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の確保について 4 ケニアから 南スーダンにおける紛争への対応 : 平和及び安全の保障における議会の役割について 5 湾岸協力理事会から 他国の国内裁判所における訴追からの国家主権及び国家免除の原則の保障 当該原則を阻害する国際法 国際条約及び国連憲章に違反する一方的な立法措置を防ぐための議会人の役

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第 135 回 I P U ( 列 国 議 会 同 盟 ) 会 議 派 遣 参 議 院 代 表 団 報 告 書

団 長 参 議 院 議 員 高 野 光 二 郎

同 山 本 博 司

同 行 国 際 会 議 課 長 倉 田 保 雄

会 議 要 員 国 際 会 議 課 外 川 裕 之

同 同 川 崎 将 寛

第 135 回 I P U 会 議 は 、2016 年 10 月 23 日( 日 )か ら 27 日( 木 )

ま で の 5 日 間 、 ジ ュ ネ ー ブ ( ス イ ス ) の ジ ュ ネ ー ブ 国 際 会 議 セ ン タ

ー に お い て 、 142 の 国 ・ 地 域 ( オ ブ ザ ー バ ー と し て 参 加 し た 1 の 非

加 盟 国 を 含 む )、7 の 準 加 盟 員( 国 際 議 員 会 議 )、 39 オ ブ ザ ー バ ー

( 国 際 機 関 等 )か ら 1487 名( う ち 、議 員 693 名 )が 参 加 し て 開 催 さ

れ た 。

参 議 院 代 表 団 は 、衆 議 院 議 員 3 名 と 共 に 、日 本 国 会 代 表 団( 団 長 ・

鈴 木 俊 一 衆 議 院 議 員 、 副 団 長 ・ 高 野 光 二 郎 議 員 ) を 構 成 し 、 会 議 に

参 加 し た 。

以 下 、 本 報 告 書 で は 、 参 議 院 代 表 団 の 活 動 に 重 点 を 置 き つ つ 、 本

会 議 、 評 議 員 会 及 び 常 設 委 員 会 等 の 概 要 を 報 告 す る 。

1 . 会 議 の 開 会

24 日 、本 会 議 開 会 に 先 立 ち 、サ ベ ル・チ ョ ー ド リ ー I P U 議 長( バ

ン グ ラ デ シ ュ 国 会 議 員 )か ら 、今 次 I P U 会 議 の 開 会 が 宣 言 さ れ た 。

2 . 本 会 議

本 会 議 は 24 日 か ら 27 日 に わ た り 開 催 さ れ 、 以 下 の 議 題 に つ い て

審 議 が 行 わ れ た 。

( 1 ) 第 135 回 会 議 の 議 長 の 選 挙

24 日 、チ ョ ー ド リ ー I P U 議 長 が 今 次 I P U 会 議 の 議 長 に 選 出 さ

れ た 。

( 2 ) 緊 急 追 加 議 題

会 議 に お い て は 、 ① モ ロ ッ コ か ら 、 東 エ ル サ レ ム を 首 都 と す る 存

続 可 能 な 、 独 立 し た 主 権 を 有 す る パ レ ス チ ナ 国 家 の 承 認 を 通 じ た 、

国 際 平 和 及 び 安 全 保 障 の 確 立 促 進 : 各 国 議 会 の 役 割 に つ い て 、 ② ベ

ネ ズ エ ラ か ら 、 民 主 制 の 不 可 欠 な 要 素 と し て 、 そ し て 民 主 主 義 に お

け る 固 有 の 制 度 で あ る 議 会 の 正 常 な 機 能 の 保 障 と し て の 権 力 分 立 の

尊 重 に つ い て 、 ③ ウ ガ ン ダ か ら 、 目 的 国 へ 向 か う 途 中 の 移 民 の 安 全

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の 確 保 に つ い て 、④ ケ ニ ア か ら 、南 ス ー ダ ン に お け る 紛 争 へ の 対 応:

平 和 及 び 安 全 の 保 障 に お け る 議 会 の 役 割 に つ い て 、 ⑤ 湾 岸 協 力 理 事

会 か ら 、 他 国 の 国 内 裁 判 所 に お け る 訴 追 か ら の 国 家 主 権 及 び 国 家 免

除 の 原 則 の 保 障 、 当 該 原 則 を 阻 害 す る 国 際 法 ・ 国 際 条 約 及 び 国 連 憲

章 に 違 反 す る 一 方 的 な 立 法 措 置 を 防 ぐ た め の 議 会 人 の 役 割 に つ い て 、

⑥ ド イ ツ 及 び メ キ シ コ か ら 、 シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ に お け る 紛 争 及

び 深 刻 な 人 道 的 状 況 に つ い て 、 ⑦ バ ン グ ラ デ シ ュ か ら 、 持 続 可 能 な

平 和 、 安 全 及 び 開 発 に 向 け た テ ロ リ ズ ム と の 闘 い に お け る 議 会 の 役

割 に つ い て 、 ⑧ ロ シ ア 及 び シ リ ア か ら 、 シ リ ア に お け る 平 和 及 び 安

全 の 回 復 : I P U の 貢 献 に つ い て 、 計 八 件 の 緊 急 追 加 議 題 の 挿 入 要

請 が 行 わ れ た 。

24 日 の 本 会 議 に お い て 、そ れ ぞ れ 概 要 説 明 が 行 わ れ た 後 、ベ ネ ズ

エ ラ 、 ウ ガ ン ダ 及 び バ ン グ ラ デ シ ュ が 要 請 を 撤 回 し た た め 、 5 件 の

議 題 案 に つ い て そ れ ぞ れ 投 票 が 行 わ れ た 。

そ の 結 果 、 ド イ ツ 及 び メ キ シ コ 提 出 の 議 題 案 が 、 賛 成 802 票 、 反

対 241 票 、 棄 権 508 票 で 緊 急 追 加 議 題 と し て 認 め ら れ る た め に 必 要

な 3 分 の 2 以 上 の 賛 成 票 を 得 た こ と か ら 、 今 次 I P U 会 議 の 緊 急 追

加 議 題 と し て 採 択 さ れ た 。

日 本 国 会 代 表 団 は 、 ケ ニ ア 提 出 並 び に ド イ ツ 及 び メ キ シ コ 提 出 の

議 題 案 に そ れ ぞ れ 賛 成 20 票 を 、ロ シ ア 及 び シ リ ア 提 出 の 議 題 案 に 反

対 20 票 を 投 じ 、モ ロ ッ コ 提 出 及 び 湾 岸 協 力 理 事 会 提 出 の 議 題 案 に つ

い て は そ れ ぞ れ 棄 権 し た 。

25 日 の 本 会 議 に お い て 、採 択 さ れ た 緊 急 追 加 議 題 に 関 す る 討 議 が

行 わ れ た 。

同 日 、 ア ル ゼ ン チ ン 、 コ ン ゴ 民 主 共 和 国 、 フ ラ ン ス 、 ド イ ツ 、 イ

ラ ン 、イ ラ ク 、マ レ ー シ ア 、メ キ シ コ 、ナ イ ジ ェ リ ア 、ポ ル ト ガ ル 、

ロ シ ア 及 び サ ウ ジ ア ラ ビ ア の 12 か 国 の 代 表 で 構 成 さ れ る 起 草 委 員

会 が 開 催 さ れ 、 同 議 題 に 関 す る 決 議 案 の 審 議 が 行 わ れ た 。 起 草 委 員

会 で は 、 シ リ ア に お け る 紛 争 で の 市 民 及 び 民 間 イ ン フ ラ に 対 す る 攻

撃 を 非 難 し 、 紛 争 当 事 国 に 人 道 支 援 要 員 の 移 動 、 安 全 及 び 自 由 を 確

保 す る よ う 要 請 す る と と も に 、 各 国 議 会 に 対 し 、 紛 争 地 域 に 対 す る

緊 急 支 援 を 増 加 さ せ 、 現 地 の 援 助 団 体 を 支 援 す る よ う 各 国 政 府 に 働

き か け る こ と 、 文 化 遺 産 の 保 護 を 狙 い と し た ユ ネ ス コ の 取 組 を 支 援

す る こ と 及 び 議 会 コ ミ ュ ニ テ ィ が シ リ ア 情 勢 の 改 善 の た め に よ り 一

層 の 取 組 を 行 う こ と を コ ミ ッ ト し 、 全 て の 関 係 者 と 密 接 な 関 係 を 保

つ よ う 要 請 す る こ と 等 を 内 容 と す る 決 議 案 「 シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ

に お け る 紛 争 及 び 深 刻 な 人 道 的 状 況 」 が 起 草 さ れ た 。

26 日 の 本 会 議 に お い て 、起 草 委 員 会 に よ っ て 起 草 さ れ た 決 議 案 が

上 程 さ れ 、 同 決 議 案 は コ ン セ ン サ ス に よ り 採 択 さ れ た ( 決 議 の 全 文

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は 別 添 1 参 照 ) 。 な お 、 採 択 後 、 シ リ ア は 、 当 事 国 で あ る に も か か

