理学 療 法 学
第
31
巻 第
5
号
283
〜
290
頁 (
2004
年
)報 告
健 常 成
人
に
お
け
る
体
重
免
荷 歩 行
の
下 肢 筋 電 図解 析
*大 畑 光 司
* *市 橋 則 明
要 旨
歩 行 障 害 を 有 す
る患 者
に対 す
る体 重 免 荷 装 置 を用
いた
トレッ ドミ ルに よ る歩 行
トレー
ニ ング が開 発
さ れ,
近年
,
その有 効 性
につ いて多
く報 告
さ れて きてい る。
この トレー
ニ ングの特 徴
は歩 行 時
の床
反力
を減
少
さ せ る だけ
で なく
,
必要
なエ ネルギー
消 費
を少
なくす
る こ と ができ
る こ とであ
る。 しか しこ の とき
の下
肢 筋
の筋 電 図学 的特 徴
につ いて は一
致
した見 解
に至っ て お らず
,
詳 細
は不 明
であ
る。
本 研 究
の 凵的
は,
体
重 免 荷 歩 行 を行
った と き
の下肢 筋 活 動 を測 定
し,
免 荷 量
の増 加
に よ る ド肢 筋 活 動
の変 化 を
明 ら か に す る こと
であ
る。健 常 成 人
10
名 を対 象 と
し,
トレッ ド ミルE
を時 速
4km
で歩 行
さ せ た。
全 荷 重 歩
行
お よ びハー
ネス式の 体 重 免 荷 装 置 を 用い た 歩 行 (10
〜
50
% 免荷 )
を行
わ せ,
こ の と きの筋 電 図
を記 録
し た。測 定 筋
は大 腿 直 筋 (
RF
)
,
内 側 広 筋 (
VM
>
,
外 側 広 筋
(
VL
)
,
半 膜 様 筋
(
SM
)
,
大 腿
二頭 筋 (
BF
)
,
前 脛 骨 筋
(
TA
)
,
内 側 腓 腹 筋 (
GC
) と した。一
歩 行
周期
の筋 活 動
量の平 均値
に おい て,
荷 重 量の 減 少 に 伴っ て有 意 に減 少
した筋
はRF
,VM
,VL ,
GC
であっ た。
逆 にSM
で は有
意 な増 加
を示
し たttSM
の増 加
は,
重力
に よ る加 速 度
が減 少
し て歩 行
の推進 力
が得
ら れ にく く
な る た め に,
代 償 的
に働
いたの ではな
い か と考 え
ら れ,
体 重 免 荷 歩 行 トレー
ニ ン グ が 重直 方 向
へ の免荷
に働 く
だけ
でなく
,
水 平 方 向
の推 進 力
に対
し て抵 抗
と して働 く可 能性
があ
る ことが 示 唆 され
た。キ
ー
ワー
ド体 重 免荷
,
BWS
歩 行
,
下肢 筋 電 図
は じ め に近 年
,
歩 行 障 害 を有 す
る患 者
に対
す る歩 行
トレー
ニ ン グと
してFinch
とBarbeau
上:12 ) に よ り開
発 さ れ た体
重 免荷 装 置
を用
い たト
レ ッド
ミ ル歩 行
(
Body
Weight
Supported
treadmM walking ;以
卜’
BWS
歩 行 )
に よ る トレー
ニ ング が注
目 を集
め てい る。
この シス テ ムは ヒ方 か らハー
ネス を 用い て吊 り
下 げて,
ド肢
に か か る荷
重量
を 制 限 し,
トレッ ドミル上 を歩 行
させ る トレー
ニ ン グ方
法
である。
Hesse
ら3)は片 麻 痺 患 者
7
名
を対 象
に,
BWS
歩 行 ト
レー
ニ ング につ い てABA
デ ザ インで症
例 研究 を
行
っ た 結 果,
歩行
能 力 が 改 善 し たこ と を 報 告 してい る。
Visintin
ら4 )は片 麻 痺
患者
50
名
に対
してBWS
歩 行 ト
レー
ニ ングの無 作 為 対 照 試 験
を行
い,
バ ラ ン ス機 能
や運動
機 能
の回復
,
歩 行
の スピー
ドや耐 久 性
の改 善
が得
ら れ た と してい る。ま
た,
脳 性 麻 痺 児
「
J〕 6) , パー
キンソ ン病 患 *Elcctremyographic Analysis of Lower Extremity N
’
Tuscles fo「TrcadmiLt Walk正ng with Body Weight Supp〔)rt in HeaTthy Sし1bjects
* *
京 都大 学 医 学 部 保 健 学 科
〔〒606
−
8507 京都 市左 亰 区 聖 護 院川原 町53)Koji Ohaτa
.
RPT.
