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京都大学および関連施設における泌尿器科専門医教育プログラム              

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名古屋大学および関連施設における泌尿器科専門医教育プログラム            泌尿器科は、主に尿路と男性生殖器に関連する多様な病態を取り扱う専門診療科であ る。従って泌尿器科医には、医師としての基本的能力のうえに、専門的職業人としての 一定水準の経験、技術、知識と、より高い倫理性が要求される。  日本泌尿器科学会の専門医制度規約には、「この制度は泌尿器科学の進歩に即応して、 泌尿器科臨床の健全な発展普及を促し、高度の知識と技術を修得した臨床医の養成を図 り、国民の健康増進に貢献することを目的とする。」と記載されている。この規約に書 かれた基本的な目的は今後も変わることは無いが、泌尿器科専門医に求められる知識と 技術の水準は、これからの時代の変化に応じて変わっていかざるをえない。  本プログラムは、2 年間の卒後臨床研修を終了し泌尿器科医をめざす医師を対象とした もので、名古屋大学泌尿器科およびその関連施設における計 4 年間の専門医教育の具体的 内容を定めたものである。本プログラムの最終年度には、日本泌尿器科学会が認定する 泌尿器科専門医の資格が得られるようにプログラムを運営するが、本プログラムの終了 認定が、国内トップクラスの泌尿器科専門医であるという評価となるよう、充実したプ ログラムとして発展させたい。 1.本プログラムの実施組織  名古屋大学泌尿器科及び教育病院を本プログラムの管理、および実施の拠点(センタ ー病院)とし、それに複数の参加施設を加えた専門医教育機構(以降「機構」と略す) が本プログラムを実施する(別添資料)。 2.本プログラム参加資格  1)医師国家試験合格後、2 年以上の経験を有する医師で、かつ卒後臨床研修プログラ ムを終了したもの。(平成 15 年以前に医師国家試験に合格した医師に関しては、この限 りでない。)  2)機構の行う面接によって合格したもの。  3)受け入れ定員を超える応募のある場合は、判定試験によって決定する場合がある。 3.定員   受け入れ定員は、その年度の事情に応じて決定する。

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4.前提事項  このプログラムは、すでに 2 年間の卒後臨床研修を終了した医師を対象にしている。従 って、参加者は国の定める卒後臨床研修における到達目標をすでに達成していると判断 されるが、本プログラムでは、泌尿器科の専門医教育を受ける前にすでに医師として修 得しておくべき基本的な事項が修得されているかどうか、担当する泌尿器科指導医によ って再度の確認作業を行う。 1) 一般的事項 (1)患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な関係を構築できる。(患者-医師関係) (2)医療チームの構成員として、他のメンバーと協調して医療に従事できる。(チーム 医療) (3)患者の問題点を的確に抽出し、間題解決のために行動できる。(問題対応能力) (4)安全管理の基本を理解し、安全な医療を遂行できる。(安全管理) (5)患者から正確な情報を収集するとともに、基本的な一般診察ができる。(医療実践) (6)社会における医師の役割を理解し、種々の法令や倫理に従った正しい行動をとるこ とができる。(医療の社会性) 2) 評価項目 (1)(患者-医師関係)  1)プライバシーに配慮するとともに、守秘義務を実践できる。  2)患者、家族に対し適切な言葉遣いや行動ができる。  3)患者・家族への配慮(心理的、社会的)ができる。  4)インフォームドコンセントの基本が理解できている。 (2)(チーム医療)  1)指導医に的確に報告、連絡、相談ができる。  2)他の医療従事者と適切なコミュニュケーションを取れる。  3)医療チームにおける医師の役割を理解できる。  4)患者の紹介、転入、転出にあたり的確に情報を交換できる。 (3)(問題対応能力)  1)患者の臨床上の問題点を抽出し、順位付けができる。  2)EBM を考慮した解決法を実践できる。  3)自己評価や第三者評価をふまえた自己改善の努力ができる。 (4)(安全管理)  1)医療における安全確認の基本を理解し、実践できる。

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 2)医療事故防止および事故後の対処を理解し、実践できる。  3)院内感染対策を理解し、実践できる。  4)医療チームとしての安全管理に貢献できる。  5)重傷度、緊急度の把握ができ、指導医や専門医に相談できる。 (5)(医療実践)  1)医療面接を適切に行うことができる。(問診等)  2)全身の基本的身体所見を記載できる。  3)静脈血採取と基本的血液検査の解釈ができる。  4)動脈血採取と血液ガス分析結果の解釈ができる。  5)検尿とその所見の記載ができる。  6)便検査と便性状の記載と解釈ができる。  7)点滴確保と基本的輸液スケジュールの立案ができる。  8)輸血の適応と副作用について理解し、実施できる。  9)導尿が安全にできる。  10)胃管の挿入ができる。  11)気道確保と人工呼吸を実施できる。  12)挿管の基本的手技を理解できている。  13)心電図をとりそれを判定できる。  14)胸部写真、腹部写真の基本的読影ができる。  15)局所麻酔が実施できる。  16)基本的縫合と結紮ができる。  17)術前術後管理の基本(特に高齢者・小児)が理解できている。 (6)(医療の社会性)  1)保険医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。  2)処方箋、指示箋を作成できる。  3)各種証明書の作成(診断書、死亡診断書など)ができる。  4)医療保険制度を理解し、適切に診療できる。  5)医の倫理・生命倫理に関して理解し、適切に行動できる。 3)評価方法  上記の事項に関して、専門医研修開始後 3 ケ月の時点で担当指導医による評価をうける。 評価は A.B.C.D.の 4 段階で行い、全ての項目に関して B 以上の評価である必要があ る。評価基準に達していない場合は、さらに 3 ケ月後に再評価をうける。この時点で基準

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に達していない場合は、さらに 6 ケ月後に改めて評価を受けることとし、この 1 年は本プ ログラムにおける専門医としての研修期間とはみなさない。 5.研修方法 1)研修方法全般  研修期間は原則として 4 年間であり、前期(2 年)と後期(2 年)に分割し、前期終了 時には中間評価を行う。また、4 年間のうち、少なくとも 1 年以上は名古屋大学医学部付 属病院での研修を必須とする。教育にあたっては、卒後 10 年以上の泌尿器科指導医(日 本泌尿器科学会認定)が責任を持って指導し、ひとりの指導医は多くても 2 名までしか指 導できないこととする。 2)具体的研修方法 (1)研修病院において指導医は以下の教育機会を提供する義務を有す。   週 1 回以上のクリニカルラウンド   週 1 回以上の症例検討会(画像カンファレンスを含む)   月 1 回以上の抄読会もしくはセミナー(CPC を含む)   年 2 回以上の名古屋大学泌尿器科医局での学習会への参加   年 2 回以上の名古屋大学泌尿器科 研究グループへの参加   年 2 回以上の泌尿器科関連学会での参加、及び発表 年 1 回以上の泌尿器科学会提供の教育プログラムヘの参加   年 2 回以上の泌尿器科関連学会(単位認定学術集会)参加   4 年間で 1 編以上の臨床論文作成(症例報告を含む) (2)前期 2 年においては指導医の直接管理下での教育を受けることを原則とする。 すなわち、指導医の監視のもとに外来診療に従事し、指導医とともに主治医となって入 院患者の診療にあたる。 (3)後期 2 年において指導医は主に間接的な立場で指導にあたる。 すなわち、指導医と密に連絡をとりながら、自ら外来診療に従事し、主治医となって入 院患者の診療にあたる。 3)評価方法  以下 4)に定めた評価項目に関して、担当指導教官による可否の 2 段階評価を行う。  評価は前期終了時の中間評価と後期終了時の最終評価の 2 回を原則とし、中間評価は後 期研修のための参考資料として利用する。   評価は機構の運営する年 1 回の評価会議にて検討され、本プログラムの終了認定が行わ

