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第3章 責任センター:収益センターと費用センター

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Academic year: 2021

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第3章 責任センター:収益セン

ターと費用センター

Anthony and Govindarajan

Management Control systems

(2)

目次

1 責任センター

2 収益センター

3 費用センター

4 管理・支援センター

5 研究・開発センター

6 マーケティングセンター

7 要約

(3)

要旨

• 4章から7章までは、コントロール過程の内容(コンテクスト)を説明。 • 責任センターでのマネジャーの行動にMCSは、関連する。 • ここでは、責任センターの一般的な性質とマネジャーの業績を測定 する上のでの効率性と効果性の2つの規準を説明する。 • ここでは、収益センターと費用センターを取り上げ、費用センターは、 さらに2つに分かれる。1つは、エンジニアード゙費用センター、もう一つは、 裁量的費用センター。 • 後者はさらに、管理と支援のセンター、研究開発センター、マーケ ティングセンターに分ける。

(4)

1 責任センター

1)責任センターは組織でありそれは、そこでの活 動に責任を有する管理者により運営される (headed)。 2)責任センターは階層構造で、入れ子になってい る。 3)責任センターの本質 責任センターは、複数の目的を達成するために存 在する。 目的を達成するための上級の経営管理者は、一連 の戦略をたてて、その実施により組織全体の ゴールを達成(実現)する。

(5)

責任センターの構造

インプットー>仕事(work)アウトプット

コストで測定される 財・サービス 資源 資本(運転資本、 設備資本) 収益は、これらのアウトプット提供から得られる価値総額である。 収益は、組織の外部に提供されたアウトプットで計算される。 組織は、各センターが入れ子あるいは、連鎖した構造であり、内部のセ ンターのアウトプットには、外部アウトプットとは別の価格付けがなされ る。

(6)

イ ン プ ッ ト ア ウ ト プ ッ ト 入れ子構造としての組織

(7)

インプットとアウトプットとの関係 1)マネジメントとはこのインプットとアウトプットとの 最適な関係を確保することにある。 2)コントロールとは、妥当な仕様、品質標準、必要 な提供時点、それの要求量を満たすアウトプット を最小のインプットを利用して達成することであ る。 3)しかし、この関係を見出すのは、難しい。 とりわけ、R&Dセンター、マーケティングセンター など。

(8)

インプットとアウトプットを測定する 1)MCSでは、多数のインプットについて、貨幣でそ の投入量(価値)を計算・測定する。これはコスト (cost)と呼ばれる。 2)アウトプットよりインプットの価値測定が容易で ある。 3)測定されたインプットは、その時のアウトプットに 影響を与えるかどうかは、分からない(タイミング 問題) 4)組織のタイプ(利益組織、公共組織、非営利組 織)では、アウトプットの測定も容易でない。

(9)

能率性と効果性(efficiencyとefffectiveness)

1)この2つの用語は、センターの業績

(performance)を判断するのに重要である。

2)この用語はどのレベルがもっとも良いかと

いうより、比較で分かる概念である。

3)能率性はインプットのみの基準であり、

一定のアウトプット価値をより少ない量のイ

ンプットで生み出せるかである。

4)有効性は、責任センターのアウトプットとそ

れの目的との間の関係により決定される。

(10)

利益の役割

1)利益は、利益獲得のための組織における

能率性と有効性の両方を測定する。

(11)

図4.2 責任センターのタイプ(MCS,p.132から引用) 製 造 機 能 R& D機 能

(12)

マー ケティ ング 機能 事業 単位 事業 単位 収益センター 利益センター 投資センター

(13)

2 収益センター

定義:収益センターでは、アウトプットは貨幣価値で 測定される。しかし、それをインプットに関連づけ る試みは、公式的にはやっていない。 1)例えば、販売組織は、収益センターの場合に、 価格設定、そのセンターに関わる マーケティングの費用は関係しない。 2)よって、インプットとアウトプットとの関係性はな い。113ページの図参照。

(14)

3 費用センター

1)2つのコスト(費用)センター概念がある。 2)1つは、エンジニアードコストセンター 3)2つめは、裁量的コストセンター 4)エンジニアードコストセンターでは、アウトプットは生産さ れるべきものの標準価格で算定され、それを元 にインプットが測定される。 5)エンジニアードコストセンターでは、コストだけで成果を測 定できないケースがある(物流データ)

(15)

裁量的費用センター 1)このセンターには、管理部門、支援部門、研究・開 発部門が入る。 2)かかるセンターのアウトプットは、貨幣価値では 算定困難。 3)裁量というのは、「あいまい」であるというより、 一定のポリシーや判断が反映するということ。 4)裁量センターでは、予算と実績との差は、能率性を 示さない。

(16)

