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第 135 回 I P U ( 列 国 議 会 同 盟 ) 会 議 派 遣 参 議 院 代 表 団 報 告 書
団 長 参 議 院 議 員 高 野 光 二 郎
同 山 本 博 司
同 行 国 際 会 議 課 長 倉 田 保 雄
会 議 要 員 国 際 会 議 課 外 川 裕 之
同 同 川 崎 将 寛
第 135 回 I P U 会 議 は 、2016 年 10 月 23 日( 日 )か ら 27 日( 木 )
ま で の 5 日 間 、 ジ ュ ネ ー ブ ( ス イ ス ) の ジ ュ ネ ー ブ 国 際 会 議 セ ン タ
ー に お い て 、 142 の 国 ・ 地 域 ( オ ブ ザ ー バ ー と し て 参 加 し た 1 の 非
加 盟 国 を 含 む )、7 の 準 加 盟 員( 国 際 議 員 会 議 )、 39 オ ブ ザ ー バ ー
( 国 際 機 関 等 )か ら 1487 名( う ち 、議 員 693 名 )が 参 加 し て 開 催 さ
れ た 。
参 議 院 代 表 団 は 、衆 議 院 議 員 3 名 と 共 に 、日 本 国 会 代 表 団( 団 長 ・
鈴 木 俊 一 衆 議 院 議 員 、 副 団 長 ・ 高 野 光 二 郎 議 員 ) を 構 成 し 、 会 議 に
参 加 し た 。
以 下 、 本 報 告 書 で は 、 参 議 院 代 表 団 の 活 動 に 重 点 を 置 き つ つ 、 本
会 議 、 評 議 員 会 及 び 常 設 委 員 会 等 の 概 要 を 報 告 す る 。
1 . 会 議 の 開 会
24 日 、本 会 議 開 会 に 先 立 ち 、サ ベ ル・チ ョ ー ド リ ー I P U 議 長( バ
ン グ ラ デ シ ュ 国 会 議 員 )か ら 、今 次 I P U 会 議 の 開 会 が 宣 言 さ れ た 。
2 . 本 会 議
本 会 議 は 24 日 か ら 27 日 に わ た り 開 催 さ れ 、 以 下 の 議 題 に つ い て
審 議 が 行 わ れ た 。
( 1 ) 第 135 回 会 議 の 議 長 の 選 挙
24 日 、チ ョ ー ド リ ー I P U 議 長 が 今 次 I P U 会 議 の 議 長 に 選 出 さ
れ た 。
( 2 ) 緊 急 追 加 議 題
会 議 に お い て は 、 ① モ ロ ッ コ か ら 、 東 エ ル サ レ ム を 首 都 と す る 存
続 可 能 な 、 独 立 し た 主 権 を 有 す る パ レ ス チ ナ 国 家 の 承 認 を 通 じ た 、
国 際 平 和 及 び 安 全 保 障 の 確 立 促 進 : 各 国 議 会 の 役 割 に つ い て 、 ② ベ
ネ ズ エ ラ か ら 、 民 主 制 の 不 可 欠 な 要 素 と し て 、 そ し て 民 主 主 義 に お
け る 固 有 の 制 度 で あ る 議 会 の 正 常 な 機 能 の 保 障 と し て の 権 力 分 立 の
尊 重 に つ い て 、 ③ ウ ガ ン ダ か ら 、 目 的 国 へ 向 か う 途 中 の 移 民 の 安 全
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の 確 保 に つ い て 、④ ケ ニ ア か ら 、南 ス ー ダ ン に お け る 紛 争 へ の 対 応:
平 和 及 び 安 全 の 保 障 に お け る 議 会 の 役 割 に つ い て 、 ⑤ 湾 岸 協 力 理 事
会 か ら 、 他 国 の 国 内 裁 判 所 に お け る 訴 追 か ら の 国 家 主 権 及 び 国 家 免
除 の 原 則 の 保 障 、 当 該 原 則 を 阻 害 す る 国 際 法 ・ 国 際 条 約 及 び 国 連 憲
章 に 違 反 す る 一 方 的 な 立 法 措 置 を 防 ぐ た め の 議 会 人 の 役 割 に つ い て 、
⑥ ド イ ツ 及 び メ キ シ コ か ら 、 シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ に お け る 紛 争 及
び 深 刻 な 人 道 的 状 況 に つ い て 、 ⑦ バ ン グ ラ デ シ ュ か ら 、 持 続 可 能 な
平 和 、 安 全 及 び 開 発 に 向 け た テ ロ リ ズ ム と の 闘 い に お け る 議 会 の 役
割 に つ い て 、 ⑧ ロ シ ア 及 び シ リ ア か ら 、 シ リ ア に お け る 平 和 及 び 安
全 の 回 復 : I P U の 貢 献 に つ い て 、 計 八 件 の 緊 急 追 加 議 題 の 挿 入 要
請 が 行 わ れ た 。
24 日 の 本 会 議 に お い て 、そ れ ぞ れ 概 要 説 明 が 行 わ れ た 後 、ベ ネ ズ
エ ラ 、 ウ ガ ン ダ 及 び バ ン グ ラ デ シ ュ が 要 請 を 撤 回 し た た め 、 5 件 の
議 題 案 に つ い て そ れ ぞ れ 投 票 が 行 わ れ た 。
そ の 結 果 、 ド イ ツ 及 び メ キ シ コ 提 出 の 議 題 案 が 、 賛 成 802 票 、 反
対 241 票 、 棄 権 508 票 で 緊 急 追 加 議 題 と し て 認 め ら れ る た め に 必 要
な 3 分 の 2 以 上 の 賛 成 票 を 得 た こ と か ら 、 今 次 I P U 会 議 の 緊 急 追
加 議 題 と し て 採 択 さ れ た 。
日 本 国 会 代 表 団 は 、 ケ ニ ア 提 出 並 び に ド イ ツ 及 び メ キ シ コ 提 出 の
議 題 案 に そ れ ぞ れ 賛 成 20 票 を 、ロ シ ア 及 び シ リ ア 提 出 の 議 題 案 に 反
対 20 票 を 投 じ 、モ ロ ッ コ 提 出 及 び 湾 岸 協 力 理 事 会 提 出 の 議 題 案 に つ
い て は そ れ ぞ れ 棄 権 し た 。
25 日 の 本 会 議 に お い て 、採 択 さ れ た 緊 急 追 加 議 題 に 関 す る 討 議 が
行 わ れ た 。
同 日 、 ア ル ゼ ン チ ン 、 コ ン ゴ 民 主 共 和 国 、 フ ラ ン ス 、 ド イ ツ 、 イ