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れる。修了認定されない場合には、評価機構により追加プログラムが提示され、次年度 に再度検討される。  尚、本プログラムの終了には、日本泌尿器科学会認定の専門医資格を取得することが 必須である。 4)研修目標と評価項目 【研修の指標】 ランク A:原則として、4 年後の研修終了後においても泌尿器科専門医や他科の専門      医の指導や協力の下に行う診療(行為)。      (一部の診療行為は特殊な部類に入るため、完全な修得は研修期間中には      困難と考えられるものも含まれる。) ランク B:原則として 2 年間の研修終了期間には泌尿器科専門医の指導や協力のもと      に行える診療。4 年間の研修終了後には独力で行うことが望ましい診療(行      為)。 ランク C:4 年間の研修終了後には独力で行うことが必須とされる診療(行為)。前      期研修終了後にも独力で行うことができることが望まれ、研修後期には下      位研修医の指導も行うべきである。 (1)泌尿器科学基礎 Ⅰ.解剖学 1)尿路の解剖を理解し、図示できる。 2)男性内外生殖器の解剖を理解し、図示できる。 3)腹部の筋組織、筋膜の構造を理解している。 4)骨盤部の筋組織、筋膜の構造を理解している。 5)腹膜と後腹膜の概念を理解している。 6)腹部と骨盤部の脈管の走行を理解している。 7)腹部と骨盤部の神経の走行を理解している。 8)外科解剖を理解し、これを手術に応用できる(後期)。 Ⅱ.発生学 1)尿路・性器の発生を理解している。 2)尿路の先天性疾患を発生学的に解説できる(後期)。

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3)性器の先天異常を発生学的に解説できる(後期)。 III.腎生理学 1)尿生成の機構を理解している。 2)体内酸塩基平衡と腎の役割を理解している。 IV.生殖生理 1)性ホルモン調節機構を理解している。 2)精細管の微細構造と精子の成熟過程を理解している。 3)勃起の機構を理解している。 4〉射精の機構を理解している。 (2)泌尿器科診断学 I.問診 必要な配慮の元に、全身症状を含めた問診が行え、十分な病歴、症状の把握が行える。 Ⅱ.理学的検査 1)患者の全身および、腹部、陰部の視診ができる。 2) 腎および腹部の触診法を理解し、実施できる(ランク C)。 3)前立腺の直腸指診が施行でき、病的状態を認識できる(ランク C)。 4)陰嚢内容、陰茎、鼠径部を含めた外陰部の触診が施行できる (ランク C)。 5)経直腸的もしくは経腟的に膀胱およびその周囲の異常を診断できる。(ランク C)。 Ⅱ.症候 1)排尿に関する多様な症状(頻尿、排尿困難、尿閉、排尿痛、尿失禁など)を問診で鑑別で きる(ランク C)。 2)乏尿あるいは無尿の原因を鑑別できる(ランク C)。 3)男性性機能障害を理解できる(ランク A)。 4)血尿に関して必要な鑑別診断が行える(ランク C)。 Ⅲ.尿検査

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1)採尿法の基本を理解している。 2)尿性状の肉眼的異常(血尿、膿尿、塩類尿など)を鑑別し、その所見を記載できる。 (ランク C)。 3)尿沈渣を作成、顕微鏡で観察し、その所見を記載できる(ランク C)。 4)尿の生化学的検査を理解し、所見を判定できる(ランク C)。 5)尿の細菌学的検査を施行、その所見を判定できる(ランク C)。 6)尿の細胞診について理解し、診断治療に応用できる(ランク C)。 Ⅳ.血液検査 1)内分泌機能検査の意義を理解し、疾患の鑑別ができる(ランク B)。 2)各種腫瘍マーカーの意義を理解し、診断・治療に応用できる(ランク C)。 V.各種分泌物検査 1)尿道分泌物を採取し、検査できる(ランク C)。 2)前立腺分泌液を採取し、検査できる(ランク C)。 Ⅵ.精液検査 1)精液の正しい採取法と正常所見を理解している(ランク C)。 2)精液を検鏡し、所見を記載できる(ランク C)。 Ⅶ.内視鏡検査 1)経尿道的操作の基本を理解できる(ランク C)。 2)軟性膀胱鏡により尿道及び膀胱内を充分に観察できる(ランク B)。 3)硬性膀胱鏡により尿道及び膀胱内を充分に観察できる(ランク C)。 4)逆行性腎盂造影を実施、分腎尿の採取が行える(ランク C)。 Ⅷ.画像診断 1)KUB、DIP(IVP)を実施し、読影できる(ランク C)。 2)逆行性尿道造影を施行し、読影できる(ランク C)。 3)経皮的順行性腎盂造影を施行し、読影できる(ランク B)。 4)精嚢造影を施行し、読影できる(ランク A)。 5)CTscan による尿路性器の画像を読影できる(ランク C)。

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6)MRI による尿路性器の画像を読影できる(ランク C)。 7)腹部超音波による腎、膀胱、前立腺、陰嚢の観察ができる(ランク C)。 8)腹部超音波による副腎及びその他の腹部臓器の観察ができる(ランク C)。 9)経直腸超音波により前立腺が観察できる(ランク C)。 10)各種核医学画像診断法を理解し判定できる(ランク C)。 Ⅸ.腎機能検査 1)各種腎機能検査を理解し、判定できる(ランク C)。 X.各種生検 1)超音波ガイド下に前立腺生検を施行できる(ランク C)。 2)精巣生検を施行できる (ランク A)。 3)腎生検を施行できる(ランク A)。 XI.ウロダイナミックス 1)尿流量測定が実施・判定できる(ランク C)。 2)膀胱内圧測定の原理を理解し、実施・判定ができる(ランク C)。 3)内圧・尿流検査が実施・判定できる(ランク C)。 4)腎盂内圧測定(Whitaker テスト)の原理を理解できる(ランク B)。 (3)泌尿器科腫瘍学  泌尿器科では悪性腫瘍の診療は非常に大きな位置を占めている。その診療において は初診時の問診から診断、外科的および内科的治療、外来でのフォローアップ、さら には末期癌患者のケアに至るまで、正確な知識、技術ならびに人間性が要求される。  また患者、患者の家族に納得される診療を行うには、医療従事者だけでなく、一般 人にも平易に病状を概説する能力と communication をとれる能力も必要である。  以上のことを念頭に入れ、研修期間に以下の知識、技術を習得するとともに、医師 として人間的にも成長することが望まれる。  腫瘍に対する治療方法、治療成績については http://www.cancer.gov/cancerinfo/pdq/ から PDQ の情報を入手することが可能である。

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Ⅰ.腫瘍学基礎  1)TNM 分類について概説ができる。(ランク C)  2)抗癌剤の分類、作用機序、適応、副作用が概説できる(ランク C)。     アルキル化剤、アンスラサイクリン系、ビンカアルカロイド系、     代謝拮抗剤、プラチナ系、タキサン系  3)泌尿器科遺伝性腫瘍疾患について遺伝形式、頻度、表現型、責任遺伝子などに    ついて概説できる。(ランク A)

   von Hippel Lindau 病、結節性硬化症、多発内分泌腫瘍 II 型、WAGR 症候群

 4)放射線療法に用いられる線種、照射方法、副作用について概説できる。(ランク C)  5)化学療法、放射線療法などにおける固形腫瘍治療効果の判定基準(日本癌治療 学会ならびに RECIST )を概説できる。(ランク A)

(http://www.jcog.jp/SHIRYOU/fra_shiryoutop.htm RECIST から日本語版を down load し 参照) 

   完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、不変(NC)、進行(PD)について概説できる。 6)化学療法での adjuvant chemotherapy 及び neoadjuvant chemotherapy について概 説できる(ランク A)。 Ⅱ. 悪性腫瘍患者のケア  1)悪性腫瘍患者のケア、診療に際し、患者と妥当な communication がとれる。(ラ   ンク B)  2)悪性腫瘍にともなう疼痛コントロールができる。(ランク B)  3)化学療法時の造血器合併症〈顆粒球減少、血小板減少など〉に対する分類と処置が できる。(ランク B)  4)化学療法時の非造血器系合併症(消化器症状、嘔吐、腎障害、肝障害など)に   対する予防と処置ができる。(ランク B)  5)放射線療法の合併症に対する処置ができる。(ランク B) (上記 3),4),5)については http://www.jcog.jp/SHIRYOU/fra_shiryoutop.htm NCI CTC から down load したものを参照)  6)放射線性膀胱炎の処置、フォロー、ケアができる。(ランク B)  7)悪性腫瘍に伴う DIC、呼吸不全、ARDS などの診断と対応ができる。(ランク B)  8)中心静脈の catheterization ができる。(ランク B)  9)末期悪性腫瘍患者のケアができる。(ランク B)

