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かんがい用貯水池の堆砂に関する研究 VI 貯水池における密度流について(その2)-香川大学学術情報リポジトリ

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第9巻第2葛(1957) 79

かんがい用貯水池の堆妙に関する研究

Ⅶ 貯水池における密度流について(その2)

普 及 八 郎

Studies on the sedimentationinirTigationalrese上VOirs Ⅵ Onthe density currentinIeSeVOirs(2) HachiてO KIRA(Laboratory of AgricultuIa】Engineering

(Received july31195プ)

Ⅳ 神内上池に関する実測

(1)調査の概要 Ⅱ項において,貯水池内密庶流に関する従来の理論的研究結果を2,3示したが,これらの契験的研究結果によ

る検討は後日にゆずることにして,今回は現存貯水池を対象とした契態調査を酎画した.その対象として,当研究 (l上)(20)(2】) で1953以のにより流率査を行っている神内上池(審者は別軋第3報と

室年来香川県委託出調.して報告したように・残

存堆砂の鉛直分布調査を行った)を選んだ i)神内上池の概要 (2】) 神内上池は,第3報(舞1図参照)に詳述しキように,香川県安原村外2カ村にわたる約850baの流域をもら, 替日川支流天満川下流部を押切り,下流側神内地の補助池と.して,大正3年(1915)築造された環境からみて山地 に相当するかんがい用貯水池である..この貯水池ほ,春日川を水系と.する通称四ケ池(神内上池ならびに神内地, 公淵池,松尾池および城池)と称せられるものの・一つであるが,流域相当大にしてなお余水ある関係上,神内池の 補助池としてのみでなく,他の姉妹池たる 公淵池,松尾池などに.余水を補給する目白勺 で,1952年度より県営四力池用水改良事業 が発足し∴現在12mの篇上工事,取水装 置としての斜樋管工番および余水吐改修工 事が完了し,なお今・年から公淵池,松尾池 補給のための導水路工事が討画実施されて いるい貯水容盈は満上後759,125m8となり 薫叫/

1V!十

S7 // ̄ ̄ R6 / ̄ ̄S6 r‘−■■− 0 2(沿4(粕6拭)m l ・ − 猷水深は堰郷付近で満水時約23m・㌔)藍

湛水長軋100m,窪み度C==0・14

(H:最大水深,R:満水面の平均半径) で相当大きく,池床平均勾配約で全体に 密度流観測に適したⅧ長い峡谷塑の貯水池

発い

∧∧て31 である 流域の鞄被状態は第3図(航峯写素およ び直接踏査による)に示すごとく,山林原 野が約832%,耕地約15.4%(水田106% 畑4.8%),それに池沼(神内上池および 広田池)約1.4%を占めており,これまで く20〉 の流出率調査では,年間平均流出率約37% (かんがい期間約25%,非かんがい期間約 30%)を示すが,流域の地質土塊は後述す ∧∧杉松 埜 9¢経木(隠粗合) 爪爪 竹 丑山 耕地 + 流域境界 −−一 分剖洗域境界 地8別項界 ◎y}貯水池 、一 ̄く= 河川 ⑳ 前史観測β(Rl∼R∂ 0 拭騒軋肌創D】−D4) ▲ 成城衷,t探払だイSI一致J ①−㊥分割流域周明 第3図 神内上池流域の地被状態

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香川大学農学部学術報告 80 るように,受蝕性の高い花組岩風化土毎墓であり,しかも地形をみると,HoRTONの等高線延長法による全流域平 均勾配S=0294で相当急峻な山地流域をなし,HoRTON形状係数ほ天満川で大体f=02′−08の範囲にあり相当 大である。すなわち流域地形は貯水池形腰と逆に長さの割に.巾の広いもので,そのため流域各部に.降った雨がほと んど同時に河川に流用することになり,強雨の際の洪水盈,したがって浮流並びに稀流土砂畠が相当大と.なること が考えられる. 貯水池流入盟では,主として分割流域(Al+A2+A8+A4)なる全流域のプ73%からの流入が,貯水池内の水 理,水質に.影響をおよぼすものとみて,川添観測点(澄水堰)における1954年10月∼1956年9月にわたる2カ年問 のdataによると,平均流入藍8,147m8/dayと.なり,約93日で満水できる計算となる.19E6年度の川添実測最大水 位(069m)からみると,流入盈247,363m$/dayの計算となり,貯水容量ほ.その約3日分にすぎないことになる。 ii)調査研究の項目および方法 (a)貯水池内水質調査 各種水質調査は,第4,5,6因に示すNo‖1∼No..7測点を選定し,原則として毎月1回行うことにする.各測 定カ所における観測採水深は,原則 としてOm(水面)より1mごと行 い,採水観測はゴムボート(観測者 3−4人)を用い,採水器としては 北原B号中層採水器を使用する.水 質調査の項目は,主として水温,濁 ◎ノ畑野観測パ ㊥水質並びにSedimen㈹軌烹 △堆砂断面調査点 度,pHおよぴアルカリ度と.なし, 水温は前記絶縁武北原B号採水絡で 讐i 各観測点1mごとの採水直後0。lOc 読み温度討挿入たよるか,また転倒 温度斜に.より測愛し,その他の項目 はポリュ・チレゾ蟄採水瓶(500cc入) にて持帰り,濁度を除き24時間以内 にそれぞれ測定するい この際濁度 ほ,標準白陶土(300mesb以下)によ る濁度100ppmの標準濁度液を用い S式濁度紺こより,また白金濁度釘 も併用することにする..pHは主と してB.T.Bを指示薬としで比色法に より,また迅速水素イオ・ソ討を・併用 し,アルカリ皮はメチルオレゾヂ沫 によることと.する.この外各観測点 池水の濁っている度合を示す濁度 (turbidity)に対して,弛水の澄ん でいる度合を示すところの透明度 (transparency二)を,SECC王ⅠⅠ′s discを用い,直径25cmの白円枚 が,水面から識別しえなくなる限界 水深をもって鶴測表示することにし たい 以上各軽水質観測値により,水温 分布図,濁度分布図,pH分布図, アルカリ度分布図および透明度分布 \ l

、こl_lこ‥、 ∴

_ \ し型壁璧__ し哩昼璧璽__ び聖聖り攣撃1_ 測点No.7(州浜臆泉郷) 篤4因 神内上地平面図 00 l E︼ 01の 200 鱒 5∝〉m 抑 鱒 鉱 糾 毘 卯 78 乃 74 乃 70 侶 槌 駒 佗 第5図 神内上弛縦断面図(観測点位置)