ラ ン 、イ ラ ク 、マ レ ー シ ア 、メ キ シ コ 、ナ イ ジ ェ リ ア 、ポ ル ト ガ ル 、
ロ シ ア 及 び サ ウ ジ ア ラ ビ ア の 12 か 国 の 代 表 で 構 成 さ れ る 起 草 委 員
会 が 開 催 さ れ 、 同 議 題 に 関 す る 決 議 案 の 審 議 が 行 わ れ た 。 起 草 委 員
会 で は 、 シ リ ア に お け る 紛 争 で の 市 民 及 び 民 間 イ ン フ ラ に 対 す る 攻
撃 を 非 難 し 、 紛 争 当 事 国 に 人 道 支 援 要 員 の 移 動 、 安 全 及 び 自 由 を 確
保 す る よ う 要 請 す る と と も に 、 各 国 議 会 に 対 し 、 紛 争 地 域 に 対 す る
緊 急 支 援 を 増 加 さ せ 、 現 地 の 援 助 団 体 を 支 援 す る よ う 各 国 政 府 に 働
き か け る こ と 、 文 化 遺 産 の 保 護 を 狙 い と し た ユ ネ ス コ の 取 組 を 支 援
す る こ と 及 び 議 会 コ ミ ュ ニ テ ィ が シ リ ア 情 勢 の 改 善 の た め に よ り 一
層 の 取 組 を 行 う こ と を コ ミ ッ ト し 、 全 て の 関 係 者 と 密 接 な 関 係 を 保
つ よ う 要 請 す る こ と 等 を 内 容 と す る 決 議 案 「 シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ
に お け る 紛 争 及 び 深 刻 な 人 道 的 状 況 」 が 起 草 さ れ た 。
26 日 の 本 会 議 に お い て 、起 草 委 員 会 に よ っ て 起 草 さ れ た 決 議 案 が
上 程 さ れ 、 同 決 議 案 は コ ン セ ン サ ス に よ り 採 択 さ れ た ( 決 議 の 全 文
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は 別 添 1 参 照 ) 。 な お 、 採 択 後 、 シ リ ア は 、 当 事 国 で あ る に も か か
わ ら ず 決 議 案 の 起 草 に 参 加 の 機 会 が 与 え ら れ な か っ た こ と か ら 、 決
議 全 体 に つ い て 反 対 意 見 を 表 明 し 、 キ ュ ー バ は 、 採 択 前 に 意 見 を 述
べ る 機 会 が 与 え ら れ て い な い こ と を 指 摘 し つ つ 、 決 議 前 文 及 び 本 文
の 一 部 に 留 保 を 表 明 し た 。
( 3 ) 「 紛 争 の 前 兆 と し て の 人 権 侵 害 : 初 期 対 応 者 と し て 各 国 議 会
が 果 た す べ き 役 割 」 に 関 す る 一 般 討 議
一 般 討 議 は 、 24 日 か ら 26 日 ま で の 3 日 間 に わ た り 行 わ れ 、 鈴 木
議 員 及 び 高 野 議 員 を 含 む 112 名 の 各 国 議 員 等 が 演 説 し た 。
高 野 議 員 は 、26 日 の 同 討 議 に お い て 、国 家 、議 会 が 正 常 に 機 能 す
る こ と こ そ が 、 人 権 侵 害 に 対 応 す る た め の 基 礎 と な る こ と を 指 摘 し
た ほ か 、 途 上 国 へ の 民 主 主 義 の 定 着 を 狙 い と し た 日 本 の 支 援 に つ い
て 発 言 し た 。 ま た 、 唯 一 の 被 爆 国 で あ る 日 本 は 、 積 極 的 平 和 主 義 の
下 、戦 後 70 年 の 間 自 ら の 経 験 に 裏 打 ち さ れ た 平 和 と 繁 栄 を 地 域 と 世
界 に 広 げ て い く 旨 発 言 し た 。
27 日 の 本 会 議 に お い て 、同 討 議 の 成 果 を と り ま と め た 成 果 文 書 が
承 認 さ れ た ( 成 果 文 書 の 全 文 は 別 添 2 参 照 ) 。
( 4 ) 「 女 性 が 十 分 に 、 安 全 に か つ 妨 害 な く 政 治 プ ロ セ ス に 参 画 す
る 自 由 : こ の 目 標 を 達 成 す る た め の 男 女 間 の パ ー ト ナ ー シ ッ
プ の 構 築 」 に 関 す る 決 議 の 採 択
27 日 の 最 終 本 会 議 に お い て 、 民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員 会
( 第 3 委 員 会 )に よ っ て 起 草 さ れ た 決 議 案 が 提 出 さ れ 、採 択 さ れ た 。
決 議 は 、 各 国 議 会 に 対 し 、 女 性 の 能 力 強 化 に 関 し て 全 て の 国 際 的
な 義 務 を 遵 守 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 を 実 現 す る た め に 、 ジ ェ ン ダ ー に
対 応 し た 法 律 、 政 策 等 を 促 進 す る よ う 要 請 す る と と も に 、 女 性 国 会
議 員 の 比 率 を 少 な く と も 30% 、更 に 50% を 達 成 す る 期 限 を 定 め 、そ
の 目 標 達 成 の た め の ク ォ ー タ 制 の 採 用 を 検 討 す る こ と 、 あ ら ゆ る 統
治 機 関 の 指 導 的 地 位 を 占 め る 男 女 の 比 率 を 同 数 と す る こ と 並 び に 女
性 の 候 補 者 及 び 女 性 議 員 に 対 す る 嫌 が ら せ を 防 止 す る 措 置 を と る こ
と を 要 請 す る 等 の 内 容 と な っ て い る ( 決 議 の 全 文 は 別 添 3 参 照 ) 。
( 5 ) 各 常 設 委 員 会 ( 平 和 及 び 安 全 保 障 に 関 す る 委 員 会 、 持 続 可 能
な 開 発 、 金 融 及 び 貿 易 に 関 す る 委 員 会 並 び に 国 連 に 関 す る 委
員 会 ) の 報 告
各 常 設 委 員 会 か ら 今 次 I P U 会 議 期 間 中 の 活 動 の 報 告 が 行 わ れ 、
本 会 議 で 承 認 さ れ た 。