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  特に排便障害、排尿障害、呼吸困難、食欲不振、掻痒  10)悪性腫瘍患者のケア、診療に際し、家族や近親者とも妥当な communication   がとれる。(ランク B) Ⅲ. 腎腫瘍 (A)腎腫瘍の基礎知識  1)腎腫瘍の疫学、危険因子、家族性腎腫瘍(とくに VHL、結節性硬化症)について概 説できる。(ランク C)  2)腎腫瘍の病理(ランク B)    a)腎腫瘍の肉眼的組織像から典型的な淡明細胞癌か腎血管筋脂肪腫か、またはそ れ以外の腫瘍かを予想できる。    b)腎腫瘍の病理組織像から以下のどれに分類できるかが判り、またその生物学的 悪性度、予後などについて概説できる。     オンコサイトーマ、淡明細胞癌、顆粒細胞癌、嫌色素細胞癌、紡錘細胞癌、 嚢胞随伴性腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌、集合管癌(Bellini 管癌)  3)腎の腫瘤性病変の画像検査の特徴を概説できる。(ランク B)    (a)嚢胞性腫瘤病変、(b)腎血管筋脂肪腫、(c)典型的な腎細胞癌(淡明細胞 癌)、 (d)その他の特殊型腎細胞癌、転移性腎腫瘍、Wilms 腫瘍、腎盂腫瘍  4)腎癌の TNM 分類、Robson 分類、進展様式(α,β,γ)、浸潤(Ly,V)を概説でき る。(ランク C)  5)腎癌患者で高くなる血清学的検査(NSE、IAP など)を挙げ、解説できる。(ランク C)  6)腎癌の TNM 分類、Robson 分類ごとの期待生存率、病期に応じた治療法を概説できる。 (ランク B)  7)腎癌に対する根治的腎摘除の適応について概説できる。(ランク C)  8)根治的腎摘除術における副腎切除、リンパ節郭清の意義について概説できる。 (ランク B)  9)腎癌に対する腎温存手術の適応、方法(部分切除など)、合併症、予後などについ て 概説できる。(ランク B)

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 10)腎癌の免疫療法について概説できる。(ランク B)  11)腎癌の放射線療法の適応(palliative Tx)について概説できる。(ランク B)  12)Wilmus 腫瘍の化学療法について概説できる。(ランク B) (B)腎腫瘍患者の診察と診断  1)腎腫瘍の病期判定に必要な画像検査とその適応を概説できる。(ランク C)  2)腎腫瘍患者の理学的所見:以下の特徴的な理学的所見を適切に捉えることができる 腹部腫瘤、表在リンパ節腫脹、精索静脈瘤、腹壁側副静脈、等(ランク C)   3)腎腫瘍患者の超音波検査ができ、T分類への所見を得られる。(ランク C)  4)腎腫瘍患者の胸腹部 CT の読影ができ、TNM 分類への所見が得られる。(ランク C)  5)腎腫瘍患者における MRI の適応を解説でき、その読影ができる。(ランク C)  6)腎腫瘍患者における腹部血管造影の適応および塞栓術の適応、その危険性を解説で きる。(ランク C)  7) 腎腫瘍患者の腹部血管造影施行前後の管理とその読影ができる。(ランク C) (C)腎腫瘍患者の周術期管理とケア  1)根治的腎摘除患者の周術期管理ができる。(ランク C)  2)腎部分切除患者の周術期管理ができる。(ランク C)  3)転移のある腎細胞癌に対する治療法とその適応について概説できる。(ランク B)  4)インターフェロン α 投与の適応、効果、副作用などについて概説できる。(ランク B))  5)インターフェロン α 投与時の副作用発現時の対処ができる。(ランク B)  6)インターロイキン 2 投与の適応、効果、副作用などについて概説できる。(ランク B)  7)インターロイキン 2 投与時の副作用発現時の対処ができる。(ランク B)  8)インターフエロン γ 投与の適応、効果、副作用などについて概説できる。(ランク B)  9)腎癌の肺転移巣に対する治療戦略を概説、対処できる。(ランク B)  10)腎癌の骨転移巣に対する治療戦略を概説、対処できる。(ランク B)  11) 腎癌の脳転移巣に対する治療戦略を概説、対処できる。(ランク B)  12)腎癌に対する手術後の外来でのフォローアップができる。(ランク B) Ⅳ.尿路上皮腫瘍(癌) (A)尿路上皮腫瘍(癌)の基礎知識

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 1)尿路上皮癌の疫学、危険因子、職業性膀胱癌について概説できる。(ランク C)  2)上部尿路上皮癌の TNM 分類、進展様式(α,β,γ)、浸潤(Ly,V)を概説できる。 (ランク C)  3)膀胱癌の TNM 分類、進展様式(α,β,γ)、浸潤(Ly,V)を概説できる。(ラン ク C)  4)尿路上皮癌の異所性、異時性多発性の臨床的、生物学的意義を概説できる。(ラン ク C)  5)抗がん剤の膀胱内注入療法の適応、方法、薬剤、合併症、利点、欠点について概説 できる。(ランク C)  6)BCG の膀胱内注入療法の適応、方法、薬剤、合併症、利点、欠点について概説でき る。(ランク C)  7)尿路上皮癌(移行上皮癌)に対する全身化学療法の代表的レジメン MVAC、CMV を概 説できる。 とくに、奉効率、副作用、適応について(ランク C)  8)浸潤性膀胱癌に対する膀胱全摘除術の適応、合併症、成績について概説できる。 (ランク C)  9)膀胱全摘除後の各種尿路変更(自排尿型代用膀胱、回腸導管、尿管皮膚瘻)の適応 欠点、利点、成績について概説できる。(ランク C)  10)膀胱温存の適応とその方法に関して概説できる。(ランク C) (B)尿路上皮腫瘍(癌)患者の診察と診断  1)尿路上皮癌の診断・検査手順を概説できる。(ランク C)  2)尿路上皮癌患者の病歴、理学所見を適切にとれる。(ランク C)  3)尿路上皮癌の内視鏡所見、肉眼所見からおおよその悪性度、予後について予想でき る。(ランク C)  4)上部尿路上皮癌の cTNM 分類別治療法を概説できる。(ランク C)  5)膀胱癌の cTNM 分類別治療法を概説できる。(ランク C)  6)尿路上皮癌の病理組織学的所見を判読し、異型度、深達度を判定できる。(ランク A)  7)尿路上皮癌の以下の組織学的分類の判定ができる。(ランク A)      移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌  8)尿道膀胱鏡検査にあたり、局所麻酔、仙骨麻酔、腰椎麻酔を遂行できる。(ランク C)  9)硬性尿道膀胱鏡検査ができる。(ランク C)

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 10)軟性尿道膀胱鏡検査ができる。(ランク B)  11)膀胱鏡検査によりおおよその膀胱癌の T 分類(深達度)判定ができる。(ランク C)  12)尿道膀胱鏡検査による所見を記載できる。(ランク C)  13)逆行性腎盂尿管造影が行え、その結果が読影できる。(ランク C)  14)腎上部尿路膀胱部の超音波検査ができ、所見が得られる。(ランク C)  15)排泄性尿路造影の読影ができる。(ランク C)  16)尿路上皮癌の病期判定としての CT 検査の読影ができる。(ランク C)  17)尿路上皮癌の病期判定における MRI 検査の読影ができる。(ランク B)  18)膀胱腫瘍に対する経尿道的生検ができる。(ランク C)  19)上部尿路上皮癌の疑いのある患者の尿管鏡検査の適応を概説できる。(ランク B)  20)尿管鏡検査の実際のステップを理解し、施行できる。(ランク B) 21)膀胱癌患者の膀胱タンポナーデに対する処置、凝血塊除去が適切にできる。(ラ ンク C)  (C)尿路上皮腫瘍(癌)患者の周術期管理とケア  1)各種尿路カテーテル交換が行える。(ランク C)  2)表在性膀胱癌の内視鏡治療(TUR-Bt)の術後管理ができる。(ランク C)  3)腎尿管全摘除術の術前管理ができる。(ランク C)  4)腎尿管全摘除術の術後管理ができる。(ランク C)  5)膀胱(尿道)全摘除、尿路変更術の術前管理が行える。(ランク C)  6) 膀胱(尿道)全摘除、尿路変更術の術後管理が行える。(ランク C)  7)膀胱(尿道)全摘除術後のイレウス、腸管合併症の対処、処置ができる。(ランク B)  8)表在性勝胱癌患者の外来フォローアップが適切に行える。(ランク C)  9)抗がん剤による膀胱内注入療法が適切に行える。(ランク C)  10)抗がん剤による膀胱内注入療法の合併症の対処・処置が適切に行える。(ランク C)  11)BCG 腕胱内注入療法が適切に行える。(ランク C)  12)BCG 勝胱内注入療法の合併症の対処・処置が適切に行える。(ランク C)  13)尿路上皮癌患者に全身化学療法を安全に施行でき、副作用、合併症の適切な対処 ができる。(ランク B)  14)膀胱全摘除、尿路変更後患者の外来フォローが適切に行える。(ランク B)