わ ら ず 決 議 案 の 起 草 に 参 加 の 機 会 が 与 え ら れ な か っ た こ と か ら 、 決

議 全 体 に つ い て 反 対 意 見 を 表 明 し 、 キ ュ ー バ は 、 採 択 前 に 意 見 を 述

べ る 機 会 が 与 え ら れ て い な い こ と を 指 摘 し つ つ 、 決 議 前 文 及 び 本 文

の 一 部 に 留 保 を 表 明 し た 。

( 3 ) 「 紛 争 の 前 兆 と し て の 人 権 侵 害 : 初 期 対 応 者 と し て 各 国 議 会

が 果 た す べ き 役 割 」 に 関 す る 一 般 討 議

一 般 討 議 は 、 24 日 か ら 26 日 ま で の 3 日 間 に わ た り 行 わ れ 、 鈴 木

議 員 及 び 高 野 議 員 を 含 む 112 名 の 各 国 議 員 等 が 演 説 し た 。

高 野 議 員 は 、26 日 の 同 討 議 に お い て 、国 家 、議 会 が 正 常 に 機 能 す

る こ と こ そ が 、 人 権 侵 害 に 対 応 す る た め の 基 礎 と な る こ と を 指 摘 し

た ほ か 、 途 上 国 へ の 民 主 主 義 の 定 着 を 狙 い と し た 日 本 の 支 援 に つ い

て 発 言 し た 。 ま た 、 唯 一 の 被 爆 国 で あ る 日 本 は 、 積 極 的 平 和 主 義 の

下 、戦 後 70 年 の 間 自 ら の 経 験 に 裏 打 ち さ れ た 平 和 と 繁 栄 を 地 域 と 世

界 に 広 げ て い く 旨 発 言 し た 。

27 日 の 本 会 議 に お い て 、同 討 議 の 成 果 を と り ま と め た 成 果 文 書 が

承 認 さ れ た ( 成 果 文 書 の 全 文 は 別 添 2 参 照 ) 。

( 4 ) 「 女 性 が 十 分 に 、 安 全 に か つ 妨 害 な く 政 治 プ ロ セ ス に 参 画 す

る 自 由 : こ の 目 標 を 達 成 す る た め の 男 女 間 の パ ー ト ナ ー シ ッ

プ の 構 築 」 に 関 す る 決 議 の 採 択

27 日 の 最 終 本 会 議 に お い て 、 民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員 会

( 第 3 委 員 会 )に よ っ て 起 草 さ れ た 決 議 案 が 提 出 さ れ 、採 択 さ れ た 。

決 議 は 、 各 国 議 会 に 対 し 、 女 性 の 能 力 強 化 に 関 し て 全 て の 国 際 的

な 義 務 を 遵 守 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 実 現 す る た め に 、 ジ ェ ン ダ ー に

対 応 し た 法 律 、 政 策 等 を 促 進 す る よ う 要 請 す る と と も に 、 女 性 国 会

議 員 の 比 率 を 少 な く と も 30% 、更 に 50% を 達 成 す る 期 限 を 定 め 、そ

の 目 標 達 成 の た め の ク ォ ー タ 制 の 採 用 を 検 討 す る こ と 、 あ ら ゆ る 統

治 機 関 の 指 導 的 地 位 を 占 め る 男 女 の 比 率 を 同 数 と す る こ と 並 び に 女

性 の 候 補 者 及 び 女 性 議 員 に 対 す る 嫌 が ら せ を 防 止 す る 措 置 を と る こ

と を 要 請 す る 等 の 内 容 と な っ て い る ( 決 議 の 全 文 は 別 添 3 参 照 ) 。

( 5 ) 各 常 設 委 員 会 ( 平 和 及 び 安 全 保 障 に 関 す る 委 員 会 、 持 続 可 能

な 開 発 、 金 融 及 び 貿 易 に 関 す る 委 員 会 並 び に 国 連 に 関 す る 委

員 会 ) の 報 告

各 常 設 委 員 会 か ら 今 次 I P U 会 議 期 間 中 の 活 動 の 報 告 が 行 わ れ 、

本 会 議 で 承 認 さ れ た 。

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( 6 ) 第 137 回 I P U 会 議 に お け る 民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員

会 の 議 題 の 採 択 及 び 報 告 委 員 の 指 名

27 日 の 最 終 本 会 議 に お い て 、民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員 会 に

よ り 上 程 さ れ た 第 137 回 I P U 会 議 の 議 題 「 我 々 の 多 様 性 を 共 有 す

る:世 界 民 主 主 義 宣 言 20 周 年 記 念 」及 び 共 同 報 告 委 員 の 指 名 に 係 る

提 案 が 承 認 さ れ た 。

3 . 常 設 委 員 会

持 続 可 能 な 開 発 、 金 融 及 び 貿 易 に 関 す る 委 員 会 ( 第 2 委 員 会 )

第 2 委 員 会( M ・ テ ィ オ ロ ン 委 員 長( カ ン ボ ジ ア ))は 、 25 日 及

び 26 日 に 開 催 さ れ 、 「 2016 年 国 連 気 候 変 動 会 議 に 向 け た 議 会 の 貢

献 」 に 関 す る 討 議 、 「 S D G s 、 特 に 開 発 の 推 進 力 と し て の 女 性 の

金 融 包 摂 に 関 す る 国 際 協 力 の 強 化 の 促 進 」 に 関 す る 討 議 及 び 「 ハ ゲ

タ カ フ ァ ン ド の 活 動 に 対 抗 す る た め の 議 会 の 役 割 」 に 関 す る パ ネ ル

デ ィ ス カ ッ シ ョ ン が 行 わ れ 、 山 本 議 員 が 出 席 し た 。

山 本 議 員 は 、 「 S D G s 、 特 に 開 発 の 推 進 力 と し て の 女 性 の 金 融

包 摂 に 関 す る 国 際 協 力 の 強 化 の 促 進 」 に 関 す る 討 議 に お い て 、 S D

G s は 、 人 間 一 人 一 人 に 焦 点 を 当 て る 観 点 か ら 、 公 明 党 及 び 日 本 政

府 が 長 年 提 唱 し て き た 「 人 間 の 安 全 保 障 」 に 相 通 じ る と こ ろ が 多 い

旨 述 べ た 上 で 、 成 長 の 源 泉 と し て の 女 性 の 活 躍 に 向 け た 我 が 国 の 考

え 方 及 び ア ジ ア ・ ア フ リ カ 等 に お け る 女 性 の 金 融 包 摂 に 関 す る 我 が

国 の 取 組 に つ い て 発 言 し た 。 ま た 、 ル ワ ン ダ の 貧 困 層 女 性 を 対 象 と

す る 職 業 訓 練 セ ン タ ー を 訪 問 し た 経 験 を 踏 ま え 、 女 性 の 自 立 支 援 の

重 要 性 を 強 調 し つ つ 、 女 性 の 金 融 包 摂 強 化 に 向 け た 国 際 社 会 に よ る

協 調 の 必 要 性 を 指 摘 し た 。

4 . 第 199 回 評 議 員 会

第 199 回 評 議 員 会 は 、 24 日 及 び 27 日 に 開 催 さ れ た 。 審 議 の 主 な

内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。

( 1 ) I P U 加 盟 資 格

ス ワ ジ ラ ン ド の 新 規 加 盟 が 承 認 さ れ 、I P U 加 盟 国・地 域 数 は 171

と な っ た 。

( 2 ) 2017 年 度 I P U 予 算 案

対 前 年 度 比 約 1 % 増 と な る 総 額 約 1593 万 ス イ ス フ ラ ン の 予 算 案

が 承 認 さ れ た 。 I P U の ウ ェ ブ サ イ ト の 構 築 及 び 国 際 機 関 に 義 務 付

け ら れ る セ キ ュ リ テ ィ 改 善 の 支 出 増 に 対 応 す る た め 各 国 の 分 担 金 総

額 は 微 増 し た 一 方 、 国 連 に お け る 分 担 率 の 改 定 に 応 じ て I P U の 分

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担 率 が 自 動 調 整 さ れ た た め 、 日 本 の 分 担 金 額 は 、 前 年 度 比 約 9 万 ス

イ ス フ ラ ン 減 の 約 99 万 ス イ ス フ ラ ン ( 分 担 率 9.68% ) と な っ た 。

( 3 ) I P U 戦 略 2017 年 ― 2021 年

第 134 回 I P U 会 議 よ り 議 論 が 行 わ れ て き た 「 I P U 戦 略 2017

年 ― 2021 年 」が 採 択 さ れ た( 採 択 さ れ た 戦 略 の 全 文 は 別 添 4 参 照 )。

( 4 ) 今 後 の 会 議

今 後 の 開 催 が 確 認 さ れ た 会 議 の う ち 、 主 な も の は 以 下 の と お り で

あ る 。

・ 第 136 回 I P U 会 議 ( 2017 年 4 月 1 日 ~ 5 日 、 バ ン グ ラ デ シ ュ 、

ダ ッ カ )

・第 137 回 I P U 会 議( 2017 年 10 月 14 日 ~ 18 日 、ロ シ ア 、サ ン ク

ト ペ テ ル ブ ル ク )

・ 第 138 回 I P U 会 議 ( 2018 年 3 月 24 日 ~ 28 日 、 ス イ ス 、 ジ ュ ネ

ー ブ )

5 . A S E A N + 3 会 合

A S E A N + 3 会 合( 議 長 国 :ベ ト ナ ム )は 、23 日 の 午 後 に 開 催

さ れ た 。 議 事 の 主 な 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。

( 1 ) 第 135 回 I P U 会 議 に お け る 欠 員 補 充

ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る I P U 執 行 委 員 1 名 の 欠

員 補 充 に つ い て 、 ベ ト ナ ム か ら 立 候 補 が あ り 、 本 会 合 は 、 同 国 を 推

薦 す る こ と を 決 定 し た 。

( 2 ) 緊 急 追 加 議 題 に 関 す る 審 議

本 会 合 と し て 支 持 す る 議 題 案 の 決 定 を 行 わ な い こ と と し 、 本 会 議 で

の 議 題 案 へ の 投 票 は 各 国 の 決 定 に 委 ね る こ と と な っ た 。

( 3 ) 次 回 A S E A N + 3 会 合 議 長 国

次 回 A S E A N + 3 会 合( 2017 年 4 月 、バ ン グ ラ デ シ ュ )の 議 長

国 は カ ン ボ ジ ア と す る こ と が 決 定 さ れ た 。

6 . ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合

ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 ( 議 長 国 : モ ル デ ィ ブ ) は 、 23

日 の 午 後 に 開 催 さ れ た 。 議 事 の 主 な 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。

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( 1 ) I P U 執 行 委 員 会 の 報 告

21 日 及 び 22 日 に 開 催 さ れ た I P U 執 行 委 員 会 の 概 要 に つ い て 、

本 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る 執 行 委 員 の う ち 、 鈴 木 議 員 及 び K ・ ジ ャ

ラ リ 議 員 ( イ ラ ン ) か ら 報 告 が 行 わ れ た 。

( 2 ) 第 135 回 I P U 会 議 に お け る 欠 員 補 充

本 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る I P U 執 行 委 員 1 名 の 欠 員 補 充 に つ い