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第9巻第2号(1957) 81 因などを作製し,これらに.より池内全域の各種水質変 化,水温,濁度,pH,アルカリ度などの季節的成層状態 変化あるいは透明度の水平並びに季節的変化を検討し, 特に水温,濁度分布dataは,後述の貯水池内の密度分 布,鉛直安定度あるいは池水の流動状態などの検討資料 とする (b)Sediment調査 洪水時の浮流や,潜行密度流に.より輸送沈澱する Sediment depo3itを採砺するために,第4,5,6因 に・示した観測点No.1,No..2およびNo.4なる3カ所最 深部に,第7囲に示すような亜鉛鉄板製の沈澱箱を,開 放部を上流に向けて沈め,これを針金で最寄りの池岸 樹木に適結し,次回観測日までの約1カ月沈澱盈や沈澱 EL ・・; 90 88 86 碇尉  ̄■ ̄丁 ̄蒜蒜蒜 L...l_J..−_] 鋸 州鮎 釦・乃 76 74 水 銀ハm︶ ウ︼ 止− ︵り .8 0 12 14 沌 18 少 22 飢 第6因 神内上池観測点横断面図 厚さの測定を行う‖ この際汲澱精を因のように.30cmX 30cmなる2区画としたのは,a区画では掃洗物質がある場合を考慮して前カを1部開放し流入殿を設け,閣時浮 遊沈澱澄はb区画内のものを採取すること にした.この際沈澱精(30×30×20cm容 愚)中の滴濁水を持帰り,大型円形ガラス 水柁に約2昼夜沈澱堆積させて沈澱厚さを 測定し,現地堆積厚さに換算,沈澱愚はこ れを蒸発乾固,600cで24時間乾燥し風乾 試料とみなしてこ秤量,g/m2/dayに換算す る.・またこの外沈澱唯枝物の仮比翼,英比 翼,アックーベルグ限界,有機物含盈,粒径 分布あるいほ分散させないflocculeとし て存在しているSedimentdepositに.つい て,見かけの沈降速匿やequivalen七 diameter,ゾル,ゲル変化などのfloccu− 1ation問題について,主として理学特性 を解析し,沈澱堆穏機構について検討す る 第7因 沈 澱 箱 また貯水池に流入するsedimentdischargeを測督するために.,流入点(川添致水塔)に.おける水深06の位置の流 水を毎日9時採水して濁度を測定,あらかじめ求めたC=nT(C:浮遊物質濃度ppm,T:濁度ppm,n:COefficient Offinenes$)なる実験式に・より浮遊物質濃度Cを求め,流入浮流物質盈を推定するり なおこのdataと前記沈澱盈 dataを併せ考えtrapefficiency・(沈澱阻止率)ETの推定や,沈澱効果と貯水池埋没の問題について検討する., その他神内上池流域表を第3因に点したSl−S7点より採土し,また基虚時に宵び明瞭な堆砂層理をなす過去の 鱒存堆砂断面の採土,講上改修後に・おける沈澱堆穏物の採取を行い,前述のように主としてその理学性の解析をな (21) し,流域表土と貯水池流入堆妙の関係を明らかにする.この際第3報で発見した砂礫層と隣泥層が互層をなす堆砂 層理についても再調査を行い,特にアミ′樹脂なるスミラツクmc−501(住友ベー・クライトKK製,べ−クラック 3$ () U−201の政商名品)を用いた換銃により,浮流物質層の徴闇理mic工0−StT・atificationの究明,貯水池水理と沈澱 堆積機構の1美保につき換窮する. (c)流域並びに貯水池の水文,水理調査 観測期間の流域雨盈,流入盈,流入水温,前述の流入濁度,貯水池水位あるいは気温などのdataは,主として 流出率調査によるものを併用し,若干追加調査する. この際流域雨盈の血也は川添観測点における雨曇計並びに自記雨盈計記録によるもの,気温dataは川添観測

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82 香川大学農学部学術報告 点に・おける9時,最鼠最低索湿を,また貯水池水位変化は堰堤部盈水標に′よるものを採用す・る..流入盈は流出率

調査のため背水点付近に設置された川添量水堰(第8,9図参照)における盈水標並びに眉記水位■紺こより流入水位 (21)(20) を観測し,分割流域Aユ十A2+A8+A4==638.8ba(第3頚参鼎)からの川添流量曲線悌10囲および(8)式のごとき

3種の複合曲線よりなる)により求める小 この際流入水盈をま8時,12時,17時観測値の平均水位をもとにして流入 Ql=33039−260663H+・574289H2 (0…37≦H) Q2=0′0565−1′6264H十15′′3325H2 (0152<0..3フ) 8 1∼1 − 1、−111 Q8=0“0088+0L3310H十42166H2 (0くH≦0 152) Q=流盈(m8/sec) Hこ=盈水堰水位(m) ここに 盈(m$/day)を計算すること.にする∴また流入水温は 9時親測,流入濁度は前述のように.水深0.6の位置の9 時採水を行い濁度を測思する その他貯水池内の流速測定は,主として瓶と.アルミ抵 (ST) 抗板を連結した浮子測定法に.より各層の池内流速を測定 し,池内流動状態検討の材料とする 第8因 川添盈水堰横断面図 第9因 川添農水堰 (d)密度分布,鉛蕃安定度による 池永流動状態の検討. 貯水池内に.おける密度流の流動状

(4) 態を検討するに,合田が上水源千苅

貯水池を対象に検討した方法を参考 にして,水質調査でえた水温,濁度 のdataを用い以下述べる方港に.よ り考察することに.する仙 いま貯水池内の密度分布,鉛直安 定度に・ついて考えるにHESSELBERG, (2) SvERDRUPほ水の安定度(stability) を単位の鉛直■距離における密度差 をもって定義しているが,・−俄に貯 水池内における水の密度pは,水温β, 浮遊物質濃度C(あるいは濁度T), 溶解物質濃度Sおよぴ:水圧Pなどの 7 60

r

レ′● 勤 一t亡● /小一′■ ノ′ ■′ 亜 .∠り 3つ 却 / ①−・・−・−Q朝059丁2餌純朴s7ヰ2即日t ②− QミQO鴇卜l6糾H十朋52州之 10 ③−−−−−−−Qと0抑酎0・淵OH十421㍑げ I ll I I I

123 4 5 6 7 8 910111こ三

紳\壬 Q(Jlや血c) 第10因 川添盈水堰流曲盈線 曲数であり,各変数は水深zの曲数,密度pも水深zの曲数なるにより,貯水池内鉛直安定度Eを偏微分法により求 めると(9)式をうるい ここで貯水池のような淡水では, E=づ≡−=音譜㌃・意+・十 (9) (ヰ) 圧力の鉛直的変イヒが小さく,は一膳に水軌Omごとに密度5×10 ̄道c・・g・・Sをます程度であるから・水圧により