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( 6 ) 第 137 回 I P U 会 議 に お け る 民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員
会 の 議 題 の 採 択 及 び 報 告 委 員 の 指 名
27 日 の 最 終 本 会 議 に お い て 、民 主 主 義 及 び 人 権 に 関 す る 委 員 会 に
よ り 上 程 さ れ た 第 137 回 I P U 会 議 の 議 題 「 我 々 の 多 様 性 を 共 有 す
る:世 界 民 主 主 義 宣 言 20 周 年 記 念 」及 び 共 同 報 告 委 員 の 指 名 に 係 る
提 案 が 承 認 さ れ た 。
3 . 常 設 委 員 会
持 続 可 能 な 開 発 、 金 融 及 び 貿 易 に 関 す る 委 員 会 ( 第 2 委 員 会 )
第 2 委 員 会( M ・ テ ィ オ ロ ン 委 員 長( カ ン ボ ジ ア ))は 、 25 日 及
び 26 日 に 開 催 さ れ 、 「 2016 年 国 連 気 候 変 動 会 議 に 向 け た 議 会 の 貢
献 」 に 関 す る 討 議 、 「 S D G s 、 特 に 開 発 の 推 進 力 と し て の 女 性 の
金 融 包 摂 に 関 す る 国 際 協 力 の 強 化 の 促 進 」 に 関 す る 討 議 及 び 「 ハ ゲ
タ カ フ ァ ン ド の 活 動 に 対 抗 す る た め の 議 会 の 役 割 」 に 関 す る パ ネ ル
デ ィ ス カ ッ シ ョ ン が 行 わ れ 、 山 本 議 員 が 出 席 し た 。
山 本 議 員 は 、 「 S D G s 、 特 に 開 発 の 推 進 力 と し て の 女 性 の 金 融
包 摂 に 関 す る 国 際 協 力 の 強 化 の 促 進 」 に 関 す る 討 議 に お い て 、 S D
G s は 、 人 間 一 人 一 人 に 焦 点 を 当 て る 観 点 か ら 、 公 明 党 及 び 日 本 政
府 が 長 年 提 唱 し て き た 「 人 間 の 安 全 保 障 」 に 相 通 じ る と こ ろ が 多 い
旨 述 べ た 上 で 、 成 長 の 源 泉 と し て の 女 性 の 活 躍 に 向 け た 我 が 国 の 考
え 方 及 び ア ジ ア ・ ア フ リ カ 等 に お け る 女 性 の 金 融 包 摂 に 関 す る 我 が
国 の 取 組 に つ い て 発 言 し た 。 ま た 、 ル ワ ン ダ の 貧 困 層 女 性 を 対 象 と
す る 職 業 訓 練 セ ン タ ー を 訪 問 し た 経 験 を 踏 ま え 、 女 性 の 自 立 支 援 の
重 要 性 を 強 調 し つ つ 、 女 性 の 金 融 包 摂 強 化 に 向 け た 国 際 社 会 に よ る
協 調 の 必 要 性 を 指 摘 し た 。
4 . 第 199 回 評 議 員 会
第 199 回 評 議 員 会 は 、 24 日 及 び 27 日 に 開 催 さ れ た 。 審 議 の 主 な
内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。
( 1 ) I P U 加 盟 資 格
ス ワ ジ ラ ン ド の 新 規 加 盟 が 承 認 さ れ 、I P U 加 盟 国・地 域 数 は 171
と な っ た 。
( 2 ) 2017 年 度 I P U 予 算 案
対 前 年 度 比 約 1 % 増 と な る 総 額 約 1593 万 ス イ ス フ ラ ン の 予 算 案
が 承 認 さ れ た 。 I P U の ウ ェ ブ サ イ ト の 構 築 及 び 国 際 機 関 に 義 務 付
け ら れ る セ キ ュ リ テ ィ 改 善 の 支 出 増 に 対 応 す る た め 各 国 の 分 担 金 総
額 は 微 増 し た 一 方 、 国 連 に お け る 分 担 率 の 改 定 に 応 じ て I P U の 分
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担 率 が 自 動 調 整 さ れ た た め 、 日 本 の 分 担 金 額 は 、 前 年 度 比 約 9 万 ス
イ ス フ ラ ン 減 の 約 99 万 ス イ ス フ ラ ン ( 分 担 率 9.68% ) と な っ た 。
( 3 ) I P U 戦 略 2017 年 ― 2021 年
第 134 回 I P U 会 議 よ り 議 論 が 行 わ れ て き た 「 I P U 戦 略 2017
年 ― 2021 年 」が 採 択 さ れ た( 採 択 さ れ た 戦 略 の 全 文 は 別 添 4 参 照 )。
( 4 ) 今 後 の 会 議
今 後 の 開 催 が 確 認 さ れ た 会 議 の う ち 、 主 な も の は 以 下 の と お り で
あ る 。
・ 第 136 回 I P U 会 議 ( 2017 年 4 月 1 日 ~ 5 日 、 バ ン グ ラ デ シ ュ 、
ダ ッ カ )
・第 137 回 I P U 会 議( 2017 年 10 月 14 日 ~ 18 日 、ロ シ ア 、サ ン ク
ト ペ テ ル ブ ル ク )
・ 第 138 回 I P U 会 議 ( 2018 年 3 月 24 日 ~ 28 日 、 ス イ ス 、 ジ ュ ネ
ー ブ )
5 . A S E A N + 3 会 合
A S E A N + 3 会 合( 議 長 国 :ベ ト ナ ム )は 、23 日 の 午 後 に 開 催
さ れ た 。 議 事 の 主 な 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。
( 1 ) 第 135 回 I P U 会 議 に お け る 欠 員 補 充
ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る I P U 執 行 委 員 1 名 の 欠
員 補 充 に つ い て 、 ベ ト ナ ム か ら 立 候 補 が あ り 、 本 会 合 は 、 同 国 を 推
薦 す る こ と を 決 定 し た 。
