ポルトガル月報 1
-2017年2月号
(本月報は報道などの公開情報を大使館で取りまとめたものです) 在ポルトガル日本国大使館 【主要ニュース】 【内政・外交】★コスタ首相、EU非公式首脳会合に出席-マルタ/★コスタ首相、中央アフリカを訪問 【経済】★財務大臣が記者会見、CGD経営陣辞任を巡り/★リスボン空港拡張と新空港建設プロジェクトの発表 【社会・その他】★カシアス刑務所から囚人3人が脱走 内政・外交 ●ポルトガル議会、米国移民政策への非難決議採択 2月3日、米トランプ新政権の移民政策に対する非 難決議案が、社会党、左翼連合、ポルトガル共産党、 民衆党及び社会民主党の計5政党からそれぞれ国会に 提出された。このうち社会党、民衆党及び社会民主党 の決議案が採択された。 社会党は「今般、米国の新政権により採用された国 籍や宗教により区別された特定のカテゴリーの人々の 入国を禁止する政策は文明の後退を意味するものであ り、人権や国際法の原則、西洋及び普遍の文化の基礎 に対する不敬であり、憤りを生じさせる」と主張した。 社会民主党は「多国間における自由貿易の促進の放 棄、国際法や国際機関の過小評価、NATOに脆弱化 をもたらす声明、難民に対する差別的な政策の選択は、 大西洋両岸の関係に負の影響をもたらすことは明らか である」とした。民衆党は「米新政権が採用した政策 が国際秩序に与える負の影響を懸念する」などとまと めた。 ★コスタ首相、EU非公式首脳会合に出席-マルタ 2月3日、EUの非公式首脳会合がマルタの首都バ レッタで開かれ、トランプ米新政権に対する懸念をE U内で共有した。 同会合に出席したコスタ首相は同日、「米国の新大 統領が就任したこの2週間という時間は、強く結束し た欧州を構築することの重要性を我々が認識する上で 十分であった」と述べた。その上で「欧州は(トラン プ政権の)壁の政策とは異なる形で、移民の管理をど のように行うべきかという好例を世界に示すべきであ る」とツイッターに投稿した。 EUの難民問題に関し、ポルトガルとしては1月末 にリスボンで開催された第2回南欧首脳会合で示した ように、サハラ以南を含むアフリカ諸国への財政及び 経済成長の支援を通じて解決につなげていく方針を改 めて示した。 【写真】首脳会合でメルケル 独首相と話すコスタ首相(中 央左:コスタ首相の公式ツイ ッターより転載) ●財務副大臣ポストの再編 2月6日、財務副大臣ポストの再編に伴い、新ポス トの任命式が大統領公邸で行われた。 今回、モウリーニョ・フェリックス国庫・財務担当 筆頭副大臣の役職から国庫が外され、財務担当筆頭副 大臣に名称が変わった。これに合わせ、ノーヴォ財務 大臣室チーフエコノミストが新設の国庫担当副大臣に 昇格した。 政府によると、モウリーニョ・フェリックス財務担 当筆頭副大臣は今後、ポルトガル国営貯蓄銀行(CG D)の自己資本強化プロセスや、「新銀行(ノーヴォ・ バンコ)」の売却手続といった緊急性を要する職務に 専念する。ノーヴォ国庫担当副大臣は、国有財産の管 理や国営企業の経営効率化などを担当する。ポルトガル月報 2 -【写真】任命式にてノーヴォ国庫担当 副大臣(左)とモウリーニョ・フェリ ックス財務担当筆頭副大臣(大統領府 公式HPより転載) ●ユーロソンダージェン社の世論調査結果 2月10日、週刊エスプレッソ紙はユーロソンダー ジェン社が実施した世論調査の結果を発表した。20 16年9月以降の政党別支持率は以下の通り。 最大野党・社会民主党の支持率は、2015年11 月のコスタ社会党政権の発足以降、初めて30%を下 回った。 