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 15)尿路変更患者のストマの管理が行える。(ランク B) 精巣腫瘍 (1) 精巣腫瘍の基礎知識 ・ 精巣腫瘍の好発年齢、リスクファクターについて概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の年齢分布の二峰性について、それぞれのピークの特徴を共通点、相違 点を挙げて概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の鑑別診断を挙げ、それらを概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の病理組織学的分類につき、胚細胞腫、非胚細胞腫について大別し、さ らに胚細胞腫の各組織学的分類について生物学的特徴を概説できる。(ランク C) ・ 性腺外胚細胞腫瘍について概説できる。(ランク B) ・ 精巣腫瘍の腫瘍マーカーを列挙し、それぞれの産生機序、半減期、診断・治療に おける意義について概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の病期分類(精巣腫瘍取り扱い規約分類、UICC の TNM 分類)を概説でき る。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の病期分類のための理学検査、画像検査を概説できる。(ランク C) ・ 国際胚細胞癌共同研究グループ(IGCCCG)のリスク分類を概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の病期別(セミノーマ、非セミノーマ、病期Ⅰ~Ⅲ、予後不良群)の治 療方針と予後について概説できる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の化学療法の各種レジメについて、方法、副作用について概説できる。 (ランク C) ・ 精巣腫瘍に対する末梢血幹細胞移植併用超大量化学療法のレジメ、適応、成績、 合併症について概説できる。(ランク A) ・ 精巣腫瘍に対する新規抗がん剤を用いた化学療法のレジメ、適応、成績、合併症 について概説できる。(ランク A) ・ 精巣腫瘍の手術(高位精巣摘除術、後腹膜リンパ節郭清術)について、方法、適 応、合併症につき概説できる。(ランク B) ・ 精巣腫瘍に対する転移腫瘍切除術(metastasectomy)の意義について概説できる (ランク B) ・ 精巣腫瘍の放射線療法の適応、合併症、成績について概説できる。(ランク C)

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・ 精巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術の現状について概説できる。(ランク A) ・ 精巣腫瘍患者の妊孕性について概説できる。(ランク B) (2) 精巣腫瘍患者の診断 ・ 精巣腫瘍が疑われる患者の問診、理学所見を適切にとり、的確に記載できる。 (とくに精巣の触診、腹部所見、表在リンパ節触診、女性化乳房の有無の確認) (ランク C) ・ 精巣の超音波診断が行え、適切な所見の記載ができる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の診断に必要な画像検査、血液検査のオーダーをおこない、結果につい て読影、解釈できる。(ランク C) (3) 精巣腫瘍患者の周術期管理と化学療法 ・ 高位精巣摘除術の周術期管理ができる。(ランク C) ・ 後腹膜リンパ節郭清術の周術期管理ができる。(ランク C) ・ 精巣腫瘍の標準的な導入化学療法(BEP 療法)を適切に行い、合併症に対処できる。 (ランク B) ・ 精巣腫瘍の救済化学療法(VIP 療法、VeIP 療法)を適切に行い合併症に対処でき る。(ランク A) ・ 精巣腫瘍の放射線療法を適切に行い、合併症に対処できる。(ランク B) ・ 精巣腫瘍の治療効果判定を RECIST の基準に従って正しく評価できる。(ランク B) ・ 難治性精巣腫瘍に対し末梢血幹細胞採取を行い、超大量化学療法を実践できる。 (ランク A) ・ 難治性精巣腫瘍に対し新規抗がん剤を用いた救済化学療法を実践できる。(ラン ク A) ・ 精巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術の周術期管理ができる。(ランク A) (4) 精巣腫瘍患者のフォローアップ   ・精巣腫瘍患者の外来フォローアップを適切に行える。(ランク B) 前立腺癌 (A)前立腺癌の基礎知識

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 1)前立腺癌の人種差、地理的背景、遺伝性前立腺癌などについて概説できる。(ラン ク B)  2)前立腺癌の危険因子について概説できる。(ランク B)  3)前立腺の解剖学的構造について概説できる。(ランク C)  4)前立腺癌の主症状について概説できる。(ランク C)  5)Gleason 分類、異型度分類(前立腺癌取り扱い規約)について概説できる。 (ランク C)  6)前立腺癌の組織学的特殊型(類内膜腺癌または導管癌、粘液癌、印環細胞癌、   小細胞癌、PIN、など)について概説できる。(ランク B)  7)血清 PSA 検査について概説できる。(ランク C)

 8)PSA Density、PSA Velocity、PSADT、Free/Total PSA Ratio 等について概説    できる。(ランク B)  9)前立腺癌の病期診断に必要な検査を概説できる。(ランク C)  10)前立腺癌の病期別標準的治療方針が概説できる。(ランク C)  11)前立腺全摘除術の適応、成績、合併症について概説できる。(ランク B)  12)前立腺癌に対する放射線療法(外照射、Brachy therapy)の適応、成績、合併  症について概説できる。(ランク B)  13)前立腺癌に対する内分泌療法の方法、適応、成績、合併症について概説できる。 (ランク B)  14)前立腺癌に対する化学療法の適応、方法、成績、合併症について概説できる。(ラ ンク B) (B)前立腺癌患者の診察と診断  1)直腸指診が適切に行え、前立腺の性状を正確に記載できる。(ランク C)  2)直腸診による前立腺癌の T 分類が正確に行える。(ランク C)  3)経直腸超音波断層検査が行える。(ランク C)  4)経直腸超音波断層ガイド下の前立腺生検が行える。(ランク B)  5)前立腺癌の病期診断としての CT 検査の読影ができる。(ランク B)  6)前立腺癌の MRl 検査の適応を概説でき読影ができる。(ランク B) (C)前立腺癌患者の周術期管理とケア  1)根治的前立腺全摘除術の周術期管理ができる。(ランク C)  2)根治的前立腺全摘除術後(術後早期、晩期)の尿失禁に対する対処、対応がで   きる。(ランク B)

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 3)根治的前立腺全摘除術後の吻合部尿道狭窄に対する対処、処置ができる。(ラン  ク B)  4)前立腺原発巣の放射線療法の合併症に対する対処、対応ができる。(ランク B)  5)前立腺癌のホルモン療法による合併症に対する対応ができる。(ランク C)  6)前立腺癌の骨転移による疼痛に対する対処、対応ができる。(ランク B)  7)前立腺癌の転移による神経(圧迫)症状に対する対処、対応ができる。(ランク   B)  8)前立腺癌による水腎症に対して患者の状態に応じて対応、処置ができる。(ラン  ク B)  9)前立腺癌による下部尿路閉塞、血尿に対して患者の状態に応じて対応、処置が   できる。(ランク B) Ⅶ.前立腺肥大症 前立腺肥大症の有病率は高く、今後の超高齢化社会においては前立腺肥大症の診療に 対する需要は益々増大するものと考えられる。現在前立腺肥大症の診療は、有効な薬物 治療の開発や診療需要の増大により、泌尿器科専門医のみならず、非泌尿器科や実地医 家においても広く行われている。今後、この傾向は益々顕著となることが予想され、非 泌尿器科医との shared-care が重要な課題となってくる。こういった、状況にあって、泌 尿器科専門医は、前立腺肥大症のより専門的で質の高い診療、すなわち、尿流動態検査 を含むより高度な診断、低侵襲治療や外科的治療によるより専門的な治療を担うことと なると考えられ、すべての泌尿器科専門医がそのレベルの知識・技術を身につける必要 がある。 (A)前立腺肥大症の基礎知識  1)前立腺肥大症の定義、危険因子、発症母地などについて概説できる。(ランク C)  2)前立腺肥大症の主症状について概説できる。(ランク C)  3)国際前立腺症状スコア(lPSS)、QOL スコアについて概説できる。(ランク C)  4)前立腺肥大症と癌の鑑別における血清 PSA 測定について概説できる。(ランク C)  5)尿流動態検査について概説できる。(ランク C)

