis by acyclic retinoid and
interferon-beta in human hepatocellular carcinoma cells( 内容の
要旨(Summary) )
Author(s)
大洞, 昭博
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1332号
Issue Date
2003-02-19
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14940
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 大 洞 昭 博(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1332 号 平成15 年 2 月19 日 学位規則第4条第2項該当
Synergisticinduction of apoptosis by acyclic retinoid andinterferon-betain human hepatoce‖ular carcinoma ce"s
(主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 岡 野
幸
雄 教授 藤 原 久 義 論文内容の要旨 当教室ではこれまで,非環式レチノイド(acyclic retinoid,以下ACR)が単独投与でヒト肝癌細胞または前癌 細胞に対してアポトーシスを誘導する作用があること,これが臨床的な肝発癌抑制効果(clonaldeletion)の細 胞レベルでの作用機序であることを報告してきた。最近,各種の癌においてインターフェロン(以下,IFN)と レチノイドとの併用にアポトーシス増強作用があることが報告され,その臨床応用がはじまりつつある。しかし 肝細胞癌における報告はなく,我々は非環式レチノイドとインターフェロン併用によるアポトーシス増強作用に ついて検討を行った。 研究方法と結果(1)ヒト肝癌細胞株JHH7,HuH7/PLC/PRF/5,HLE,HLFおよび正常ヒト肝細胞株Hcに,ACR(5FLmOl/L)
と■IFN-β(100IU/mL)を添加し,48時間後の生細胞数を測定した。その結果,いずれの肝癌細胞株においても ACRあるいはIFN単独に比し,併用にて相乗的なアポトーシス誘導の増強がみられた。しかし,正常肝細胞株に 対するアポトーシス誘導はみられなかったことより,併用によるアポトーシス誘導作用は肝癌細胞に特異的であ ることが示唆された。 (2)JHH7においてその作用機序を検討した。IFN-β濃度(10-1000IU/ml)とACR(5FLmOl/L)の併用では IFN用量依存的に効果が増強された。ACR(5FLmOl/L)とIFN-β(100IU/mL)併用時の経時的変化を検討す ると,24時間後に差は認められなかったが,48時間後以降経時的にその効果は増強されており,併用効果は用量 と時間に依存していることがわかった。 ` (3)この併用効果はIFN-αについても再現されたが(その効果はβ>αの順序であった),alトtransレチノイン酸 や9-Cisレチノイン酸といった天然レチノイドとの併用ではみられなかった。従ってこの併用効果はACRに特異 的であることが考えられた。 (4)今までにACR単独投与にてアポトーシス誘導作用があることを報告してきたが,併用時におけるアポトーシ ス誘導機序について検討した。ACR単独群やIFN単独群と比べ,併用群においてcaspase3活性やTUNEL染色陽 性細胞数は著明に増加し,Hoechst33258染色においてもクロマチンの凝集が他群より多く観察された。このこ とよりACRとIFN併用による生細胞数の減少は,両者併用によってアポトーシスが増強された結果であることが 示唆された。 (5)この併用効果がACRがIFNの作用を増強しているのか,IFNがACRの作用を増強しているのかを検討した。 ACR→IFNの順で添加することで得られた相乗効果は,IFN→ACRの順で添加すると認められなかった。この ことよりACRが肝癌細胞のIFNに対する感受性を元進させることが考えられた。 (6)実際,ACR投与によって肝癌細胞株におけるIFN-reCeptOrのmRNA発現と,細胞膜表面におけるIFN_ receptorの表出が増加した0この作用は正常肝細胞株においては認められなかった0細胞培養系における検討で,ACR→IFNの順で添加することで得られた相乗効果は,IFN-reCeptOrの中和抗体を添加すると中和された。 (7)さらにACR投与によって肝癌細胞株のSTATlmRNA発現も増加し,そのDNA結合能も著しく克進していた。 2',5'-01igoadenyl-5'-triphosphatesynthetase(OAS)活性も元進した。Gelshiftassayにおける検討でも, ACR→IFNの順で添加することで得られたSTATl発現に対する相乗効果はIFN-reCeptOrの中和抗体を添加する ことによって消失した。 結語 各種ヒト肝癌細胞株において,ACRはIFNレセプター発現やIFN細胞内情報伝達系を誘導し,IFNに対する感 受性を元進させた。これにより両者併用による相乗的なアポトーシス誘導効果が得られた。将来,臨床的に ACR単独投与に加え,IFNとの併用による一層効果的な肝発癌抑制(cldnaldelection)が期待される。 論文審査の結果の要旨 申請者 大洞昭博は,肝癌細胞におけるACR・IFN併用によるアポトーシス増強効果は,ACRによってIFNレ セプター発現やIFN細胞内情報伝達系が誘導され,IFNに対する感受性が完進することが作用機序であることを 証明した。本研究の成果は,肝細胞癌の制御法に一つの新しい知見をもたらすものであり,消化器病学の進展を はかる上で少なからず寄与すると考える。 [主論文公表誌]
Synergisticinduction of apoptosis by acyclic retinoid andinterferon-betain human hepatoce11ular carcinoma cells.