一般的管理システムの特性

1)予算編成 エンジンニアード費用センターではインプットの標準が指定できるが、裁量的セン ターではそれがないので、仕事強度(負荷)を予定して予算が決まる。2つの 予算方法(増分、ゼロベース)が後者で利用される。 2)増分予算 この方式は欠点をもつ:支出水準をレビューしにくい。追加的な仕事には追加 予算が必要で、しばしば、パーキンソンの第2法則と呼ばれる。 3)ゼロベース基準 何年かで、予算をゼロからレビューして見直す。 これをゼロベースレビューと呼ぶ(1970年代に一時的に流行した)、工程表ある いはマイルストーンの設定と関連している。 4)コスト変動性 コストが、短期的には、ボリュームの変化にたいして鈍感である。 5)財務コントロールのタイプ 裁量的コストセンタでは予算は、情報の共有により策定され、計画段階が重要。 6)業績則定 財務レポートは、裁量的費用センターでのマネジャーの能率性評価の手段でない。

(17)

5 管理・支援のセンター

1)支援センターの機能は他のセンターにサービスを提 供すること。 2)コントロール問題:組織の部分と全体との目標 整合性問題、アウトプット測定の困難さ。 目標整合性の解消手段:費用の配賦 3)予算編成 センターの基本活動、センターの裁量的活動、予算の インフレ以外の増分提案、以上の詳細を要求す る。

(18)

6 研究・開発のセンター

1)コントロール問題 成果とインプットとの関係、目標整合性の欠如。 2)成果をインプットと関係づける。 むつかしい。アウトプットの性質、形態、タイミング 3)目標整合性 研究活動と経営目的との不整合性。 4)研究開発の継続性 どこで、研究・開発の経済性を決めるか、財務では無理である。それ は、例え一連のプロジェクトであるとしても同じ。 5)R&Dプログラム 研究開発プログラム予算は、一連のプログラムのリストと予想外の活 動への手当て分として設定される。最近は、この予算をステージ別 に管理するなど工夫が計られている。 執行状況は、研究委員会でレビューされる。 研究開発プログラムは、承認されたプロジェクトの総額を計算すること でなく、もっとも価値をうみとおもわれるパイの配分である。

(19)

6)年次予算 R&D予算編成は、研究開発プログラムが決まっておれば、 それを単年度に落とし、必要な金額を持つもり、支出ス ケジュールを確定すること。 予算は、現金予算と人件費予算である。 しかし、予算化するこで、R&Dプログラムは、次の質問を 経営者が立てることができる「我々の分かっていることか らみて、この資源利用は、次年度で最善のものか」 7)業績の測定 有効性を判断する最良の方法は、予算と実績の分析でな く、フェイスツフェイスの議論である。 R&D活動については、マネジャーは2つのレポートをもら う。1つは各プロジェクト別の予算支出計画と支出実績。 もう1つは、責任センター別予算支出計画・実績。 このクロス指標が、分析に出発点で、ここから、その費用 対効果(成果)が議論される。

(20)

7 マーケティングセンター

マーケティング活動には、注文履行活動と注文獲 得活動というタイプの異なる2種類の活動があり、 後者を本当のマーケティング活動とみている。 1)ロジスティクス活動(注文履行) ここでは、予算や標準原価がコントロールに有効 である(能率性)。 2)マーケティング活動 テストマーケティング、市場確立、訓練、販売員監 督、広告、販売促進などある。アウトプットの測定 は容易であるが、有効性の評価はむつかしい。

(21)

8 要約

コントロールの難しさ

1)有効性の実現すること。資源の消費がそ

の目的に有効に機能しているのか。

2)能率性には、標準の設定が重要である。

3)予算による財務のコントロールは次の順

で難しいものから簡単なものに並ぶ。

R&Dセンター、マーケティングセンター、管理お

よび支援センター、生産センター(部門)。

(22)

参考文献

1)Hammer,Michael E and Steven A.Atanton(1999) 2)Kirby、Julia(2002)

3)Kotler and Kevin Kellar(2005)

このうち、3)は、必読書であり、翻訳されている。それ以外の参考書

4)河田信(2004)「トヨタシステムと管理会計」中央経済社:トヨタのリー ンシステムと管理会計の関係が考察。

5)Robert Simons、Levers of Organization Design、翻訳「戦略実現 の組織デザイン」中央経済社(2008):4つのレバーに沿った、新しい 理論研究。 6)伊藤 克容「組織を活かす管理会計」生産性出版(2008):組織文 化と組織デザイン・管理会計の関係を日本の例とアメリカの例を使 い比較検討。 7)淺田・小倉訳「キャプラン管理会計 下」中央経済社:Kapanand

Atkinsonの「advanced Management Accounting」2版の訳。分権組 織のデザインについて、理論的に研究・説明。

参照

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