 6)Abram-Griffith ノモグラム、Schafer ノモグラム、ICS ノモグラムを概説できる。 (ランク C)

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概説できる。(ランク C)  8)経尿道的前立腺切除術の適応、合併症、成績について概説できる。(ランク C)  9)前立腺被膜下摘除術の適応、合併症、成績について概説できる。(ランク C)  10)前立腺肥大症の薬物療法の種類、適応、副作用、成因について概説できる。(ラン ク C)  11)前立腺肥大症に対する近年の低侵襲治療法について概説できる。(ランク C)  12)「前立腺肥大症診療ガイドライン」について概説できる。(ランク C)    参考図書:EBM に基づく前立腺肥大症診療ガイドライン(編集:泌尿器科領域の治 療標準化に関する研究班、出版社:じほう、平成 13 年) (B)前立腺肥大症患者の診察と診断  1)直腸診が適切に行え、前立腺の性状を正確に記載できる。(ランク C)  2)尿流測定と残尿測定が適切に行え、結果を解釈できる。(ランク C)  3)腹部超音波断層検査で上部尿路の評価ができる。(ランク C)  4)経直腸超音波断層検査で前立腺肥大の評価ができる。(ランク C)  5)前立腺肥大症ガイドラインに沿った重症度分類ができる。(ランク C)  6)Pressure−Flow Study が適切に行え、結果を解釈できる。(ランク C)  7)逆行性尿道膀胱造影ができる。(ランク C) (C)前立腺肥大症患者の周術期管理とケア  1)下部尿路症状を呈する患者に適切な薬物療法が行える。(ランク C)  2)経尿道的前立腺切除術の周術期管理ができる。(ランク C)  3)TUR 反応の診断、対応、処置ができる。(ランク C)  4)前立腺被膜下摘除術の周術期管理ができる。(ランク C)  5)前立腺肥大症に対する手術療法後の尿失禁の診断と治療を選択できる。(ランク A)  6)尿閉患者に対し、導尿、カテーテル留置などの処理ができる。(ランク C)  7)尿閉患者の清潔間欠自己導尿(CIC)やカテーテル管理などの患者指導ができる。 (ランク C) (4)先天異常(小児泌尿器科学)

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  尿路性器の先天異常は比較的頻度が高いものの、一般の泌尿器科診療においてはそれほ ど数多くの症例を経験することは困難である。この分野を専門的に取り扱う小児泌尿器 科医は泌尿器科専門医を取得後にさらなる研修を必要とし、小児泌尿器科専門医制度も 発足しつつあるが、泌尿器科専門医としても基本的な知識、技術は修得する必要がある。 Ⅰ.小児患者のケア  1)小児患者のケア、診療に際し、患者および保護者と妥当な communication がとれる。 (ランク C)  2)小児患者の視診、聴診、触診、腹部超音波検査などが適切に行える。(ランク C)  3)小児患者の投薬に際し、適切な投薬量や投薬方法の知識を持ち、それを適切に行え る。(ランク C)  4)小児患者の術前術後管理が適切に行える。(ランク C)  Ⅱ.腎の発生異常 (A)腎の発生異常における基礎知識        1)数の異常(一側無形成腎、両側無形成腎、過剰腎など)、大きさの異常(形成不全 について概説できる。(ランク C)  2)腎の発生異常に高頻度に合併する他の泌尿器科的先天性異常について概説できる。 (ランク B)  3)形態、位置、回転の異常(融合腎、変位腎、回転異常腎など)について概説できる (ランク C)  4)嚢胞性腎疾患(嚢胞腎、多嚢性異形成腎、海綿腎など)について、特に遺伝形式と その予後について概説できる。(ランク A) (B)腎の発生異常における診察と診断 腎の発生異常について  1)必要な画像検査とその適応が概説できる。(ランク C)  2)CT、MRl、造影検査などの読影ができる。(ランク C)  3)理学所見を適切に捉えることができる。(ランク C) (C)腎の発生異常に対する治療 1)代表的な嚢胞性腎疾患の自然史・合併症およびその予防について理解し、適切な治 療を行うことができる(ランク B)

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 III.腎盂、尿管の異常 (A)腎盂、尿管の異常における基礎知識  1)先天性水腎症について分類し概説できる。(ランク C)  2)膀胱尿管逆流症について概説できる。(ランク C)  3)巨大尿管症について分類し概説できる。(ランク C)  4)重複尿管、異所性尿管(尿管異所開口)および尿管瘤について概説できる。(ラン ク C)  5)下大静脈後尿管について概説できる。(ランク C)  6)特に嚢胞性腎疾患と水腎症を鑑別診断し、考えられる病態について概説できる。 (ランク C) (B)腎盂、尿管の異常における診察と診断 上記の腎盂・尿管異常について  1)主訴、症状、疾患が発見される契機などを概説できる。(ランク C)  2)必要な画像検査とその適応が概説できる(ランク C)  3)CT、MRI、造影検査などの読影ができる。(ランク C)  4)理学所見を適切に捉えることができる。(ランク C) (C)腎盂、尿管の異常に対する治療  1)腎盂尿管の発生異常について、予後、合併症、治療の適応、治療開始時期、治療の 合併症について十分に理解し、適切な治療法を選択できる。(ランク B) (D)腎盂、尿管の異常に対する外科的治療および周術期管理とケア    1)腎盂、尿管異常に対する外科的治療(開放手術、体腔鏡手術、内視鏡手術)の術前 術後管理ができる。(ランク C) IV.膀胱、尿膜管の異常 (A)膀胱、尿膜管の異常における基礎知識  1)膀胱憩室(ハッチの憩室など)について概説できる。(ランク C)  2)膀胱外反症、尿道上裂について概説できる。(ランク B)  3)尿膜管の異常(尿膜管開存、尿膜管嚢胞、尿膜管洞)について概説できる。(ラン ク B) (B)膀胱、尿膜管の異常における診察と診断  膀胱、尿膜管の異常について、

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 1)主訴、症状、疾患が発見される契機などを概説できる。(ランク C)  2)必要な画像検査とその適応が概説できる。(ランク B)  3)CT、MRI、造影検査などの読影ができる。(ランク B)  4)予後、合併症と手術の適応を概説できる。(ランク C)  5)特に膀胱外反症、あるいは総排泄腔の異常に関しては、非常に難しい病態であるこ とを理解し、他科とも提携して、個々の患者に応じた最終目標に向かって、長期的な視 野にたって治療を計画できる。(ランク B) (C)膀胱、尿膜管の異常における外科的治療および周術期管理とケア  1)膀胱、尿膜管の異常に対する外科的治療の術前、術後管理ができる。(ランク A) V.尿道・外陰の異常 (A)尿道の異常における基礎知識  1)尿道下裂とその種類(遠位型、近位型、索変形の有無など)、それに伴う陰嚢の異 常について概説できる。(ランク B)  2)先天性後部尿道弁について概説できる。(ランク B)  3)先天性尿道狭窄(尿道リング狭窄)について概説できる。(ランク B)  4) 女児小陰唇癒着症について概説できる。(ランク B) (B)尿道・外陰の異常における診察と診断        1)尿道・外陰の異常について、症状、疾患が発見される契機などを解説できる。(ラ ンク C)  2)尿道・外陰の異常について、必要な画像検査とその適応が概説できる。(ランク B)  3)尿道下裂における、適切な手術適応、手術術式、手術時期、手術の合併症を概説で きる。(ランク B)      .  4)先天性後部尿道弁、先天性尿道狭窄の手術適応、手術の合併症を概説できる。(ラ ンク B)  5) 女児小陰唇癒着症の治療方法を概説できる。(ランク B) (C) 尿道の異常における外科的治療および周術期管理とケア  1)尿道の異常に対する外科的治療の術前、術後管理ができる。(ランク C) Ⅵ.陰茎の疾患 (A)陰茎の疾患における基礎知識