MS,
Noriaki lchihashi,
RPT:Sじb〔x}10f IlealthSdences
,
Faculty of Medici[le、
Kyo匸o University (受 付 日 2003 年 ll 月 17日/ 受 理日 2004年3月20H )者
7),
脊 髄 損 傷 患 者
8)につ い ても
BWS
歩 行
トレー
ニ ン グの効 果
が報 告
さ れてい る。 この よう
にBWS
歩 行 ト
レー
ニ ン グ は中 枢 神 経 障 害
の患 者
に対 す
る有 益 な歩 行 ト
レー
ニ ン グ であ
る口∫能 性
があ
る。BWS
歩 行
が健 常 者
の歩 行
に与
え る影
響
の詳
細 を明 確
にす
ること
は,
歩 行 障
害
を もつ患 者
に対
するプロ トコー
ルの作
成や評 価
を行 う
上で重要
であ
る。近 年
,
BWS
歩
行
が健 常 者
に与 え
る運 動 生 理 学 的 影響
につ い ての いく
つ かの報 告
が な さ れてい る,
特 にBwS
歩 行 に よ る 大 き な変 化
と し て,酸 素 消 費
の減
少 が報 告
さ れており
9) 10),
そ れ ぞ れの研
究 での結 果
は お お む ね一
致
して い る。
Cotby
ら9〕は20
% の体
重免 荷
に より
6
%の減 少
,
40
% の体 重 免 荷
により酸 素 消 費
が12
%減 少
し たと
し て お り,Danielsson
ら
le)は30
%の体 重 免 荷
に よ り9
%程 度
の酸
素
消
費
の減
少 が得
ら れ た と して いる。 これ はBWS
に より
歩行
に 必要
な筋 活 動
が低 下 す
る ことによると考 え
られ
る。
し か し 筋 電 図に よる研 究ではFinch
ら2)が脊 柱 起
立筋
,
中 殿 筋
,
腓 腹 筋
の減 少
と前 脛骨 筋
の増 加
が見
ら れ た と してい るのに対
し,
Colby
ら9) は 大腿 直 筋 活 動
が減 少
し た と報 告 してお り,
・
致 し た 見解
が得
られ てい ない。
この 原因
の ひ とつ と しては,
歩 行 速 度
の設 定 方法
の違
い に よ る 可 能 性 が あ る。Colby
ら9〕は 歩行
速度
をユ.
34
m /s284
理 学 療 法学
第31
巻 第5号
で 統一
一
一
して いる の に対
し,
Finch
ら2)は 全荷
重歩 行
で,
1
.
36m
/s,
30
%
のBWS
歩 行
でO
.
97m
/s,
50
%
のBWS
歩 行
でO
.
85
m /s,
と順
に歩 行 速 度 を変 え
てい る。ま
た二 つ め の 原 因 と して,
両者
とも
に 通常
の全 荷 重 歩 行 を
100
% と し て筋
電 図の振幅
を 正 規化
し てい る こ と が挙
げ ら れる。
こ のた め通 常 歩 行
の筋 活 動
の違
い に大き く影 響
を受 け
た可 能 性
があ
る。 さ らに,
こ れ ら の研 究
で調
べ ら れ た筋 活 動 量
の変 化
は,
立 脚
及 び遊 脚 期
の区 別
が さ れ て お らず
,
どの時 期に ど れ だ けの筋 活 動の変 化 が 見 ら れ るか
につ いて の検 討 が な さ
れていな
い。 こ の ような
BWS
歩 行
の特 性 を知
るこ とは
,
そ
のト
レー
ニ ング効 果 を考 え
る た め に 重 要 な 基礎
的知
見 と な る と考
え
る。
本
研究
の 目的
は,
同
一
歩 行
速度
に おい て,BWS
歩 行
に お け る免 荷
量
の増 加
が最 大 随 意収 縮
で正規 化
さ れ た下肢 筋
の筋 活 動
量
の変 化
に与 え
る影 響 を 明確
にす
ること
であ
る。対 象 と方 法
1
.
対 象
神 経 学
的,
整 形 外 科 的 障 害
のな
い健 常 成 人 男 性
6
名
,
女 性
4 名
を対
象
と し た。
対
象
者
の平 均 年 齢
は22
,
1
±3.
4
歳
で,
身 体 特 性
は身 長
166
.
0
±8,
9cm ,
体 重
57
.
9
±7
,
7kg
であ
っ た。被 実 験 者
には研 究
の方 法
を説
明 し,
研究
に参 加 す
ること
に対 す
る同意 を得 た
。2
.
BWS
歩 行
の設 定
体 重 免 荷
はハー
ネス式
の体
重免 荷
装置 (
BIODEX
社製
ア ン ウェ イン グ シ ス テ ムBDX
−
UWS
)
を用
い た。
こ の 装置
は,吊
り上げ 式
の体 重 免荷 装 置
で,
体 幹 か ら大 腿 部
まで を覆
う
ベ ス ト を装 着
し,
伸 張 性
のあ
るワイ
ヤー
で 固定
したのち
, k.
