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地下浅所のトンネル掘削に伴う地表沈下

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Academic year: 2021

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(1)

1。 ま え が き 我国において

,市

街地の トンネル掘削にシール ドエ法 が本格的に採 り入れ られたのは昭和30年代後半か ら40年 代にかけてである。その後

,我

国の複雑な地質条件に適 応す るようにシール ド機 には幾多の改良が加えられ

,か

つ シール ドトンネルの用途も種 々拡大されて

,従

来の開 削 トンネルエ法に取 って代 って今 日の隆盛をみるに至 っ てい る。 しかしなが ら

,シ

ール ドエ法に関す る未解決の問題も 少な くない。本論で取 り扱 う地表沈下 もそうした問題点 の一つであ り

,昨

秋の第 4回

ISRM国

際会議 (1979) 193 でも主要 4テ_マの一つに採 り上げ られている1)。 地表沈下 は広義の地盤沈下の一形態であるが

,通

常の 地盤沈下 (狭義

)が

地下水の流失等 による圧密現象 に起 因 した経時的な地盤変位を対象 とす るのに対 し

,地

表沈 下は地下 に トンネルや空洞を掘削す ることによって即時 的に生ず る地盤変位を対象 とす る点に特徴がある。 こうした地表沈下が最初に問題になったのは

,地

下深 所 に大規模な空洞を 掘削 す る石炭鉱山 においてであっ た。 この分野では, ドイツを中心に優れた研究成果2)が 挙げ られ,1950年 前後 には Fig。

1に

示す ような一つ の 地表沈下理論がまとめ られた。

地 下 浅 所 の トン ネ ル 掘 削 に 伴 う地 表 沈 下

木 山

英 郎

*・

藤 村

*・

勝 見

*・

森 木

悟* (1980年 5月 31日 受 理)

SurFace Displacemcllts Causcd by Tunnclling

in a Shallow Dcpth

by

Hideo KIYAMA*`HiSashi Fu」 IMuRA*, Tadashi K▲ TsuMI*,and Satoru WIoRIKI*

oReceived Mav 31, 1980)

Today numerOus constructiOns of shield driven tunnels are prevailed under the ground of urban areas, As a consequenCe of tunnelling in a low depth,

a surface displacement Can easily occur and undesirably affect the installations

or structures within its area of iniluence. Thus the developements of our

ability to make good forecast of the suriace displacements due tO such a tun―

nelling are strongly demanded.

To achieve this ultimate purpOse, a tentative modelling test of ground mOvements has carried Out by using the lowering Panel instrument with some dry sandy grounds. In the test, the measurements Of the surface subsidences

and the earth pressures were made with increase of the cave― in of the lowering Panel・

From the experimental results, it is discussed in this Paper hOW the width and the maximum depth of the settlement trOugh are related to the geometry of a given tunnel which Can be defined by the ratio oi the cover depth to the width of lowering panel, and how the proPagated movements tO the surface

are assOciated with the stress redistributions.

(2)

木山英郎・ 藤村 尚・ 勝見 雅・ 森木 悟 :地下浅所の トンネル掘削に伴 う地表沈下

F五

1盈:

(a)Surttce dlsplacement curve

(b)Lehnants theory

l沼Υ

l鞠

協躍配

3景

塩盈留∵

ta_ great depth すなわち

,Fig,1(a)に

示す ように

,一

つの水平層 ( ただし, 2次元解析 の例

)が

点 0か ら点 と, 2, 3と順 次採掘されるとき

,そ

れ とともに地表面は曲線①

,②

, ①のように次第に沈下量を増す とともに沈下範囲も増大 す る。 まず

,沈

下範囲についてみると

,点

0の 微少部分の採 掘に対 し

,そ

の影響範囲は点 0で立てた垂線か ら左右に 角 α をなす線OA, O POに囲まれた領域 に限 られ るこ とを基本仮定としている。したがって

,区

01を

採掘 すれば

,地

表面 五

Plの

部分が沈下 し

,沈

下曲線の概略 は曲線①で与えられる。ここに α は限界角 (angle Of draW)と呼ばれ, 主 として地継 (地質

)条

件 によって 定まる定数で, 30°∼40。 の範囲にあると考えられてい る。 そこで

,た

とえば地表面上の点 POに注 目す ると, こ の点の沈下に影響す る採掘範囲

Bは

0か

ら点 2ま で とい うことにな り, この採掘範囲を完全面 と呼ぶ (ただ し

,

図か ら明 らかなように深さ

Dの

関数でもあるので 通常

B/Dで

表わす)。 それ以下 の

B(部

分面

)で

は以 後 の採掘によって点

POの

沈下量は増加す るし (例

,①

嘲②

),そ

れ以上 の

B(超

過面

)で

,以

後 の採掘によ っても点 POの沈下量は増加 しない (例

,②

→⑥ )。 し たがって

,点

PO付近 に重要構造物が存在 し

,不

等沈下 による悪影響を除 くためには

,点

POに対す る完全面 β

=02以

上の範囲を採掘す る方法がとられる。 つ ぎに

,地

表沈下 の形状 についてみると

,概

略図のよ うな正弦曲線 に似た曲線が経験的に採用されてお り

,沈

下最大値 δ2は

'地

盤条件を始 め

,深

さ つ

,採

掘跡の充 填状態等 によって定 まるとされ

,各

種 の算定式が提案さ れている。 このようにして沈下曲線が決定されると

,地

表面 の傾斜

,曲

,水

平変位

,水

平応力あるいはひずみ といった沈下特性が

,Lchmanの

理論によってFig。 1 い)のよぅに順次決定される。 ここで注目すべきは

,破

断角 (angle Of break)β の存在であって, これは地表面に最大引張応力を生ずる 点 と採掘端 と結ぶ直線が鉛直 となす角を表わす。地表沈 下が生ずる場合には, この線に沿って地盤の破壊の最も 著 しい ことが現場観察 されている。したがって

,極

限解 析等で沈下範囲を定める場合には

,沈

下 の境界線 として 限界角 α よりはむ しろ破断角 βで規定される極限破壊 線 (すべ り線

)が

表われるはずであ り

,実

測され る沈下 範囲 (α に依存

)よ

りも狭い領域を算定するものと思わ れる。 一方

,地

下浅所 の トンネル掘削に伴 う地表沈下は

,都

市部のシール ドェ法の隆盛 とともに問題化 してきた。こ の分野では

,Fig.2伸

)に示す ように,PeckЭ)(1969) が地表沈下曲線の正規分布曲線による近似法

*を

提案 し たのを契機にして

,そ

れ以後 この曲線 と実測値 との適合 性が議論 の中心 となってきた観がある。 正規分布曲線の形状は標準偏差 ′を与えれば決定 し得 るゆえに

,Peckは

沈下 トラフの実質的な幅 〃 を2デ

x

2と 仮定 し

,

実測値をもとに トンネルの深さ/値径の比 D/β と すとの関係を地盤の種類別に整理 して 示 した 後 出,Fig.8)。 PeCkの理論においても

,

沈下 トラフの両端

0=±

2ゲ)と トンネルのスプ リングライン点

Aを

結ぶ直線が

帥   D γ displaceEent(Sド 盛ど8Brdを) 11lt ldSI/d■l curvatⅢre ldaFt/dを, o:angle or diav ,i angle of bleak り もとは

,地

下深所 の トンネル掘削に伴 う地表沈下曲線の近似法に関す る報告である。

(3)

/

max tlll(lnfiectiOnl

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 11巷

(a)Normal dlstribution curve by peCk(1969)