て 、 本 会 合 に 先 立 っ て 行 わ れ た A S E A N + 3 会 合 に お い て 、 ベ ト

ナ ム の グ エ ン ・ ヴ ァ ン ・ ザ ウ 議 員 を 推 薦 す る こ と を 決 定 し た 旨 報 告

が あ り 、 本 会 合 は 同 議 員 を 推 薦 す る こ と を 決 定 し た 。

( 3 ) 緊 急 追 加 議 題

本 地 域 グ ル ー プ と し て 支 持 す る 議 題 案 の 決 定 を 行 わ な い こ と と し 、

本 会 議 で の 議 題 案 へ の 投 票 は 各 国 の 決 定 に 委 ね る こ と と な っ た 。

( 4 ) 次 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 議 長 国

次 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 の 議 長 国 は ミ ク ロ ネ シ ア と

す る こ と が 決 定 さ れ た 。

7 . 若 手 議 員 フ ォ ー ラ ム

若 手 議 員 フ ォ ー ラ ム は 、 10 月 24 日 の 午 前 に 開 催 さ れ 、 高 野 議 員

が 出 席 し た 。

高 野 議 員 は 、 議 題 「 若 者 の 参 加 に 関 す る 各 国 の 進 捗 」 に お い て 、

我 が 国 に お け る 選 挙 年 齢 引 下 げ 後 の 最 初 の 選 挙 と な っ た 参 議 院 選 挙

の 結 果 に つ い て 説 明 し つ つ 、主 権 者 教 育 の 拡 充 は 必 要 で あ る も の の 、

い か に 若 者 自 身 が 政 治 に 向 き 合 い 主 体 的 に 参 加 し て い く か が 求 め ら

れ て い る 旨 発 言 し た 。

次 に 、 高 野 議 員 は 、 議 題 「 2016 年 及 び 2017 年 の フ ォ ー ラ ム の 作

業 計 画 及 び 活 動 の 進 捗 並 び に 討 議 」 に お い て 、 I P U に お け る 若 手

議 員 の 参 加 を 確 保 す る た め 、 執 行 委 員 会 に 若 者 の 代 表 を 入 れ る こ と

の 重 要 性 を 指 摘 し た 。

8 . そ の 他

参 議 院 代 表 団 は 、 衆 議 院 議 員 と 共 に 日 本 国 会 代 表 団 と し て チ ョ ー

ド リ ー I P U 議 長 、 タ イ 代 表 団 、 韓 国 代 表 団 及 び F A O ( 国 連 食 糧

農 業 機 関 ) 特 別 調 整 官 と 懇 談 を 行 っ た 。 ま た 、 参 議 院 代 表 団 は U N

I S D R ( 国 連 国 際 防 災 戦 略 ) 及 び 現 地 児 童 養 護 施 設 を 視 察 し 意 見

交 換 を 行 っ た ほ か 、 現 地 邦 人 企 業 関 係 者 等 と 懇 談 を 行 っ た 。

さ ら に 高 野 議 員 は 日 ス イ ス 貿 易 関 係 に つ い て J E T R O と の 意 見

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交 換 、 日 本 の 農 水 産 品 の 現 地 流 通 状 況 に 関 す る 視 察 を 行 い 、 山 本 議

員 は ア ー ル ブ リ ュ ッ ト 美 術 館 ( 障 害 者 の 文 化 芸 術 振 興 を 目 的 と す る

美 術 館 ) 視 察 の ほ か 、 I T U ( 国 際 電 気 通 信 連 合 ) 及 び W H O ( 世

界 保 健 機 関 ) 職 員 と の 意 見 交 換 を 行 っ た 。

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別 添 1

シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ に お け る 紛 争 及 び 深 刻 な 人 道 的 状 況 ( 2016年 10 月 26日 ( 水 )、 本 会 議 に て コ ン セ ン サ ス*に よ り 採 択 ) 第 135回 I P U 会 議 は 、 シ リ ア に お け る 、 そ の ほ と ん ど が 市 民 で あ る 数 十 万 も の 人 々 の 死 を 遺 憾 に 思 い 、 1100 万 人 以 上 の 人 々 が シ リ ア に お い て 住 居 を 失 い 、 そ の う ち 650 万 人 が 国 内 避 難 民 と な り 、 480 万 人 が 国 外 に 逃 れ な け れ ば な ら な か っ た こ と を 想 起 し 、 ま た 、 世 界 人 権 宣 言 、 市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 及 び 経 済 的 、 社 会 的 及 び 文 化 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 を 想 起 し 、 さ ら に 、 戦 時 に お け る 文 民 の 保 護 に 関 す る ジ ュ ネ ー ヴ 条 約 ( 1949 年 ) は 、 市 民 を 標 的 と し た 直 接 的 な 攻 撃 が 戦 争 犯 罪 を 構 成 す る こ と を 規 定 し て い る こ と を 想 起 し 、 第 134 回 I P U ル サ カ 会 議 、 第 133 回 I P U ジ ュ ネ ー ブ 会 議 、 第 128 回 I P U キ ト 会 議 の 決 議 及 び 、 特 に 第 126 回 I P U カ ン パ ラ 会 議 の 決 議 で あ る 、「 シ リ ア に お け る 虐 殺 及 び 人 権 侵 害 の 即 時 終 結 に 向 け た I P U の イ ニ シ ア チ ブ 、 並 び に 人 道 支 援 を 必 要 と し て い る 全 て の 者 に そ の ア ク セ ス を 保 障 す る と と も に 、 ア ラ ブ 連 盟 及 び 国 連 に よ る 関 連 す る 全 て の 諸 決 議 の 履 行 並 び に 和 平 努 力 を 支 持 す る 必 要 性 」 を 考 慮 し 、

シ リ ア ・ ア ラ ブ 共 和 国 代 表 団 は 、 決 議 全 体 に つ い て 拒 否 し た 。 キ ュ ー バ 代 表 団 は 、 前 文 パ ラ グ ラ フ 5 、 6 及 び 8 並 び に 本 文 パ ラ グ ラ フ 5 に つ い て 留 保 を 表 明 し た 。

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ま た 、2015 年 12 月 22 日 の 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 2258 中 の「 シ リ ア に お け る 住 民 を 保 護 す る シ リ ア 当 局 の 主 要 な 責 任 を 再 確 認 し そ し て 、 武 力 紛 争 の 当 事 者 は 、 文 民 を 保 護 す る た め あ ら ゆ る 実 行 可 能 な 措 置 を 講 じ な け れ ば な ら な い こ と を く り 返 し 表 明 し 、ま た 武 力 紛 争 の 全 て の 当 事 者 は 、ジ ャ ー ナ リ ス ト 、 メ デ ィ ア の 専 門 家 お よ び 関 連 要 員 を 含 む 、 武 力 紛 争 に お け る 文 民 の 保 護 に 関 連 す る 国 際 法 の 下 で 彼 ら に 適 用 可 能 な 義 務 を 完 全 に 遵 守 す る と い う 安 保 理 の 要 求 を こ れ に 関 連 し て 想 起 し 、」 を 考 慮 し 、 本 決 議 は 紛 争 に お け る シ リ ア 当 局 の 役 割 及 び シ リ ア で 活 動 し て い る テ ロ リ ス ト 集 団 の 活 動 を 強 調 す る こ と に 留 意 し 、 2015 年 の 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 2258 が「 人 道 原 則 と 国 際 人 道 法 に 適 合 す る 停 戦 合 意 が 、 文 民 の 生 命 を 守 る た め に 人 道 援 助 の 提 供 を 促 進 す る こ と に お い て 果 た す こ と が で き る 役 割 」 に 留 意 し て い る こ と を 強 調 し 、 シ リ ア に 関 す る 全 て の 人 権 理 事 会 決 議 を 考 慮 し 、 国 際 刑 事 裁 判 所 に 関 す る ロ ー マ 規 程 に 関 し て 、 人 道 に 対 す る 罪 を 含 め た 戦 争 犯 罪 を 犯 し た 者 は 、 責 任 を 問 わ れ な け れ ば な ら な い こ と に 留 意 し 、 こ れ ま で 尊 重 さ れ る こ と が な か っ た 、 武 力 紛 争 の 際 の 文 化 財 の 保 護 に 関 す る 条 約 に つ い て 、 シ リ ア が 署 名 及 び 批 准 し た こ と を 考 慮 し 、 ま た 、 人 類 の 遺 産 の ひ と つ で あ る 古 代 都 市 ア レ ッ ポ の 計 り 知 れ な い 歴 史 的 価 値 を 強 調 し 、 長 期 的 に は 、 シ リ ア の 人 々 の 状 況 は 人 道 的 な 手 段 に よ っ て は 改 善 さ れ ず 、 政 治 的 交 渉 に よ っ て の み 改 善 さ れ る こ と を 強 調 し 、 1 . 病 院 を 標 的 と す る 等 の シ リ ア の 市 民 に 対 す る 攻 撃 及 び 包 囲 さ れ た 地 域 に い る 55 万 人 を 超 え る 市 民 か ら ほ と ん ど 全 て の 人 道 支 援 を 奪 う 救 援 車 列 に 対 す る 攻 撃 及 び 妨 害 を 目 的 と す る 犯 罪 を 、 可 能 な 限 り 最 も 強 い 言 葉 で 非 難 す る 。 2 . 全 て の 紛 争 の 当 事 者 に 対 し 、 即 刻 、 市 民 及 び 民 間 イ ン フ ラ に 対 す る 攻