【問】本日が選挙日ならばどの政党に投票するか % 2016 年 2017 年 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 PS 36.0 36.3 37.0 38.0 37.3 37.8 PSD 32.1 30.7 30.4 30.0 30.0 29.2 BE 8.9 9.5 9.7 9.1 9.5 9.2 CDU 8.1 8.3 8.2 7.7 7.8 8.3 CDS 6.9 7.0 6.6 6.8 6.9 7.0 PAN 1.5 1.3 1.1 1.6 1.6 1.5 ■調査期間:2月1~8日、対象者:ポルトガル本土 居住の18歳以上の有権者1225人、調査方式:電 話帳から固定電話番号を無作為に抽出、回答率:83%、 統計上の誤差:3.07% ■PS=社会党、PSD=社会民主党、BE=左翼連 合、CDU=統一民主連合(ポルトガル共産党・緑の 党)、CDS=民衆党、PAN=人と動物と自然の党 ●サントス・シルヴァ外相、アンゴラ訪問 2月10~12日、サントス・シルヴァ外相はアン ゴラ政府の招待を受け、同国を訪問した。カルネイロ・ 外務省コミュニティ担当副大臣、ヴィエイラ農業・食 糧担当副大臣が同行した。 同外相はドス・サントス大統領を表敬後、記者会見 で「近年、両国は経済・金融・予算面で困難な局面を 経験したが、そのような局面においてこそ、互いの友 情が強固であることに気付かされる。ポルトガル政府 は、アンゴラとの経済関係及び開発協力を一層推進す る」と述べた。 同日、同外相はシコティ外相とも会談し、「良好な経 済関係とは、両国へ恩恵をもたらすもの。片方だけが 輸出や投資を増やし、利益を得るような関係は避けな くてはならない。パートナー関係において経済面の相 互利益は必要である」と語った。両外相は会談後、二 国間関係や共同プロジェクトを外務当局間で定期的に 協議するため、混合委員会を設立するとした基本合意 書に署名した。 11~12日、サントス・シルヴァ外相は同国ウア ンボ州やベンゲラ州で各知事を表敬したほか、現地の ポルトガル企業やポルトガル人学校などを訪問した。 ●ポルトガル政府、北朝鮮ミサイル発射に非難声明 2月13日、ポルトガル外務省は12日の北朝鮮に よる弾道ミサイル発射に対する非難声明を発表した。 内容は以下の通り。 「ポルトガル政府は、昨日の北朝鮮による弾道ミサ イル発射は、数々の国連安保理決議に基づく責務に改 めて明白に違反する行為であり、地域及び国際の平和 を脅かす行為として非難する。国連安保理対北朝鮮制 裁の当国による履行を強調するとともに、ポルトガル 政府は北朝鮮に対し、国際の平和と安定に対する明白 な脅威である、核計画の検証可能かつ不可逆的な放棄 に向けた、国際社会との真剣な対話への復帰を求める」。 ★コスタ首相、中央アフリカを訪問 2月12日~13日、コスタ首相は中央アフリカを 訪問した。ロペス防衛大臣、モンテイロ・ポルトガル 軍総司令官が同行し、サランジ首相やトゥアデラ大統 領を表敬したほか、ポルトガル軍の宿泊施設などを訪 問した。 ポルトガルは2015年11月のパリのテロ事件 後、フランスの要請を受け、中央アフリカで国連とE Uが展開している平和維持活動に参加。現在ポルトガ ル人兵士160人が同国に派遣されている。コスタ首 相は、今回の訪問目的について「ポルトガル政府及び ポルトガル国民が、ポルトガル軍とその指揮管理に信 頼を置いているというメッセージを発するためである。 ポルトガル政府の外交戦略を支えるためにも本ミッシ ョンの重要性を示したい」と説明した。