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第9巻第2専′(1957) 83 変化する右辺第4項は,当神内上池(最大水深約23m)、程度の水深では一億値にi圧く,したがって比較的の値をう る場合無視してもよく,また淡水における溶解物濃度も上下ほゞ・一億とみなすと右辺第3項も右辺第1,2項に比 して小さく省略しうる..よりて神内上池における鉛直安定度は,温度と浮遊物質濃度のみに左右されるものとする (」\ と近似式として㈹式が適用できる. E=意一意意・ト賢一告 ㈹ 次に浮遊物質濃度C(ppm),濁度T(ppm),水温0(Oc)と水塊の密度p(c。g.S)の関係をみるに,Pは0のみの曲 (Z)(き8) 数,すなわちC==0(oTT=0)なる場合の水塊密度瑚ほ,40c以上で契験的に㈹式なる近似式で示されているい この 際水温が9=40c(constant)なる場合における浮遊物質濃度がCなるときの密動cは,SOlidをほゞ均質とみて,そ の平均比憲を♂とすると,pCは脾式で示され,以上により水塊17の浮遊物 j空二二牡 pβ=1− ㈹ (4〉 質濃度がC(ppm)で水温が0(Oc)であるときの密度pocを求める式としIt㈹式が適用される pc=1+(1−⊥)C火10−6 牒 β∂c=(1−(6∂2−36針→4フ)よ10引1−‡×10一中c紆6 個 いま(1扮式の〈 〉を解くと(13′)式と・なり,なお高次の無限小項を無視すると㈱式となる

pβc雲コトー(6β2−36∂−4H且・−C)×10一牒・十旦(卵2−36♂)×10−1℡

(13′)

裡。=ト働2−3卵−4汁!−C)×10−6

(咄

(21) こ.こで第3報に示した過去に・おける神内上池残存堆砂層珪申,上,中,下流3断面(第4図参照r)の浮流物質層討16層

理について比重を測定し,各層理厚さをwei由tとして求めた各断面浮流物質層の平均比重♂を示したのが第1表 第1表 神内上池堆砂(浮流物質層)の比重 である.いまその金平均比重0=249を用いることに・し,また前述のようにnをCOefficientoffineness とする

と浮遊物質濃度Cと濁度Tの関係がC=nTで示されるから,当神内上池に適用される宍用的公式として個式がえら

pβc=1−(6♂2−36β−4ト0・598nT)×16 ̄6 れるいそこで個式について㈹武佐より神内上池鉛直安定度Eを求めると㈹式がえられる・

E=笠=((36−12の昔十0‖598n雷う×10−6

次に個,06)式における浮遊物質洩度C(ppm)は,実測濁度T(ppm)のdataによりC=nTとして決めることにな (21)

るが,いまnを決めるのに一応第3報に・示した神内上池過去の堆砂層理中,(1)上流側A断面(top・・Setbeds)No”3

層理,(2沖流B断面(bottom・Setbeds)No.1層理,(3)■下流堰堤側C断面(1=OttOm・Sett・eds)No・1層理なる3 浮流物質闇(闘植を含む細埴土)および極)沈澱箱Klよるsedimentdepo3it(第4,5因Nol4測点における1956年 9月分沈澱勒)など(第4図参照)を用いて,CpT曲線を実際的に求めたのが第11因であり,採用sedimentの 理学性を示したのが第2表である..この際供試sedimentはできるだけ貯水池における浮遊状態に・近づけるた め,200mesh(0074mm)の節な通過するsampleを刷、,蒸溜水により稀釈しながら前述S式濁度紺こ・よって 取替r(ppm)を求め,その時の瀞濁水を蒸発乾固して11巾mg数をもって浮遊物質濃度Cをppmで対応させ た‖ この4試料によるC−T関係は大体直線関係にあり,いまC=nTにおけるnを求めると0。908がえ.られるい この

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香川大学農学部学術報告 84 第2表 Sedimentの理学的性質(C−T曲線採用試料) *:第3報(21)で調査済の浮流物質層. **:沈澱籍(第4因No。4測点)による1956年9月分sedimentdeposit. ***:TuRIN氏の酸化滴定法による. nの値は,勿紛前述の密度pや鉛直安定度Eに影響をおよぽ すことであり,また時期に.より多少異るのが当然なるも, その詳細な検討は今後沈澱将による季蘭別sedimentによ り行うことに・して,・一・応羊の値を採用する・ よりて神内上池の場合n=0908を用うると個,個或は それぞれ膵,㈹式のように.なってくる. P飴=P=1−(6β9−36∂−47−054T)×10 ̄Sα刀

E=告=意=((36−12の意十054昔)

×10−6 且ゆ この潤,㈹両式から,水質調査でうる水温(のおよび濁 度(T)の観測値を用いて密度分布を求め,合田の運動方 (4) 程式(4武)で重要な意哉をもつとされるRICHARDSON mmber Ri(5式)の計算忙供し,池水の流動状態変化 を検討すること.にする.それには先ずαⅥ式に・より各観測値 te 灯山一3屑 0 函L S−1暦 ▲ め7 机S・−1屠 No.4(沈銀嶺 る舞曲ment)

拶 ○ ぱ○

r ト 、一 郭 価 鍍度C 脚 加 ㈱ ㈱ 1卸 1霊妙 濁脛T(押m) 第11図 沈澱堆積池泥の濁度と濃度の関係

∂,Tを代入すると計算濫.より密度βが求まり,密度分布図が画かれ,これに・より・一・応池水の流動状態変化が考察で り.1 きる・・また躇屑の流動潤する抵抗は一脚こ鉛直難度E=三…の大小によって判那きるととされているが,合田 (5)

は浜田のあつかった2次元密度流の運動方陛式が成立する場鮒式の右辺第3痴有望に導入されたRICHARDSON numberRiの大小によってもl一応比駁判定できるものとし,このRiは流体の乱れに対する安定度を表現するindex

恩義=。7鮎

とされている¶瀾ここの無次元畳はRi=で示され,乱流。存続しうる条件としてRiく1 =22

丁(慧)唱

’ (BROOKS,B三RGGREhはこの限界値はRi′=Ri/Ri+1なるRi′を用い0≦Ri′≦1を与えており,その他若干異論もある)

が与えられているが,この調査では全水域について流速観測が容易にできなく,したがってu,些の値がえがたいの aZ

で,前述観測値の♂,Tから肘=摘式に.より求まるβ,Eあるいほgなる既知数を用いて,一応乱流減衰の限界値Ri=1に (・11 対応する些を迎に求めて比較換討することにする.・この≡を合田は限界速度勾配(criticalvelocitygr・adient) aZ

Gcと定義し′】功式を誘導し,これは地中のある任意部分で乱流交換が可能か否かの判断に・役立つという.