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撃 並 び に 都 市 の 包 囲 及 び 都 市 か ら の 強 制 的 な 避 難 を 停 止 す る と と も に 、 市 民 の 苦 痛 を 止 め る よ う 要 請 す る 。 3 .紛 争 の 当 事 者 に 対 し 、2016 年 9 月 1 2 日 の 停 戦 合 意 を 復 活 さ せ る よ う 要 請 す る 。 4 . 米 国 、 ロ シ ア 及 び 紛 争 に 関 係 の あ る 全 て の 当 事 者 に 対 し 、 当 該 紛 争 の 恒 久 的 、 平 和 的 及 び 政 治 的 解 決 並 び に シ リ ア の 統 一 性 及 び 一 体 性 の 維 持 を 目 指 し た 真 摯 な 対 話 を 再 開 し 、 男 女 及 び 子 ど も の 命 を 奪 う こ の 戦 争 の 終 結 を も た ら す よ う 強 く 要 請 す る 。 5 . 国 連 安 全 保 障 理 事 会 に 対 し 、 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 維 持 に つ い て の 主 要 な 責 任 を 果 た す こ と を 要 請 す る 。 6 . 紛 争 当 事 者 に 対 し 、 も っ ぱ ら 医 療 に 関 す る 任 務 を 行 う 要 員 、 医 療 従 事 者 及 び 国 連 職 員 を 含 む 人 道 支 援 要 員 の 移 動 の 安 全 と 自 由 を 確 保 す る よ う 強 く 要 請 し 、 人 道 支 援 に 関 す る 国 連 の イ ニ シ ア チ ブ を 支 援 す る 。 7 . 補 給 品 が 一 般 市 民 に 届 く こ と を 確 保 す る た め 、 速 や か で 、 妨 げ ら れ な い 、 恒 久 的 な 人 道 及 び 医 療 ア ク セ ス を 要 求 す る 。 8 . I P U 加 盟 国 議 会 に 対 し 、 紛 争 地 域 に 対 す る 緊 急 支 援 を 増 加 さ せ 、 可 能 な 限 り の 方 法 で 現 地 の 援 助 団 体 を 支 援 す る よ う 自 国 に 働 き か け る 行 動 に 着 手 す る よ う 要 請 す る 。 9 . 国 際 社 会 に 対 し 、 確 固 た る コ ミ ッ ト メ ン ト を 行 い 、 シ リ ア 難 民 の 大 量 流 入 の 影 響 を 緩 和 し 対 処 す る た め 難 民 に 援 助 を 提 供 し て い る シ リ ア の 近 隣 諸 国 に 十 分 な 支 援 を 行 う よ う 要 請 す る 。 10.ま た 、 議 会 人 に 対 し 、 シ リ ア 及 び イ ラ ク に お け る 人 類 の 遺 産 の 破 壊 に 端 を 発 し て 、 文 化 遺 産 を 維 持 し 、 擁 護 し 、 保 護 す る こ と を 意 図 し た イ ニ シ

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ア チ ブ で あ る 、 ユ ネ ス コ の 「 Unite4 heritage 」 キ ャ ン ペ ー ン を 支 援 す る よ う 自 国 の 政 府 に 促 す よ う 強 く 要 請 す る 。 11.I P U 加 盟 国 議 会 に 対 し 、 シ リ ア 情 勢 を 監 視 し 、 議 会 コ ミ ュ ニ テ ィ が シ リ ア 情 勢 の 改 善 の た め に 、 よ り 一 層 の 取 組 を 行 う こ と を 約 束 し 、 I P U の 常 駐 オ ブ ザ ー バ ー の 地 位 を 有 す る ア ラ ブ 連 盟 及 び ア ラ ブ 議 会 同 盟 を 含 む 全 て の 関 係 者 と 密 接 な 関 係 を 保 つ よ う 強 く 要 請 す る 。

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別 添 2

「 紛 争 の 前 兆 と し て の 人 権 侵 害 : 初 期 対 応 者 と し て 各 国 議 会 が 果 た す べ き 役 割 」 に 関 す る 一 般 討 議 成 果 文 書 ( 2 0 1 6 年 1 0 月 2 7 日 ( 木 )、 本 会 議 に て 承 認 ) 人 権 侵 害 と 無 縁 の 国 は な い 。広 範 囲 に 及 ぶ 疎 外 化 、不 平 等 、政 治 的 排 斥 、 宗 教 的 不 寛 容 、 貧 困 並 び に 、 表 現 の 自 由 及 び 平 和 的 な 集 会 と い っ た 基 本 的 自 由 の 過 度 の 制 限 が 、 世 界 中 に 存 在 す る 。 各 国 は 、 い ま だ 、 各 国 の 憲 法 及 び 国 際 条 約 へ の 調 印 を 通 じ て 表 明 し て い る 、 市 民 の 公 民 権 や 政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 、 文 化 的 権 利 の 完 全 な 実 現 に は 至 っ て い な い 。 人 権 の 課 題 に 対 処 で き な い こ と は 、 国 家 の 義 務 及 び 国 際 的 な 義 務 に 反 す る だ け で な く 、 侵 害 が 更 に 深 刻 化 及 び 広 範 化 し た 場 合 、 暴 力 的 紛 争 が 頻 発 す る 環 境 を 生 み 出 す 。 人 間 の 尊 厳 を 守 る 意 識 の 欠 如 が 蔓 延 し 、 民 主 主 義 の 繁 栄 に お い て 不 可 欠 な 情 報 及 び 思 想 の 自 由 な 流 れ が 遮 断 さ れ る こ と に よ り 、 暴 力 に 頼 り 目 的 を 達 成 し よ う と す る 者 た ち の 訴 求 力 は 増 加 の 一 途 を た ど る 。 こ れ ら の 状 況 は 、 不 十 分 な ガ バ ナ ン ス に よ っ て 悪 化 し 、 現 実 の 状 況 で あ れ 認 識 上 の 面 で あ れ 、 不 公 正 を も た ら す 。 今 日 、 世 界 は 壊 滅 的 な 結 果 を も た ら す 多 数 の 紛 争 を 目 の 当 た り に し て い る 。 議 会 は 、 人 権 及 び 法 の 支 配 の 守 護 者 で あ る 。 議 会 人 で あ る 我 々 は 市 民 の 「 耳 と 目 」 で あ り 、 市 民 の 懸 念 を 認 識 し て い る 。 こ う し た 懸 念 に つ い て 我 々 は 議 会 に お い て 発 言 で き る 立 場 に あ る 。 し た が っ て 、 我 々 は 、 深 刻 な 人 権 問 題 が 発 生 し た 際 に は 警 鐘 を 鳴 ら し 、 行 動 す る 最 前 線 に 立 っ て い る 。 こ う し た 観 点 か ら 、 我 々 は 以 下 の 点 に つ い て 勧 告 す る 。 勧 告 は 、 あ ら ゆ る 形 態 の 紛 争 の 潜 在 的 可 能 性 を 根 絶 す る た め 、 我 々 が 取 る べ き 具 体 的 な 行 動 の 重 要 な 枠 組 を 形 成 す る も の で あ ろ う 。

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勧 告 1 . 人 権 侵 害 を 防 止 す る 国 民 の 代 表 者 と し て 、 我 々 は 模 範 を 示 す と と も に 、 透 明 性 、 説 明 責 任 及 び 法 の 支 配 の 尊 重 を 我 々 の 指 導 原 則 に す べ き で あ る 。 人 権 侵 害 の 防 止 は 、 紛 争 の リ ス ク を 直 接 的 に 軽 減 す る と 我 々 は 確 信 し て い る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。 - 国 際 的 な 人 権 規 範 が 国 内 の 法 律 に 反 映 さ れ る こ と を 確 保 し 、 効 果 的 な 政 策 及 び 綱 領 の 策 定 に よ り そ の 法 律 が 実 施 さ れ る こ と 、 必 要 な 予 算 を 割 り 当 て 、 効 果 的 な 実 施 を 厳 し く 監 督 す る こ と を 確 実 に す る 。 - 以 下 の よ う な 、 効 果 的 な 議 会 の 人 権 委 員 会 を 創 設 す る 。 ( ⅰ ) 各 国 の 国 内 法 と 、 各 国 の 人 権 に 関 す る 義 務 及 び 国 際 的 な 人 権 に 関 す る 義 務 が 適 合 す る か 、 詳 細 に 調 査 す る 。 ( ⅱ ) 人 権 問 題 に つ い て 立 法 措 置 を 講 じ 、 必 要 に 応 じ て そ の 他 の イ ニ シ ア チ ブ に も 取 り 組 む 。 ( ⅲ ) 他 の 議 会 に 対 し 、 人 権 問 題 に 関 す る 助 言 を 行 う 。 ( ⅳ ) 情 報 提 供 を 要 求 し 、 証 人 に 質 疑 を 行 い 、 現 地 ミ ッ シ ョ ン を 実 施 す る 権 限 を 持 つ 。 - ジ ェ ン ダ ー に 基 づ く 暴 力 と 闘 い 、 拡 大 す る 格 差 に 対 処 し 、 女 性 及 び 女 児 の 社 会 的 地 位 を 向 上 さ せ 、 男 性 及 び 男 児 を 参 加 さ せ る こ と に よ っ て 、 男 ら し さ 及 び 暴 力 に 関 す る 先 入 観 を 含 む ジ ェ ン ダ ー に 関 す る ス テ レ オ タ イ プ に 対 処 す る 。 - ジ ェ ン ダ ー に 配 慮 し た ア プ ロ ー チ を 議 会 の 全 て の 活 動 に 適 用 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 対 処 し 女 性 の 権 利 に 関 す る コ ミ ッ ト メ ン ト を 遵 守 す る こ と を 社 会 の 全 て の セ ク タ ー に 要 求 す る 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 関 す る コ ン プ ラ イ