h
’
に吊 り
上 げ ることで下 肢 に か か る 体 重を 減 少
さ せ,
免 荷 した状 態
でト
レ ッド
ミ ル上 を歩 行
さ せ るこ と が で き る もの で あ る(
図1
)
。
本 研 究
に おけ
る免
荷
量の設 定 方 法
は 以 下の と お りで あ る。
まず
ベ ス トを着
用 し
ワイ ヤー
に固 定
し た後
,
ワイ ヤー
を 弛 ませ た 状態
で,
トレ ト ミノレ ?一
;(4km/’
h, 図1
BWS
歩 行の設 定牽 引 部
の直
ドで立位
を行
わ せ た。
次に ワイヤー
を巻
一
ヒげ
て ゆき
,
装 置
にか か
る荷 重 量 を
ディ スプレイ
により確 認
し なが ら
,
免荷 量 を 設定 し
た。歩 行 中
の免荷 量
は身 体
の揺
れの た め に一
定
に す ること は で き ない。
そこで 装 置 に か か る荷
重 量の変 動
の中
心 が,
目標
とす
る免荷
量 に一
致
す
るよう
に デ ィスプレイ を 目視
に て確 認
し,
歩 行 中
の免
荷 量 を調節
した。ま
たこ の免 荷 装 置
で は牽 引 部
と身体
の位 置
がず
れ ると
,
垂 直 方 向
以外
に牽 引 力
が作
用す
ること
に な る。
本 研 究で はこれ を避 け る た め に,
トレッ ドミル歩 行 時
の身体 位 置
を一
定
に して歩 行
でき
る よう
にな
るま
で十 分 な練 習 を行
っ た。歩 行 時
の荷 重
の設 定
は6
通 り
とし,
全 荷 重 (
Full
Body
Weight
: 以 下FBW
) 歩行
および
体
重
の10
%,20
%,30
%,40
%,50
% の免 荷 量 を
目標
と して設
定
を行
い,
BWS
歩行
を行
わ せ た。
歩行
の順 番
はFBW
歩 行 か ら始
め,
10
%
か ら50
% ま
で順
に免
荷 量 を増 加
させた
。BWS
歩 行
は各 免荷 量
ご とに十 分 練
習 を さ せ て か ら 計 測 を行
っ た。
歩 行
には トレッ ドミ ル(
酒井 医 療 製
SPR−
760
ユ)
を 用い,
歩行
速 度 を4km
/h
と し た。
3.
筋 電
図測 定
筋 電 図 の 測 定 に は 表 面
筋
電 計(
Noraxon
社 製
MYOSYSTEM
EM
−
103
; アンプ周 波 数 帯
域 ユO−
500
Hz
)
を用
いた。
各体 重 設 定 を行
っ た後
に歩 行
さ せ,
安 定
して か らの10
歩 行
周期
の筋 電
図波 形
をサ ンプリ ン グ周 波 数
1000Hz
でパー
ソナル コ ンピュー
タ に取 り込
み,
デー
タ の大 き な ば らつ きが ない ことを確 認
して保 存
した
。
測 定
筋
は大腿 直 筋 (
M
.
Rectus
Femoris
: 以下
RF
)
,
内
側 広筋
(
M
.
Vastus
Medialis
: 以下
VM
)
,
外 側 広 筋 (
M
.
Vastus
Lateralis
: 以 下VL
)
,
半 膜 様 筋
(
M
.
Semimembranosus
:以 下SM
)
, 大 腿二頭筋
(
M .
Biceps
Femoris
:以下
BF
)
,
前脛 骨
筋(
M
,
Tibialis
Anterior
:以下
TA
)
,
腓 腹 筋 内 側 頭
(
M
.
Gastrocunemius
Medial
Head
; 以 下GC
) と
した
。表 面 電 極
には
ディ スポー
サ ブ ル銀 塩 化 銀 電 極 を 用い,
電 極 間 距 離2cm
で貼 付
した。
ま
たアー
ス電 極
は,
各 測 定筋
の近傍
に あ る骨
突 出部
に貼
付 し
た。電 極 間抵 抗
10k
Ω以下
と な る ま で皮 膚 処
理 を行
い, 双極 誘 導
で導 出
し た。ま
た同 時
に フッ トスイッ チ と し て 圧セ ンサー
(
Noraxon
社 製
ノ ル スイ
ッ チ) を踵 部
と第
五中足 骨
,
第
一
中足 骨
に貼 付 し
た。
得
られ たデー
タ を 筋 電 図解 析
ソ フ ト(
Noraxon
社 製
MYORESEACH
2.
02
)
を 用い,100msec
毎
の 二乗 平 均 平 方 根
(
Root
Mean
Square
以 下RMS
)
により平 滑 化 し
た。
ま
た波 形
の 振幅
は,3
秒
間の最大 等
尺性 収 縮
を100
% とし て正規
化
し,
%RMSEMG
と
して表
し た。4
.
統 計 方法
一
歩 行 周 期
に か か る時 間
,
立脚 期
,
遊 脚 期
の割 合
の健
常
成人 に おける体
重 免 荷歩 行の ド肢 筋 電 図 解 析285
表
1
一
歩 行 周 期にお け る各 筋の平 均 %RMSEMG
FBW
FBW と 10%BWS
20
%BWS
30
%BWS
40
%BWS
50
%BWS
50
%BWS
にF
値 お ける変 化 P値 内側 広 筋13
.
5
±8
.
8
10
.
6
±6
.
8
10.
0±5.
2“
9.
4±5.
7*
8
.
6
±5
.
9
*
7
.
9
±5
.
7
’
−
5
,
5
±5
,
2 7.
643 〈0.
001FBW
比100
82
,
3
±18.
2 80.
9±16.
3 715±18.
9 62,
6±20.
4 59.
1±2U
−
40
.
9
±21
.
1
大 腿直筋
9
.
5±4.
47
.
7
±3
.
4
“
6
.
9
±3
.
1
’6
.
4
±2
.
ぴ6
.
2±2.
4“
6
.
0±2
.
3
*
−
3
.
5
±2
.
9
FBW
比100
83
.
0
±18
.
5
74
.
7
±17
.
1
68
.
4±17.
0
66
.
2±16.
2 64.
7±18.
0−
35,
3±18.
010.
241
<0
.
001
外 側 広 筋 13.