( 2 ) 緊 急 追 加 議 題 に 関 す る 審 議
本 会 合 と し て 支 持 す る 議 題 案 の 決 定 を 行 わ な い こ と と し 、 本 会 議 で
の 議 題 案 へ の 投 票 は 各 国 の 決 定 に 委 ね る こ と と な っ た 。
( 3 ) 次 回 A S E A N + 3 会 合 議 長 国
次 回 A S E A N + 3 会 合( 2017 年 4 月 、バ ン グ ラ デ シ ュ )の 議 長
国 は カ ン ボ ジ ア と す る こ と が 決 定 さ れ た 。
6 . ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合
ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 ( 議 長 国 : モ ル デ ィ ブ ) は 、 23
日 の 午 後 に 開 催 さ れ た 。 議 事 の 主 な 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。
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( 1 ) I P U 執 行 委 員 会 の 報 告
21 日 及 び 22 日 に 開 催 さ れ た I P U 執 行 委 員 会 の 概 要 に つ い て 、
本 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る 執 行 委 員 の う ち 、 鈴 木 議 員 及 び K ・ ジ ャ
ラ リ 議 員 ( イ ラ ン ) か ら 報 告 が 行 わ れ た 。
( 2 ) 第 135 回 I P U 会 議 に お け る 欠 員 補 充
本 地 域 グ ル ー プ を 代 表 す る I P U 執 行 委 員 1 名 の 欠 員 補 充 に つ い
て 、 本 会 合 に 先 立 っ て 行 わ れ た A S E A N + 3 会 合 に お い て 、 ベ ト
ナ ム の グ エ ン ・ ヴ ァ ン ・ ザ ウ 議 員 を 推 薦 す る こ と を 決 定 し た 旨 報 告
が あ り 、 本 会 合 は 同 議 員 を 推 薦 す る こ と を 決 定 し た 。
( 3 ) 緊 急 追 加 議 題
本 地 域 グ ル ー プ と し て 支 持 す る 議 題 案 の 決 定 を 行 わ な い こ と と し 、
本 会 議 で の 議 題 案 へ の 投 票 は 各 国 の 決 定 に 委 ね る こ と と な っ た 。
( 4 ) 次 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 議 長 国
次 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 地 域 グ ル ー プ 会 合 の 議 長 国 は ミ ク ロ ネ シ ア と
す る こ と が 決 定 さ れ た 。
7 . 若 手 議 員 フ ォ ー ラ ム
若 手 議 員 フ ォ ー ラ ム は 、 10 月 24 日 の 午 前 に 開 催 さ れ 、 高 野 議 員
が 出 席 し た 。
高 野 議 員 は 、 議 題 「 若 者 の 参 加 に 関 す る 各 国 の 進 捗 」 に お い て 、
我 が 国 に お け る 選 挙 年 齢 引 下 げ 後 の 最 初 の 選 挙 と な っ た 参 議 院 選 挙
の 結 果 に つ い て 説 明 し つ つ 、主 権 者 教 育 の 拡 充 は 必 要 で あ る も の の 、
い か に 若 者 自 身 が 政 治 に 向 き 合 い 主 体 的 に 参 加 し て い く か が 求 め ら
れ て い る 旨 発 言 し た 。
次 に 、 高 野 議 員 は 、 議 題 「 2016 年 及 び 2017 年 の フ ォ ー ラ ム の 作
業 計 画 及 び 活 動 の 進 捗 並 び に 討 議 」 に お い て 、 I P U に お け る 若 手
議 員 の 参 加 を 確 保 す る た め 、 執 行 委 員 会 に 若 者 の 代 表 を 入 れ る こ と
の 重 要 性 を 指 摘 し た 。
8 . そ の 他
参 議 院 代 表 団 は 、 衆 議 院 議 員 と 共 に 日 本 国 会 代 表 団 と し て チ ョ ー
ド リ ー I P U 議 長 、 タ イ 代 表 団 、 韓 国 代 表 団 及 び F A O ( 国 連 食 糧
農 業 機 関 ) 特 別 調 整 官 と 懇 談 を 行 っ た 。 ま た 、 参 議 院 代 表 団 は U N
I S D R ( 国 連 国 際 防 災 戦 略 ) 及 び 現 地 児 童 養 護 施 設 を 視 察 し 意 見
交 換 を 行 っ た ほ か 、 現 地 邦 人 企 業 関 係 者 等 と 懇 談 を 行 っ た 。
さ ら に 高 野 議 員 は 日 ス イ ス 貿 易 関 係 に つ い て J E T R O と の 意 見
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交 換 、 日 本 の 農 水 産 品 の 現 地 流 通 状 況 に 関 す る 視 察 を 行 い 、 山 本 議
員 は ア ー ル ブ リ ュ ッ ト 美 術 館 ( 障 害 者 の 文 化 芸 術 振 興 を 目 的 と す る
美 術 館 ) 視 察 の ほ か 、 I T U ( 国 際 電 気 通 信 連 合 ) 及 び W H O ( 世
界 保 健 機 関 ) 職 員 と の 意 見 交 換 を 行 っ た 。
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別 添 1