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ア ン ス 証 明 等 の 革 新 的 な 手 段 を 実 施 す る 。 - 法 律 の 執 行 官 が 、 必 要 と さ れ る 抑 制 を も っ て 、 国 際 的 な 基 本 的 人 権 の 基 準 を 尊 重 し な が ら 常 に 行 動 す る こ と を 確 実 に す る 。 - 重 層 的 に 変 化 す る 紛 争 の 力 学 を 監 視 す る た め 、 幅 広 い 情 報 源 か ら の 正 確 で 適 時 な 情 報 に ア ク セ ス で き る 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム の 構 築 を 推 進 す る 。 こ れ ら の メ カ ニ ズ ム は 、 国 内 各 地 の 幅 広 い 利 害 関 係 者 が 参 加 及 び 所 有 す る こ と が で き 、 ま た 、 必 要 に 応 じ た 対 応 の 策 定 に 貢 献 で き る も の で な け れ ば な ら な い 。 し た が っ て 、 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム は 、 市 民 と の 定 期 的 な 交 流 を 可 能 と す る も の で な け れ ば な ら な い 。 特 に 、 地 域 社 会 に お け る リ ス ク 要 素 を 発 見 す る の に 適 し た 立 場 に あ る 女 性 へ の 働 き か け に 着 目 し た も の で な け れ ば な ら な い 。 人 権 侵 害 の 報 告 の た め の ホ ッ ト ラ イ ン は 、 こ う し た 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム の 実 例 の 一 つ と 言 い う る 。 こ う し た メ カ ニ ズ ム に は 、 女 性 を 差 別 す る 法 規 や 慣 習 に 関 す る 情 報 や 、 家 庭 内 及 び 性 的 暴 力 の 頻 度 な ど 、 性 差 が 考 慮 さ れ た 指 標 が 用 い ら れ な け れ ば な ら な い 。 - 特 に 国 際 人 権 法 及 び 国 際 人 道 法 な ど の 国 際 法 上 の 義 務 に 適 合 す る 方 法 で 、 対 話 を 促 進 し 、 ヘ イ ト ス ピ ー チ 及 び 嫌 悪 の 扇 動 を 抑 止 し 、 他 者 の 人 権 尊 重 を 確 保 す る 法 律 を 制 定 す る こ と に よ り 、 暴 力 的 な 過 激 主 義 が 確 実 に 防 止 及 び 対 抗 さ れ る よ う に す る 。 2 . 人 権 侵 害 が 生 じ た と き は 立 ち 向 か う 人 権 侵 害 が 生 じ て し ま っ た と き 、 我 々 は し ば し ば い ち 早 く そ の こ と に 気 が 付 く 。 そ の よ う な 侵 害 が 紛 争 へ と 悪 化 す る こ と を 避 け る た め 、 積 極 的 に そ れ ら を 非 難 し な く て は な ら な い 。 我 々 は 、 い か な る 侵 害 で あ ろ う と 、 そ れ が ど こ で 生 じ よ う と 、 救 済 策 を 見 出 す た め に 辛 抱 強 く 取 り 組 む べ き で あ る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。

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- 人 権 侵 害 を 調 査 し 、 独 立 し た 公 平 な 司 法 制 度 を 通 じ た 人 権 侵 害 の 加 害 者 の 訴 追 を 強 く 求 め る と と も に 、 司 法 が 名 実 と も に 実 施 さ れ る よ う 、 判 決 が 十 分 に 実 行 さ れ る こ と を 保 証 す る 。 - 補 償 を 命 じ 、 そ の 決 定 を 国 内 に お い て 担 保 す る 権 限 を 有 す る 独 立 し た 機 関 に 対 し 、 自 ら の 人 権 が 尊 重 さ れ て い な い 、 保 護 さ れ て い な い 又 は 全 う さ れ て い な い と 主 張 す る 全 て の 人 が 、 有 効 な 救 済 策 を 追 求 で き る こ と を 保 証 す る 。 - 憲 法 上 の 権 利 の 侵 害 に 関 連 し た 市 民 の 申 立 て を 調 査 す る 組 織 の 創 設 を 保 証 し 、 記 録 さ れ た 苦 情 及 び 未 解 決 の 苦 情 が 満 足 に 解 決 さ れ る よ う に 、 そ の 数 の ア ッ プ デ ー ト を 受 領 す る こ と も 含 め 、 組 織 の 機 能 を 監 視 す る た め に こ れ ら の 組 織 を 所 管 す る 政 府 の 部 署 に 定 期 的 に 口 頭 及 び 書 面 で 質 問 す る 。 - 国 内 の 人 権 委 員 会 に 報 告 さ れ た あ ら ゆ る 人 権 侵 害 に 取 り 組 む た め 、 同 委 員 会 と 協 力 す る 。 - 国 会 議 員 を リ ス ク か ら 保 護 す る : 国 会 議 員 が 、 議 会 の 免 責 の 原 則 が 確 実 に 遵 守 さ れ る こ と を 含 め 、 報 復 に 怯 え る こ と な く 自 由 に 自 ら を 表 現 で き る こ と を 保 証 す る 有 効 な 手 段 を 創 設 し 、 実 施 す る 。 - 背 景 及 び 見 解 に か か わ ら ず 、 議 会 人 に 対 す る 脅 威 及 び 攻 撃 を 非 難 し 、 そ の よ う な 犯 罪 に 対 す る 有 効 な 捜 査 及 び 必 要 な 安 全 対 策 の 採 用 を 促 進 す る 。 - I P U 国 会 議 員 の 人 権 委 員 会 に よ っ て I P U 評 議 員 会 に 提 起 さ れ た 事 例 に つ い て 、 同 評 議 員 会 の 懸 念 を 関 係 当 局 と と も に 体 系 的 に 表 明 す る こ と で 、人 権 が 脅 か さ れ て い る 世 界 中 の 議 会 人 と 連 帯 し て 行 動 す る と と も に 、 未 解 決 の 事 例 を 決 し て 諦 め な い 。 3 . あ ら ゆ る 利 害 関 係 者 と の 、 よ り 密 接 な 協 力 を 通 し て 、 包 括 的 で 統 合 さ れ た 社 会 を 構 築 す る

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平 和 が 広 が る よ う 人 権 を 促 進 さ せ る 一 方 で 、 我 々 は 社 会 の 多 様 性 を 尊 重 し 、 誰 一 人 取 り 残 さ れ な い よ う に し な け れ ば な ら な い 。 我 々 の 意 思 決 定 プ ロ セ ス が 包 括 的 で あ る こ と を 確 認 し 、 あ ら ゆ る 利 害 関 係 者 が 密 接 な 協 力 の 下 で 取 り 組 む こ と を 奨 励 す る こ と に よ っ て 、 我 々 は こ れ を 実 行 で き る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。 - 議 会 が 、 我 々 の 社 会 の 多 様 性 を 反 映 す る こ と を 保 証 す る 。 - 政 治 観 、 年 齢 、 ジ ェ ン ダ ー 、 宗 教 又 は 社 会 的 立 場 に か か わ ら ず 、 我 々 の コ ミ ュ ニ テ ィ の 至 る 所 で 、 平 等 、 社 会 正 義 、 平 和 及 び 連 帯 の 文 化 を 構 築 す る 。 - 対 話 を 通 し て 争 い を 解 決 す る こ と を 前 提 と し た 寛 容 な 社 会 を 促 進 す る 。 - 女 性 、 若 者 、 マ イ ノ リ テ ィ 及 び 不 利 な 条 件 に 置 か れ た グ ル ー プ を 含 め た 社 会 の 全 て の セ ク タ ー を 、 広 範 囲 な 協 議 を 通 し て 意 思 決 定 プ ロ セ ス に 関 与 さ せ る 。 - コ ミ ュ ニ テ ィ に 関 与 し 、 政 策 立 案 に 貢 献 す る 権 限 を 与 え ら れ た と き 、 若 者 は 平 和 及 び 前 向 き な 変 革 の 強 力 な 原 動 力 と な る こ と を 心 に 留 め 、地 域 、 国 内 及 び 国 際 的 に 貢 献 す る た め の 場 を 開 く こ と で 若 者 の エ ネ ル ギ ー 及 び 情 熱 を 活 用 す る 。 - 恒 久 的 な 平 和 を 構 築 し 、 維 持 す る た め に 、 よ り 調 和 の と れ た 、 強 化 さ れ た 努 力 が な さ れ る よ う 、 特 に 人 権 の 促 進 に 積 極 的 な 、 市 民 社 会 及 び 非 政 府 組 織 と 提 携 す る 。 こ れ ら の 勧 告 は 決 し て 全 て を 網 羅 す る も の で は な い 。し か し 、そ れ ら は 、 我 々 が 人 権 侵 害 へ の 取 組 に 貢 献 す る 上 で の 基 礎 を 提 供 し て く れ る 。 我 々 に は 、 重 要 な 貢 献 を 行 う 手 段 が あ る 。 我 々 に 必 要 な の は 政 治 的 意 志 だ け で あ る 。 我 々 が 守 っ て い る 動 機 、 す な わ ち 、 我 々 の 国 々 の 安 定 及 び 我 々 が 代 表

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す る 機 会 に 恵 ま れ た 人 々 の 平 和 を 考 え れ ば 、 そ の 意 志 を 奮 い 起 こ す こ と は あ ま り 難 し い こ と で は な い 。

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別 添 3

女 性 が 十 分 に 、 安 全 に か つ 妨 害 な く 政 治 プ ロ セ ス に 参 画 す る 自 由 : こ の 目 標 を 達 成 す る た め の 男 女 間 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 構 築 採 択 決 議 ( 2016 年 10 月 27 日 ( 木 ) 、 本 会 議 に て 全 会 一 致 を も っ て 採 択 ) 第 135 回 I P U 会 議 は 、 世 界 人 権 宣 言 ( 1948 年 ) 、 婦 人 の 参 政 権 に 関 す る 条 約 ( 1953 年 ) 、 市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 ( 1966 年 ) 、 女 子 に 対 す る あ ら ゆ る 形 態 の 差 別 の 撤 廃 に 関 す る 条 約 ( C E D A W ) ( 1979 年 ) 、 国 連 安 保 理 決 議 第 1325 号( 2000 年 )及 び 関 連 す る 国 連 安 保 理 声 明 に 記 さ れ て い る 通 り 、 公 務 及 び 意 思 決 定 へ の 男 女 の 平 等 な 参 加 は 人 権 と し て 長 年 認 識 さ れ て い る こ と に 留 意 し 、 I P U が 採 択 し た 世 界 民 主 主 義 宣 言 ( 1997 年 ) で は 、 「 民 主 主 義 の 達 成 は 、社 会 の 運 営 に お い て 男 女 間 に 真 の 協 力 関 係 が あ る こ と を 前 提 と す る 」 と 記 さ れ て い る こ と を 想 起 し 、 市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 ( 1966 年 ) 及 び C E D A W に 関 連 す る 各 国 の 憲 法 に 含 ま れ る 規 定 を 考 慮 に 入 れ 、 国 連 の 持 続 可 能 な 開 発 サ ミ ッ ト で 採 択 さ れ た 持 続 可 能 な 開 発 の た め の 2030 ア ジ ェ ン ダ が 、 世 界 規 模 の 開 発 の 新 た な 青 写 真 を 描 く と と も に 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 実 現 及 び 女 性 の 能 力 強 化 の 実 現 が 全 て の 持 続 可 能 な 開 発 目 標 及 び タ ー ゲ ッ ト を 達 成 す る た め の 極 め て 重 要 な 貢 献 と な る こ と を 強 調 し て い る こ と を 認 識 し 、