ポルトガル月報 3 -コスタ首相と会談したトゥアデラ大統領は、ポルト ガル軍の派遣に謝意を示した上で、「30年前まで多 くのポルトガル人が我が国でコーヒーのプランテーシ ョンなどで経済活動をしていた。今後、我が国に多く のポルトガル人が戻ってくることを期待したい。ポル トガルはインフラ建設に関して素晴らしい能力と経験 を持つ。中央アフリカは建設が必要であり、ポルトガ ルの経験は我が国に大きな恩恵をもたらしてくれる」 と語った。 【写真】ポルトガル軍 兵士を激励するコスタ 首相(同首相の公式ツ イッターより転載) ●第4回ポルトガル・カーボヴェルデ首脳会合の開催 2月20日、コスタ首相はカーボヴェルデを訪問し、 コレイア・イ・シルヴァ首相と第4回ポルトガル・カ ーボヴェルデ首脳会合を開いた。 本訪問にはサントス・シルヴァ外務大臣、ロペス国 防大臣、デ・ソウザ内務大臣、フェルナンデス環境大 臣、ロドリゲス教育大臣が同行した。 両首脳は経済・金融業界の動向、英国のEU離脱、 難民危機、大西洋中部の安全、アフリカ西部の情勢、 テロ、違法取引、海賊、ギニア湾における協力関係の あり方など、幅広く意見を交わした。その上で、ポル トガル政府が同国に総額1200万ユーロを支援する 「対カーボヴェルデ協力2017-2021年戦略プ ログラム」に署名した。このほか、防衛、警察、司法、 教育、環境、財政、開発などの協力関係を強化する目 的で、閣僚レベルにより計12本の覚書を交わした。 本会合は、2010年に両国間で署名された友好協 力条約に基づき開催された。次回は2年以内にポルト ガルで開かれる予定。 【写真】コスタ首相(左)と コレイア・イ・シルヴァ首相 (ポルトガル政府プレスリリ ースより転載) ●コロンビア外相、ポルトガルを訪問 2月23日、コロンビアのオルギン外相がポルトガ ルを訪れ、サントス・シルヴァ外相と会談した。 共同記者会見で、オルギン外相は同国の和平プロセ スについて説明したほか、サントス大統領が5月16 ~17日頃にポルトガルを公式訪問する予定などと述 べた。 サントス・シルヴァ外相は「現在のコロンビア和平 プロセスは、例え紛争が何よりも危機的かつ厳しい状 態にあっても、部分的な協定や建設的な交渉を通じて 解決していくことが可能であることを示した好例であ る。ポルトガルとコロンビアの二国間関係は政治、経 済の両面で良好で、コロンビアはポルトガル企業にと って大変重要な市場である」と語った。 オルギン外相は今回、リスボン市内で開催したコロ ンビア大使21名を集めた欧州大使会議に出席するた め、ポルトガルを訪れた。 【写真】記者会見するオルギン 外相(左)とサントス・シルヴ ァ外相(ポルトガル政府プレス リリースより転載) ●サントス・シルヴァ外相、人権理事会でスピーチ 2月27日、サントス・シルヴァ外相はジュネーブ で開催された国連人権理事会の開会セッションでスピ ーチし、国連加盟国に対し、死刑廃止を前提にしたモ ラトリアム(死刑執行の停止)の導入を求めた。 同外相は、ポルトガルが150年前に死刑を廃止し た先駆者と述べた上で「我が国は死刑執行を正当化す る全ての動機や議論を否定する」と主張した。また、 シリアが悲劇的な人道及び人権侵害に見舞われている と指摘した上で、「ポルトガルはパレスチナの状況に 注視する。かの地の状況が悪化していることを大変残 念に思う」と語った。 同外相はこのほか、ポルトガル語が話者約2.6億 人に上る世界第5位の重要言語にあるとして、「ポル トガル語の国連公用語化を期待する」と述べた。