Gc=(諾)。fit.=ノ亨

このことの意味は鰍路舌こ流における速度分禰関数渕が成立する場合忙ついて説明されており,結局U*=据

(摩損速度frictionvelocity)に比例する盈であるから,−「肢に乱流でGcが大となるためには,それだけ大きい sheaIingstI・eSSを生ずる必要があるわけとなを」

以上により前述各摘値p,Eを用いてGc=ノ倍1が紺され,限界速度勾紛布図ができるが,これにより主

として池永縦断方向の流動状態について考察する

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第9巻琴⊇・号(1957) 85 但)調査結果および考察 (a)第1回(1957年4舟30日)調査結果にづいて(第3表,第12,13,14,15,16,17,18,19図参酪) 第1回冒観測としては測点Nol1∼Nol7についてそれぞれ各種水質観測を待った”eediment調査でほ.,1956年 8月宋第4図に点す測点No“1∼No・6なる6カ所にそれぞれ前述のごとき沈澱粕を設置して観測を始めたが,同 年10月上旬急に底樋管を通じて下流側神内地 に放水(魚取りを実施)した際沈澱箱若干紛 失したので,今回再び測点No…1,No.2お よぴNo4なる3カ所最深部に沈澱箱を設置 して観測を始めた 調査日の水文事賓をみると(第12囲その他 参照),貯水池流入畳は4,547m8/dayで過去 2カ年間平均流人盈8,147m8/血yの約桟で少 く,貯水池水位ほ満水面下5‖83mであり,4 月はじめより硬水なかったので351m上月 して.’おり,また4月19′−26日にわたる降雨 (Max230mm/day)による最高10,635m8 /dayの出水が減水し,5月に入りすぐまた降 雨によりT・iseが始ったその谷にあたる..気 温ほ9時1700c,最高2800c,最低1000c で,観測時(13′}16時)は26−24100Cであ り取水はない..流入水質をみると水温ほ 2060cで気温よりも低く,濁度ほ64ppm, pHは70で中性,アルカリ度は25ppmであ った 貯水池内における各測点水質観測並びに引 算値の結果を表示すると第3表となり,これ らから各水質の等値分布図を作製したのがそ れぞれ第13因(水温分布図),第15図(濁度 分布図)..第16囲(pH分布図),第17因(了 故 意 (m)くm〟dayl 水魚97.1爪印 水月政:118

杜_

貯水拉 平均呼水位:−−8刀爪 第12因 神内上池水文調査(1) ルカワ度分布図),第18因(密度分布図)および第19因(限界速度勾配分布図)となる。 第3表 神内上池水質調査並びに刑算表(1) (1957年4月30日,隋,気温24′−260c,貯水位満水面下583m) rr十 =:二 −− ▲_

警警ノ竺J竺.園埠一軍㌃些

鉛直安定度 E=dp/dz 限界速度勾配 Gc=/lgE/Pl ‥‥ミご三:∴・ No‖1 5 01つん3456﹁ノ8901つム34ごJS l l ■⊥ l l l l 009886︵b3つん099877J7ノブ 2︵∠ 41463518936179876 l l l l11⊥l l

︻ノ3906381967▲344219

6445455533︵∠︵∠22331

O 99928e06 O 99834886 099846989 0。99864354 O 99869894 0.99901036 099∈;07447 O 99940391 09S951503 099978320 0−99984110 O 99381898 099990プ36 O 99995824 O 99996449 09999フ013 O 99991507 透明度: ■2。90m

2233311﹂12211﹁10011

7二′二ソニノユノ77﹁ノ7777▲﹁ノ﹁ノ﹁ノ﹁ノ﹁ノ ︵∠67▲000︵∠34333つ山31﹂3︵∠ ︵∠2つん︵。︶つ︶つ︶33333333つJ33 --O 000060EO −000014103 −000015365 −0。00005540 −000031142 −000006411 −一000032944 −000011114 −00002e815 −0.00005フ90 −0−00003788 −0000028ご8 −00000三028 −000000525 −000000≡64 −000000388 44738833525068301238926623787498 23 つ︶2︻02︻〇3︻〇つムl lつ山000 00 00000000000000 0000000000000000

(8)

香川大学鼻学部学術報告 86 透明度: 2.80m 600200︵∠424︵∠234 23︵J3︵一︶つ︶33333333 23310000110099 77︻ノ77﹁ノ777フ﹁ノブ66 O 90824546 0,99828709 0‖99848994 O 93870121 O 99887816 O 99910465 0.99924100 0.99941e44 0い99963770 O 99977374 0‥99983355 0.99989268 0.99993403 0日99995921 0.99822423 0.99835081 0.99843052 0.99860667 0..99896133 0り99907496 0.99925544 0い99950240 0999584:38 0.99820336 0い99830888 0.99845218 0.99871762 0…9988フ665 No.2 O lつム3456﹁ノ890﹁⊥2つJ l l l l 64433907847939 00987▲︻〇531098︵07 ︵∠︵∠﹁⊥1⊥l l l l l l

54587▲3742︵∠3124

69086944145092 0.0639 0.0446 0 0455 0.0413 0..0471 O 0366 0い0415 0.0466 O 0365 0..0242 0..0240 0..0201 0、.0157 −0.00041630 −0.00020285 −0。.00021127 −0.00017695 −0…00022649 −0,00013635 −0.0001フ544 −0い00022126 −0.00013604 −0“00005981 −000005913 −000004135 −0.00002518 −0,.00012658 −0…0000フ971 −0い00017615 −0い00035466 −0い00011363 −0い00018048 −0‖00024696 −0..00008198 −0,.00010552 −0,.00014330 −0.00026544 −0.00015903 −0..00000030 透明度: 2リ70m 2626262828283435罰 つ︼つ]l n︶099ワニソ 7︻ノ7776666 717−︵U81903

0098664つJ2 221111111⊥

︻〇ワ▲56567︵∠4 ︻〇93︻〇5︻ノ663 O12345678 0.0353 0い0279 0小0416 0い05(;9 0…0334 0.0412 0.0492 0.. 0284 透明度: 2い50m 50U560 ︵∠︵∠223 20110 77フ77 37438 66854 83623 00987 22111 25■・⊥︻〇 2719 335︵J O O O O n︶000 ; ̄ 二二_ ̄こ三∴

亘「喜∈

言二訂 0,.99326750 0い99826780 0“99807320 0小99畠24589 4〇 78 ・l No.61 0121.4

No・・7loい0“6【6・4i

水温(1) まず水温の鉛直分布をみると(第13図参 照),成層化が相当進んでおり,流入水塩は 約2lOcで気温よりやや低いが,表層水温 は全域にわたって流入水湿とほゞh上し く,堰埠付近最深部で最低7・∼80cを示 しこの間(約16m)にわたり,大体正列成 層(dir・eCtStratification)の水温鉛直傾 度を示している・・次に躍層(tberTn8− cline)について考えてみるに・,通常天然 湖沼においては,その夏季水温の鉛直分布 l】1l rミ 番 鱒 No.2 川・㌣−・−」撃−一半−−・早−・・葦−−「 一し 爪V 温 ・ノホ により3段に贈してい 凱3図神内上池水温分布慣虻

i表別酉(epilimnion):表面から5∼20mまでの窓側、さくほとんど同湿層(bomo触・m)をなす部分で,

この層では渦動(eddy)が最も著しく発達し,表面に起る蒸発や夜間の冷却に伴う対流などのため,輪射に・より生 じた指数曲線的水温鉛直分布が撹乱されて等温に近くなる ii変水屑(metalimnion)または水温躍層(thermocline):深さ5∼20m範囲に存在する,対流や渦動(また 援勘turbulence)が著しく弱まる限界層であり,RICHTER(1889)がW6rthersee湖において初めて鋲著なも のを発見し躍層と命名した小 その後B一三HRENS(1914)は水質も変化することから変水屑と称したい 普通躍屑は一 つであるが,深い時にはULE(1SOl)によると,重雄層(1次踵層Prim如eSpnmgschicht)の」二潤すなわち 水屑中に小さな躍層(2次躍嬉子Sekundn・eSprungSChicht)を生じ,またHERGESELL,LANGENBECK(1892)は