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持 続 可 能 な 開 発 の た め の 2030 ア ジ ェ ン ダ で 定 め ら れ た 目 標 5 の と お り 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 は 開 発 の た め の 不 可 欠 な 要 素 で あ り 、特 に タ ー ゲ ッ ト 5.5 は 、 「 政 治 、 経 済 、 社 会 及 び 公 共 分 野 で の あ ら ゆ る レ ベ ル の 意 思 決 定 に お い て 、 完 全 か つ 効 果 的 な 女 性 の 参 画 及 び 平 等 な リ ー ダ ー シ ッ プ の 機 会 を 確 保 す る 」 こ と を 、 タ ー ゲ ッ ト 5.c は 、 「 ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 促 進 、 な ら び に す べ て の 女 性 及 び 女 子 の あ ら ゆ る レ ベ ル で の 能 力 強 化 の た め の 適 正 な 政 策 及 び 拘 束 力 の あ る 法 規 を 導 入 ・ 強 化 す る 」 こ と を 目 標 と し て い る こ と に 留 意 し 、 北 京 宣 言 及 び 行 動 綱 領 ( 1995 年 ) に お い て 、 平 等 で 積 極 的 な 女 性 の 参 加 及 び あ ら ゆ る レ ベ ル で の 女 性 の 観 点 の 取 り 込 み が 要 求 さ れ て い る こ と を 認 識 し 、 指 導 的 地 位 に 占 め る 女 性 の 比 率 を 1995 年 ま で に 30% 、 2000 年 ま で に は 同 等 を 実 現 す る と い う 目 標 を 定 め る と と も に 、 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 対 す る 意 識 を 向 上 す る た め 及 び 女 性 に 対 す る 差 別 の 原 因 と な る 消 極 的 な 態 度 を 変 え る た め 、 男 女 の 能 力 を 高 め る こ と の 重 要 性 を 強 調 す る 国 連 経 済 社 会 理 事 会 決 議 1990/ 15 を 想 起 し 、 2016 年 8 月 1 日 時 点 で 、 女 性 が 占 め る 議 席 の 世 界 平 均 は 依 然 と し て 22.8% に 過 ぎ な い こ と を 懸 念 し 、ま た 女 性 議 員 が 全 く 存 在 し な い 議 院 が い ま だ 8 つ あ る こ と を 深 く 懸 念 し 、 男 性 優 位 の 政 治 風 土 、 社 会 に お け る 女 性 の 役 割 に 対 す る 否 定 的 な 文 化 的 態 度 及 び 固 定 観 念 、 女 性 に 対 し て 根 強 く 残 る 法 律 上 及 び 慣 行 上 の 差 別 の み な ら ず 、 安 全 面 の 懸 念 、 政 党 及 び 社 会 一 般 の 支 援 不 足 、 健 康 、 質 の 良 い 教 育 、 訓 練 及 び 雇 用 へ の 機 会 の 不 平 等 、 資 金 及 び 資 源 の 不 足 の よ う な 様 々 な 障 壁 に よ り 、 立 法 、 閣 僚 及 び 副 大 臣 レ ベ ル を 含 む 女 性 に よ る 政 治 プ ロ セ ス へ の 参 画 が 妨 げ ら れ て い る こ と に 留 意 し 、

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ま た 、 メ デ ィ ア で ジ ェ ン ダ ー の ス テ レ オ タ イ プ 化 を 取 り 上 げ る こ と や 、 若 い 男 女 の 間 で ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 伴 う 価 値 を 広 め る こ と に よ り 、 組 織 及 び 社 会 の 意 識 と 文 化 、 特 に 従 来 の ジ ェ ン ダ ー 規 範 に 関 す る 意 識 と 文 化 の 変 革 が 必 要 で あ る こ と に 留 意 し 、 女 性 の 経 済 的 能 力 の 強 化 は 、政 治 プ ロ セ ス へ の 参 画 及 び 活 動 資 金 の 調 達 の た め の 前 提 条 件 で あ る こ と を 強 調 し 、 若 い 女 性 は 、年 齢 、性 別 、教 育 、健 康 、基 本 的 な サ ー ビ ス へ の ア ク セ ス 及 び 女 性 の 間 で の 貧 困 の 拡 大 に 基 づ く 固 有 の 問 題 に 直 面 し て い る こ と に 加 え 、若 者 及 び 女 性 の 両 方 に お い て 議 会 に 占 め る 割 合 が 最 も 低 い こ と を 認 識 し 、 選 挙 制 度 は 、 女 性 の 代 表 者 に 影 響 を 及 ぼ し 、 比 例 代 表 制 が 、 女 性 の 代 表 者 を さ ら に 増 や す こ と に 貢 献 す る こ と を 強 調 し 、 選 挙 に お け る ジ ェ ン ダ ー・ク オ ー タ は 、と り わ け 、そ の ク オ ー タ に よ る 高 い 目 標 設 定 、政 治 的 主 導 者 に よ る 奨 励 、一 般 市 民 に よ る 理 解 、並 び に 遵 守 し な い 場 合 の 制 裁 措 置 等 の 確 固 た る 実 施 メ カ ニ ズ ム に よ る 支 え が あ っ た 場 合 は 特 に 、選 出 公 職 者 及 び 指 導 的 地 位 に 女 性 が 就 く こ と を 促 進 す る 上 で 有 効 で 効 果 的 で あ る と 証 明 さ れ た こ と に 留 意 し 、 女 性 が 対 等 な も の と し て 認 識 さ れ て い な い 社 会 の 通 念 を 変 え 、 ま た は こ れ に 異 議 を 唱 え る た め に は 、 ク オ ー タ 制 だ け で は 十 分 で は な い こ と 、 ク オ ー タ 制 を 利 用 す る こ と を 選 ん だ 国 々 の 中 で 15 か 国 し か 、女 性 の 政 治 参 加 の 割 合 を 、 臨 界 値 と し て 決 め ら れ て い る 30% 以 上 を 達 成 す る た め の 制 度 を 創 設 し て い な い こ と 、 そ し て そ の 他 の 分 野 に お け る ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 促 進 す る 措 置 も 必 要 で あ る こ と に 留 意 し 、

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世 界 中 で 政 治 プ ロ セ ス へ の 女 性 の 関 与 が 拡 大 し て い る こ と に 伴 い 、 社 会 的 、 文 化 的 、 経 済 的 及 び 法 的 要 因 に 関 連 し た 他 の 反 発 の 形 に 加 え 、 オ ン ラ イ ン や ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア 上 の も の を 含 む 固 定 観 念 や 嫌 が ら せ 、威 嚇 、 暴 力 等 の 形 態 の 反 発 が 起 き て い る こ と を 強 調 し 、 政 界 を 特 徴 付 け る 緊 張 及 び 対 立 の 雰 囲 気 が 男 女 と も に 政 治 参 加 を 思 い と ど ま ら せ 、 女 性 が 直 面 す る 特 有 の 形 の 暴 力 が 、 政 治 関 与 に お け る 更 な る 障 害 を 構 成 し 、 望 む と お り に 自 ら の 使 命 を 果 た す 自 由 を 妨 げ う る こ と を 確 認 し 、 ジ ェ ン ダ ー に 配 慮 し た 議 会 と は 、 そ の 構 造 、 規 則 及 び 規 定 、 運 営 、 手 段 並 び に 活 動 に お い て 、 男 女 双 方 の ニ ー ズ と 利 益 に 応 え る 議 会 で あ る こ と を 認 識 し 、 ま た 、 ジ ェ ン ダ ー に 基 づ い た 分 析 に よ る 戦 略 、 す な わ ち あ ら ゆ る レ ベ ル と あ ら ゆ る 領 域 に お い て 法 律 、 政 策 及 び プ ロ グ ラ ム を 含 む あ ら ゆ る 計 画 さ れ た 行 動 が 男 女 に 及 ぼ す 影 響 を 評 価 し 考 慮 す る プ ロ セ ス の 各 国 議 会 の 採 用 を 奨 励 す る 必 要 性 を 認 識 し 、 さ ら に 、 議 会 が ジ ェ ン ダ ー 主 流 化 の 戦 略 、 す な わ ち 、 男 女 が 平 等 に 利 益 を 受 け 、 不 平 等 が な い よ う に 、 あ ら ゆ る 政 治 的 、 経 済 的 及 び 社 会 的 側 面 に お け る 政 策 及 び プ ロ グ ラ ム の 設 計 、 実 施 、 監 視 及 び 評 価 に 不 可 欠 な 要 因 と し て 、 男 女 の 懸 念 や 経 験 を 考 慮 す る 戦 略 の 採 用 を 奨 励 す る 必 要 性 を 認 識 し 、 議 会 の 常 設 委 員 会 に お け る 専 門 家 ヒ ア リ ン グ の 際 の ジ ェ ン ダ ー バ ラ ン ス が ジ ェ ン ダ ー 政 策 を 主 流 化 す る た め に 非 常 に 重 要 で あ る こ と を 強 調 し 、

