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プリオン病からみた感染する蛋白とは―原点としてのプリオン病up to date―

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<シンポジウム 26―2>変性疾患のシード・凝集・神経回路網伝搬仮説の検証

プリオン病からみた感染する蛋白とは

―原点としてのプリオン病 up to date―

北本 哲之

(臨床神経 2011;51:1100) Key words:タンパク質ミスフォールディング病,プリオン,感染性 はじめに

プリオン病から始まった protein misfolding disease という 概念は,近年 protein misfolding disease そのものが感染する という所までプリオン病と近似してきた.そこで,このシンポ ジウムでは,アミロイドを例にとってプリオン病と比較して 類似点,相違点を明らかにしたい. プリオン病はアミロイド疾患か? 多くの先生方は,何をいまさらと思うでしょうが,プリオン 病で脳内にアミロイドが証明される症例はごくかぎられた症 例なのです.我が国のサーベイランスでは,570 例におよぶ sCJD のうち,18 例しか遺伝子型からはアミロイド斑のない 症例なのです.では,なぜプリオン病はアミロイド陽性と考え られたのでしょうか? それはプリオン・ロッド=アミロイ ドという固定観念から由来するが,そもそもプリオン・ロッ ドとはスクレピー感染脳から抽出してきたサンプルに存在す るアミロイドのことである.たとえばスクレピー感染培養細 胞では,形態学的にどんなに探してもアミロイドは見つから ないが,抽出操作によってプリオン・ロッドは証明されるの である. プリオン病は同じような感染性を示すのか? 話を単純にするために,同じ遺伝子で同じ原因のプリオン の感染性を比較することにする.我が国で多いのは,コドン 129 が Met!Met であるタイプ 1 プリオンと,タイプ 2 プリオ ンの感染性を比較すると MM1 プリオンがヒト型プリオン蛋 白をもったマウスに容易に感染するのに,MM2C も MM2T もほとんど感染性を示さないか,示してもごくわずかの感染 性であるという事実が明らかになりつつある.この事実は,硬 膜移植例でも MM1 の症例は見つかるものの,MM2 ないし MM1+2 の症例はほとんど経験しないというモデル動物だ けの現象ではない. タイプ 1 とタイプ 2 には aggregation size がことなる MM1 と MM2 を比較すると,pore size 75nm の膜を通過す る効率が MM1 の方が多い.つまり最少凝集単位は,MM1 の方が小さい可能性が出てきた.これらのプリオン病での経 験から,アミロイドなどの感染の可能性を考察する. Abstract

The infectivity of protein misfolding diseases is reviewed by a prion disease researcher

Tetsuyuki Kitamoto, M.D.

Department of Neurological Science, Tohoku University School of Medicine

(Clin Neurol 2011;51:1100)

Key words: protein misfolding diseases, prions, infectivity

東北大学医学系研究科病態神経学〔〒980―8574 宮城県仙台市青葉区星陵町 2―1〕 (受付日:2011 年 5 月 20 日)

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