シ リ ア 、 特 に ア レ ッ ポ に お け る 紛 争 及 び 深 刻 な 人 道 的 状 況 ( 2016年 10 月 26日 ( 水 )、 本 会 議 に て コ ン セ ン サ ス*に よ り 採 択 ) 第 135回 I P U 会 議 は 、 シ リ ア に お け る 、 そ の ほ と ん ど が 市 民 で あ る 数 十 万 も の 人 々 の 死 を 遺 憾 に 思 い 、 1100 万 人 以 上 の 人 々 が シ リ ア に お い て 住 居 を 失 い 、 そ の う ち 650 万 人 が 国 内 避 難 民 と な り 、 480 万 人 が 国 外 に 逃 れ な け れ ば な ら な か っ た こ と を 想 起 し 、 ま た 、 世 界 人 権 宣 言 、 市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 及 び 経 済 的 、 社 会 的 及 び 文 化 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 を 想 起 し 、 さ ら に 、 戦 時 に お け る 文 民 の 保 護 に 関 す る ジ ュ ネ ー ヴ 条 約 ( 1949 年 ) は 、 市 民 を 標 的 と し た 直 接 的 な 攻 撃 が 戦 争 犯 罪 を 構 成 す る こ と を 規 定 し て い る こ と を 想 起 し 、 第 134 回 I P U ル サ カ 会 議 、 第 133 回 I P U ジ ュ ネ ー ブ 会 議 、 第 128 回 I P U キ ト 会 議 の 決 議 及 び 、 特 に 第 126 回 I P U カ ン パ ラ 会 議 の 決 議 で あ る 、「 シ リ ア に お け る 虐 殺 及 び 人 権 侵 害 の 即 時 終 結 に 向 け た I P U の イ ニ シ ア チ ブ 、 並 び に 人 道 支 援 を 必 要 と し て い る 全 て の 者 に そ の ア ク セ ス を 保 障 す る と と も に 、 ア ラ ブ 連 盟 及 び 国 連 に よ る 関 連 す る 全 て の 諸 決 議 の 履 行 並 び に 和 平 努 力 を 支 持 す る 必 要 性 」 を 考 慮 し 、*シ リ ア ・ ア ラ ブ 共 和 国 代 表 団 は 、 決 議 全 体 に つ い て 拒 否 し た 。 キ ュ ー バ 代 表 団 は 、 前 文 パ ラ グ ラ フ 5 、 6 及 び 8 並 び に 本 文 パ ラ グ ラ フ 5 に つ い て 留 保 を 表 明 し た 。
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ま た 、2015 年 12 月 22 日 の 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 2258 中 の「 シ リ ア に お け る 住 民 を 保 護 す る シ リ ア 当 局 の 主 要 な 責 任 を 再 確 認 し そ し て 、 武 力 紛 争 の 当 事 者 は 、 文 民 を 保 護 す る た め あ ら ゆ る 実 行 可 能 な 措 置 を 講 じ な け れ ば な ら な い こ と を く り 返 し 表 明 し 、ま た 武 力 紛 争 の 全 て の 当 事 者 は 、ジ ャ ー ナ リ ス ト 、 メ デ ィ ア の 専 門 家 お よ び 関 連 要 員 を 含 む 、 武 力 紛 争 に お け る 文 民 の 保 護 に 関 連 す る 国 際 法 の 下 で 彼 ら に 適 用 可 能 な 義 務 を 完 全 に 遵 守 す る と い う 安 保 理 の 要 求 を こ れ に 関 連 し て 想 起 し 、」 を 考 慮 し 、 本 決 議 は 紛 争 に お け る シ リ ア 当 局 の 役 割 及 び シ リ ア で 活 動 し て い る テ ロ リ ス ト 集 団 の 活 動 を 強 調 す る こ と に 留 意 し 、 2015 年 の 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 2258 が「 人 道 原 則 と 国 際 人 道 法 に 適 合 す る 停 戦 合 意 が 、 文 民 の 生 命 を 守 る た め に 人 道 援 助 の 提 供 を 促 進 す る こ と に お い て 果 た す こ と が で き る 役 割 」 に 留 意 し て い る こ と を 強 調 し 、 シ リ ア に 関 す る 全 て の 人 権 理 事 会 決 議 を 考 慮 し 、 国 際 刑 事 裁 判 所 に 関 す る ロ ー マ 規 程 に 関 し て 、 人 道 に 対 す る 罪 を 含 め た 戦 争 犯 罪 を 犯 し た 者 は 、 責 任 を 問 わ れ な け れ ば な ら な い こ と に 留 意 し 、 こ れ ま で 尊 重 さ れ る こ と が な か っ た 、 武 力 紛 争 の 際 の 文 化 財 の 保 護 に 関 す る 条 約 に つ い て 、 シ リ ア が 署 名 及 び 批 准 し た こ と を 考 慮 し 、 ま た 、 人 類 の 遺 産 の ひ と つ で あ る 古 代 都 市 ア レ ッ ポ の 計 り 知 れ な い 歴 史 的 価 値 を 強 調 し 、 長 期 的 に は 、 シ リ ア の 人 々 の 状 況 は 人 道 的 な 手 段 に よ っ て は 改 善 さ れ ず 、 政 治 的 交 渉 に よ っ て の み 改 善 さ れ る こ と を 強 調 し 、 1 . 病 院 を 標 的 と す る 等 の シ リ ア の 市 民 に 対 す る 攻 撃 及 び 包 囲 さ れ た 地 域 に い る 55 万 人 を 超 え る 市 民 か ら ほ と ん ど 全 て の 人 道 支 援 を 奪 う 救 援 車 列 に 対 す る 攻 撃 及 び 妨 害 を 目 的 と す る 犯 罪 を 、 可 能 な 限 り 最 も 強 い 言 葉 で 非 難 す る 。 2 . 全 て の 紛 争 の 当 事 者 に 対 し 、 即 刻 、 市 民 及 び 民 間 イ ン フ ラ に 対 す る 攻- 10 -