ポルトガル月報 4 -経済 ●2016年第4四半期の失業率、10.5% 2月8日、ポルトガル国立統計院(INE)は、2 016年第4四半期の失業率を10.5%(前期比増 減なし、前年同期比1.7ポイント減)と発表した。 このうち、若年層失業率(15~24歳)は27.7% (前期比1.6ポイント増、前年同期比5.1ポイン ト減)だった。2016年通期の失業率は11.1% (前年比1.3ポイント減)だった。 ●長期国債の入札結果 2月8日、ポルトガル国庫公債管理庁(IGCP)は、 総額11億8000ユーロの5年物及び7年物長期国 債の入札を実施した。5年物の落札額は6.3億ユー ロで平均利回り2.753%、7年物は5.5億ユー ロで3.668%だった。 ●2017年のポルトガル経済指標見通し 2月13日、欧州委員会は2017年のユーロ圏の 経済成長率見通しを1.6%と発表した。 各機関による2017年のポルトガルの経済指標 見通しは以下の通り(財政赤字と公債残高は対GDP 比)。 % 欧州委 ポ政府 ポ中銀 IMF OECD 見通し 発表時期 2017 年 2 月 2016 年 10 月 2016 年 12 月 2016 年 12 月 2017 年 2 月 GDP 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 投資 3.8 3.1 4.4 2.5 0.7 輸出 4.1 4.2 4.8 3.6 3.7 インフレ 1.3 1.5 1.4 1.1 1.1 財政収支 ▲2.0 ▲1.6 --- ▲2.1 ▲2.1 公債残高 128.9 128.3 --- 129.9 129.5 ★財務大臣が記者会見、CGD経営陣辞任を巡り 2月13日、ポルトガルの金融安定化に向けた大型 の自己資本強化計画の一環で、2016年8月に就任 した国営ポルトガル貯蓄銀行(CGD)の民間出身の 新経営陣が数か月で辞任に至った経緯を巡り、偽証し ていた疑いがあるとして、野党から辞任要求を含めて 追求されたセンテーノ財務大臣が記者会見を開いた。 「CGDを含む公営企業の経営陣は、その報酬及び 個人資産額を憲法裁判所に届け出る義務を定めた83 年施行の法律が存在するにもかかわらず、政府はCG Dの新経営陣に対し、右義務の免除を付与したのか」 との記者の問いに対し、センテーノ財務大臣は、CG Dの定款変更に関しては新経営陣との間で合意したも のの、右義務免除の合意はなかったと述べた上で、「双 方に認識の違いがあった」と説明した。一方、辞任し たドミンゲス総裁との間で、「非公式な対話」を通じ て同義務に関するやり取りを行っていたことを認めた。 野党側はこの説明に対して反発姿勢を強めたが、コ スタ首相は同記者会見後、「センテーノ財務大臣を信 頼している。同大臣のもとで、2016年にポルトガ ルの財政部門は安定した。今日の金融セクターについ ても、(現政権発足後間もなくの)2015年12月 頃に我々が直面していた状況に比べ、決定的に改善し ている。CGDの自己資本強化プロセスを巡る同大臣 の説明が、現政府の安定性及び継続性を損なうことに 何ら正当性は持たない」とプレスリリースを発表し、 同大臣の立場を全面的に擁護する意向を示した。 同日、ソウザ大統領も「国益及び金融セクターの安 定化のため、センテーノ財務大臣に対する信頼を維持 するとした、コスタ首相の立場を受け入れた」とプレ スリリースを発表した。 【写真】センテーノ財務大臣 (左)への信頼を強調するコ スタ首相(政府プレスリリー スより転載) ●ポルトガルの2016年GDP成長率、1.4% 2月14日、ポルトガル国立統計院(INE)は2 016年の実質GDP成長率を1.4%と発表した。 同年第4四半期(10-12月)は前年同期比1.9%、 前期比0.6%だった。 INEによると、第4四半期に見られた成長加速は 投資及び民間消費の増加による内需拡大がプラスに働 いた。一方、輸入の顕著な増加を反映し、外需の寄与 度はマイナスだった。