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 1)小児の包茎(真性、仮性)について概説できる。(ランク C)  2)埋没陰茎、翼状陰茎について概説できる。(ランク C)  3)矮小陰茎について概説できる。(ランク C)  4)外尿道口嚢胞、陰茎正中縫線嚢胞について概説できる。(ランク C) (B) 陰茎の疾患における診察と診断  1)包茎の保存的治療(翻転指導、軟膏塗布)、手術の適応と時期、手術術式と合併症 について概説できる。(ランク C)  2)埋没陰茎、翼状陰茎の手術適応、手術時期について概説できる。(ランク B)  3)矮小陰茎について、必要な検査と治療法を概説できる。(ランク B) (C)陰茎の疾患における外科的治療および周術期管理とケア  1) 陰茎の異常に対する外科的治療の術前、術後管理ができる。(ランク C) Ⅶ.陰嚢、陰嚢内容の異常 (A) 陰嚢、陰嚢内容の異常における基礎知識  1)生理的な(正常な)精巣の下降のメカニズムおよび生理的な精巣の下降が障害され た場合における潜伏精巣(停留精巣)の分類について概説できる。(ランク C)  2)精巣捻転症について概説できる。(ランク C)  3)陰嚢水腫、精索水腫とその発症機序について概説できる。(ランク C) (B)陰嚢、陰嚢内容の異常における診察と診断  1)停留精巣とくに不触知精巣の理学所見、必要な検査、画像診断、手術適応が解説で きる。(ランク C)  2)陰嚢水腫、精索水腫の理学所見、鑑別診断、必要な検査、画像診断、術式、手術時 期を解説できる。(ランク C)  3)精巣捻転症が緊急性のある疾患であることを十分理解した上で、必要な検査を迅速 に行い、鑑別診断することができる。(ランク B) (C) 陰嚢、陰嚢内容の異常における外科的治療および周術期管理とケア  1)陰嚢、陰嚢内容の異常における外科的治療の術前、術後管理ができる。(ランク C) Ⅷ.小児の尿路性器悪性腫瘍 (A)小児の尿路性器悪性腫瘍における基礎知識  1)ウイルムス腫瘍の発生頻度、合併症(症候群)、組織分類、病期分類について概説 できる。(ランク B)

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 2)先天性間葉腎芽腫について概説できる。(ランク B)  3)副腎または後腹膜神経芽腫について概説できる。(ランク B)  4)横紋筋肉腫の発生頻度、病期分類について概説できる。(ランク B) (B)小児の尿路性器悪性腫瘍における診察と診断  1)小児の尿路性器悪性腫瘍について、主訴、症状、疾患が発見される契機などを概説 できる。(ランク B)  2)尿路性器悪性腫瘍の理学所見、必要な内分泌検査、画像診断が解説できる。(ラン ク B)  3)小児の尿路性器悪性腫瘍の組織型、病期分類に従った治療方針を決定し、化学療法 放射線療法の適応、手術の適応を概説できる。(ランク A) (C)小児の尿路性器悪性腫瘍における外科的治療および周術期管理とケア  1)小児の尿路性器悪性腫瘍の外科的治療の術前、術後管理ができる。(ランク B) (D)小児の尿路性器悪性腫瘍における化学療法  1)小児の尿路性器悪性腫瘍に対する抗癌剤の化学療法について理解し、実践できる (ランク A)。 IX.尿失禁と夜尿症 (A)尿失禁と夜尿症における基礎知識  1)尿調節機構〈中枢神経、末梢神経〉について概説できる。(ランク C)  2)失禁について分類し、尿失禁をきたす原因疾患(神経学的疾患、器質的疾患)につ いて概説できる。(ランク C)  3)夜尿症(遺尿症)の原因について概説できる。(ランク B) (B)尿失禁と夜尿症における診察と診断  1)尿失禁の状態把握のために、保護者および患児より診断に必要な情報を聴取できる (ランク B)  2)器質的疾患との鑑別に必要な腹部超音波検査など適切な検査を選択し、施行できる (ランク B)  3)小児に対して膀胱鏡などの内視鏡操作ができる。(ランク A) (C)尿失禁と夜尿症に対する治療 1) 尿失禁または夜尿症に対する、カウンセリング、適切な投薬の選択ができる。 (ランク A)

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(5)尿路結石   泌尿器科の診療において尿路結石症例は少なくない。その治療法は ESWL の登場以来大き く変化し、麻酔下の観血的治療件数が激減した。低侵襲の治療法が出てきたことによっ て、尿路結石自体の治療方針も変わり、砕石術によるものが中心になり、病因の解明や 結石の予防は積極的に行なわれることが少なくなりつつある。しかし、結石症の背景に ある基礎疾患の診断と原因の治療が今でも必要であることには変わりはなく、その知識 は必要である。また、砕石、あるいは結石破砕に使用する機器は様々あり、各機器と治 療法の優れた点と欠点、合併症と限界をよく知った上で、治療戦略を立てる必要がある。 また、施設間で使用できる機器が異なるのも事実であり、複数施設で連携した治療計画 についても考慮できる能力が要求され、患者に適切な助言を行なえることが望ましい。 Ⅰ.尿路結石の基礎  1)尿路結石の疫学、成因、危険因子について概説できる(ランク C)。  2)尿路結石成分と各々の特徴について概説できる(ランク C)。  蓚酸カルシウム、燐酸カルシウム、尿酸、シスチン、燐酸マグネシウムアンモニウム  3)内分泌、代謝異常と尿路結石の生成について概説できる(ランク C)。  4)ESWL について結石破砕の原理や生体に対する影響について概説できる(ランク C)。  5)砕石術に使用する砕石機器についてその原理、特徴について概説できる (ランク C) 。  6)尿路結石症の治療に使用される薬物について作用機序、適応、副作用の概説ができ る(ランク C)。 Ⅱ.尿路結石症患者のケア  1)尿路結石症患者の検尿所見についての概説ができる。(ランク C)  2)尿路結石症にともなう疼痛コントロールができる。(ランク C)  3)各種カテーテルによる腎瘻管理が行なえる。(ランク B)  4)各種尿管カテーテルの適切な選択と管理、交換が行なえる(ランク B)。  5)尿路結石症に伴う感染症、DIC、腎機能障害などの診断と対応ができる(ランク B) 。  6)尿路結石の再発予防のための留意点について患者に説明できる(ランク C)。  7)薬物療法を含め、尿路結石症患者の外来フォローアップが適切に行なえる(ランク

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B)。 Ⅲ. 腎結石 (A)腎結石患者の診察と診断  1)腎結石の診断、検査手順を概説できる(ランク C)。  2)腎結石患者の病歴、理学所見を適切にとれる。(ランク C)  3)腎結石患者の超音波検査が施行でき、結石の所在、水腎症などの合併の診断ができ る(ランク C)。  4)腎結石患者における単純X線検査および造影X線検査の適応を説明でき、また写真 の読影ができる。(ランク C)  5)腎結石患者における CT 検査の適応が説明でき、読影ができる。(ランク C)  6)サンゴ状結石を含めた腎結石に対する治療方法と合併症、戦略について概説できる (ランク C)  7)腎結石患者の一日尿検査(飲水制限等の負荷試験を含む)における尿中物質の解釈 ができる。(ランク C)  8)腎結石患者における血中のホルモン(PTH 等)の異常の解釈ができる。(ランク C) (B)腎結石患者の周術期管理とケア  1)PNL 患者の術前管理ができる。(ランク C)  2)PNL 患者の術後管理ができる。(ランク C)  3)腎結石に対する ESWL 患者の周術期管理ができる。(ランク C)  4)(開放)腎切石、腎盂切石術患者の周術期管理ができる。(ランク A)  5)結石の潅流溶解療法の周術期管理ができる。(ランク B) Ⅳ.尿管結石 (A)尿管結石患者の診察と診断  1)尿管結石の診断、検査手順を概説できる。(ランク C)  2)尿管結石患者の病歴、理学所見を適切に取れる。(ランク C)  3)尿管結石患者の超音波検査が施行でき、結石の所在、水腎症などの合併の診断が できる。(ランク C)  4)尿管結石患者における造影X線検査の適応を説明でき、また写真の読影ができる。 (ランク C)