撃 並 び に 都 市 の 包 囲 及 び 都 市 か ら の 強 制 的 な 避 難 を 停 止 す る と と も に 、 市 民 の 苦 痛 を 止 め る よ う 要 請 す る 。 3 .紛 争 の 当 事 者 に 対 し 、2016 年 9 月 1 2 日 の 停 戦 合 意 を 復 活 さ せ る よ う 要 請 す る 。 4 . 米 国 、 ロ シ ア 及 び 紛 争 に 関 係 の あ る 全 て の 当 事 者 に 対 し 、 当 該 紛 争 の 恒 久 的 、 平 和 的 及 び 政 治 的 解 決 並 び に シ リ ア の 統 一 性 及 び 一 体 性 の 維 持 を 目 指 し た 真 摯 な 対 話 を 再 開 し 、 男 女 及 び 子 ど も の 命 を 奪 う こ の 戦 争 の 終 結 を も た ら す よ う 強 く 要 請 す る 。 5 . 国 連 安 全 保 障 理 事 会 に 対 し 、 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 維 持 に つ い て の 主 要 な 責 任 を 果 た す こ と を 要 請 す る 。 6 . 紛 争 当 事 者 に 対 し 、 も っ ぱ ら 医 療 に 関 す る 任 務 を 行 う 要 員 、 医 療 従 事 者 及 び 国 連 職 員 を 含 む 人 道 支 援 要 員 の 移 動 の 安 全 と 自 由 を 確 保 す る よ う 強 く 要 請 し 、 人 道 支 援 に 関 す る 国 連 の イ ニ シ ア チ ブ を 支 援 す る 。 7 . 補 給 品 が 一 般 市 民 に 届 く こ と を 確 保 す る た め 、 速 や か で 、 妨 げ ら れ な い 、 恒 久 的 な 人 道 及 び 医 療 ア ク セ ス を 要 求 す る 。 8 . I P U 加 盟 国 議 会 に 対 し 、 紛 争 地 域 に 対 す る 緊 急 支 援 を 増 加 さ せ 、 可 能 な 限 り の 方 法 で 現 地 の 援 助 団 体 を 支 援 す る よ う 自 国 に 働 き か け る 行 動 に 着 手 す る よ う 要 請 す る 。 9 . 国 際 社 会 に 対 し 、 確 固 た る コ ミ ッ ト メ ン ト を 行 い 、 シ リ ア 難 民 の 大 量 流 入 の 影 響 を 緩 和 し 対 処 す る た め 難 民 に 援 助 を 提 供 し て い る シ リ ア の 近 隣 諸 国 に 十 分 な 支 援 を 行 う よ う 要 請 す る 。 10.ま た 、 議 会 人 に 対 し 、 シ リ ア 及 び イ ラ ク に お け る 人 類 の 遺 産 の 破 壊 に 端 を 発 し て 、 文 化 遺 産 を 維 持 し 、 擁 護 し 、 保 護 す る こ と を 意 図 し た イ ニ シ- 11 -
ア チ ブ で あ る 、 ユ ネ ス コ の 「 Unite4 heritage 」 キ ャ ン ペ ー ン を 支 援 す る よ う 自 国 の 政 府 に 促 す よ う 強 く 要 請 す る 。 11.I P U 加 盟 国 議 会 に 対 し 、 シ リ ア 情 勢 を 監 視 し 、 議 会 コ ミ ュ ニ テ ィ が シ リ ア 情 勢 の 改 善 の た め に 、 よ り 一 層 の 取 組 を 行 う こ と を 約 束 し 、 I P U の 常 駐 オ ブ ザ ー バ ー の 地 位 を 有 す る ア ラ ブ 連 盟 及 び ア ラ ブ 議 会 同 盟 を 含 む 全 て の 関 係 者 と 密 接 な 関 係 を 保 つ よ う 強 く 要 請 す る 。- 12 -
別 添 2
「 紛 争 の 前 兆 と し て の 人 権 侵 害 : 初 期 対 応 者 と し て 各 国 議 会 が 果 た す べ き 役 割 」 に 関 す る 一 般 討 議 成 果 文 書 ( 2 0 1 6 年 1 0 月 2 7 日 ( 木 )、 本 会 議 に て 承 認 ) 人 権 侵 害 と 無 縁 の 国 は な い 。広 範 囲 に 及 ぶ 疎 外 化 、不 平 等 、政 治 的 排 斥 、 宗 教 的 不 寛 容 、 貧 困 並 び に 、 表 現 の 自 由 及 び 平 和 的 な 集 会 と い っ た 基 本 的 自 由 の 過 度 の 制 限 が 、 世 界 中 に 存 在 す る 。 各 国 は 、 い ま だ 、 各 国 の 憲 法 及 び 国 際 条 約 へ の 調 印 を 通 じ て 表 明 し て い る 、 市 民 の 公 民 権 や 政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 、 文 化 的 権 利 の 完 全 な 実 現 に は 至 っ て い な い 。 人 権 の 課 題 に 対 処 で き な い こ と は 、 国 家 の 義 務 及 び 国 際 的 な 義 務 に 反 す る だ け で な く 、 侵 害 が 更 に 深 刻 化 及 び 広 範 化 し た 場 合 、 暴 力 的 紛 争 が 頻 発 す る 環 境 を 生 み 出 す 。 人 間 の 尊 厳 を 守 る 意 識 の 欠 如 が 蔓 延 し 、 民 主 主 義 の 繁 栄 に お い て 不 可 欠 な 情 報 及 び 思 想 の 自 由 な 流 れ が 遮 断 さ れ る こ と に よ り 、 暴 力 に 頼 り 目 的 を 達 成 し よ う と す る 者 た ち の 訴 求 力 は 増 加 の 一 途 を た ど る 。 こ れ ら の 状 況 は 、 不 十 分 な ガ バ ナ ン ス に よ っ て 悪 化 し 、 現 実 の 状 況 で あ れ 認 識 上 の 面 で あ れ 、 不 公 正 を も た ら す 。 今 日 、 世 界 は 壊 滅 的 な 結 果 を も た ら す 多 数 の 紛 争 を 目 の 当 た り に し て い る 。 議 会 は 、 人 権 及 び 法 の 支 配 の 守 護 者 で あ る 。 議 会 人 で あ る 我 々 は 市 民 の 「 耳 と 目 」 で あ り 、 市 民 の 懸 念 を 認 識 し て い る 。 こ う し た 懸 念 に つ い て 我 々 は 議 会 に お い て 発 言 で き る 立 場 に あ る 。 し た が っ て 、 我 々 は 、 深 刻 な 人 権 問 題 が 発 生 し た 際 に は 警 鐘 を 鳴 ら し 、 行 動 す る 最 前 線 に 立 っ て い る 。 こ う し た 観 点 か ら 、 我 々 は 以 下 の 点 に つ い て 勧 告 す る 。 勧 告 は 、 あ ら ゆ る 形 態 の 紛 争 の 潜 在 的 可 能 性 を 根 絶 す る た め 、 我 々 が 取 る べ き 具 体 的 な 行 動 の 重 要 な 枠 組 を 形 成 す る も の で あ ろ う 。- 13 -