(b)ニ

:riaキ:帯{♀!1イ9':iding (C)il],7∫

rough by Attewell

Hg.2ュ

F」R鼻

11賃

B3■

entS due to tunnelhng

沈下 の影響限界線 とみなされ

,そ

の鉛直 との傾 き角 α′ は先の α と同様限界角 と呼ばれ る。また

Lehman理

論に習 って

,沈

下曲線か ら最大傾斜点 (″

)や

最 大曲率点

e=±

プ丁 ,)な ど が特性点 として求 め られ る。 地下浅所 におけるシール ドトンネルの実積か ら

,最

近 は上記Peckの理論を修正 した形の2っ の理論

,す

なわ ち,Fig,2(b)どc}に示す

,COrdingら

(1975)の ショ ー トトラフ説 とAttewelI(1977)の ロング トラフ説も 提案され てい る4)。 前者は α′の定義はそのままで

,実

質 トラフ幅を ″=2.5ゲ×

2と

修正 したものであ り

,後

者は α′

=王

許 一ギ

│と

して

,

トンネルヘの接線 (接点

B)が

地表面 と交わる点までを実質 トラフ幅 とみなし,

7-3.0,×

2と す るものである。 ロング トラフ説で顕著なように

,沈

下範囲を定める限 界線 (α′で規定される

)が ,

主応力方向を鉛直 と水平 に仮定 したランキン主働状態での極限すべ り線を表わす とす る解釈が多 く採用されてい る。 しかしなが ら

,先

に 指摘 したように

,沈

下範囲が地盤 の極限破壊線で規定 さ れ るものとすれば

,地

表に最大引張応力を生 じる最大 曲 率点 ●

1/丁ゲ

)を

通 る破断線 (Fig,2仰), β′で 規定される

)に

一致すべきであると考え られ る。 この点 で

,沈

下範囲を塑性範囲に一致させ て限界角 αアを定め ようとす る考え方 には再考の余地 がある。 以上のような研究結果を参考にして

,本

論文では地盤 を単純化 した模型地盤 について, 2次元降下床実験 によ り地表沈下 の特性 や 機構 を 究明 しようとす るものであ る。この種 の実験 も歴史が古 く

,

トンネルの上圧 の研究 にTerzaghiS)(1940)が用いたのに始 ま り

,我

国でも 同 じ頃水野6)(1942)が砂質地盤 の トンネル周辺 の変位 解析 に用いてい る。その後再び活発 にこの種 の実験が行 われ るようになったのは

,村

,松

岡7)(1969)の研究 に始ま り

,山

肩 ら8)(1974),中崎 ら9)(1979)と続 き, トンネル周辺地盤 の破壊機構や沈下機構 が解明されつつ ある。英国でもケ ンブ リッジ大学 のAtkinsonら10)

(197oに

よって

,ゴ

ムス リーブを用いた可縮性 の 2次 元 トンネル模型による同種 の研究が行われてい る。また 最近は トンネル縦断面での切羽前方 の先行沈下を考慮す べ く

, 3次

元降下床による実験 も,Casarinl° (1977) や吉越 ら12)(1978)によって試み られてい る。

2.実

験 概 要 降下床実験装置を

Fig.3に

示す

,上

槽は横幅 100 cm,深 さ70cm,奥 行き10Cmで

,前

面 と後面 は厚 さl Cmの アクリル板か らなっている。上槽 中央に横幅15cm,奥 行 Fig。 3 Dimensions

rument

[。vering panel ② Side panel ③ hand iack ④ dial gage ⑤ earth press gage

(4)

196

木山英郎・ 藤村 尚 。勝見 雅・ 森木 悟 :地下浅所の トンネル掘削に伴 う地表沈下 き10cmのア クリル板降下床①を

,土

槽底面 より約20cmの 高さに設けてある。 降下床は,ス トローク40mmの手動 ジャッキ③上 に固定 され

,試

験時には2 ml1/分 の 一定速度でアクリル製側壁 板②内を降下す る。降下量 δは降下床 に直結 した標点 をダイャルゲージ④で読み取 る。降下床面に作用す る土 圧は

,降

下床 中央に設置 した小型土圧計⑤ (共和電業製

BE-2KD,容

量2k9/cM)を用 いて 連続記録す る。 実験は

,地

表沈下量を測定す る実験 と地盤内応力を測 定す る実験 とに大別され る。 前者は

PhOtO,1に

示す ように地表面 に5.5cm間隔 で 配置 した ダイヤルゲージ

Table I Samples :Sa‐kyu sand (■■

der 2mm,

dry cOnd.) _卜ヽ

__ model type

―卜__三

│ぬ

specific gravity 、vater content

effective grain size uniforHlity coefficient bulk density void ratio angle of interna friction Cs ″(%) D10(Hull) C″ γ(夕/cnR) ヮ(deg,) 2.60 0。19 0.36 1.44 1.673 0.56 46