(9)

第9巻第2号(195フ) 87

2次躍層の如きが沢山でき,それが融合しで一・次躍層となると.した.これに.関して,わが国湖沼においてもたとえ (44) (44) (43)

ば中部地力の暫木湖や南九州の池田湖あるいは野尻湖に.おいて第2次躍層の存在が認められている小 たとえば野尻 湖の例をみると,躍層は容挽き表面近くにできるが,たちまち腐乱作用で下層におし下げられ下宿に小躍層ができ る..しかし表層水湿の上月に.伴い安定度が次親に大となり第2次躍層は上層に止り下降しなくなる..これに第2, 第3の2次躍層が融合して浅部に大きな主踵層を形成するに.至る… しかしやがて放熱期に入り部分的循環が盛にな ると次第に下層に移動して小さくなり遂に底部にやいて消失する ら湖沼に比較して人工貯水池における第2次躍層の位置変化は著しく異る現象が認められている‖たとえば 小島による東京都山口貯水池(二上水)に.おいては,表層に生じた躍層は次掛こ下層に・移行し遂に・底層に達して小さ くなり消失するい また表層に別の躍層が生じ前述の移行が反履され,湖沼におけるような1年周期を何回か繰返

し,とくに.これは渇水期前後に起るという..また完全循環期に入る際は曜層ほ次掛こ上方に移行し表層において消 (4) (10) 失す−るという.その他合田の神戸市千苅貯水池(上水)や田中の三浦貯水池(発電)に.おける調査でも,湖沼にお

けるそれと異る第2次躍層の位置変化が認め られている∩ たとえば千苅貯水池では第2次 躍層の生ずる位置は,夏季の位置を原点とす (4) ると/第14図(合田原因)のように∴一・槙の周期 曲数として表わされ,前述各湖温貯水池に おけるものと大いに.異ると.している iii深水屑(hypoli一皿ion):変水層より 二 ・

∴ l二._∴二

く,再び渦潮が発達するが表層水のごとき盛 んな混合が起らない.ほとんど等温,静止状 鶴2次膵噌の生じた位懲 ︵水面下︶ 脚 礪 巨レレレレレし・レレレレレナ.b 0 ハリ l ︵ノれ 一一一−…−0−q  ̄’、q ⊥、⊥_⊥」転_山_._._ 3「

7 8 91()‖1212 3 4 5 6 7 8 月

1953 1954 第14因 千苅貯水池における籍2次應慣位置の周期変化(合田) 態の層である. わが国かんがい用貯水池に.おける躍層の位置 は,一腰に水深3∼10mであり4∼7mぐら (41) いのものが多いと.いわれているが,今回観測 では躍層の発達があまり明瞭でなく,とくに 表水屑の存在が明らかでない・・ただ深水屑の 存在が測点No.1,No,.2に.おける深さ9m 付近煩から認められるようで,これから躍層 上限を表面付近としてその下限を9mとする と,各測点における躍層の水温離傾度 は,1mにつき測点No..1で03′}26(平均 1‖12)Oc,No.2で02∼1“4(平均102)Oc, 濁度(1) 測 点 都 No.5 No.4 ,フ 軋一−・・−丁 No.6 ∧U 2 ノ﹁ ノ、hり 現 いハm︶ ︵小 口 2 4 気温一亡 崎 沖け M・ lTO 2g.O10

壱モや1日 19タ7年年齢○匂 夫イ頓 韓 .0 三先\漫 4.汁再‰ 光熱品 づ.85−m

沌 .Ⅰ8 J、 22 沖良T:押仇 0 1(1〉 2「)() 3rl=11 第15図 神内上池濁度分布図(1) Noり3で03′→20(平均104)Oc,No‥4で 05∼0.9(平均073)Ocとなり,緻平均098 (2)(4u) Ocで自然湖沼の平均1mにつき20cに・比べ てバ、さい.このように躍層の水温傾度が自然 湖沼のそれに比較して小さいのは,躍層内の 対流や按勤が自然湖沼に比して著しいことを 暗示するものと.いえよう.. 濁度についてみると(第15図参照),4月流 入が少かったため全域にわたり低くMin.. 1−0∼h4ax‖88prm程度で一腰粧池水は蒲 澄であるが,それでも著千路宵並びに.縦断方 向に差があり,堰堤近く探水間において若干 低い傾向がみられる. pH(1) 洲 ・㌧ 香

No・5 No.4 て7 No.3 T ̄ ̄ ̄「仙一・−「 ̄ ̄「 ̄、−

N0.6

︵川舟量水履︶

rさ 】衿 こl0 3Lll= l__.__.−.1+._..._1___=

靖]6図 神内上弛PI子分布図(1)

(10)

88 香川大学盛挙部学術報貸 高く下層が低い傾向をおび,pHの成層がやや進展しつつある傾向がみられる.この際瓢魚No.3下層部において, とくにpH=67∼69なる低い層がみられるのは,主として分割流域11(広田池を含む)からの流入水の影響に.よ るものと考えられる アルカリ度は(第17図参照),流入水25ppm に対して池内に.おいては22′}37ppmの範囲 であるが,pH分布と大体逆傾向の分布状態 を示し,上層が低く,下層が高い傾向がみら れ,おなじく測点No..3下層部においで35′− 37ppmなる1部高い闇がみられる 次に・密度分布であるが,密度P∂であるいは