勧 告 1 . 人 権 侵 害 を 防 止 す る 国 民 の 代 表 者 と し て 、 我 々 は 模 範 を 示 す と と も に 、 透 明 性 、 説 明 責 任 及 び 法 の 支 配 の 尊 重 を 我 々 の 指 導 原 則 に す べ き で あ る 。 人 権 侵 害 の 防 止 は 、 紛 争 の リ ス ク を 直 接 的 に 軽 減 す る と 我 々 は 確 信 し て い る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。 - 国 際 的 な 人 権 規 範 が 国 内 の 法 律 に 反 映 さ れ る こ と を 確 保 し 、 効 果 的 な 政 策 及 び 綱 領 の 策 定 に よ り そ の 法 律 が 実 施 さ れ る こ と 、 必 要 な 予 算 を 割 り 当 て 、 効 果 的 な 実 施 を 厳 し く 監 督 す る こ と を 確 実 に す る 。 - 以 下 の よ う な 、 効 果 的 な 議 会 の 人 権 委 員 会 を 創 設 す る 。 ( ⅰ ) 各 国 の 国 内 法 と 、 各 国 の 人 権 に 関 す る 義 務 及 び 国 際 的 な 人 権 に 関 す る 義 務 が 適 合 す る か 、 詳 細 に 調 査 す る 。 ( ⅱ ) 人 権 問 題 に つ い て 立 法 措 置 を 講 じ 、 必 要 に 応 じ て そ の 他 の イ ニ シ ア チ ブ に も 取 り 組 む 。 ( ⅲ ) 他 の 議 会 に 対 し 、 人 権 問 題 に 関 す る 助 言 を 行 う 。 ( ⅳ ) 情 報 提 供 を 要 求 し 、 証 人 に 質 疑 を 行 い 、 現 地 ミ ッ シ ョ ン を 実 施 す る 権 限 を 持 つ 。 - ジ ェ ン ダ ー に 基 づ く 暴 力 と 闘 い 、 拡 大 す る 格 差 に 対 処 し 、 女 性 及 び 女 児 の 社 会 的 地 位 を 向 上 さ せ 、 男 性 及 び 男 児 を 参 加 さ せ る こ と に よ っ て 、 男 ら し さ 及 び 暴 力 に 関 す る 先 入 観 を 含 む ジ ェ ン ダ ー に 関 す る ス テ レ オ タ イ プ に 対 処 す る 。 - ジ ェ ン ダ ー に 配 慮 し た ア プ ロ ー チ を 議 会 の 全 て の 活 動 に 適 用 し 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 対 処 し 女 性 の 権 利 に 関 す る コ ミ ッ ト メ ン ト を 遵 守 す る こ と を 社 会 の 全 て の セ ク タ ー に 要 求 す る 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 に 関 す る コ ン プ ラ イ- 14 -
ア ン ス 証 明 等 の 革 新 的 な 手 段 を 実 施 す る 。 - 法 律 の 執 行 官 が 、 必 要 と さ れ る 抑 制 を も っ て 、 国 際 的 な 基 本 的 人 権 の 基 準 を 尊 重 し な が ら 常 に 行 動 す る こ と を 確 実 に す る 。 - 重 層 的 に 変 化 す る 紛 争 の 力 学 を 監 視 す る た め 、 幅 広 い 情 報 源 か ら の 正 確 で 適 時 な 情 報 に ア ク セ ス で き る 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム の 構 築 を 推 進 す る 。 こ れ ら の メ カ ニ ズ ム は 、 国 内 各 地 の 幅 広 い 利 害 関 係 者 が 参 加 及 び 所 有 す る こ と が で き 、 ま た 、 必 要 に 応 じ た 対 応 の 策 定 に 貢 献 で き る も の で な け れ ば な ら な い 。 し た が っ て 、 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム は 、 市 民 と の 定 期 的 な 交 流 を 可 能 と す る も の で な け れ ば な ら な い 。 特 に 、 地 域 社 会 に お け る リ ス ク 要 素 を 発 見 す る の に 適 し た 立 場 に あ る 女 性 へ の 働 き か け に 着 目 し た も の で な け れ ば な ら な い 。 人 権 侵 害 の 報 告 の た め の ホ ッ ト ラ イ ン は 、 こ う し た 早 期 警 報 メ カ ニ ズ ム の 実 例 の 一 つ と 言 い う る 。 こ う し た メ カ ニ ズ ム に は 、 女 性 を 差 別 す る 法 規 や 慣 習 に 関 す る 情 報 や 、 家 庭 内 及 び 性 的 暴 力 の 頻 度 な ど 、 性 差 が 考 慮 さ れ た 指 標 が 用 い ら れ な け れ ば な ら な い 。 - 特 に 国 際 人 権 法 及 び 国 際 人 道 法 な ど の 国 際 法 上 の 義 務 に 適 合 す る 方 法 で 、 対 話 を 促 進 し 、 ヘ イ ト ス ピ ー チ 及 び 嫌 悪 の 扇 動 を 抑 止 し 、 他 者 の 人 権 尊 重 を 確 保 す る 法 律 を 制 定 す る こ と に よ り 、 暴 力 的 な 過 激 主 義 が 確 実 に 防 止 及 び 対 抗 さ れ る よ う に す る 。 2 . 人 権 侵 害 が 生 じ た と き は 立 ち 向 か う 人 権 侵 害 が 生 じ て し ま っ た と き 、 我 々 は し ば し ば い ち 早 く そ の こ と に 気 が 付 く 。 そ の よ う な 侵 害 が 紛 争 へ と 悪 化 す る こ と を 避 け る た め 、 積 極 的 に そ れ ら を 非 難 し な く て は な ら な い 。 我 々 は 、 い か な る 侵 害 で あ ろ う と 、 そ れ が ど こ で 生 じ よ う と 、 救 済 策 を 見 出 す た め に 辛 抱 強 く 取 り 組 む べ き で あ る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。- 15 -