Photo, l The 10wering Panel instrument with the apparatus oF surface subsidence

measurement

(精度0.01ml)を用い て測定 した。試験 に供 した模型地 盤 は

,地

表面 か ら降下床上面 までの深 さ

D=20cm,30

cm,40clllの3種類 であ る。 地盤 内応力 の試験 は,Fig。

4に

示す ように降下床深 さD=20clnと40cmの2種類 の模型地盤 につい て行 った。 測定は

,

同図に○印で示す各点において

,

月ヽ型土圧計

(BE-2KDあ

るいは

-2KC,容

量 2k9/箭

)を

埋 設 し

,降

下床 の降下 に伴 う鉛直土圧 σ′の変化を連続記 録させた。ただ し

,上

圧計のコー ドによる干渉をできる だけ少な くす るため, 1実験

-1測

点 (ただ し

,降

下床 上 の上圧計 1個 は常設)と し, 1測 点にっき繰返 し3回 の実験を行うという方法で

,順

次各測定について同一地 盤条件下 で試験 した。 上記両試験に供 した模型地盤は

,い

ずれもTable I に示す鳥取市賀露海岸産の砂丘砂の2 4ulフルイ通過分を 用いて作成 したもので

,気

乾状態のゆ る詰めな らびに密 詰めの 2種 類である。

3.地

表沈下 と浅所陥没 地表沈下をもた らす地盤内の動きをみるために着色砂 層を用いて実験 した。着色砂は

,地

盤試料 (Table正)の 一部を希釈 したマジックインクで予め着色 したもので, その比重

,せ

ん断特性が原試料 と変 らないことが確め ら れてい る。この着色砂を

,PhOto.2に

示す ように前面 アクリル板に沿 って2 cm間隔で層状 に配置 して

,降

下床 の降下 δ=5 mllご とに写真撮影 して観察 した。 地盤 の顕著な沈下は着色砂層 の 垂直段差 として 現わ れ

,そ

の境界を結ぶ線は降下床を底辺 とす る火炎状の領 域 (以下, これを沈下 フレームと呼ぶ ことにす る

)と

な る。地盤 の沈下が降下床近傍か ら発生 し

,沈

下 フレーム l 1.616 0.61 36 DE20 10 15 20

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 ■ 巻 ― rご) Photo. 2品

肥寵

a盈

∵離 謎 ♂寵毛

昂豊星

(δ) をな して,δ の増加 とともに地表に伝達される様子が明 瞭に伺える。すなわち

,PhOtO.2に

示 した つ=40cm, ゆ る詰め地盤 の例では,δ=5 mmにおいて降下床を底辺 とす る沈下 フレームの先端が地表面 に達 してお らず,δ =10∼15mmで沈下 フレームの先端が地表面 に達 し