5±9.
0 10.
5±5,
9 10.
3±6
.
5 10.
1±6
.
9
8
.
1
±4
.
9
*
7
.
7
±4
.
6
’
−
5
.
8
±6
.
8
FBW
比100
84
,
0
±15.
8 78.
4±16.
3 72.
5± 12,
8 65.
7±19.
262
.
2
±19.
0
−
378
±19
,
04
.
859 <0.
Ol半
膜様
筋土
5
.
6
±6
.
2
17
,
0
±6
.
8
17
.
6±6.
818
,
8±8.
519
.
4±10.
921
.
8±ll.
9
*
6
.
3
±9
.
0
3
,
077
<
0
.
05
FBW
比100
111
.
5
±23
.
2
117
.
0
±28
.
7
122
.
8
±33
.
7
124.
1±35.
6 14L9±21.
〕 41,
9±21.
1 大 腿二頭 筋 12.
5±10.
5 12.
8±10,
l l2.
2±8.
l l3.
1±9
.
3
13
,
0
±7
.
5
14
.
1
±9
.
2
FBW
比 100 18
.
6±16.
5 ⊥13.
8
±29
.
9
120.
7±34
.
0
130
,
1
±48
,
8
147
.
9
±72
.
41
、
7
±8
,
9
0
,
349
0
,
880
47
.
9
±72
.
4
前脛骨 筋21
.
6
±12
.
6
19,
9
±1LI l8.
9±9.
4 19.
4±9.
3 ユ8.
7±9,
1 18,
6±9.
1−
2
.
9
±5.
52
.
140
0
.
078
FBW
比100
93
.
0
±10
.
3
89
.
9
±12
.
3
93
.
2
±14.
0
89
,
5
±11.
8
88.
8± 12.
6−
IL2±12.
6
内 側腓 腹 筋 19.
6
±1
].
9
17
.
0
±U
.
2
15
.
4
±8
.
7
ホ
15
.
3
±9
.
1
’
13
,
6
±8
.
1’
14,
5
±9.
ギー
5.
1±6、
3 5.
924 <.
OOl FBW 比 100 84.
9±8.
980
.
2
±6
.
7 77.
2
±162
69
,
4
±6
.
6
73
.
5
±21
.
4
−
26
.
5
±21
.
4
df
=
5
.
FBW
:Full
Body
Weight
,
BWS
:BedyWeight
Support.
多 重比較 (
Tukey
−
Kramer
)による比 較:FBW との有 意 差’
p<0.
05.
FBW
比 はFBW
の値
を100
とし たと きの各
BWS
の比 率とする.
BWS
歩 行
に よ る変 化 を比 較 し
,
また
一
歩 行 周 期
にお け
る 平 均 %RMSEMG
と 立 脚 期,
遊 脚期
ご との 平均
%RMSEMG
の変 化
を調
べ た。
統 計
処 理 に は一
元 配 置 反復
測 定 分 散 分 析
と多
重 比較
(
Tukey
Kramer 検定
)
に より
,
有 意水 準
5
%で検 定
を行
っ た。
結
果
1
.一
歩 行 周 期
に 立脚 期
が占
め る割 合
の変化
.
.
一
歩 行 周 期
の平 均 時 間
はFBW
で1
,
1
±0
.
1
秒
,
BWS
の10
〜50
%で1
,
1
±0
.
1
〜
1
.
2
±0
.
1
秒
とほ ぼ.
一
定
であ
り,免荷
に よ る変 化
は 認 め られ な かっ た。
しか し歩 行 周
期中
の立 脚期
の し め る割 合
はFBW
で59
,
9
±2
.
9
%だ
っ たの に対 し
て,
BWS
歩 行
では10
%BWS
で59
,
4
±4
,
1
%
,
20
%
BWS
で57
,
7
±2
.
9
%
,30
%
BWS
で548
±40
%
,
40
%BWS
で53
.
1
±5
.
5
%,
50
%BWS
で51,
9
±3,
0
% と,
免 荷
量の増 加
に伴
っ て,有
意 に低
下 し ていた(
df=5
,F
=
7
.
619
,
p
<0
.
001
)
D2.一
歩 行 周 期
に おけ
る筋 電 図
の変 化
.
.
・
歩 行 周 期 を 平 均 し た %RMSEMG
に おい て,
免荷
に伴
っ て有 意
に減 少
し た筋
はVM
(
df≡
5
,
F =
7
,
643
, p <0.
001
)
,RF
(
df=
5
,
F =
10
,
241,
p <0,
001
>
,
VL
(
df
=
5
,
F
=
4
.
859
,
p <0
,
01
),
GC
(df=
5
,
F
−
5
.
924
,
p <0
,
001
)
で あっ た(
表
1
)
。FBW
の.
一
歩行
周期
の %RMSEMG
と 比 較 し て,
有 意 な減
少 を 示 し始 め る免 荷 量
は,
VM
が20
%BWS
,
RF
が10
%BWS
,
VL
が40
%BWS
,GC
が20
%BWS
で あっ た。
逆 に免
荷 して い るにも か
か わ らず
,
SM
の50
%
BWS
の%
RMSEMG
は218
±ll
.
9
% と なり
,
FBW
の15
,
6
±6
,
2
%
に比べ,
有
意
な増 加 を
示 し た(
df≡5
,F ≡3.
077
,p
〈0.