- 人 権 侵 害 を 調 査 し 、 独 立 し た 公 平 な 司 法 制 度 を 通 じ た 人 権 侵 害 の 加 害 者 の 訴 追 を 強 く 求 め る と と も に 、 司 法 が 名 実 と も に 実 施 さ れ る よ う 、 判 決 が 十 分 に 実 行 さ れ る こ と を 保 証 す る 。 - 補 償 を 命 じ 、 そ の 決 定 を 国 内 に お い て 担 保 す る 権 限 を 有 す る 独 立 し た 機 関 に 対 し 、 自 ら の 人 権 が 尊 重 さ れ て い な い 、 保 護 さ れ て い な い 又 は 全 う さ れ て い な い と 主 張 す る 全 て の 人 が 、 有 効 な 救 済 策 を 追 求 で き る こ と を 保 証 す る 。 - 憲 法 上 の 権 利 の 侵 害 に 関 連 し た 市 民 の 申 立 て を 調 査 す る 組 織 の 創 設 を 保 証 し 、 記 録 さ れ た 苦 情 及 び 未 解 決 の 苦 情 が 満 足 に 解 決 さ れ る よ う に 、 そ の 数 の ア ッ プ デ ー ト を 受 領 す る こ と も 含 め 、 組 織 の 機 能 を 監 視 す る た め に こ れ ら の 組 織 を 所 管 す る 政 府 の 部 署 に 定 期 的 に 口 頭 及 び 書 面 で 質 問 す る 。 - 国 内 の 人 権 委 員 会 に 報 告 さ れ た あ ら ゆ る 人 権 侵 害 に 取 り 組 む た め 、 同 委 員 会 と 協 力 す る 。 - 国 会 議 員 を リ ス ク か ら 保 護 す る : 国 会 議 員 が 、 議 会 の 免 責 の 原 則 が 確 実 に 遵 守 さ れ る こ と を 含 め 、 報 復 に 怯 え る こ と な く 自 由 に 自 ら を 表 現 で き る こ と を 保 証 す る 有 効 な 手 段 を 創 設 し 、 実 施 す る 。 - 背 景 及 び 見 解 に か か わ ら ず 、 議 会 人 に 対 す る 脅 威 及 び 攻 撃 を 非 難 し 、 そ の よ う な 犯 罪 に 対 す る 有 効 な 捜 査 及 び 必 要 な 安 全 対 策 の 採 用 を 促 進 す る 。 - I P U 国 会 議 員 の 人 権 委 員 会 に よ っ て I P U 評 議 員 会 に 提 起 さ れ た 事 例 に つ い て 、 同 評 議 員 会 の 懸 念 を 関 係 当 局 と と も に 体 系 的 に 表 明 す る こ と で 、人 権 が 脅 か さ れ て い る 世 界 中 の 議 会 人 と 連 帯 し て 行 動 す る と と も に 、 未 解 決 の 事 例 を 決 し て 諦 め な い 。 3 . あ ら ゆ る 利 害 関 係 者 と の 、 よ り 密 接 な 協 力 を 通 し て 、 包 括 的 で 統 合 さ れ た 社 会 を 構 築 す る- 16 -
平 和 が 広 が る よ う 人 権 を 促 進 さ せ る 一 方 で 、 我 々 は 社 会 の 多 様 性 を 尊 重 し 、 誰 一 人 取 り 残 さ れ な い よ う に し な け れ ば な ら な い 。 我 々 の 意 思 決 定 プ ロ セ ス が 包 括 的 で あ る こ と を 確 認 し 、 あ ら ゆ る 利 害 関 係 者 が 密 接 な 協 力 の 下 で 取 り 組 む こ と を 奨 励 す る こ と に よ っ て 、 我 々 は こ れ を 実 行 で き る 。 そ れ ゆ え 、 我 々 は 以 下 の こ と を 行 わ な け れ ば な ら な い 。 - 議 会 が 、 我 々 の 社 会 の 多 様 性 を 反 映 す る こ と を 保 証 す る 。 - 政 治 観 、 年 齢 、 ジ ェ ン ダ ー 、 宗 教 又 は 社 会 的 立 場 に か か わ ら ず 、 我 々 の コ ミ ュ ニ テ ィ の 至 る 所 で 、 平 等 、 社 会 正 義 、 平 和 及 び 連 帯 の 文 化 を 構 築 す る 。 - 対 話 を 通 し て 争 い を 解 決 す る こ と を 前 提 と し た 寛 容 な 社 会 を 促 進 す る 。 - 女 性 、 若 者 、 マ イ ノ リ テ ィ 及 び 不 利 な 条 件 に 置 か れ た グ ル ー プ を 含 め た 社 会 の 全 て の セ ク タ ー を 、 広 範 囲 な 協 議 を 通 し て 意 思 決 定 プ ロ セ ス に 関 与 さ せ る 。 - コ ミ ュ ニ テ ィ に 関 与 し 、 政 策 立 案 に 貢 献 す る 権 限 を 与 え ら れ た と き 、 若 者 は 平 和 及 び 前 向 き な 変 革 の 強 力 な 原 動 力 と な る こ と を 心 に 留 め 、地 域 、 国 内 及 び 国 際 的 に 貢 献 す る た め の 場 を 開 く こ と で 若 者 の エ ネ ル ギ ー 及 び 情 熱 を 活 用 す る 。 - 恒 久 的 な 平 和 を 構 築 し 、 維 持 す る た め に 、 よ り 調 和 の と れ た 、 強 化 さ れ た 努 力 が な さ れ る よ う 、 特 に 人 権 の 促 進 に 積 極 的 な 、 市 民 社 会 及 び 非 政 府 組 織 と 提 携 す る 。 こ れ ら の 勧 告 は 決 し て 全 て を 網 羅 す る も の で は な い 。し か し 、そ れ ら は 、 我 々 が 人 権 侵 害 へ の 取 組 に 貢 献 す る 上 で の 基 礎 を 提 供 し て く れ る 。 我 々 に は 、 重 要 な 貢 献 を 行 う 手 段 が あ る 。 我 々 に 必 要 な の は 政 治 的 意 志 だ け で あ る 。 我 々 が 守 っ て い る 動 機 、 す な わ ち 、 我 々 の 国 々 の 安 定 及 び 我 々 が 代 表- 17 -
す る 機 会 に 恵 ま れ た 人 々 の 平 和 を 考 え れ ば 、 そ の 意 志 を 奮 い 起 こ す こ と は あ ま り 難 し い こ と で は な い 。