=

15dull以20mllにかけては沈下フレーム先端が地表面上で 次第 に左右に広がってい る様子が見 られ る。 一方

,

この間の降下量 δと地表面 中央点 (トンネル 中心軸を通 る鉛直面と地表面 の交点

)の

沈下量 δd,″,.と の関係を示す とFig。 5の ようである。いずれの地盤 に おい ても

,降

下前半における地表沈下 の増加割合いの小 さい部分 と

,降

下後半 における地表沈下 の増加割合が大 きい部分か らなってい る。両部分はそれぞれ

,ほ

ぼ直線 で近似でき

,そ

の交点の位置は降下床深さ つ とゆる詰 めか密詰めかによって異なる。この交点 に当る降下量 δ は

,先

に見た沈下 フレームの先端が地表面 に達す る時点 とよく一致す る。たとえば

, PhOto.2に

示 した つ

=

40cm,ゆ る詰め地盤における交点の δは

Fig.5か

ら 12∼13皿nである。 す なわち

,沈

下 フレームが地表面 に達す る迄 と達 した 後 とで地表面 の沈下性状が急変す る。沈下 フレームが地 盤 内にとどまってい るときには

,そ

れ より上部の地盤 に よって地表沈下は抑制 されてい るが

,達

した後 には降下 床 の降下 とともにほぼ降下量に等 しい地表沈下量を示す 状態になる。後者の状態では

,

トンネル天盤 の崩落を許 せば

,地

表面 に達す る沈下 フレームの領域がそのまま ト ンネル内に流入 し

,い

わゆ る浅所陥没現象を呈す ること となる。 この間の地盤 の動きをみるため

,各

地盤について δ

=

0∼ 40mm間 の解放写真を示せば

PhOtO.3の

ようであ る。最終的にほぼ トンネル幅に相当す る柱状形にまで発 達 した沈下 フレームの領域が トンネル内に流動 してい る ことがわかる。この状態の地盤 の動 きは

,サ

イロやホ ッ パー内における岩質粒状体 の排出時 の挙動 と同 じであ り

,重

力流動状態 として別途解析す る必要がある°)。 し たがって

,通

常のシール ドトンネル等 において地表沈下 が問題 となっているのは

,沈

下 フレームの先端が地表面 に達す る迄の降下量 δの範囲 での地盤の挙動をい うこ とになる。

4.地

表沈下 曲線 降下床 の降下量 δが5 11ulまでの範囲における, 地表

(6)

木山英郎・ 藤村 尚 e勝見 雅・ 森木 悟:地下浅所 の トンネル掘削に伴 う地表沈下 ︵E E ︶   ︼ 、A 、∽ ∞ ︵ E E ︶ К ミ S 、∽ ∞

D=20

9889ギ

Photo. 3 Ground movements(δ =0∼

40mm)

面 の各点 の沈下量 δsを Fig。

6に

示す。各沈下量を結 ぶ図中の曲線が地表沈下曲線 と呼ばれ

,降

下各段階にお ける地表面 の形状を表わす。 2次 元解析で得 られ るこう した沈下形状は, トンネルの軸方向に一様に続 くものと

S (mm)

H争

5饂

gi記

蹴氏

,境

/een the

S (mm)

cave‐in of the lowering panel δ

and the maximum surFaec

仮定 され るので

,沈

下 トラフ (沈下溝)とも呼ばれ る。 実験結果は

,降

下床 の降下量 δ の増加 とともに

,

地 表沈下範囲を表わす沈下 トラフの幅 と地表面 中央点に生 ず る最大沈下量 δs,″″ が 増大す ることを示す。このと き

,降

下床 の深 さ

Dが

浅いほど,また密詰 めよりはゆ る詰め地盤において

,最

大沈下量な らびに沈下 トラフ幅 の大 きいことがわかる。 最大沈下量 δs,″″ と比土被 り

(降下床深 さを ト ンネル幅で除 して無次元化 した値

)の

関係を

Fig,7に

示す。降下量 δの増加 とともに,δ,,″,./δ の値が 1に 向って増加 してい る。

が大なるほど

,

またゆ る詰 め地盤 よ りは密詰め地盤の方が,δs,″αォ/δ の値が小 さ い ことは切 らかである。 たとえば

,D=20cmの

ゆ る詰め地盤 (Dβ=20/15, 100Se)に

おいて

,δ=5111111で

."ぬ/δ=0。

9な る値を

呈しているのは

,降

下床の降下とともに地表面中央点も ほぼそ浄に近い沈下を示すということで

,前

述の沈下フ レームの上端が δ=5 mmに おいて既に地表面近 くまで達 していることを暗示する。同じゆる詰め地盤でも

,D=

40cmにすれば=5 mmで δs,″

<0.6で

ぁり, 地表 面近傍はまだ健全であるといえる。これに対応する密詰 め地盤では,δ=5 mmの とき

,D=20cm地

盤で δs,",./δ

=0,7ぉ

ょび つ=40cm地 盤で δs,″伽/δ

<0.3と

相対的 に小さく,よ り健全であることを示す。 このように

,地

表面の最大沈下量は降下床の降下量 δ (δ=0∼

40mm)

(7)

too so

0 1 2 3 5 0 ︲ 2 3 4 5 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 11巻

donse

Fig. 6 Surface displacement curves due tO ttncrease of δ

/

T/

/

Y

/

kL/

D=40cm

│ ヽ

(8)