ポルトガル月報 5 -★リスボン空港拡張と新空港建設プロジェクトの発表 2月16日、ポルトガル政府は、ウンベルト・デル ガード空港(リスボン空港)のキャパシティ不足を解 消するため、国内空港の開発・運営を手掛けるポルト ガル空港会社(ANA:民営化の一環で2013年に 仏の空港運営会社ヴァンシ・エアポートの傘下入り) との間で、同空港のキャパシティ拡張及び、テージョ 川をはさんでリスボン市の対岸に位置するモンティー ジョ空軍基地の一部を新たな民間空港として活用する 計画を推進することで覚書を交わした。ANAは6か 月以内にプロジェクト予算及びファイナンス方法を含 めた具体的な計画書を政府に提出する予定。 同日、リスボン市内で開かれた覚書の調印式典で、 マルケス企画・インフラ大臣は「我が国がリスボン地 区の空港キャパシティの拡張に向けた解決策の検討を 始めてから何十年という歳月が過ぎてしまった」と切 り出した上で、2016年のリスボン空港の利用者数 が想定よりも6~7年も早く、年2200万人の大台 に達したと説明した。同大臣は「2016年の受入れ 観光客数は過去最高を記録したが、2017年はさら に増える見込み。観光業は経済成長、雇用創出、社会 統合の推進において大変重要で、このダイナミズムを 決して止めてはならない」と強調した。 政府の発表によると、本プロジェクトの費用負担は、 他の主要空港に対する競争力を維持した上で、両空港 の利用収益を全面的に活用する予定。本プロジェクト 完了後のリスボン地区全体の航空輸送能力は、現在の 2倍以上となる年5000万人に達する見込み。同空 軍基地の一部活用に向けて実施している環境影響調査 と政府・ANA間の契約交渉は18年上半期に完了予 定で、同基地での空港建設は19年に始まり、21年 に完工予定。両空港への交通アクセスも強化する。 同式典に出席したコスタ首相は「モンティージョ空 軍基地をリスボンの補完的な空港として活用すること は、経済的にも財政的にも最も理にかなっており、実 現可能な解決策である。このチャンスを最大化させ、 地域の発展につなげることが重要」と述べた。 ソウザ大統領は「本プロジェクトは中長期にわたり 我が国にとって重要な決定となる一方、空軍の価値向 上についても考慮しなくてはならない。本件について、 もし大統領として提案することが可能ならば、新空港 は(本年1月7日に逝去した)マリオ・ソアレス元大 統領の名前を付けることがふさわしいのではないか。 これはこの国の発展に貢献した人物への敬意である」 と語った。 【写真】プロジェクトを発表す るマルケス企画・インフラ大臣 (政府プレスリリースより転載) ●ソウザ大統領、経済カンファレンスの閉会式で挨拶 2月21日、ソウザ大統領は、ポルトガル・中国商 工会議所(CCIP)がリスボン大学政治社会科学研 究所(ISCSP)で開催した経済カンファレンス「マ カオ-中国とポルトガル語圏諸国間の経済関係におけ る架け橋」の閉会式に出席した。 大統領は「2017年は、中国とポルトガル間の何 世紀にもわたる関係を深化させる上で、特に重要な1 年になり得る。近年、両国関係は文化、地政学、経済、 金融及び国際関係の各分野において、質的な飛躍を遂 げている。中国におけるポルトガルのプレゼンスや、 ポルトガルにおける中国のプレゼンスには日々気づか される。中国はEUとの関係強化を望んでおり、EU は中国の接近を通じてあらゆる利益を得ている」など とスピーチした。 ●IMF、第5回監査ミッションの報告書発表 2月22日、IMFは、対ポルトガル・トロイカ支 援後の第5回監査ミッション(11月29日~12月 7日)の結果をまとめた最終報告書を発表した。 同理事会は「2016年のポルトガル経済は上半期 に低迷後、下半期に好調な輸出を通じて上向き、失業 率は危機前の水準まで下がった。これは短期見通しの 改善を示している」と評価した。一方、中期的な経済 成長を実現する上で、「根強い構造的なボトルネック や高水準にある企業債務の削減が必要」と指摘した。 特に公共部門の効率性改善に向けた取組を推進すると ともに、労働や製品市場の改革を推進するよう求めた。
ポルトガル月報 6 -●ポルトガル・スペイン、鉄道網の近代化で技術協力 2月28日、マルケス企画・インフラ大臣は、マド リードでスペインのデ・ラ・セルナ公共事業大臣と会 談し、両国間を結ぶ鉄道網の近代化工事プロジェクト に関し、技術協力を強化することで合意した。今後、 3か月を超えない間隔で、両国の技術チームによる会 合を定期的に開く。 マルケス大臣は会談後の記者会見で、両国間を結ぶ 北部回廊(アヴェイロ市-ヴィラール・フォルモーゾ 市-サラマンカ市)、南部回廊(シーネス港-カイア 市―マドリード市)及び、ポルトガル北部から北に抜 けるミーニョ線(ポルト市―ヴァレンサ市―ヴィーゴ 市)の投資計画を説明した。特にポルトガル南東部の 中心都市エヴォラからスペイン国境に向けて東に新線 を敷設する計画に関し、「シーネス港からスペイン、 欧州各国に向けて製品を輸送する上で、この鉄道輸送 能力の向上が与える影響は大変大きくなる」と語った。 【写真】会合に臨むマルケス企 画・インフラ大臣(右:ポルトガ ル政府プレスリリースより転載) ●対ポルトガルのアジア人観光客の支出額が増加 ポルトガル中銀の統計によると、2016年にポル トガルを訪れたアジア地域からの旅行客による支出額 は、前年比15.9%増の2億5948万ユーロ(全 体の2.05%)で、過去10年で最高を記録した。 このうち、最も多かった中国人観光客による支出額 は前年比16.2%増の7、201万ユーロ(同0. 57%)だった。日本は豪州に次ぐ3位で、前年比2 5.3%増の2、967万ユーロ(同0.23%)だ った。 社会・その他 ★カシアス刑務所から囚人3人が脱走 2月19日未明、オエイラス市カシアス区内にある カシアス刑務所から窃盗・強盗容疑で未決勾留中の2 9~30歳までのチリ国籍の2人と、ポルトガルとイ スラエルの二重国籍者1人の計3人の囚人が脱走した。 このうち、翌20日午前にマドリード空港でチリ人 1人を、続いて22日にバルセロナでもう一人のチリ 人を発見、拘束した。残る二重国籍者1人の行方は分 かっていない。 要因は刑務官不足に伴う監視塔の見張りや巡回警 備の不備が指摘されている。定員超過も問題の一つで、 2015年末現在、カシアス刑務所は定員334人に 対して518人を収容する過密状態にある。 ●ポルトガル人国外移住者、約230万人 2月24日に海外移民監視機関が公表した報告書 によると、ポルトガル人の国外移住者数は2013~ 15年まで毎年11万人程度で推移している。 2015年の国連統計によると、ポルトガル人国外 移住者は約230万人で、国内居住者に対する割合は 22.3%に達する。欧州内ではマルタの24.7% に次いで高く、1960~70年代の国外移住者と異 なり、高学歴の若年層が多くなっている。 若者の流出は「頭脳の流出」を意味するだけでなく、 高齢化や少子化に大きな影響を及ぼすと見られている。 移住先はフランスや英国を中心とした欧州各国が最も 多く、その割合は1960年の53%から2015年 の62%へと増加傾向にある。 (了)