05
)
。最
大随 意 収
縮 を100
%とす
る %RMSEMG
の場 合
,
FBW
と50
%BWS
との 変 化 は,
VM
が5
.
5
±5
.
2
%,
RF
が3,
5
±2
,
9
%
,
VL
が5
.
8
±6
.
8
%
,
GC
が5
.
1
±6
.
3
%
の減
少
,
SM
が6,
3
±9,
0
%の増 加
と なっ た。
これに対
して・
歩 行 周
期のFBW
に対 す
る変
化率
の場
合
, 同 じ免荷 量
でVM
が40
,
9
±21
.
1
%,RF
が35、
3
±18
.
0
%,VL
が37
.
8
± ユ9
.
0
%の減 少
を示
し,
SM
が41
.
9
±21
,
1
%の増 加
を 示
した。 し か しGC
につ い て は26.
5
±21.
4
%
し か減 少
し てい な かっ た。
ま た 次
に立 脚 期 と 遊 脚 期
に分 け
てBWS
の影 響
につ い ての 比較
を行
っ た(
図
2
)
。
上記
の筋
以 外
に立脚 期
で はTA
の有 意 な減 少
が認
め ら れ(
df
=
5
,
F
匹
4
.
544,
p
<0
.
01
)
,
遊 脚 期
で はBF
の有 意 な 減 少
が認
め られ た(
df≡5,
F
=
3.
659,
p
〈O.
Ol
)
。3
.・・
歩 行 周 期
にお け る 筋 電 図 変 化の詳
細図
3,
4
,
5
は歩 行 周 期
の1
%
ご とに平 均 %
RMSEMG
を算 出
して作 成
した波 形
であ り
,
これ らの波 形 を も
とに,
免
荷 量の増加
に伴
う
変 化
の特 徴 を
概観 す
る。
図3
のVM
,RF ,
VL
の波 形
は踵 接 地 直 後
に最 初
の ピー
ク(
A
)
があ
る が,
免 荷 量の増 加 に伴
っ てこの ピー
ク は減 少
してい た。
また 立脚後 期
か ら遊 脚 期
にか けて 二番
目の ピー
ク(
B
)
があ
る が,
こ の値 も免 荷 量
の増 加
に伴 う 減 少 を示 し
た。 図4
のSM ,
BF
の波形
で は遊 脚期
の終
わり
か ら立脚 初
期
に か けて大 き
な ピー
ク(
C
)
があ
る が,
こ の値
はSM
286
理学療法
学第
31
巻 第5号 (%駁餅s
鶏 醗{}) 50’
45・
40・
・:
:
1
脚 25 期 201510}
50 痢翻 広筋 大 腿 廬 筋 * 外 讎 広 筋 単 糢 様 筋 大腿篇頭鯖 簡脛 鬱筋 内麟 齢瞹筋 (% 〔粥SI
弸G
) 50,
1
訟
遊 ・・}
30払 脚25
期 20 亅5i給
1
5i
。
L
** * * $ **事・
幽 勤
内馴広筋 大麗直筋 ** 黎 ミ.
票.
菷
r
外魍広筋 半護橡 籘 火醜二願筋 前 脛骨筋儡
内鮑腓 腹 筋OFBW
ma
to
%BWS
國20%8WS 琶】30%BWS 露4e%BWS 図2
立 脚 期 と遊 脚期の %RMSEMG
口50%8WSdf
=
5
.
FBW
:Futl
Body
Weight
,
BWS
:Body
Weight
Support
.
多重 比 較 〔Tukey
.
Kramer
)に よ る 比較:FBW
との有 意 差*
p<0
.
05
.
固 ≦ Q唖 国 ζ O:
:
[
t20
lo B 内側 広筋 040 30 ざ 匹 ≦ ロo 匡 ζ O2010
A↓
・ 大腿直 筋0
_
一
一
__一
一
一
一
一
一
_一
__.
一
_一
_一
一
一
_一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
_一
一
一
一
一
一
_一
一
一
一
.
40 [↓
A I00 3
2 重 四 ζ
ω
鵑 ζ O10 。L
一
0 20一
FBW…’
30%BWS 40 60一
’
rOOIoBWS−
20%BWS 40%BWS50 %BWS 80.
_
.
_
.
_ _
__
」 loe %GC
図3
・
歩行 周期に お け る 大 腿 四 頭 筋 の% RMSEMG 波 形 に 対 す るBWS
歩 行の影 響.
%GC
:・
歩 行 周 期の時 間 を100
% とし て正 規化 した値.
A :立脚 初期の第一
ピー
ク,
B :立 脚 中 期か ら後期の第ニ ピー
ク.
健 常 成 人に おける体重
免荷歩行
の 下肢 筋 電 図解 析287
塞 肉 ζ し。 両 ζ O 605040302Q ’° 、1
「妻
:
訂
1
・・ 2010 大 腿二頭筋C
↓
0 一.
.
L−一
一
一
一
一
一
一
一
⊥一
一
.
.
一
.
・
0 20 40 60一
FBW’“.
10%BWS−
20%BWS−・
・
.
30%BWS−
40%BWS 5Q%BWS ⊥ 08 図4一
歩 行 周期に お け るハ ム ス ト リングス の%RMSEMG
波形に 対するBWS
歩 行 100 の影 響,
%GC %GC
:一
歩 行 周 期の時 間を100
% と し て 正 規 化した値.