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ジ ェ ン ダ ー 平 等 は 、 男 女 双 方 の 利 益 に な る こ と で あ り 、 地 方 、 国 家 、 地 域 、 及 び 国 際 レ ベ ル に お い て 、 法 的 、 政 治 的 、 経 済 的 、 文 化 的 及 び 社 会 的 な 面 で 双 方 が 協 力 し て 促 進 す る べ き で あ る こ と を 強 調 し 、 1 . 各 国 議 会 に 対 し 、 国 内 法 並 び に 政 府 の 規 則 及 び 慣 行 が 、 特 に 女 性 や 若 い 女 性 の 能 力 強 化 に 関 し て 、 国 際 法 及 び 人 権 に 関 す る 義 務 及 び 国 連 シ ス テ ム に 関 連 す る も の を 含 む そ の 他 全 て の 国 際 的 な 義 務 を 確 実 に 遵 守 す る よ う 要 請 す る 。 2 . ま た 、 各 国 議 会 に 対 し 、 女 性 を 直 接 的 あ る い は 間 接 的 に 差 別 し 、 女 性 が 政 治 プ ロ セ ス に 十 分 に 参 加 す る こ と を 妨 げ る 現 行 の 法 律 を 改 正 ま た は 廃 止 す る だ け で な く 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 促 進 す る 法 を 制 定 す る よ う 要 請 す る 。 3 . 男 女 の 国 会 議 員 に 対 し 、 互 い に 協 力 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 並 び に あ ら ゆ る レ ベ ル の 政 策 立 案 プ ロ セ ス 及 び 意 思 決 定 の 地 位 に お け る 女 性 の 能 力 強 化 の 促 進 の た め に 議 会 に お い て 共 同 で 働 き か け る こ と を 要 請 す る 。 4 . ま た 、 各 国 議 会 に 対 し 、 教 育 政 策 に ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 観 点 を 含 め 、 教 育 の 機 会 に お け る ジ ェ ン ダ ー 格 差 を 埋 め る こ と を 目 指 し て 努 力 す る こ と を 要 請 す る 。 5 . 各 国 議 会 に 対 し 、 特 に 女 性 及 び 女 児 の 平 等 な 機 会 獲 得 の 強 化 及 び あ ら ゆ る 市 民 教 育 活 動 の 中 に ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 観 点 を 包 含 す る こ と に 焦 点 を 当 て て 、 包 括 的 な 民 主 主 義 社 会 の 一 部 と し て 教 育 の 促 進 を 続 け る よ う 要 請 す る 。 6 . 各 国 議 会 に 対 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 及 び 女 性 の 能 力 強 化 の た め に 国 内 の メ カ ニ ズ ム の 強 化 の み な ら ず 、 そ れ ら の 協 調 や 相 乗 効 果 を 支 援 す る よ う 奨 励 す る 。

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7 . 各 国 議 会 及 び 議 会 人 に 対 し 、 政 治 的 プ ロ セ ス へ の 女 性 の 参 加 を 向 上 さ せ る た め の 措 置 の 綿 密 な 策 定 、監 視 及 び 評 価 に お い て 、市 民 社 会 組 織 、 特 に 独 立 し た 女 性 の 組 織 と の 協 力 を 強 化 す る よ う 要 請 す る 。 8 . ま た 、 各 国 議 会 に 対 し 、 ジ ェ ン ダ ー に 関 す る 固 定 観 念 を 覆 す こ と を 目 的 と し た メ デ ィ ア や 教 育 及 び コ ミ ュ ニ テ ィ レ ベ ル で の 運 動 を 促 進 す る こ と を 要 請 す る と と も に 、 女 性 の 役 割 に 取 り 組 み 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 発 展 さ せ る 新 た な メ デ ィ ア 戦 略 を 促 進 す る こ と 、 そ し て も し 可 能 で あ れ ば 、 そ の よ う な 戦 略 を 発 表 あ る い は 採 用 す る こ と を 要 求 す る 国 内 法 を 制 定 す る こ と を 要 請 し 、 さ ら に 男 女 の 国 会 議 員 に 対 し 、 そ の 運 動 に お い て 主 要 な 役 割 を 果 た す と と も に 、 ジ ェ ン ダ ー に 関 す る 固 定 観 念 や 女 性 に 対 す る 否 定 的 な 態 度 に 立 ち 向 か う 擁 護 者 及 び 模 範 と し て 行 動 す る こ と を 要 請 す る 。 9 . 各 国 議 会 に 対 し 、 経 済 的 支 援 、 イ ン フ ラ 整 備 並 び に 家 族 生 活 に 影 響 す る 法 律 及 び 労 働 規 則 の 制 定 及 び 改 正 を 通 じ た 子 育 て 支 援 サ ー ビ ス の 向 上 に 加 え 、育 児 休 暇 の 分 担 を 促 進 す る な ど し て 、男 女 双 方 に よ る 個 人 、 家 庭 、 仕 事 及 び 政 治 活 動 の 両 立 及 び 強 化 を 促 進 す る よ う 要 請 す る 。 10. 各 国 議 会 に 対 し 、 女 性 国 会 議 員 の 比 率 を 少 な く と も 30% に す る 期 限 を 定 め る と と も に 、 こ の 比 率 が 50% を 達 成 す る 更 な る 期 限 も 定 め る こ と を 強 く 要 請 す る 。 11. 各 国 議 会 に 対 し 、 女 性 候 補 者 が 当 選 見 込 み の あ る 議 席 も し く は 見 込 み の あ る 名 簿 順 位 に あ ら か じ め 選 ば れ る こ と を 可 能 と す る と と も に 、 高 い 目 標 を 定 め る ク オ ー タ 制 、 又 は そ の 他 類 似 の 手 段 の 採 用 及 び 実 施 を 検 討 す る こ と を 要 請 す る 。

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12. ま た 、 各 国 議 会 に 対 し 、 公 的 資 金 の 一 部 を 政 党 が 擁 立 す る 女 性 候 補 者 の 数 に 関 連 付 け る こ と 、 女 性 候 補 者 へ の 特 別 な 資 金 や 無 利 子 の 貸 付 金 を 創 設 す る こ と 、 費 用 の 上 限 を 設 け る こ と 、 選 挙 運 動 の 期 間 を 制 限 す る こ と な ど に よ り 、 ま た は 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い 方 法 で 男 女 の 候 補 者 に よ り 公 平 な 環 境 作 り を す る こ と を 要 請 す る 。 13. さ ら に 各 政 党 に 対 し 、 候 補 者 選 び の プ ロ セ ス に お い て ジ ェ ン ダ ー バ ラ ン ス の と れ た 構 成 比 へ の 配 慮 を 確 実 に 行 う こ と 、 並 び に そ の た め に ク オ ー タ 制 の 導 入 を 検 討 す る こ と を 要 請 す る 。 14. 政 党 に 対 し 、 女 性 の 能 力 強 化 及 び 政 治 プ ロ セ ス へ の 女 性 の 参 加 に 関 す る 社 会 の 認 識 の 強 化 を 目 的 と し た 、 定 期 的 な 政 治 教 育 を 提 供 す る よ う 要 請 す る 。 15. ま た 、 各 国 議 会 及 び 各 政 党 に 対 し 、 指 導 者 を 2 名 体 制 と す る 、 も し く は 指 導 的 地 位 に 男 女 が 交 替 で 就 く と い っ た 、 透 明 性 の あ る 公 平 な プ ロ セ ス を 通 し て 、 あ ら ゆ る 政 策 分 野 及 び あ ら ゆ る 統 治 機 関 の 指 導 的 地 位 を 占 め る 者 を 確 実 に 男 女 同 数 と す る よ う 要 請 す る 。 16. 各 国 議 会 及 び 各 政 党 に 対 し 、 若 い 女 性 を 対 象 と し た 能 力 強 化 プ ロ グ ラ ム を 実 施 す る こ と 、 若 い 女 性 が 指 導 的 地 位 に 就 く と と も に 他 の 若 い 女 性 に と っ て 模 範 と な る こ と を 可 能 に す る こ と 、 並 び に 将 来 の 指 導 者 を 育 成 し 、 そ の 準 備 を す る た め に 計 画 さ れ た プ ロ グ ラ ム 及 び 訓 練 に 若 い 女 性 を 関 与 さ せ る こ と な ど に よ り 、具 体 的 な 活 動 プ ロ グ ラ ム を 通 し て 、 若 い 女 性 の 政 治 参 加 を 支 援 す る こ と を 要 請 す る 。 17.各 国 議 会 に 対 し 、計 画 、実 施 、監 視 、評 価 及 び 報 告 の 各 期 間 に お い て 、 ジ ェ ン ダ ー の 観 点 を 組 み 込 ん だ ガ バ ナ ン ス の あ ら ゆ る 領 域 に 国 家 戦 略 が 確 実 に 採 用 さ れ る よ う 要 請 し 、 各 国 議 会 に 対 し て 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等

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を 実 現 す る た め に 、 ジ ェ ン ダ ー に 対 応 し た 法 律 、 政 策 及 び プ ロ グ ラ ム を 促 進 す る よ う 要 請 す る 。 18. ま た 、 各 国 議 会 に 対 し 、 性 別 デ ー タ の 収 集 、 分 析 及 び 情 報 提 供 並 び に ジ ェ ン ダ ー 指 標 の 発 展 を 向 上 す る た め の 措 置 を 強 く 支 援 す る よ う 要 請 す る 。 19. 各 国 議 会 に 対 し 、 男 性 議 員 で あ っ て も 理 解 の あ る 議 員 で あ れ ば 参 加 す る こ と の で き る 女 性 議 連 の 設 立 、 男 性 議 員 も 委 員 に 含 む ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 関 す る 委 員 会 及 び 男 女 双 方 の 議 会 ス タ ッ フ に お け る ジ ェ ン ダ ー 問 題 に 関 す る 専 門 知 識 な ど 、 議 会 の 活 動 に お い て ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 前 進 さ せ る メ カ ニ ズ ム を 促 進 す る よ う 要 請 す る 。 20. 各 国 議 会 常 設 委 員 会 に 対 し 、 委 員 会 の 公 聴 会 に お け る 専 門 家 ら の 間 で 確 実 に 男 女 双 方 が 平 等 に 代 表 さ れ 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 関 し て 計 画 さ れ た 法 律 の 効 果 を 評 価 す る 専 門 家 の 十 分 な 能 力 が 保 証 さ れ る よ う 要 請 す る 。 21. 男 女 の 各 国 会 議 員 に 対 し 、 女 性 議 員 を 含 む 女 性 へ の 嫌 が ら せ や 暴 力 に 関 す る 法 律 及 び 政 策 の 策 定 と 効 果 的 な 施 行 の た め に 互 い に 協 力 す る と と も に 、 こ の 活 動 を 行 う に 当 た り 、 オ ン ラ イ ン 上 の 誹 謗 中 傷 の 問 題 に 取 り 組 む 際 に は 、 技 術 系 企 業 と 協 力 す る な ど 、 関 係 す る 政 府 機 関 、 市 民 社 会 及 び そ の 他 の 利 害 関 係 者 と 協 力 す る こ と を 要 請 す る 。 22. 各 政 治 指 導 者 並 び に 男 女 の 各 国 会 議 員 に 対 し 、 オ ン ラ イ ン 及 び ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア 上 の 行 為 を 含 め 、 女 性 候 補 者 及 び 女 性 議 員 に 対 す る 嫌 が ら せ 、威 嚇 及 び 暴 力 を 非 難 す る こ と を 要 請 し 、ま た 、各 国 議 会 に 対 し 、 そ の よ う な 行 為 の 防 止 及 び 処 罰 の た め の 法 的 か つ 実 際 的 な 措 置 を 採 る こ と を 要 請 す る 。