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 5)尿管結石患者における CT および MRI 検査の適応が判断でき、読影ができる。(ラ ンク C)  6)尿管結石の治療法の選択肢について概説でき、適応を判断できる。(ランク B) (B)尿管結石患者の周術期管理とケア  1)尿管結石の保存的治療、管理が施行できる。(ランク C)  2)尿管カテーテル法の適応、副作用について概説でき施行、術後管理ができる。(ラ ンク B)  3)TUL 患者の周術期管理ができる。(ランク C)  4)尿管結石に対する ESWL 患者の周術期管理ができる(ランク C)。  5)"Stonestreet"に対する管理ができる。(ランク B)  6)尿管切石(開腹・体腔鏡)患者の術前管理ができる。(ランク B)  7)尿管切石(開腹・体腔鏡)患者の術後管理ができる。(ランク A) V.下部尿路結石 (A)下部尿路結石の診断  1)下部尿路結石患者の病歴、理学所見を適切に取れる(ランク C)。  2)下部尿路結石の診断、検査手順を概説できる(ランク C)。  3)下部尿路結石患者の超音波検査が施行でき、結石の所在の診断ができる。(ランク C)  4)下部尿路結石患者における造影 X 線検査や CT 検査の適応を概説でき、また写真の読 影ができる。(ランク C)  5)膀胱結石の治療方法の選択肢について概説でき、患者の状態とあわせ適応を判断で きる。(ランク C) (B)下部尿路結石患者の周術期管理とケア  1)膀胱結石患者の排尿管理が適切に行なえる。(ランク C)  2)尿道結石に対する内視鏡下操作を適切に行なえる。(ランク B)  3)経尿道的膀胱結石破砕患者の術前管理ができる。(ランク C)  4)経尿道的膀胱結石破砕患者の術後管理ができる。(ランク C)  5)膀胱高位切開術患者の術前管理ができる。(ランク C)  6)膀胱高位切開術患者の術後管理ができる。(ランク C)  7)膀胱結石に対する ESWL 患者の周術期管理ができる.(ランク C)

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(6)尿路外傷・損傷 泌尿器科日常診療において外傷を主訴とする症例は数的に多くは無いがその病態は 多岐にわたる。受傷時の全身状態の把握、管理はもとより、泌尿器科で扱う臓器局 所の長期的な後遺症の程度を考え初期治療方針を決定することは、泌尿器科医に対 して求められる要件である。また、多くの受傷は予測されない時に発生するため、 その時点での病状、治療を開始することにより改善される事態、起こりうる合併症、 治療を行なっても残る後遺症等に関して、患者やその関係者に対して、知識に基づ いた説明をわかりやすく行なえることが必要である。 Ⅰ.尿路外傷の基礎知識  1)尿路と尿路周囲臓器の解剖を概説できる(ランク C)。  2)尿路外傷の疫学について概説ができる(ランク C)。 Ⅱ.尿路外傷患者のケア  1)尿路外傷患者に対して適切な疼痛、血圧、出血コントロールができる(ランク C)。  2)尿路外傷患者のケア、診療に際し、患者及び患者家族と妥当な communication がと れる(ランク C)。  3)尿路外傷の合併症としての感染症、DIC、腎機能障害などの診断と対処、あるいは 予防ができる(ランク C)。 III.腎外傷 (A)腎外傷の基礎知識  1)腎と腎周囲の解剖、腎盂尿管との関係、腎の血行支配などを概説できる (ランク C) 。  2)腎の血流動態と腎内分泌との関連を概説でき、外傷後の長期合併症につき概説でき る(ランク C)。  3)腎外傷の受傷機転と危険因子についての概説ができる(ランク C)。  4)腎外傷の重傷度についての分類を概説できる(ランク C)。  5)血管造影の方法、塞栓術の方法、塞栓物質の種類と効果について概説できる(ラン ク C)。  6)腎外傷の診断、検査治療手順を概説できる(ランク C)。

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(B)腎外傷患者の診察と診断  1)腎外傷患者の病歴、理学所見を適切にとれる。(ランク C)  2)腎外傷患者の超音波検査が施行でき、重傷度、血行動態についての評価について説 明できる。(ランク B)  3)腎外傷患者における動脈造影の適応を説明でき、塞栓術の適応についての説明がで きる。(ランク B)  4)腎外傷患者の CT 検査の適応が説明でき、その読影、重傷度の判定ができる。(ラン ク C)  5)X 線撮影フィルムで腎外傷の所見を説明できる。(ランク C) (C)腎外傷患者の周術期管理とケア  1)腎外傷の保存的治療、管理が施行できる。(ランク B)  2)腎外傷患者の術前管理が行なえる。(ランク C)  3)単純腎摘除術の術後管理が行なえる。(ランク C)  4)腎部分切除術、腎盂修復を伴う腎修復術の術後管理が行なえる。(ランク B)  5)腎外傷患者における腎動脈吻合術の周術期管理が行なえる。(ランク A)  6)腎外傷における動脈塞栓術患者の術後管理が行なえる。(ランク B)  7)腎外傷に伴う感染症、DIC、腎機能障害などの診断と対処ができる。(ランク A)        lV.尿管損傷 (A)尿管損傷の基礎知識  1)尿管の構造を概説できる(ランク C)。  2)尿管損傷の疫学、発生要因について概説できる(ランク C)。  3)尿管を含んだ部位の尿路再建術について概説できる(ランク C)。  4)尿管損傷患者の診断、検査手順を概説できる(ランク C)。 (B)尿管損傷患者の診察と診断  1)尿管損傷患者の病歴と理学所見を適切に取れる。(ランク C)  2)尿管損傷(尿管腟瘻を含む)患者の排泄性腎盂尿管造影の所見を判断できる。(ラ ンク B)  3)逆行性腎盂尿管造影検査および色素注入検査等を施行できる。(ランク B) (C)尿管損傷患者の周術期管理とケア  1)尿管損傷、尿管腟瘻患者の保存的治療が行なえ、観血治療についての説明が行なえ る。(ランク B)

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 2)尿管新吻合術(膀胱弁吻合術を含む)患者の術前管理が行なえる。(ランク C)  3)尿管新吻合術患者の術後管理が行なえる。(ランク C)  4)腸による尿管置換術患者の術前管理が行なえる。(ランク C)      5)腸による尿管置換術患者の術後管理が行なえる。(ランク C)  6)尿管損傷患者の外来でのフォローアップが行なえる。(ランク C)  7)医原性損傷に対して、患者、家族に充分に説明でき、他科と連携できる。(ランク B) V.膀胱外傷 (A)膀胱外傷の基礎知識  1)膀胱外傷の受傷機転について概説ができる(ランク C)。  2)膀胱破裂の危険因子について概説ができる(ランク C)。  3)膀胱破裂の重傷度についての概説ができる(ランク C)。  4)膀胱外傷患者の診断、検査手順を概説できる(ランク C)。 (B)膀胱外傷患者の診察と診断  1)膀胱破裂患者の病歴、理学的所見を適切にとれる。(ランク C)  2)膀胱腟瘻患者の病歴、理学的所見を適切にとれる(ランク C)。  3)膀胱外傷患者の造影 X 線撮影写真を施行でき、読影を行なえる。(ランク B)  4)膀胱外傷患者の CT 検査の適応を判断できる。(ランク B) (C)膀胱外傷患者の周術期管理とケア  1)膀胱外傷患者の保存的治療を行なうことができる。(ランク B〉  2)経尿道膀胱留置カテーテルの管理が行なえる。(ランク C)  3)膀胱修復術患者の術前管理が行なえる。(ランク C)  4)膀胱修復術患者の術後管理が行なえる。(ランク C)  5)膀胱腟瘻閉鎖術患者の術前管理が行なえる。(ランク B)  6)膀胱腟瘻閉鎖術患者の術後管理が行なえる。(ランク B) Ⅵ.尿道外傷 (A)尿道外傷の基礎知識  1)尿道外傷の受傷機転と尿道の構造について概説できる(ランク C)。  2)尿道外傷患者の診断、検査、治療手順を概説できる(ランク C)。 (B)尿道外傷患者の診察と診断