C
:遊 脚 期か ら立 脚 初 期の ピー
ク.
匹 ≦ しo 団 ζ(
一
さ一
窒
皿 罰 ζ Q 603 D50403 。20
’860OO
气げ
4T3020100L
−一
一
一
一
」
一
一
一
一
一
一
_一巾
__
L−一
一
一
一
」
一
一
一
一
一
一
」
一
一
一
一
_」.
一
_
」
_
.
』
0 2D 40 60 80一
FBW・
・
一
・
30%Bws’
°
.
IOOt6BWS−
40%BWS一
20%BWS 5D%BWS.
−
lDO %GC 図5
一
歩 行周期に お ける 下腿 筋 群の%RMSEMG
波 形に対 するBWS
歩 行の影響
%GC :一
歩 行 周 期の時 間を100% と し て 正規 化し た値,
前脛 骨 筋 D :踵 接 地 直 後の 第一
ピー
ク,
E
:遊 脚 初 期の第.
ニピー
ク 内側腓 腹 筋F
:立 脚 初 期の 第一
ピー
ク,
G
:立 脚 後 期の 第ニ ピー
ク では増 加
,
BF
で は減 少
を示
し た。
立 脚 中期
で は免 荷 量
が増 加
していく
にも
か か わ らず
,
SM
,
BF
の値 が 増 加す
る傾 向 を示
し ていた
。図
5
に示 し
たTA
の ピー
ク は 立 脚 初期
の踵 接
地直 後 (
D
) と遊 脚 初 期
(
E
)
の ふたつ があ
るが
,
立脚 初 期
のみ免 荷
量の増 加
に よ る %RMSEMG
の減 少 を示 し
,
遊 脚 初期
の ピー
クの値
は 変化
が な かっ た。
また,
同
じく 図5
のGC
の ピー
ク も 立 脚初 期
(
F
) と立
脚 後 期
の二峰 性
の ピー
ク を持
ち,
立 脚 初 期 には変
化
がな く
,
、k
脚 後 期
に 免荷
量の増 加 に よ り減 少
してい た。考
察
1
,
BWS
歩 行
に お け る 立脚 期
の変化
今 回
の結 果
で は・
歩 行 周期
に か か る時
間 に変 化
がな
い にも関
わ らず
,
立脚 期
の割
合 が減
少 していた。
BWS
歩行
に お け る立 脚 期
の減 少
につ い て は,
Finch
ら2}が50
%
BWS
で4
.
3
%,
Threlkeld
ら11)が 同 じ 免 荷 量 で1
.
6
%減 少
し たとし ており
,
こ の歩 行
の特
徴 的 変 化のひ とつ であ
る といえ
る。 立脚 期
の減少
は,
特
に両
脚 支 持 期の減 少か
ら 生 じて いる と さ れており
u 〕,
免荷
量 を 過 剰 に 増加
さ せ る と両 脚 支持
期 が消
失 し,
歩 行 が 維 持で き な く な る。
つま り
立脚 期
の減 少
はBWS
歩 行
の 免 荷 量の 限 界と関 係288 理学 療 法 学 第
31
巻 第5
号 してい る。
本 研 究の立 脚 期の減 少 率 は50
%BWS
で8
% も の減 少
が 見 ら れ て おり
,
先 行 研 究
より
も大
き な値
を示
し た。
立 脚 期の減
少に影 響 す
る因 子
と して歩 行 速 度
の設
定
の問
題,
お よ びBWS
装 置
のサスペ ン ショ ン の問 題 な
どが 指 摘 され
てい るll)。 さ ら に体 格 差
の問
題 や 人種
間 での 歩 容の違い な ど が 影 響 してい る 可 能 性 が あ る。
ま た,
一
歩 行 周 期
に か か る時 問
は,
Finch2
)の研 究
で1
.
3
秒
,
Threlkeld
エ1} の研 究
で は0
.
6
秒
,
我
々 の研 究
で は1
.
2
秒
であ り
, こ の よう
な ピッ チ の違
い が体 重心
の.
ヒ下動
を変
化
させ,立脚 期
の時
問 的変 化
に影
響
を与
え る 原 因のひ と つ と なっ たの で は ないか と考
え ら れ た。
2
.
BWS
に よ る筋 活 動 変 化
と運 動 学 的 意義
最 大 随 意
収
縮 で 正 規 化 し た 場 合 とFBW
の 筋 活 動 量 で 正 規化
し た場 合
の違い は,FBW
歩 行
に おけ
る筋 活 動
量 に結 果
が 左右
さ れる ことにあ
る。今
回の結 果
を見
ると最
大 随 意 収 縮
で 正規 化
した場 合
,
50
%BWS
に おけ
る%
RMSEMG
の減 少
はRF
より
GC
の方
が大 き く
な る傾 向
に あっ た。
し か しFBW
で正 規 化 し た と きの減 少 率の平均
ではGC
の方
が少 な
い値
を示
し た。 これ はGC
のFBW
歩 行
におけ
る筋 活 動 量 が
RF
より大 き
い ことに起 因 し
て い る。
つ ま りFBW
歩 行
の筋 活 動 量
で正 規化
し た 場合
に は, その歩 行
に お け る筋 活
動 が大
きい筋
で あ る ほ ど,BWS
歩行
に よ る 変化
が 生 じにく く
なる可能 性
が ある。
筋 電 図
の正規 化
の問 題
は,
先 行 研 究
2)9)との間
に結 果
の違
いを
生じ さ
せ た原 因
の ひ とつ で はな
いか
と推 察 され
る。
今
回の免 荷
方
法
は一
般的
な使
用方 法
に 基づ い て行
っ た。
し か し実 際
の歩 行 中
におけ
るBWS
の免 荷
量 は,
常
に一
定
に制 御
でき
るわけ
で はな
い。Flynn
ら 12)は20
%BWS
であ
っ ても
,
床 反 力
の垂 直 分 力
の変 化
は第
.