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23. 各 国 議 会 及 び 各 政 党 に 対 し 、 性 差 別 的 な 言 動 や 態 度 に 対 し て 効 果 的 に 導 入 さ れ て い る 確 固 た る 組 織 内 方 針 を 含 め 、 男 女 双 方 に と っ て 安 全 か つ 安 心 な 労 働 環 境 を 提 供 す る 組 織 文 化 を 促 進 す る こ と を 要 請 す る 。 24. ま た 、 各 国 議 会 及 び 各 政 党 に 対 し 、 女 性 が 義 務 を 果 た す と き に 保 護 す る た め に 、 性 的 嫌 が ら せ 、 苦 情 に 関 す る 有 効 な 仕 組 み 及 び 違 反 者 へ の 罰 則 に 関 す る 政 策 を 採 用 す る よ う 要 請 す る 。 25. さ ら に 、 各 国 議 会 に 対 し 、 各 方 面 で 差 別 を 受 け 続 け て い る 障 害 の あ る 女 性 が 議 会 の 任 務 を 全 う で き る た め に 必 要 な 枠 組 み ( イ ン フ ラ 、 技 術 支 援 ) を 各 国 議 会 の 機 関 が 導 入 す る こ と を 保 証 す る よ う 要 請 す る 。 26. 各 国 議 会 に 対 し 、 男 女 双 方 を 受 入 れ 、 ジ ェ ン ダ ー ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 促 進 し 、 社 会 に お け る 平 等 を 十 分 に 前 進 さ せ る 場 所 に す る と い う 観 点 か ら 、 そ れ ぞ れ の 組 織 の ジ ェ ン ダ ー 配 慮 の 状 況 を 見 直 す こ と を 要 請 す る 。 27. I P U に 対 し 、 「 ジ ェ ン ダ ー に 配 慮 し た 議 会 の た め の I P U 行 動 計 画 ( 2012 年 ) 」 及 び そ の 自 己 評 価 手 法 に 従 い 、 ジ ェ ン ダ ー 配 慮 に 関 す る 評 価 の 実 施 を 望 む 各 国 議 会 を 支 援 す る こ と 、 制 度 上 の ジ ェ ン ダ ー 配 慮 を 強 化 す る た め の 努 力 を す る 上 で 各 国 議 会 に 対 す る 技 術 援 助 及 び 支 援 を 向 上 さ せ る こ と を 要 請 す る 。 28. ま た 、 I P U に 対 し 、 「 ジ ェ ン ダ ー に 配 慮 し た 議 会 の た め の 行 動 計 画 ( 2012 年 ) 」 に お け る 各 行 動 分 野 の 総 合 的 な ツ ー ル 及 び ガ イ ド ラ イ ン を 発 展 さ せ 、 同 計 画 の 実 施 の 成 功 を 確 実 に す る よ う 要 請 す る 。 29. さ ら に 、 I P U に 対 し 、 国 連 、 各 国 議 会 及 び I P U の 間 の 相 互 作 用 に 関 す る 最 近 の 国 連 総 会 決 議 70/ 298( 2016 年 ) に 示 さ れ た よ う に 、 ジ

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ェ ン ダ ー 平 等 及 び 女 性 の 能 力 強 化 に 関 し て 、 U N W o m e n の よ う な 関 連 す る 国 連 組 織 と 密 接 に 連 携 す る よ う 要 請 す る 。 30. I P U に 対 し 、 国 際 的 な パ ー ト ナ ー と の 協 力 に お い て 、 政 治 に お け る ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 達 成 に 向 け た 取 組 の 一 つ と し て 、 女 性 国 会 議 員 の た め の 能 力 構 築 プ ロ グ ラ ム を 発 展 さ せ る よ う 要 請 す る 。 31. ま た 、 国 際 的 な 選 挙 監 視 活 動 に 参 加 し て い る 議 員 会 議 体 及 び 議 会 に 対 し 、 ジ ェ ン ダ ー バ ラ ン ス の と れ た 代 表 団 の 構 成 を 保 証 し 、 選 挙 プ ロ セ ス に お け る 女 性 の 役 割 及 び 参 加 に 対 し て 特 別 な 注 意 を 向 け る よ う 要 請 す る 。 32. さ ら に 、 各 国 議 会 に 対 し 、 国 連 人 権 理 事 会 に よ っ て 実 施 さ れ た ジ ェ ン ダ ー 平 等 の 分 野 に 関 す る 普 遍 的 ・ 定 期 的 レ ビ ュ ー に お け る 取 組 を 強 化 し 、 法 及 び 慣 行 に お け る 女 性 に 対 す る 差 別 の 問 題 に つ い て の 同 理 事 会 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ と 各 国 と の 十 分 な 協 力 を 確 保 す る よ う 要 請 す る 。

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別添4

人々に資する強固な民主的議会 IPU戦略 2017-2021 年 (2016 年 10 月 27 日(木)、第 199 回評議員会にて承認) 展望 IPUは、あらゆる声が聞き入れられ、民主主義及び議会が人々の平和及び発展のた めになる世界を欲している。 任務 IPUは各国議会の世界的機関である。 IPUは、人々のニーズ及び願望を明確に示し対応するため、各国議会及び議会人と 協働しながら、民主的ガバナンス、制度及び価値を促進する。 IPUは、政治的対話、協力及び議会の行動を通じて、平和、民主主義、人権、ジェ ンダー平等、若者のエンパワーメント及び持続可能な開発のために行動する。 中核となる価値観 以下の中核となる価値観は、IPUコミュニティ全体、すなわち各国及びIPU事務 局に適用されることを企図しており、我々のあらゆる行動のための指導原則として役立 つものである。 平等性:人種、ジェンダー、障害の有無、宗教若しくは信条、政治的信念、性的指向又 は年齢に関わりなく、同等にかつ他に劣らず望ましい方法で、個人又は個人の集団が公 正に取り扱われることを保証する。IPUは、差別及び不正義を根絶するという究極的 な目的を持って平等を促進する。 包摂性:帰属意識を培うため、社会のあらゆる分野の意見、ニーズ及び関心をいかす。 IPUは、社会のあらゆる部門の利益を反映し代表する包摂的な議会を促進する。 尊敬:文化的、宗教的、民族的、政治的、言語的又はその他の差異を認め、敬意を示し、 尊重する。IPUは、建設的な対話及び紛争の解決の前提条件として相互尊重を促進す

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る。 高潔:現実に妥協することなく、名誉、寛容及び誠実をもって行動する。制度としての 議会の高潔及び議員の高潔は、その正統性にとって必要不可欠である。IPUは、紛争 下及び紛争後の状況において公平な仲介者として行動する。 連帯:世界の議会コミュニティのため、共同体意識、一体感及び利害の一致という意識 を醸成する。相互に支援し、一丸となって取り組む。IPUは、IPUのあらゆる分野 の行動及び議会間協力において議会の連帯を促進する。

戦略的目標

目標1:強固で民主的な議会の構築 議会の立法、監視、予算及び代表という中核的機能は、国の全体的なガバナンスの質 にとって必要不可欠である。IPU戦略 2017-2021 年は、各国議会が民主主義に寄与し、 人々の願望に応える助けとなることを可能にする、これらの中核的機能の強化に焦点を 当てている。あらゆるレベルでの公約に対する説明責任を確保するという議会の役割は、 あらゆる民主主義の適切な機能に不可欠である。また、これは法の支配の強化及び効果 的で説明責任のある包摂的な制度の構築に関する持続可能な開発目標(SDGs)の目 標 16 に沿ったものである。IPUは、調査及び手段を開発するとともに、規範を確立 しながら統合されたアプローチを追求し、ひいては国内の文脈において具体的な方法で それらを適用する。 基準の確立及び知識形成の促進 IPUは「21 世紀における議会と民主主義:グッドプラクティスへの手引」において 述べているように、民主的な議会のための基準を引き続き促進する。IPUは、それら の基準に基づき自らの活動を評価することを議会に対し奨励するとともに、議会が自発 的に活動を見直すためのメカニズム及び手段を創設する。必要が生じた場合には、IP Uは議会のグッドプラクティスのための新たな基準及び指針を策定する。 IPUは、議会並びに議会の手続及び慣行についての知識形成とともに、情報の収集 及び普及のための世界的なプラットフォームとしての機能を引き続き果たす。さらにI PUは、PARLINEのようなIPUのオンライン・データベースを発展させ、議会 における女性及び若者の参加に関する情報を収集し、普及させる。IPUは、定期的に UNDPと協力し、世界の議会の現状についての「世界の議会に関するレポート」を発 行する。IPUは、議会のグッドプラクティス及び議会の発展において新たに出現した テーマに焦点を当てた出版プログラムを続行する。

参照

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