200 木山英郎・ 藤村 尚・ 勝見 雅・ 森木 悟 :地下浅所の トンネル掘削に伴 う地表沈下

S hax/8

1.O o

Fig.7 RelationshiPs between the cover to the wide ratio of the lowering Panel Dチ EP and δs",″

0,5

D 一 に最 も強 く影響され

,つ

いで比土被 リ ツ ど の影響およ び地盤条件 (ゆる詰めか密詰めか

)の

影響を受けること を示す。さらに

,ゅ

る詰め地盤における比土被 り

D/B

の影響が

,密

詰め地盤におけるほど顕者でない ことにも 留意す る必要があろう。したがって

,ゆ

る詰め地盤 に相 当す る軟弱地盤において

,比

土被 りの小 さい トンネルを 掘 削する場合には

,比

土被 りの小 々の増加を考えるより も

,

トンネル天盤 の沈下を極力抑える方策 を構 じる方 が

,最

大沈下量を小 さ くす るのに有効であるといえる。 PeCkは 沈下 トラフ の 片幅 T7/2=2が と比土被 り

/Bの

関係を各種地盤について

Fig,8に

示す破線で 与えた。実験結果 (ただ し

,降

下量 δ=5 11Hlのとき

)を

同図にプロッ トす ると実線のようになる。沈下 トラフの 幅が比土被 りの増加 とともに

,本

実験範囲内では直線的 に増大していること

,お

よびゅる詰め地盤に比べ

,密

詰 め地盤の沈下 トラフの幅が小さいことが明 らかである。 なお

,両

模型地盤 ともに, Peckの区分による地下水位 以浅の砂地盤 に相当してお り

,沈

下幅に関す る限 り模型 実験の適用性が認め られる。

5.地

盤内応力の変化 降下床 の降下に伴 う地盤内応力の変化は

,前

出Fig.

4に

示 した各測点について得 られた。その中, トンネル 2ゥ

/B

10 20 30 4o 50 ヽ \ I Itabo experiment l o 100se sattd J 8・ 5ml ● nenlo snコfl,s=5n` く \ \

\ \ │

耐鷲

lcvel l

ぶ珊

il♀III

dマater

麟 課辞朗鑑

5仕

餡と

冴器規無

r

5mm 5mrn D 一 B 40 5o Fig.8 中心軸上 ●

=0)お

よび叡1壁部 (″=10clll)の

,各

深 さ 位置 (の における鉛直土圧 σプの変化を示す とFig.

9(D=20cm)お

よび

Fig.10(D=40cm)の

ようであ る。 この結果 より

,各

模型地盤における応力変化の特徴を

loose

S(mm)

0.51,0 !,52.5 5,0

/

0,5101 ,.52、 0510

(9)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 ■ 巻 お ■ ψ \ m ︶ 命 E ψ 、 い ︶ 死=0(Crn) v(Cm) ●:S △t40 回15 o:20 ず ず

:i:'388

88888豊

Oa霞

◆ら

,O G 20(mm)30

Dense χ=Ю (cm) 命 E け \ D ︶ ︵ k υ 辞 ︶ ′0。。 │ ° 。 。ooo。 。 。0。。oO000

::二

:二

:::::::二

:::::::

● ● ●o●● ● ● ● ● ● ●....● ● ● ● も まとめると以下 のようである。 ll)ゆる詰め

, D=20cm地

盤 子δ

=0∼

5 Hul間において, 降下床上部 (″

=0)の

各深 さ位置 (プ

=5,10,15,

20cm)の 上圧はいずれも大 きく減少 し

,そ

の分

,側

壁部 ●

=20cm)の

各深 さ位置の上圧が増加 して平衡 してい る。その後 (δ

=5∼

401ull)は両者 ともに上圧 の増減は 次第に少な くな り

,一

定値 に収束す る。 磁)ゆる詰め,つ=40cm地 盤 :土 圧の大きな変化を示す範 囲が δ

=0∼

10mm間に拡大 されることを除けば

,降

下床 上部

0=0)の

各深 さ 位置 ●

=10,20,30,40cm)