.
一
ゼー
ク で238
±7
.
3
%,
第ニ ピー
ク で27
.
2
±4
,
1
%の 減 少 が見
ら れ た と し,
足 底
圧 に おけ
る荷
重の減 少 率 も足 底
の部
位 (
踵,
中 足 部
,
前 足 部
,
つま先 な
ど〉
に より異 な
る と し ている。今
回の筋 電 図
の結
果で は, 立脚 初 期
の大 腿
四頭 筋 群 (
VM
,RF
,VL
) と
TA
, お よ び立 脚 後 期
のGC
に おいて,
免 荷
の影
響
を受
けて筋 活 動
量 が減
少 してい た。
これ は床 反 力
の第
一,
第
ニ ピー
ク の変 化
に対 応 す
る現 象
であ
る と考 え
られ
る。立脚 初 期
の大 腿
四頭 筋 群
やTA
は,
踵接
地時
の フッ ト フ ラッ トや膝
の屈 曲
と同期
し て遠
心性
に収 縮 し
,
踵 接 地
の衝 撃 を緩 和 す
るた めの緩 衝 機 能
に働
く
と さ れ る13)。 こ の時 期
にBWS
歩 行
によっ て生 じる運
動 学 的 変 化
と して足 底 屈
や膝 屈 曲 運 動
の減 少
が報 告
さ れ て い るID 。大 腿
四頭 筋 群
とTA
で認
め ら れ た筋 活 動
の減 少
は,
免 荷
に より
踵接
地時
に加
わ る 垂直 分 力
が小
さく
なり
,
緩 衝 機 能
の必要 性
が低
下 し た た めである と考
え ら れ る。一
方
,
立脚 後 期
におけ
るGC
の役 割
は,一
般 的
に 足関 節
の底 屈
に より
,
蹴り
出 しの力
を 生 じ させ る こ とで あ る。
歩行 時
の蹴 り
出 し は,
水 平 方 向
に は推 進 力
と して,垂 直 方 向
には身体 重 心 を重 力
に抗 し
て上 方
へ持 ち上 げ
る力
と して作
用す
る。
し か しBWS
歩 行 に よ り立 脚 後 期の底 屈 角 度
は減 少 す
る と さ れ て お り11),
今
回の結 果
に お い ても
GC
の筋
活動
量 が減 少
し た。
この こ と は,
おそ
ら くBWS
歩 行
がFBW
歩 行
に比べ て,
垂直 方 向
の抗 重 力
的 な 力 を必 要
としな
い こと に起 因 す
ると考 え
ら れ る。今 回
の結 果
で はハ ムス ト リングス のSM ,
BF
はと も
に 立 脚 期 に増
加 傾向
に あ り,
特
にSM
は有 意
な増 加
を示
し た。
運動 学 的
に もBWS
に より
立脚 後 期
の膝 関節 屈 曲
角 度
,
股 関節伸 展 角度
が増 加す
る ことが報告
さ れており
11),
BWS
歩 行
の ひと
つ の特 徴
であ
る 可能性
が あ る。
今
回, この原
因を
ハー
ネ
スで吊 り
下 げ るこ と に よ り生
じ る不 安
定 性の問 題 と して考
察 を 試 み ること と した。.
一
般 的
に安
定
した歩 行
の重心
は前 方 移 動
と上下 動 を繰 り返す
。 立脚
初期
か ら立脚 中期
に は重 心
の位 置
は前
上方
,
立脚
中期
か ら立脚 後 期
に は前
下方
に移動 す
る。
こ こ でバ ンジー
ワイ ヤー
は 上方
に牽
引 してい る た め に 立 脚初期
か ら立 脚 中 期 に は 重 心 移 動 を 促 進 し,
逆に立 脚 中 期 か ら立 脚後
期には抵 抗 的
に働 く
ことにな
る。 立脚 中 期 か ら
立脚 後 期
は加 速
期
と呼
ばれ
,
重 心
と接 地面
との問
に生 じ
る重 力
の モー
メ ン トに よ り身
体の前 方
移 動 を 加 速 す る時
期 で あ る14)。
この時 期 に 抵抗
を受
け,
さ ら に 蹴 り 出 し に 必要
なGC
の活 動
も低
下 しているた めに,
こ の ま までは十 分 な加 速
が得 られ な
い こ と にな
る。実 際
にFinch
ら
2) はBWS
歩 行
時
の快 適 歩 行 速 度 が
FBW
で4
,
3−
5
,
4
km
/h
であ
った
の に 対 し て,
30
%BWS
で3.
2−3.
6
km
/h ,
50
% で2.
8−3.