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 1)尿道外傷患者の病歴と理学所見を適切にとれ、血腫の状態と受傷部位の把握ができ る。(ランク B)  2)尿道外傷患者における尿道造影の適応を判断し施行できる。(ランク B)  3)尿道外傷患者における CT および MRI 検査の所見を理解できる。(ランク B) (C)尿道外傷患者の周術期管理とケア  1)尿道外傷患者での膀胱瘻造設術の術前・術後管理が行なえる。(ランク B)  2)前部尿道外傷患者の保存的治療が行なえる。(ランク B)  3)尿道形成術患者の術前管理が行なえる。(ランク B)  4)尿道形成術患者の術後管理が行なえる。(ランク B)  5)術後尿道狭窄に対するフォローアップと対応ができる。(ランク C) Ⅶ.陰茎外傷 (A)陰茎外傷の基礎知識  1)陰茎の解剖、特に白膜の構造、血管走行について概説できる(ランク C)。  2)陰茎折症の受傷機序についての概説ができる(ランク C)。  3)陰茎形成術後の予後、合併症について概説ができる(ランク C)。  4)陰茎折症患者の診断と検査手順を概説できる(ランク C)。 (B)陰茎外傷患者の診察と診断  1)陰茎折症患者の病歴、理学所見を適切にとれる。(ランク B)  2)外傷性持続勃起症における診断ができる。(ランク B)  3)陰茎外傷患者における CT、MRI 検査結果を理解できる。(ランク B) (C)陰茎外傷患者の周術期管理とケア  1)陰茎折症患者の周術期管理ができる。(ランク C)  2)陰茎外傷患者の保存的治療が行なえる。(ランク B) Ⅷ.精巣外傷 (A)精巣外傷の基礎知識  1)精巣の解剖、精系血管支配について概説できる(ランク C)。  2)精巣破裂の受傷機転についての概説ができる(ランク C)。  3)精巣修復術後の合併症について概説ができる(ランク C)。  4)精巣外傷の診断と検査について概説できる(ランク C)。 (B)精巣外傷患者の診察と診断

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 1)精巣エコー検査が施行でき、精巣破裂、挫傷の診断が行なえる(ランク C)。  2)精巣摘除術の適応の説明ができる。(ランク B) (C)精巣外傷患者の周術期管理とケア  1)精巣摘除術患者の周術期管理ができる。(ランク C)  2)精巣外傷の保存的治療が施行できる。(ランク B) (7)腎不全・腎移植 腎不全、腎移植は泌尿器科全体としては subspeciality の一つであるが、腎不全、腎移植 についての基本的なことは全ての泌尿器科専門医が精通しておく必要がある。また腎不 全 の 診 断 か ら 腎 機 能 に 応 じ た 腎 不 全 治 療 、 腎 移 植 を 想 定 し た 患 者 管 理 、 腎移植時の免疫抑制剤の使用、感染の予防と制御、術後の急性期、慢性期における患者 管理、診療まで幅広い知識が求められる。またその診療においては、腎臓内科および血 液透析部との密な連携の下に進められるべきである。患者、患者の家族に納得される診 療 を 行 う に は 医 療 従 事 者 だ け で な く 、 一 般 人 に も 平 易 に 病 状 を 概 説 す る 能 力 と communication をとれる能力も必要である。特に腎移植は社会全体の医療であり、社会的 モラルを身に着けておくことが求められ、医療制度、献体腎移植制度に関しても最低限 の知識は必要である。血液透析においても腎移植医療においても高額な医療費用がかか るので、医療経済面の常識を身につけることも必須である。    Ⅰ.腎不全、透析療法の基礎知識  1)腎臓の解剖、機能について概説できる。(ランク C)  2)腎の機能(老廃物の排泄、水分、電解質の調節、エリスロポエチンの分泌、ビタ ミン D の活性化、血圧の調節)について概説できる。(ランク C)  3)腎不全の分類(急性、慢性)(腎前、腎、腎後性)について概説できる。(ランク C)  4)腎不全の病態(尿毒症、高カリウム血症、アシドーシス、貧血、腎性骨症、高血  圧うっ血性心不全、皮膚掻痒感、二次性副甲状腺機能亢進症)について概説できる。 (ランク C)  5)腎不全の原因疾患について概説できる。(ランク C)  6)透析患者の疫学(20 万人以上、年間一人 600 万円、日本全体で 1 兆円)につい て概説できる。(ランク C)

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 7)血液透析、腹膜透析の原理について概説できる。(ランク C)  8)血液濾過法、体外限外濾過法、血液吸着療法について概説できる。(ランク C)  Ⅱ.腎不全患者のケア  1)腎性、腎前性、腎後性腎不全の鑑別ができる。(ランク C)  2)腎不全を分類し、それに応じた適切な治療(緊急透析、腎瘻造設など)を周囲と 協調して施行できる。(ランク B)  3)慢性腎機能障害を認定(1、3、4 級)の判断ができる。(ランク A)  4)腎代償不全期に対して、透析以外の対症療法(利尿剤投与、高カリウム血症の是   正など)ができる。(ランク A)  5)医学的および社会的に、維持透析導入の適応が判断できる。(ランク B)  6)水分制限、栄養管理などを指導できる。(ランク B)  7)腎機能に応じて薬物投与量を調節できる。(ランク B)  Ⅲ.透析 (1)緊急ブラッドアクセス用カテーテルが留置できる。(ランク B) (2)標準的内シヤントを造設できる。(ランク A) (3)腹膜透析カテーテルを留置でき、腹膜透析患者を管理できる。(ランク A) (4)シャント穿刺、透析の管理、合併症(血圧低下、不均衡症候群など)の対処がで  きる。(ランク A) (5)シャントトラブルに対して適切な処置を選択できる。(ランク A) (6)特定疾病療養受療証、厚生医療の適応を診断できる。(ランク B)  lV.腎移植の基礎知識(ランク B)  1)疫学(透析患者 22 万人に対して、年間献体腎移植 150 件、生体腎移植 400 件程  度)について概説できる。  2)腎移植と透析を比較して生活の質(QOL)の違いを概説できる。  3)腎移植の成績〈生体腎移植では 15 年で半分が graft loss するなど)について概説 できる。  4)拒絶を引き起こす免疫機構を概説できる (HLA、抗原提示細胞、T cell、液性免 疫など)。  5)代表的な免疫抑制剤の作用機序、副作用を概説できる。

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6) 臓器分配システムについて概説できる。 7) 脳死下および非脳死下の献腎ドナーの適格条件につき概説できる。 8) 生体腎ドナーの適格条件につき概説できる。 9)  V.腎移植患者のケア(ランク A) (A)腎移植希望患者の診察  1)献体腎移植登録の適応を理解し、登録できる、又は登録先を紹介できる。  2)献腎ドナーの腎摘出までの管理ができる。 3)生体腎移植術前検査(Donor:腎機能、血管走行、感染症、HLA、自発的提供か?) (Recipient:腎の原疾患、血管奇形、感染症、HLA、基礎疾患)を施行できる。  4)術前検査の結果から、腎移植レシピエントとしての適応の是非を決定できる。 (B)腎移植  1)腎移植の周術期管理ができる。 (C)腎移植後のケア  1)適当な免疫抑制法を継続することができる。  2)免疫抑制剤使用下の適切な感染制御が施行できる。  3)腎臓内科や対応する諸科と協力して、移植後の急性期慢性期管理ができる。 (8)性分化異常・男性不妊症・男性性機能異常   男性不妊症・性機能異常に関する診療は泌尿器科領域内でも特に専門性が求められる分 野である。これらの診療領域の患者は小児病院や不妊センターなど特殊な病院に受診す ることが多く、実際に研修期間において該当症例に接する機会が少ない泌尿器科医も多 い。しかし、最近は男性不妊症・男性性機能異常に関する悩みを持つ患者は多く、これ らの患者が一般泌尿器科医を受診する機会も増えている。この為、泌尿器科専門医とし ては男性不妊症・男性性機能異常に関する正確な知識と技術を身に付け、患者に正確な 情報を提供しつつ専門病院と連携を取れるようになる必要がある。また、この分野に関 する適切な診療を行う為には、泌尿器科的な知識と共に、補助生殖医療を行う婦人科領 域や内分泌代謝学をはじめとする内科領域に関する知識も必要とされる。  以上のことを念頭に入れ、研修期間に以下の知識・技術を習得するとともに、補助生 殖医療を行うにあたり高い倫理観で患者に接することが出来るように、医師として人間 的にも成長する必要がある。

参照

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