の上圧減少分を側壁部で負担す る形の平衡状態は

,上

述 の つ=20cmの 場合 とほぼ同様である。 13)密詰め

,D=20cm地

盤 :ゆ る詰めの場合 と異な り

,降

下床上部 (″

=0)の

上圧が降下開始直後 (δ≡

0)に

い ずれの深 さ位置 とも極めて小 さい値 に急激に減少す る。 その分

,側

壁部上圧 (″

=10ca)が

増加して平衡 しよう とす る傾 向は

,ゆ

る詰めの場合 と同様である。しか し, その後 δ=10∼20mullにかけて

,降

下床上部の上圧が各深 さ位置 とも増加に転 じ

,そ

の分

,側

壁部の負担が軽減 さ

20

Fig.9 Earth pressure measurements with increase Of δ

(D=20cm)

れ る。 (41密詰め

,D=40cm地

盤 :降下開始直後 (δ峯

0)に

お いて

,降

下床上部 の上圧が極めて小 さい値 に急減少す る 点は上述 D=20clllの場合 と同様である。 その後,δ の 増加 とともに

,降

下床 に近い

,深

い位置か ら順に

,「

土 圧最低値→土圧回復→土圧 ピーク→土圧暫減→一定値 に 収東」 とい った一定 の上圧変化過程をた どる。このこと は降下床の降下に伴 う地盤内応力の再配分が単純なもの ではないにしても

,一

定 の様式に従 って行われてい るこ とを示 している。これほど顕者でないが

,密

詰めの

D=

20cm地盤の場合にも明 らかに認め られ

,密

詰め地盤 の応 力再配分を特徴づけるものと思われる。 上述 の如 く

,降

下床 の降下 に伴 う応力再配分の様子 は ゆ る詰めと密詰め とで幾分異 るが

,

たとえばゆ る 詰め つ=40cm地盤内のそれを

,崩

壊領域お よび これを取囲む ゆ るみ領域 の進展状況:と 関連.づけて 模式的に表わす と

Fig,11の

ようになる。ここに

,崩

壊領域は降下床 の降 下 とともに応力が急減す る領域であって, これは前 出の 着色砂層を用いた実験において

,沈

下 フレームとして観

(10)

木山英郎・ 藤村 尚・ 勝見 雅・ 森木 悟:地下浅所の トンネル掘削に伴 う地表沈下 Dense ︵牲 じ 訃 ︶ ︵半 u \ 働 ︶ た=0(Cm) を(Cm) ●Io ねじ20 日:30 0:40 △     ●       8 △       ●         0 ロ △       0       ︵ 日 △       ●       a △       0   南 U △     ● 口 0 △       口   0 △   口   0 0 台   8 只     0 口   △   0 ● 口       △ 0 ● ︵ そ υ \ B Dense ∝lio(cm)

40 ::ロ ・ ● ●。 8 ヤ (mm)

measurements with increasc Of δ

(D=40cm)

_D=40 cm Loose

%ゑ

/// 日 ●

g::::::::

イ︲   / /

f

ヽ /1 G=0∼

25 mm S=25∼

5mm G=争

10 mm S=Ю

mm∼

Fig. 1l PrOgress of the collapse zone presuコ ned by the stress changes reウ 8語d/ぅ

キ β

/

/

察されるものとょく一致す る(PhOtO・ 2参照)。 また, ゆるみ領域は降下床 の降下 とともに応力が暫減す る領域 であって

,着

色砂層実験では静止 した水平層 と沈下フレ ーム域 との間で

,着

色砂層 の比較的大 きな沈下曲率を示 している領域にはぼ一致する。 この場合 (ゆる詰め

,D=40cm地

盤), 崩壊領域が地 表面に達す る δ=13Dullを境にして

,そ

れ以前は崩壊領域 とゆるみ領域を取囲んで健全な地盤が存在 し

,両

者の拡 大をある程度抑制 しているが

,そ

注以後は崩壊領域を取 囲むゆるみ領域 も地表面 に向って扇斗状に大きく進展す る。したが って

,崩

壊領域が地表面に達 した後は,もは や降下床 の降下に伴 って降下床上の 崩 壊 領 域が落下す るのを 防 げえない とい うことになる(浅所陥没現象)。 これは先に着色砂層の実験で述べたように