2km
/h
と減 少
し た と し て おり
,
免 荷
量の増加
に伴
っ て歩 行
速度
が減 少 す
る こと を報 告
してい る。今
回の研
究
の よう
に歩 行 速 度
を統
一
した場 合
,
こ の ような推 進力
の減 少
に対 す
る何
ら かの補償
が 必要 と
な る。
今
回 の結
果 で み ら れ たハ ムス トリングスの筋 活 動 増 加 は 股 関節
伸展
筋 も
しく
は膝 関 節 屈 曲 筋
と して,
推 進 力 を強
める ことで,
BWS
歩 行
におい て低 下 す
る推 進 力 を 代 償 的
に補
った
の で はないか と考 え
られ た。
以 上 の
結
果 か らBWS
歩 行
に よ る免 荷
量の増加
は, 垂直
方 向
に 対 して補助
的に働 き,
水
平
方向
に対
して抵 抗 的
に働 く
こ とが 示 唆 さ
れ た。前 述 し
た よう
にBWS
歩 行
に大 き く影 響 を受 け
る立脚 初 期
は,
大 腿
四頭 筋 群
やTA
な
どが抗
重力 的 な 遠心 性 収 縮
を起
こ し てい る時 期
である。
中枢 神 経疾 患 患 者
は痙 性
のた
め に伸 張 反射
が過 剰
に出現
し やす
い状 態
とな
る こと が多 く
,
歩 行 時
に必 要 な遠心 性
収 縮
を効 果 的
に調 節 す
る ことが難
しい。 こ れ ら の筋
に痙
性 が あ
る患 者
に対 し
て,
BWS
歩 行 ト
レー
ニ ン グ は良
い適
応 とな
る可 能 性
があ
る。片 麻 痺 患 者
のBWS
歩 行
は,
健 常
人のBWS
歩 行
に比べ,
エ ネルギー
消 費
の減 少 率
が高
い と さ れてい るlo)のも
,
過 剰 な伸 張 反射
に よる活 動
が減
少す
ること を示
してい る と考
え ら れ る、
特
に,
片 麻
健 常 成 入に おける体重
免荷歩行
の 下肢 筋 電 図 解 析289
痺 患 者
の歩 行
に お い て よく見
られる尖
足歩
行
はGC
な ど の下
腿後方筋
群
の過剰
な緊 張
に より生 じ
る。 これ ら
の筋
群
の筋活 動
を抑 制
し な が ら歩 行
さ せ ること
は,
片 麻 痺
の歩 行
トレー
ニ ン グ を考
え る 際 に 非 常 に 重 要 で あ る。
今
回 の結 果 か ら
BWS
は,
GC
の筋 活 動
を減 少
さ せ な が ら歩
行
を行
わせ ること ができ
る トレー
ニ ン グ方 法
であ る 可能
性
が示
唆 さ れ た。
しか し,片 麻 痺 患 者
の歩 行
ではバ リエー
ショ ンが あ る た め,
先 行 研 究
で はBWS
に おけ
る筋 電
図 解 析
で一
定
の 傾向
が見
出 せて い ない 15)。
ま た,
Moseley
ら
16)が
BWS
ト
レー
ニ ン グの有 効 性
につ い て,
ll
の臨 床 試 験
の結 果
から系 統 的 総 説 を 行
い,
統 計 学 的
に明確
な効 果
は認
め ら れ な かっ た と してい る。
しか し一
方
で独
立 して歩行
が 可能
な者
に は効 果
的 で あ る 傾向
があ
っ た とも報 告
しており
,
今 後
,
BWS
歩 行
の適 応
を さ ら に明確
にす
るた
めの検 討 が 必 要
であ
る。さ ら
にハー
ネ
ス に よ る胸 部
の圧迫
に より
,
呼 吸 循 環 系
に大 きな影 響 を与
え ない か どう
か も臨 床で使 用 す る た め に は 重 要 で あ ると考 え
る。文
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Analysis
ofLower
Extremity
Muscles
for
Treadmill
Walking
withBody
Weight
Support
in
Healthy
Subiects
Koji
OHATA,
RPT,
MS,
Noriaki
ICHIHASHL
RPT
School
of
Hbalth
Sciences,
Fltculty
ofMedicine,
1fyoto
University
Treadmill
training withbody
weight support(BWS)
wasdeveloped
for
gait
improvement
trainingand
its
efficacyhas
been
demonstrated
in
patients
withgait
disorder.
The
kinetic
effect oftreadmill
walking withBWS
is
the
reduction of not onlyground
reactionforces,
but
also energy cost.The
changein
muscle activity withincreasing
BWS,
however,
has
notbeen
thoroughlyinvestigated.
We
quantified
lower
extremity muscular activationlevels
withBWS
walking,Ten
healthy
subjectswalked on a treadmilt
<4
km/h)
atfull
weightbearing,
and with1096,
20%,
30%,
40%,
and50%
BWS.
A
harness-supported
treadmill
ambulation system was usedin
thisstudy.Electromyography
was usedto
monitorthe
rectusfemoris,
vastus medialis, vastuslateralis,
semimembranosus,biceps
femoris,
tibialis
anterior, and thegastrocnemius.
A
significant reductionin
the
average amplitudein
normalized
RMS
EMG
wasfound
for
thequadriceps
andgastrocnernius
withincreasing
BWS.
However,
the
averageEMG
activitywasincreased
significanttyin
the
semimembranosus.In
anormalgait,
the
body
is
accelerated with gravityfrom
mid-stance toterminal
stance.Therefore,
abody
that