密度勾酎なわち必債安驚齢=警は,水

温β,濁度Tの dataを即、て吼 ㈹式に・よ り比較的正確に鼻出することができた(弟3 表,第18図)…その密度分布図(第18因)をみ アルカリ度(1) 第17囲 神内上池アルカリ度分布図(1) ると,濁度は大体全域にわたり10ppm以下で小さくあまり差がなく清澄なるに.より,密度は主と.して温度差にも とづくため,水瓶分布とほとんどおなじ成層状態をなし,この密度分布ふらも躍層が,深さ0∼9mの範囲にある 測 ことが察せられる(この際密度分布図では, (掴恵)たとえばβ=0。9999700の場合099以下のみを 表示し,997としてあるが,以下おなじ表示 ォ をする)・その内容をみると,密度pほ表層が 票 Minで約0。99820,堰埠付近深水層では大と なり約0“99998に・達しており,その密度勾配 をみると,探さ1m当り測点No..1(6′・一329 )×10 ̄6,No…2(25′−416)×10−6,No3 (82∼247)×10−0,No.4(106′−265)× 10▼6,No.5(03)×10−6であるが,躍層0′・■9 mの範囲では,各測点を通じて大体100× 10ぺ以上かなり強い密度勾配を示している. 第18図 神内上池密度分布図(1) このように水温や密度の成層状態がかなり朗著であり,しかも鉛直安定度Eの値も躍層範囲においてかなり強いの で(Eが大であるとその部分の流動のenergyは拭耗するから1),流入水は等密度層(この際濁度の影響はほとん どないものとみると等水温層とみてよい)に沿って表層付近を成層流(.stratifiedflow)として流れ次第乾その流 動厚さをまして行く傾向が考えられる. 次に・RICHARDSONnumberRiを用いて躍層の流動に対する抵抗を考察してみよう.前述qg)式により各観測に対 する限界速度勾配Gcを計算Lたのが第3表に示してあり,また第19因では各測点での討算値に.10!sec」を乗じた 値を記入してある..これらをみると,Gcは 測点No1(0007∼0057)sec−1,No,.2 (0.016∼0064)sec ̄1,No。3(0028′→ 0“059)sec ̄1,No..4(0032′−0,051)sec ̄1 No.5は0002sec】1でとくにイ凱、が,躍層0 ′−9m範囲内では大体(0030∼0.060)sec− ̄1 で相当高い値をもっておる∴流入水は少くあ まり乱れのenergyをもっておらないので, 混合はあまり行われず,表層艦沿って流動 し,測点No5(水温高く,密度小でGc僅 か0002であり,いわゆる弛水と流入水の demaICationzoneがあらわれているものと 限界速度勾配(1) 鶴19因 神内上池限界速度勾配分布図(1)

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劣9巻第2辱(1957) 89 考えられる)付近より若干表層近くのstratifiedflowとして潜行し,この間若干の混合に.より稀釈や熱交換によ って「流動厚さをまし,−・刀貯水位低く,流入のみで喫水や余水吐よりの0VeTflowがないため,堰堤に突き当つ て乱れながらほい上り,表層において上流側に向け署干運向流の傾向があるのではないかと考えられる 最後に透明度をみると,上流側より測点No5(2.00m),No..4(2,50m),No.3(2.70m),No−2(2eO m),No“1(290m)と.なり,下流側堰堤匿近づくにつれ若干池水は澄んでくる傾向がみられ,その上下流較差 は090mであるが,これは主として水深の大小や水質とくに物理,化学,生物的浮遊物質,溶解物質の多少が影響 4 (.う) したものと考えられる 以上弟1回観測について若干考察したが,以後の各観測を通じその周年変化をみ.る際再考することにする. (b)第2回(1957年6月4日)調査結果について(弟4,5,6表,弟20,21,・22,23,24,25,26図参照) 今回は,観測点No.1,2,4,6,7について−各水質調査,No.1,No.2,Noり4について−沈澱箱による esdiment調査,およぴNo“3,No5については透明度のみの観測を行った 調査日の水文事項をみ.ると(第20因その他参照), 5月宋より6月4日まで降雨なく,流入盈は3,787 m8/dayで前回よりも少く,貯水位ほ5月中箇代月ヨ として若干硬水したのみで上昇を続け,満水面下 1り90mに達している..気塩は9時21.50c,最高 2800c,最低1250cで,観測時(12∼15時)は26.0 ∼28“00cであるい4月と5月の水文を比較すると., 降雨は4月971mm(11日)に.対し5月は134.2mm (16EI)で多く,月の大半が雨のため4月最高気温 29。00c,虎低気温100c,9時平均気温1100cに対 して,5月でほ最高充溢2900c,最低気温450c, 三 .心 〃降水量:lさlかⅣll 数:168 − ̄ ̄− ̄ ̄ ・・−・・−・− ̄−:■ 了

、__∴

殻細温 月鵬紬=汐。。。9時平均気温14170cとなり気温もさほど上昇してい ノ♪ノ/一っノれ寸 〃 → ∀ ∧β ない。また5月流入畳も雨のため4月より多く,4 14rC 月116,849m8/month(平均流入塵3,895m8/day) に対し,5月169,589m8/rmOntIl(平均流入盈5,470 ○仏A

\.aや..。。ヤク○、も一。■ケd

●サ 月敗牧気温二450C

〆.ノ●◆∼・。,。八▲で忘還二温

m$/day)で若干多く,したがって平均貯水位も4 月で満水面下823mに対し,5月では346mに上昇 している,. 観測日の流入水質をみ.ると,水泡2300cで気塩 より低いが,前回より幾分上昇しており,濁度は 24ppmで前回よりやや低く,pHはフ”1で中性に近 く大差なく,アルカリ度は.35ppmでやや拓くなつ ている.. 1(汐589mユ 47師/血y T ̄■ ̄▼■■■▼■1 ̄,■ ̄■■■■■■▼ ̄r●1■ ̄− ̄▼ ̄▼ ̄■▼T¶− ̄T 5 畑 15 沙 公 30 (日) 1957年 5月 第20因 神内上池水文調査(2) 今回の各測点に.おける水質観測並びに計算 値この結果を表示したのが第4表であり,その 各水質の等値分布図を作装したのが,それぞ れ第21囲(水温分布図),第22図(濁度分布 図),第23因(pH分布図),第24因(アルカ リ度分布図),第25因(襟度分布図),第26因 (慣界速度勾配分布図)であるい まず水温錨盾分布をみると(第21図参照), 水温成層の発達がかなり著しく,流入水は気 温より冷く2こ300cであるが,表曙水ほ24′− 260cしこれは観測を測点Nolから上流に向 って行ったための時間的ずれがあるため日中 水温(2) 訓 点 顎 骨 第21図 神内上池水温分布図(2)

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香川大学盛学部学術報告 90 強い太陽囁射に.よる)で気温に近づいている..また堰奥付近最深部で8..00c以下に下り,この間(約21血)にわた り夏季塑の正列成層をなしている..いまその各測点における鉛直面内Max.Minの水温較差を,前回(4月30日) の場合と.比較してみると,前回ほ.測点No.1(12h80c.),No‖2(12.7Oc),No‖3(8」40c),No…4(3l50c), No,5∼No.6(00c)に対して,今回は水深が393m.上昇したとはいえ水温較差が測点No‖1(15・50c),Noい2 (15.50c■))No.4(8…フOc),No.6(550c)となり,較差の増大がみられる・ 第4表 神内上飽水質調杏並びに引算表(2) (.1957年6月4日,晴,気温26−280c,貯水位満水面下1・90m) 水融水 温卜濁 度 限界速度勾配 Gc=/†前 鉛直安定度