,沈

下 フレー ムが地表面iに達 した 後 は 地表沈下量が急増加す る事実

(Fig.5参

)と

対応す るものである。 回 回ロ ?日

8:。

2

耳貿笑Д

aS

χ二iO(cm)

(11)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 11巻

6.結

語 地下浅所 の トンネル掘 削に伴 う地表沈下 に関す る基礎 研究 として

,砂

質模型地盤 を用いた2次元降下床実験を 行 った。その結果

,地

表沈下 曲線 の特徴 と地盤 内応力 の 再配分 の特徴 を明 らかにす ることができた。以上 の結果 を基 に

,今

後 さ らに地表沈下機構 の解 明 と地表沈下量や 沈下範 囲の解析手法 の開発 を 目指 して鋭意努力す るつ も りであ る。 最後 に

,本

研究 を実施す るに際 し

,実

験データの集積 と整理に多大 の労力 を 煩 わ した 当時土質工学研究室学 生

,下

,II博之 (現・ 仰新井組

)お

よび中川勲 (現・ 松 山 市役所

)の

両氏 に深 く感謝 の意を表す 。 参 考 文 献

1)Theme lv,Surface Displacements as a Cons― equence of Excavation Activities, 4th lnt, Cong. ISRhr, Proc. vol. 1, 1979, pp. 583-757

2)Niemczyk,o.:Bergschadenkunde,1949,pp.

92

3)Peck,R.B. :DecP Excavations and Tunne―

ユIng in Soft Ground(SessiOn 4 General Re― port), 7th lnt,cOnf. SoiI Mech.Foud.Eng., State of the Art VOlurne, 1969, pp. 225-290

4)Kanji,M.A.:Surface DisPIacements as a

Consequence of Excavation Activities(Theme

lV General Report),4th lnt.cOng.ISRM,

1979(ProC. VOl. 3, to be published)

5)TeFzaghi,K.:Proc.lst I.s,c.M.,vol.

1, 1940, and, TheoreticaI SOil Mechanics,

JohnヽViley 8c Sons,Nelv York, 1943,PP.66-76

6)水

野高 明:砂の鉛直圧力 に関す る一考察

,九

州帝 国 大学彙報

,第

十七巻一 号

,1942,pp.31-45

7)村

山・ 松岡:粒状土地盤 の局 部沈下現象につ いて, 土木学会論文報告集

,第

172号,1969,pp.31-41, お よび

,砂

質土 中の トンネル土圧 に関す る基礎 的研 究

,土

木学会論文報告集

,第

187号

,1971, pp.95

-108

8)山

肩・ 永井・ 富永:落し蓋に よる砂のアーチ作用 に 関す る一実験結果

,第

9回土質工学研究発表会講 演 集, 1974, pp. 581-534 9)中崎 。浅井・ 岡部:乾燥砂を用 いた トンネル の模型 実験 (その

1),第

14回土質工学研究発 表 会 講 演 集, 1979, pp. 1493-1496

10)Atkinson,J.H.et al:MOdeI Tests on Sha―

llow Tunnels in Sand and clay, Tunnels 8c Tunnelling, vOl. 6, No. 3, 1974, PP. 28-32, and Subsidence above Sha]lo、v Tunnels in SOft Ground, ASCE, Vol. 103, No.(}T4,

1979, pp. 307-325

11)Casarin, c. : soiI Deformations around

Tunneェ Headings in clay(Master's Thesis), Cambridge University, 1977

12)吉越・ 渡辺・ 高木 I Prediction of Ground Settト

ements Associated 、vith Shield Tunnelling,

土質工学会論文報告集

,V01.18,No.4,1978,pp.

47-59

13)木山 。小西:岩質粒状体 の重力流動 に関す る基礎 研

,

鳥取大学工学部研究報告

,

第9巻第1号,

Table I Samples :Sa‐ kyu sand (■ ■ der 2mm,

参照

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