H p

備 考 E=dp/dz −0..00004840 −0..00007203 −0小00007202 −000022816 −000027852 −0一.00021939 −000018720 け000019281 −0.00017727 −0.00011952 −0.00017830 −0.00014683 −0.00013914 −0..00010256 −0.00006566 −0.00005792 −0..00000682 −0..00003183 −0小00001230 (m)l♂(Oc)lT(ppm)l P8r 透明度: 4,40m 44333321111001102230 一77∵∴77777ワニ7二7777こノ77777 0“99763011 0.99767851 0.99775054 09978.2074 0.9980489つ 0.99332742 0.99S54731 0.99S73451 0,.99892732 0.99910459 0.99922421 0.99940251 0‖99954934 0.999S8848 0.99979104 O 99995670 0..99991462 0.99992144 0.99995327 0‖9999∈5557 0日99745651 0.99758096 0..99770230 0,99782171 0.99793829 0..99354779 0い99873488 0い99878859 0“99892673 0。999〕7318 O 99923840 O 99937603 0.99954907 0.99976512 O 99982518 O 99981957 0..99991489 0.99992155

6665544457‘22︵∠4322001

22つん2︵∠222つ山︵∠3333333333 99336799381545073622 223つ山︵∠2︵∠つ山433︵∠︵∠1223345

31855つ︼﹁⊥1091863246508

332︵∠1098755321098887

222︵∠2211一l l l l l l l O1234567890123456789 11 1 1 1 1 ﹁⊥ l l l ︵∠224︻〇4444つJ433322011 6623259︻へ︶63899748270 166﹁﹂26︵∠3141﹁ノ61にJ3871 0000000000000000000

000000∩︶000000000000

433332110011010200 7二ソ77777▲7▲︻ノ77▲777777﹁J 6677▲7▲ごU6669133つ︼21▲Ol ︵∠つん2222つん︵∠︵∠︵∠33333333

874﹁⊥1864︵∠469900488

2234633333︵∠l133333

05050﹁⊥180100︵050U165

43322987▲76542099︵08

2つ山つム︹∠︵ノ l l l l l l l l l O12345678901つん34︻〇67▲ l l l l l l l l 9 44542387329306879036 00000000000︵UOOOOO 一0.00〕12445 −00〇012134 −0“00011941 −0.00011658 −0。.000609SO 一−0..00018709 −0.00005371 −0..00013814 −0‖00014645 −0..00016522 −0..00013762 −0け00017304 −0..00021605 −0い00006()06 −0い00005439 rO00003532 −0.00000666 No3 ︰m ∵ :m 度00 度60 明㌻ 明乱

透透

水質観測欠 3つ]︵∠2111010 ワ⊥7一︻ノ717ワ⊥777▲7 つム32︵∠3︵.︶つ山つん︵∠︵ノ 107・7▲0097▲︵b︵0 0.9973289〕 0.99758095 0.99767867 0.9〕775033 0.9930929つ 0…99828584 O 99869921 0.99375381 0.9∋900950 0.99911953 ︵b62036︵∠2ワJ9 2233︵∠︵∠︻〇︻〇3つ血 No.4 01︵∠34︻〇67▲89 ︵∠︵∠つ山︵∠2つムl l l1 4332﹁⊥0︵び86︻〇 55﹁⊥83430︻〇8 0い0498 0.0310 O 0265 O 0580 0。0435 0..0637 0‖0231 00三01 0.0329 ー0.000252CO −0..COOO9777 ”−0COOO7171 −0‖00034252 −0.00019294 −0.COO41343 −0..00005454 【0.00025569 −000011003 透明度: 380m No.51水質観測欠

(13)

91 第9巻第2号(1957) 透明度‥ 4.30m ︻ ﹁﹂l l10 7▲77二7二∵ 1087 2∪︶2︵∠ 736︻〇 〇〇∩︶0 0000 48098 へ∠23︵∠︵∠ 0.99692862 0.99745689 0“99758123。 0.99798230 0.99826517 05つ︼61 33333 No 6 O lつん34 ︵∠︵∠22︵∠ 64310 0050U5 --O 00052827 −−0‖00012434 −000040107 rO00028287 0 7 0 N 7 1 23.O1 2。410.997702:;9

また蛸の鉛直傾卦芝雲一弼その鉛直分布をみると,剥く層の存在が深さ0∼3m範敵認められるようで,ま

た深さ14‡n付近から深水屑になる傾向がみられる..この間3”14mにおいて鵠1次躍層(約=3∼6m)と第2次僅層 (約8∼14m)なる2つの躍層の存在が認められる..いま第1次躍層上限3mから第2次躍闇■下限14mの範囲内に おける水温傾度をみると,測点No“108−1.3(平均112)Oc,No203−29(平均1・17)Oc,No・403′−21

(平均117)Ocと.なる.また第1次躍層内では測点Noい110′叫■1=3(.平均11、3)Oc,No203ノー29(平均1・・40 (2) )Oc,No.409′・−21(平均コ三0)Ocとなり変曲点(inflexionlayer)傾度極大の1mの層 はNonlで水深4

∼5m,N。2で=3∼4m,N。.4で5∼6mの酢みられる..第2次躍層内では意が測点恥・10伽13(平均

1。13)Oc,No‖207∼21(平均1.17)Oc,No.4で0プOcとなり変曲点はNo11で深さ12∼13m,Nol・2で11∼12m 層にみられる小 これら水温鉛直傾度も前回より一段に増大しているが(Max値290c),その紘平均値(11・270c) に.おいては,なお自然湖沼のそれに比べて小さい 濁度粧ついてみると(第22図参照),前回 とおなじく全域にわたり15∼6.1ppm程度 で低く,相変らず弛水は清澄であるが,それ でも鉛直並びに縦断方向に若干の琵があり, 地産勾配に沿った濁度成層進展の傾向がみら れる.. pHについては(第2:3図参照),流入水pH= フ1で中性に近いが,池内では全域にわたり 70−7.4の範囲で大体上層高く下層が低い地 底勾配に.沿った成層化の進展が認められ,流 入水pH=71に相当する層が地産に沿つで下 降し,水温分布でみられる第1次躍層と第2 濁度(2) ︵川離党水堰︶ 第22因 神内上池濁度分布図(2) 次躍層の中間層付近(6∼10m)に浸入定着している傾向がうかがえる… またそれ以下は大体70′−711の範囲に・あ

るが堰埠近くの深水屑に入ると72∼7.3なるpHの逆転闇がみられる小 この際流入水pHはフ1で中性に・近いが・表

層高湿部でとくに.pHが7.2−74のように高くなっていることは,高湿に・よる池水蒸発作用と・,G∽の溶解度に・も

関連しているものといえよう.また水温のごとく割合新著な成層状態をなすことは,生物繁殖状態(プラyクト

ソ),溶存成分(カチオソ,アニオンの組合せ),太陽光線による光化学反応,各稜辞酸塩の茨酸塩化・酸化,還

pH佗) 由 仁乙 番 01Lり2測 元,加水分解に伴う化学反応,あるいは諸生 軌細薗による生化学的現象などの影響もあ ろうが,この際神内上池においては,主とし

(2)(4) てCo2とCo$//との平衡関係に.よりて説明でき

るだろう..すなわちCo2が水にとける時には 大気中のCo2と.・一層の分配率にしたがうもの であり,大気に曝された水面が高温になると き,Co2を失い易く,したがってpH価が大 となりアルカリ性が高く,逆に潔層では水圧 が大で,また水温の正列成層により低温とな るのでCo2保持力が増■太され,したがづてpH 価が小となり酸性が置くなることになる 第23図 神内上池PI寸分布囲(2)

(14)

香川大学農学部学術報薯 92 アルカリ度は(第24図参照),流入水35ppm に対して,池内に.おいては21∼34ppmの範囲 にあるが,pHのようにあまり成層イヒが進ん でおらず,ただ流入後F、Ⅰ王とおなじように, 水塩の第1次躍層と第2次躍暦の中間層に下降 浸入している傾向がみられ,また堰堤付近深 水層において高アルカリ度(33一−34prm)の一 層が若干認められる… 次に密度分禰であるが,(鶴25因参照),今回 も■前回とおなじように,濁度は全域にわたり 小さく大差ないことから,密度は主として−水 温差にもとづくことに.なり,前述水温分布(第 触椚再伸帰陣 矢場 哺 摘顎トト907几 ‡」..岬 2(将 3(m−l 22 簡24因 神上内地アルカリ度分布図(2) 21図参照)とおなじく朗著な成層状態を示しており,この分布からも第1次躍闇(3∼6m)と第2次躍層(8・−14m)

の存在が明瞭に・なか密度昭.Min表層で099700からMaユこ.綾部099997にわたっており溜度勾配意は深さ

1甲当り測点No・1(7−279一)×10‘▲6,No2 (射川l) (7∼610)×10▲6,No4(54一一256)×10【6, No6(−124∼528.)×106であるが,その躍 層部分の平均鉛直安定度Eは,第1次躍層で 測脚01(242×10−−6),No・2(二304×10】6), 蔓 No‖4(316×10−6)となり,また第2次躍層 で測点Nol(134×10【8),No2(150× 10−6)となり′一膳に第2次躍層の安定度より 糸1次躍層の安定寛が約2倍強大となり,ま た上流側ほど安定度が大となっている傾向が うかがえる おなじく限界速乾勾配Gcについてみると U l仇I 扮ノ 御)n 箆2う因 神内上池密度分布図(2) c 密度勾配とおなじく躍層部分において弟1次躍層が第2次躍固より (第26図参照),測点No1(0003∼0052)se No..6(0035′−′0072)secmlの範囲であるが, Gcが強大であること.がうなづける 以上のように,前回(.4月30日)より安莞 度Eや限界速度勾配Gcの値が,とくに躍層 の部分において強大になって−いるのは,主と して流入水があまり大きくなかったこと,気 温上昇,貯水池水位の上昇などの影響があげ られるだろう この場合の流動について考えてみるに,流 入水は安定度の高い貌1次躍層の上部表層近 くの等密度闇(この場合等水温闇)をstrati− fiedflowとして流れるが,各水質分布図で わかるように,安定度の高い躍層部において 限界速度勾配(2) 叫 ・■l 許 キ No・5 No・4 ∇ No・3

水 沫︵m︶ 6 8 川 12 14 旭 18 沙 22

翫四川 lうゝ7引用埴 大1項 鴫 気温●C 9噂l卜k沃 Mm 2l.冒12臥0 ほ.5 流入蔓 5・「87塊y 1詣振 −−.勺Om

下R鴫度勺配=駄X10ヰ 0 1(氾 2(冶 300m 鵠26因 神内上池限男達匿勾配分布図(2) 若干混合,熱交換が行われ,そのため躍同部の安定度が弱まり,流入水の1部は池庶に平行に斜下向き転流過し, 再び高安定度の第2次躍慣部にあたって,第1次と第2次躍屑の比較的安定度の小さい中間層伺近に落寿いたので はないかと考えられる 透明度については,測点No.1(44Cm),No2(385m)No3(3∈0111),No4(360m),No‖5(360m), No.6(430m)で水深変化(貯水位上男)にもよるが,前回より芳干池水が澄んだ傾向がうかがえる

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第9巻第2号(1957) 93 最後に・Eediment調査の結果を示したのが,弟5表であり,5月ほ半月は雨であったが,降雨強度大なる降雨 がなかったため,瀞濁質の流入沈澱があまり新著でなかったことを示している.この際上流側から■下流側肛かけて その沈澱厚さ,沈澱盈が淑じているのほ,主として比較的粗粒部分が上流側で早く沈降したことになり,このこと からも,神内上池における$edimentは潮溶で考えられる生物起源の有機性沈澱物より,外部より運び込まれる 42 () 無機性沈澱物が,その大部を占めることがうかがえる‖ ちなみに自然暦掛こおける沈澱畳の例を示すと.第6表の ようで,今回の親側値は湖沼における夏季の沈澱盈(g/m2/day)に・大体近似している,しかしかかる人工貯水池 (21) では,一・.鼠洪水の際は朋当盈のsedimentがあるものと考えられ,笠名の当池適法の唯砂鉛直断面の調査に・よる

第5表 沈 澱 堆 積 盈(1)

(1957年5月1訂−6月4日,35日間) 平均日沈澱盈 (g/m2/day) 沈 澱き 厚 さ (cm) 備 考 観測点 全沈澱盈(g/m2) 沈澱籍(第7図参 照)による.. Noい4 】 250.000 0.154 0.054 0.039 49.660 36.550 j 第6表 湖 沼 に.お け る 沈 澱 盈(西条) (沈澱瓶によるもの)

‡沈 澱 盈

期 間 1953年 6′・■7月 7′}8月 1953年 6′−7月 7′}8月 8′}12月 1953年 6′−7月 7′−8月 8′−12月 1950年 7′∼8月 1949年 8月 1950年 2月 湖 沼 青 木 湖 木 崎 潮 7.6 46 3.8 5.9 3.3 11‥1 14..8 13.3 3.3 1()2.0 28い0 中 網 湖 榛 名 潮 諏 訪 湖 と,浮流物質層で最大100cm,掃洗物質層で最大80cmなる層珪厚さが観測され,・また1956年9月における沈澱糟 に・よる調査でも沈澱厚さ約10cmなる結果がえられたことから,貯水池におけるsedimentationの問題解決は,極 めて重要な課題であると大言できるだろう (以下次号) 第9巻第1号 正 誤 表 誤 〆は主として互 ∂Ⅹ これ」鉛直安定度 などに し 吉 良 八 郎 正 〆は主として互 ∂z ■これを鉛直安定度 などに.比し 15買 上から6行目 16買 上から12行目 上から14行目 16頁 (6)武者辺 1L7頁 (票)8 _写PRi g 第2図

参照

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